串田戯場(くしだ・ワールド)と銘打ったこの『法界坊』は、2000年に平成中村座で初演された歌舞伎作品の再演です。公演詳細はこちら。
即日完売だったのですが、余ったチケットを譲っていただけたので観に行けました。
≪あらすじ~公式サイトからそのまま引用~≫
堕落し切った願人坊主の法界坊(勘三郎)は、永楽屋権左衛門(弥十郎)の娘お組(扇雀)にひと目惚れしますが、お組は手代要助(福助)と恋仲で、もとより法界坊には目もくれません。
要助は、実は御家再興を期す吉田家の嫡男松若で、野分姫(七之助)という許嫁のいる身。法界坊は、そんな要助を陥れようとしますが、吉田家の下僕で、道具屋に姿を変えている甚三郎(橋之助)に暴かれ失敗。その腹いせにお組を誘拐しようとしますが、これまた失敗。さらに今度は、野分姫をかどわかそうとしますが、拒否されると『お組との仲にはじゃまだから殺すよう要助に頼まれた』と偽って、野分姫を斬り殺します。
しかしその法界坊も、甚三郎の手に掛かって、あっけなく絶命。と思いきや、現世に恨みを残す野分姫と合体霊となって姿を現し、要助実は松若とお組を苦しめる執念深さを見せます。
≪以上≫
ファンが凄くってですねぇ・・・舞台はもちろんですが客席に圧倒されっぱなしでした。「成駒屋!」「中村屋!」と声がいっせいにかかります。いや、声がかかるのは当然ですけどね、それが一度に10人以上なんです(笑)。何をやっても大喜び。これはファン特有の反応ですよね(特有とか言うまでもないんですが)。私は引いちゃいました。
納涼歌舞伎ってことで怪談だし、おどろおどろしい演出もサービスも満点。なんと言っても中村勘三郎さんの愛嬌のある演技(ギャグや踊り含む)には感心します。心意気がすごい。こういう太陽のごとき役者が伝統芸能の世界で嵐を巻き起こしていて、それを観客も歌舞伎界も大歓迎しているっていうことが、日本のおおらかさだと思います。
ただ、作品全体としてはおふざけが過ぎたような(笑)。これは全くもって好みの問題だと思いますが、私は外側から眺めているままで終わった感じですね。
中村橋之助さんが巨大な掛け軸を背負って花道から出てきたのが、演出の中では一番かっこ良かったかな(私好みです)。
いつも女形の福助さんの立役(男役)が色っぽかったです。
≪言及ブログ≫ Yahoo!で検索して見つけたものを少し。
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藤田一樹の観劇レポート
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「隅田川続俤(すみだがわごにちのおもかげ)法界坊」
序幕 深川宮本の場より・大喜利 隅田川の場まで 三幕・浄瑠璃「双面水照月(ふたおもてみずにてるつき)」
作=奈河七五三 演出・美術=串田和美 照明=齋藤茂男
出演=中村勘三郎(聖天町法界坊)/中村扇雀(永楽屋娘お組)/中村勘太郎(山崎屋勘十郎)/中村七之助(野分姫)/片岡亀蔵(番頭正八)/片岡市蔵(若党山上文治)/坂東弥十郎(永楽屋権左衛門)/中村橋之助(道具屋甚三郎)/中村福助(永楽屋手代要助、実は吉田松若)/ほか
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