朗読と音楽のコラボレーション公演です。朗読の出演者は日替わりで、私は三田和代さんが出演する初日(公演の初日でもあります)に伺いました。音楽は作曲者の稲本響さん(ピアノ)と、稲本さんの弟の稲本渡さん(クラリネット)の生演奏です。なんて豪華なんでしょう!
7月の公演についてはイープラスの得チケで6,300円が4,000円です!
※8/29~31に麻美れいさん、11/8~10に高嶋政伸さんの出演が決定しています。
※読者の方から感想文を頂戴しました。→ 浦井健治さんの回・松村雄基さんの回
楽器を演奏する2人と朗読をする三田さんの3人が互いにアイコンタクトとりながら、息をしっかり合わせて、モモ少年とイブラヒムおじさんの暖かい物語を紡ぎだしてくださいました。もー涙がこぼれて、こぼれて・・・やっぱり三田さんは素晴らしい!稲本兄弟のピアノとクラリネットは、そりゃ~も~美しくて、さらにお2人ともかっこいいので目も耳も喜びまくりでございます(笑)。めちゃ早くにチケットを買っていたので最前列で堪能いたしました。前の方の席がお薦めです♪
エリック・エマニュエル・シュミットさんの戯曲については、『謎の変奏曲』で大感動しておりましたので何の心配もせずに前知識ゼロで伺ったのですが、それも功を奏しました。もともとが一人芝居の戯曲ですので、モモ少年の生活やイブラヒムおじさんの素性、2人が住む街の風景などが、俳優によって語られる言葉から、少しずつ、少しずつわかってくるのがとても楽しいのです。また、モモ少年の視点から一人称で語られる彼の少年時代は、静かではありながらも波乱万丈なので、意外な展開にドキドキしながら、次から次にこぼれ落ちてくるイブラヒムおじさんの名言に胸が熱くなります。
もちろん、三田さんの情感あふれる朗読だからこそ、一瞬一瞬を丁寧に輝かせるような楽器演奏だったからこそ、こんなに感動できたんだと思います。
音楽と朗読を助けるように照明と音響効果がありましたが、ちょっとうるさいなーと思うこともありました。音楽と朗読のチームワークがものすごく良いので、照明や効果音にあまり必要性は感じなかったですね。3人が作り出した空間がそれほどに豊かだった、ということです。
実はこの戯曲は既にフランスで映画化され日本でも上映されています。映画を観たことがない方で、これからこの作品を観に行かれる方は、映画の情報を頭に入れずに観に行かれることをお薦めします。できれば映画版のイブラヒムおじさんやモモ少年の顔などは見ない方が、朗読時にご自分で頭に思い浮かべる情景がより豊かになることと思います。映画の詳細はこちら。
もしかするとパルコ劇場のLOVE LETTERSのような不定期連続公演になるのかしら。
ここからネタバレします。
【あらすじ ※映画サイトより引用】
パリの裏町で暮らす13歳のユダヤ人少年モモと、彼のアパルトマンの向かいで小さな食料品店を営むトルコ移民の老人イブラヒム。家族の愛に恵まれない不幸な境遇の中で思春期を迎え、大人への階段を一歩ずつ上っていくモモ。そんな彼の成長に手を貸すことに生き甲斐を見出し、孤独な生活から脱していくイブラヒム。愛も知らずに人生の春を迎えた少年が、人生の晩秋にさしかかった老人と出逢い、限りない愛情を注がれ、人生の楽しみ・喜びを知っていく姿をいきいきと捉えた物語は、人種と世代の壁を超えた人間同士の絆を描く普遍的なヒューマンドラマとして、深く心にしみる味わいを残す。
下記、心に残った言葉を記録しておきます。(言葉は完全に正確ではありません)
【2人でパリを訪れた時】
「ご覧、モモ。セーヌは橋が好きなんだ。女がブレスレットを好きなように。」
「(ブランド店にて)それが贅沢というんだ。ウィンドウも空(から)、店も空(から)。全てが値段の中にある。」
【好きな女の子に対してどうすればいいのか】
「お前の思いは全てお前のもの。お前が与えるものもお前のもの。お前が与えない限り、全て失われる」
「“僕はハンサム?”と聞かれても、女は笑うしかない。お前はアラン・ドロンやマーロン・ブランドーじゃないんだから。美しさというのは、女性の中に見出すものだ。」
【2人でホテルを訪れた時】
モモ「美しすぎる」 イブラヒム「美はどこにでもあるんだ」
【パリからイスタンブールへの旅路にて】
「僕はヨーロッパを見なかった。聞いたのだ。」
「知恵と理性と思想のある人間」
「お前の頭脳はお前のかかとだ。かかとは深く考える。」
「時間を急がないこと。それが幸せへの鍵だ。」
"Monsieur Ibrahim et les fleurs du Coran"
出演(日替わり)=三田和代(7/21夜,7/23昼,7/24夜)/浦井健治(7/22夜,7/23夜,7/24昼) /松村雄基(7/27夜,7/28昼・夜) /榎木孝明(7/30昼・夜,7/31昼)
原作=エリック・エマニュエル・シュミット(Eric-Emmanuel Schmitt) 翻訳=青井陽治 武藤洋 演出=青井陽治 音楽=稲本響 美術=朝倉摂 照明=沢田祐二 音響=高橋巖 舞台監督=北條孝 版権=マーチン・ネイラー 制作=小林真知子 プロデューサー=初見正弘 主催=博品館劇場 オン・タイム TBSラジオ 企画・製作==オン・タイム
前売り開始:6/25(土)全席指定 6300円(税込み)全12ステージ
オン・タイム :http://www.ontime.jp
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