Hula-Hooper(フラフーパー)は菊川朝子さんが脚本・演出・出演される劇団です。今までにも何度も行こうとしてかなわず、やっと今回初見となりました。
ダンスや歌(懐メロ)を挟みながら、若い女の子ならではの感性で『若草物語』を自由に楽しく作り変えられていました。※なんと四女のエイミィが双子になってます。
ストーリーはあくまでも原作に沿っており、パロディーではありませんでした。※原作の内容についてはこちら(1994年のアメリカ映画の解説)に詳しいです。
菊川朝子さんと梅澤和美さんはもともと故林広志プロデュースでお見かけした覚えがありましたので、コントに近いことをやられるのかなぁと思っていたのですが全然違いましたね。ある世界観をもってきちんと一つの演劇作品を演出をされていて、アイデアも可愛らしいなぁと思いました。
しかしながら女優さん達の演技のぬるさが私の肌には合わず、最初の1時間はうとうとしちゃいました。ジョー(菊川朝子)にいじめられた腹いせに、エイミィ(山口奈緒子 or 吉田麻起子)がジョーの小説の原稿をこっそりと燃やしてしまう中盤のシーンから一気に盛り上がり、そこからは寝ないで最後まで観られました。エイミィ役は2人いらしたんですが、家庭教師のブルック先生を演じられた方の女優さんがしっかりしていらっしゃいました。
※ブルック先生とエイミィを演じられたのは山口奈緒子さんでした(2005/07/19追記)
「演技がぬるい」と書きましたが、それで意図どおりだったのかもしれません。いわゆるヘタウマを狙ったのかも。ただ、終盤でジョーがお隣りさんのローリー(吉田麻起子)に「好き」と告白されつつ(口パクですが)、どんどんと迫られていくシーンでは、ジョー(菊川朝子)の表情がものすごくセクシーで目が離せなかったんですよね。あの演技には真に迫ったものがありました。全編そうあるべきとは思いませんが、見入ってしまって時間を忘れる瞬間がもっと欲しかったです。
美術がメルヘンチックで可愛いかったです。舞台中央は四姉妹の家ですが、上手際から劇場入り口へと延長する形で舞台を客席側にせり出して、隣りに住むローリーの家も作られており、OFF OFFシアターの舞台上の上手側にある柱が全く気になりませんでした。舞台の一段下にも客席をつぶして演技スペースが取られており、舞台の上と下でシーンが重なるのが良かったです。
ホームページの劇団紹介に“オンナノコを武器に使わないオンナノコだけで魅せる芝居で・・・(省略)”とありますが、十分オンナノコが武器になっていたように感じました(私が女だからかな)。でもそれでいいんじゃないかしら。だってとってもカワイイし(笑)。
次回は同じ劇場で今作の続編『何かのプレイバック』になるそうです(お芝居中にそのように告知されていました)。
出演=長女メグ:平川道子/次女ジョー:菊川朝子/三女ベス:上枝鞠生/四女エイミィ:山口奈緒子(明日図鑑)/五女エミリィ:吉田麻起子(双数姉妹)/お手伝いのハンナ:田口愛/お母さん:梅澤和美
原作=ルイザ・メイ・オルコット『若草物語』 脚本・演出=菊川朝子 照明=鈴村淳 音響=伝井幸洋 衣裳=竹内陽子 ヘアメイク=入江佐伊子 舞台監督=小野哲史(突貫屋) 舞台美術=斎田創 宣伝美術=菊川朝子+ysht.org 写真=湯澤幸一郎(天然ロボット) 制作=ふらぴすと 制作助手=沼田光弘・佐藤真義 制作協力=日和庵
Hula-Hooper:http://hula-hooper.com
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