伊トウ本式は早稲田大学演劇倶楽部出身の劇団です。残念ながら私はそれ以上の情報を知りません。今回は土田世紀さんの漫画『編集王』を初の舞台化。単行本で16巻まである長編漫画でドラマ化もされていたようですね。BSマンガ夜話でも放送されています。→ 『編集王』(1998年11月11日放送)掲示板
私は漫画好きなので、漫画のイラストを大胆に使ったチラシを見ただけで伺いました(笑)。
週刊の漫画雑誌の編集者たちと漫画家たちのお話。業界ものですね。約2時間30分の上演時間は長いなぁと思いながらも最後まで楽しく拝見しました。原作のストーリーが面白いからでしょう。
演劇作品としては学生劇団っぽいノリで演技も演出もまだまだ手探りで荒さがあり、名作漫画を舞台化したがゆえに、力不足な面が余計に目に付いてしまったのも否めないと思います。
しかしながら、「『編集王』の魅力はここだ!」「『編集王』はこんなに面白いんだ!」という自分の解釈および思い入れを、力いっぱい伝えようとする演出にはとても好感が持てました。バイトの編集者が大御所漫画家が入っているトイレに無理やり入りこんで、自分が先に用を足してしまうシーンは、きっと大きな顔のアップのコマを表現しようとしたんじゃないかな・・・などと微笑ましく眺めていました。
一人の登場人物の若い頃と年取った頃を別の役者さんが演じられていたのはとてもよかったですね。特に漫画家のマンボ好塚役は、若いころを井俣太良さん(少年社中)が演じ、年取って大御所になってからを名執健太郎さんが演じており、井俣さんが徐々に名執さんのようになっていくのがとてもスムーズに受け入れられました。
役者さんでは好塚のマネージャー仙台を演じられたアントニオ本多さんが良かったです。落ち着いていてコミカルな演技も確実でした。
私にはチラシと公式サイトの情報しか手に入らなかったのですが、もっと漫画や出版社などと連携した公演であることのアピールがあればなぁと思いました。もったいないですね。
出演=アントニオ本多/名執健太郎/瀬戸口竜ノ介/木下珠紀/白神ミオ/水谷栄介/小黒奈央/西尾友樹/板本真澄/高橋洋平/松本慎平/井俣太良(少年社中) /白坂英晃(はらぺこペンギン) /実川義朗(バングラッシー) /山岸拓生(拙者ムニエル)
脚本・演出=伊藤鉄線 原作=土田世紀(小学館ビックコミックス) 美術=西廣奏 照明=シバタユキエ(白黒団) 音響=佐藤春平(SoundCube) 小道具=大橋路代(パワープラトン) 衣装=太田知美、山下絵美、早乙女麻里 舞台監督=スズキサオリ(白黒団) 宣伝イラスト=土田世紀/小学館 宣伝写真=馬場ヒロミ 宣伝美術=冨田中理(Selfimage Produkts) 演出助手=名執健太郎 音響協力=和田匡史 制作助手=安田裕美、吉永紘朗、小倉千明 制作=山田恵理子 製作=YeP 協力=小学館・月刊IKKI
日時指定・整理番号付 前売り 2000円 当日 2300円
編集王:http://honshiki.blog13.fc2.com/blog-category-1.html
伊トウ本式:http://honshiki.com
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