2005年08月31日
bird's-eye view PLAY FESTIVAL『36000秒』(2日日)08/20-28王子小劇場
朝9:30から創作を開始し、19:30より出来た作品を発表するという驚きの企画の2日目。公演の概要については初日のレビューをご覧ください。
パフォーマーDAYということで、初日とはかなり毛色の違う作品が観られそうだと思い、本番にのみ伺いました。
休むに似たり。に詳細が書かれており、率直な感想も述べられています。
この企画のまとめはこちら(2005/10/05追記)。
ひとことで言うと「立って観ているのがつらかった。だけど、貴重なメンバーのコラボレーションが味わえて個人的には大満足♪」というところです。
劇場に入ってまず驚いたのは、客席がなくスタンディング形式だったこと・・・(涙)。これはツライ。立っているのを忘れさせてくれるような空間を作り出してくれること、そして上演時間が短いことを祈るしかない、というのが私の中でのこの作品の幕開けでした。※希望者は2階のキャットウォーク観劇(床に座れる)も可能でした。
でもパフォーマーDAYですしね、つまり出演者の大半がダンサーさんですから、確かに舞台はあれぐらい広くなければ出来ることが限られ過ぎていたと思います。これもまた「上演当日に創作をする」という企画ならではのハプニングということで、マイナス志向から脱出するよう気持ちを切り替えました。
幕が開いたというのに出演者達が「オープニングをどうしよっか??」と相談し始めました。またそれが全くかみ合わないのです。だらだらフラフラしています。さらに「俺達はこの36000秒で何も作ることができなかったね!」とちょっと怒り気味に言ったりして、ケンカでも始まりそうな雰囲気。本気なのか嘘なのかが非常にわかりづらく、ただでさえ「本当に10時間で作品できたのかな?」と心配半分で劇場に来た者にとっては、さらに不安を増幅させるマイナスポイントでした。
実は現実世界と作品世界の境界をわざと曖昧にするという意図があったそうで、その意味では私は完全にハメられたわけです(笑)。しかしながら本番中に様々なトラブルもあり、想定どおりには運ばなかったとのこと(終演後のトークで判明)。私としては、観客が大きな不安を感じてしまったことが手痛い失敗だったように思います。嘘と本当が曖昧になる演出はとても面白いと思うので、できればマイナスの精神状態にではなく、もっと楽しく可笑しい方向に持っていってもらいたかったですね。
漫画を朗読する男女、本(動物園物語?)の朗読、本を使った即興(?)パフォーマンス、2~3人のペアでのダンス等、短編が順番に上演されていく形式でした。たぶんこれがもっと相互に関係し合うように作られるはずだったのでしょう。各シーンが終わって次が始まるまでの間が長すぎるように感じました。
ダンスシーンは照明も含めて超かっこ良かった!特に全員で身体を動かしている(踊っている)ところは鳥肌モノ。まず、一人一人がとても実力のある、独自のスタイルのある、魅力のあるパフォーマーさんたちなんですよね。そして一緒に舞台上に居ることがありえない、貴重なメンバーなんです♪綾田將一さん(reset-N)と篠崎芽美さん(珍しいキノコ舞踊団)が絡み合ったり、おんぶしたりするのに感動。
音響はパーカッション(江村桂吾)の生演奏なので素晴らしいのは言うまでもありません。出演者の棚川寛子さんも色んな面白い楽器を演奏してくださり、生の楽器演奏と動く身体との即興コラボレーション空間には、今、ここでしか味わえないクオリティとオリジナリティがありました。
スタッフワークについて。この日はパーカッションの江村桂吾さんがノートブックのMacも同時に使い、スピーカーから出る音響も担当されていました。公演付きの音響さん(佐藤春平)は「僕は(江村さんに)おまかせできたので楽でした♪」という状態だったそうです。つまり、照明以外はほぼ参加メンバーだけで作り上げたわけですね。終演後のトークで総合監督の内藤達也さん(bird's-eye view主宰)が「僕が完全にノータッチなのはこの日だけです」と告白し、出演者は驚愕していましたけど(笑)、まかせきった方が面白い作品になるだろうと睨んだ内藤さんは正しかったと思います。
うまく行かなかったところが多々あったのはわかりました。確かに作品全体としては観ていてつらかった。でも、全力投球で創作して自分達にしか出来ないことを見せてくれたことが、私の胸に一番強く届きました。あれは、立ったまま舞台を見つめていた私と、七転八倒していた彼等とのコミュニケーションだったんじゃないかと思うんです。あの空間に共に居た、あの時に彼等に出会えたことに、とても感謝しています。
≪ポストパフォーマンストーク≫
終演後のポストパフォーマンストークがめちゃくちゃ面白かったです。観客はほとんど全員残っていましたね。これがこの企画の目玉であり、最も意義の大きいところではないかと思います(噂によると、日によってトークが面白い日と面白くない日がかなり分かれたそうです)。
まず、総合監督の内藤さんより「(ホワイトボードにも書いてあったのですが)今日のテーマは“土の中のリンゴ”でした」と発表されました。これがわかって観ていたとしても、たぶん何が「土の中のリンゴ」なのか全然わからなかったですね(笑)。でも、「リンゴ」→「ニュートンの万有引力」→「リンゴは地球に恋してる」→「一緒になりたいのに本当に深くまでは近づくことが出来ない」というような関係性へと、テーマが深く広くなっていったというのは素敵です。人間の想像力、とくにアーティストの自由な発想は素晴らしいなと思いました。※このテーマを出した観客が「土の中のリンゴ」とはつまり「じゃがいも」のことであると述べられました。
朝からずっと創作を観ていた観客の一人から「本番(作品)ははっきり言って失敗でした。そこのところを話しましょう。」という率直な提案が出て、めちゃくちゃ驚きました。でもね、その方のおっしゃるとおりだと思うんです。「失敗だった」という意見に同意なのではなくて、創作者と観客がその日一日の営みの結果について率直に話し合うというのが、この企画の肝だと思います。勇気のある観客だなーと思ったら、演出家の方でした。なるほど、そういう交流があの場では生まれていたんですね。
あの発言以降、パフォーマーも観客もけっこう遠慮なく話してたと思います(笑)。本音が聞けてものすごく面白かったですよ。本番しか観ていない客は知り得ないはずの情報が得られるのでなおさらです。
石山雄三さん(nest)が「自分は次から次へとパフォーマンスを続けて、間を埋めていこうと思う方なのだが、他の人はそうでもなかった。人によって時間というものの捕らえ方が違うというのがわかって勉強になった」という意味のことをおっしゃっていました。私は石井さんのお考えに賛成というか、観客としての立場からは、間なんてどんどん詰めてもらって、次から次へと面白いことをしてもらいたいのが本音です。特にスタンディングでしたしね(苦笑)。
※出演者による感想が読めます↓
Gardens(山中郁さんのブログ)=36000秒を終えて、うる覚え36000秒(後編)、36000秒まとめ
田口アヤコ 毎日のこまごましたものたち=36000秒 ぶじ終了、36000秒ドキュメントもどき。長文
※上演期間=8/20(土)~22(月)、26(金)~28(日) ※出演者は日替り。
※当日朝9:30の時点から創作をはじめて10時間後に発表するという企画。
出演=綾田將一(reset-N)/香川亮(air:man)/金崎敬江(bird's-eye view)/篠崎芽美(珍しいキノコ舞踊団)/田口アヤコ(COLLOL)/山田宏平(山の手事情社)/山中郁(bird's-eye view)/大内米治(ク・ナウカ)/石山雄三(nest)/棚川寛子/パーカッション・音楽=江村桂吾
総合監督=内藤達也 照明=榊美香(I's) 音響=佐藤春平 ヨシモトシンヤ(SoundCube) ボディペイント=ぺんぺん 制作=眞覚香那子 提携=王子小劇場
bird's-eye view:http://www.b-ev.net/
公式ページ=http://www.lucy.ne.jp/~bev/2005_07/36000.htm
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
●○●人気blogランキングに参加中!ポチっとクリックしていただけると嬉しいです。●○●
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
★メルマガを発行しております。過去ログはこちら。
毎月1日にお薦めお芝居10本をご紹介し、面白い作品に出会った時には号外も発行いたします。
ぜひご登録ください♪
『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』(ID:0000134861)
↓↓↓メールアドレスを入力してボタンを押すと登録・解除できます。

『まぐまぐ!』から発行しています。
tpt『道成寺一幕』08/20-09/4ベニサン・ピット
どんな演目であろうと絶対に観ることにしているtptの公演です。三島由紀夫の「近代能楽集」の中の「道成寺」を、ドイツ人のトーマス・オリヴァー・ニーハウスさんの演出で。公演詳細はこちら。
ニーハウスさんはtptで『時間ト部屋』も演出されています。役者さんもその時のメンバーが多いですね。う~ん、今回も奇抜な演出でした。
≪あらすじ≫
年代物の巨大な衣裳箪笥(今で言うなら持ち運び可能なウォーク・イン・クローゼット?)が競りにかけられている。大金持ちが集まり華やかにオークションが始まるが、「300万円!」などと声のあがる中、一人「3000円!」と法外な安値を叫ぶ少女(中嶋朋子)が現れる。清子と名乗るその少女は箪笥の由緒について語りだし・・・
≪ここまで≫
美術はいつも通りうっとりさせてくれるクオリティーです。劇場は額縁形式で、上手から下手へと白木の廊下が通っているかような、間口が広い、細長いステージ。上部にステージと同じ長さの装飾つき天井板が吊り下がっているため、空間が余計に細長く見えます。ステージ板の前面の装飾を見ると、材質は分厚い大理石のよう。ステージは数本の黒い柱で支えられた台なので、黒びかりする地面から数十センチ浮かんでいるようにも見えます。
ステージの背後中央に一本ある柱の奥には真っ黒な倉庫のような空間が広がっており、その上手奥コーナーには家具(おそらく椅子ばかり?)が山のように積み重ねられています。舞台中央から客席の中央へと垂直に、ステージの白と同じ色の通路が設けられており、客席のド真ん中までが演技スペースです。
オープニングでファッション・ショーのように颯爽と登場した役者さんたち。衣裳の形はスーツや夜会服のような黒色のフォーマル風ですが、上から個性的な生地の白いガウンを羽織っています。ステージ中央で客席を向いてキメ笑顔しちゃうし、一体何が起こるんだろう!?とドキドキしました。
ここからネタバレします。
モデルのように美しいそれらの人々はオークションに招待された資産家たちでした。清子と骨董屋主人(塩野谷正幸)の2人語りのシーンになってからは、舞台上手奥の家具コーナーで2人を見守り続けます。ときどき会話中の人物になって現れたりします。
清子と主人が「5万円!」「3000円」!と値段交渉しているシーンでは、見守る人々はまるで情事のあえぎ声のような息声を発しながら、表情はクールなまま、楽しげにお花見をしていました。桜=春=愛=情事=戦争=値段交渉、という式が浮かびました。めちゃくちゃ面白かったです。
Club Silencioで書かれているとおり、私も清子役の中嶋朋子さんの演技がどうも受け付けづらかったです。お話の中、そして想像(夢)の中に入って行きたいのに、主役の彼女が現実世界の個人的感覚に浸っている様子で、私もベニサン・ピットの客席に座っている自分のままで居るしかありませんでした。でも、言葉がはっきりと伝わってきたので、お話の意味は非常にわかりやすかったです。
他の役者さんはそれぞれの役になりきっており、その役の感情が表れていたように思います。それにしても皆さん(アンサンブル?の方々)、めちゃくちゃかっこ良かったなー・・・。最高に気取っていて、おしゃれで。こういうの、tptでしか観られないと思います。
≪あらすじ2≫
巨大な衣裳箪笥の持ち主だったある富豪夫人は若い男と不倫をしていた。しかし嫉妬に狂った夫が箪笥の外側から銃を何発も打ち込み、中で情事を楽しんでいた夫人と若い男は多量の血を流しながら死に絶えた。
その若い男というのが清子の元・恋人で、清子は愛する男の墓場となったその箪笥を手に入れるためにやってきたのだ。
≪ここまで≫
衣裳箪笥という密室での禁断の情事、そして嫉妬から生じた血まみれの地獄。そんなインモラルでアングラな耽美的世界が、清子の語る言葉のみから想像できて非常に心地よかったです。クール&モダンで、いわば無機質な空間に居ながら、頭に浮かぶのは不実の熱愛とそれが招き入れた流血の惨劇。官能的です。
死んでしまった恋人に自分の死(顔を硫酸で壊すこと)をもいとわないほどの執着心を持っていた清子は、箪笥の中の鏡に映った自分の顔を見つめて、「どんなに怒りや嫉妬、悲しみなどの感情にさいなまれ、苦しもうと、自分の顔を変えることはできない」という境地に達します。そして「自然と和解」した清子が執着から解き放たれるという結末に、納得はできました。でもあまりにすんなり過ぎたように思います。最後の音楽が軽すぎたんじゃないかしら。出演者全員がニコニコしているし、異様に素直な盛り上がりのハッピーエンドになっていて、腑に落ちなかったです。もしかすると私が見当違いしているのかも?
溶ける氷、冬眠から覚める動物達、つぎつぎと土から顔を出す新芽、満開の桜、青い空(セリフではありません)。中嶋さんが萌える春をイメージさせる言葉をどんどんと発している間、新しい命が息苦しくなるほどに充満した空気を想像することができました。春は愛、愛は情事。そして咲く花、生まれる命。でもセリフから感じとったことなんですよね。本当のところはもっと他のことも伝えたかったんじゃないかなと思います。
作=三島由紀夫 演出=トーマス・オリヴァー・ニーハウス(Thomas Oliver Niehaus) 美術=松岡泉 照明=笠原俊幸 音響=長野朋美 衣裳=原まさみ ヘア&メイクアップ=鎌田直樹 舞台監督=益田裕幸/久保勲生
出演=中嶋朋子/塩野谷正幸/大浦みずき/千葉哲也/植野葉子/池下重大
一般発売開始=7/30(土)10:00 全席指定=6,300円
公式=http://www.tpt.co.jp/
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
●○●人気blogランキングに参加中!ポチっとクリックしていただけると嬉しいです。●○●
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
★メルマガを発行しております。過去ログはこちら。
毎月1日にお薦めお芝居10本をご紹介し、面白い作品に出会った時には号外も発行いたします。
ぜひご登録ください♪
『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』(ID:0000134861)
↓↓↓メールアドレスを入力してボタンを押すと登録・解除できます。

『まぐまぐ!』から発行しています。
2005年08月30日
松竹・八月納涼歌舞伎 夜の部『法界坊(ほうかいぼう)』08/10-28歌舞伎座
串田戯場(くしだ・ワールド)と銘打ったこの『法界坊』は、2000年に平成中村座で初演された歌舞伎作品の再演です。公演詳細はこちら。
即日完売だったのですが、余ったチケットを譲っていただけたので観に行けました。
≪あらすじ~公式サイトからそのまま引用~≫
堕落し切った願人坊主の法界坊(勘三郎)は、永楽屋権左衛門(弥十郎)の娘お組(扇雀)にひと目惚れしますが、お組は手代要助(福助)と恋仲で、もとより法界坊には目もくれません。
要助は、実は御家再興を期す吉田家の嫡男松若で、野分姫(七之助)という許嫁のいる身。法界坊は、そんな要助を陥れようとしますが、吉田家の下僕で、道具屋に姿を変えている甚三郎(橋之助)に暴かれ失敗。その腹いせにお組を誘拐しようとしますが、これまた失敗。さらに今度は、野分姫をかどわかそうとしますが、拒否されると『お組との仲にはじゃまだから殺すよう要助に頼まれた』と偽って、野分姫を斬り殺します。
しかしその法界坊も、甚三郎の手に掛かって、あっけなく絶命。と思いきや、現世に恨みを残す野分姫と合体霊となって姿を現し、要助実は松若とお組を苦しめる執念深さを見せます。
≪以上≫
ファンが凄くってですねぇ・・・舞台はもちろんですが客席に圧倒されっぱなしでした。「成駒屋!」「中村屋!」と声がいっせいにかかります。いや、声がかかるのは当然ですけどね、それが一度に10人以上なんです(笑)。何をやっても大喜び。これはファン特有の反応ですよね(特有とか言うまでもないんですが)。私は引いちゃいました。
納涼歌舞伎ってことで怪談だし、おどろおどろしい演出もサービスも満点。なんと言っても中村勘三郎さんの愛嬌のある演技(ギャグや踊り含む)には感心します。心意気がすごい。こういう太陽のごとき役者が伝統芸能の世界で嵐を巻き起こしていて、それを観客も歌舞伎界も大歓迎しているっていうことが、日本のおおらかさだと思います。
ただ、作品全体としてはおふざけが過ぎたような(笑)。これは全くもって好みの問題だと思いますが、私は外側から眺めているままで終わった感じですね。
中村橋之助さんが巨大な掛け軸を背負って花道から出てきたのが、演出の中では一番かっこ良かったかな(私好みです)。
いつも女形の福助さんの立役(男役)が色っぽかったです。
≪言及ブログ≫ Yahoo!で検索して見つけたものを少し。
Riddle me this! (何度もご覧になってます)
藤田一樹の観劇レポート
a's style!!next→
……てぬぐいぶくろ……
なんか飲みたい
べろの冒険
美食探求記
「隅田川続俤(すみだがわごにちのおもかげ)法界坊」
序幕 深川宮本の場より・大喜利 隅田川の場まで 三幕・浄瑠璃「双面水照月(ふたおもてみずにてるつき)」
作=奈河七五三 演出・美術=串田和美 照明=齋藤茂男
出演=中村勘三郎(聖天町法界坊)/中村扇雀(永楽屋娘お組)/中村勘太郎(山崎屋勘十郎)/中村七之助(野分姫)/片岡亀蔵(番頭正八)/片岡市蔵(若党山上文治)/坂東弥十郎(永楽屋権左衛門)/中村橋之助(道具屋甚三郎)/中村福助(永楽屋手代要助、実は吉田松若)/ほか
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
●○●人気blogランキングに参加中!ポチっとクリックしていただけると嬉しいです。●○●
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
★メルマガを発行しております。過去ログはこちら。
毎月1日にお薦めお芝居10本をご紹介し、面白い作品に出会った時には号外も発行いたします。
ぜひご登録ください♪
『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』(ID:0000134861)
↓↓↓メールアドレスを入力してボタンを押すと登録・解除できます。

『まぐまぐ!』から発行しています。
2005年08月29日
俳優座劇場プロデュース『夜の来訪者』08/27-09/03俳優座劇場
鈴木瑞穂さんを拝見したかったのもありますが、俳優座ホームページの「※この公演はハーフチケットはございません。」という文章を見て、「これは人気作品なのかしら」と思い、チケットを買いました。
初演が1991年で今回がもう7演目だそうです。客席は通路席も最後列も満員でした。
1912年の春を舞台にしたJ.B.プリーストリィの原作(1945年初演)を、1950年代のお話に翻案したのが内村直也版で、その内村直也版を1940年(昭和15年)を舞台に書き変えたのが今作だそうです。
≪あらすじ≫
昭和15年の日本。工場経営者で資産家の倉持幸之助(鈴木瑞穂)邸のリビング。娘(藤本喜久子)の婚約を祝うために家族でホームパーティーをしていたところ、影山と名乗る警部(外山誠二)が突然訪れる。「今日、一人の女が自殺した」と話し始め、家族の一人一人に尋問を始めるが・・・。
≪ここまで≫
セリフが進むごとに謎が解けていく推理劇で、人間の滑稽さを見せる演技で笑わせてくれて、作品を通じて一つの主張もある、普通の上品な演劇、と言えばいいのでしょうか。リラックスしながら楽に観ることができました。私には少々退屈だったとも言えます。
「人間は一人では生きていけない。ひとつの家族だけでは生きていけないんです。ときには傷つけ合い、苦しめ合い、殺し合って・・・。だから、人間はほかの人間全部に責任があるんです。」(配布されたリーフレットより引用)
このセリフが全てを語っていると思います。
鈴木瑞穂さんのガンコ親父演技は至宝ですね。後半のはしゃぎっぷりがとってもお茶目で、「なんて上手いんだろう」とほれぼれしつつ笑わせていただきました。
ここからネタバレします。
警部が尋問を進めていくに連れて、部屋に居合わせた全員がその女の自殺に関係していたことが明かされていきます。上流階級の彼等が下層階級の女を見下して、自分の権力や財力を利用して彼女を貶め、自殺するしかないところまで追いやったのです。ここまでの推理ゲームも面白いですが、この後の家族の対話シーンからが本当のみどころです。
女から職を失わせた娘は責任を感じて反省し、女を妊娠させていた息子(古川悦史)も苦しみます。でも父親、母親(稲野和子)、娘の婚約者(川井康弘)の3人は自分達の非を認めるどころか、警部と名のった影山のあら捜しをしたり、何もなかったことにしようと息の合った責任逃れトークを繰り広げます。これがとても滑稽で、笑えるシーンになっているのが素敵ですね。
住み込み(であろう)女中役の菅原チネ子さんは、出番が少ないながらもセリフの一言一言に重みがあり、最後に「(警部を)お通ししてもよろしいですね?」と念を押すように強く語ったところが良かったです。女中もまた倉持家の人々を良くは思っていないのが伝わってきました。
≪ツアーあり。詳細不明≫
from "An Inspector Calls" by John Boynton Priestley
出演=鈴木瑞穂(オフィスODA)/稲野和子(文学座)/藤本喜久子(無名塾)/古川悦史(文学座)/川井康弘(俳優座)/菅原チネ子(朋友)/外山誠二(文学座)
作=J・B・プリーストリィ/訳=内村直也/脚本=八木柊一郎 演出=西川信廣 美術=石井強司 照明=森脇清治 音楽=萩京子 音響=望月勲 衣裳=山田靖子 舞台監督=上村利幸 舞台統括=荒木眞人 宣伝写真=玉川豊 宣伝美術=勝木雄ニ 企画制作=俳優座劇場
一般5200円 グリーンチケット(要学生証提示)2600円
夜の来訪者:http://www.haiyuzagekijou.co.jp/produce/0827yorurai.html
俳優座劇場:http://www.haiyuzagekijou.co.jp/
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
●○●人気blogランキングに参加中!ポチっとクリックしていただけると嬉しいです。●○●
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
★メルマガを発行しております。過去ログはこちら。
毎月1日にお薦めお芝居10本をご紹介し、面白い作品に出会った時には号外も発行いたします。
ぜひご登録ください♪
『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』(ID:0000134861)
↓↓↓メールアドレスを入力してボタンを押すと登録・解除できます。

『まぐまぐ!』から発行しています。
2005年08月26日
ヨーロッパ企画 夏の陣(サマーフォーメーション)『囲むフォーメーションZ』08/26-29駅前劇場
ヨーロッパ企画2005年夏の陣の、『サマータイムマシン・ブルース2005』に続く2作目です。初演を観ていましたので、どう変わったのかなぁと期待していたのですが、作品の組み方自体は同じでしたね。
前売りチケットは全席完売ですが、当日券が出ていました。最前列で観づらい席になるそうですが、いっぱい出ててそうでしたよ。
≪あらすじ≫
舞台はあるコンピューター・ソフトウェア開発会社。ダラダラしているSEやイライラしている経理、マイペースの総務部女子社員など、ちょっといい加減ながらも平和なムードのオフィスに、決定的な問題点があったことが発覚。セキュリティー設備が整っていないため、白昼堂々バックアップディスクが盗まれても仕方がないような無防備な環境だったのだ。追加経費をかけずに、いかにして泥棒やスパイが社に侵入することを防げるか?
≪ここまで≫
う~ん・・・やっぱり眠くなってしまいました。初演と同様、アイデアは素晴らしいし、それをやってしまう勇気や遊び心は買いなのですが、いかんせん単調です。
初演のレビューに「気持ちのいい若さを感じました」と書いていますが、今回はそういう「若いってイイね♪」って言ってしまえるぴちぴちした感じとか、わけがわからない爽やかな熱さとかはなかったです。あれから2年半も経っていますし、その間にヨーロッパ企画は何度もツアー公演を行って経験を積んでいらっしゃいますからね。役者さんの顔や姿からはむしろ、そういう年月が感じ取られました。
ここからネタバレします。
ある日のある時間に同時に起きている9つの部屋の出来事を、順番に一部屋ずつ描いていきます。今日、私と同じ回を観ていた友人が「全ての部屋について、シーンの長さを同じにしなくてもいいのではないか」と言っていたのですが、同感です。一瞬で終わる部屋があってもいいですよね。緻密に、律儀に作られているからだと思いますが、部屋(つまり舞台)に誰も居ない時間が多すぎると思います。
その無人の空間がそのままあった場合、その空白を埋められるのは音響や照明の変化がないとすると、役者さんの演技なのではないでしょうか。
ヨーロッパ企画は、作品が映画化されたりテレビドラマになったり、小劇場界だけでなくもっと規模の大きな娯楽の世界へと進出していっています。それは作品に確かな魅力があるからでしょうし、どんどんクオリティが上がってきているからだろうと思います。
『サマータイムマシン・ブルース』のようなストレートな娯楽作品においては、抜群のチームワークで見せてこそ良い味が出るのかもしれませんが、今回のようなコンセプト重視の、いわば実験的とも言える作品については、ノリやキャラだけでなく役者さんの演技の技術が必要になってくると思います。次回からは、脚本と演出に応えてさらに作品を面白くできるような、役者さんの演技面での進歩を期待したいです。
プロジェクト・リーダー(だったかな?)役の永野宗典さんの部屋のシーンは面白かったです。部屋には彼が一人しかおらず、静かで動きのない間が長く続いても、その世界がそのままそこに存在していました。
出演=石田剛太/酒井善史/角田貴志/諏訪雅/土佐和成/中川晴樹/永野宗典/西村直子/本多力/松田暢子/山脇唯/中西武教(ジュース)/首藤慎二(ベビー・ピー)/冨永茜
作・演出=上田誠 舞台監督=水波流 美術=酒井善史 照明=松谷將弘 音響=上田誠 造形=丹原康博 宣伝美術=坂井奈穂・諏訪雅 制作=井神拓也・諏訪雅・本多力・吉永祐子 制作協力=[東京]日和庵 [札幌]NPO法人コンカリーニョ [福岡]ピクニック 協力=リッジクリエイティブ株式会社
全席指定/前売¥2,300/当日¥2,500
ヨーロッパ企画:http://www.europe-kikaku.com/
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
●○●人気blogランキングに参加中!ポチっとクリックしていただけると嬉しいです。●○●
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
★メルマガを発行しております。過去ログはこちら。
毎月1日にお薦めお芝居10本をご紹介し、面白い作品に出会った時には号外も発行いたします。
ぜひご登録ください♪
『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』(ID:0000134861)
↓↓↓メールアドレスを入力してボタンを押すと登録・解除できます。

『まぐまぐ!』から発行しています。
2005年08月25日
ベターポーヅプロデュース・ハンサムユニオン『初々しくエロやかに』08/24-29THEATER/TOPS
ベターポーヅは西島明さんが作・演出される劇団です。西島さんにしか作り出せない不思議世界がTHEATER/TOPSの四角い空間にぽっこりと浮かびます。今回はベタポ・メンバー4人に、5人のハンサムな客演陣を迎えての初のプロデュース公演でした。
超~~~面白かった!!本日は台風ということでかなり空席が目立ちました。もったいないよっ!8/29(月)までやってますのでどうぞお見逃しなく♪ たしかに初々しくって、そしてエロエロだっ(笑)。
≪あらすじ・・・≫
伊集院(田辺茂範)はKISS NOTEを妹(吉原朱美)に託す。それは小学校の友達とまわしていた交換日記。妹は兄の小学校の同窓会に行くが・・・あー・・・・すみません。あんまり、その、覚えてない・・・。
超キュートな衣裳をお召しのハンサムな(ヘアースタイルの)野郎どもが、自意識過剰にキメポーズしながら、とことん自分本位にワケのわからん行動をし続けます。
実はやってることも言ってることもドぎついエロなのに、めちゃキュートなんですぅ。私は苦笑の連続、そして時々うっとり。どこもかしこも恥ずかしくって見てられない!でも見つめずにはいられない(笑)!
いつものベタポは可愛いらしい女の子達がイケない行為を連発し、観客も出演者も頬を染めちゃいながらのアブノーマル・ポエティック・ワールド、といった感じなんですが(何を書いているのやら)、今回はやはり男色(おとこ・しょく)大!イガイガした感じとか、もくもくした感じとか、ありましたね(やっぱり意味不明)。
私のベタポ初体験は2000年の『ノイローゼ・ダンシング』で、その時はこの面白さが全く理解できなかったんです。でも今は完全にハマってます。つまり、人によって好みが分かれる可能性は、確かにあります。でも一度も観たことのない方はこの機会にぜひぜひ♪常連の方は間違いなく面白いのでどうぞお見逃しなく♪♪
ここからネタバレします。
エロとかナンセンスとかばかり強調してしまいましたが、全体は基本的にポエムど真ん中だと思います。たとえば「月光で沐浴」ってポエムですよね。「もくよく」って久しぶりに書いた・・・。
衣裳が素晴らしかったです。色使い、柄使いが絶妙。デザインも9人のバランスが良かったですね。装置とも相性ぴったりでした。髪は全員分のかつらを作られたそうです。男ってヘアスタイルとお洋服でこうも変わるんですね。努力せよ、世のオノコども!(・・・って自分を棚に上げてますが)
横塚進之介さん(サードステージ)。ノゾミ役。上半身裸になって「俺ってイケてるだろ・・・♪」的なキメ笑顔で客席を振り返ったのが凄かったです。なぜか一口大のレタスを胸に置くんですが、それが毛布代わりだったとは驚いたっ(笑)。横塚さんはリアルに美形だから、あそこまで路線をはずされると、妙ちきりんで観てる方の身体がむずむずするんですよぉ。弾けないエレキ・ギターをかきならして意味不明の歌を音痴に叫んだりとか、もう、とにかく素敵でした~♪
いつもは汚れキャラ系が多い(と思われる)顔田顔彦さん(大人計画)も、財団法人ノリオchan(エッヘ)も、本当にキュートでかっこ良くってですねぇ、「うぉっ、これがベタポ・マジックなのね!?」と胸キュン驚嘆でございますよ。
猿飛佐助さん(ベターポーヅ)と山崎和如さん(ベターポーヅ)は、いつもなら大勢の女子の中で目立ってる男子2人っていう存在感だったのですが、今回は普通に男子の中にいる男子だったので、よりその個性が際立ちました。お2人ともやっぱり凄いですわ。光ってる。キャラが立ってる。
佐藤亮介さん(イデビアン・クルー)は、背が高くてヒョロっとした体系で山崎和如さんとのペアが可愛かったです。ダンサーさんですね。最近はダンサーがどんどん演劇に出てる気がするなぁ。
田辺茂範さん(ロリータ男爵)は、細くってなよなよしてて、動きがお人形さんみたいで可愛かったです。ちょっとメイクが濃いかなって思ったのは私だけ? ロリ男でもお馴染みのスレンダーな女装は、なぜかオノ・ヨーコ(笑)。「イマジン」を「いじましい」って言った時はお腹がよじれそうになりました。
紅一点の吉原朱美さん。立派でしたね~。キャラをどんどん変化させて、カチカチッと音が出るんじゃないかと思うぐらいに、きちんと正しくやりきってらっしゃいました。逆上がり装置(?)でパンツをチラチラ見せながら逆上がりして、その運動で発電するんだから、もーたまんない。電子百科事典(Electorical Encyclopedia)ってなんだよっソレ!充電中にページを開いたら中身が破損!?おバカすぎ!!
西島明さん。馬の首を腰につけて登場しましたね。もー・・・「どう、どう」って言いながら馬の首をこするんだもの。あぁもう書けないよ、書けないよ(苦笑)。面白すぎます。退場する時の暗転のタイミングが絶妙でしたね。
Better Pose/Pause Produce Handsome Union Act.1 naive-erotic
出演=横塚進之介(サードステージ)/佐藤亮介(イデビアン・クルー)/森本訓央(エッヘ)/顔田顔彦(大人計画)/田辺茂範(ロリータ男爵)/猿飛佐助(ベターポーヅ)/山崎和如(ベターポーヅ)/吉原朱美(ベターポーヅ)/西島明(ベターポーヅ)
作・演出=西島明 振付=山田うん 舞台監督=上林英昭 照明=大塚之英(ストーリー・レーン) 音響=齋藤貴博(ステージオフィス) 演出部=橋本慶之/金坂友美 演出助手=飯島大(演劇披露ウツボ団) 舞台写真=佐渡谷威昶 スチール写真=島崎陽一郎 衣装=川口知美/中沢匡栄 美術監督・宣伝美術=東大路道恵 イラスト=森田茂喜 小道具=井上真理/辻本直樹/藤原孝子 装置協力=(有)プランニング・アート 制作助手=山崎睦美/藤森みのり/河村育郎(劇団かわいい子) 制作=海月堂(富永恵久子・谷川隆次) 協賛=高原書店/ENBUゼミナール 協力=(有)ハイレグタワー (財)東京都歴史文化財団
前売 3,000円 当日 3,300円(全席指定)
ベターポーヅ:http://www.betapo.com/
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
●○●人気blogランキングに参加中!ポチっとクリックしていただけると嬉しいです。●○●
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
★メルマガを発行しております。過去ログはこちら。
毎月1日にお薦めお芝居10本をご紹介し、面白い作品に出会った時には号外も発行いたします。
ぜひご登録ください♪
『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』(ID:0000134861)
↓↓↓メールアドレスを入力してボタンを押すと登録・解除できます。

『まぐまぐ!』から発行しています。
bird's-eye view PLAY FESTIVAL『36000秒』(初日)08/20-28王子小劇場
公演当日の朝9:30の時点から創作をはじめて10時間後に作品を発表、その創作過程もすべて公開する企画です。
fringe blogにも記事をアップしました。fringeのTOPIC(2005/8/22)にも取り上げられていますね。
私が伺ったのは劇作家スペシャルDAYの初日。それがすっごく面白かったので翌日の有名パフォーマーDAYにもお邪魔しました。両日とも本番しか観られなかったのが本当に残念。この企画は朝の9:30からみっちり参加するのが一番楽しめます(断言しちゃう!)。今週末(8/26, 27, 28)もありますので、ぜひぜひ参加しちゃってください!
この企画のまとめはこちら(2005/10/05追記)。
初日の参加者は杉井邦彦さん(ブラジル)、高多康一郎さん(RONNIE ROCKET)、夏井孝裕さん(reset-N)、楢原拓さん(チャリT企画)、西森英行さん(InnocentSphere)、西山聡さん(クロム舎)、ハセガワアユムさん(AAA)、長谷川寧さん(冨士山アネット)の8名。う~んスバラシイ!!このツワモノ面子はbird's-eye view主宰の内藤達也さんの人選だそうです(他の日もすべて)。
ストーリーは「踊る芝居好きのダメ人間日記」にアップされています。そう、さすが作家さんたちということで、あの王子小劇場の空間を「密室」の設定にし、物語として最後に結末をつける所まで描ききったことが凄い。※終演してますので(今後上演も不可能ですし・・・笑)ここからネタバレします。
私は一番はじめの西山聡さんの携帯電話トークと、次に現れたハセガワアユムさんと西山さんとの2人の会話シーンの時点で「これは面白い!!」って思ってしまったんですよ。西山さんは伏線を張ることになるキーワードを無理なく言葉にしていましたし、ハセガワさんは“ナースおたくの若者”というキャラクターを自然に作り上げられていました。
早稲田大学系の楢原拓さんと杉井邦彦さんはやはりエチュードには慣れたもので、本番の舞台上で完全に楽しんでいるご様子でした。杉井さんは夏井さんと西森さんと同じく「最近は舞台に立ってない」メンバーに入っていましたが、そもそも東京オレンジ出身だもの(笑)、即興芝居はお手の物。堂々と仕切ってましたね。
中盤で出演者全員がダンスをするんです。“作家”がダンス!しかもこのメンバー!こんなシーンもう二度と観られないよ!!ってことで私は妙な興奮状態になりました(笑)。きちんと顛末のついたストーリーものであるだけでなく、視覚的に楽しめるシーンが作られていることに感心しました。
スモークがちゃんと焚かれてて黄色い照明がきれいだったな~。それにしてもダンス・タイムのリーダーだった長谷川寧さんのダンスはキレがあって個性的でしたねぇ(笑)。卑猥な発言・行動が多いし客席の女の子を舞台に上げちゃったり、出演者の中で一番冒険(危険?)していましたが、役者さんとして魅力があったので問題にはなりませんでした。
高多康一郎さんは姿を見せずにキャットウォークからマイクでしゃべる内容が面白かった。舞台にいる人たちをいじめるような雰囲気がグッド(笑)。登場シーンもどうやら本番仕様のアドリブだったようで出演者はめちゃ戸惑ってましたねぇ。
西森英行さんは目立たない感じでしたが、実は「目立たない」という存在感は演技がうまいからだったんだと、ダンス・シーンを観てからわかりました。長谷川寧さんのダンスを真似るのですが、その場で本気で真似をしているように見えたんです(実際は「真似をする」という演技だったのですが)。そして言葉にヘンな力が入ってないからセリフがすんなり入ってくるんですよね。
そして夏井孝裕さんはツッコミが絶妙!!言葉選びのセンスも素晴らしいし、間や声の出し方が気持ちいいです。
ラストシーンが美しかった・・・。和菓子(ワカコ)というキャバクラ嬢を取り合っていた男達が、治験という名目で密室に閉じ込められていたという筋書きだったのですが、最後は毒ガスでみな殺されてしまいます。床に転がった死体の間を、帽子を深く被った、おそらく和菓子であろう女がしずかに歩いていく・・・黒幕だった医師の助手(佐藤春平)がつぶやきます、「これでよかったんだよな、和菓子・・・」。テレビのモニターが砂嵐状態でばちばちと光って、白い照明が和菓子と死体を照らす中、音楽が盛り上がって、暗転。かっこよかったよー・・・。
和菓子役は金崎敬江さんでした。もちろん観客として行ったのに突然出演依頼されたそうです(笑)。
結果、1時間強の上演時間は長すぎたし、ダラダラしちゃったところもありました。でも何もないところから10時間で作り上げたんですから、全く不満はありませんでした。「ガンバレー!!」って思いながら観てたし(笑)。
終演後一番に頭に浮かんだのは、スタッフワークのレベルが非常に高いのではないか?ということ。18時過ぎから仕込みが始まって(観客は劇場の外に出ます)、19時30分に開演しますので正味の仕込み時間はおそらく1時間しかないはずです。その間に照明、音響、マイク、小道具(キャットウォークから物が落ちてきました)を本番仕様に準備するんですから、よっぽど作品のことをわかっているスタッフさんでないと無理でしょう。
そうそう、音響の佐藤春平さんはラストに医師の助手役としてマイク語りのみの出演もされてました。照明さんが「フェーダーを持ちながらセリフをしゃべって、自分のセリフ終わりごろから音を上げていく音響オペなんて初めて見た(笑)」とおっしゃっていました(笑)。
終演後5分の休憩をはさんで毎回ポストパフォーマンストークがあるのですが、これがこの企画の目玉でしょう。観客はほぼ全員残っています(これってすごいことですよ)。出演者の生々しい感想でもって上演作品を振り返るのは面白いに決まってますし、創作から観ていた観客にとってはさらに感慨深いものがあるでしょう。朝から観ていたお客様の意見がものすごく貴重で、「○○は残念だった」とか「○○はどういう意図だったんですか?」とか、率直なコミュニケーションが成されるのは感動的。
トークで語られた内容からすると、スムーズに進まなかった原因は「段取りを重視しすぎた」「他の出演者に気を使って余分なことをした」「予想外の事件が起こった」など。ゲネプロができれば解決できたことが多いでしょうが、なにしろ10時間(36000秒)という制限がありますからね。それを出演者も観客も一緒に味わって楽しめて、最後には対話もできるという、新しい演劇体験だと思います。
※出演者による感想が読めます↓
・脚本家・演出家 ブラジリィー・アン・山田の活動日記「汁だし」(2005/8/21)
・そして、今夜もガサガサしてる(2005/8/21)
・プライベートは日の丸(2005/8/20)(2005/8/21)(2005/8/22)
・劇団ポータル系インターネット放送局818STAGE!!内「劇団生活No.00011」(2005/08/23の日記)
※観客から出されたお題は全部で4つ。「恐怖」「キャバクラ」「和菓子」「プラトニック・ラブ」。その全てを盛り込んだストーリーだったんですが、私が出した「プラトニック・ラブ」はどこに反映されていたんだろう・・・キャバクラ嬢とは肉体関係がなかったのかな?最初の方で夏井さんと長谷川さんがじゃれてたのがソレだったのでしょうか(笑)。
・上演期間=8/20(土)~22(月)、26(金)~28(日) ※出演者は日替り。
・当日朝9:30の時点から創作をはじめて10時間後に発表するという企画。
総合監督=内藤達也 照明=榊美香(I's) 音響=佐藤春平 ヨシモトシンヤ(SoundCube) 制作=眞覚香那子 提携=王子小劇場
bird's-eye view:http://www.b-ev.net/
公式ページ=http://www.lucy.ne.jp/~bev/2005_07/36000.htm
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
●○●人気blogランキングに参加中!ポチっとクリックしていただけると嬉しいです。●○●
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
★メルマガを発行しております。過去ログはこちら。
毎月1日にお薦めお芝居10本をご紹介し、面白い作品に出会った時には号外も発行いたします。
ぜひご登録ください♪
『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』(ID:0000134861)
↓↓↓メールアドレスを入力してボタンを押すと登録・解除できます。

『まぐまぐ!』から発行しています。
2005年08月24日
劇団健康『トーキョーあたり』08/07-28本多劇場(8/5:プレビュー公演)
「12年前に第14回公演を最後に解散した劇団が、12年振りに第15回公演をやる」ことになったそうです(公式サイトより)。
劇団健康はナイロン100℃の前身劇団なんですね。ケラリーノ・サンドロヴィッチさんが昔の仲間(今の仲間でもありますが)と一緒に「40代でやっちゃいけないことだとはわかってます。ごめんなさい」と言いながらやっちゃった(笑)、ナンセンス・ギャグだらけでお下劣な、好き勝手空間でした(良い意味です)。
私は・・・演劇界の内輪受けネタが一番面白かったなー。確実に笑わせてもらいました。言っちゃえば、本当に面白かったのはそこだけって言うか(苦笑)。なのでそこの部分しか書きません。
ここからもうネタバレしちゃいます。
オープニングのケラさん&顔田顔彦さん(大人計画)出演の本屋映像は大胆だったなー(笑)。ケラさんが店員(顔田顔彦)の目を盗みながら、話題の戯曲本(『鈍獣』『キレイ』『オケピ!』など)を次々と万引きして、代わりに自分の本を本棚から平積みに置き換えます。でもナイロン100℃関係の書籍・DVDが一律50円で叩き売りされててショック受けたり(笑)。
そして本屋の客がみんな自分(ケラさん)の悪口を言っているような幻を見ます。見知らぬ客がケラさんの方をチラリ見しながら「中盤までがダルイ!」「ラストがありきたり!」「年5本なんて、いっぱい書けばいいってもんじゃねーんだよっ!」とつぶやいているかのように、山盛りの字幕で超自虐ネタが出てきます(笑)。
本屋から出たら、次は俳優・芸能人で犯罪を犯した人の名前を犯罪名とともにテロップで流しながら、画面には『キレイ』の主題歌を歌う離婚したての奥菜恵さん。いやー・・・知ってる人には面白すぎますね(笑)。※セリフは完全に正確ではありません。映像の順番もあまり自信がないです・・・。
劇中でもよく演劇界ネタ映像が出てきました。稽古場で役者がキャラメルボックスのTシャツを着てたり、本多劇場グループの本多さんや本多劇場スタッフが胃の中に腫瘍役(?)で出てきたり。
これは映像ではなく実際に舞台で起こったことですが、手塚とおるさんが黒子(赤装束なんだけど)を蹴りまくりながら、「お前はナイロンの新人かー?大人計画の方が面白いかー?阿部サダになりたいかー!?クドカンになりたいかー!?」と叫んでました。手塚さん、ソフトな感じのおじいさん役もやってるのにね、そのシーンは野獣のようでした(笑)。
お芝居の中盤(終盤近く?)でケラさんが実際に舞台に登場して、オープニング映像で万引きした本を公園のゴミ箱に捨てちゃいましたね。そこからケラさんと手塚とおるさんの生っぽいトークが始まって、これがまたマニア受けでした。酒井若菜さんの代役で『キレイ』に出演した鈴木蘭々さんについての話はヤバかったですね(私も蘭々さん凄いなって思ってたんですよ、次は知念里奈さんの代役で『ジキルとハイド』に出られますよね)。そしてケラさんがキャラメルボックスのファンに追いかけられる夢の話・・・これは書けません(笑)。
カーテンコールでケラさんよりご挨拶。「次回公演があるかどうかはわかりませんが、やるとしてもまたこんな感じのをやりますので、今回面白くなかった方は来ないでください」とのこと。悪ガキは悪ガキのままなのだ。
パンフレットも相当に無駄な努力の賜物だったようです。ちょっぴり惹かれたけどね、1800円は高かったから私は買わなんだ(笑)。
出演=犬山イヌコ/大堀こういち/KERA/新村量子/手塚とおる/藤田秀世/峯村リエ/みのすけ/三宅弘城/横町慶子
作・演出・音楽=ケラリーノ・サンドロヴィッチ 舞台監督:福澤諭志+至福団 舞台美術:秋山光洋 照明:関口裕二(balance,inc.DESIGN) 音響:水越佳一(モックサウンド) 衣裳=山本華漸(Future eyes) 映像:上田大樹(INSTANT wife) 大道具:C-COM舞台装置 小道具:高津映画装飾 宣伝美術=坂村健次(C2デザイン) タイトルロゴ=おがわまさひろ 野中和美 宣伝写真=江隅麗志 宣伝ヘアメイク:山下まきえ 山本絵里子 舞台写真:引地信彦 票券=土井さや佳 制作助手:市川美紀/寺地友子 制作:花澤理恵 企画・製作:(株)シリーウォーク
全席指定/前売¥5,800/当日¥6,300 P=プレビュー公演(全席指定/前売¥4,800/当日¥5,300)
トーキョーあたり:http://www.sillywalk.com/nylon/part-time/0505_8.html#kenko
シリーウォーク:http://www.sillywalk.com/
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
●○●人気blogランキングに参加中!ポチっとクリックしていただけると嬉しいです。●○●
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
★メルマガを発行しております。過去ログはこちら。
毎月1日にお薦めお芝居10本をご紹介し、面白い作品に出会った時には号外も発行いたします。
ぜひご登録ください♪
『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』(ID:0000134861)
↓↓↓メールアドレスを入力してボタンを押すと登録・解除できます。

『まぐまぐ!』から発行しています。
文学座『戯曲 赤い月』08/23-09/02紀伊國屋ホール
なかにし礼さんの実のお母様がモデルになった自伝的小説の舞台化です。ラジオドラマ化、テレビドラマ化、映画化されたロングセラー小説なんですね。なかにしさんご自身による戯曲執筆で、鵜山仁さんの演出です。今年の文学座の目玉公演と見えて、旅公演の日程もすごいですね。
あらすじはこちらでどうぞ。
レトロモダンなイラストのチラシに完全にだまされたなぁ(笑)。まさかこんなに直球ど真ん中の大河ドラマとは思いませんでした。でも観てよかったですけどね。
1910年頃。満州国へ行ったら大儲け!と国家に踊らされて異国へと渡り、苦労はしつつも豊かで幸せな10余年を過ごしたが、敗戦したとたん国家にゴミのように捨て去られて、命からがら日本へと引き揚げて来られたのは終戦から1年後の夏だったという、非業の運命にさらされた日本人の姿が描かれます。
「国家は何があっても責任を持って国民を守ってくれる」というのは幻想だということを、肝に銘じなければいけないと思いました。でも国家をバカにする気持ちなんて全くないんですよ、私は今の日本にとても感謝しています。ただ、考えなしに国家に甘えたり、依存してはいけないと強く確認しました。自分の頭できちんと考えて、自分のことは自分が責任を持って生きていかなければいけませんね。
こういうことを自覚できただけでも、この作品を創って上演してくださった方々に感謝したいです。なかにしさんの自伝的作品であることも大切ですよね。戦争の記憶は、こうやって何度も何度も繰り返し確認し、後世に伝えていかなければならないと思います。
演出はスタンダードでスマート。普通の新劇のスタイルというか、全く問題ないし、特に奇抜なシーンもなく、全体的に無難な感じ。満州国、ハルビン、小樽、引き揚げ船の中、列車の中、ホテルの中など場面がどんどん変わるのですが、転換の度にちょっともたついているようでした。今日は初日でしたしこれから改善されるでしょうね。
ヒロインの平淑恵さんはキラキラ輝く肝っ玉母さんでした。かっちょえーです、いつもながら。でも、恋におぼれる悪女ではなかったですね。鐘下辰男さん演出『サド侯爵夫人』@新国立劇場でのサン・フォン伯爵夫人役で見せてくださったゾクっとするほどの妖艶さを、ここでも遠慮なく発揮していただきたかったです。
ここからネタバレします。
波子(平淑恵)はかなり快活で大胆な女性で、結婚すれば出世間違いなしの軍人・大杉(大滝寛)のプロポーズを蹴って、熱心に愛の告白をしてきた馬車ひきの勇太郎(石田圭祐)と結婚します。大杉の助けを得て2人は満州で酒造会社を成功させますが、波子は再会した大杉と一夜を共にしてしまうし、家に出入りしていた商社マン(実はスパイ)の氷室(長谷川博己)にも心を寄せており、嫉妬のあまり氷室の恋人のロシア人家庭教師を「スパイだ」と密告してしまいます(その結果、ロシア人女性は氷室の手にかかって殺されました)。でも、波子がそんな激しい恋心を持っている女に見えなかったんですよね。
また、長谷川博己さんと平淑恵さんが恋に落ちるっていうのは・・・いただけないですね。どうしようもないことなんですが、実年齢が離れ過ぎです。30代後半以上の男優さんだったら問題なかったんじゃないかしら。そりゃー長谷川さんは大人気ですし、彼がこんな大役に抜擢されてファンとしては嬉しいんですけど(笑)、ラブシーンとかキスシーンとかが嘘っぽいのは悲しいです。
大杉を演じられた大滝寛さん。満州国人民を助けに行くと言って玉砕していく時の、一人長ゼリフには泣かされました。
長男役でアコーディオン演奏を披露された石橋徹郎さんは、日本軍人とロシア軍人をほぼ交互に演じられていて驚きました(笑)。ものすごい形相が、かっこ良かったです。
≪東京、高知、須崎、高松、丸亀、徳島、阿南、鳴門、松山、今治、桐蔭、姫路、神戸、京都、彦根、和歌山、泉南、紀北、岸貝、大阪≫
出演=南一恵/平淑恵/立石まゆみ/草野万葉/上田桃子/塾一久/石田圭祐/石川武/大滝寛/今村俊一/鈴木弘秋/石橋徹郎/川辺邦弘/長谷川博己/尾崎愛/松垣陽子/川口潤(子役ダブルキャスト)/塩川真人(子役ダブルキャスト)※私が観たのは川口潤さん。
作=なかにし礼 演出=鵜山仁 装置=倉本政典 照明=金英秀 衣裳=宮本宣子 音楽=甲斐正人 音響効果=望月勲 舞台監督=黒木仁 演出補=今村由香 制作=矢部修治 川上裕子 票券=松田みず穂 宣伝画=鶴田一郎 宣伝美術=近藤一弥
[全席指定] 一般5,500円 学生3,800円(劇団扱いのみ)
文学座内:http://www.bungakuza.com/redmoon/index.html
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
●○●人気blogランキングに参加中!ポチっとクリックしていただけると嬉しいです。●○●
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
★メルマガを発行しております。過去ログはこちら。
毎月1日にお薦めお芝居10本をご紹介し、面白い作品に出会った時には号外も発行いたします。
ぜひご登録ください♪
『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』(ID:0000134861)
↓↓↓メールアドレスを入力してボタンを押すと登録・解除できます。

『まぐまぐ!』から発行しています。
2005年08月22日
シス・カンパニー『エドモンド』08/19-09/13青山円形劇場
『エドモンド』はデヴィット・マメットによる1982年シカゴ初演の戯曲です。演出は長塚圭史さん。フジテレビ「トリビアの泉」等で大人気の八嶋智人さん(カムカムミニキーナ)が主演です。
前売りは完売です。当日券のお求め方法→→→各公演前日の10:00AM~昼12:00に下記電話にて当日券購入のための整理番号をご予約下さい。※予定枚数になり次第終了。
ぴあ当日券専用電話番号…03-5237-9350
デヴィット・マメットの作品だと私はtpt『シカゴの性倒錯/カモの変奏曲』を拝見しています。卑猥でどぎつい言葉が行き交い、目に嬉しくない厳しい現実が描かれますが、真正直に、てらいなく意見をぶつけてくる感覚が面白いと感じていました。今作『エドモンド』は非常に重たくシリアスな空気が満ちた1時間35分でしたが、『シカゴ・・・』同様にマメットの気概を受け取った気がします。
≪あらすじ≫
エドモンド(八嶋智人)は占い師(明星真由美)に「あなたは、あなたが居るべき場所にいない」と言われたことをきっかけに、自分の欲望に率直に行動し始める。まず始めに妻(小泉今日子)を捨てて家を出て行くのだが・・・
≪ここまで≫
「生きるってどういうこと?」という命がけの問いに躊躇なく全身全霊でぶつかって行って、次から次へと面白いほど簡単に堕ちて行くエドモンド。冷酷な展開なのに、なぜか嫌な気分になったり恐ろしくなったりしませんでした。ほぼ照明だけで場面転換し、登場人物が次々と無機質に通り過ぎていくのがドライ&クールで受け入れやすかったのかも。
ただ、内容はやっぱりキツイっていうか、怖いですよね。あんまり簡単には人に薦められないです。※ここから少々ネタバレします。でも読んでから観に行ってもそれほど支障はないかと思います。
「法律は守っておいた方が楽」「やったら損だから、やりたくてもやらない」というぬるい気持ちで命を消費している私達への挑発は、とても心地よく受け止めました。そして命のままに生きることがはらむ危険をきちんと描いてくれて、しかも最後には「生きる」ということについて答えを出していたのが凄い脚本だと思います。
ただ、最後の最後の意味がきちんとはわからなかったんですよね・・・なぜかセリフについていけなかったんです。もう1度観ればわかるかな。ラストはより易しくわかるような助け舟的な演出があると助かったかも。それだとクールじゃなくなっちゃうかもしれませんが。
ここからネタバレします。
≪あらすじの続き≫
自らの心の赴くままに行動を起こしていくエドモンドは、当然のことながら他人と正面衝突し、ついには殺人を犯して刑務所に入れられる。そこで同じ部屋の黒人に暴力を振るわれてレイプされ・・・
≪ここまで≫
ラストシーンはエドモンドと彼をレイプした黒人との対話でした。自分の思うがままに、他人の気持ちなど考えずに、自分も相手もただ本気でぶつかっていくという一方通行同士の“命”から、相手が居て自分が居るという、互いの存在を認めた双方向のコミュニケーションが前提になった“命”へと、人間(エドモンド)の存在が移行したのが見えた気がしました。エドモンドが黒人にキスしたのはちょっと驚いたけど。
円形劇場をそのまま円形に使ったシンプルな空間でした。丸いステージに通路が4本通っており出はけ口も4箇所。客席を丸く囲む劇場の壁は全面赤い布で覆われ、さらに赤い照明も当てられて血のイメージ。濃いこげ茶色の木で組まれたステージの床板にも血痕を思わせる赤い汚しが入っているため、クールなんですがおどろおどろしさも漂っていました。
主役のエドモンド以外は何度も着替えて複数の役を演じます。真っ逆さまに堕ちて行くエドモンドを尻目に、周りの俳優がリズム良く多役を演じながらサラリと闊歩していくのがクールです。
音楽も良かったです。ギター等の弦楽器の音が軽いリズムで低く響き、とても空間にマッチしていました。
八嶋智人さんの新しい魅力を発見できた気がします。家を飛び出してから自分の思うままに行動するということを初体験して、いわば覚醒したエドモンドは、カフェでウェイトレス(小泉今日子)をナンパします。ギラギラした目。迷いのない言葉。一方的で乱暴な愛の告白。そのシーンでは運良く八嶋さんのお顔が正面から見える席だったので、八嶋さんに惚れそうになりました(笑)。
ずーっとエドモンドが八嶋さんだってことを忘れて観られたのは凄かったですね。エドモンドという人物を本当に演じられていたと思います。
明星真由美さん。氣志團のマネージャーから4年ぶりに女優復帰ということで期待していました。幕が上がるその時に初めて発せられる言葉を占い師役で担ってらっしゃいましたが、バッチリOKでした。
小泉今日子さん。なんだかアイドルの輝きは良い意味で完全に失くなった感じですね。大人の女性の魅力を感じました。保身している感じがなかったです。離婚されたのが良かったのかな??
"Edmond" by David Mamet
出演=八嶋智人/大森博史/酒井敏也/小松和重/中村まこと/明星真由美/平岩紙/小泉今日子
作=デヴィット・マメット(David Mamet) 演出=長塚圭史 美術=堀尾幸男 照明=小川幾雄 衣装=前田文子 音響=加藤温 ヘアメイク=大和田一美 演出助手=坂本聖子 舞台監督=瀧原寿子 プロデューサー=北村明子 企画・製作=シス・カンパニー
¥6,500(全席指定)
エドモンド:http://www.siscompany.com/03produce/11edmond/
シス・カンパニー:http://www.siscompany.com/
ぴあ=http://t.pia.co.jp/promo/play/edomond.jsp
ぴあ(八嶋智人インタビュー)=http://t.pia.co.jp/play-p/edomond/edomond.jsp
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
●○●人気blogランキングに参加中!ポチっとクリックしていただけると嬉しいです。●○●
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
★メルマガを発行しております。過去ログはこちら。
毎月1日にお薦めお芝居10本をご紹介し、面白い作品に出会った時には号外も発行いたします。
ぜひご登録ください♪
『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』(ID:0000134861)
↓↓↓メールアドレスを入力してボタンを押すと登録・解除できます。

『まぐまぐ!』から発行しています。
2005年08月21日
メルマガ号外 『雪の女王』
こどもの劇場2005 アンデルセン生誕200年記念
『雪の女王』08/18-26シアタートラム
≪東京、埼玉、福岡、岐阜、滋賀≫
※公演情報はこちら。
★メルマガへのご登録はこちらへ!
★人気ブログランキング参加しています♪
┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏
“しのぶの演劇レビュー” 号外 Vol.21 2005.8.20 678部 発行
┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏ http://www.shinobu-review.jp
今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪
★★ 号 外 ★★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
こどもの劇場2005 アンデルセン生誕200年記念
『雪の女王』08/18-26シアタートラム
≪東京、埼玉、福岡、岐阜、滋賀≫
☆アンデルセンの童話をイタリア人が脚本・演出。
キャストは日本人。夏休みの親子向け公演です。
全席指定 大人4,000円/子供2,000円
http://www.setagaya-ac.or.jp/sept/jouhou/05-2-4-19.html
◎観劇後のコメント◎
ゲルダ役の宮光真理子さんに、完全にノックアウトされました・・・!
絵本から飛び出してきたかのような、儚い美少女です。
天使のよう。妖精のよう。そして、四谷シモンの人形のよう。
彼女に目を、耳を奪われたままのおよそ1時間15分でした。
心臓がドキドキと波打って、肩が震えて、涙が溢れて、
終演後しばらく席を立てませんでした。
帰りの電車に乗っても涙が出そうになって困りました(苦笑)。
『雪の女王』というとアンデルセンの有名な童話です。
脚本・演出はイタリア人のテレーサ・ルドヴィコさん。終演後、
「怖かったけど、面白かったーっ」という子供達の声が聞こえました。
でもこの号外は、宮光真理子さんに捧げるものです。
なんと今作で舞台出演はまだ2度目だとか?!
・・・天才って、居るんですね。
劇場に舞い降りた、恐ろしいほど美しい奇跡に出会ってください。
★宮光真理子さんの次の出演作が決定しています。
アートネットワーク・ジャパン+Ort-d.dプロデュース
『サーカス物語』10/07-10にしすがも創造舎特設劇場
http://sozosha.anj.or.jp/topics/200508_01.html
上記サイトの写真に宮光さんが写っています(赤いスカートの方)。
《チケットについて》
●残席状況
まず、くりっくチケットセンターにお問い合わせいただくのが確実です。
・くりっくチケットセンター
電話 03-5432-1515
・イープラス ←予定枚数終了
・ローソンチケット ←未確認です。ごめんなさい。
http://www2.lawsonticket.com/
0570-00-0403
・電子チケットぴあ ←残席あり!(2005/08/20 AM07:00時点)
http://pia.jp/t/
0570-02-9999 (Pコード361-873)
残席あるのは下記です。
8/24(水)14:00、8/25(木)12:00、8/26(金)14:00
●チケット料金
≪全席指定≫ 大人4,000円/子供2,000円
その他各種割引あり(世田谷区民割引・SePT倶楽部会員割引等)。
くりっくチケットセンター 03-5432-1515
●当日券情報 ←未確認です。ごめんなさい。
【お問い合わせ】
くりっくチケットセンター 03-5432-1515
※東京公演後、他地域公演あり。
http://www.setagaya-ac.or.jp/sept/jouhou/05-2-4-19.html
8/28(日) 埼玉・富士見市民文化会館 キラリ☆ふじみ
8/31(水) 福岡・西鉄ホール
9/3(土)・4(日) 岐阜・可児市文化創造センター
9/11(日) 滋賀・びわ湖ホール
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆ 【編集後記】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎ただいま「しのぶの演劇レビュー」サイトではシステム不具合のため
REVIEWページが更新されない状態です。
ご迷惑をおかけして申し訳ございません。
最新情報はGUEST BOOKで随時ご報告してまいります。
http://www.shinobu-review.jp/guestbook.html
◎今日は早朝から炎天下のもとチケットぴあに並んでチケットを買い、
12:00開演の『雪の女王』を観て号外を出し、
これから王子小劇場に『36000秒』を観に行きます。
http://www.lucy.ne.jp/~bev/2005_07/36000.htm
ポストパフォーマンストークまで居たら、家に帰るのは23時以降!?
楽しいけど、つらいなぁ・・・(笑)。
◎パフォーミング・アーツ・マガジン[バッカス]02号
私が書いた劇評(Ort-d.d『四谷怪談』について)が掲載されています。
http://www.7andy.jp/books/detail?accd=31442121
◎皆様の観劇感想をお寄せ下さい!
このメルマガについてのご感想でももちろん結構です♪
ご感想は転用させていただくことがあります。
お便りはこちらへ→ 《 shinobu@mtr-standard.co.jp 》
※件名は「メルマガ感想」としてください。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆ 【このメルマガについての注意事項(毎号同じ内容です)】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
今回の配信は“号外”です。
毎月1日発行のメルマガで、その月のお薦め舞台10本をご紹介します。
バックナンバーは全て公開中!
→ http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000134861
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
このメルマガは、高野しのぶの演劇への情熱で書かれています。
沢山の人に演劇に触れてもらいたい! ので、クチコミ・転送 大歓迎です♪
☆ご友人、お知り合いにどうぞこのメルマガをご紹介ください!
(以下をそのまま転送してくださいね♪)
【面白い演劇を紹介してるメルマガはコレ!】
⇒ http://www.mag2.com/m/0000134861.htm
☆もしこのメルマガを観てお芝居に行かれたら、劇場でのアンケート用紙に
「高野しのぶのメルマガで知った」等、書いていただけると嬉しいです♪
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
◎東京および関東近郊の情報に限らせていただいております。
◎掲載内容には細心の注意を払っておりますが、
間違いがあることもあります。情報は主催者URLでご確認ください。
◎お薦めを観に行って面白くなかったら・・・ごめんなさいっ。
◎私の好みはこちらです。
→ http://www.shinobu-review.jp/favorite.html
簡単なプロフィールはこちらです。
→ http://www.shinobu-review.jp/intro.html
◎購読・解除はこちらから簡単にできます。
まぐまぐ → http://www.mag2.com/m/0000134861.htm
////////////////////////////////////////////////////////////////
メルマガ 『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』
発行人:高野しのぶ
メルマガ サイト:http://www.shinobu-review.jp/melmaga.html
Review サイト:http://www.shinobu-review.jp/
Eメール:shinobu@mtr-standard.co.jp
このメールマガジンは、まぐまぐから配信されています。
まぐまぐ:http://www.mag2.com/
Copyright(C)2004-2005 MTR standard corporation. All rights reserved.
許可無く転載することを禁じます。
////////////////////////////////////////////////////////////////
出演=森下真樹/宮光真理子/楠原竜也/豊島理恵/原田修一/大方斐紗子
作=ハンス・クリスチャン・アンデルセン 脚本・演出=テレーサ・ルドヴィコ 音楽= 打楽器:神田佳子/篳篥(ひちりき): 本橋文
全席指定 一般 大人4,000円/子供2,000円 *プレビュー公演大人2,000円/子供1,000円 SePT倶楽部会員割引 大人3,500円/子供1,600円 世田谷区民割引 大人3,700円/子供1,700円 *子供は4歳以上中学生以下、くりっくチケットセンターのみ取扱い
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
●○●人気blogランキングに参加中!ポチっとクリックしていただけると嬉しいです。●○●
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
★メルマガを発行しております。過去ログはこちら。
毎月1日にお薦めお芝居10本をご紹介し、面白い作品に出会った時には号外も発行いたします。
ぜひご登録ください♪
『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』(ID:0000134861)
↓↓↓メールアドレスを入力してボタンを押すと登録・解除できます。

『まぐまぐ!』から発行しています。
2005年08月19日
フジテレビジョン『THE PRODUCERS-プロデューサーズ-』08/13-31青山劇場
7月に来日したブロードウェイ版『プロデューサーズ』の翻訳版です。主役はV6の井ノ原快彦さんと長野博さん。脇を固めるのも有名な俳優さんばかり。初日写真はこちら。
※追加公演が決まったようで、8/26(金)18:30の回が発売中です。残席確認はできていません。詳細はこちら。
青山劇場のエントランス前の広場に巨大な電飾看板が建っていて、その豪華さに驚きました。さ、さすがジャニーズ・・・!思わず携帯でパシャっとやっちゃったよ(後ほどアップします。いつになるかわかりませんが・・・)。
原作をそのまんま日本語&日本人キャストで上演したものでしたね。装置から振付から何から何まで同じでした。この作品はスーザン・ストローマンさんの演出が命ですものね。でも本場のを観てからジャニーズ版を観るってどうなの?って感じなんですけど(笑)。
そもそもこのチケットを取ろうと思ったのは『ハンブルボーイ』で好演だった井ノ原快彦さんをもう一度観たいって思ったからなんです。で、いのっち・・・期待を裏切らない男だったよっ!!まったくも~ジャニーズで歌って踊ってアイドルやって、バラエティーやって、子供番組やって、ストレートプレイやって、ミュージカルまで出来ちゃうんもんな~。ほんとスゴイ。
いや、さすがに演技や歌が本場に敵うっていうわけじゃないんですけどね、こう、愛嬌っていうかスター性っていうか、媚びないで堂々としてるんだけど、あくまでも自然体。力を抜いてさらりとつっこむセリフがめちゃ上手いんですよね~。私はジャニーズ・ファンじゃないし(テレビも見ないし音楽も聴かないので)、アイドル一般にはとても疎いのですが、いのっちのことは追いかけたいって思いますね。
いのっちは元売れっ子プロデューサーのマックス役。最初はちょっと堅い感じでしたが、終盤ではセクシーな色男に見えてきました。牢屋に入れられたマックスが、今までを振り返ってそれまでに流れた曲をメドレーで弾丸のように歌っていくのも、ちゃんとやりきれてました。あれには見惚れたなぁ・・・。途中で「インターミッション!」と言ってしばらく座って休憩するシーンなんて、本場に勝ってましたよ。・・・って褒めすぎやね(笑)。勝ってたのはその瞬間だけかも。
劇中ミュージカル「春の日のヒットラー(Spring Time For Hitler)」は残念ながら笑えるところまでイってなかったですね。アンサンブルを含めて役者さんがもっともっと、死ぬほどバカっぽくやりきらないとダメだったのかも。まあ客層が客層ですしね(ミュージカルファンというよりはジャニーズファンなので)。「(あまりに不謹慎なので)笑っていいのかどうかわからない」というよりは「意図がわからない」っていう雰囲気でした。
日本語に訳して面白かったのは「かわいいおばあちゃんランド(LITTLE OLD LADY LAND)に行かなきゃ!」。日本語版ならではの歌詞は「ちっちゃ目(いのっちの目のこと)」、「電車男とエルメス」など。
ウーラ役の彩輝直(あやき・なお)さん。ちょ~可愛くってセクシーでした~。元・宝塚の男役なんですね。会計士レオ役の長野さんとのキス・シーンもあって結構ファンの目が厳しそうだったけど、あのナイスバディーとかわいいお顔でダンスめちゃウマですからねぇ、文句言えないでしょう。
対して長野さんは光ってなかったなぁ。何しろいのっちが良すぎてさ(笑)、比べちゃうしね。でも一生懸命なのは伝わってきました。
藤木孝さん。ゲイの演出家役。表情はパーフェクトだったんですけどねぇ・・・残念ながら言葉が聞こえなかったです。声が伸びてないというか。
岡幸二郎さん。ゲイの振付家役。仕草も立ち姿もどこからどう見てもゲイ。素晴らしかったです。そして歌も一番お上手でしたね。言葉もはっきり聞こえて気持ちよかったです。岡さんが出てきたら嬉しくなりました。
チケット代が高いし特にお薦めはしませんが、『プロデューサーズ』自体は本当に面白いミュージカルですので、7月を見逃した方はご覧になってもいいかもしれません。
出演=井ノ原快彦/長野博/彩輝直/松金よね子/桑野信義/岡幸二郎/藤木孝 ほか
脚本・作詞・作曲=メル・ブルックス オリジナル演出・振付=スーザン・ストローマン 演出・振付クリエイト=ビル・バーンズ 翻訳訳詩=高平哲郎 演出補=菅野こうめい 音楽監督=清水恵介 装置補=金井勇一郎 齋藤浩樹 照明補=源河新一 衣裳補=加納豊美 ヘアメイク=亀田万起子 音響=実吉英一 振付助手=井上仁司 舞台監督=小林清隆 今野健一 ヘアメイク協力=スタジオAD・アデランス 企画・制作・主催=フジテレビジョン
SS席¥12,000/S席¥11,000/A席¥9,500
プロデューサーズ:http://www.fujitv.co.jp/events/stage/st050813producers.html
『プロデューサーズ』製作発表:http://www.theaterguide.co.jp/pressnews/2005/05/30_2.html
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
●○●人気blogランキングに参加中!ポチっとクリックしていただけると嬉しいです。●○●
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
★メルマガを発行しております。過去ログはこちら。
毎月1日にお薦めお芝居10本をご紹介し、面白い作品に出会った時には号外も発行いたします。
ぜひご登録ください♪
『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』(ID:0000134861)
↓↓↓メールアドレスを入力してボタンを押すと登録・解除できます。

『まぐまぐ!』から発行しています。
2005年08月18日
ヨーロッパ企画 夏の陣(サマーフォーメーション)『サマータイムマシン・ブルース2005』08/17-23駅前劇場
ヨーロッパ企画の代表作『サマータイムマシン・ブルース2005』と『囲むフォーメーションZ』の2作品連続上演です。初の全国5箇所ツアーなんですね。『サマー・・・』は映画化され、9/3(土)より公開されます(公式サイトはこちら)。
『サマー・・・』東京公演は全日程完売でしたが、8/18(木)14:00の回が追加公演になっています。ってゆーか、もう今日の昼だっ。
『囲む・・・』は8/29(月)13:00の回のみ、わずかですが残席ありです(8/17 23:00時点で10席未満)。どうぞお急ぎください→チケット予約はこちら。
≪あらすじ≫
とある田舎の大学のSF研究会の部室。何をするでもなくダラダラとした大学生たちの夏休み。なぜか部室に忽然とタイムマシンが現れた!昨日コカコーラをこぼして壊れてしまったクーラーのリモコンを取りに、1日前の部室へと向かうが・・・。
≪ここまで≫
タイムマシンものですからネタバレが命取り! なので、どうぞお気をつけてお読みください。
タイムマシンものの王道をきちんと押さえた緻密な展開と、言葉でたたみかけるようにどんどんと重なっていくギャグで、2時間10分ほどの上演時間がみっちりと埋め尽くされてました。
若者のワイワイがやがやトークが休みなく続くことに少し疲れましたが、よく笑わせてもらえましたし、エピソードがパズルのピースのように巧くはまっていく快感もあり、とても楽しく拝見いたしました。
初演が2001年夏、再演が2003年夏、そして今回が3演目になりますが、内容はその都度、少し変わっています。2003年夏公演のパンフレットを見ると、役者さんもキャラクターもストーリーも(?)一部違うようでした。今作のパンフレット販売はありませんでした。
ここからネタバレします。
おバカな男の子たちが安易にタイムトラベルをやらかしてくれるのにイライラしましたね(笑)。まあそれがドタバタで面白いんですけど。そういえば前回公演でも登場人物の無邪気な悪事が連発していましたね。
未来から過去に行った際、未来の自分が過去の自分に出会わないように、危機一髪で隠れたり逃げたりします。当然ながら一人の登場人物は未来も過去も一人の役者さんが演じますので、あっという間に衣裳を着替えて出てくるのが笑えます。これは舞台ならではの楽しみだと思います。
一番見事だったのはラスト近くで、過去に置いてきぼりにされた甲本(中川晴樹)でしょうね。未来の甲本がとっさにコインロッカーに隠れたと思ったら、その数秒後に過去の甲本として銭湯帰りルックでドアから出てきて、客席から歓声が上がっていました(笑)。
好きな女の子(柴田=清水智子)の将来の苗字が自分の苗字と違うことがわかってしまって、プチ・ショックを受けていた甲本(中川晴樹)が可愛かったです。若々しいドタバタの中に、ほんのり青春の恋があって良かったわ~。
タイムマシンを発見して過去に行く時、自分ではそれが初めてのタイムトラベルだと思っているけれど、実は既に未来の自分がタイムトラベルをした過去を、自分が生きているのです。だから過去や未来を変えようと行動をしても、それは既に組み込まれた事実だったということがわかってきます。
これを劇中でちゃんと説明しているのが面白いです。結局は「タイムマシンがいつ、どこで、誰によって作られたのか」ということだけがループになって、謎のままなんですよね。漫画『キテレツ大百科』でもそうだったなぁ。
映画を試写で観た知人がかなり面白いって言ってましたし、舞台を観てから見に行っても楽しめるそうなので、私も観に行こうと思っています。★演劇版『サマー・・・』のチケットの半券を提示すると、当日一般料金が200円引きになります(映画館によります)。
≪京都、東京、大阪、札幌、福岡≫
出演=石田剛太/酒井善史/清水智子/角田貴志/諏訪雅/土佐和成/中川晴樹/永野宗典/西村直子/本多力
作・演出=上田誠 舞台監督=水波流 美術=酒井善史 照明=松谷將弘 音響=上田誠 造形=丹原康博 宣伝美術=坂井奈穂・諏訪雅 制作=井神拓也・諏訪雅・本多力・吉永祐子 制作協力=[東京]日和庵 [札幌]NPO法人コンカリーニョ [福岡]ピクニック 協力=リッジクリエイティブ株式会社
全席指定/前売¥2,300/当日¥2,500
ヨーロッパ企画:http://www.europe-kikaku.com/
映画は9/3(土)より公開決定! http://stmb.playxmovie.com/
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
●○●人気blogランキングに参加中!ポチっとクリックしていただけると嬉しいです。●○●
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
★メルマガを発行しております。過去ログはこちら。
毎月1日にお薦めお芝居10本をご紹介し、面白い作品に出会った時には号外も発行いたします。
ぜひご登録ください♪
『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』(ID:0000134861)
↓↓↓メールアドレスを入力してボタンを押すと登録・解除できます。

『まぐまぐ!』から発行しています。
2005年08月16日
KUDAN Projcet『百人芝居◎真夜中の弥次さん喜多さん』08/10-13愛知県勤労会館(つるまいプラザ)
二人芝居『真夜中の弥次さん喜多さん』が、なんと百人芝居に!これは日本演劇界の一大事だっ!・・・ってことで、私も名古屋まで遠征に行ってまいりました。
しかしながら非常に残念な結果でしたねぇ・・・。作品の完成度よりも出演者一人一人を大切に考えた演出だったと思います。また、二人芝居『真夜中の弥次さん喜多さん』のファン向けでもありました。つまり、一般の観客に向けて作られた作品ではなかった気がします。
面白い!と思ったり、ウワォっ!と驚いたり、大人数だからできる効果に見とれたりもしました。でも、「参加した人たちが一生懸命頑張ったことを発表するイベント」という色が強かったように思います。
私は二人芝居版を観て大感動した人間です。“ある表現方法が全く別の表現方法にきれいに翻訳・変換されたような、そんな感触です。偉大だと思います。”とレビューに書きましたが、原作漫画をそのままなぞるのではなく、脚本を完全に作り変えて、天野天街さんのセンスに染まった演出をほどこしているのに、それがなぜか原作にリアルに迫っているという、奇跡的な演劇作品だったのです。
だから今回も二人芝居から百人芝居へと変わることで、全く違う世界を作り上げるのだろうと期待しておりました。しかしながら明らかに二人芝居の型やネタを踏襲してしまったために、原作に近づくどころか、元となった二人芝居さえも面白くなかったのではないかと想像させてしまうような出来でした(少なくとも私と一緒に観に行った、二人芝居を観ていない人はそう感じたようです)。
「ダレモミタコトノナイ百人芝居ガ、デキアガルマデ」というレポートがパンフレットに載っています。どうやら参加された方々は相当な苦労をされたようです。毎日100人以上集まる稽古場ってすごく大変だろうなって思いますし、小道具も衣裳もその人数分以上あるわけですからものすごい作業量ですよね。ただ、それは作り手側の事情であり、劇場に立ち現れた作品、およびそれを観る観客には関係がないというのが私のスタンスです。
ここからネタバレします。
まず、弥次さん(寺十吾)と喜多さん(小熊ヒデジ)のセリフが非常に聞こえづらかったです。二人芝居の時は小さい小屋でしたが、今回は約1500人キャパの大劇場ですものね。聞こえるようにと必死で声を張り上げるから、さらに聞こえづらくなるのでしょう。そして早口過ぎて何を言っているのかわかりませんでした。天野天街さんのメチャおもしろい言葉が聞こえない・・・悲しすぎるっ!あんなに聞こえないならば、全部マイクを通せば良かったんじゃないかな(部分的にマイクのところもありました)。
舞台に161人が同時に乗ること、そして舞台上が人で埋め尽くされた状態で、全員が一緒にダンスを踊るのはさすがの迫力でした。でも1回目の衝撃は2回目、3回目には続かないし、何度も同じような感じの配置や振付だと今度はダンスの下手さが目に付きます。
また、舞台が平坦なので舞台面から奥に向かって3列にチーム編成をしても、効果が出にくいですよね。人が重なってて奥の列が見えないですから。いっそのこと装置を八百屋舞台や階段舞台にしちゃうとか、もっと人数を体感できる装置だったら良かっただろうなと思います。
出演者161人というと大きなオペラ並みです。そもそもそんな大人数の出演者を使うことに高い技術が必要だったということなのでしょうね。大勢が一緒にセリフを読むことが多かったですが、息があってなくて聞き取れないし、声質や姿勢が役者さんによってバラバラなので、叫び声のような言葉になってしまっていました。
セリフだけではなく動きについても然り。スイカを模した半球形のかつらをポッコリと被った人が無数に出てきて、「すいかの~ヅラでスイカヅラ~♪」と歌いながら踊ります。そんなシーンがいっぱいありました。バラバラの声が集まった大きな叫び声は聞き苦しいし、動きも人それぞれなので美しくありません。セリフは一人の役者にまかせて、残りの役者は動くだけにしても良かったんじゃないでしょうか。いっそのこと録音にしても良かったかも。
脚本は、パンフレットに「2005年7月3日天野初演出。脚本は5ページ。」とありますから、練られなかったのかな・・・。弥次さん喜多さんがお伊勢参りへの道中でさまざまな不可思議な人々と遭遇していくっていうのは、ドラゴンクエスト等のRPGテレビゲームみたい。しかも遭遇する人たちが数人セットになって現れます。その際に短いセリフを順番にしゃべっていくのは、膨大な数の出演者にできるだけセリフを与えようという配慮でしょう。本来なら1人でしゃべってもいいセリフをわざわざ複数人で話しているのは小学校の学芸会みたいでした。
また、数人のセットになっているので1人の役者さんが存在感のある演技をしていても、チーム内の他の人が出来ていなければ「下手だ」という印象になります。非常に不利ですよね。
一人で登場して長いセリフをしゃべる重要人物としては西田シャトナーさんが目立っていました(シャトナーさんの声はよく聞こえましたね)。どもるし同じ言葉を繰り返すし、その場でアドリブで話してるような雰囲気で、そして上半身裸なので、なんともヌルい存在感でした。シャトナーさんはスペシャルゲスト的な存在として意図的にそういう役になられたのでしょう。
そのシーンの最後でシャトナーさん演じるヤマモクの頭に大きな花が咲き、ヤマモクはとても喜ぶのですが、何の脈絡もなく突然に巨大な石が落ちてきて、ヤマモクはぺしゃんこになってあっけなく死に絶えます。とても面白い展開だったのですが、そこまでがスムーズに進んでいなかったのが残念。
二人芝居で面白かったことを同じように百人芝居でやっても、同じ効果は出ないですよね。例えば弥次さんと喜多さんの手が伸びて伸びて、ついにはつながってしまって、手が異常に伸びた弥次さんと喜多さんが何人もつながってぐるぐると舞台を巡ったりするのは、主役2人と演出部の方々が弥次喜多の覆面をしてやっていたから、へなちょこ感と意味づけが面白かったのだと思います。でも百人の役者が衣裳だけ弥次喜多風になって、客席にそれぞれの顔をまっすぐ向けたまま次々と長い手でつながっていっても、私には「みんななかよし」みたいなイメージが浮かんだだけでした。
細かいことですが、文字映像で雨が「ザーザー」降るはずなのに、文字がボケて見えませんでした・・・あれ、めちゃくちゃ好きだったのでものすごく残念。
全体としては残念だったけれど面白いと思った部分もたくさんありましたので、まとめて書き留めておきます。
オープニングで、古びたバスのフロントガラス(実際はないですが)の上に貼られた、行き先を示すプレートに「タバコ」という文字があり、それが「死」になった時はときめきました。「むかし」が「無か死」になるのも超かっこ良かった。
バスに乗っていた女性はおそらく少年王者館の役者さんですが、彼女は声もセリフも良かったです。マイクなしでも問題なし。やっぱり天野天街さんの世界を体現できる人だけを中心にしてもらいたかったですね。
同じことが繰り返されて、ふりだしに戻るということが今作でもありましたが、やっぱり面白かったです。劇場の壁掛け時計に照明がパっと当てられるのも良かった。
スイカヅラを被った人たちが「おさかな天国」の歌詞を変えて「アタマ アタマ アタマ アタマが溶けると アタマ アタマ アタマ アタマがなくなる」と歌い、終盤で無数の白いボールを床にポトンと落としたら、その内の一つが床でドシャッ!と割れて、実は丸いスイカだった・・・とつながるのにはなるほどと思いました。
出演(161名。お名前は公式サイトより転載いたしました)=小熊ヒデジ/寺十吾/西田シャトナー/斎藤まこと/つボイノリオ/しりあがり寿(8/11夜)/知久寿焼(8/13昼)/さねよしいさ子(8/11夜,12昼,12夜)/夕沈/石丸だいこ/杉浦美沙/うえだしおみ/坂東木葉木/ひのみもく/高田温子/安達彩/上野真生子/清水暁美/老田小寿絵/春田琴美/古賀ひとみ/中野葉子/杏屋心檬/窪田涼子/甲斐恵美/荘加真美/CO3/熊野てつこ/みすず/室谷カガク/上西久美子/土屋美沙緒/上野いずみ/大澤涼子/田中絵里/本間三代子/宮村亜理/山路麻衣/山田真理/竹神ゆり/渡辺まちこ/鬼頭明美/ジル豆田/元木宏美/雪港/山田さやか/加藤久子/佐伯知佳子/ばんたろ左ェ門/小林夢二/まどか園太夫/大薗功里子/蒼井明/アンナ/倉田瞳/安藤鮎子/関谷真理/中野麻衣/佐々木幸子/山田マキオ/近藤晶子/そやのあつこ/川名美枝子/木庭帆南/玉越由美/鈴木恵/東千尋/柴原望世子/加藤まどか/小谷奈緒/柳沢ゆかり/田中豊子/さとうなおこ/高橋由希/太田晶子/竹下カオリ/茂手木桜子/白木ちひろ/白尾文子/長縄都至子/栄美穂/猫田直/奥村明日香/あだち・ボンゴいち絵/仲村悠希/稲本安恵/山中麻里/長田直美/ポピンズ/水谷文夫/サ・リン/楢崎義行/水谷圭一/木立雅隆/小西孝典/土本隆弘/松嶋亮太/真野佐緒里/西川佐紀子/谷口範子/黒澤亜希子/木全晶子/鈴木未穂/高野由美子/河本恵美子/加藤聡美/今橋夕子/魚呼/ヒート猛/入馬券/大西おに/張婧/金暁帆/時子・ロロブリジーダ/伊藤あかね/濱夏子/冨田美沙/宮野智恵子/西村真由美/いちぢくジュン/加藤智宏/池田遼/伊藤雄大/新井亮/鵜飼昭光/眞藤ヒロシ/矢野健太郎/杉浦胎兒/虎馬鯨/竹内大介/喜連川不良/神楽靖之助/滝野智/aop./雨鼠/福田転球/遠藤徹/ジェット・リュー/蒲公仁/岡野正一/栗木健/氏家綾子/中村榮美子/Fiona Baker/MR.B/奥田光正/三浦周二郎/杉本雅彦/佐々木政司/伊佐野明/宇鉄菊三/鈴木雄一郎/藤沼茂人/中野皓作/松尾武志/松原正隆/和倉義樹/アンドレ/山田貴大/足木俊介/飯嶋光春/坂本篤篤/ディヴ・オラフ/日暮玩具/西うらしんじ/永野昌也/佳多聞/畠中晴代/永澤コオジ
原作=しりあがり寿 脚本・演出=天野天街 舞台美術=田岡一遠 照明=小木曽千倉 作曲=球水(少年王者館) 音響=戸崎数子、細川ひろめ、堀場眼助(以上、マナコ・プロジェクト)映像=浜嶋将裕 鎌田千香子 曽我千尋 大道具=子守祐美加 中村公彦(イリスパンシブルティ)丹羽美奈江 小道具=丹羽淳子(少年王者館) さとうなおこ 衣裳=田村英子(マナコ・プロジェクト) 振付=夕沈(少年王者館) 人形製作=山田俊彦(人形劇団ココン) 舞台監督=井村昴(少年王者館) 演出協力=西田シャトナー 宣伝美術=しりあがり寿(イラスト・タイトル文字)・アマノテンガイ(デザイン・コラージュ) 記録=一尾直樹 岩瀬ヨウイチ やまだともこ 宮本ナナ 制作=山崎のりあき 西杢比野茉実(少年王者館) 川瀬浩二 太田晶子(tsumazuki no ishi) 事務局=杉浦胎兒 はたのひろこ PECO うえだしおみ 澤野ゆかり 三浦周二朗 畑中晴代 伊藤京 カミヤスズキ 山本麦子 宮村亜理 坂東紀貴 山田ひとみ 竹内美絵 宮本真理 石川友紀 武田仁美 柴田智子 小田優理子 ほか プロデューサー=小熊秀司 安住恭子 企画・製作・主催=KUDAN Project、NPO法人PAFA=ドラコーン・フェスティバル組織委員会 共催=少年王者舘、てんぷくプロ、tsumazuki no ishi
前売3,800円(当日4,300円)高校生以下3,000円(前売のみ)
公式=http://www.officek.jp/kudan/hyakunin.shtml
BACK STAGE 名古屋発・夏を揺さぶる百人芝居=http://www.land-navi.com/backstage/report/kudan/index.htm
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
●○●人気blogランキングに参加中!ポチっとクリックしていただけると嬉しいです。●○●
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
★メルマガを発行しております。過去ログはこちら。
毎月1日にお薦めお芝居10本をご紹介し、面白い作品に出会った時には号外も発行いたします。
ぜひご登録ください♪
『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』(ID:0000134861)
↓↓↓メールアドレスを入力してボタンを押すと登録・解除できます。

『まぐまぐ!』から発行しています。
2005年08月15日
モンキー・ロード『らくだ論-坂口安吾の「堕落論」による-』08/09-14こまばアゴラ劇場
行く予定だった日が仕事でNGになって観るのをあきらめかけていたところ、「これは観た方がいい」というWeb上の噂が目に入り、必死で予定を組みなおして伺いました。
現時点でfringeの東京小劇場観測速報に登録されている7サイトの内、6人が観に行ったようです。
ある落語家が4人の弟子の中から自分の後継者を決めることになり、取材に来た出版者のライター2人の同席のもと、師匠とマンツーマンの試験を執り行っていきます。果たして後継者は誰に?? ※公演が終了していますので、これからネタバレします。
始まってから試験シーンになるまでに観る気力が減退してしまいました。師匠と出版社の2人が落語の演目「らくだ」について話す最初の方のシーンで、「私達、セリフを読んでます!」と明らかにわかるような状態だったのです。セリフに次ぐセリフが全て段取りに見えてしまいました。そしてたまに役者さんが自分の得意技(独特の仕草など)を披露するような・・・わざとらしい演技でした。
出版社の2人のやりとりは、観客の立場を代弁しているのかもしれませんが、こう・・・説明じみ過ぎているというか、古いのか、ダサイのか、観ていて困りました。また、いい年をした男性が自分よりも目下(部下)の女性の頭をパンパン叩くのは見苦しかったです。これは私個人のスタンスですが、暴力反対、です。
試験が始まってからは、4人の弟子それぞれの性格の違いが表現され、落語自体の楽しみもありました。脚本に書かれていた内容が知識として面白かったです。東大法学部卒の弟子と師匠との数遊び(「五人囃子とは?」「六歌仙とは?」など)はめっちゃくちゃ楽しかったですね。
弟子の名前が三国志に登場する人物名(劉備、関羽、孔明、跳飛)になっています。三国志の知識がゼロに近い私は残念ながら三国志ネタはわからなかったのですが、知っている人はすごく面白かったんじゃないでしょうか。
ただ、やはり試験シーンでも演技の問題が・・・。観客に向かって全員で語りかける群読シーン、師匠や出版社の人々、そして師匠の娘と一緒に「一人の弟子」として会話するシーン、そして客席に向かって本気で落語をやってみせるシーンなど、役者さんが瞬時に色んな立場に変化しなければいけない、難しい演出(脚本?)だったんですね。
普通の会話であるべきなのに段取りが決まった問答のように角ばっていたり、落語なのに観客に向かって話さずに、ただセリフを読み上げるだけになっていたり。残念ながら観ていられなかったり、聞きたくないと思うことが何度もありました。
ただ、4番目の弟子が師匠の十八番「らくだ」をやるシーンでは、落語自体にすごく聞き入りましたし、「落語に政治色を出したくない」という弟子と、出版社の男性との議論が非常に面白かったです。あのやりとりには本気が見えました。弟子役の役者さん(佐々木庸二さん)が上手だったように思います。
美術については、小さな舞台でのシンプルながらもダイナミックな転換に感心しました。縁側のような台が4~5台あり、弟子の一人一人の試験ごとにそれらをさまざまな配置に変化させます。次に起こることを期待させてくれました。
師匠の娘が実は養女で、師匠の子を身ごもっていたという落ちに、坂口安吾の堕落論とつながっている部分を感じました。
出演=中原和宏/吉田テツタ/段丈てつを/嶋村太一/佐々木庸二/桑名しのぶ/川本貴浩/井上美穂
作=北村想 演出=大西一郎 美術=加藤ちか 照明=阿部康子 音響=青木タクヘイ 舞台監督=小野八着 美術助手=甫木扶美 宣伝美術=外山もと 宣伝写真=染谷育子 制作=富永恵久子・有馬実歩
前売¥3,000 当日¥3,300 平日マチネ¥2,500 学生¥2,000
モンキー・ロード:http://www2.odn.ne.jp/monkeyroad/
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
●○●人気blogランキングに参加中!ポチっとクリックしていただけると嬉しいです。●○●
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
★メルマガを発行しております。過去ログはこちら。
毎月1日にお薦めお芝居10本をご紹介し、面白い作品に出会った時には号外も発行いたします。
ぜひご登録ください♪
『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』(ID:0000134861)
↓↓↓メールアドレスを入力してボタンを押すと登録・解除できます。

『まぐまぐ!』から発行しています。
2005年08月12日
Oi-SCALE/'05concept灰色2/3『ミチガエレセカイ』08/11-18THEATER/TOPS
林灰二さんが作・演出されるOi-SCALE(オイスケール)の初のTHEATER/TOPS進出公演。前回の『モデルガン』に続く灰色3部作の第2段です。
死刑囚が収監されている地下室の恐ろしいお話でした。
Oi-SCALEというと、若者のバイオレンスを題材に、センスのいいギャグやポエティックで切ないセリフが散りばめつつ、出口のない恐怖やごく普通の人々の秘められた狂気を、ファンタジーとして描く作風がとても味わい深い、若手の劇団です。
しかしながら今回は、厳しさと同居するふんわりとした明るさが全くなく、どん底のように暗くて、私自身が世界の底の奥深くに閉じ込められたように感じました。ちょっと驚きましたね。
≪あらすじ≫
ある刑務所の地下に、5つの独房が集められた密室がある。収監されているのはいずれもただ死を待つのみの死刑囚たち。彼等を監視する部屋は密閉された地下室で人目につかないため、看守たちの溜まり場にもなっている。
ある日、囚人たちが独房から出た形跡が発見される。鉄格子のドアの鍵があらかじめ壊されていたのだ。
≪ここまで≫
劇場に入るなり、舞台装置が既に怖かったです。青い照明が薄く照らされた暗闇の中に鉄の格子戸が5つそびえています。戸の上にそれぞれ赤いランプが付いており(点灯していたかは不明)、照明の青とその赤、そして暗闇の黒とのコントラストがぎらぎらしているのです。その全体がプロジェクターで明るく照らされていたのですが、何が映っていたのかはわかりませんでした。
音楽も全体的に暗い感じでした。たまに明るいリズムの音楽もありましたが、基本的にドーンと落ち込んでいく方向です。真っ暗闇にコツ、コツ、と響いてくる足音、鍵のチャリンチャリン揺れる音など、効果音もなんだかホラー映画のようで、ちょっと効き過ぎの感があった劇場の空調がさらに涼しく感じられました。
お話を少しはみ出るぐらいのポップなギャグも、ホっとするような会話も、今回は最小限に押さえられたようです。場面転換やシーン数などはいつもよりかなり少なくなっており、意図的なくりかえしや、シンプルにしたためにギュっと凝縮された会話が多かったように思います。
つまり、ガツンとストレートに何かを発信していたような・・・しかしながらそれが一体何だったのかを私はしっかりと噛み締めることができませんでした。散りばめられたヒントを頼りにそれに近づこうとしたのですが、感じ取ることが出来たのはおそらく複数あるテーマのごく一部でしたね。
鍵のない独房から出られない死刑囚とは、つまりこの社会で自由に生きている私達のことを表していたと思います。自分の力で何かを起こしたり、変化を生んだりできるのに(鍵は開いているのに)、「こんな世の中は嫌いだ」「今の私は本当の私じゃない」などと不満を言いながら、何もせずにじっとしている(牢屋に入っている)わけです。また、日本のこの現代社会こそ、実は不自由な牢獄かもしれないという意味もありますね。
まだまだ他にもたくさんメタファがあるのですが、残念ながらきちんと言葉にできるほど追いつけませんでした。う~ん、残念無念。
わかりづらかった原因は、スライド映写や暗転のタイミング、転換時の物の移動などのスタッフワークがおぼつかない印象だったことと(初日だったからかもしれません)、出演者のスタンスのバラつき等でしょうか。
今までなら眼をつぶっていられたことが、今回はどうしても気になりましたね。描くものを絞り込んでいくと、それを成功させるためには何に対しても高いレベルが要求されるのだと思います。
次回公演のカラーチラシと、出演者募集(ワークショップオーディション)の申込書が既に折り込まれていました。第3段の最終章に期待したいと思います。
出演=星耕介/林灰二/清水慎太郎/太田恭輔(ブラボーカンパニー)/吉河童夢/人見英伸(iOJO!)/トモヒカン/大政知己(サモ・アリナンズ)/川崎賢一/須永祥之(アミューズ)
作・演出=林灰二 舞台監督=ego-eco 美術=仁平祐也 照明=中山仁(ライトスタッフ)音響=田島誠治(サウンドギミック) 演出助手=中村太陽 小道具=/中島香奈子 衣装=森光あきこ 宣伝美術・WEB=清水慎太郎 写真=ボクダ茂 制作=高橋唯子 制作協力=ぷれいす 企画・製作=Oi-SCALE
前売り3300円 当日3500円 (全席指定)
ミチガエレセカイ:http://www.oi-scale.com/oiweb/mitiseka/mitiseka_if.html
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
●○●人気blogランキングに参加中!ポチっとクリックしていただけると嬉しいです。●○●
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
★メルマガを発行しております。過去ログはこちら。
毎月1日にお薦めお芝居10本をご紹介し、面白い作品に出会った時には号外も発行いたします。
ぜひご登録ください♪
『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』(ID:0000134861)
↓↓↓メールアドレスを入力してボタンを押すと登録・解除できます。
2005年08月10日
クロムモリブデン『ボーグを脱げ!』08/10-14劇場MOMO
クロムモリブデンは青木秀樹さんが作・演出される大阪の劇団です。ナンセンスで錯綜した世界に独特のダークな空気が漂います。笑いがかなりコアでマニアック。ハマる人はハマるリズムがあります。
去年の暮れからお正月にかけて王子小劇場で上演された公演を観て大好きになり、今回も期待して初日に伺いました。
チラシビジュアルとタイトルからもわかりますように、テーマはボーグ(防具)。剣道の面も良く出てきます。ストーリーは特になく、次から次にシーンからシーンへと移って行く短編集のスタイル。ただ、登場人物が被ることもあるのでチェーンストーリー的な楽しみもあります。
ロリコン、児童虐待、性犯罪者、家庭内暴力、SM(ご主人様と奴隷)などのかなりハードなモチーフを、時事ネタも含めて皮肉っぽく、だけどあくまでもポップに軽妙に織り交ぜていきます。
黒い黒い、真っ黒な世界で、ヤっちゃいけないことをしちゃう時のドキドキわくわくのスリルと恍惚。こっそりと胸に秘めていた悪意をいたずらにさらけ出して、突然「うっそぴょーん!」と笑い飛ばしてしまうような軽薄さ。そして身体の底からグっと沸いてくるグルーブ感。
きちんと細かいところまで作り上げられた世界です。生っぽく、勢いで見せるネタがほぼないですね。役者さんが作品世界から逸脱しません。大阪の劇団とは思えない作風です(私の経験上ですが)。
音楽がめちゃくちゃクールです。全体的にくもったような響きで、舞台の奥から、床のずっと底からズシンと響いてくるように感じます。暗転中に「くーっ、かぁっこいい!!!」って何度も思って、背中がしびれました。曲名は全然わからなかったですが選曲がサイコー。
たくさんの短編があったので全部は思い出せないですが、短編の全てが面白かったわけではなかったですね。何かが具体的に足りなかったのか、もともと私に合わない作風だったのかはわかりませんが。まあ、何もかも全部ひくるめてクロムモリブデンのイケナイ世界だった、ということでも私は満足です。
ここからネタバレします。
「叩いて、被って、じゃんけんポン」(通称“たたかぶジャポン”)という遊びが全体のメインイメージを担います。机に向かい合って座る2人。机の上には武器(ハリセンなど)と防具(センメンキなど)が置いてある。じゃんけんで勝った方が武器で相手の頭を叩き、負けた方は防具で頭を守ります。素早く相手の頭を叩いた方が勝ち。子供の頃やりましたよね。
ここでは武器を攻め具(せめぐ)と呼び、同音の“責め具”の卑猥なイメージもプラスされ、そこから奴隷、虐待などの材料とうまくつながっていきます。
私が異常に笑い続けてしまったのは出所した性犯罪者を裁く理不尽な裁判シーン。板倉チヒロさん(なぜか半裸)が暴れ出し、誰にも触られていないのに「はなせーっ!はなせーっ!!」って言って、さらに暴れるのが可笑しすぎました。次のシーンになっても一人、笑いが止まらず(苦笑)。ごめんなさい。
今回はオープニング(開演前)の歌がなくて、始まり方が少し静か過ぎた気がします。初日だったからかもしれませんが堅かったですよね。あと、ラストの剣道部青春モノは意味が分かりませんでした。いや、意味はないのでしょうけれど。もっとガガンと無責任な盛り上がりを見せて終わってくれる方が後味が良かったかなと思います。
浅田百合子さん(エビス堂大交響楽団)。センメンキを探して放浪するadidas水色ワンピのガンダム女や、虐待される赤ランドセルに緑ジャージの少女など演じられていましたが、動きのキレが素晴らしい。格闘シーンで足めちゃ上がるし、強い(笑)!
重実百合さん。被写体になるモデルや赤携帯を背負った少女など。めちゃ可愛かったです。小さな身体で童顔で、あの声量!一瞬歌われた歌に聞き惚れました。
橋薔薇之介さん(ニットキャップシアター)。劇団☆新感線の粟根まことさんにすっごく似てますね。
出演=森下亮/金沢涼恵/板倉チヒロ/重実百合/信国輝彦/遠山浩司/浅田百合子(エビス堂大交響楽団)/板橋薔薇之介(ニットキャップシアター)
作・演出=青木秀樹 音響効果=笹木健司 照明=Ingrid Smith 美術=ステファニー(劇光族) 舞台監督=塚本修 演出助手=大沢秋生(ИEUTRAL) 宣伝美術=Indigoworks 宣伝写真=シカタコウキ 衣裳=赤穂美咲 制作=床田光世 金澤裕 野崎恵 パリジャン 企画・製作=office crome
全席指定 前売券 2700円 当日券 3000円/平日マチネ割引など他各種割引あり
クロムモリブデン:http://crome.jp/
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
●○●人気blogランキングに参加中!ポチっとクリックしていただけると嬉しいです。●○●
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
★メルマガを発行しております。過去ログはこちら。
毎月1日にお薦めお芝居10本をご紹介し、面白い作品に出会った時には号外も発行いたします。
ぜひご登録ください♪
『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』(ID:0000134861)
↓↓↓メールアドレスを入力してボタンを押すと登録・解除できます。

『まぐまぐ!』から発行しています。
東京ネジ『僕等の肌ヌらす青』08/05-08王子小劇場
岩手の盛岡から東京にやってきた女の子の劇団、東京ネジ。前々回公演が良かったので今回も王子小劇場公演に伺いました。この作品の前に阿佐ヶ谷の喫茶ヴィオロンでも公演をされていますね。活発に活動している劇団だと思います。
≪あらすじ≫
青い塔がそびえている架空の世界。性別のない子供達は、大人になる時に自分がなりたい性を選ぶことができる。ある日、いつものように無邪気に遊んでいた子供達は、森の中で不思議な人物と出会い・・・。
≪さわりしか書けていませんが、ここまで≫
がんばって作ってらっしゃるのはすごくわかるのですが、楽しめませんでした。脚本・演出家自身の内面世界にぐっと入り込んで、そのまま外側に出てきていない様子。詩のようなセリフを思いっきりまっすぐに、感情を込めて、大きな声で読み上げられても引いちゃいます。ストーリーも、進むにしたがって苦し紛れな感じがしてきました。下記、公演は終了していますのでネタバレします。
子供は2人ペアで1人であり、先に大人になった方が生き残り、遅かった方は物理的に消えます(おそらく)。大人になる時に忘れてしまう、もしくは致し方なく削り落としてしまう子供の心(の、ようなもの)を描こうとしたのかもしれませんが、焦点が絞れていませんでした。
出演者は全員で9人。学校の先生2人と森に住む不思議な存在“パラダイス”以外は全員が子供役です。残念ながら皆さん、“大人が想像する子供像”を演じており、“子供”を演じられていませんでした。無理に子供を演じなくても良かったんじゃないかなぁ。完全に架空の世界なのですから、大人のままに普通に演じてもお話は成立したと思います。
下記、当日パンフレットの“作家からのことば”より部分引用します。
「13さいの夏、空は無限に青くて、世界は何にでも姿を変えられたことを、思い出していただけるとうれしいです。」
この文章を書かれた作家&出演者の佐々木なふみさんはご自身が13歳の頃、「世界は無限で、自分の想像した通りに変えられる(自分の想像した世界が、そのまま自分を取り巻く世界だった)」と思っていらしたんですね。けれども大人になった今ではそう思っていらっしゃらないようです。
私は反対です。年齢的に子供だった頃の方が不自由でしたし、世界は常識やしがらみにまみれ、平坦でわずらわしいものでした。けれどいい年の大人になった今では、私はものすごく自由になり、世界はどうにでも変化するし、自分の思い通りになる(私が想像した世界こそ現実だ)とも思っています。
私は生まれながらの偏屈なのかもしれません。自分がいわゆる幼い、あどけない、無邪気な“子供”だった時期があったかというと「なかった」と言えてしまう人間です。だから「懐かしいあの頃を思い出して!」と声高に叫ぶ作品が苦手でなりません。私のような人間は佐々木さんと出発点で共感できませんので、この作品を受け入れられなくて当然ですね。
王子小劇場のキャットウォークを大々的に使った野心的な美術でした。高い天井を生かした照明も綺麗でした。床(ステージ)に土を使ってました。スプレーで雨を降らせていました。ラストは細かい銀雪(青く光ってました)も降っていました。ピアノの生演奏もあって、しかもオリジナル曲です。前々回もそうでしたが、とても凝って作っていると思います。
パラダイスを演じた今里真さんは詩的なセリフもしっかりと噛み締めて伝えてくださいました。元サッカリン・サーカスの役者さんで『南国熱帯蝶々挽歌』でも両性具有の妖精ような役でしたね。ナイスなキャスティングだと思います。
王子小劇場賛助公演
出演=佐々木香与子/佐々木富貴子/佐々木なふみ/今里真/田中陽介/明石修平(NATURALick☆kciRT)/小松君和(神様プロデュース)/須貝英/田保圭一
作=佐々木なふみ 演出=佐々木香与子 舞台美術=袴田長武 照明=工藤雅弘(Fantasista?ish.) 音響=島崎諒(JAPWORKS) 衣装=原田晶子 小道具=かまくら小鳥 ヘアメイク=丸山かおり 宣伝美術/写真撮影=大倉英揮 制作=柴田優子(東京ネジ) 東京ネジ工場
[料金]前売り2300円 当日2500円
東京ネジ:http://tokyoneji.amnesic.org/
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
●○●人気blogランキングに参加中!ポチっとクリックしていただけると嬉しいです。●○●
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
★メルマガを発行しております。過去ログはこちら。
毎月1日にお薦めお芝居10本をご紹介し、面白い作品に出会った時には号外も発行いたします。
ぜひご登録ください♪
『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』(ID:0000134861)
↓↓↓メールアドレスを入力してボタンを押すと登録・解除できます。

『まぐまぐ!』から発行しています。
2005年08月09日
ホリプロ『電車男』08/05-27パークタワーホール
2チャンネルから書籍、漫画(4種類あるようです)、映画、TVドラマと話題爆発の『電車男』の舞台化。主役は武田真治さんです。
もー・・・めっちゃくちゃ面白かったです!メルマガ号外を出しました。
私は『電車男』のことを口コミで知りました。まとめサイトを一晩かけてボロボロ泣きながら読了。映画はすっごく楽しみつつも少し不満が残り、TVドラマは4話(だったかな?)だけ見て途中で挫折。そしてちょっぴり期待しながらの舞台版でした。
何も考えずに観に行って、その演出方法にまず衝撃でした。会場は爆笑の渦、そして、涙ぁ~・・・。
ここからネタバレします。※有名な作品ですのであらすじは省きますね。
舞台の上手と下手の両方に小さな部屋が積み重なった3階建てのタワーがあります。下手の1階には河原雅彦さん(イケメン・サラリーマン)、2階は脇知弘さん(おデブなアニメ・ヲタク)、3階は佐伯新さん(映画マニア)。上手の1階は鈴木一真さん(30代の不潔なひきこもり)、2階はモロ師岡さん(50代のセックスレスおじさん)、3階は千代将太さん(引きこもり中学生)。この6人がネットの住人(毒男)で、電車男(武田真治)を応援します。
舞台中央の客席正面には大きなスクリーンがありました。これこそがこのお芝居独特の演出で最も面白いポイントなのですが、ネットの住人たちのPCにカメラが取り付けられており、住人がPCに向かってセリフを言うと、その顔がドアップで中央の大スクリーンに映し出されるのです。しかもセリフ字幕入り!鈴木一真さんのセリフは特にアスキーアート入り(笑)♪ 演劇なんだけど、テレビの生放送みたいで、ネットのチャットみたい!(観客はROMオンリーですが)
セリフを言う役者さんに合わせて画面がどんどん変わりますので、セリフの文字情報と一緒に次々に変わる顔、顔、顔!すごいスピードです。最初は慣れなくて不思議な感覚でした。演劇を観に来たのにずっとスクリーン映像を見ている私(笑)。だけど舞台上で人がしゃべっているのを認識しながら生(ライブ)の映像を見ているので、臨場感はすっごくあります。徐々に慣れてきたら、各部屋で暴れている(笑)役者さんを観察したり、アップの顔と体全体を見比べたりできるようになりました。毒男たちが部屋を飛び越えてやりとりすることもあり、お楽しみが盛りだくさん。
エルメスとのデートシーンは、電車男が舞台上でデートの詳細を語るのと同時進行で、武田真治さんとエルメス(若い女性。顔は映りません)が実際に銀座や青山を歩いて撮影した映像が、コマ送り風に映し出されました。その時は雰囲気重視で字幕なし。そういえばオープニングは音楽に合わせて東京の風景写真がどんどんと映される、スピーディーであかぬけたものでした。あの時にさすが堤幸彦さん(+大根仁さん)の演出だなぁと思っていたんですよね。それはほんの序の口で本編はもっと凄かった(笑)。
電車男が少しずつアニヲタから卒業していく様子を、この舞台では最重要ポイントとして演出していました。これがサイコー。客席で鼻をすする音がいっぱい聞こえました。もちろん私も泣いちゃったよ。
エルメスがGWの海外旅行に行っている間、自分がやっていたのは同人イベント(コミケなど)に行ったことだけ。電車男はすっかり自信をなくし、「もうエルメスのことはあきらめる」と弱音を吐きます。そこで毒男たちから返ってきた言葉は↓ ※下記のセリフは完全に正確ではありません。
「電車男。お前は怖いんだ。エルメスに振られるのが怖いんじゃない。変化するのが怖いんだ。変化は恐ろしい。でも、変化しないのはもっと恐ろしい。それは自分の周りにゆっくりと檻(おり)を作っていくことなんだ。ゆっくりだから怖くない。だけど、少しずつ奥へ奥へと入り込んでしまい、その檻に手を差し伸べてくれる人がいたとしても、その手を取ることができなくなる。もう檻の中から出られなくなる。」
「変化する前のお前を作ったのはお前だ。お前は凄い、凄い、凄い、凄い、凄い、凄い!」
これは映画では描かれていなかったんですよね。TVはどうなるのかな~。
電車男がデートから帰ってくるのをPC前でじーっと待っている毒男達、一人一人の見せ場がきちんとありました。ネットの住人の姿をかなり入念に描いていたことで、『電車男』という成長物語の核となる部分を際立たせることができたのだと思います。脚本・演出は堤幸彦さん、大根仁さん、三浦有為子さん(劇作家。「Jam Films」に脚本参加)の3人体制のようです。
武田真治さんは、秋葉クンの時の演技がほんとに気持ち悪くて(笑)面白かったです。セリフをよく間違われていましたが別に問題なし。でも美男になってからは本物のイケメンになってしまって物足りなかったですね。そのためラストで物語がしょぼんとへこんでしまって残念。小ぎれいにまとめず、もうちょっとヲタクモードで盛り上げて欲しかったです。これが原因でメルマガ号外を出そうかどうか迷ったんですが、やっぱり演出と脚本に軍配ということで発行いたしました。
河原雅彦さん演じるサラリーマンだけが毒男ではなく、自分より明らかにレベルが低い者が集まる“毒男スレ”を眺めることで、憂さ晴らしをしているROMオンリーなイケメン・キャラでした。彼が観客の心を代弁して絶妙なつっこみを入れてくれるのがものすごく気持ちいいです。アドリブもさすが。
鈴木一真さん、モロ師岡さん、佐伯新さん、脇知弘さん、千代将太さん・・・・皆さん素晴らしかったです!
あと、これは個人的つぶやきですが、エルメスのあのチョーカーをペアルック前提でプレゼントされたら・・・・私ならスッゴイ引いちゃう(冷汗)!あのペアルックはつらいよっ。
≪東京、大阪、名古屋、仙台、長崎、北九州≫
出演=武田真治/鈴木一真/モロ師岡/佐伯新/脇知弘/千代将太/河原雅彦
原作=中野独人『電車男』(新潮社刊) 脚本・演出=堤幸彦+大根仁+三浦有為子 美術=升平香織 照明=笠原俊幸 音響=長野朋美 衣裳=十川ヒロコ ヘアメイク=河村陽子 映像=大根仁 演出助手=西祐子 舞台監督補=榎太郎 舞台監督=加藤高 宣伝写真=宮沢行生 宣伝美術=真々田稔 宣伝美術コーディネート=中村英莉
¥6,500(全席指定・税込)
舞台公式=http://www.densha-otoko.jp/
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
●○●人気blogランキングに参加中!ポチっとクリックしていただけると嬉しいです。●○●
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
★メルマガを発行しております。過去ログはこちら。
毎月1日にお薦めお芝居10本をご紹介し、面白い作品に出会った時には号外も発行いたします。
ぜひご登録ください♪
『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』(ID:0000134861)
↓↓↓メールアドレスを入力してボタンを押すと登録・解除できます。

『まぐまぐ!』から発行しています。
メルマガ号外 ホリプロ『電車男』
ホリプロ『電車男』
08/05-27パークタワーホール
≪東京、大阪、名古屋、仙台、長崎、北九州≫
公演情報はこちら
レビューはこちら
★メルマガへのご登録はこちらへ!
┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏
“しのぶの演劇レビュー” 号外 Vol.20 2005.8.8 654部 発行
┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏ http://www.shinobu-review.jp
今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪
★★ 号 外 ★★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ホリプロ『電車男』
08/05-27パークタワーホール
≪東京、大阪、名古屋、仙台、長崎、北九州≫
☆2チャンネルから書籍、漫画、映画、TVドラマと話題爆発の
『電車男(でんしゃおとこ)』の舞台化。主役は武田真治さん。
出演=武田真治/鈴木一真/モロ師岡/河原雅彦/ほか
全席指定 ¥6,500
http://www.densha-otoko.jp/
◎観劇後のコメント◎
『電車男』は口コミで知り、まとめサイトを読んで超感動しました。
映画も良かったんですが、私が最も感動した部分が省かれており、
ちょっぴり不満でした。TVドラマは電車男ではなくエルメスが主人公で、
色んな新エピソードも追加されていますから別物と言えます。
しかしこの舞台版は、なぜ『電車男』が今の日本でこれほどの
大ヒットになったか、その核心をつく出来栄えでした!
電車男の恋の行方を実況中継で眺めつつ、自分も体験しているような
臨場感!演出の勝利ですね。
電車男をはげますネットの住人たちがメチャ面白キャラで、
演技も素晴らしいです。久しぶりにすんごい笑いました~。
まさか『電車男』で号外を出すなんて・・・全くの予想外でした(笑)。
※上演時間:約2時間20分(休憩なし)
《チケットについて》
●東京公演は残席あります。プレイガイドでお求めください。
・ホリプロオンラインチケット
電話 03-3490-4949
http://www.horipro.co.jp/ticket/kouen.cgi?Detail=58
・チケットぴあ
http://t.pia.co.jp/promo/play/densha.jsp
・イープラス
http://eee.eplus.co.jp/s/denshaotoko/
・楽天チケット
http://ticket.rakuten.co.jp/index12517.html
・その他
ローソンチケット http://www2.lawsonticket.com/
CNプレイガイド http://www.cnplayguide.com/evt/cttop.aspx
●チケット料金(全席指定) ¥6,500
●当日券情報
詳細未確認ですが受付に「当日券」の窓口はありました。
終演後にリピーター割引チケットの販売もしていましたので、
余裕はあるようです。
【お問い合わせ】
ホリプロオンラインチケット
電話 03-3490-4949
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆ 【編集後記】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎ただいま「しのぶの演劇レビュー」サイトではシステム不具合のため
REVIEWページが更新されない状態です。
ご迷惑をおかけして申し訳ございません。
最新情報はGUEST BOOKで随時ご報告してまいります。
http://www.shinobu-review.jp/guestbook.html
◎REVIEWページを、「しのぶの演劇レビュー」サイトの
TOPページにいたしました。
便利になるかしら~ん♪と思ったら、システム不具合(涙)。
ごめんなさい。早急な復帰を目指して努力しております。
◎NEWS「常盤貴子&長塚京三Jr.圭史が熱愛」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050808-00000018-spn-ent
これで“長塚京三Jr.”じゃなくて“長塚圭史”になられますよね。
◎パフォーミング・アーツ・マガジン[バッカス]02号
私が書いた劇評(Ort-d.d『四谷怪談』について)が掲載されています。
http://www.7andy.jp/books/detail?accd=31442121
◎皆様の観劇感想をお寄せ下さい!
このメルマガについてのご感想でももちろん結構です♪
ご感想は転用させていただくことがあります。
お便りはこちらへ→ 《 shinobu@mtr-standard.co.jp 》
※件名は「メルマガ感想」としてください。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆ 【このメルマガについての注意事項(毎号同じ内容です)】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
今回の配信は“号外”です。
毎月1日発行のメルマガで、その月のお薦め舞台10本をご紹介します。
バックナンバーは全て公開中!
→ http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000134861
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
このメルマガは、高野しのぶの演劇への情熱で書かれています。
沢山の人に演劇に触れてもらいたい! ので、クチコミ・転送 大歓迎です♪
☆ご友人、お知り合いにどうぞこのメルマガをご紹介ください!
(以下をそのまま転送してくださいね♪)
【面白い演劇を紹介してるメルマガはコレ!】
⇒ http://www.mag2.com/m/0000134861.htm
☆もしこのメルマガを観てお芝居に行かれたら、劇場でのアンケート用紙に
「高野しのぶのメルマガで知った」等、書いていただけると嬉しいです♪
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
◎東京および関東近郊の情報に限らせていただいております。
◎掲載内容には細心の注意を払っておりますが、
間違いがあることもあります。情報は主催者URLでご確認ください。
◎お薦めを観に行って面白くなかったら・・・ごめんなさいっ。
◎私の好みはこちらです。
→ http://www.shinobu-review.jp/favorite.html
簡単なプロフィールはこちらです。
→ http://www.shinobu-review.jp/intro.html
◎購読・解除はこちらから簡単にできます。
まぐまぐ → http://www.mag2.com/m/0000134861.htm
////////////////////////////////////////////////////////////////
メルマガ 『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』
発行人:高野しのぶ
メルマガ サイト:http://www.shinobu-review.jp/melmaga.html
Review サイト:http://www.shinobu-review.jp/
Eメール:shinobu@mtr-standard.co.jp
このメールマガジンは、まぐまぐから配信されています。
まぐまぐ:http://www.mag2.com/
Copyright(C)2004-2005 MTR standard corporation. All rights reserved.
許可無く転載することを禁じます。
////////////////////////////////////////////////////////////////
2005年08月08日
かもねぎショット『ロシアと20人の女たち』08/03-10ザ・スズナリ
高見亮子さんが作・演出される かもねぎショット。私は『窓』(再演)しか拝見したことがないのですが、高見さんのほんわかな不条理世界はステキだなぁと思っています。今回は小山萌子さんと中川安奈さんも目当てでうかがいました。
公式サイトの公演案内で『女たちの「知っているつもり」と「思い込み」は強引につなぎ合わされ、「思い入れ」はヒロインたちをめいめい勝手に成長させ、やがて、どこにも存在しない、けれど愛すべき「ロシア」が立ち現れる物語です。』とありますように、女優さん達がロシアにまつわる(とおぼしき)エピソードを脈絡なく演じつないでいくことで、「あぁ、ロシア~・・・」という雰囲気になる(笑)お芝居でした。
Club Silencioによると前回公演『ラプンツェルたち~うろ覚えの童話集~』もそういう作品だったようですね。高見さんや出演者の方々が想像するロシアと私の頭の中のロシアとをシンクロさせて、とってもプライベートにこじんまりと楽しむことができました。でも特に感動するとか影響を受けるとかはなかったです。ウィットに富んだ大人の女性の気軽な娯楽作品なのでしょう。
ここからネタバレします。
これまたサイトよりの引用ですが、「『三人姉妹』のイリーナ、『桜の園』のラネーフスカヤから、『復活』のカチューシャ、『初恋』のジイーナ、『オネーギン』のタチアーナ、あるいはエカテリーナ2世、ピアニストのユージナ、宇宙飛行士のテレシコア、ジプシー女……(引用ここまで)」が登場します。「私が考えたロシア♪」っていう、完全にイメージの世界です(笑)。ストーリーはありません。私は『罪と罰』のラスコーリニコフが出てきたのが一番面白かったかな。
装置は四角い箱型の銀世界でした。舞台奥に雪の小山があって、階段で上り下りできるのですが、階段からステージの高さへと降りたら、ちょうど一歩目にあたるスペースには板ではなく空気が入った長細いバルーンが埋め込まれており、歩くとボヨンとへこみます。それで雪が深く積もっていることを表現していたのはとっても面白かったです。
※かもねぎショットの松本朋子さんと森本里美さんはそれぞれ体調不良・入院のため降板。
出演=多田慶子/小山萌子/吉村恵美子/笠久美/林知恵子/杉山明子/栗栖千尋/池田素子/公門美佳/高見亮子/中川安奈
作・演出=高見亮子 美術=加藤ちか 照明=中川隆一 音響=藤田赤目 衣裳=高橋佳 舞台監督=北村雅則 票件管理=高橋衿子 チラシの絵=永山裕子 宣伝美術=西山昭彦 制作=かもねぎショット制作部 主催=かもねぎショット
全席指定/前売¥3,500 当日¥3,800 シードチケット(学生)/ 前売・当日共¥2,500
かもねぎショット:http://www.jah.ne.jp/~kamonegi/index.html
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
●○●人気blogランキングに参加中!ポチっとクリックしていただけると嬉しいです。●○●
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
★メルマガを発行しております。過去ログはこちら。
毎月1日にお薦めお芝居10本をご紹介し、面白い作品に出会った時には号外も発行いたします。
ぜひご登録ください♪
『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』(ID:0000134861)
↓↓↓メールアドレスを入力してボタンを押すと登録・解除できます。

『まぐまぐ!』から発行しています。
2005年08月07日
伊トウ本式'05サマーツイスタ『編集王』08/04-07劇場MOMO
伊トウ本式は早稲田大学演劇倶楽部出身の劇団です。残念ながら私はそれ以上の情報を知りません。今回は土田世紀さんの漫画『編集王』を初の舞台化。単行本で16巻まである長編漫画でドラマ化もされていたようですね。BSマンガ夜話でも放送されています。→ 『編集王』(1998年11月11日放送)掲示板
私は漫画好きなので、漫画のイラストを大胆に使ったチラシを見ただけで伺いました(笑)。
週刊の漫画雑誌の編集者たちと漫画家たちのお話。業界ものですね。約2時間30分の上演時間は長いなぁと思いながらも最後まで楽しく拝見しました。原作のストーリーが面白いからでしょう。
演劇作品としては学生劇団っぽいノリで演技も演出もまだまだ手探りで荒さがあり、名作漫画を舞台化したがゆえに、力不足な面が余計に目に付いてしまったのも否めないと思います。
しかしながら、「『編集王』の魅力はここだ!」「『編集王』はこんなに面白いんだ!」という自分の解釈および思い入れを、力いっぱい伝えようとする演出にはとても好感が持てました。バイトの編集者が大御所漫画家が入っているトイレに無理やり入りこんで、自分が先に用を足してしまうシーンは、きっと大きな顔のアップのコマを表現しようとしたんじゃないかな・・・などと微笑ましく眺めていました。
一人の登場人物の若い頃と年取った頃を別の役者さんが演じられていたのはとてもよかったですね。特に漫画家のマンボ好塚役は、若いころを井俣太良さん(少年社中)が演じ、年取って大御所になってからを名執健太郎さんが演じており、井俣さんが徐々に名執さんのようになっていくのがとてもスムーズに受け入れられました。
役者さんでは好塚のマネージャー仙台を演じられたアントニオ本多さんが良かったです。落ち着いていてコミカルな演技も確実でした。
私にはチラシと公式サイトの情報しか手に入らなかったのですが、もっと漫画や出版社などと連携した公演であることのアピールがあればなぁと思いました。もったいないですね。
出演=アントニオ本多/名執健太郎/瀬戸口竜ノ介/木下珠紀/白神ミオ/水谷栄介/小黒奈央/西尾友樹/板本真澄/高橋洋平/松本慎平/井俣太良(少年社中) /白坂英晃(はらぺこペンギン) /実川義朗(バングラッシー) /山岸拓生(拙者ムニエル)
脚本・演出=伊藤鉄線 原作=土田世紀(小学館ビックコミックス) 美術=西廣奏 照明=シバタユキエ(白黒団) 音響=佐藤春平(SoundCube) 小道具=大橋路代(パワープラトン) 衣装=太田知美、山下絵美、早乙女麻里 舞台監督=スズキサオリ(白黒団) 宣伝イラスト=土田世紀/小学館 宣伝写真=馬場ヒロミ 宣伝美術=冨田中理(Selfimage Produkts) 演出助手=名執健太郎 音響協力=和田匡史 制作助手=安田裕美、吉永紘朗、小倉千明 制作=山田恵理子 製作=YeP 協力=小学館・月刊IKKI
日時指定・整理番号付 前売り 2000円 当日 2300円
編集王:http://honshiki.blog13.fc2.com/blog-category-1.html
伊トウ本式:http://honshiki.com
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
●○●人気blogランキングに参加中!ポチっとクリックしていただけると嬉しいです。●○●
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
★メルマガを発行しております。過去ログはこちら。
毎月1日にお薦めお芝居10本をご紹介し、面白い作品に出会った時には号外も発行いたします。
ぜひご登録ください♪
『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』(ID:0000134861)
↓↓↓メールアドレスを入力してボタンを押すと登録・解除できます。

『まぐまぐ!』から発行しています。
2005年08月05日
44Produce Unit『フツーの生活3』08/05-09紀伊國屋ホール
44Produce Unit(よし・プロデュースユニット)は44北川(よし・きたがわ)さんが主宰する演劇ユニットです。とにかく驚異的な人だという噂だけを聞いており、やっと初見。
44北川さんが劇団道学先生の中島淳彦さん に脚本を依頼して実現した、戦中戦後三部作の第三弾、長崎編です。
≪あらすじ≫
1945年8月1日。長崎のまちなかの病院。盲腸で入院している造船所の職員、爆撃を受けて右半身が不自由になっている若者、特攻隊を志願したが結核のために断念せざるを得なかった元兵士、完治しているが軍隊に戻りたくないので重病であると偽っている男、看病熱心な兄・姉、明るく優しい看護婦、肝っ玉のすわった医者。そこにはフツーの生活があった。
≪ここまで≫
私も戦争を知らない世代ですし、私の親もそうです。私の祖父母は戦争について多くを語らない(語らなかった)人たちで、唯一語ってくれた祖母は数年前に他界しました。だから戦争を体験している身近な親類が今はいなくなってしまい、私はなるべく演劇からも知識を得ようとしています(本も新聞もテレビも映画もいろいろあるけど、私が演劇好きなので)。
44北川さんがご自身のブログにも書かれています。※下記は公演企画より抜粋&引用。
「戦争によって受けた影響は計り知れないものがあったと思います。
私たちがその全てを理解できるとは思いません。
知ろうと思うこと自体、おこがましいことなのかもしれません。
でも、戦争を知らない世代の私たちが少なくとも勉強して、想像して、自分たちの国で起こった事実を、歴史を、次世代にどんな形ででも伝えていく。
そんな義務があるような気がして仕方がないのです。」
その心が伝わってくるお芝居でした。若い俳優が60年前の長崎の人を演じていましたが、私は全く無理を感じませんでした。もちろん私自身が60年前の長崎を知りませんので、本当のところどうなのかはわかりません。でも舞台上の俳優さんは、長崎という美しい町で暮している人々に見えました。紀伊國屋ホール常連のベテラン劇団の作品に見劣りしなかったです。
お稽古の一環で出演者全員で長崎合宿に行かれたそうで、その成果が出ているのかもしれませんね。
・44's Happy Life(プロデューサー・出演者の44北川さんのブログ)
キャスト全員での長崎旅行のことも書かれています。ぜひ。
ここからネタバレします。
そして8月9日がやってきます。原子爆弾の投下により、病院にいた人は皆、一瞬で、亡くなりました。病院から逃げ出した結核患者の若者だけが生き残り、彼が観客に向かって語りかけます。
「一瞬にして大勢の方々が亡くなりました。その時、どういう気持ちだったのでしょうか。」「(亡くなった方々に語りかかけるように)今の世界はどうでしょう。私達を見てくださってますか?」(言葉は全然正確じゃないです。ごめんなさい。)
、私はこのセリフを聞いた時、原爆で亡くなった長崎の方々のことを心に思い浮かべました。そして、このセリフと一緒に話しかけました。
この芝居を企画して披露してくださった、このカンパニーの方々に感謝します。
さて、ここからはお芝居の細かい部分について感じたことを書きたいと思います。
1945年の8月に入って敗戦の色が濃くなってきていることを、フツーの人たちが直に感じており、日常的に戦争に対しての不満や疑問、憤りなどを口にするようになっているのには、少し疑問を感じました。病院の中とはいえ、果たしてそんなに簡単に話せたのでしょうか。しかも結核患者以外の全員が戦争反対の気持ちを持った人々だったというのは、人数的にも多すぎるのではないかと思います。
あと、同じセリフ(やりとり)の繰り返しが多くて、くどいと感じることが少しありました。「こんなに青い空を見ていると、戦争だってことを忘れます(大意)」というセリフも何度も出てきてちょっと気になりました。「俺は運がいいんだ」も多かったですね。うーん言い方の問題なのかしら。
色んな人が何度も「いい天気ですねー」と空を見上げて言うのですが、8月の長崎って「いい天気」というよりは「暑い」んじゃないのかな。細かいんですが、何度も出てくるとどうしても、ね。
中島淳彦・戦中戦後三部作・第三弾 長崎編
出演=44北川/かなやす慶行/大場達也/賀屋直子/竹村絵美/富岡奈央子/南口奈々絵(劇団ショーマ)/塚原大助(劇団初舞台)/佐藤正和(ブラボーカンパニー)/小山剛志/福島まり子/仲野元子/山野海(ふくふくや)/原金太郎/保村大和
作=中島淳彦 演出=さわまさし 舞台監督=高橋大輔+至福団 現場監督=谷澤拓巳 音響=田上篤志(atSound) 照明=柿嵜清和 照明オペ=高円敦美 舞台美術= 田中敏恵 大道具制作=(有)イトウ舞台工房 小道具=高津映画装飾 ヘアメイク=坂口乃絵/大野雅士 衣装=石川俊一 方言指導=中村良平 演出助手=村山たか緒 宣伝美術=サワダミユキ 印刷=(株)TRENO 制作=一瀬江身 製作=44 Creative Company
[全席指定] 前売4,000円 当日4,400円
44Produce:http://www.44good.com/
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
●○●人気blogランキングに参加中!ポチっとクリックしていただけると嬉しいです。●○●
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
★メルマガを発行しております。過去ログはこちら。
毎月1日にお薦めお芝居10本をご紹介し、面白い作品に出会った時には号外も発行いたします。
ぜひご登録ください♪
『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』(ID:0000134861)
↓↓↓メールアドレスを入力してボタンを押すと登録・解除できます。

『まぐまぐ!』から発行しています。
8月6日(土)夜にFM西東京「たけがき2」に出演します。
FM西東京の演劇情報番組「たけがき2」に出演いたします。毎月第一土曜日に出演の予定です。
今回は前半に『イブラヒムおじさんとコーランの花たち』の感想をお話し、後半は8月に観られるお薦めお芝居を3本ご紹介します。今月は夏休みってことで若手の小劇場作品を選びました。
西東京市およびその周辺地域でお聴き頂けます。
8月6日(土)21:30~22:00(の内の約10分間)
FM 84.2MHz
たけがき2(ツー):http://takegaki.k-free.net/
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
●○●人気blogランキングに参加中!ポチっとクリックしていただけると嬉しいです。●○●
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
★メルマガを発行しております。過去ログはこちら。
毎月1日にお薦めお芝居10本をご紹介し、面白い作品に出会った時には号外も発行いたします。
ぜひご登録ください♪
『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』(ID:0000134861)
↓↓↓メールアドレスを入力してボタンを押すと登録・解除できます。

『まぐまぐ!』から発行しています。
2005年08月04日
トム・プロジェクト『ダモイ~収容所(ラーゲリ)から来た遺書~』08/04-05四谷区民ホール
トム・プロジェクトがプロデュースする戦後60周年記念作品です。平田満さん、阿南健治さん、新納敏正さんの3人芝居と言うだけでも期待が高まります。
原作は「収容所(ラーゲリ)から来た遺書」(辺見じゅん著)。第21回大宅壮一ノンフィクション賞・第11回講談社ノンフィクション賞を受賞しています。
美しい日本語のひとつひとつに気を引き締め、涙しながらの観劇でした。すっごくお薦めです。
≪あらすじ≫
舞台はロシアの捕虜収容所(ラーゲリ)。いくつかのラーゲリを転々としてきた野上(新納敏正)は、ハバロフスク第21分所で明るく気さくな山本(平田満)と出会う。労働に疲れ、仲間に裏切られて堅く心を閉ざしていた野上だったが、昔居たラーゲリで一緒だった新野(阿南健治)との再会や、山本の書く俳句を味わったり、自らも文章を書くことで、少しずつ生きていくための希望を持ち始めた。いつ訪れるやもしれぬ、そして永遠に訪れないかもしれない、“ダモイ(収容所から日本への送還)”を夢見て・・・。
≪ここまで≫
ノンフィクションですから事実を元に作られたお芝居です。過酷な収容所の生活を詳しく描くことはなく、あくまでもその地獄でいかにして男達が生き抜いたかを描いていました。戦争もののお芝居といえど悲惨さとか残酷さが前面に出てはおらず、人間の心に焦点を当てている脚本にとても感動しました。
また、『父と暮せば』でも私が強く感じたように、私たちは戦争で亡くなった方々に生かされているということを再び強く確かめました。
終演後のロビーで、原作本(詳細は↓)と戯曲が掲載されたテアトロ2005年7月号を買いました。
文芸春秋 (1992.6)
通常2~3日以内に発送します。
ここからネタバレします。
山本さんは病に倒れ、ダモイを迎えることなく収容所の病院で息を引き取ります。死を目の前にした山本さんが体の激痛に耐えながら書いた遺書は、新野さんと野上さんを含む12人の仲間達がすべて暗記して日本へと持ち帰ります(収容所では私物を所有することが禁じられていたため)。
収容所の仲間達へ、母へ、妻へ、そして子供達へと宛てられた四通の遺書には、それぞれに山本さんの人徳がよく表れていて、なんと立派な方なんだろうと感激しつつ、自分の不甲斐なさを情けなく思いました。人間が生きるということについて、ゼロから、謙虚に向かえるような気がします。
子供達への遺言の一部をご紹介します。※テアトロ2005年7月号154~155ページより
「どこまでも真面目な、人道に基づく自由、博愛、正義の道を進んで呉れ。」
「最後に勝つものは道義であり、誠であり、まごころである。」
「人間は結局自分一人のほかに頼るべき物がない-といふ覚悟で、強い能力のある人間になれ。自分を鍛へて行け!精神も肉体も鍛へて、健康にすることだ。強くなれ。自覚ある立派な人間になれ。」
「自分の才能に自惚れてはいけない。学と心理の道においては、徹頭徹尾敬虔でなくてはならぬ。立身出世など、どうでもいい。自分で自分を偉くすれば、君らが博士や大臣を求めなくても、博士や大臣の方が君らの方へやってくることは必定だ。要は自己完成!しかし浮世の生活のためには、致し方なしで或る程度の打算や功利もやむを得ない。度を越してはいかぬぞ。最後に勝つものは道義だぞ。」
原作者の辺見じゅんさんとと、山本旗男さん(平田満さんが演じた役)の長男の顕一さんが客席にいらっしゃいました。カーテンコールの時に平田さんがご紹介くださったのですが、顕一さんのお姿を見て涙がまた溢れました。今、私が観たお芝居が真実に基づいたことであり、山本さんの遺書も本物だったということが改めて実感できたからです。顕一さんは白髪交じりの短髪の恰幅の良い紳士で、観客の拍手に涙ぐんでいらっしゃいました。
≪亀戸、四谷、藤沢、千葉、所沢、吉祥寺、栃木≫
【ふたくちつよし 劇団を超えた連続上演】
出演=平田満/阿南健治/新納敏正
原作=辺見じゅん 作・演出=ふたくちつよし 美術=川口夏江 照明=相良浩司 音楽=小川和隆 音響=大野正美 衣装=東宝コスチューム 演出助手=人見梨紗 舞台監督=土居三郎 宣伝美術=立川明 宣伝写真=塩谷安弘 プロデューサー=岡田潔 企画制作=トム・プロジェクト
全席指定 前売¥3,800 当日¥4,000(全公演共通)
ダモイ:http://www.tomproject.com/peformance/raageri.html
トム・プロジェクト:http://www.tomproject.com/
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
●○●人気blogランキングに参加中!ポチっとクリックしていただけると嬉しいです。●○●
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
★メルマガを発行しております。過去ログはこちら。
毎月1日にお薦めお芝居10本をご紹介し、面白い作品に出会った時には号外も発行いたします。
ぜひご登録ください♪
『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』(ID:0000134861)
↓↓↓メールアドレスを入力してボタンを押すと登録・解除できます。

『まぐまぐ!』から発行しています。
2005年08月03日
音楽座ミュージカル『21C:マドモアゼル・モーツァルト』07/29-08/07パルコ劇場
『アイ・ラブ・坊ちゃん2000』でフォーリン・ラブして、すぐに『メトロに乗って』に吸い込まれ、その後ごぶさただった音楽座。Rカンパニーとして再始動し、名作と名高い『マドモアゼル・モーツァルト』を観られて嬉しい!やっぱり涙ボロボロ流しての観劇になりました。
パルコ劇場公演は前売り完売で、当日券が開演の1時間前よりパルコ劇場受付カウンターにて販売されています。上演時間は休憩を挟んで3時間と思っていれば大丈夫です。
パルコ劇場で観られるミュージカルって贅沢ですよね~。帝国劇場とか日生劇場だとよっぽど良い席でない限り舞台が遠いですから。
★イープラスでグリーンホール相模大野 大ホール公演の追加販売が8/5より開始!
音楽座ミュージカルって、なんでこんなに感動するんだろう・・・。やはり脚本が日本語でオリジナルであることが一番の魅力でしょうね。海外作品を翻訳するとどうしても歌詞と音楽とのギャップが生まれますから(←私はこれが気になるタイプなので)。そして作品の核の部分である音楽座の考え方(『メトロに乗って』のレビューに書いています)に、私が凄く共感するからだと思います。
演出が良い!歌が上手い人が多い!そして決定的なのは、愛、かな・・・書いてて照れますが(笑)。※歌唱力については上を言えばきりがないので、私が観たことがあるのミュージカル(歌詞が日本語のもの)を基準にしています。
あとは細かいことですが、歌の直後の拍手タイムが設けられていない(観客が自主的に拍手をするのはアリ)のが私にとっては本当に嬉しいです。
こう・・・歌っている時の感情表現がすっごく豊かなんですよね。歌を歌うだけじゃなくて、その人物の心を持って演技もしています。再演が繰り返されている大規模ミュージカルで私がよく感じることなんですが、役者さんが歌に感情移入をして、役を忘れていることがあるんです。でも音楽座の出演者は気持ちが外側に向いていて、観客の方にというよりは、世界に向かって愛を発しているように見えます。音楽と歌を愛し、そして世界を愛しているのが舞台から伝わってくるから、私は感動するんじゃないかな。
主役の新妻聖子さん。初めて拝見しました。歌、とってもお上手ですね。タイトル・ロールのモーツァルト役として何も文句ありませんでした。
サリエリ役の広田勇二さん。かっこよかったです。なんかちょっとコミカルな感じもあって(コミカルなシーンはほぼゼロなんですが)。そっか、『Into The Woods』の王子役でお見かけしてるんですね。『太平洋序曲』もフル参加されている方でした。
ここからネタバレします。
「モーツァルトが実は女だったら?」という設定から生まれたストーリーです。父親が娘の天賦の音楽的才能に気づき、女だということを隠して作曲家デビューしてしまうモーツァルト。宿屋の娘コンスタンツェとやはり結婚してしまったり、宮廷音楽家サリエリがモーツァルトに一目ぼれしちゃったり、恋のときめきがいっぱい♪
そして、モーツァルト作曲のオペラと劇の物語の進行とを重ね合わせる演出が素晴らしいです。オペラ『後宮からの逃走』に組み合わされた「結婚狂想曲~愛しのコンスタンツェ~」は3つ以上のエピソードを1曲におさめたダイナミックなものでした。
不倫の恋に落ちてしまったコンスタンツェ(モーツァルトの妻)とフランツ(モーツァルトの弟子)、そしてモーツァルトを愛してしまったサリエリの3人が歌う「揺れる心」のハーモニーは聴きごたえがあります。
モーツァルトの奔放な作品から貴族の心が離れ、彼の名声が落ちていくのを、春から夏へ、夏から秋、そして厳しい冬と移り変わる季節とかけて表現しているのも品があります。
こちらに過去4回の公演について詳しいレポートがあります。なるほど、どうやら今回の再演でも脚本・演出ともにかなり変わっているようです。
激しい戦場である少女が爆撃を受けて死ぬシーンが挿入されます。これが今回の新演出の核心で、いわゆる反戦の主張ですね。18世紀のウィーンから爆撃音や戦闘機のエンジン音が行きかう21世紀のどこかに変わるのが恐ろしかったです。これはちょっと露骨すぎるかなぁと思いました。
そして地球に住む私たち人間の、過去、現在、未来へと続いていく音楽という愛のメッセージ。オペラ『魔笛』のパパゲーノとパパゲーナの妖精カップルとその家族と重ねているのが微笑ましいです。モーツァルトが死んだ後の最後の群舞と合唱のシーンで、そのメッセージを歌い挙げていました。
輝きがあふれてる よろこびがあふれてる
大切な人がいる 素晴らしいこの世界
生命が触れ合い 音楽が生まれ
子供たちが生まれる・・・
原作漫画のスペシャルな復刻版(1冊完結)が物販で売られていたのですが、3000円弱もしたので断念(涙)。単行本3冊で完結するボリュームだそうです。
河出書房新社 (2002.5)
通常2,3日以内に発送します。
★出演者の沓沢修一郎さんのブログがありました。チケット頼めるみたいですよ(笑)。
くっつーの徒然草、かしこ。
≪横浜、東京、相模大野、愛知、石川、岩手、北海道、茨城、栃木、岐阜、大阪、静岡、長野≫
※プレビュー公演3回@横浜
出演=モーツァルト・エリーザ:新妻聖子/サリエリ:広田勇二/コンスタンツェ:中村桃花/カテリーナ:浜崎真美/レオポルト 他:園岡新太郎/シカネーダー 他:藤田将範/フランツ 他:丹宗立峰/ウェーバー(コンスタンツェの母) 他:新木りえ/ナンネル 他:清田和美/アンナ・パパゲーナ 他:藤咲みどり/少女・エリーザ・パミーナ 他:高塚恵理子/タミーノ 他:饗庭大輔/下宿屋の住人 他:沓沢修一郎/パパゲーノ 他:上原基史/スヴィーテン男爵 他:佐藤伸行/ブレツナー 他:渡辺修也/下宿屋の住人 他:西岡由布子・久積絵夢 /天使 他:中野祥子/貴婦人 他:荒川ゆかり・間地まどか/貴族 他:楢原潤也・萩原弘雄・山合大輔
作=福山庸治 脚本・演出=ワームホールプロジェクト 音楽・音楽監督=高田浩 音楽=八幡茂・井上ヨシマサ 振付監修=MASAZUMI CHAYA 振付=瀬河寛司 美術=朝倉摂 衣裳=原まさみ 歌唱指導=桑原英明 照明=笠原俊幸 音響=実吉英一 舞台監督=北條孝 エグゼクティブ&クリエイティブ ・プロデューサー=相川レイ子 衣裳協力=チャコット株式会社 宣伝美術=Enlightenment/朝日広告社 製作著作=ヒューマンデザイン 主催=ヒューマンデザイン・パルコ劇場
全席指定:S席9,870円(Web予約料金 9,450円)B席6,720円(Web予約料金 6,300円)他各種割引あり
音楽座ミュージカル:http://www.ongakuza-musical.com/
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
●○●人気blogランキングに参加中!ポチっとクリックしていただけると嬉しいです。●○●
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
★メルマガを発行しております。過去ログはこちら。
毎月1日にお薦めお芝居10本をご紹介し、面白い作品に出会った時には号外も発行いたします。
ぜひご登録ください♪
『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』(ID:0000134861)
↓↓↓メールアドレスを入力してボタンを押すと登録・解除できます。

『まぐまぐ!』から発行しています。
2005年08月02日
FICTION『ヌードゥルス』07/26-31THEATER/TOPS
Oi-SCALE公演で多田明弘さん(FICTION)を拝見して名前だけは知っていたFICTION(フィクション)。やっと観に行けました。
“デジログからあなろぐ”で太鼓判だったので期待して伺ったのですが、私も大変面白く拝見いたしました。テーマは壮大なのに全く力まずむしろ脱力しており、あえてダサく汚く見せているのが大人でイカしてます。
終演しておりますのでネタバレします。
開場時間そして開演の瞬間から心をわしづかみにされました。
劇場に入ると、舞台全面を覆う大スクリーンに楽屋の様子が無音で生中継されていました。役者さんがメイクしたりペットボトルの飲み物を飲んだり。まったりとした時間が流れているように見えます。
開演時間になると楽屋の音も伝わるようになり、ダンボール紙を持った人がカメラの至近距離の位置に立ちました。そしてダンボールが画面の中央に来るのですが、タイトルや出演者名(クレジット)がマジック・ペンでかなり適当に手書きで書かれています。いきなり始まる大合唱の中、クレジットが紙芝居のように繰り出されていきます。
その合唱(歌のみのBGM)が映画「2001年宇宙の旅」のメインテーマ(ちゃーんちゃーんちゃーーーん、ちゃちゃーっ!ドンドンドンドンドンドン・・・てやつ。交響詩“ツァラトゥストラはかく語りき” by R. シュトラウス)なんです。役者がカメラの歌で声を張り上げて歌っているだけで音楽は鳴っていません。荘厳な曲なはずなのにただの叫び声みたいになってる歌をバックに、へなちょこのダンボール紙芝居で見せるニセ「2001年」のオープニングには吹き出しました(笑)。
主要登場人物は、同じ日に刑務所を出所した3人の同姓同名の男たち(名字はタナカ)と、刑務所前に住む浮浪者の女(三日月)。シャバの冷たい風に耐え切れなくなって、4人は一緒に山に登って共同生活を始めます。山では小麦を植えてソバを作って生計を立てていくのですが、でも、足踏みが揃っていたのもつかの間、一人のタナカは労働の日々が肌に合わず山を降りていきます。そして数十年の月日が経ち・・・。
息のあったボケとつっこみ、狙いが定まったキャラクター設定など、こなれた技術で笑いがいっぱい起こっていました。ひっきりなしと言っていいほど。私は笑うというよりは吹き出すって感じでしたね。
最後まで観て映画「2001年・・・」とのつながりが少しわかったような気がしました。ペットショップの若者がとある山に白い子猿を捨てるシーンから始まるのですが(そのサルが成長して怪力になり、タナカ達の助っ人になります)、その時、舞台上で森に生えている小さな木を人が演じていました。
エンディングでは登場人物はみな年を取って白髪の老人・老婆になっており、木は大木に成長していました。床に膝を立てて小さな木を演じていたのが、何かの台の上に立って天井にかなり近いところまでそびえる木に変化しています。
容赦なく過ぎ去っていく時間の中での命の誕生と消滅、そして終わることのないその連続・繰り返し。一瞬間とも言える人間一人の命の中のささやかな喜び。人間なんてこんなもんだよっ、と言いながらそれをめちゃくちゃ愛している視線を感じました。
役者さんは皆さんキャラクター作りを徹底されていて、そしてとても味がありました。でもガチガチにはならずに観客とコミュニケーションする余裕を必ず持ち合わせています。
白い顔のタナカを演じられた方の関西弁がものすごく流暢で、どなっても無理やりな感じがなく、常に心地よく響くものでした。
紅一点の三日月役の福島恵さんがものすごい迫力でした。最後に幽霊になって歌うシーンでは、後ろにある大木と一緒に命の賛歌を歌っているように見えて、私は涙ぐみました。
8月末に富良野公演があるそうです。
出演=山下澄人/山田一雄/矢田政伸/井上唯我/荻田忠利/多田明弘/大山健/福島恵/大西康雄
作・演出=山下澄人 照明=高橋秀彰 音響=別所ちふゆ 舞台監督=バタヤン イラスト及び題字=山下澄人 デザイン=西山昭彦 モデル=大谷アミーゴ光弘 その他全部=FICTION 企画・制作=OFFICE FICTION プロデューサー=白迫久美子 製作=原田裕・井上淳司
前売開始=6月12日(日) 前売:指定席3,000円/自由席2,800円 当日:指定席・自由席共3,200円 学割:前売・当日共2,300円(OFFICE FICTION扱いのみ)
FICTION=http://www.fiction.gr.jp/
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
●○●人気blogランキングに参加中!ポチっとクリックしていただけると嬉しいです。●○●
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
★メルマガを発行しております。過去ログはこちら。
毎月1日にお薦めお芝居10本をご紹介し、面白い作品に出会った時には号外も発行いたします。
ぜひご登録ください♪
『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』(ID:0000134861)
↓↓↓メールアドレスを入力してボタンを押すと登録・解除できます。

『まぐまぐ!』から発行しています。
2005年08月01日
メルマガ 2005年08月のお薦め舞台
2005年8月のお薦め舞台10本+αをご紹介します。
★メルマガへのご登録はこちらへ!
★バックナンバーはこちらです。
┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏
“しのぶの演劇レビュー” Vol. 14 2005.8.1 626部 発行
┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏ http://www.shinobu-review.jp/
今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
◎とうとう8月、真夏でございます。暑い日は劇場で涼みましょっ!
舞台には、あなたの心を揺さぶり、
人生の輝きを増してくれる奇跡があります。
“今から観られる面白い演劇”をどんどんご紹介していきます。
お友達、ご家族、恋人と一緒に、どうぞ劇場を訪れてください♪
◎このメルマガのプロフィールはこちら↓
http://www.shinobu-review.jp/melmaga.html
バックナンバーは全て公開しています。
http://blog.mag2.com/m/log/0000134861
○
○○ 今回のもくじ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
◆1【今月のお薦め10本+α】
◎No.1→ヨーロッパ企画 夏の陣
『サマータイムマシン・ブルース2005』
08/17-23駅前劇場
≪京都、東京、大阪、札幌、福岡≫
http://www.europe-kikaku.com/
◆2【先月のベスト3】
◎No.1→パルコ・プロデュース『ラストショウ』
07/01-24パルコ劇場
≪東京、大阪≫
http://www.parco-play.com/web/play/lastshow/
◆3【お薦め芝居の前売情報 ニ兎社『歌わせたい男たち』】
◎永井愛さんの新作に戸田恵子さんが出演!
http://www.nitosha.net/stage/
◆4【ゲキ☆シネ第3段 ミュージカル『SHIROH』】
◎中川晃教さんの歌声を大画面で満喫♪ 前売り2,000円!
http://www.shiroh.jp
◆5【映画・テレビ・書籍と演劇との連鎖企画】
◎『電車男』、『世界の中心で、愛をさけぶ』が舞台化
◆6【編集後記】
◎お盆休みには名古屋へ!『百人芝居◎真夜中の弥次さん喜多さん』
http://www.officek.jp/kudan/hyakunin.shtml
◆7【このメルマガについての注意事項】
◎はじめての方はどうぞお読みくださいね♪
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆1 【今月のお薦め10本+α】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
※★印がいちおし公演です(3本)。
※初日の早い順に並べています。
※掲載内容:主催・『題名』・日程・会場・コメント・価格・URL
★1.音楽座ミュージカル『21C:マドモアゼル・モーツァルト』
07/29-08/7パルコ劇場
≪横浜、東京、相模大野、愛知、石川、岩手、北海道
茨城、栃木、岐阜、大阪、静岡、長野≫
☆読売演劇大賞など多数受賞している音楽座ミュージカルの再演。
S席9,870円 A席7,770円 B席6,720円 WEB割引などあり
http://www.ongakuza-musical.com/
2.松竹『もとの黙阿弥~浅草七軒町界隈』08/04-30新橋演舞場
≪東京、京都≫
☆1983年に井上ひさしさんが新橋演舞場のために書き下ろした作品が
22年ぶりに復活。
作=井上ひさし 演出=木村光一
出演=筒井道隆/田畑智子/柳家花緑/横山めぐみ/
池畑慎之介/辻萬長/村田雄浩/高畑淳子
桟敷席 12,000円 一等席 11,000円 二等席 7,000円
三階席A 3,500円 三階席B 2,500円
http://www.shochiku.co.jp/play/enbujyo/0508/index.html
3.シアターX・東京ドイツ文化センター
『四谷怪談』08/05-14シアターX
☆ドイツの演出家、美術家らとの共同制作。
蓋を開けてみなければわからないびっくり箱ですが、キャストが豪華。
出演=ヨシ笈田(仏)/吉行和子/新井純/久保酎吉 ほか
前売・当日:5,000円(全席指定)
http://www.theaterx.jp/05/050805.html
4.劇団健康『トーキョーあたり』
08/07-28本多劇場(8/5:プレビュー公演)
☆ナイロン100℃の前身劇団の第15回公演。
劇団健康時代の出演者が再集結して、大笑いさせてくれるはず。
作・演出・音楽=ケラリーノ・サンドロヴィッチ
前売¥5,800 当日¥6,300(全席指定)
プレビュー(前売¥4,800 当日¥5,300)
http://www.sillywalk.com/nylon/part-time/0505_8.html#kenko
5.クロムモリブデン『ボーグを脱げ!』
08/10-14劇場MOMO
≪東京、大阪≫
☆大阪の劇団ですが、東京にも劇団員がいるのが個性的。
ナンセンスで錯綜した世界に独特の空気感があります。
前売2700円 当日3000円(全席指定)・平日マチネ割引などあり
http://crome.jp/
6.Oi-SCALE/'05concept灰色2/3
『ミチガエレセカイ』
08/11-18THEATER/TOPS
☆作・演出の林灰二さんのブラック&ポエティックな世界が
新宿THEATER/TOPSに初進出。
前売3300円 当日3500円(全席指定)
http://www.oi-scale.com/oiweb/mitiseka/mitiseka_if.html
★7.ヨーロッパ企画 夏の陣
『サマータイムマシン・ブルース2005』
08/17-23駅前劇場
≪京都、東京、大阪、札幌、福岡≫
☆映画化された代表作の再演です。
映画は9/3(土)より公開決定! http://stmb.playxmovie.com/
京都、東京では『囲むフォーメーションZ』も連続上演(08/26-29)。
前売¥2,300 当日¥2,500 (全席指定)
http://www.europe-kikaku.com/
●お薦めポイント●
2作品連続上演、5箇所ツアー、そして映画化!と、話題沸騰。
小劇場公演ですからチケット代がめちゃくちゃ安いですし、
若者の夏休みのお楽しみではないかと思います。
映画も試写会を見た人の間では評判です。
8.シス・カンパニー『エドモンド』
08/19-09/13青山円形劇場
☆「ウィー・トーマス」「ピローマン」に続く長塚さんの海外戯曲演出。
作=デヴィット・マメット(David Mamet) 演出=長塚圭史
出演=八嶋智人/大森博史/酒井敏也/小松和重/中村まこと/
明星真由美/平岩紙/小泉今日子
前売・当日:¥6,500(全席指定)
http://www.siscompany.com/03produce/11edmond/
★9.tpt『道成寺-一幕』
08/20-09/4ベニサン・ピット
☆作=三島由紀夫 演出=トーマス・オリバー・ニーハウス
出演=中嶋朋子/塩野谷正幸/大浦みずき/千葉哲也/ほか
上質な演劇が約束されているtptは見逃せません。
前売・当日:6,300円(全席指定)
http://www.tpt.co.jp/
10.ベターポーヅプロデュース・ハンサムユニオン
『初々しくエロやかに』
08/24-29THEATER/TOPS
☆作・演出=西島明 振付=山田うん
いろんな劇団から個性豊かな俳優を集めたプロデュース公演。
出演=横塚進之介(サードステージ)/佐藤亮介(イデビアン・クルー)
森本訓央(エッヘ)/顔田顔彦(大人計画)/田辺茂範(ロリータ男爵)ほか
前売3,000円 当日3,300円(全席指定)
http://www.betapo.com/
+α その他(私の観劇予定にはないですが、お薦めの作品です)
・松竹『八月納涼歌舞伎』・夜の部『法界坊』
08/10-28歌舞伎座
☆演出=串田和美。平成中村座で上演された作品です。
出演=中村勘三郎/坂東三津五郎/中村福助/中村扇雀/中村橋之助ほか
1階桟敷席 12,600円 1等席 11,550円 2等席 8,400円
3階A席 3,150円 3階B席 1,680円
http://www.shochiku.co.jp/play/kabukiza/0508/index.html
・燐光群『だるまさんがころんだ』
08/14-31ザ・スズナリ
≪東京、神奈川、沖縄≫
☆作・演出=坂手洋二
昨年、読売演劇大賞、朝日舞台芸術賞など多数受賞した作品の再々演。
前売¥3,500 当日¥3,800(全席指定)ほか各種割引あり
http://www.alles.or.jp/~rinkogun/daruma3.html
初演のレビュー
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2004/0322234107.html
・オン・タイム
『イブラヒムおじさんとコーランの花たち』
08/29-31博品館劇場
☆オリジナル音楽の生演奏と朗読の暖かな世界。脚本が素晴らしい!
出演=麻美れい 演奏=稲森響・稲森渡(予定)
前売り・当日:6,300円(全席指定)
http://www.ontime.jp/
レビュー(三田和代さんの回・浦井健治さんの回)
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/0721234111.html
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/0725132549.html
◎しのぶの今月の全予定(24本+α)はscheduleに掲載しています。
キャスト・スタッフ情報あり!
http://www.shinobu-review.jp/schedule.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆2 【先月のベスト3】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1.パルコ・プロデュース『ラストショウ』
07/01-24パルコ劇場
≪東京、大阪≫
http://www.parco-play.com/web/page/information/lastshow/
☆長塚圭史さんの世界が達者な出演者陣とともに昇華。
*メルマガ号外はこちら↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/0702215323.html
2.子供のためのシェイクスピアカンパニー『尺には尺を』
07/13-19紀伊國屋サザンシアター
≪新潟、山形、東京、福岡、鳥取、愛知、山口、富山、三重、
長野、滋賀、大阪、京都、静岡、新潟≫
http://canonkikaku.com/ ☆いつも期待にこたえてくれるカンパニーの新作です。
こんなの観て育つ子供は幸せだよっっ!
*レビューはこちら↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/0717115416.html
★8/28深夜1時よりNHK BS2で『オセロー』が放送されるそうです。
(劇場ロビーに貼ってあったチラシの情報です)
1999年『オセロー』の舞台写真↓
http://homepage1.nifty.com/j-ishikawa/kodomo/sub22kodomo-othello.htm
3.オン・タイム『イブラヒムおじさんとコーランの花たち』
08/29-31博品館劇場
http://www.ontime.jp/
☆三田和代さんの情感豊かな朗読と稲村兄弟の生演奏は贅沢過ぎ!
モモ少年とイブラヒムおじさんの旅路を、私もともに生きました。
*レビューはこちら↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/0721234111.html
◎メルマガのバックナンバーはこちら↓で全て公開中!
http://blog.mag2.com/m/log/0000134861
7月のメルマガ号外は『ラストショウ』のみ発行いたしました。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆3 【お薦め芝居の前売情報 ニ兎社『歌わせたい男たち』】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
待ちに待った永井愛さんの新作です!
二兎社『歌わせたい男たち』
10/08-11/13ベニサン・ピット
二兎社内=http://www.nitosha.net/stage/
イープラス特集=http://eee.eplus.co.jp/s/nitosha/
≪東京、長野、滋賀、大阪、岐阜、茨城、神奈川(橋本)、
愛知、新潟、東京江東区、宮城、神奈川(湘南台)≫
永井愛さんは日本で指折りの脚本・演出家で、私は大ファン♪
笑って泣いて考えるお芝居を見せてくださいます。
『新・明暗』メルマガ号外
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2004/1023214549.html
『新・明暗』レビュー
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2004/1025015515.html
『こんにちは、母さん』再演のレビュー
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2004/0315215806.html
戸田恵子さんは三谷幸喜作品の常連で、テレビでもお馴染み。
演技も上手いし、歌って踊れるし、カッコいい上に面白い女優さんです。
『なにわバタフライ』レビュー
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/0108174840.html
【チケット】
前売り・当日ともに、一般:5000円 学生:3000円(全席指定)
※学生券は要学生証提示。取扱店は限られています。
東京公演は 9月3日(土) 10時より一般発売開始!
大阪・名古屋公演はただいま一般発売中で、残席あります!
★11月には青年座『パートタイマー・秋子』の再演もありますね♪
東京公演=11/15-20@本多劇場 ≪東京、大阪、神奈川予定≫
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆4 【ゲキ☆シネ第3段 ミュージカル『SHIROH』】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
昨年末に帝国劇場で上演されたミュージカル『SHIROH(シロー)』が
映画館で見られます♪ ゲキ☆シネ定着してきましたね~っ。
『SHIROH』メルマガ号外
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2004/1215111514.html
『SHIROH』レビュー
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2004/1220221309.html
中川晃教さんの歌声を大画面の迫力映像とともに堪能できて、
前売り2,000円というのはオトクです!
ゲキ×シネ第3弾『SHIROH(シロー)』
8/20-9/9シネクイト(渋谷)
公式サイト=http://www.shiroh.jp
劇場=http://www.cinequinto.com/
【チケット】
一般発売日=8月5日(金)10:00~
金額=前売:2,000円/当日:2,500円
【プレイガイド】
・電子チケットぴあ http://pia.jp/t
・イープラス http://eee.eplus.co.jp/shiroh/
※上映時間は休憩を挟んでかなり長いはず。ご注意ください。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆5 【映画・テレビ・書籍と演劇との連鎖企画】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
夏休みということもあってか、メジャーな企画が盛り沢山。
あらら、なんだか『電車男』VS『セカチュー』の図式が・・・(笑)。
『星の王子さま』はキャスト・スタッフを少し変えての再演です。
ホリプロ『電車男』
08/05-27パークタワーホール
≪東京・大阪・名古屋・仙台・長崎・北九州≫
原作=中野独人 脚本・演出=堤幸彦+大根仁+三浦有為子
出演=武田真治/鈴木一真/モロ師岡/佐伯新/河原雅彦/ほか
ヒロイン・エルメスの声の出演=優香
全席指定¥6,500
http://www.densha-otoko.jp/
TBS/ニッポン放送『世界の中心で、愛をさけぶ』
08/05-17世田谷パブリックシアター
≪東京・岡山・長野・大阪・愛媛・名古屋・高知・広島≫
原作=片山恭一 劇作・脚本=蓬莱竜太 演出=西川信廣
出演=田中幸太朗/佐藤めぐみ/とよた真帆/升毅/上條恒彦/ほか
S席¥6,800 A席¥5,500
http://www.ints.co.jp/sekai-ai/
TBS/キョードー東京/朝日新聞社『星の王子さま』
08/07-23新国立劇場 中劇場
原作=サン・テグジュペリ 脚本・作詞=能祖将夫 演出=白井晃
出演=宮崎あおい/岡田浩暉/ROLLY/ほか
S席¥8,000 A席¥6,500
http://hoshinooujisama.jp/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆6 【編集後記】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎7月から8月の1ヶ月間で、メルマガ登録者数が170増加して、
456名様から626名様になりました。ありがとうございます!
◎7月は地震が多かったですね。観劇中の地震はかなり怖かったです。
防災館に行って体感学習しようかな~と思ってます。マジで。
http://www.tfd.metro.tokyo.jp/ts/hj/honjo.htm
◎さてさて、日本演劇史に残るであろう作品が名古屋で上演されます。
お盆休みに愛知万博でも遊びがてら(笑)、ぜひ目撃しましょう!
KUDAN Projcet『百人芝居◎真夜中の弥次さん喜多さん』
08/10-13愛知県勤労会館(つるまいプラザ)
出演者=170名以上
原作=しりあがり寿 脚本・演出=天野天街
前売3,800円 当日4,300円 高校生以下3,000円(前売のみ)
http://www.officek.jp/kudan/hyakunin.shtml
◎パフォーミング・アーツ・マガジン[バッカス]02号
私が書いた劇評(Ort-d.d『四谷怪談』について)が掲載されています。
http://www.7andy.jp/books/detail?accd=31442121
◎「劇場に足を運ぶことが、日本人の習慣になって欲しい」
それが私の望みです。
これからもこつこつ、地道に進んで行きたいと思っております。
皆様、どうぞよろしくお願いいたします♪
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆7 【このメルマガについての注意事項(毎号同じ内容です)】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
このメルマガは、高野しのぶの演劇への情熱で書かれています。
沢山の人に演劇に触れてもらいたい! ので、クチコミ・転送 大歓迎です♪
☆ご友人、お知り合いにどうぞこのメルマガをご紹介ください!
(以下をそのまま転送してくださいね♪)
【面白い演劇を紹介してるメルマガはコレ!】
⇒ http://www.mag2.com/m/0000134861.htm
☆もしこのメルマガを観てお芝居に行かれたら、劇場でのアンケート用紙に
「高野しのぶのメルマガで知った」等、書いていただけると嬉しいです♪
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
◎東京および関東近郊の情報に限らせていただいております。
◎掲載内容には細心の注意を払っておりますが、
間違いがあることもあります。情報は主催者URLでご確認ください。
◎お薦めを観に行って面白くなかったら・・・ごめんなさいっ。
◎私の好みはこちらです。
→ http://www.shinobu-review.jp/favorite.html
簡単なプロフィールはこちらです。
→ http://www.shinobu-review.jp/intro.html
◎購読・解除はこちらから簡単にできます。
まぐまぐ → http://www.mag2.com/m/0000134861.htm
////////////////////////////////////////////////////////////////
メルマガ 『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』
発行人:高野しのぶ
メルマガ サイト:http://www.shinobu-review.jp/melmaga.html
Review サイト:http://www.shinobu-review.jp/
Eメール:shinobu@mtr-standard.co.jp
このメールマガジンは、まぐまぐから配信されています。
まぐまぐ:http://www.mag2.com/
Copyright(C)2004-2005 MTR standard corporation. All rights reserved.
許可無く転載することを禁じます。
////////////////////////////////////////////////////////////////
プリズム企画『prism hachi』07/29-31 bar&kitchen Kanna(カンナ)
山の手事情社の水寄真弓さんが主宰するプリズム企画のプリズムシリーズは、少数精鋭の役者さんが、小さな会場(BAR)で、観客をサービス満点に楽しませてくれる、お酒ありおしゃべりありの気軽な演劇イベントです。8回目なのでタイトルが“hachi(ハチ)”になっています。
今回から新しい会場でした。カンナはウエストエンドスタジオの近くの居酒屋なんですね。演劇関係のお客様も多いようです。こじんまりとしたアットホームで良い雰囲気のお店でした。
私がプリズムを拝見するのはこれで3回目ぐらいかしら。主宰の水寄さんと倉品淳子さんはおなじみですが、男性2人は初見でした。特に若手の廣瀬裕一郎さんは初々しいと言うよりは、世代が完全に違うんだなぁと微笑ましく(?)眺めておりました。廣瀬さんは仮面ライダーのオーディションを受けて7000人の中の6人に選ばれた経歴の持ち主でした。
今回とりあげられたのはイヨネスコの不条理劇『禿の女歌手』。それをプリズム流に崩して、お遊びも増量して、いつも通りの観客参加型になっていました。観客を楽しませるのが本当にお上手です。皆さん余裕ですね。
さて、お芝居の内容についてですが、『禿の女歌手』は不条理劇で私は未見でしたので、どこからどこまでが劇の世界なのか、即興(アドリブ)なのかがわかりづらかったのが残念。また、ネタというかお遊びが多い目だったのは私好みじゃなかったですね。前回の『サロメの印象』みたいにグワっと会場の空気が変わるような瞬間がもっと欲しかったです。あと下ネタが多かったのは・・・ちょっと困っちゃったな、至近距離だしさっ(笑)。エロスは好きですが下ネタは苦手なのです、私。
最後はお約束の「異性のぐっとくる仕草」シリーズ。「異性にこういうことをされると(こういう仕草を見せられると)、私はグっとくる」というシチュエーションを決めて、実際にそれを即興で見せてくれます。水寄さんお気に入りのコーナーだそうですが、私もコレが好きですね(笑)、役者さんが本気になる瞬間が必ずあるので。今回は皆さん照れたり少々困り気味でしたが、やるならもっと積極的にやって欲しいなと思いました。
もう一人の共演者の村上哲也さんは10月の『サーカス物語』@にしすがも創造舎に出演されるそうで、とても楽しみです。
出演=倉品淳子(山の手事情社)/村上哲也/廣瀬裕一郎(劇団初舞台)/水寄真弓(山の手事情社)
企画・構成=水寄真弓
前売り開始:不明 料金…2500円1ドリンク付き。全5ステージ(各回30名限定)
会場:http://www.kan-na.com
まゆたんPRISM日記 :http://www.geocities.jp/mayutanngm/index.html
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
●○●人気blogランキングに参加中!ポチっとクリックしていただけると嬉しいです。●○●
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
★メルマガを発行しております。過去ログはこちら。
毎月1日にお薦めお芝居10本をご紹介し、面白い作品に出会った時には号外も発行いたします。
ぜひご登録ください♪
『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』(ID:0000134861)
↓↓↓メールアドレスを入力してボタンを押すと登録・解除できます。

『まぐまぐ!』から発行しています。