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REVIEW

2005年09月30日

メルマガ号外 『URASUJI(裏筋)』

 敦(TON)-杏子(ANZU)PRODUCE 
 好色必殺時代劇版ミュージカル
 『URASUJI(裏筋)』09/22-10/02ザ・スズナリ
 ※公演詳細はこちら(劇場内サイト)

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 “しのぶの演劇レビュー” 号外 Vol.22  2005.9.30  698部 発行

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   今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪


★★ 号 外 ★★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


  敦(TON)-杏子(ANZU)PRODUCE 
  好色必殺時代劇版ミュージカル
  『URASUJI(裏筋)』09/22-10/02ザ・スズナリ
  ☆深沢敦さんと杏子さんのプロデュース公演。
   時代劇で、ロック・ミュージカル。
   指定席4800円 自由席(前方ベンチシート)4500円
   劇場=http://www.honda-geki.com/suzunari.html
   ブログ=http://blog.livedoor.jp/nomeya_utaeya/

 ◎観劇後のコメント◎

  錚々たる顔ぶれが、おバカ全開!
  脈絡なく歌って踊る、ちょっとスケベな国民的時代劇ショウ♪

  昭和の大ヒット歌謡ポップスがスズナリに響きます。
  大人の笑いを心得たキャラクターに苦笑・爆笑の連続。
  これは一緒に盛り上がらなきゃ損!

  何も考えずに下北沢ザ・スズナリへ、GO!
  

 ★ご覧になった方のレビューです。
  私はこれを読んで観に行きました。ありがとうございます!

  演劇◎定点カメラ(少々ネタバレあり。でも読んでからでも大丈夫)
  http://homepage1.nifty.com/mneko/play/TA/20050923s.htm

  Club Silencio
  http://clubsilencio.seesaa.net/article/7269335.html


 《チケットについて》

   残すは2日間、3ステージです。
   10月1日(土) 14:00/19:00
   10月2日(日) 14:00

  ●チケット料金(前売り・当日共通)
   指定席4800円 自由席(前方ベンチシート)4500円

  ●前売り券はe+、電子チケットぴあでは完売しています。
   ローソンチケットは未確認。ごめんなさい。
   チケットのお問い合わせは⇒キョードー東京 03-3498-9999

  ●当日券は開演の1時間前から劇場入り口で販売開始。
   本日の夜、販売開始時刻18時の時点で並んでいたのは約10人。
   ほとんどの皆さんがリピーターだったような・・・。

 《お問い合わせ》

   劇場ロビー 03-3467-7554
   中村ステージプロダクション 03-3424-6833
   ザ・スズナリ=http://www.honda-geki.com/suzunari.html


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 ◆ 【編集後記】
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 ◎「しのぶの演劇レビュー」の不具合が解消いたしました!
  そして、ちょっぴり改良も加えられております♪
  今までご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。
  http://www.shinobu-review.jp/

 ◎今晩、メルマガ10月号を発行します・・・うーん白熱だぜぃっ!

 ◎パフォーミング・アーツ・マガジン[バッカス]02号
  私が書いた劇評(Ort-d.d『四谷怪談』について)が掲載されています。  
   http://www.7andy.jp/books/detail?accd=31442121

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  このメルマガについてのご感想でももちろん結構です♪
  ご感想は転用させていただくことがあります。
  お便りはこちらへ→ 《 shinobu@mtr-standard.co.jp 》
  ※件名は「メルマガ感想」としてください。

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 ◎掲載内容には細心の注意を払っておりますが、
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Posted by shinobu at 23:03 | TrackBack

絶対王様『猫のヒゲのしくみ~映画は感動も絶望も希望も与えてくれる~』09/15-21シアターグリーン メインホール

 絶対王様は笹木彰人さんが作・演出される劇団です。シアターグリーンのこけら落とし上演ということで、初めてメインホールに伺いました。高さがありますね~。映画上映も兼ねている企画でしたが、私は残念ながら観劇のみ。
 公演は終了していますので、ネタバレします。

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 ≪あらすじ≫
 心優しい若者の唐沢(入山宏一)がネット等で人材募集をして、「5分後が見える人」という映画を撮る現場。唐沢の友人(加治木均)がその現場のドキュメンタリー・フィルムも同時に撮っている。わがままなスタッフとキャストを引っ張っていくカリスマも度胸も無い唐沢は、良い作品を作りたいという気持ちと、チーム全体で仲良く楽しく創作をしたいとうい気持ちのギャップに悩む。
 ≪ここまで≫

 唐沢(入山宏一)が「みんなと仲良くやっていきたいのに、どうしてうまくいかないんだろう・・・」と嘆く声にはかなり共感しちゃいます。集団創作って厳しい世界ですよね。
 きっと作・演出・出演の笹木彰人さんもそういうことで悩まれるんだろうなぁと想像しました。前説で登場した時も、猫園長役で登場した時も、笹木さんの人柄の良さというか、にじみ出る優しさを感じて、私の顔は自動的ににっこりと緩んでしまうんです。どうしても憎めない、愛すべきキャラクターなんですよね、笹木さんご自身が。こけら落としだからということで劇場の素舞台をそのまま美術に採用していることにも、劇場主や観客、そして他劇団への心遣いが感じられます。あと、折り込みチラシに挟まれた文章にも感動。

 でも、絶対王様は紀伊國屋ホールやこのシアターグリーンのメインホールで公演を打つような名のある劇団です。やはりそれなりの尺度で私も観劇せざるを得ないんですよね。これがTHEATER/TOPSだったら別なんですけど。

 役者さんの個性や持ち味を生かしたキャラクターおよび配役で、全編とおしてしょぼ~い雰囲気が漂っていました。映画を作る現場も、登場する人たちも、そもそも設定がしょぼ~い感じだからです。意図的にそういう空間を作られていました。
 それが苦笑を誘って面白い部分ももちろんありましたが、私は「もっとしっかり作って欲しい」という気持ちがぬぐえませんでした。役者さんたちが実際に「仲良しである」ということが伝わってきて、それは微笑ましいことなんですが、作品としては不要だと思うのです。この作品で描かれるジレンマは、絶対王様のジレンマそのものなのかもしれません。

 出演者およびテーマ曲紹介のオープニング映像はおなじみのこととは思いますが、もっと質を高めてもらいたいですね。手作り感や劇団の持ち味をアピールしているのかもしれませんが、絶対王様ぐらいの知名度から考えると単に「未熟である」という印象が強く残ってしまいます。映像はものすごく発達しちゃってますからね。

 唐沢のお父さん(青木十三雄)が死んじゃうのにはがっかりしました。さらにラストで唐沢と女優(星遙子)のカップルも事故にあって・・・簡単に人を殺さないで欲しいんですよね。そこまで積み上げられたものがぶっつりと途切れてしまいます。まあ、詐欺で捕まったはずの猫園長(笹木彰人)も仲良く上映会に参加しちゃってたりするので、最後はストーリー重視ではないのでしょう。そうやって、どんな試練も熱狂も何もかも無かったことの様に、ブチ切れになってしまう現代・・・というのを描きたかったのかしら。納得できるオチではなかったですね。

 照明のジャイヤン(笑)役の有川マコトさんの演技が良かったです。
 売れてない漫才コンビのウッピーとチッピーがネタをやった後に「ウピチッピー」と決めポーズするのが可愛かった。

『猫のヒゲのしくみ』大改定版・シアターグリーン メインホール こけら落とし上演
『柿落とし』×『演劇の映画』×『映画の演劇』
出演=有川マコト/入山宏一/加治木均/郡司明剛/菜葉菜/笹木彰人
ゲスト出演=青木十三雄/関根信一(劇団フライングステージ)/藤井樹/ワンダラーズ(沖本達也・土井よしお)/星遙子/永井正子
作・演出=笹木彰人 舞台監督=西廣奏 照明=橋本剛(colore) 音響=高橋秀雄(SoundCube) 劇中撮影=三本木久城 香月達行(汎企画) 山口大輔(トリックスターフィルム) 演出補=寺谷久美子 菊地奈緒 CG・宣伝=檜山佐知子(S Factory) 写真=榊原泉 衣裳協力=秋葉美木子 制作=藤本美由紀(マシン) 竹内佐江惣川久代(マシン) 企画=T-artist 絶対王様 プロデューサー=浅野博貴(T-artist)
テーマ曲=シベリウス作曲『フィンランディア』
8回公演 前売り3,700円 当日4,000円(映画と芝居の共通チケットのみ販売/芝居のみ日時座席指定)前売中高生シート 1,000円(絶対王様のみ取扱い) チケット発売日 2005年7 月25日(月)
園子温監督映画作品『夢の中へ』と同時上演。
公式=http://www013.upp.so-net.ne.jp/zettai/

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Posted by shinobu at 13:02 | TrackBack

新国立劇場演劇『黒いチューリップ』09/27-10/09新国立劇場 小劇場

 劇団唐ゼミ★による唐十郎作品の2作品日替わり上演(『盲導犬』はA、Bの2バージョンあり)です。新国立劇場のようなきれいな劇場でっていうのが面白いですね。エントランスにちょうちんを下げたり、ロビーを装飾したり、入場する観客を役者さんが出迎えてくれたり、暖かいサービスをしてくれていました。
 でも3時間10分(休憩2回を含む)って・・・・辛すぎ。開演してから30分で帰りたくなったんですが、なんとか我慢して最後までいたら、ラスト20分ぐらいは面白かったです。アングラが苦手だからなのかな~・・・。 

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 ≪あらすじ≫ 公式サイトから全て引用。(役者名)を追加。
 騒音鳴り響くパチンコ店に、売れない声帯模写芸人エコー(土岐泰章)がやってきた。彼は営業先で拾った十万円を落とし主に返すべく、そのお金を包んだ封筒を頼りにやってきたのだ。
そのうち、エコーはその店のパチンコ台の中でも一際異彩を放つ台、その台の“黒いチューリップ”に恋してしまう。すると台の裏から現れたのは、落とし主である女、ケイコ(椎野裕美子)。
 彼女にとって、落とした十万円は、タクシーの無賃乗車をはたらいて牢に入れられた姉ノブコ(禿恵)を釈放してもらうための大切な金であった。ノブコは昔刃傷沙汰で刑務所に入り、一度出所したにもかかわらず、すぐタクシーの無賃乗車で牢獄に舞い戻ってしまっていたのだ。
 ノブコはなぜ陽の光と春を恐れて自ら刑務所へと戻ってしまったのか。そして、彼女が大切に育てていたという“黒いチューリップ”とは。姉が託した一鉢に、いま黒い花弁が実を結ぶ!
 ≪ここまで≫ 

 アレクサンドル・デュマの小説『黒いチューリップ』のこともチラリとは出てきますが、あんまり関係なかったですね。パチンコの台の中に組み込まれてる、銀の玉を飲み込むチューリップと、鉢植えの花のチューリップがかけられています。

 何をやっているのか、意味がわからなかったです。ストーリーとか辻褄とかではなくて(むしろそんなことは重要ではないと思います)、「コレだ!」っていうものが、伝わってこなかった。
 全てにおいて、おとなしすぎるんじゃないかしら。めちゃくちゃ変な世界の、現実には起こりえない出来事が描かれている脚本ですから、普通に素直にやってもその世界は立ち現れないと思います。若い役者が大勢、舞台上にすし詰め状態だというだけで、吹き出す欲望とか、行き所の無い怒りとか、命の躍動感とでもいうような、何かしら自動的に湧き出てくるものがあるはずだと思うのですが、それがなかったです。なんか、みんな仲良しだったんだな~。もっと尖がってる人が見たいな~。

 ここからネタバレします。

 第一幕でパチンコ屋、二幕でタクシー会社の寮(?)、三幕では老女が集まる場所(一体何だったのかよくわからない)という風に、休憩時間にセットを入れ替えてくれています。装置は劇団メンバーによる手作りだそうで、そういう味わいは良かったです。
 よく水が出てきて役者さんはびしょ濡れになりますが、必要性が感じられませんでした。水を超える(味方につける・家来にする)パワーがなかったからだと思います。

 終盤で、黒い傘を持って黒い服で登場したノブコ(禿恵)には惹きつけられました。坂の上から登場した時、赤い照明を浴びても絵になっていました。動きも演技も面白かったです。あれぐらい一人で世界を背負ってくれないとね。

 ラストにまたパチンコ屋が現れた舞台転換は楽しかったです。ケイコとエコーがキスをして、二人の口と口が白い紐でつながって、二人が離れていくに従って紐も伸びて、そして舞台も広がっていく・・・。お芝居が始まって初めて空間に魅せられました。

THE LOFT 小空間からの提案・新国立劇場“ちっちゃ長屋”日替わり公演。「黒いチューリップ」と「盲導犬」A、Bバージョン。
出演=椎野裕美子(ケイコ・女)/禿恵(ノブコ)/新堀航(泡小路)/前田裕己(天魔)/古川望(少年)/土岐泰章(エコー)/渡辺幸作(春太)/安達俊信(菊池)/小川尊(警官)/伊東しげ乃(やよい)/田村団(グリコ)/伊吹卓光(ナルヒサ)/小林佑基/山﨑雄太/関緑/杉山雄樹/石川智美/大谷唯史/小野里美/菊池弥子/小島真樹/児玉僚助/齋藤晶允/柴崎めぐみ/住吉五月/辻沢綾香/西田梨枝子/仁科友希/堀内大助/松下浩/松田尚之/望月千廣/山本葉子
作・監修=唐十郎 演出=中野敦之 音楽=猪俣公章 照明=劇団唐ゼミ 音響・衣裳=劇団唐ゼミ 大道具・小道具=劇団唐ゼミ 美術=久保井研 舞台監督=鳥山昌克
全席指定3150円 Z席1500円
公式=http://www.nntt.jac.go.jp/season/s275/s275.html

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Posted by shinobu at 00:00 | TrackBack

2005年09月29日

【お知らせ】MovableType、復活いたしました!

 7月末頃から続いておりましたMovableTypeの不具合が・・・治りました!!

 原因は、一つのカテゴリーの中に入っている記事の数が多すぎたこと(?)だったそうで、有能な技術者の方が一晩で改良してくださいました。も~魔法やね、魔法!!マジで大尊敬、大感謝ですっ。

 今までご迷惑をおかけいたしました。トラックバックも送信できるようになりましたので、どうぞこれからもよろしくお願い申し上げます。

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Posted by shinobu at 11:38 | TrackBack

【お知らせ】REVIEWの更新状況はGUEST BOOKでお知らせします

 7月末頃からMovableTypeに不具合が起きており、当サイトの更新状況はGUEST BOOK(掲示板)にてお知らせしております。

 ★不具合は解消されました。今までご迷惑をおかけいたしました。これからもどうぞよろしくお願いいたします。(2005/09/29)

 ご不便をおかけいたしますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。復帰のめどは立ち次第ご報告いたします。
 MovableTypeの再インストールを実行いたしましたが、再起できませんでした。原因不明ですので、また試行錯誤の日々になります・・・(2005/09/25)。

 ≪ご留意ください≫
 ・記事が掲載されるまでにおよそ7~11時間以上かかっています。
 ・トラックバックを受けることはできるのですが、私からトラックバックが送れません。トラックバック受信の通知メールも届いていませんので、私が気づかないこともございます。

 ★ご報告が遅れましたが、2005年8月4日より当サイトのTOPページをREVIEWページにいたしました。

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Posted by shinobu at 11:30 | TrackBack

2005年09月27日

(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場『ニセS高原から~「S高原から」連続上演~』08/28-09/27まとめページ

 4人の演出家が率いる4チームによる『S高原から』連続公演企画。
 公式サイトはこちら

 蜻蛉玉組→レビュー劇団サイト
 五反田組→レビュー劇団サイト
 三条会組→レビュー劇団サイト
 ポツドール組→レビュー劇団サイト

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Posted by shinobu at 20:56 | TrackBack

(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場『ニセS高原から【ポツドール組】』08/28-09/27こまばアゴラ劇場

 『S高原から』連続上演も、蜻蛉玉組五反田団組三条会組と拝見して最後はポツドール組です。唯一ポストパフォーマンストークのあった9/18(日)ソワレは早々に完売、その他の日のソワレもどんどん売り切れており、平日マチネに伺いました。
 今日でポツドールは千秋楽だったんですね。アゴラ劇場は超満員でした。小さなイスをどんどこ追加して出して、沢山のお客様を座らせてくださった制作の方々、ありがとうございます。

 これがポツドール初体験になった私ですが(怖くて観にいけなかったので)、めちゃ楽しんじゃいました。
 9/30(金)からはオリジナルの平田オリザ版が開幕しますよ~っ!詳細は青年団のサイトへ。

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 ≪あらすじ~公式サイトよりそのまま引用≫
 近未来、夏。高原のサナトリウムの面会室が舞台。
 このサナトリウムには、不治の病におかされた患者たちが多く入院しています。下界から隔離されたサナトリウムでゆっくりと流れていく時間。死を待つということの意味が、その時間の中で淡々と語られていきます。
 患者たちと、そこを訪れる面会の人々や医師たちとの死や時間に対する観念の差異を微妙に描きながら、軽妙な会話を交えて、サナトリウムでの何も起こらない静かな午後が描かれていきます。
 ≪ここまで≫

 脚本はかなり書き換えられており、登場人物の人数や役名・性別・身分はほぼ同じなのですが、それぞれの性格と人間関係が全く違いました。

 「平田オリザによる、死と向かい合う人間たちの残酷だけれど静かで美しい世界が、悪とエロにまみれている」という、知人からのコメントを聞いて楽しみにしていたのですが、まさにそのとおり。劇場に入るなり、大音量の「セックス、セックス」って叫ぶパンク・ミュージックみたいなものが聴こえて、私は吹き出しちゃいました(笑)。

 原作のセリフの中で特に触れられなかった、サナトリウムでのタブーについて露骨に言及しているのが痛快です。人間の善行の皮を丁寧に、そして意地悪く剥がしていくようでした。むけて出てきた生々しい欲望はみっともなく、滑稽で、観客はそれを嘲笑するようにクスリとします。

 ・死にそうになっている病人がいっぱい居る場所で、テニスをやろうと嬉しそうに運動着に着替えている健常者に向かって、病人の村西(米村亮太朗)が悪意満面で苦言する。
 ・村西の彼女・大竹(田代尚子)は、他人と結婚することを村西に直接は伝えず、自分の友人・佐々木(六分一沙良)に伝言を頼む。大竹からの別れ話を伝えた佐々木に向かって、村西は「てか、お前誰だよっ!」と怒る。また村西は、大竹が結婚する相手が誰なのかを詮索する。佐々木は村西の態度が悪いと責める。
 ・面会室のベルが鳴ると看護士(松井周)は御用聞きにやってくる(ジュースを出したりするため)。用がないのに鳴らされて、何度も無駄足を踏んだので「みんなで悪巧みをして私をからかっているんだろう!」と怒鳴る。
 ・「20世紀最後の天才画家」だと噂されていた病人・西岡(宮崎叶夢)だったが、実は彼は画家でもなんでもなかった。彼自身がついた嘘だった。訪れた彼女(玄覺悠子)は水商売をしている女だった。
 ・看護婦が患者に「○○さんが死にそうだ」という情報を漏らしていたことがバレて、女医(中島美紀)と看護婦(山本裕子)が大ゲンカする。
 ・病人の福島(多田淳之介)を見舞いに来た3人組は和気あいあいと楽しそうにしているが、裏ではお互いの悪口三昧。 

 大勢集まって好き勝手におしゃべりするシーンがすっごくうるさいんです。何をしゃべってるかなんて、ほとんど聞き分けられないし、皆が無神経なので見ていてムカついてくるぐらい。だけど、その中の一部でケンカが始まったり、スキャンダラス(ハレンチ)な話題になると、場がシーンとなって誰もがその話に注目するようになります。その場しのぎの嘘っぱちの社交はやっておいた方が楽だから適当にこなすけれど、他人の不幸や恥には本気で興味があるから、みんな聞き耳を立てるんですね。そして、火の粉がかからないようにしっかり保身します。

 テニスを見に行こうとしたけれど眠くてソファに横たわってしまった病人・福島(多田淳之介)に向かって、お見舞いに来た彼女の友子(羽柴真希)が話しかける終盤のシーンで、初めて愛とか恋といった、相手に対して暖かい感情のこもった演技とセリフを見ることができました。でもすぐに福島がセックスの話をしてムードをぶち壊しにします。「せっかくいい感じだったのに~」と一度は悔しがる友子も、さっさと福島を置き去りにしてテニスに行ってしまいました。友子は「福島がいなくなったら寂しいな~」と、一瞬思っただけなんですね。彼女もやはり自分のことしか考えていないのです。

 嘘つきで、悪意にまみれていて、自分のことしか考えていない、甘えきった人間ばかりが舞台の上に居るのですが、作品から生まれている空気は全く揶揄的ではなく、投げやりでもありませんでした。「死」が迫った人間の最後の悪あがきという深刻さはありません。“愚かな人間たちを見守る暖かい神の視線”もありません。意地悪で、不良で、クールな大人が軽やかに俗世をスキップしているような感じ、かしら・・・なんかね、かっこよくって気持ちよかった!

 カーテンコールがないお芝居って拍手するタイミングを失って手持ち無沙汰になり、すっきりしないことが多いんですが、この作品についてはなくて正解だったと思います。突然無人になった舞台を観ながら、開場時と同じ音楽が流れる中、しばらくじっと座って残り香を味わいました。

 ポツドール組は、平田オリザさんのオリジナル版か、比較的プレーンな仕上がりだった蜻蛉玉組と五反田団組のどちらかを見てからの方が、比べる楽しみがあったんじゃないかなぁと思います。

~「S高原から」連続上演~
出演=大木伴与/小倉ちひろ/倉沢学/玄覺悠子/遠藤留奈/田代尚子/多田淳之介(動物電気/東京デスロック)/富田恭史(jorro) /中島美紀(ポかリン記憶舎)/羽柴真希(ペテカン)/古澤裕介/松井周(青年団)/宮崎吐夢(大人計画)/山本裕子(青年団)/米村亮太朗(ポツドール)/六分一沙良(あかいめ) ※キャストは50音順 ★桜子が体調不良の為降板し、代わって遠藤留奈が出演。
原作=平田オリザ 演出=三浦大輔(ポツドール) 舞台美術=杉山至×突貫屋 照明=《五反田団・蜻蛉玉・ポツドール》岩城保《三条会》佐野一敏(三条会) 音響=薮公美子 宣伝美術=藤原未央子 制作=榎戸源胤(五反田団) 尾形典子(青年団) 木下京子(ポツドール) 斉藤由夏(青年団) 田中沙織(蜻蛉玉) 演出助手=《ポツドール》福本朝子 プロデューサー=前田司郎 主催=(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 企画制作=五反田団・三条会・蜻蛉玉・ポツドール/(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
前売・予約・当日共=2,000円 セット券=6,000円※予約のみ・枚数限定 こまばアゴラ劇場電話予約のみ取り扱い 03-3467-2743
公式=http://nise-s-kogen.com/

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Posted by shinobu at 20:41 | TrackBack

2005年09月26日

tpt『カルテット』09/17-30ベニサン・ピット

 絶対見逃したくないtpt。前回の『道成寺一幕』と連続で見るとレパートリー料金で一般が2100円割引です。お得!!
 『カルテット』の作者ハイナー・ミュラーはドイツの作家、演出家、詩人で、今年は没後10周年。今年6月に来日した『アルトゥロ・ウイの興隆』は彼の遺作です。
 1時間強の濃厚な2人芝居。難しい戯曲ですね。「大浦さん、千葉さん、ガンバレー!」って思いながらの観劇になりました。

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 サブタイトルの“世界の終わりの「危険な関係」”にありますように、この戯曲は1782年にピエール・コデルロス・ラクロによって書かれた書簡体小説『危険な関係(原題(仏語):Les liaisons Dangereuses)』をもとに書かれており、2人の出演者が4人(カルテット)を演じます。※関連リンク・・・グレン・クローズ&ジョン・マルコビッチ主演の映画『危険な関係』、ペ・ヨンジュン主演の映画『スキャンダル
 “世界の終わりの”が意味するのは、この作品の時間と場所が「フランス革命前夜のサロン/第三次世界大戦後のシェルター」であること。でもこれは戯曲の冒頭に書かれているだけで、作品中では全く言及されません。

 パンフレットは戯曲が全部掲載されて1000円。これはお買い得です。そのパンフレットに載せられた演出の木内宏昌さんの文章にいたく共感・感動いたしました。下記、一部抜粋してご紹介します。ごく一部ですので、ご興味もたれた方はぜひ全文をお読みいただきたいです。

 【ハイナー・ミュラーは、資本主義の食い物にされた物語たちを美しい骸骨にすることで、消費社会から開放しようとしたのだろうと、ぼくは思っています。ミュラーが20世紀の終わりに遺した作品たちは、愛の物語でもなく、人生はバラ色だと思わせてくれるものとも違います。物語を食い散らかした都市、その廃墟と瓦礫、立ちこめる戦争の靄(もや)。そんな手ざわりのテキストが数多く見られます。しかしそれらは、人類の絶望や孤独のなかに、言葉の塊によって示された、まだ見ぬ可能性として受け止めることができます。つまり、ぼくにとって『カルテット』の魅力は、それが扱っている『危険な関係』の世界にあるというより、18世紀の物語を消費し続ける現代への、ミュラーの不機嫌の視線に惹かれるのです。】

 【・・・。それは「知」と「血」によって紡がれた、「わたしのなかの他人たち」とめぐりあう物語でした。わたしとわたしのなかの他人たち、その関係こそ、ミュラーが発見し編集した「危険な関係」だろうと思うのです。おそらく、ふたりが四人を演じる『カルテット』という作品の、そのタイトルの意味を含めて。】

 【・・・。そして今、世界に満ちたさまざまな対立は、ドイツも日本もなく、「わたしのなかの他人」を引き裂き、武器を握らせ、脅威を抱かせ、ひとつになることを虚しい幻想に変えていきます。ぼくたちの現実は、戦後ではなく、とっくに戦前であり、戦中です。「かつて亡霊は過去からやって来た、いまでは未来からやって来る」-未来に待っているのは進歩や発展ではないことを、ハイナー・ミュラーはいち早く言葉にした作家でした。そして同時に、破壊の先にある可能性を示したことが、ミュラーの偉大にして稀有なところだと思います。】

 開演前に上記文章を読んで、いやがおうにも期待が高まりました。が、作品自体は期待に応えてくれるクオリティではなかったですね・・・。勝手に期待と想像を大きくしすぎたんですね、私(苦笑)。前知識ゼロだった方が良かったのかな。

 ここからネタバレします。

 ふたりで4人を演じると言っても、完全に別人を演じるのではありませんでした。実在しているのはヴァルモン(千葉哲也)とメルトゥイユ(大浦みずき)の2人だけ。この2人が3パターンの劇中劇を演じるのです。
 ものすごく長くて難解なセリフで綴られた2人芝居です。上演されたことにまず感謝しています。

 言葉が面白かった~・・・後から戯曲を読んで驚きました。戯曲には「登場」「退場」しか、ト書きがありません。セリフから全てを作り出したんですね。メルトゥイユがヴァルモンに毒入りワインを手渡すのですが、彼女が毒を入れるのを、天から黒い羽が降ってくることで表しているのが綺麗。

 決して下品にならない官能的なシーンには満足でした。でも私の気持ちが高揚するまでは行かず。さらに上に行けるんじゃないかなと思うシーンが多かったです。

 大浦さんは言葉をすごく大切にして、意味をしっかり伝えようとするがために、形式にひっぱられて感情があまり伝わって来ませんでした。反対に千葉さんは、心の動きが身体や声にストレートに表れるのですが、言葉は早口で流れがちでした。

 ディズニーシーのアトラクションかしらと思うほど、具体的に作り込まれた美術は意外でした。黒々とした岩に囲まれた石の階段。おそらく爆撃で溶けてむごたらしい姿になった太い円柱。階段の上には『危険な関係』の主要登場人物4人のマネキンが並べられており、分かりやすかったです。

『カルテット』-世界の終わりの「危険な関係」
出演=大浦みずき(メルトゥイユ)/千葉哲也(ヴァルモン)
作=ハイナー・ミュラー 演出=木内宏昌 台本=広田敦郎 美術=礒沼陽子 音響=長野朋美 ヘア&メイク=鎌田直樹 舞台監督=増田裕幸・久保勲生
一般¥6300/※レパートリー券¥4200/学生¥3150※「道成寺」をお求めのお客様は「カルテット」をレパートリー割引(¥4200)にて観劇可能。
公式=http://www.tpt.co.jp/top/quartet/index.html

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Posted by shinobu at 14:18 | TrackBack

2005年09月25日

Drama City Produce・アカペラミュージカル『猫堀骨董店-ANTIQUE SHOP NEKOBORI-』09/24-25博品館劇場

 昨年大阪で大ヒットしたアカペラミュージカルが東京にも進出。チケットはすぐに完売で、私は追加公演にすべりこみました。効果音もBGMもアカペラなんですね~。聞き応えがありました。チラシはほんわかメロウな感じですが、実は暗くて怖くて悲しいお話で驚きました。
 あとは「大阪ノリ」が特徴ですね。大阪弁でしゃべられてちょっと冷めちゃったりもしました。私、大阪出身なんですけどね。
 記者会見の模様→「世界初! アカペラミュージカル『猫堀骨董店』製作会見
 こちらでは動画が見られます。

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 ≪あらすじ≫
 若いサラリーマン(多根周作)が猫堀骨董店を訪れて店主(伊藤えん魔)に言うには、「先日売ったものはとても大事なものだったので、買い戻したい」とのこと。でも彼は何を売ったのかが思い出せない。考えている内に謎の鍵で、あるはずのない扉が開き、サラリーマンは不思議な世界へと吸い込まれていく・・・。
 ≪ここまで≫

 開演前に携帯の電源を切るように再三注意されるのですが、それも合唱で流れます。
 オープニングは派手な照明と歌とダンスでガツンと客席にアピール。「ノリが悪いよ!さあ!」と、手拍子を催促するのにゲンナリ・・・。私はムカついちゃって、しばらく舞台から気持ちを遠ざけてしまいました。

 ここからネタバレします。

 骨董店からつながる不思議な世界に入ってからは、宿屋の女主人が出てきたり吸血鬼が出てきたり、余計なシーンが多くて気が散りました。
 中盤以降、実はこの骨董店では「記憶」が売買されており、サラリーマンが売ったのは思い出したくない昔の恋人の思い出だった・・・と判明し、暗い怖いモードに急展開。絵描きだった恋人が精神を病んで自殺していたなんて、重すぎるな~。ドミノの駒を一生ならべ続ける「記憶をランダムに売る契約をしてしまった男」も怖すぎ。さらに「骨董店の店主はあなた(サラリーマン)自身ですよ」という入れ子構造にもなる複雑さは・・・。
 歌って踊るミュージカルとしては、込み入りすぎじゃないかな。にぎやかし目的のお遊びシーンと、釣り合いが取れていない気がします。

 「思い出したくない記憶とちゃんと向き合わないと、未来へは進めない」というメッセージは素敵ですね。この作品と全く関係無いし、観劇中にやることじゃないんですけど、私は自分が思い出したくなかった出来事をしっかり思い出して、それを受け入れて乗り越える、という作業をやりました。軽い気持ちになれました。感謝です。

 聞き惚れた歌はカルメンの「ハバネラ」をアレンジしたもの。やっぱり「ハバネラ」は名曲だな~。あと、スチャダラパー(+小沢健二)の「今夜はブギー・バック」をアレンジしたであろう曲も良かった。
 舞台装置は金色の大きくて豪華な額縁が良かったです。衣裳は残念ながら材質が貧相で、デザインもあんまり・・・。

 帝劇のミュージカルによく出演されているTekkanさんは、さすがの輝きでした。マツケンサンバならぬテツケンサンバは・・・私は引いちゃったけどね(苦笑)、ファンサービスでしょう。
 猫堀骨董店の店主役の伊藤えん魔さんが、出てくるたびにギャグで大笑いさせてくださいました。ほんっとに何を言われても面白かった。出てくるのをずっと待ってました。
 多根周作さん。気が弱くて個性の薄そうな、ごく普通のサラリーマンのように登場しましたが、主役の役割ときちんと果たす、めがねイケメンでした。細くてなよっとしているように見えて実は体の動きにキレがあり、演技も情熱的で良かったです。あと、素の演技でつっこむのが絶品(笑)。

出演=ダイナマイトしゃかりきサ~カス(Kwani・Toko・ム~チョ・たろう・ゆうき)/多根周作/山根千佳/清水かおり/前渕さなえ/松村里美(TAKE IT EASY!)/MaL/tekkan(友情出演)/伊藤えん魔(ファントマ)
作・演出=中井由梨子(TAKE IT EASY!) 音楽・アレンジ=ダイナマイトしゃかりきサ~カス 楽曲提供=SINGO 歌唱指導=新森美加 舞台監督=中倉康次 美術=堀容子 照明=加藤直子(DASH COMPANY) 音響=藤井卓(TAC) 振付=山根千佳 ヘアメイク=KOMAKI 衣裳=山口夏希(ファントマ) 宣伝デザイン=西井典子 宣伝写真=清水かおり プロデューサー=渡辺裕(梅田芸術劇場) 企画・製作=梅田芸術劇場 協力=GOSPEL、ミノヤホール 
4,800円(全席指定・税込)☆追加公演決定=9月24日(土)19:30 
≪大阪、東京≫
公式=http://www.hakuhinkan.co.jp/theater/nekohori/
イープラス特集=http://eee.eplus.co.jp/s/neko/index.html

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Posted by shinobu at 23:02 | TrackBack

劇団インベーダーじじい『あるやんごとなき夫婦の物語』09/22-25シアターiwato

 劇団インベーダーじじい は作・演出・主宰の なるせゆうせいさん が早稲田大学在学中に旗揚げした劇団です。世田谷パブリックシアターのくりっくステージに出場された時に「可笑しな劇団名だなぁ(笑)」と思ったのが私にとっての初めての出会いでした。作品は今回初めて拝見しました。

 役者さんはセリフをなぞってただ怒鳴るばかりだし、常に揶揄的な視点から描かれるストーリーは明らかに破綻しており、観ていて苦痛でした。ドぎつい下ネタが多かったのもつらかったです。

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 ≪あらすじ≫ ※公式サイトより引用。
 今ネット上で急増する個人発信でっちあげラジオ番組「デジオ」を題材に描く冷めた夫婦の愛憎劇。ある人気DJが発信するネットラジオ番組に一人の男が自分の妻の事を相談しにやってくる。しかし、やがて愛の行方を占うカリスマ占い師や姑をも巻き込んで、その問題は複雑に絡み合っていく…。
 ≪ここまで≫

 公演は終了していますので、ネタバレします。

 舞台はインターネットで無料放送されるラジオ番組の収録室。ステージ上は椅子以外何もありません。天井からテレビのモニターが5台、放送中に光る「ON AIR」のサイン・ライトが1つ、そして網に入った何か(見えませんでした)が数個釣り下がっています。
 舞台中央にはDJ(山村真也)が一人、パイプ椅子に座ってトークを続けています。ステージの上下に役者さんがパイプ椅子に座って待機していて、出番になると舞台にのぼったり、その場で立ってマイクでしゃべったりします。登場人物は計5人。

 当日パンフレットに書かれた作・演出のなるせさんの「ごあいさつ」の後半部分をご紹介します。(改行もそのまま反映)
【今年、戦後60年、だそうだ。
 だそうだ。と、なんともまあ、他人事のような気がするが、そりゃその通り。
 60年前僕は生まれてないわけで、平和を訴えかけられたところで、正直、クビをかしげる。うーん、て感じである。申し訳ねっす。
 一応あやまってみた。ぶっちゃけ、申し訳ないかどうかもわからない。終戦記念日とかさ、靖国参拝とかさ、リアルじゃない。
 今の僕らには、もっと平坦で身近なところで戦争は起きている。
 今年、戦後60周年、だそうだが、
 僕等の中で、一番リアルな戦争を描いてみようと思う。】

 そして今作品で描かれていたのは、ある夫婦の崩壊と再生(?)だったのですが、夫は「やんごとなき(家柄や身分がひじょうに高い・高貴である)」家系の人間で、ペンネーム(ハンドルネーム)が“皇太子”でした。その母親ももちろん「やんごとなき」人で、いかにも世間知らずなおバカ貴族っぽい演技をされていましたので、これは天皇制を風刺していたと考えてまず間違いありません。
 妻は防衛庁で働く若者と不倫しており、その不倫がバレた途端にその若者は、“皇太子”の母親からの圧力で中東の戦地へと派遣され、爆撃で死にます。
 終戦記念日や靖国参拝がご自分にとってリアルじゃないとおっしゃる方が、明らかに政治的な内容を盛り込んでいることに疑問を感じました。

 役者さんについては、観ていてすごく気の毒な気持ちになりました。役を理解して心から演じることが、誰もできていなかったからです。
 セリフはダジャレや先述の下ネタが多く含まれた膨大なもので、言葉遊びから展開していくこともあり、きちんと成立させるのにはスキルが必要なものでした。役者さんは大変だろうと思います。ずっとしゃべり続けるDJ(山村真也)は、大きな怒鳴り声で、まくしたてるように長いセリフをしゃべり続けました。観客に投げつける声、言葉、動き。私には暴力でした。また、ラジオでしゃべるというのは、舞台でお客様に向かってしゃべるのとは違う話し方になるはずですが(スクエアの『打つ手なし』はそれが秀逸でした)、その違いは演じ分けられていませんでした。
 妻は愛する若者が消えて頭が混乱し、なぜかラジオのDJに監禁されて狂ってしまうのですが、「狂った女」の演技っていうのは難しいんですよね。案の定、正視できる演技ではありませんでした。美人だし好感の持てる女優さんだったので残念。

 再びなるせさんの「ごあいさつ」より一部抜粋↓
 【・・・。今回のテーマにもさせていただきましたが、インターネットというものが爆発的に浸透して机の上ですべてが出来てしまう世の中で、わざわざ劇場に足を運んで頂けるという能動的な行動をしていただいた皆様に感服です。貴重な存在です。サンショウウオです。天然記念お客様です。演劇もまたサンショウウオのように貴重な存在の表現方法となりつつあるような気がします。・・・。】

 このように、演劇を作っている人が自ら「演劇はマイナーである」という発言をするのを見かけるのですが、勘違いだと私は思います。劇場が増えたり、ジャニーズ事務所が演劇公演を製作したり、ホリプロがアートスフィアを買収する(予定)など、舞台芸術はあきらかに盛り上がってきています。帝国劇場の東宝ミュージカルは1ヶ月興行が前売り完売だし、「2004年の演劇市場は、動員数・市場規模いずれも伸長し、2000年以降堅調に推移しています」(ぴあ株式会社2005年9月5日プレスリリースより)と、ぴあ総研『エンタテインメント白書2005』にも発表されています。劇場へ足を運ぶ人は天然記念物のように希少ではありません。

出演=山村真也/若狭ひろみ/棚橋幸代(トムプロジェクト)/児玉宣勝/矢野トモ子
脚本・演出=なるせゆうせい 照明=加藤学 照明オペレーション=秋葉奈々 音響=滝本千華 演出助手=鈴木仁美 映像=岸健太朗(黒子ダイル) 映像出演=高谷基史 衣裳=戸門由佳 宣伝写真=菅正輝 柔道指導=金子剛(シアターナノ.グラム) 当日制作=真子母都子(Follow Follow) 
劇団=http://www.inveider.com/

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Posted by shinobu at 22:22 | TrackBack

2005年09月24日

Studio Life『白夜行 第1部』09/14-10/01紀伊國屋ホール

 東野圭吾さんのミステリー小説『白夜行(びゃくやこう)』を男優集団スタジオ・ライフが舞台化。今回は第1部で、第2部は12月に上演されます。記者会見の写真はこちらぴあイープラスも特集あり。

 私はいつもどおり原作等の前知識ゼロで伺いました。次々と犯罪が重ねられていく約10年間を、進むままに追いかけ続けた3時間(休憩を含む)。終わった時に「あ、結末は次回に持ち越しなのね」と気づいて、ちょっとガッカリ(笑)。
 何も知らずに観るには単純に面白いですが、原作を知っている人には物足りないかもしれません。

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 ≪あらすじ・解説≫ bk1の内容説明よりそのまま引用。(役者名)を追加。
 1973年、大阪の廃墟ビルで一人の質屋が殺された。容疑者は次々に浮かぶが、結局、事件は迷宮入りする。被害者の息子・桐原亮司(笠原浩夫)と、「容疑者」の娘・西本雪穂(舟見和利)―暗い眼をした少年と、並外れて美しい少女は、その後、全く別々の道を歩んで行く。二人の周囲に見え隠れする、幾つもの恐るべき犯罪。だが、何も「証拠」はない。そして十九年…。息詰まる精緻な構成と、叙事詩的スケール。心を失った人間の悲劇を描く、傑作ミステリー長篇。
 ≪ここまで≫

白夜行
白夜行
posted with 簡単リンクくん at 2005. 9.23
東野 圭吾著
集英社 (2002.5)
通常24時間以内に発送します。

 大人気の推理小説だそうですから、ストーリーを追っていく分にはすごく面白いんです。さらに舞台ならではの味わいが欲しいところなのですが、残念ながらその意味で物足りない演出でした。

 盗み、殺人、ヤクザ、逃亡・・・と、出口がないとわかっている暗い迷路を、這いずり回る主人公およびその周辺の人々。必死でそこから脱出しようともがいたり、そんな中でもささやかな喜びを見出そうとしたり、忘れるためにつかの間の夢を見たり・・・そんな生々しい人間の性(さが)をもっと感じたかったですね。ストーリーやセリフにはそれを想像させる匂いがあると思うのですが、実際にグっと心に響いたシーンは少なかったです。

 平たいパネルを重ね合わせて組み立てられたシンプルな舞台美術に、『歓びの娘 ~鑑定医シャルル』のように、時と場所を示す文字スライドを映し出し、さらに実写映像および写真で場面転換します。次々と起こる事件をシーン分けして描きますので、とてもわかりやすいです。
 舞台で話題に上っている人物が、その説明のためだけにスポットライトの下に現れることが多かったです。親切だとは思うのですが、話題に上った時にその人にスポットが当たり、話が終わった途端に明かりが消えて、人がそそくさと退場するので、「説明のためだけに登場している」感がありすぎでした。

 つまり第1部は状況説明だけになったような感じですね。第2部にドラマもクライマックスも、何もかも全てが凝縮されるのでしょう。第1部を観ずに第2部だけを観ても難しくて意味がよくわからないでしょうから、第1部と第2部がセットになって一つのお芝居だと思うのが正解だと思います。

 ここからネタバレします。

 第1部は1970年代から1980年代にかけての大阪が舞台でした。自分が大阪育ちなものですから、大阪弁や知っている駅名などが出てくる度に懐かしい気持ちになり、想像が立体的に膨らみました。

 卑猥なシーンはあまりスタジオ・ライフでは観たくないので、そういうところは息苦しくなりました。きっと原作ではセリフもストーリーももっと強烈なのでしょうね(予想の範疇を超えませんが)。でも、具体的な言葉を使わなくても、ささくれだった雰囲気とか、後味の悪さとか、演出と演技でもっと描けるものがあるのではないでしょうか。

 桐原の仲間の園村友彦(楢原秀佳)と元銀行員の西口奈美江(林勇輔)のラブシーンは、2人がそうなる前から色気がムンムンしてまして(笑)、「さすがは楢原さんと林さん!」とファンとしては感心しましたが、本来なら徐々に二人の心が盛り上がってくるのが自然ですよね。
 このシーンで生まれたような、舞台だからこそ味わえる空気や肌触りを、第2部ではもっと増やしてもらいたいです。

 舞台美術は単調でつまらないですねぇ・・・。映像を映すパネルは四角くなくてもいいのではないでしょうか。もっと尖ったり、ギザギザしたり、質感を出しても良いと思います。あと、シンメトリー(左右対称)にしない方がいいんじゃないかな。

 笠原浩夫さん。桐原亮司役。うーん・・・なんだか普通でした。普通ってことが良いんだと思いますけど。もうちょっと刺激が欲しかったです。
 舟見和利さん。西本雪穂役。美女役ということで、開幕してすぐはさすがに「ちょっと無理があるような・・・」と思ったんですが(男優ですしね)、徐々に女にしか見えてこなくなりました。私は舟見さんの女役、すごくしっとりしていて好きなんです。冷酷な犯罪をおかしておきながら、にっこりと天使のような微笑みをたたえるのが恐ろしい。
 林勇輔さん。西口奈美江役はいうまでもなく絶品。女子ダンス部員役でも笑いを生んでくださいました。

【宵(ショウ)バージョン】出演=笠原浩夫/舟見和利/山﨑康一/藤原啓児/石飛幸治/末松一仁/甲斐政彦/倉本徹/楢原秀佳/深山洋貴/林勇輔/曽世海児/高根研一/前田倫良/船戸慎士/寺岡哲/奥田努/小野健太郎/牧島進一/篠田仁志/下井顕太郎/大沼亮吉/宗村蔵人/荒木健太郎/関戸博一/三上俊/松本慎也/吉田隆太/重松収
東京公演はA、Bのダブルキャスト公演。大阪公演はB、Cのダブルキャスト公演。キャスト詳細については劇団サイト参照。
原作=東野圭吾(小学館刊) 脚本・演出=倉田淳 美術=松野潤 照明=森田三郎 舞台監督=北条孝 土門眞哉(ニケステージワークス) 音響=竹下亮(OFFICE my on) ヘアメイク=角田和子 衣裳=竹原典子 殺陣指導=渥美博 美術助手=渡辺景子 演出助手=平河夏 宣伝美術=河合恭誌 菅原可奈(VIA BO, RINK) 宣伝写真=薮田修身 宣伝ヘアメイク=小口あずさ 長谷川亮介(Nanan) デスク=釣沢一衣 岡村和宏 揖斐圭子 制作=稲田佳雄 中川月人 赤城由美子 CUBE STAFF:プロデューサー=北牧裕幸・高橋典子 宣伝=米田律子 制作=北里美織子 制作協力=東容子 縄志津絵 宮澤有美 小泉裕子 八木美穂子 中原愛 大田香織 SPECIAL THANKS=小山岩雄 佐藤綾子(切り絵指導・製作) 主催=日本テレビ放送網(東京公演) 読売テレビ 梅田芸術劇場 CUBE(大阪公演) 制作協力=リコモーション(大阪公演)協力=集英社 M.M.P 舞台屋 制作プロデュース=CUBE 企画・制作=Studio Life
≪東京、大阪≫
公式=http://www.studio-life.com/

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Posted by shinobu at 00:13 | TrackBack

2005年09月22日

(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場『ニセS高原から【三条会組】』08/28-09/27こまばアゴラ劇場

 『S高原から』連続上演企画の3本目。蜻蛉玉バージョン五反田団バージョンに続いて三条会組を拝見して参りました。
 面白かった~っ!笑ったし、怖かったし、考えたし。何にもわからなくても楽しかった!残すは9/24(土)夜、9/26(月)夜の2ステージ。超おすすめです!★9/26(月)夜はポストパフォーマンストークあり。

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 ≪あらすじ~公式サイトよりそのまま引用≫
 近未来、夏。高原のサナトリウムの面会室が舞台。
 このサナトリウムには、不治の病におかされた患者たちが多く入院しています。下界から隔離されたサナトリウムでゆっくりと流れていく時間。死を待つということの意味が、その時間の中で淡々と語られていきます。
 患者たちと、そこを訪れる面会の人々や医師たちとの死や時間に対する観念の差異を微妙に描きながら、軽妙な会話を交えて、サナトリウムでの何も起こらない静かな午後が描かれていきます。
 ≪ここまで≫

 うーん・・・あらすじを改めて読んでみましたが、この三条会バージョンでは「ゆっくりと流れていく時間」は具体的には無かったし、「静かな午後」などはありませんでした。まず全然静かじゃない(笑)。そして時刻などという縛りはありませんでした。「死や時間に対する観念の差異を微妙に描きながら、軽妙な会話を交えて」いるようにも見えませんでした。なのでこのあらすじは意味を成さないですね(笑)。とりあえず参考程度です。

 三条会組の特徴は、原作を全く変更せずに演出していること。そして16人の登場人物を12人の役者さんが演じています。一人三役の方もいらっしゃるし、一人一役の方もいらっしゃいました。

 三条会らしい、全身に力を入れてドスのきいた発声で語るセリフまわしが健在。静かで自然な会話劇や、違う内容の会話が同時になされる青年団らしい演出とも混ざっていて、次々と予想不可能な出来事(演出)が起こります。

 超有名な明るい音楽が流れるし、原作そのままのセリフなのにその言葉で歌うし、踊るし。『S高原から』だと思って観る必要ナシです。私はすでに2作品観てあらすじも全てわかっていましたが、それでも何も考えないで(予想しないで)、初めて観るような新しい気持ちで最後まで観ることができました。

 サナトリウムに、これから死ぬ人と、生きる人がいる。ストーリーについてはそれだけわかればいいんだと思います。人間ってそれだけですよね、生きるか死ぬか。死期が近づいている人と、まだまだ生きる(と思っている)人が同じ場所(=サナトリウム)に居るから、生死について考える機会が生まれるのです。さらに「果たして今、私は生きているのか?死んでいるのか?」と、自分自身が曖昧になる瞬間が生まれます。その時、舞台にはこの世ではない世界の空気が漂いました。地獄のような天国のような、また、それらでもないような。

 ここからネタバレします。

 俳優は必ず下手から登場し、上手へと去ります。場所にあきらかに矛盾が出てきますが(電話をかけに上手に去るのに下手から戻ってくる等)、全くお構いなし。人間が生まれて死ぬのを直線で表しているように思いました。人が立ち止まったり座ったりするロビー(=舞台中央)は、自分が生きているのか、死んでいるのかをハタと立ち止まって考える場所だったのではないかと思います。

 画家の患者・西岡(榊原毅)と面会人の上野(大川潤子)が2人きりでしゃべるシーンが恐ろしかったです。そこに誰かが訪れても、訪れた人も2人で演じます。4人の会話を役者2人だけで演じ分けてしゃべるのって、かなり滑稽なはずなのですが、それが怖かった。「私って一体誰?」っていう世界だったんです。「誰でもいい」「どうでもいい」「もしかすると死んでるのかも?」っていうところまでイっちゃってました。演技に何の迷いも無いので、というか、迷うことなど出来ないぐらい身体も言葉も全力投球だったので、その前向きなパワーがさらに恐ろしさを増しました。私にとっては岡本太郎のイメージ。

 彼氏をお見舞いに来る彼女が、包丁を持っているのが象徴的です。大島(立崎真紀子)はまさに村西(中村岳人)を殺しに来たも同然ですから(振るためにやってきたので)。

 ポストパフォーマンストークで関さんがおっしゃって、やっとわかったのですが、福島(橋口久男)が開演前から舞台の上手奥でかくれんぼするようにずっと立っていたのは、この作品全体が福島が見ている夢だった(かもしれない)という演出だったんですね。


 ≪ポストパフォーマンストーク≫ 
 出演=関美能留(三条会)、大川潤子(三条会)、榊原毅(三条会)、久保田芳之(reset-N)、寺内亜矢子(ク・ナウカ)

 演出の関さんがほとんどお一人でしゃべっていらっしゃいました。おぼつかない司会っぷりが五反田団の前田さんと比較されて面白かったです。関さんは、このポストパフォーマンストークの時間も観客を楽しませたいと思ってらっしゃるようで、「真面目に答えても面白くない」と思ったら、ふざけて答えたりされていました。破天荒な人だなぁと思いました(笑)。
 ※下記、印象に残ったことを書きます。私が理解したままですので細かい違いなどはご容赦ください。

 関:2004年6月に前田くんに誘われて、1月にオーディションをして、7月1日に配役をわりふって、7月終わりから稽古開始。登場人物は16人なんですが、12人でやりました。三条会の役者が6人なので外部の人は同じ数にしようと思ったから。
 「これはどうかな?」「だめだな」、「これはどう?」「だめだな」という試行錯誤を繰り返し、作品を創る(決める)のは本番1週間前とか3日前とか。「それで間に合うんですか?」と三条会以外の人は不安になりそうですが、いつもそうなので。(作品作りは)俳優との共同作業だと思っている。
 様式的なものも好きだけれど、それを否定したいという気持ちもある。

 質問:大声で笑う演技が多かったが、その演出意図は?
 関:ストーリーの流れの上での笑いではない。人は死ぬ。皆死ぬということを知っている。そして生きてる上でいっぱい痛みがある。その痛みや死に対して、全てを笑ってしまいたいという気持ちが僕にはある。歌いながら、踊りながら、笑いながら。死に向かうと悲劇的になるものだが、悲劇的に作っていると、死と関係なく流れてしまうことがあったので、(笑いで)ブツブツと切りたかった。

 質問:マクドナルドのポテトが出てきたのは何か意味があるのですか?
 関:僕は(空気が・芝居が)普通に流れるのが嫌い。なにか可笑しいものを入れたくなる。「可笑しいね、いや、可笑しくないかな?」というのもあり。でも別にポテト止めてもいいんですよっ(会場で笑いが起きる)。何かしら邪魔が入るものが欲しかっただけだから。
 俳優が舞台上でものを食べるって、「人間」って感じがありますよね。また、病院なのにマック、っていうのも何かヘンな感じがしますよね。アメリカには病院にもマックがあるらしいんですが(笑)。「あった方が面白いかな~」と思ったから入れただけです。理屈もあるんですが、それは後からつけるものですし、今話しても面白くないのでやめます(笑)。理屈づけは後からですから。

 質問:舞台はサナトリウムだが、何の病気のためのサナトリウムだと思って演出したのですか?
 関:○○という病気です、と言うと説明的ですよね。平田オリザがサナトリウムを舞台にした芝居を書いた・・・ということについて、頭の中はこんな感じかな?と考えながら(作りました)。もしかすると福島が死ぬ前に見た夢かもしれないし。非現実から「リアルって何だろう」と探していきたくて(こうなりました)。

 質問:音楽について。「サウンド・オブ・ミュージック」を使われた意味は?
 関:「高原」だからですっっ!!!すみません!それだけです!!(会場で笑いが起きる)。平田さんは音楽は使わないのだけれど、僕はひねくれているので使いたかった。今年は『若草物語』で歌って、『メデイア』で踊ったので、『S高原から』では笑おうかな、と。

 質問:イスの下にもぐった人は死んでいるんですか?
 関:えええっと、あれは・・・死んでいる・・・のかなあぁ??生死について僕は(よく)考えます。「あれ、もしかして自分は死んでるかも?」とか。例えば自動ドアが開かなかった時とか(会場で笑いが起きる)。妄想が生まれた時、どちらが現実なのかわからなくなったら、妄想なのか現実なのかの結論付けをしないで、落ち着けるのは無しにして、いい感じに、想像力を膨らませていただければいいな~と思います。

 質問:音楽のフレーズや盛り上がり、曲の終わり等が、だいたい演技と合っていた気がするのですが、あれは演出として指示を出しているのですか?
 関:指示は出していません。なんだかね、合うんですよね~。曲に乗って感情的になるのにはダメを出しています。役者に「ここで音楽と一緒にセリフを終えてね」と言うと、役者はその一つの仕事しかしなくなる。曲あわせ以外の仕事もやってもらいたいので、合わせなくても合ってるような稽古をしています。

 質問:関さんがダメ出しをされている所が全く想像できないのですが、どのようにされているのですか?
 関:ダメ出しをしなければならない時(要望を伝えたい時)は、その言葉を言うタイミングを考えて演出をしています。このダメ出しを伝えるなら、(稽古時間にではなく)通りすがる時がいいとか、メールで書く方がいいとか。稽古が終わってすぐにダメ出しをすると、共同作業でなくなる気がするから。ダメだなぁと思ったら2、3日置いてみて、それでもダメだったら電話で「あのシーンなんとかして~」って言うとか。集団として作っていきたいと思っています。

~「S高原から」連続上演~
【三条会組】出演=大川潤子(三条会)/岡野暢/鬼頭愛(百景社)/久保田芳之(reset-N)/榊原毅(三条会)/瀧澤崇/立崎真紀子(三条会)/寺内亜矢子(ク・ナウカ)/中村岳人(三条会)/橋口久男(三条会)/舟川晶子(三条会)/山本晃子(百景社)  ※キャストは50音順
原作=平田オリザ 演出=関美能留(三条会) 舞台美術=杉山至×突貫屋 照明=《五反田団・蜻蛉玉・ポツドール》岩城保《三条会》佐野一敏(三条会) 音響=薮公美子 宣伝美術=藤原未央子 制作=榎戸源胤(五反田団) 尾形典子(青年団) 木下京子(ポツドール) 斉藤由夏(青年団) 田中沙織(蜻蛉玉) 演出助手=《ポツドール》福本朝子 プロデューサー=前田司郎 主催=(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 企画制作=五反田団・三条会・蜻蛉玉・ポツドール/(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
前売・予約・当日共=2,000円 セット券=6,000円※予約のみ・枚数限定 こまばアゴラ劇場電話予約のみ取り扱い 03-3467-2743
公式=http://nise-s-kogen.com/

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Posted by shinobu at 00:15 | TrackBack

2005年09月20日

サントリーホール『市村正親One Actor's Show ペール・ギュントの旅』09/15-23サントリーホール 小ホール

 市村正親さんが一人で歌って踊って語る、イプセンの詩劇『ペール・ギュントの旅』。サントリーホール主催の演劇公演で、小ホールをこんなに長期で借りた公演は初だそうです。
 音楽と歌詞にムリがあって聞きづらいなぁと思いながらの2時間強(休憩20分を含む)。でも最後にはやっぱり満足させてくださいました。市村さんバンザイ!

 グリーグ(Edvard Grieg)作曲の“ペールギュント組曲”の「」なども演奏されました。

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 ≪あらすじ≫
 若いホラ吹きペール・ギュントがノルウェーの森の中の家を出て、波乱万丈に異国を旅して50年。70歳になって故郷に戻ってきたら・・・(幕にそったあらすじはこちら。でも今作品とは少々違いがあります)
 ≪ここまで≫
 
 小ホールはおそらく何もない四角い空間。そこに凸型のステージ。奥にはズラリと生演奏の方々。市村さんはキャットウォークのように出っ張ったステージを自由に動き回ります。観客席はコの字にステージを囲んでいて、私は舞台に向かって左側の席でした。

 とにかくね、市村さんが近い!!!最前列なんて思いっきり「小ホールで、君と握手!」状態だよ!私は残念ながら最前列じゃなかったのですが、それでも帝国劇場の遠さを思えばね、ドッキドキの近さです。

 音楽はほとんどシャルル・アズナブールのシャンソンで、グリーグの“ペールギュント組曲”からも数曲使われていました。アズナブールの曲はこう、ねっとりセクシーな感じで素敵なんですが、このお話には合ってなかった気がします。
 ほぼ何も無いと言える舞台で市村さんが一人でがんばって・・・という内容でしたので、歌(歌詞と音楽)が良くないとじっと集中してるのは難しいんですよね。なので少々眠くなったりもしました。横の席だったのもつらかったかな。遠くても正面から観たかった。

 『ペール・ギュントの旅』は『人形の家』でも有名な劇作家イプセンの詩劇です。かなりわかりやすく、カジュアルな演出でしたが、最後のメッセージには感動しました。物語の中に色んな隠喩(メタファ)があるようです(イプセンですもんね)。

 ここからネタバレします。
 
 ソルヴェイグに一目ぼれをしたけれど、金に目がくらんで他の女と結婚したペール。(中略)旅にでて奴隷貿易などで大儲けしたペールだが、船が難破して財産をすべて失った。70歳になって故郷に帰ると、なんとソルヴェイグはずっとペールの帰りを待っていた。

 謎めいたボタン作り(の男)が、帰ってきた老人ペールに言います。
 「お前を待っていたんだ。お前は自分を殺したことがない。だからお前の魂を溶かしてボタンをつくるのさ」「そしてお前はお前だったことがない」
 ペールは戸惑います。
 「自分を殺すって一体なんだ?」「俺が俺だったことがない?だったら俺はいったい何なんだ?」
 そしてソルヴェイグがペールに向かって言います。
 「大丈夫。あなたは、私の信仰、私の希望、私の愛に包まれていた。」

 「自分を殺す」というのはつまり「誰かを愛する」ということだと思います。ソルヴェイグは自分を殺し、ペールを愛していた。ペールは自分の心に蓋をして、地位や名声、金におぼれていた。でもソルヴェイグの愛を知って、ペールは愛されていた自分を知り、そこに自分自身を見出します。

 このソルヴェイグからペールへの愛を、市村さんは自分から観客への愛としても表現してくれるんです。なんて素敵な人なんだ!以下、市村さんのカーテンコールでのお言葉です。
 「『デモクラシー』、『モーツァルト!』と続いたので、半年間はつかまっていて、久しぶりに9月が休みのはずだったんですけど・・・(会場で笑いが起きました)。でもね、何かやれば、誰か(あなた)と会える。そう思っていつもやってしまうんです(笑)。」

"Peer Gynt"
出演=市村正親 演奏=城所潔(Pf)他 クインテット
構成台本・演出=鈴木理雄 台本協力=市村正親 美術=石井みつる 照明=原田保 衣装=小峰リリー 音楽=城所潔 音響=実吉英一 振付・ステージング=司このみ 舞台監督=小笠原響 制作=神林克樹(サントリーホール)/片野由利子(サントリー(株)) 主催=サントリーホール 協力=(株)ホリプロ
10000円(指定席) 一般発売日 6月19日(日) 12ステージ
公式=http://www.horipro.co.jp/ticket/kouen.cgi?Detail=59
サントリーホール内=http://www.suntory.co.jp/suntoryhall/perform/2005/0915.html
ぴあ=http://t.pia.co.jp/promo/play/i_masachika.jsp
「ペール・ギュント」市村正親が一人芝居=http://www.asahi.com/culture/theater/TKY200509150239.html

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Posted by shinobu at 23:38 | TrackBack

SHINKANSEN☆PRODUCE INOUE-KABUKI『吉原御免状』09/08-10/05青山劇場

 劇団☆新感線の新作は、隆慶一郎さん原作の時代小説の舞台化です。堤真一さんと松雪泰子さんを主役に迎え、劇団☆新感線のメンバーも勢ぞろい。立見席も完売した大人気公演です。
 キャストも装置も何もかもが超豪華な作品なのですが、私は面白みを感じませんでした。別に劇団☆新感線で舞台化しなくても・・・と思いながらの約3時間でした。

 舞台写真あり↓(2005/09/29追記)
 SHINKANSEN☆PRODUCE いのうえ歌舞伎『吉原御免状』公開舞台稽古
 大胆松雪泰子…舞台「吉原御免状」でナマ脚露出!

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 ≪あらすじ≫
 赤ん坊の頃に宮本武蔵に救われ、肥後の山で剣術を学んで育った松永誠一郎(堤真一)は、師匠の遺言に従って江戸の遊郭「吉原」の創設者・庄司甚右衛門(藤村俊二)をたずねる。
 家康より与えられた“吉原御免状”を奪おうとする裏柳生(古田新太ら)の激しい攻撃に立ち向かう中、「吉原」の本当の姿が浮かびあがる。そして誠一郎の出生の秘密も明らかになり・・・
 ≪ここまで≫

 原作小説はこちら↓。あらすじ等も詳しく載っています。

吉原御免状
吉原御免状
posted with 簡単リンクくん at 2005. 9.15
隆 慶一郎著
新潮社 (1989.9)
通常2~3日以内に発送します。

 舞台が吉原ですので艶やかなおいらん・遊女尽くしです。そりゃーもーキレイですよ。美術はダイナミックな回り舞台で、立ち回りにしても場面転換にしても見事な演出でした。でも・・・面白くなかったんだな~・・・。役者さんでかっこ良かったのは堤さんだけだったし・・・・。

 私は新感線が大好きなので毎回欠かさず観たいと思っています。誰も真似できないようなダイナミックな舞台装置、豪華絢爛な衣裳、ムダなほど大音量のロック・ミュージック、それを背負っても負けないシンプル&男意気のあるストーリー。キャスト・スタッフに日本演劇界の頂点ばかりが集結しているのに、「大の大人が何やってんの!?」と目を疑いたくなるようなおバカな笑いの連発!これらの新感線にしかないもの、新感線にしか創ることができない世界に、私は10,000円ものお金を喜んで払っています。

 だけどこの『吉原御免状』では、私が期待している新感線らしさが見つけられませんでした。新感線は、正面切ってキバって男らしさを見せている所に、完全にハズれるような笑いを創ってくれるからかっこいいと私は感じています。シリアスな歴史ものとか、時代ものとか、遊女のエロスとかは他の劇団(団体)の方が得意だと思うんですよね。だから何かにつけ中途半端に見えました。

 笑いがほぼゼロっていうのはリスクが大きいですよね。『SHIROH』などとは違って新感線所属の役者さんが重要な役どころに採用されているのですから、新感線らしい笑いを入れないと荒が目立つと思います。古田新太さんがただの悪役っていうのは物足りないです。古田さんじゃなければ出来ない役ではありませんでした。高田聖子さんの出番が少なかったのも残念。

 見得を切るところで「チョーン」と拍子木の音のような効果があるのですが(いのうえ歌舞伎ではおなじみ)、役者さんがガツンと勝負してくれている時は合うのですが、自信なさげで段取りを超えられていない時は鳴ること自体に寂しさが漂います。そのためか、音楽もちょっとダサいなぁと思いました。殺陣も精彩を欠きましたね。どうしたのかな。

 2大ヒロインの一人の京野ことみさんが、おいらん役なのに着物を着こなせていなくて、セリフにも心が入っていませんでした。衣裳がものすごく重たいのでしょうし、こっぽりは歩きづらいでしょうし、大変なのはよくわかります。でもそこは女優さんなんですからもっと頑張ってもらいたいですね。

 運がいいのか悪いのか、「新感線でこんなに良い席なのは初めてだよ!!」っていうぐらい良い席だったのに(前から6列目のど真ん中)、こういう感想なのがまた悲しい。

 堤さん演じる松永誠一郎の素朴でさわやかなキャラクターが新鮮でした。ふくらはぎと太ももを堪能致しました(笑)。

 ここからネタバレします。

 庄司甚右衛門(藤村俊二)が誠一郎に言う「優しさはワルだ」というセリフに強く共感!藤村俊二さん、どうぞお体を大切にしてください。心から応援しています。

 勝山(松雪泰子)に対する残虐な私刑シーンがありましたが、松雪さんの顔はそのままでしたよね。女なのだから顔を傷つけるのは必須じゃないのかと。ちょっと興ざめ。しっかしひどい私刑でしたよね。あんなに下劣なことは新感線の舞台では観たくなかった、というのが一ファンの感想。
 ★読者の方からメールを頂戴しました。原作でも顔は傷つけていなかったそうです。失礼いたしました。(2005/09/22)

≪言及ブログ≫
 某日観劇録
 →こんなに褒めている方もいらっしゃいますので、もしかすると日が経って良くなったかもしれませんね。私が拝見したのは9/13(火)ソワレです。


出演=堤真一/松雪泰子/古田新太/京野ことみ/梶原善/橋本じゅん/高田聖子/粟根まこと/藤村俊二/逆木圭一郎/右近健一/河野まさと/村木よし子/インディ高橋/山本カナコ/礒野慎吾/吉田メタル/中谷さとみ/保坂エマ/村木仁/川原正嗣/前田悟/二木奈緒/田畑亜弥/金子さやか/鶴水ルイ/熊本梨沙/鈴木かすみ/長谷川静香/武田みゆき/中間千草/仲里安也美/嶌村織里江/横山一敏/藤家剛/武田浩二/佐治康志/矢部敬三/三住敦洋/富永研司/吉田和宏
原作=隆慶一郎 脚色=中島かずき 演出=いのうえひでのり 美術=堀尾幸男 照明=原田保 衣裳=小峰リリー 音楽=岡崎司 音響=井上哲司 音効:末谷あずさ/大木裕介 振付=川崎悦子 殺陣指導=田尻茂一/川原正嗣/前田悟 アクション監督=川原正嗣 ヘアメイク=河村陽子 小道具=高橋岳蔵 特殊効果=南義明 大道具=俳優座劇場 歌唱監督=右近健一 演出補=小島靖 演出助手=山崎総司 舞台監督=芳谷研 宣伝美術=河野真一 宣伝写真=野波浩 宣伝画=東學 宣伝衣裳=小峰リリー 宣伝ヘア=河村陽子 宣伝メイク=内田百合香 協力=日本刀専門店銀座長州屋 宣伝=ディップス・プラネット 広報・票券=脇本好美(ヴィレッヂ) 制作協力=サンライズプロモーション東京(東京公演) 制作助=川辺美代 瀬作補=小池映子(ヴィレッヂ) 協力=新潮社 企画=前田三郎(キョードー東京) 制作=柴原智子(ヴィレッヂ) エグゼクティブプロデューサー細川展裕(ヴィレッヂ) 企画・製作=劇団☆新感線・ヴィレッヂ
*劇団☆新感線が初めて小説原作の舞台化に挑戦。原作は隆慶一郎の時代小説『吉原御免状』。
S席¥10,500 A席¥8,400 Z席¥5,500 立見席¥5,000
≪東京、大阪≫
公式=http://www.vi-shinkansen.co.jp/
イープラス特集=http://eee.eplus.co.jp/s/yoshiwara/

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Posted by shinobu at 13:44 | TrackBack

ユニークポイント『脈拍のリズム』09/14-19OFF OFFシアター

 ユニークポイントの作品を観るのはこれで2度目です。「突然娘を失った、ある夫婦の物語」というキャッチコピーを見ただけで避けていたのですが(悲しい話は得意じゃないので)、複数の人からの薦めがあって千秋楽にお邪魔しました。
 案の定、というか恐れていた通り、上演中は涙涙、鼻水鼻水、ハンカチハンカチ、たまにティッシュ・・・という一人顔面戦争状態でした(涙目)。

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 あらすじはこちらです。よくできた公演ページだと思います。作品を愛しているのが伝わってきます。

 人が死ぬ芝居は山ほどあります。最近はありすぎるぐらいです。だけどこの作品は、人が死ぬ前、死んだ瞬間、死んだ後を真摯に丁寧に描いており、一人の人間の死という出来事の大きさ、重さを本気で伝えようと勝負していました。
 なんて真面目なんだろうって感心しちゃいます。こんなつらいテーマをわざわざ選んで、しかも真っ向勝負です。※公演が終了していますので、ここからネタバレします。

 6歳の一人娘を事故で失った夫婦は、「どうして(なぜ)?」と、毎日、24時間、ずっと問い続けるしかない。そして自分の存在を否定するまでに自分自身を追い込んでしまう。そんな夫婦の生々しい姿を見つめて、私は涙ぼろぼろ。胃まで痛くなってきました。

 車で少女を轢いてしまった加害者は若いOLでした。彼女の婚約者があまりに礼儀知らずな若者で、見ていてイヤな気持ちになりました。保険会社の社員もまた、その婚約者と同様に世間を表すものとして登場していましたが、2人ともちょっとわざとらしい気がしました。演技もそうですが、意図的にイヤな人(イヤな気持ちにさせる人)を登場させているように感じてしまったからです。こういうお芝居では役者さんの技量の差やちょっとしたセリフのすれ違いなどが大きなリスクになるんじゃないかな。

 少女が車道に飛び出したのは、向かい側でぬいぐるみを動かして彼女を誘う人間がいたからだった。それは父親の後輩の妻だった・・・というどんでん返し的なエンディングには、ちょっと興ざめでしたね。彼女が3度も流産をしているということから辻褄は合いますが、先述のイヤな人と同様、「何かを伝えるために誰かを登場させる」とか「○○と言わせるために△△をしたことにする」というような、仕組みがあるような気がしてしまうからだと思います。また、真実が判明した時の後輩夫婦の演技がおぼつかなかったかも。

 舞台は夫婦が住む部屋の台所でした。シンクや電話台などは本物の家具を使っていましたが、部屋を囲むのがパネルではなく、細長い木の棒を網のように組んだものでした。劇場の壁がその木の隙間から露出していたので、狭いながらも透明感と広がりを感じられる気持ちの良い空間でした。上手の舞台上の柱もうまく使われていました。

出演=山路誠/安木一之/石橋龍/畑中友仁/中村紗夢/衣川真生/高田愛子/大野由美子
作・演出=山田裕幸 照明=福田恒子 音響=北川絢香 音響アドバイザー=井出比呂之 美術=福田暢秀(F.A.T STUDIO) 宣伝美術=kibito-design 宣伝コピー=千葉広樹 演出助手=ぼう 稽古場協力=にしすがも創造舎 主催=ユニークポイント
料金 一般2800円  学生2000円 事前入金割引2500円
前売り開始 8月13日(土)
劇団=http://www.uniquepoint.org/

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Posted by shinobu at 01:04 | TrackBack

2005年09月19日

KAKUTA『北極星から十七つ先』09/15-19シアタートラム

 大人気の劇団KAKUTA(カクタ)のダブルキャスト公演です。立見席も満席で通路に人が一杯の大盛況でした。
 私はデネブサイドを拝見いたしました。観終わった後、ヴェガサイドも観たいなぁと思ったのですが残念ながら叶わず。デネブは東北地方の方言で、ヴェガはより南西の地域の方言が使われていたそうです。

 私と同じステージをご覧になっていた方の感想はこちら。
 →脚本家・演出家 ブラジリィー・アン・山田の活動日記「汁だし」

 初演についても言及していてキャスト表もある感想はこちら。
 →休むに似たり。

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 ≪あらすじ≫
 とあるド田舎のサビれた駅の、朝から夜までのお話。駅員(本間剛)と売店で働くコウメ(原裕子)、近所のコンビニの店長(松井基展)、そして謎の女サリー(いしいなつき)は駅の常連。
 100年に1度の大流星群が来るという日(といってもそれは隣りの駅のことなのだけれど)、いつもより多く人が訪れた。まず、新任の駅員(成清正紀)が登場。さらに、昨日から勝手に駅長室に泊まりこんでいた女(瀧山雪絵)がいて、それはコウメの高校時代の同級生の祥子だった。
 ≪ここまで≫

 なぜ、こんなにさわやかな気持ちにさせられるのだろう。KAKUTAを観ていつも思います。よくありそうなワン・シチュエーション・青春ドラマかと思いきや、針でチクっと刺さすような刺激とともに重たいテーマも忍び込ませます。

 ここからネタバレします。

 祥子(瀧山雪絵)が待ち続けていたのは恋人。でも彼には同級生の寄子という妻(山中郁)がいる。駅で出会った祥子と寄子の女同士のガチンコ勝負になるのですが、あくまでも女の子のままなのがいじらしい。そして恐ろしい。これは女性演出家ならではの空気感だと思いました。

 シアタートラムは天井が高くて間口が広く、難しい空間だそうですが、しっかりと立て込まれて立体感のある美術に満足でした。駅のホームと改札口の間にある中2階のような空間が効いています。

 登場人物が音楽に合わせて踊りの振付のように動き、時間の経過を表すシーンは良いスパイスになっていました。『青春ポオズ』の時にも似た演出があって、その時もものすごく楽しかったんですよね。

 ただ、これだけ気持ちよく観させてもらったものの、誰かにお薦めできるかというとそれは難しい、という気持ちでした。
 KAKUTAの役者さんばかりではなく、今公演のために呼ばれた(もしくはオーディションで受かった)外部の役者さんが出演されています。役者さんの一人一人はしっかりと地に足がついた演技をされているのですが、全体と交わりあって一つの世界へとまとまっていないように感じられたのです。プロデュース公演によくあるんですよね。

 KAKUTAは今年、「星の一年」と名づけて星にまつわる3作品を上演していかれるそうです。第ニ弾はプラネタリウムを舞台に選んだ「朗読の夜」Vol.2。第三段は再び花やしきを占拠するようです。これは見逃せませんね。

ヴェガサイド【Vega】=若狭勝也/川本裕之/佐藤滋/高山奈央子/野澤爽子/馬場恒行/今林久弥(双数姉妹)/中野英樹(グリング)/舘智子(タテヨコ企画)/青山麻紀子/矢島淳子/吉田小夏(青☆組)/久保貫太郎/山口享佑子/熱田福美
デネブサイド【Deneb】=成清正紀/松田昌樹/原扶貴子/大枝佳織/横山真二/桑原裕子/松井基展/本間剛/いしいなつき/辰巳智秋(ブラジル)/山中郁(bird`s-eye view)/瀧山雪絵/吉田久代(ククルカン)/武藤心平(クロム舎)/長谷川美玲
作・演出=桑原裕子 舞台美術=鈴木健介(青年団) 舞台美術協力=横田修(突貫屋) 舞台監督=古賀裕治(ワーズ) 照明=西本彩(青年団) 音響=島貫聡 選曲=真生 衣装=山崎留里子 演出助手=田村友佳 宣伝美術=川本裕之 宣伝写真=相川博昭 写真モデル=北川義彦 田仲祐希 制作=前川裕作 五十嵐正至 企画・製作=K.K.T
ヴェガサイドとデネブサイドのダブルキャスト公演。
全席指定 一般 前売3,200円/当日3,500円 V・Dセット券5,800円(劇団のみ取扱い) SePT倶楽部会員割引 2,800円 世田谷区民割引3,000円
公式=http://www.kakuta.tv/

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Posted by shinobu at 23:52 | TrackBack

innerchild『遥〈ニライ〉』09/16-23吉祥寺シアター

 小手伸也さんが作・演出されるinnerchild(インナーチャイルド)の第10回公演です。小手さんは劇団☆新感線にも出演される役者さんですが、ご自身の劇団では精神世界に焦点をしぼった劇作と演出を続けていらっしゃいます。
 琉球とアイヌ、現世とあの世を飛び交う物語。少々難解ではありましたが、数ある戦争を題材にしたお芝居の中でも異彩を放つ視点を持つ作品でした。

 ※BACK STAGEにインタビュー等の充実した特集があります。

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 ≪あらすじ≫ 
 葦原ヤマト(三宅法仁)は沖縄の長老夫婦(今村佳岳・小椋あずき)を訪ねた。夫婦はその地で60年前に起こった出来事を語り始める。
 本土決戦間近の日本。平和に暮していた沖縄の若者達にも赤紙が届きはじめる。クシラ(古澤龍児)は海で死んでしまった恋人のカナ(石川カナエ)を探しに船を出す。嵐に呑まれて、時も空間も越えてたどり着いたのは、アイヌの地だった。
 ≪ここまで≫

 琉球語(琉球についてはこれからは沖縄と表記)とアイヌ語と現代日本語が混ざったセリフの応酬に頭が混乱して、前半は設定とストーリーを理解するのがすごく難しかったです。ちょっと眠くなったりも・・・。でも沖縄とアイヌが頻繁に行き来するようになってからは空間演出にグッと引き込まれ、涙がボロボロとこぼれてしまいました。死者と、そしていつか死者となる私達が吉祥寺シアターで出会いました。

 ここからネタバレします。

 沖縄の異界伝説「ニライ・カナイ」はアイヌ語で「根の下・空の上)」を意味するそうです(当日パンフレットより)。日本(本土)とアメリカの戦争の犠牲になった沖縄、江戸幕府に(領土と言う意味で)征服されたアイヌという点でも、沖縄とアイヌには共通するものがありますよね。この物語では、1945年の沖縄で死んだ若者は、おそらく18~19世紀頃の北海道に流れ着きます。

 クシラ(古澤龍児)にイクマ(小手伸也)が何度となく訴える「お前の善意に俺を巻き込むな!」というセリフに、今も昔も変わらない戦争の原因が表されているように思います。
 「自分の大切な人を守りたい」「無駄死にはしたくない」という“善意”から米兵を殺しに行く若い兵隊(ナサキ、テッタ、ムクオ)は、クシラ達と同様に死んでアイヌへと飛び、なんとアイヌ征伐軍(幕府軍?)となって現れ、アイヌとして平和に暮していたクシラやカナ、ヒカリの前に鉄砲を持って攻めてきます。
 1945年の沖縄で祈祷師(?)となってその場を霊視するハル(石村実伽)、青年に話して聞かせる老夫婦、そして芝居を観ている観客という、時間を越えた多数の視点からこのシーンを描くことで、その戦闘が今、芝居を観ている現実と同時進行で起こっているように感じられました。

 地球上で起こっている出来事は、どんなに遠い場所だとしても全てつながっています。イラクに無数の劣化ウラン弾が落とされたことも、アメリカをハリケーンが襲ったことも、日本に住む私達と密接な関係があります。
 私は輪廻転生を信じています。この作品で表れされる輪廻転生とよく似ているような気がしました。私が昨日ケンカした友達は、昔、私の母だった人かもしれない。彼が戦争で殺したあの人は、昔の恋人だったかもしれない。肉体を離れた命は、今も私のそばに居るかもしれない。
 つまり、はるか昔の出来事さえも実は現在と同時に起こっていて、過去の人(死んだ人)も現在の人(生きている人)も一緒に存在し、そしてそれらはぴったりと重なるぐらいに響きあい、結ばれているのかもしれない。少なくともあの瞬間、吉祥寺シアターの客席で私は、あらゆる命がひしめきあい、その光が縦横無尽に飛び交い、ぶつかり合っているように感じました。

 沖縄で長生きして天寿を全うしたハル(石村実伽)は、アイヌで死んだクシラ(古澤龍児)と死後の世界で出会います。無数の死者が行き交うラストシーンには涙が止まらず、終演後もしばらくは席から立てませんでした。

 平たく広がるステージを囲むように、さとうきびを象徴する細長いオブジェが高く伸びています。舞台の上下の袖だけでなく、床下(奈落)からも出入りがあります。死んだ人たちがニライ=根の下・根の国(黄泉)から出てくるのに背筋がゾクっとしました。

 お話や世界観には強く共感し、感動したので満足でした。以下、気になったところ。
 オープニング映像(役者紹介含む)が始まったのが開幕から約40分後でした。上演時間が2時間強の作品ではいくらなんでも遅すぎるか、と(笑)。映像が始まった時、思わず時刻を確認しましたし、「3時間ぐらいある大作なのかしら・・・(汗)」と思いました。

出演=古澤龍児/菊岡理紗/土屋雄/三宅法仁/宍倉靖二/小手伸也/石村実伽/小椋あずき/森岡弘一郎(無名塾)/児島功一(劇団ショーマ)/今村佳岳(カムカムミニキーナ)/池内直樹(SUPER★GRAPPLER)/岩﨑龍/櫻井無樹(千夜二夜)/石川カナエ/金子恵/笠井里美/中谷千絵(天然工房)/根岸絵美
作・演出=小手伸也 舞台美術=u-rec-a 舞台監督=清沢伸也 照明=伊藤孝(ART CORE design) 署名操作=大谷わかな 音響=尾林真理 映像=神戸ちぎ 衣裳=渡辺まり 衣裳製作=黒沢さおり ワタナベユカ 宣伝美術=土谷朋子(Citron Works) 小道具=櫻井徹 メイク=萩原麻弥 演出補佐=三嶋義信 GP撮影=田中亜紀 当日運営=三村里奈(MRco.) 制作=インンーチャイルド制作部 G-up(赤沼かがみ・伊藤恭子) 企画・製作=innerchild 後援=財団法人東京都歴史文化財団
全席指定 平日3,000円/土・日・祝3,200円 前売り開始 2005年8月15日(月)  全11ステージ
公式=http://www.innerchild-web.com/

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Posted by shinobu at 21:11 | TrackBack

2005年09月17日

明治大学文化プロジェクト『マクベス』09/16-17明治大学駿河台校舎 アカデミーホール

 明治大学が主催する明治大学生による演劇公演です。信じられないぐらい美しい劇場(キャパ700人以上)で、豪華な衣裳(朝月真次郎さんのデザイン)で、入場無料!

 いい意味で予想を裏切られましたね~。文化祭等でよくある発表会的な学生のお芝居とは一線を画す、3時間みっちり(休憩15分を挟む)の本格的な『マクベス』でした。
 そして特筆すべきはマクベス夫人(堀口茉純)!夜の徘徊シーンは、私が今までに観たマクベス夫人(芳本美代子Harriet WaIter高橋惠子麻実れい大竹しのぶ、ゲオルギーナ・ルカーチ20042005)の中でNo.1です。

 本日(2005/09/16)初日で明日のマチネ&ソワレで千秋楽です(マチネは追加公演)。予約制自由席ですので、早めに受付を済ませて前の方の席をゲットされることをお薦めします。舞台も広いし客席も広い!ご予約・お問い合わせは公式サイトへどうぞ。演出の谷賢一さんのサイトでは、創作過程の日記が読めます。明大のサイトに舞台写真がアップ(2005/10/02)。

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 『マクベス』のあらすじや見どころについては、こちらのページにきれいにまとめられています。

 言葉をとても大切にした正統派シェイクスピア作品でした。シェイクスピア等の古典演劇には詩のような長~いセリフがありますよね。そういったセリフはプロの役者さんでも、感情だけで押し切って、早口でまくし立てるように話して流しちゃうことが多いんです。だけどこのお芝居では、決して演技は上手ではないんですが(学生ですし)、言葉の意味ときちんと伝える丁寧なセリフまわしが、作品全体で統一されていました。『マクベス』をこれほどセリフで味わえたのは初めてでした。

 無料公演であること、学生による創作であることを鑑みないで(配慮しないで)、いつもの私の感想をそのまま言っちゃいますと→→→役者さんは一部を除いて全員下手です(しょうがないです)。残念だったのは美術。ほぼシンメトリーだし角ばったイメージのみで、高さはあるのですが立体感がありませんでした(袖幕が全くなく吊りものもなかったので、たぶん劇場設備の制限があるのだろうと予想)。衣裳はさすが朝月真次郎さんのデザイン、豪華でした~。だって『エリザベート』のデザイナーですからね。でも着こなせている人は少なかったな~・・・。

 演出については、人物像の掘下げがしっかり成され、独自の解釈も盛り込まれた充実の内容だったと思います。
 先述の言葉を聞かせるシェイクスピアであることも大きな魅力ですが、3人の魔女たちについての解釈や、マグダフとマルカム(ダンカン王の息子)の関係の描き方が面白かったです。マクベスとマクベス夫人はちゃんと夫婦に見えましたね。二人が一心同体(運命共同体)であることもしっかりと伝わってきて、心に残るカップルでした。
 あとは雄弁な音響効果も特徴ですね。音楽はメロディーが単調すぎて息苦しくなることがありました。あれは・・・選曲がもう一歩なのでしょう。立体的な空間作りはあまり出来ていなかったかな。美術のせいもあると思いますが、役者さんの動きが直線的でした。

 前半はシーンとシーンがプツリと途切れている感があり、少し退屈しました。でもダンカン王殺害のシーンは素晴らしかったですし、部分部分では魅せられました。バンクォーの亡霊が出てくる晩餐会のシーンはもっと工夫できるんじゃないかな。言葉重視とはいえ、亡霊が全然怖くなかったのは残念。
 後半はギュルギュルと音を立てるように、マクベスを中心とした残虐で狂った世界が加速していきます。マクダフの慟哭からマクベス夫人の徘徊、そして死体が山と積もる戦場へと一直線。すんなりとハッピーには終わらないエンディングも良かった。

 カーテンコールが終わって客電が点いても拍手が鳴り止まず、ダブルコールの準備をしていなかった役者さんたちが照れくさそうに、でも嬉しそうにぽとぽとと舞台に戻ってくるのが微笑ましかったです。

 すごいなぁ明治大学。これが2回目ってことは毎年続く企画なんですよね?ぜひぜひ続けていってもらって、誰が演出をするのか、誰が主役に抜擢されたのかが話題になるような、秋の目玉イベントに成長して欲しいです。

 ★ここからネタバレします。

 3人の魔女があんなにメランコリックな演技をするなんて予想外でした。セリフは脚本どおりグロテスクなんですが、ものすごくゆっくりじんわりと話しますし、やっていることは・・・遺骨をひろって供養しているような感じ。マクベスやバンクォーに予言を言い渡すのも決して彼等を陥れようとするような邪気の微笑みなどはなく、すごく悲しそうなんです。慈しみ深い母のような印象。

 マクベスとマクベス夫人、めちゃくちゃべったりくっついてましたね。夫人が初登場するシーンなんて押し倒すしキスするし、頭にぐるりと腕を巻きつけたり、頬をなでたり、抱き合いまくり。若くて熱い、可愛らしいカップルであることをまず前面に出していたんですね。そんな仲良しな2人が殺人に手を染め、お互いを叱咤激励し、頼り甘えながら死の淵へと一緒に追いやられていく・・・感情移入できました。
 ダンカン王殺害のシーン。王が眠る部屋へと進んでいくマクベスと、部屋から出てきたマクベス夫人が階段の中央辺りですれ違うのが良かったです。

 配役もほぼ原作どおりに登場し、カットもあまりされていないようです。でもマクベス夫人が短剣で自害する場面があり、そのシーンの解説ゼリフはカットされていました。あれはスピーディーで良かったと思います。

 貴族5人組はよくわかんないポジションでした。衣裳も着こなせてなかった感あり。でも鈴木さや香さん演じるロスは、最初の方のシーン(マクベスが王からコーダー領主を命ぜられる等)から、立場と意味がよくわかる丁寧な演技を見せてくれました。それが後半のマクダフとマルカムのシーンでも生きていました。

 西村俊彦さん(マクベス)。セリフは膨大だし、感情は豹変し続けるし、主役だし。大変な役を立派にやり遂げられたなぁと思います。前半はダンカン王を殺害した後の長ゼリフが良かったです。後半は凄みがあり、ストーリーをひっぱる役割を果たしていました。

 堀口茉純さん(マクベス夫人)。マクベス夫人といえば、闇夜に徘徊するシーンです。セリフに心が入っていて、動きも美しいし、目にも力があり、嘘がない!私は涙をボロボロこぼしながら、息をひそめて見入りました。「狂った女」の役は色々観てきましたが、『夜への長い旅路』での三田和代さん、『ハムレット』での中村芝のぶさんに匹敵する演技でした。堀口さんは元サッカリン・サーカスの女優さんで注目はしていたんですが、「やっぱりね」とこれで確信。あ、だから前半もっと頑張って欲しいです~。

 松村光さん(マクダフ)。高橋克典さんみたいな「熱い色男」っていう感じでちょっと引いたんですが(笑)、マクダフ最大の見せ場であるマルコム王子との対話シーンから魅力炸裂。マクベスとの一騎打ちでは、きちんとセリフを伝えつつ迫力の殺陣もやりきってくださいました。マクダフがマクベスを倒し、その首を切るところで泣いたのに驚きました。「え、なんで?」って。でも私も泣いてました。なんか空しくて悲しくて。

 遠藤恵一さん(ダンカン王)。前半はダンカン王のおかげで世界がきちんと成立していたように思います。だから死んじゃってからがつらかったのかも。

作=W.シェイクスピア 翻訳=松岡和子 監修=原田大二郎 演出=谷賢一(文学部3年) 衣裳デザイン=朝月真次郎 照明=渡辺省吾 殺陣指導=脇坂奎平 キャスト・スタッフ=明治大学生 主催=明治大学 
料金無料制。全席自由席。
公式=http://www.bunkaproject.com/

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Posted by shinobu at 02:05 | TrackBack

2005年09月16日

JACROW『カニバケツ』09/15-19劇場MOMO

 中村暢明さんが作・演出・主宰される演劇ユニットJACROW(ジャクロウ)の公演です。“コミカル&スタイリッシュなダークサスペンス”ということで前回公演とはかなり色合いが違いました。私は今回の方が好き。
 上演前のアナウンスで発表された上演時間が1時間20分!いやー爽快ですよ、この短さ!1時間半以内で終わる芝居、増えて欲しいな~。

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 ≪あらすじ≫ ※公式サイトおよびチラシより引用
 とある港町の廃倉庫に昔の強盗仲間が集まった
 7年前に隠した金を山分けするために
 時効が成立する時報にみんなは狂喜乱舞した
 出てきたのは金じゃなくて、アレだった
 犯人探しという名のダンスパーティが始まる・・・
 ≪ここまで≫

 山分けするはずの大金が消えていて、誰がそれを盗んだのかを仲間同士で詮索しあいます。そりゃーもー修羅場です。予想外の展開とどんでん返しの連続の1時間20分でした。何度も「ええっ!?」と驚かされて楽しかったです。

 役者さんの演技については上手い人と下手な人のバラつきが激しくて、作品全体の完成度としては高いとは言えません。でも、久しぶりに「誰が犯人なの!?」と集中しながら最後まで楽しめるクライム・サスペンスでした。笑いは少なめでしたね。初日だったから演技が堅かったのかもしれません。これから良くなってくれるといいな。

 ★ここからネタバレします。ネタバレ厳禁なストーリーですので、これから観に行かれる方はお読みにならないでください。

 倉庫に集まった強盗仲間5人(+招かれざる女1人)が居るところに、警察官(瀬戸口竜ノ介)が入ってくるのが最も衝撃的でした。想像つかなかったですよ、他人が入ってくる可能性はあるとは思っていましたが、まさか警察とは。しかも7年前の強盗事件についても知っていたのはさらなる衝撃。

 警官と泰子(髙橋今日子)がグルで、二重底になった穴からスーツケースが出てきた時は、さすがに私もこれでお金の顔が拝めると思ったんですよ。なのにまた「(金が)ない!」ってセリフが来た時はめちゃくちゃ驚きました。「これ以上、どうやって金を盗むんだ(盗んだんだ)!?」って。2度あることは3度あるって言いますけどね、たたみかけるように在り得ない(と信じていた)ことが起こるのって、刺激的ですよね。

 出川(大和広樹)と高校時代の同級生の透子(永野麻由美)がグルなのは最初から少しはわかっていましたが(最初のシーンで目くばせをしていたし)、透子が出川を裏切っていたっていうラストは痛快でした。
 そして「私、女優になれるかも♪」と7500万円を目の前にしてほくそ笑む透子の前に、再び林(牧山祐)が舞い戻ってきて、ジ・エンド。なるほど、誰もが逃げられない「カニバケツ」ってことなんですね。

 でも、「え、ここで終わりなの?」と意外に感じる終わり方でした。林のことをじっくりと時間をかけてクローズアップしていましたが、「林が現れた!」→「透子がビックリ!」→「その透子を見つめて林がニヤリ」というのを短く凝縮させて、ストンと暗転させたら鮮やかなエンディングになったんじゃないかしら。
 最後の暗転の後しばらくして明転したら、舞台には誰もおらず、後からドアを開けて役者さんが歩いて登場しましたね。あれは明転の時にすでに板つき(暗転中から舞台に役者が揃っている状態)の方がカッコいいと思います。

 さて、ちゃんとしたストーリーだったからこそ少し気になったところを一つ。一番初めに出てきた大きな銀色のスーツケースですが、出川は7500万円が入っていると信じて持っていたけど、開けてみたら中身は空っぽでしたよね。実際に全くの空だったので、ちょっとムリがあるかなぁと思います。だって、あまりに軽すぎて、持ったとたんに空だってわかるんじゃないかな。細かいつっこみなんですけど。

原作=牧山祐(東京オレンジ)/大和広樹(Chintao Records)/今村裕次郎(らくだ工務店)/志村健一(らくだ工務店)/髙橋今日子/土屋美穂子(Attic Theater)/永野麻由美(Rel-ay)/瀬戸口竜ノ介(伊トウ本式)
作・演出=中村暢明 舞台美術=伊藤秀男 美術補=杉江聡 照明=シミズトモヒサ 音響=筧良太(SoundCube) 宣伝美術=川本裕之 舞台監督=杉江聡 制作=黒田朋子 制作協力=吉野礼(少年社中)・恒川稔英 (ブラジル) 企画=JACROW
前売2800円 当日3000円(日時指定・整理番号付・全席自由)
公式=http://www.jacrow.com/

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Posted by shinobu at 16:47 | TrackBack

2005年09月14日

(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場『ニセS高原から【五反田団組】』08/28-09/27こまばアゴラ劇場

 話題の『S高原から』連続上演企画蜻蛉玉バージョンに続いて五反田団バージョンを観てまいりました。
 超満員だったため劇場が暑くて暑くて、上演開始から1時間経過する頃からあまり舞台に集中できなかったです。でも、長く感じたのはそのせいだけではなかったかもしれません。実際の上演時間も長かったらしく・・・(笑)。

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 ≪あらすじ~公式サイトよりそのまま引用≫
 近未来、夏。高原のサナトリウムの面会室が舞台。
 このサナトリウムには、不治の病におかされた患者たちが多く入院しています。下界から隔離されたサナトリウムでゆっくりと流れていく時間。死を待つということの意味が、その時間の中で淡々と語られていきます。
 患者たちと、そこを訪れる面会の人々や医師たちとの死や時間に対する観念の差異を微妙に描きながら、軽妙な会話を交えて、サナトリウムでの何も起こらない静かな午後が描かれていきます。
 ≪ここまで≫

 五反田団組の具体的な個性は、もともとの脚本を演出の前田さんがリライト(書き直し)していることと、登場人物が3名増えていることです。

 死と常に隣り合わせの緊張感とか絶望とかがあまり感じられませんでした。ピリっとした感覚が少なかったです。そういう空気を、間の抜けたようなおしゃべりと笑いで、敢えて濁しているように見えました。優しいなぁと思いましたし、面白いとも思いました。でも間(ま)が長過ぎると感じるシーンが多かったのと、シーンごとにプツリ、プツリと途切れていた感があり、作品全体としては蜻蛉玉組の方が私は好きでしたね。カラーがはっきり出ていたように思います。
 三条会とポツドールがさらに楽しみになりました。


 ≪ポストパフォーマンストーク≫ 

 ※演出の前田さんと役者さん4人が登場しました。前田さんは司会がとてもお上手ですし、すごく正直にお話してくださっている(ように見える)ので、五反田団のポストパフォーマンストークは大好きです。
 下記、印象に残ったことだけを書きます。言葉はすべて前田さんが話した内容です。私が自分の言葉で書いていますので、言葉は完全に正確ではありません。
 
 平田オリザさんの脚本は、ムダな思考やノイズがそぎ落とされている。でもそのムダなところから想像力を膨らませたい。そぎ落とされたものの中にこそ描きたいものがある。平田さんの作品は、龍安寺の石庭を見せて「どうだ、これでわかるだろ?」みたいな、観客にストイックさを求めるような作品だと思う。僕はサービス精神があって、面白いシーンとかを増やしたりしてしまう。そこを平田さんに「若いね」と言われたのだと思う(笑)。

 7分短くなったり、10分長くなったり、遊びが17分もある芝居なんです。今日は長かった。

 質問:なぜ登場人物が3人増えたのか?
 答え:2つ理由がある。1つ目→患者の数が足りないんじゃないかと思ったから。舞台が公共性のある場所(ロビー)だし。メインのストーリーに関係のない患者も登場させた。
 2つ目→最初に参加劇団(青年団、三条会、五反田団、蜻蛉玉、ポツドール)からオーディション・ワークショップをして役者を選んだ。一般のオーディションで自分の目に敵う役者が集まらないかもしれないとの危惧から、多い目に確保しておいた。僕は青年団の役者さんを使いたくて・・・(青年団の役者には個性的な人が多いという話)。でも蓋を開けてみたら面白い役者さんがいっぱい居た。ので、取りすぎちゃった・・・(笑)。 

 (今の演劇界には)演出家が足りていない。俳優が余っている。もったいない。
 三条会と蜻蛉玉の回が空いているので、快適に観ていただけると思います。人気と実力は比例しません。三条会はいつも千葉で活動しているので、東京で観られるのは今年は今公演が最後かも。ぜひいらしてください。

~「S高原から」連続上演~
≪スタッフ≫原作=平田オリザ 舞台美術=杉山至×突貫屋 照明=《五反田団・蜻蛉玉・ポツドール》岩城保《三条会》佐野一敏(三条会) 音響=薮公美子 宣伝美術=藤原未央子 制作=榎戸源胤(五反田団) 尾形典子(青年団) 木下京子(ポツドール) 斉藤由夏(青年団) 田中沙織(蜻蛉玉) 演出助手=《ポツドール》福本朝子 プロデューサー=前田司郎 主催=(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 企画制作=五反田団・三条会・蜻蛉玉・ポツドール/(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
前売・予約・当日共=2,000円 セット券=6,000円※予約のみ・枚数限定 こまばアゴラ劇場電話予約のみ取り扱い 03-3467-2743
公式=http://nise-s-kogen.com/
【五反田団組】演出=前田司郎(五反田団) 出演=青島美奈子/安藤玉恵(ポツドール)/稲毛礼子/岩崎裕司(青年団)/宇井晴雄/内田慈/大倉マヤ(双数姉妹)/大島怜也(PLUSTIC PLASTICS)/川隅奈保子(青年団)/西田麻耶(五反田団)/黒田大輔(THE SHAMPOO HAT)/佐藤幾優/高橋昭安(ク・ナウカ)/立蔵葉子(青年団)/能島瑞穂(青年団)/古舘寛治(青年団)/坊薗節子(カムカムミニキーナ)/増田理(バズノーツ)/山本雅幸(青年団) ※キャストは50音順 ★菊川朝子(Hula-Hooper)が体調不良の為降板し、代わって西田麻耶(五反田団)が出演・・・だったのですが、菊川さんが出演されていました。

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Posted by shinobu at 23:46 | TrackBack

2005年09月13日

フジテレビジョン『燕のいる駅』09/06-27東京グローブ座

20050912 tsubame-no-iru-eki.jpg
エントランス前のポスター

 東京グローブ座のジャニーズ所属の男の子が主演の演劇シリーズ。MONOの土田英生さんの脚本を青年座の宮田慶子さんが演出。東京サンシャインボーイズに参加していた宮地雅子さん、相島一之さんも出演される豪華キャストです。

 前知識ゼロで伺ったので、舞台設定およびストーリーに驚かされました。敢えて宮田さんはこういう作品を選ばれたのでしょうね。たしかに意義のあることだと思います。でもジャニーズのアイドル主演でやることないんじゃないかと思いました。キツかった・・・。

 舞台写真あり↓(2005/09/27追記)
 相葉雅紀主演『燕のいる駅』公開舞台稽古

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 タイトルから「ド田舎の駅を舞台にした青春悲喜劇かなぁ」と想像していましたが(なんて安直な・・・苦笑)、全然違いました。
 ここからネタバレします。これから観に行かれる方はお読みにならない方が楽しめると思います。

 ≪あらすじ≫
 舞台は2085年、燕が巣を作る季節。日本村3番駅は、昔ながらの日本の駅の佇まいが残っている小さな駅。若い駅長(相葉雅紀)と売店の店員(大西麻恵)は、誰も来そうにない駅でおしゃべりをしている。2人の間にはほんのりと恋の気配。
 突然、特急が駅に急停車することになった。隣りの駅で人身事故が起こったためだ。会社員3人と、赤いバッチを身に着けた女性1人、大学の卒業旅行中の女の子4人組が、列車から降りて日本村3番駅で足止めされることになる。

 その時代の日本⇒外国人は排斥され、日本村の外にある収容所に強制収用されている。外国人をリストラし、日本人だけを雇いいれる企業が増加している。外国人と結婚した日本人は左胸に赤いバッチを着用することが義務付けられている。直射日光は身体に害があるため、人々は外出時に真っ白い服およびマントを着用しなければならない。
 ※MONOのサイトにあらすじあり。1997年発表の作品を加筆・修正されたそうです。
 ≪ここまで≫ 

 まさか近未来の話で、人種差別・隔離が政策として行われている日本が舞台だとは・・・全くの予想外でした。恐ろしすぎて、ときどき吐き気がしそうになりました。
 「(フランスパンぐらい)大きなミミズを見た!」「そんなの居るわけないでしょっ」と笑い話をしている女の子集団の横で、「最近は突然変異でそういうのホントに居るのよ」とつぶやく会社員。
 人身事故が起きた駅と反対の方角に、パンダのような、タヌキのような形をした雲が見える。「おもしろ~い」と言いながら眺めていると、「そんな雲の下では人がたくさん死んでいるんだって、教授が言ってた」と、大学時代の思い出話がポロリ。
 ふわふわと楽しげに交わす何気ない会話と同時進行で、死(それも大量虐殺)に直結する出来事が起こっているのです。でも、誰も気づかない。

 木造の懐かしい駅の奥には、リニアモーターカーが停車しそうな、銀色に光るドーム状のホームが見えます。ドームの壁面にカラーの電光掲示板が光っていて、「電車が到着します」などの文字が左右に流れます。巨大などぎつい赤色の文字で「内まわり電車が発車します」と出た時は恐ろしかったです。だって、それに乗ったらあのパンダ雲の方へと行くんですものね・・・。

 覚えておきたいと思ったセリフを2つ(完全に正確ではありません)。
 「怖いですよね、何も知らない間に」
   →夫を収容所送りにされる妻の言葉
 「行列の中にいると、自分がどこに居るのかわからなくなる」
   →外国人排斥に反対して警察に捕まった男の言葉(姉からの伝聞)

 一昨日(2005/09/11)の選挙で自民党があんなに圧勝したことに、私はとても驚きました。夜中の3時過ぎまで、選挙結果を伝えるテレビをずっと見続けていました。私の母国、日本で一体何が起こったのかをしっかり理解して受け入れるには、情報のシャワーとそれを浴びる時間が必要だったのでしょう。
 「国民の総意」があらわれたとされるこの選挙において、私は何を望んでいて、結果、私の望みは叶ったのか。そして結果が出た今、私はこれからの日本がどのようになって欲しいと思っているのか。
 このお芝居の中の日本のように、私の日本が「何も知らない間に」私の望まない世界になってしまうことのないように、しっかりと目を見開いて、自分の位置を確認しながら生きていかなければと思います。

 駅長役は相葉雅紀(あいば・まさき) さん。「嵐」のメンバーです。ジャニーズのアイドルですし、初舞台でしょうし、可もなく不可もなくというところでした。設定上は売店の店員(大西麻恵)のことを好きなはずなんですが、嫌っているように見えました。のたうちまわって泣いて息声を絞り出すのとか、大変そうだなぁと思いました。そんなシーンが長すぎます。

 売店の店員の大西麻恵さんと、その友人で、警察につかまった弟に毛布を届けようとしている姉役の岩崎ひろみさんの演技がひどくて、見ていられませんでした。
 宮地雅子さん、相島一之さん、そのほか実力のある若手俳優が出演しているにもかかわらず、ドタバタと落ち着きのないシーンばかりで残念でした。

 赤バッチをつけた日本人なのに収容所送りにされることになった、駅長(相葉雅紀)の幼なじみ役を演じた猪野学さんが、涙を誘うシーンを作っていました。私も泣けましたが、感動はしませんでした。あからさまにお涙頂戴な感じがしてしまったので。

 ラストシーンでは、電光掲示板に真っ青でさわやかな空が映し出されました。その中央で赤い小さな爆発が起こり、そこから白くて茶色い雲がどんどんと空を覆うように広がっていって、とうとう画面は雲だらけになります。舞台中央では駅長が、燕の死骸を大切そうに手で包みながら立ちすくみます。鮮明に表現しすぎじゃないかな。出演者およびその客層に合わせたのかもしれませんね。私は好きになれないですが。
 
出演=相葉雅紀/大西麻恵/岩崎ひろみ/猪野学/野口かおる/加茂美穂子/亀田佳明/四篠久美子/村上寿子/藤井咲有里/小西美帆/宮地雅子/相島一之
作=土田英生 演出=宮田慶子 美術=松井るみ 照明=中川隆一 音響=長野朋美 衣装=半田悦子 ヘアメイク=佐藤裕子 舞台監督=澁谷壽一 主催=フジテレビジョン(東京公演)・関西テレビ放送(大阪公演) 企画・製作=フジテレビジョン 制作協力=東京グローブ座 運営協力=キョードー大阪(大阪公演) 協力=博物館明治村
S席8500円 A席7500円 B席5500円 全席指定
≪東京、大阪≫
公式=http://www.fujitv.co.jp/events/stage/st050906tsubame.html
東京グローブ座=http://www.tglobe.net/

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Posted by shinobu at 00:31 | TrackBack

2005年09月12日

パパ・タラフマラ『三人姉妹』07/02-03, 09/10-11スタジオSAI

 『三人姉妹』なのに「エロくてすごい!」というキャッチコピーに驚き。7月は逃したのですが、追加公演があったので行けました。これから12月にマカオでカウントダウン公演、1月は大阪、3月は福岡&仙台、そしてまた東京にも戻ってくるそうです。

 勝手に「お芝居」を期待して観に行ったら、「ダンス・パフォーマンス」でした。サイトにもチラシにもちゃんとそういう意味のことが書いてあるのにね。『三人姉妹』=「お芝居」っていう思い込み。すごいものです。

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 古い建物の四角い小さなスペースの中に観客が満員状態。80人ぐらいは入ってたかな。立見も5~10名。その回はポストパフォーマンストークもあったからでしょうか。でも4ステージが全席完売なんですね。

 3人の女性パフォーマーが激しく踊り、時にはマイクを通してセリフを言ったり、歌ったり。小道具を使って具体的な意味が生じる演技もします。表情も非常に豊かなのでダンス作品としてだけではなく、お芝居として観られます。

 最初は引きました・・・「エロい」と銘打っているとはいえ、いかにも女性が自ら発情している姿って見苦しいんですよ。でも(これは終演後のトークのゲストだった葛西薫さんと全く同じ感想ですが)、だんだんと引き込まれていって、踊りにも演技にも集中できるようになり、恥ずかしさや不可解さ等を乗り越えてパパ・タラフマラの『三人姉妹』の世界に入ることができるようになりました。

 チラシビジュアルにもありますように、肌を極端に露出する衣裳も身に着けます。でも、身体を包む部分が大きい衣裳の方が明らかにエロティックでした。踊り疲れた時の彼女達は情事の後のようで、意識が離れて投げ出された体がセクシー。

 ここからネタバレします。

 衣裳はぽっこりとふくらんだ牧歌的なスカートとブラウスなどの乙女チックなものから、黒ボンデージへと変化。そしてまたワンピースへと戻ります。色合いがとても良かったです。歌を歌ってらした関口満紀枝さん、ヘアスタイルが変わるだけであんなに変貌するとは。女は怖いですね。

 私が感じた『三人姉妹』の流れはこのようなものでした↓
 人形のようにあまり何も考えずに生きていた少女たちが、ある時、自分の感情のままに行動しはじめ、気持ちも身体も開放していきます。強い主張。激しいダンス。そして体力・精神の限界に達した頃から、自分というものを意識的に見つめるようになります。みっともなくて、恥ずかしくて、でも「何かをしたい」「何かが欲しい」という願望は確かに自分の中にあって、それを消すことはできない。そこに気づいた彼女たちは「(それでも)生きていかなければ」という境地に達します。
 
 ≪ポストパフォーマンストーク≫

 作品が良かっただけに非常に残念なトークでした。お話の内容がつまらなかったわけではありません。トークの進め方に問題があったためです。ゲストの葛西薫さんがとても有名なアート・ディレクターで、今回の観客はそれを目当てで集まったのだという決め付けが原因だったのではないかと思います。

 観客はチケットを購入して作品を観に来ているのであって、トークはあくまでもオマケです。オマケを渡す前に(トークを始める前に)、オマケがいるかいらないかを観客に選択させることが必要です。また、どんなに規模が小さな公演だろうが、一般にチケットを販売している時点でファンの集いではないのです。

 トークの直前に次回公演のCMが、プロジェクターで壁に大きく映し出されました。おそらく15秒だったと思いますが、テレビで流れているCMのように完成度が高く、「こりゃ観に行かなきゃかな?」と思わせる素晴らしいものでした。

出演=あらた真生(長女)/白井さち子(次女)/関口満紀枝(三女)
作・演出・振付=小池博史 音楽=松本淳一 衣裳=久保薗美鈴 オブジェ=山口百合子 照明オペレーション=渡部宏平 舞台監督=浅井香 制作=楢崎由佳 菊地理恵 橋本礼 南波冴 浅井香 中島智紗子 山本麻紗子 大久保有花 主催=パパ・タラフマラ 企画・制作=SAI Inc.
公演のトークゲスト=9/10(土)谷川俊太郎(詩人)/9/11(日)葛西薫(アート・ディレクター)
【料金】前売:2800円/当日:3000円
公式=http://www.pappa-tara.com/3sis/

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Posted by shinobu at 14:20 | TrackBack

2005年09月11日

こまつ座『小林一茶』09/08-25紀伊國屋サザンシアター

 こまつ座の第78回公演は讀賣文学賞、紀伊國屋演劇賞を受賞した『小林一茶』の15年ぶりの再演です。しのぶいちおしの北村有起哉さんがタイトルロールに大抜擢ということで、期待して劇場へと向かいました。上演時間は休憩を挟んで約3時間15分です。

 戯曲の約半分は七五調になっているという凄い作品。やっぱり手ごわかったのか、役者さんがまだ本調子ではなかったように見受けられました。

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 ≪あらすじ≫ こまつ座ホームページより抜粋・引用。
 「十両盗っても首が飛ぶ」文化七年(1810)。江戸蔵前で発生した金四百八十両の盗難事件。その容疑者として捕らえられたのは俳諧師の小林一茶。(中略)
 容疑者一茶の身元調べにあたるのは、新米の同心見習い五十嵐俊介、もとは狂言作者。(中略)
 物証はないが他にあてもない。そこで知恵をめぐらす同心見習。捜査の基本はひとつ。
 「犯人の立場になって考える=自分が犯人になってみることだ!」
 かくして、吟味芝居の幕が明く。五十嵐自ら主役をつとめ、疑惑の男の半生を演じ、白黒裁きをつけようというこの芝居。はたしていかなる真実がかくされているのか。
 ≪ここまで≫

 劇中劇という形式を取っていますが、主軸は小林一茶(こばやしいっさ=北村有起哉)と竹里(ちくり=高橋長英)という2人の俳人の半生記です。
 井上ひさしさんの最近の作品とは色合いが違うなぁと思いました。2002年の『天保十二年のシェイクスピア』(初演は1974年)でも思ったのですが、あらわな濡れ場やあからさまに人に敵対する言葉が多いです。ちょっと苦手なんですよね、私。2001年の『夢の裂け目』で初めて井上戯曲に触れた者には刺激が強すぎるのかしら。
 もしかすると木村光一さんによるこまつ座演出が、私の好みではないのかもしれませんね。『頭痛肩こり樋口一葉』『化粧-ニ幕-』そして今作と苦手なのが続いています。人間の汚い、暗い部分をギラリと黒光りするように表現されるのを、こまつ座であまり観たくないんですよね。

 私が観た回は役者さんのセリフ間違いが多すぎました・・・(涙)。残念ながら言葉に意味が乗らないまま、セリフをちゃかちゃかと進めてしまっている役者さんがほとんどでした。それが原因かどうかはわかりませんが、お芝居全体に覇気が感じられなかったですねぇ・・・。
 まだ3ステージ目ですのでこれから良くなっていくのでしょう。珍しく知り合いを2人連れて行きまして、結果、私はちょっと不満だったけれど、お2人にはご満足いただけたようでした。私はこまつ座のファンなのでね、辛口気味です。

 ここからネタバレします。

 480両を盗んだのは本当に一茶なのか。それを吟味するために一茶の半生を芝居にしてきたけれど、一茶を演じていた五十嵐俊介(北村有起哉)は、「気の小さい一茶がそんな大金を盗めるはずが無い」という結論に至ります。そこから、一茶を犯人に仕立て上げて得をしようとしていた自身番に集まった人々(=吟味芝居をしていた人々)に矛先が向きます。

 私達が生きている今の世界にもいっぱいありますよね。悪いこともみんなでやれば怖くないってことで、仲の良い友達であるかのように装って、実のところは誰かを出し抜いて犠牲にして、つるんで美味い汁を吸おうとしているだけの集団。私自身もいつどこでそんな泥の中に足を突っ込んでいるかわかりません。それくらいさり気なく、日常に何層にも織り込まれていると思います。
 五七五の発句の後に七七の脇句をつける俳諧から、五七五の発句だけの俳句へ、つまり誰にも頼らず一人だけで創作する世界へと旅立った一茶。ちょうど昨日観た『ウィンズロウ・ボーイ』で得た「正しいことをする」という意味にもつながると思いました。

 良かった役者さんは北村有起哉さん、キムラ緑子さん、小林勝也さん。残念だったのは高橋長英さん。体調が悪いのかな、ちょっと心配。竹里役の高橋さんの歯切れが悪いと、このお芝居は意味が分からなくなるんですよね。

 北村有起哉さんは期待に応えてくださいました。北村さんは言葉がご自身のものになっており、表情も動きも生き生きとしていました。いろんな演出家(栗山民也、マキノノゾミ、野田秀樹、鴻上尚史、鈴木裕美、長塚圭史など)と様々な種類のお芝居に出演されてきましたが、こまつ座にも溶け込むことができ、観客のみならず舞台上の仲間(役者)をこまつ座の世界へとぐいぐい引っ張り込んで、リードしているようにも見えました。お若いのに凄いキャリアですよね。そして来年5月の劇団☆新感線『メタルマクベス』にも出演されるそうで、またまた楽しみです。

 キムラ緑子さんは紅一点、お色気担当。さすがの貫禄と愛嬌で10代から50代の女性をかわるがわる自在に演じてくださいました。着物の着こなしと所作もきれいでした。
 小林勝也さん。遊俳(ゆうはい・生業を他に確保している俳人)の夏目成美役(悪役です)。さらりと余裕の佇まい。静かに柔らかく発せられる言葉も気持ちが良いです。

出演=北村有起哉/高橋長英/キムラ緑子/小林勝也/松野健一/永江智明/吉田敬一/田中壮太郎/佐藤淳/大原やまと/島川直
作=井上ひさし 演出=木村光一 音楽=宇野誠一郎 美術=高田一郎 照明=服部基 陰陽=深川定次/秦大介 歌唱指導=宮本貞子 所作指導=藤間藤三郎 殺陣指導=渥美博 衣裳コーディネーター=志田久 宣伝美術=安野光雅 演出助手=北則昭 舞台監督=三上司/木崎宏司 制作=井上都 高林真一 瀬川芳一
*第三十一回讀賣文学賞・第十四回紀伊國屋演劇賞受賞作
≪9/28~12/4 地方公演≫
前売り・当日共5250円 学生3150円(全席指定)
こまつ座:http://www.komatsuza.co.jp/ 
シアターパーク(作品紹介)(井上ひさし)(北村有起哉

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Posted by shinobu at 00:21 | TrackBack

2005年09月10日

自転車キンクリートSTORE『ウィンズロウ・ボーイ(The Winslow Boy)』09/07-18俳優座劇場

 イギリスの劇作家テレンス・ラティガンの戯曲を連続して3本取り上げる企画です。演出に坂手洋二さん、鈴木裕美さん、マキノノゾミさんを向かえ、演劇好きなら誰もがうなる、ツワモノぞろいの豪華キャストの3連弾。

 さて今回はその第1弾で演出は燐光群の坂手洋二さん。とても面白い戯曲でした。わくわくして、クスリと笑って、ほっこりして、終わった時には柔らな余韻が残ります。大人がじっくり味わえる良作だと思います。役者さんも静かに大奮闘。こういうお芝居を観た後のディナーやカフェタイムは最高ですね。

 休憩を挟んで3時間ぐらいありますが、長さは全く感じません。イープラスで得チケが出ています(なんと2500円!)。今日は通路席まで大入りでした。

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 ここから少しネタバレします。(読んでから観に行ってもあまり支障は無い程度に)

 演出の坂手さんは、最近届いたDMによると「まっとうなストレート・プレイに挑戦するのは初めてで、とても新鮮でどこか不思議な気持ちです」とコメントされているのですが、今までにストレート・プレイをやっているおつもりがなかったことに驚きました(笑)。
 でも本日観てまいりまして、たしかに坂手さんのカラーではない作品だと思いました。大きな波も小さな波も頻繁に立つけれど、常に優しくて穏やかで上品で、最後には丸くきれいに収まりがつきます。後味サイコー!・・・つまり坂手さんっぽくないですよね(笑)。

 ≪あらすじ≫ ※パンフレットより引用。(役者名)と(解説)を追加。
 第一次大戦前夜のロンドン。ウィンズロウ家は、銀行を退職した父アーサー(中嶋しゅう)、母グレイス(中田喜子)、婦人参政権論者の長女キャサリン(馬渕英里何)、オックスフォード大学生の長男ディッキー(佐藤銀平)、海軍兵学校で寄宿生活を送る次男ロニー(渋谷圭祐)の5人家族。
 キャサリンの結婚が決まったある日、ロニーが一通の封筒を持って突然帰省する。その内容は、校内で5シリング(今の日本円で約6,000円)の窃盗を働いたため退学に処す、というものだった。
 無実を訴えるロニーの言葉に、父は闘う決心をし、サーの称号を持つ高名な法廷弁護士ロバート・モートン(大鷹明良)に弁護を依頼する。そして、ウィンズロウ家の闘いは、家族を取り巻く人々だけで、世論をも巻き込む大きな論争へと発展していく。
 ≪ここまで≫

 舞台はウィンズロウ家の居間。家族とメイド、そして弁護士等が集まって会話をするのですが、そのやりとりおよび言葉がいちいち面白い!登場人物の関係性や性格が一目、一声でわかります。きめ細かい演技および演出が生きているんですね。

 ここからネタバレします。

 「正義を成すのではなく、正しいことをする」(セリフは正確ではありません)というのが、この戯曲が最も大切に伝えようとしているところではないかと思います。私も家族で会話をしている時に、いつもここでぶつかるのです。例えば憲法改正とか自衛隊派遣とかですね、正義の立場で考えるのと、何が正しいのかを考えるのとでは、結論が全然違ってくると思うんです。私はアーサー、キャサリン、ロバート・モートン、そしてラティガンさんの考えに賛成です。

 次男のロニー役(14歳)を本当に子役(渋谷圭祐)がやっているのが良かったです。最初はハラハラしたんですけどね(苦笑)。そんな子供に海軍学校が濡れ衣を着せたことが、この事件のポイントですものね。
 キャサリン(馬渕英里何)にずっと横恋慕してきたデズモンド・カリー(大石継太)のプロポーズに感動。後で父親(中嶋しゅう)に「あいつとは絶対結婚するな」と念を押されなかったら、私だったら結婚しちゃってるねっ(私のことじゃないけどさ)。
 最後のキャサリン(馬渕英里何)とロバート・モートン(大鷹明良)との会話のシーンは、意見をそのまま率直に伝え合うのが燐光群っぽかったかも。ちょっと粘りが足りなかった気がしました。

 衣裳がすばらしかったーっ!!ドレス、スーツ、燕尾服、何をとってもおしゃれで気が利いていて、上品なデザイン。材質は敢えて少し落とした感じがまた良いです。私には靴がツボ。何度も履き替えてましたよね~。キャサリンの青いブーツがNo.1かな。

 美術は1910年代のイギリスを思わせるにはシンプル過ぎる構造でした。すっきりしていて美しかったです。部屋の壁は薄黄色で、舞台奥一面に上下(かみしも)に広く建っていて、中央には庭へと続く大きいガラス戸があります。品のいい木製の椅子が舞台の周りに並べられており、舞台の真ん中には何もありません。そして部屋が閉じてないんですね。舞台奥以外に壁がないんです。ドアもありません。居間というよりは大きな廊下みたいな感じで、非常に風通しが良い空間です。あと、下手前の舞台をわざと無くして角ばった部屋にしているのがカッコ良かった。
 つまり美術はシンプルにして、衣裳はリアルに近づけたんですね。ごてごてしてなくて人物に集中できて良かったのかもしれません。

 役者さんの中では、法廷弁護士ロバート・モートンを演じられた大鷹明良さんが目玉でしょう!冷徹な敏腕弁護士はポーカーフェイスで感情を見せない。なのに突然奇声を上げるの!(笑)。強烈なキャラです。あ~怖い怖い、ほんとに大鷹さんってカメレオン役者さんだと思います。めちゃ気色悪い中年ブ男とかも(例:二兎社『萩家の三姉妹』)やられたりするのにね(笑)。今回は渋くてかっこ良くて見とれてしまいました。あの大鷹さんを見られるだけでも2,500円は安いです。

 そして泣かせてくださったのは母親役の中田喜子さん。この方の存在が、論理や正義といった一見、正しそうに見える逃げ道から、目を覚まさせてくれました。男と女はこうやって戦っているんだなって、また確認しました。

 馬渕英里何さん。ハマリ役だったと思います。好戦的なところとか(笑)。スラリとした体系に衣裳も映えて可愛らしかったです。キャサリンは30歳なので馬渕さん(確か25~26歳?)よりも年上の役ですよね。やっぱりその辺り、少し若すぎたかなと思います。

 チラシのデザインが群を抜いて素晴らしいですよね。見た途端フォーリンラブでしたよ、私。

 最近レビューの文章がどんどんと長くなってきているので、今回は簡潔を目指したつもり、が、やっぱり長くなってしまいました・・・難しいですね・・・。

テレンス・ラティガン3作連続公演“ラティガン祭り”
出演=馬渕英里何/大鷹明良/中嶋しゅう/中田喜子/大石継太/西川忠志/田岡美也子(グループる・ばる)/佐藤銀平(演劇集団円) /渋谷圭祐/萩原利映(グリング) /藤本浩二
作=テレンス・ラティガン 訳=常田景子 演出=坂手洋二 舞台美術=島次郎 照明=小笠原純 音響=島猛 衣裳=宮本宣子 ヘアメイク=田中エミ 舞台監督=森下紀彦 演出助手=川端秀樹
5,000円(全席指定、消費税込)●9/7(水)、9/8(木)、9/9(金)は4,000円 ●小学生未満のお子様の入場不可。
公式=http://www.jitekin.com/

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Posted by shinobu at 00:22 | TrackBack

2005年09月09日

東宝ミュージカル『エリザベート』09/01-30帝国劇場

 『エリザベート』はウィーンのオリジナル・ミュージカルです。1996年に宝塚歌劇として日本初演。2000年には東宝ミュージカルでも大ヒット。東宝版は2001年、2004年と再演を重ねて今年(2005年)で4演目。私はやっとのことで初見です。演出や曲数などに毎回変化はあるようです。

 面白かった~~~っ!『モーツァルト!』が好みじゃなかったので恐る恐るだったんですが、これは素敵♪ 女性がハマる気持ち、わかります(笑)。

 公式サイトで舞台写真が見られます。私が拝見した回の重複キャストの出演者は⇒内野聖陽(トート)、石川禅(フランツ・ヨーゼフ)、浦井健治(ルドルフ)、苫篠和馬(少年ルドルフ)。

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 ≪超簡単なあらすじ≫ ※イープラスの特集がわかりやすいです。
 ウィーンの王室、ハプスブルグ家に嫁いだエリザベート(一路真輝)のお話。
 ある日、おてんば娘のエリザベートは木から落ちて気を失います。死神のトート(内野聖陽)はその命を奪うはずだったのですが、彼女に一目ぼれ。そのまま生き返らせます。しかし運命のいたずらでエリザベートはハプスブルグ家の皇太子(石川禅)のもとに嫁いでしまい・・・。※その他、詳しい内容はこちら→ELJEN【Elisabeth】(エーヤン・エリザベート)
 ≪ここまで≫

 歴史上の実在人物エリザベートを中心に描かれる大河ドラマ色のあるミュージカルです。でも主役の恋のお相手が死神なので(笑)、ダーク・ファンタジーなんですよね。全編通して退廃的なのが良い!!
 美術、衣裳、振付などの全体イメージはデカダン・ゴージャスでとてもロマンティック。『モーツァルト!』でも有効に使われていた映像は、去年物議をかもしたLED映像からプロジェクター映像(ほとんど静止画)に変更されたようです(演出の小池修一郎さんがわざわざパンフレットに書かれています)。

 音楽は昔のポップスみたいな、少々演歌っぽいメロディーで聴きやすいし(語彙が貧弱ですみません。褒め言葉なんです)、同じ旋律が上手い具合に繰り返されるから「あぁこのメロディー聴いたことある!」という感覚が連鎖して気持ちが盛り上がります。
 歌詞は音楽の一音に日本語の一音が重ねられている感じで、言葉をゆっくりと味わえます。今も思い出せるな~、また聴きたいな~・・・ほらほら、ヤバイヤバイ、オリジナルCDとか欲しくなっちゃうから!(笑)。

 ここからネタバレします。

 なんでこんなに人気があるのかなぁと思ってですね(自分も気に入っちゃったし)、ちょっと考えてみました。やっぱりストーリーの中に女性が喜ぶ要素がいっぱいあるからじゃないかしら。例えば;

 ・ヒロインが非常に凛々しい性格である。そして不幸。
   →女に好かれるヒロインであることは重要です。不幸なら、なおさら味方になっちゃう。
 ・凛々しいヒロインが2人のイイ男(トートとフランツ)から愛される。
   →同時に多数の男から愛されるのは女の理想です。
 ・しかしヒロインはその愛に応えないので、男たちは長年にわたり彼女に必死で求愛し続ける。
   →これまた女の理想でしょう。
 ・愛としては成就するが、作品としては悲劇に終わる。
   →やっぱり愛は成就して欲しい。でも完全にハッピーになられちゃうと素直には喜べない!

 以上、女性のわがままな希望をことごとく叶えてくれています(笑)。嫌いになるところがなかったんですよね~。あ、髙嶋政宏さん演じる狂言回し的役割のルキーニはちょっと・・・苦手。

 内野聖陽さん。やっぱこの人に尽きます。もーね、ほんとにね、内野さん・・・エロ過ぎだってばっ(笑)!!エッチとかセクシーとかじゃないんです、エロなんですエロ!(少なくとも私にとっては!) 高くて柔らかい、あの声・・・あれが第一声だったものだから私は身震いしました。私にとっての内野さんは肉体派っていうか、ごっつい身体でガツンと見得を切るっていうイメージなので、完全に裏切られたんですよねぇ・・・。エリザベートの挙式後に歌う「最後のダンス」で完全にフォーリンラブでした。
 カーテンコールでつまづいたり(サービスで)、投げキッスしてくれちゃったりで客席沸きまくり。私も最後まで居ました。

 一路真輝さん。さすが宝塚の男役の方。動きに安定感があってシャキっとしてるし、見ていて安心です。細くて白くてきれい。歌は高音がよく出るなぁと思いました。

 石川禅さん(フランツ・ヨーゼフ。エリザベートの夫)。最初に若い役で出てきた時、なんで石川さんが!?と思ったんですが(だって可愛すぎる・・・笑)、年をとってからの演技&歌で納得。長い年月が過ぎ去ったことが身体を見ているだけでわかりました。

 浦井健治さん(王子ルドルフ)。内野さんとのデュエットにくぎづけ。無垢で真っ白、というか無機質な感じ。そそのかされて革命軍に入ってしまう、王子ならではの青さがうまく出ていました。自殺する時の表情、めちゃくちゃ素敵でした。オペラグラスで見てて良かった~。

 あとは皇后役の寿ひずるさんがさすがの貫禄で良かったです。

出演(メイン)=一路真輝/内野聖陽(Wキャスト)/山口祐一郎(Wキャスト)/髙嶋政宏/鈴木綜馬(Wキャスト)/石川禅(Wキャスト)/寿ひずる/村井国夫/浦井健治(トリプルキャスト)/パク・トンハ(トリプルキャスト)/井上芳雄(トリプルキャスト)/伊東弘美/春風ひとみ/藤本隆宏/笠原みち子/塚田三喜夫/治田敦/塩野魁土(Wキャスト)/苫篠和馬(Wキャスト)
出演(アンサンブル)=櫛田祥光/桜木涼/佐々木信彦/原田みのる/東山竜彦/森内遼/山田茂樹/山中大輔/青柳勝大郎/池田紳一/大谷美智浩/KENTARO/さけもとあきら/島田邦人/砂川直人/武内耕/俵和也/縄田晋/野沢聡/藤森徹/松澤重雄/森田浩平/秋園美緒/家塚敦子/一倉千夏/今宮多力香/小野佳寿子/柏木ナオミ/河合篤子/北林優香/栗原朗子/徳垣友子/長谷川美穂/Belle/丸山知津子/やまぐちあきこ
脚本・歌詞=ミヒャエル・クンツエ 音楽=シルヴェスター・リーヴァイ オリジナル・プロダクション=ウィーン劇場協会 製作=東宝株式会社 製作協力=宝塚歌劇団 後援=オーストリア大使館 東宝プロダクション監修:ウィーン劇場協会 演出・訳詞=小池修一郎 音楽監督=甲斐正人 美術=堀尾幸男 照明=勝柴次朗 衣裳=朝月真次郎 振付=島﨑徹・麻咲梨乃 歌唱指導=楊淑美・林アキラ 音響=渡邉邦男 演出助手=小川美也子・末永陽一 舞台監督=廣田進 オーケストラ= (株)ダット・ミュージック/東宝ミュージック(株) 指揮=西野淳 翻訳協力=迫光 プロダクション・コーディネーター=小熊節子 製作=岡本義次・坂本義和
S席13,000円/A席8,000円/B席4,000円
ダブル・キャスト、トリプル・キャスト公演。
キャストスケジュール参照=http://www.toho.co.jp/stage/elizabeth/cast_sche.html
公式=http://www.toho.co.jp/stage/elizabeth/welcome-j.html
イープラス特集=http://eee.eplus.co.jp/s/elisa05/

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Posted by shinobu at 01:06 | TrackBack

2005年09月07日

(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場『ニセS高原から【蜻蛉玉組】』08/28-09/27こまばアゴラ劇場

 やっと本日、はじめて『ニセS高原から』を拝見しました。私の中でのトップ・バッターは今企画唯一の女性演出家、島林愛さん率いる蜻蛉玉(とんぼだま)組。
 実は平田オリザさんの『S高原から』も観たことが無いので、正真正銘、知識ゼロで伺いました。

 装置は4チームとも同じなんですね。青年団バージョンの過去の舞台写真がこちらで見られます。

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 ≪あらすじ~公式サイトよりそのまま引用≫
 近未来、夏。高原のサナトリウムの面会室が舞台。
 このサナトリウムには、不治の病におかされた患者たちが多く入院しています。下界から隔離されたサナトリウムでゆっくりと流れていく時間。死を待つということの意味が、その時間の中で淡々と語られていきます。
 患者たちと、そこを訪れる面会の人々や医師たちとの死や時間に対する観念の差異を微妙に描きながら、軽妙な会話を交えて、サナトリウムでの何も起こらない静かな午後が描かれていきます。
 ≪ここまで≫

 第一印象は「うん、普通に楽しく最後まで拝見しました」ってところです。このチームの個性は、原作の登場人物の性別をすべて逆にしていること。兄妹が姉弟になっていたり、入院している男をその彼女がお見舞いに来るのを、病気の女を彼氏が、となっています。

 音楽は鳴りませんし小さな声で普段話す言葉のように会話をしますので、青年団っぽいと思いました。でも、行動や仕草が突飛で明らかに“オカシイ”人物が登場し、そのキャラクターに軸をシーンを作っているところも多く見受けられました。その点では青年団の作風とは違います。

 演出家ご自身曰く、蜻蛉玉は比較的“乙女チック”な作品を上演されているそうですが、今作では新たに付け加えられたシーン(ネタバレなので後述します)で蜻蛉玉らしさを発揮し、全体では“乙女チックさ”を控えたそうです。たしかに“乙女チック”という言葉が出てくるまでそのような感覚は全く持ちませんでした。その蜻蛉玉らしいシーンが一番のみどころだと思います。

 「彼氏が来てくれるのを待っている病気の女」という設定も良かったです。圧倒的に無力な姿が痛々しく、病気のパワーを見せ付けられました。演出家が女性で私自身もそうだからより感情移入したのかもしれませんし、こればかりは他バージョンを観ないとわからないんですけどね。

 さて、ぐるりと考えを巡らせた末の私の感想は⇒ 眼のつけどころは非常に真っ当で、真面目で、若いのに立派だと思う。女性ならではの細かい配慮も嬉しい。しかしながら、その演出意図を観客に確実に届けられていたとは思えない。また、青年団の作風に似ているため本家本元と比較せざるを得ない。どうしても物足りなさが残る。
 私は『S高原から』初見だったから最後まで普通に楽しんで観られたのではないか。もし主な流れを知っていたら退屈したのではないか。
 でも今日は楽しめたので結果オーライでございます。
 
 ここからネタバレします。

 サナトリウムで働いている医者や看護婦は、親切そうな顔や素振りをしておいて、実は呼んでもなかなか来てくれないし、患者やその家族、友人のことを考えているようで、本当は通り一遍の対応しかする気がありません(それぐらい多忙だし、慣れないとやっていけないからでしょう)。これは入院患者が多い大病院と同じ現象で、サラリとしながら非常に上手く描けていると思いました。

 付け加えられたのは、入院して4年目になる福島という女が、ソファーに横になったまま夢を見るシーンです。その夢には入院患者の吉沢(姉に追いかけられている弟)が出てきて、2人で闘牛の真似事をします。福島が赤い布(スイカを包んでいた風呂敷)を振り、吉沢がそれに向かって突進します。そのシーンの照明は海の中=胎内を表現したかったそうですが、そうは取れませんでした。うっすらと夢のシーンになったわね、と思う程度でした。
 その夢から覚めてソファに寝そべっている福島に、吉沢の姉がにじり寄ってきて「弟にヘンなことを吹き込まないで!」みたいなことをつぶやくんです。それがねー・・・エッチでした。夢に出てきた福島と吉沢の間に、恋とか愛みたいなものがあったかもしれないと想像できたから。サナトリウムの中に、人間味のある、例えばセックスとかそういう生々しいものの匂いが感じられて、空間がねっとりと膨らんだのです。私だけの妄想かもしれませんけどね。

 絵描きの女が「絵を描きたくても体力が持たない。ただ生きていたい。死にたくないから絵は描けない」というセリフ(正確ではありません)に共感しました。体力の無さには抵抗できないんですよね、人間は動物だから。また、その女がエレファントカシマシの「昔の侍」を歌うのが泣けた~。健康そのものの彼氏(赤アルファロメオに乗ってるボンボン)も「昔の侍」をハミングしてたので、上手い対比になっていましたね。また、男は部屋から出て行く時には「ルパンⅢ世のテーマ(歌詞あり)」を歌っていて、それは笑えた(笑)。

 ポストパフォーマンストークで島林さん「高原の隔離されたサナトリウムにずっと居る人たちは(患者も職員も)狂っている。徐々に現れる不条理からその世界はどんどんと壊れていき、最後の福島の死につながる」とおっしゃっていました。なるほど面白いですね。そういう壊れた空気はところどころ伝わってはきましたけれど、残念ながら大きなうねりにはなっていませんでした。悲しい事件が起こっても、その次の時間までの間の健康な人たちの会話などで、ブツブツと途切れていました。

 ≪ポストパフォーマンストーク≫ (2005/09/10追記)

演出家4人が全員揃っていました。豪華で嬉しかった。また、4人とも個性が激しいので(笑)眺めてるだけでも私にはけっこう楽しい時間でした。演出の島林愛さん。チラシ写真のロングヘアからボブぐらいに髪を切られていて清潔感もアップ。はきはきしゃべって元気で、そして可愛らしい。若いっていうだけじゃなくて本当に可愛かったです。

 客席からの質問がいくつかあったのですが、平田オリザ版をご覧になっているご年配の方からのご指摘のおかげで、変更されたところがわかりました(「風立ちぬ」が抜けていることなど)。平田オリザVS血気盛んな若者という図は容易に想像できましたが、トークでは年季の入った観客VS若手演出家という面もあり、充実した空間だなって思いました。

 あと、鋭い指摘があったんです。「ラストシーンで福島は死ぬのに、なぜカーテンコールで彼女がソファから立ち上がって一人で礼をするのか。自分は福島が横たわった状態で暗転し、明転した時には舞台上に誰も居なくなっているだろうと予想していた。」私は全然気づきませんでしたけど、おっしゃるとおりだなぁと思いました。これを受けて島林さんは「私は役者のカーテンコールの時の顔が大好きなので、あの顔を見せたかった。だから明転した時は福島ではなく、女優として立っていると私は思っている」とのこと。なるほど、カーテンコールの時の顔が好きという気持ちはわかりますが、作品の詰めとしては甘い気もします。まあ、全体の完成度をもっと上げられた時にまた考えられるといいんじゃないかな。

 ブルーベリージュースは本当にブルーベリーをミキサーで混ぜて作っているそうです。それは確かに“乙女チック”ですね。私は大賛成。どぎつい紫と果汁が絵的に効果があったのももちろんですが、あれはオレンジジュースじゃ表現できない隔離感でした。わざわざブルーベリーを育てて収穫して、それを生ジュースにしているんですものね、あのサナトリウム。ものすごく心が行き届いてそうだけど、実はかなりの自己満足。そういういやらしさが感じられて良かったです。

~「S高原から」連続上演~
原作=平田オリザ 演出=島林愛(蜻蛉玉) 舞台美術=杉山至×突貫屋 照明=《五反田団・蜻蛉玉・ポツドール》岩城保《三条会》佐野一敏(三条会) 音響=薮公美子 宣伝美術=藤原未央子 制作=榎戸源胤(五反田団) 尾形典子(青年団) 木下京子(ポツドール) 斉藤由夏(青年団) 田中沙織(蜻蛉玉) 演出助手=《ポツドール》福本朝子 プロデューサー=前田司郎 主催=(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 企画制作=五反田団・三条会・蜻蛉玉・ポツドール/(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
【蜻蛉玉組】出演=井上幸太郎/打田智春(蜻蛉玉)/大竹直(青年団)/北村延子(蜻蛉玉)/小松留美/佐藤恵(蜻蛉玉)/島田曜蔵(青年団)/島田桃依/鈴木智香子(青年団)/主浜はるみ/夏目慎也(東京デスロック)/西山竜一(無機王)/日比大介(THE SHAMPOO HAT)/望月志津子(五反田団)/安村典久/鷲尾英彰 ※キャストは50音順
前売・予約・当日共=2,000円 セット券=6,000円※予約のみ・枚数限定 こまばアゴラ劇場電話予約のみ取り扱い 03-3467-2743
公式=http://nise-s-kogen.com/

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Posted by shinobu at 23:52 | TrackBack

2005年09月06日

世田谷パブリックシアター『敦 ―山月記・名人伝―』09/06-15(9/3, 4プレビュー)世田谷パブリックシアター

 野村萬斎さんが、中島敦の小説「山月記」と「名人伝」を狂言師による現代劇として演出されます。
 劇場を支配するのは狂言師だからこそ創り出すことのできる荘厳な空気と、研ぎ澄まされた、透き通るような美しさです。前半は涙が溢れて鼻水がこぼれて(苦笑)止まりませんでした。
 大鼓(おおつづみ)と尺八ってあんなに凄い楽器だったんですね。今まで知らなかった。

 前売り券は完売です。私が観たステージについては当日券は約30枚出たそうですが日によって残枚数は変化します。また、当日券の内イス席は10席未満だったそうです。
 ※観に行かれる日の前日までなら、くりっくチケットセンター(TEL 03-5432-1515)で電話予約が可能。ただし予約できるのは立見席のみ。

 舞台写真あり↓(2005/09/29追記)
 野村萬斎構成・演出『敦』公開舞台稽古

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 今日は・・・野村万作さんに尽きます。もちろん萬斎さんの演出力があってこそ、この傑作が生まれたのだと思いますし、中島敦についてとか、狂言と現代劇との融合など、多くの視点から深い考察ができるだろうと思います。ただ、その中から一つだけトピックを選ぶとすると、万作さんの李徴(りちょう)なんですよね。

 珍しいことに今回、私は原作を読んでから伺いました。「山月記」は高校の授業で習った時、とても感動したんですよね。「名人伝」は自分が読んだ時に感じていたイメージと、今作品の演出とが全く違っていて面白かったです。

李陵・山月記
李陵・山月記
posted with 簡単リンクくん at 2005. 9. 6
中島 敦著
新潮社 (2003.12)
通常2~3日以内に発送します。

 ここからネタバレします。

 前半に「山月記」、休憩を挟んで後半に「名人伝」を上演する構成でした。脚本は小説をそのまま使用しています。狂言師の方々はあまりにセリフも演技も上手いので、「そして李徴は~~~と言った」というように自分で自分の役のト書きも読むのですが、違和感は全くなく、むしろそれも合わせて一つのセリフのように聴こえていました。

 美術はまさに漆黒の闇。黒光りする丸い床は鏡面仕上げで、立っている役者の足も映ります。その丸いステージの周囲を縁取るように一段高い三日月型のステージが設置されており、いわばキャットウォークのようになっています。可動式なので、舞台の周囲をぐるりと回って舞台前面に来る事もあります。

 「山月記」
 【配役】李徴=野村万作 袁さん=石田幸雄 敦=野村萬斎 敦たち=深田博治/高野和憲/月崎晴夫

 身動きひとつ許されないようなピーンと張り詰めた空気でした。闇に落ちる白い照明の中、4人の敦と白い虎=李徴(野村万作)が浮かび上がります。李徴が虎になって初めて兎を獲って喰らったことを語るシーンでは、舞い落ちる白い綿毛と白い虎に真っ赤な照明が当たり、狂喜と慟哭の地獄が一瞬間だけ現れました。美しすぎて、涙が止まらない。こんなことがあるんですね。

 野村万作さん演じる李徴および白い虎に、私の心の全てが奪われていたと思います。
 演技って一体、何なんでしょう。また全くわからなくなりました。万作さんは確かに李徴の憤り、悲しみ、悔恨などの感情を生々しく観客に届けてくださるのですが、決してご自身が感情に溺れてはいらっしゃいません。だけど能やパントマイム等のように完成された型から感情を伝えるような、ストイックな動きではありません。感情そのものを直接的に身体に反映するような、アグレッシブでリラックスした動きおよび発声をしていらっしゃいました。でも、実はそれも全て振付なのかしら?
 私が万作さんを通して感じたのは李徴の気持ちですし、また万作さんでもあったように思うのです。そして演出をされた萬斎さんと原作者の中島敦さんもまた、そこに居るような・・・。


 「名人伝」
 【配役】紀昌=野村萬斎 甘蠅・老紀昌=野村万之介 紀昌の妻・飛衛・主人=石田幸雄 都人士=深田博治/高野和憲/月崎晴夫

 前半と打って変わって、なんとコメディーでした。はっきり言って助かりました・・・前半で心身ともに疲労困憊しておりましたので、オープニングからクスっと笑わせていただいてホっとしたんです。

 天下一の弓の名人になろうと志した若者・紀昌(きしょう:野村萬斎)のお話です。まずは弓の名手・飛衛(石田幸雄)を師事し、過酷な修行を軽々とクリアしていきます。「虱(しらみ)」、「矢」、「的」などの漢字を動かす映像が愉快。

 萬斎さん演じる紀昌が、万之介さん演じる老名人の甘蠅(かんよう)の元で9年の修行をした後、萬斎さんは敦役に戻り、万之介さんが年老いた紀昌役になって山から降りてくるのは見事でした。
 でも萬斎さんが元気な紀昌役ではなくなった頃から、緊張感が持続できなくなって少し眠気が・・・ごめんなさい。前半で息絶えたも同然だったのですよ、私。 

 紀昌の妻・飛衛・主人の三役を演じられる石田幸雄さん。かつらが最高です。飛衛役の時に異常に大きな顎ヒゲを蓄えてらっしゃったのですが、そのヒゲを顎からクルリと顔の前をとおして頭上に置き換えると、女のかわいい丸髷(まるまげ)の出来上がり♪あの遊び心溢れるアイデアはどなたが出されたのかしら。

 萬斎さんは演出家としても一流なんですね。天才はやはり天才だ。

原作=中島敦 演出・構成=野村萬斎 美術=松井るみ 照明=小笠原純 衣裳=半田悦子 音響=尾崎弘征 演出助手=小美濃利明 舞台監督=勝康隆 プロダクションマネージャー=福田純平 技術監督=眞野純 かつら=川口博史(奥松かつら) 宣伝美術=杉浦康平+佐藤篤司+島田薫 
出演=野村万作/野村万之介/野村萬斎/石田幸雄/深田博治/高野和憲/月崎晴夫/亀井広忠(大鼓)/藤原道山(尺八)
S-7000 A-5000プレビュー公演料金:S-6000 A-4000
※月曜休演。未就学児童は入場不可。
公式=http://www.setagaya-ac.or.jp/sept/jouhou/05-2-4-21.html

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Posted by shinobu at 23:59 | TrackBack

2005年09月05日

ウォーキング・スタッフプロデュース『Dog-Eat-Dog』09/03-11THEATER/TOPS

 和田憲明さんが脚本・演出を手がけるウォーキング・スタッフプロデュース。今回は渋い男5人と美女1人が事実を探り合う、刑事たちのお話でした。
 ※舞台写真あり⇒YOMIURI ONLINE 緊張感途切れさせぬ展開

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 上演時間は2時間休憩なし。いつも通り緊張しましたし、熱い演技に引き込まれましたし、事態が一転二転する生々しい尋問に釘付けでした。スプラッター・ホラーや驚くことがとっても苦手だという方にはお薦めしづらいですが、迫真の演技で次々と繰り広げられる対話劇は見ごたえありです。

 ≪あらすじ≫
 ある塗装工場の社長が殺された。犯人は雇われていた知的障害者の津田(津田健次郎)。津田が犯行を自白しているので、担当の飯田刑事(飯田基祐)も伊達刑事(伊達暁)もひと安心。しかし班長の鈴木刑事(鈴木省吾)が尋問と捜査の甘さを指摘する。津田は障害者なので「社会性についての障害があり、殺意はなかった」と弁護されると、無罪になりかねない。そこで再びその事件を洗い出すことになったが・・・。
 ≪ここまで≫

 舞台は警察署の一室。その部屋の奥の大きなガラス窓の向こうに見えるのは尋問室。その窓は実はマジック・ミラーで、こちらから尋問室は透けて見えますが、尋問室からこちらは見えません。また、こちらでは尋問室の音声も聴こえる仕組みになっています。
 THEATER/TOPSの舞台面積いっぱいいっぱいの回り舞台で、シーンごとにくるりと回転して尋問室とその隣室が交互に手前に現れます。マジックミラーは本物なので、尋問室が前面に来た時、客席からは奥の部屋が見えません。この効果がたくみに利用されます。

 対話の中で、予想外の出来事が矢継ぎ早に起こります。何が原因なのか、何が真実なのか、何を悲しめば、もしくは喜べばいいのか。判断不能な展開にう~んとうなりながら、そのスリルとリアリティを満喫しました。
 また、一口に“刑事”と言っても色んな刑事さんが居るんですよね。登場人物一人一人の性格が、セリフや演技から少しずつわかっていくこと自体に、推理劇のような楽しみがありました。

 ここからネタバレします。★これから観に行かれる方は絶対にお読みにならないでください。

 当日パンフレットに掲載されている作・演出の和田憲明さんの文章によると、2001年の「レッサーパンダ帽の男による女子短大生殺害事件」や、映画「L.A.コンフィデンシャル」、映画「アンダー・サスピション」、横山秀夫さんの警察小説などがモチーフになっているそうです。

 一番初めのシーンで、夫を殺された妻(野村真美)が涙を流しながら「(犯人の津田は)もう二度と、一生笑わないで欲しい。主人はもう笑えないし、私も笑おうと思っても笑えないのだから」と、犯人に対する激しい怒りをぶちまけます。それはもう可哀想な女性に見えたんですよ。なのに次のシーンで鈴木がその妻について調査した内容(娘が夫との間の子供ではない等)を話し出すと、「可哀想」な印象が突然薄れて、嘘つきで冷淡で卑怯な、ずる賢い女というイメージが出てきます。また、犯人や被害者と同様に刑事達についても、シーンを重ねるごとに見え方が変わってきます。
 
 数々の尋問の結果、夫に殺意を抱いていた妻が、自分と肉体関係を持っていた知的障害者の津田に、夫を殺した罪を計画的になすりつけていたという事実があぶりだされます。でも真相があばかれてからも、事態が白へ黒へとどんどん転がるのです。やっぱり一筋縄ではいかないんですよね、和田さんの脚本は(笑)。観ている方がいやがおうにも想像力をフルに活用させたくなっちゃう。

 妻は自白を鈴木に録音されたので、きっと有罪になるでしょう。津田は社長殺人について無実が認められても、中村刑事殺しの現行犯で有罪ですよね。たとえ刃先を向けた動機が純粋な愛だったとしても。このことはレッサーパンダ男の罪に重なると思います。 

 津田健次郎さん。知的障害者の津田役。円・演劇研究所出身の俳優さんなんですね。障害者の演技がとても自然に受け入れられました。「演技している」という違和感が少なかったです。

 中村俊太さん。にへらにへら笑ってた「刑事に向かない」若手刑事役。常に人をバカにしたような薄ら笑いを浮かべ、可愛らしい顔をしながら心の中は真っ黒、みたいな役でした。テレビでご活躍の方なんですね。意外な配役だったのではないでしょうか(笑)。こういう人いるよなーって思えました。
 それにしても最後、なぜ彼は津田に刺されて血まみれになっているのに、再び尋問室に戻ってきたのでしょう。助けを求めて逃げればいいのにね。いやこれはね、ちょっとカッコ良かったんですよ。あの若手刑事がやはりタダモノ(普通の人)じゃなかったってことがあの一瞬でわかりました。

出演=中村俊太/飯田基祐/伊達暁/津田健次郎/鈴木省吾/野村真美/もう一人、男優さんが出演されていましたがお名前は不明。
作・演出=和田憲明 照明=佐藤公穂 音響=早川毅(ステージオフィス) 音響プラン=長柄篤弘(ステージオフィス) 音響オペレーション=上野知里(ステージオフィス) 舞台美術=塚本祐介 舞台監督=八重樫慎一 演出助手=小川いさら 演出部=上岡一路 芳賀信吉 衣装=戸門由佳 始沢尚子 特殊効果=Vanity Factory 宣伝美術=ラヴ&ピース川津 宣伝写真:アライテツヤ 宣伝ヘアメイク=野澤典子(POPPER) 宣伝スタイリスト=沢木祐子(スタイリストオフィス・バース) 宣伝写真モデル=佐伯花恵 制作=石井久美子 制作協力=石井光三オフィス 企画製作=ウォーキング・スタッフ
前売・当日共 3800円 (全席指定)
公式=http://www.ishii-mitsuzo.com/

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Posted by shinobu at 23:54 | TrackBack

2005年09月03日

THEATRE1010『写楽考』08/30-09/10THEATRE1010

 『写楽考』ということで江戸時代の幻の浮世絵師・東洲斎写楽のお話です。故・矢代静一さんの戯曲をマキノノゾミさんが演出されます。1971年初演で当時の主演は西田敏行さん(2度の再演後、竹中直人さんに引き継がれる)。その翌年に、矢代さんはこの戯曲で読売文学賞を受賞されています。
 矢代さんは女優の毬谷友子さん のお父様なんですね。

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 高橋和也さんと山路和弘さんは『グリマー・アンド・シャイン』に続いての共演ですね。そしてペンギンプルペイルパイルズの小林高鹿さんやラッパ屋の木村靖司さんなど、素敵な男優さんが勢ぞろい。こりゃ必見でしょう!と、早々とチケットを押さえておりました(ミーハーですね)。

 休憩15分を挟んで3時間10分ほどでした。役者さんは皆さん熱演ですし、戯曲も面白いし、演出も軽やかで楽しかったですけど、長かったですねぇ・・・。

 ≪あらすじ≫
 1974年。伊之(いの。のちの写楽)と勇助(ゆうすけ。のちの歌麿)は江戸八丁堀の八軒長屋で同居する若い絵師見習い。目指す方向も性格も正反対なのでよく衝突する。伊之は裕福な人妻のお加代と不倫関係で、金をもらいながら情夫を続けているが、ある事件が起きて・・・
 ≪ここまで≫

 アメリカン・ポップスやロック・ミュージックを編曲した音楽が使われて、熱い人間ドラマだけれど軽快に、娯楽作品として物語が進行します。また、天井近くに横に広い大きなスクリーン、そして上手と下手に縦に長細いスクリーンが設置してあり、文字映像や動画などで時代背景や意味をわかりやすく説明してくれるので、とても観客フレンドリーです。イッセー尾形さんがCG映像でフェノロサや永井荷風等に扮して写楽について語るのは、それ単体でめちゃくちゃ面白かったです。

 濡れ場がけっこう多くて、前から2列目だった私はドギマギでした(苦笑)。皆さん美しい方々ばかりですし、見栄えもするきれいなシーンでした。でもね、もっともっと本気でやってくれたら、私がテレることなかったのになぁとも思うんですね。こう、動き方は激しそうでも、心にその気が無いのが見えてしまっていて、過激な外観ばかりが目に付いてしまいました。ラブシーンって難しいですね、特に激しいのは・・・。

 ここからネタバレします。

 伊之(高橋和也)とお加代(西山水木)との不倫の肉体関係、そして劇的な情事殺人?(自殺幇助?)がこの物語の中の最大の事件であり、登場人物達の人生をガラッと変えてしまいます。赤い照明とパンチのある音楽で派手な演出が施されていました。でも、個人的にはもっともっとグサっと胸に刺さるような出来事として受け取りたかったです。見かけが大胆でも、核心には少しオブラートがかかっているような気がしました(そういう演出意図なのかもしれません)。
 第2幕で、お米(田中美里)とともに10年もの逃亡生活を続けた伊之が、「男女が体をむさぼりあうのは素晴らしいことだけれど、人間は動物とは一線を画すものであるはずで、それを俺はお加代に教えることが出来なかった」(セリフは正確ではありません)という境地にいたっていたのは感動的でした。
 他にも深く腑に落ちたセリフがたくさんあったのですが私の心に迫ってくる空気が持続してくれないので、集中力がところどころ途切れてしまいました。また、作品がとても長く感じたので、あまり記憶に鮮明に残ってくれませんでした。残念です。

 役者さんで、く~っ、かっこいい!!と思ったのは、山路和弘さん(十返舎一九役)と木村靖司さん(蔦屋重三郎役)です。
 山路さんはちゃらんぽらんな面と厳しい反政府主義者の面とを自在にあやつって、作品の大切なところを締めて、緩めて、観客を暖かく誘導してくださいました。関西弁がキュート。
 木村靖司さんはいわゆる金の亡者の悪徳商人を、渋くてかっこいい悪役に完成させていました。あのいやらしい睨み笑顔、しびれたわ~。いつもの甲高い可愛らしい声はなりを潜め、低くかすれて響く、ぎらぎら獲物を狙う賢い獣のようなうなり声でした。

 高橋和也さん(写楽役)。高橋さんは熱く燃えたりひどく落ち込んだりする激しい気性の役をよく演じられるんですよね。いつもの感じだなぁと眺めてしまっていたので、ちょっと物足りないかな(すみません、高橋さんについては求めるレベルが高くなってしまうのです)。高橋さんならではの写楽だったのかもしれませんが、できれば何かしら、もっと心や頭に引っかからざるを得ないような、意味が分からないけれど忘れられないような、特徴(魅力)が欲しかったです。でもあれだけしっかりと言葉の一つ一つを大切に伝えてくれる俳優さんはなかなか居ないと思います。

 田中美里さん(お米役)。少女らしい天然ボケで実際のところアタマも弱く、良かれと思ってやったことがどんどん裏目に出るという、可哀想なヒロインでした。棒読みチックな演技が気になりましたが、徐々にそれも可愛らしく見えてきました。どんなに崩そうとしても御嬢様のままであることって大切だと思います。その意味で田中さんは安心して見ていられる美人さんだと思います。後半は長ゼリフも多くて力演でした。

 小林高鹿さん(歌麿役)。若手俳優の大抜擢じゃないでしょうか。私も高鹿さん目当てでチケットを取りましたし♪ 冷徹で隠れた残虐性のあるキャラでしたが、まだまだ足りないなぁと思いました。もっとずるくてイヤな奴になって欲しかったです。女を見つめる眼や触れる手に殺意や欲情が感じられませんでした。高鹿さんのブログはこちら。写真も充実ですよ♪

出演=高橋和也/田中美里/小林高鹿/佐藤累央/麻生花帆/永滝元太郎/木村靖司/西山水木/イッセー尾形(映像出演)/山路和弘
作=矢代静一 演出=マキノノゾミ 美術=朝倉摂 照明=小川幾男 衣裳=三大寺志保美 音響=高橋巌 映像=奥秀太郎 演出助手=山田美紀 舞台監督=津田光正 主催=THEATRE1010 共催=TBSラジオ ニッポン放送 後援=東武鉄道株式会社
7月7日(木)一般発売開始。写楽席7,000円 (1階席15列まで) 歌麿席5,000円 (1階席16列~21列および2階席1列・2列) 千住席1,010円 (2階席3列・4列) ※千住席のみTHEATRE1010フレンズ会員10%割引販売の対象外
★千住席1,010円は土日完売ですが平日ならまだありますよ!(2005/09/01時点)
公式=http://www.t1010.jp/

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Posted by shinobu at 22:50 | TrackBack

9月3日(土)夜にFM西東京「たけがき2」に出演します。

 FM西東京の演劇情報番組「たけがき2」に出演いたします。毎月第一土曜日に出演の予定です。
 今回は前半に『エドモンド』の感想をお話し、後半は9月に観られるお薦めお芝居を3本ご紹介します。セミナーの宣伝も少しさせていただきます♪

 西東京市およびその周辺地域でお聴き頂けます。

 9月3日(土)21:30~22:00(の内の約10分間)
 FM 84.2MHz

 たけがき2(ツー):http://takegaki.k-free.net/

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Posted by shinobu at 18:25 | TrackBack

2005年09月02日

プレイボ~イズ『クライムス・オブ・ザ・ハート(CRIMES OF THE HEART)~心の罪~』09/01-04劇場MOMO

 プレイボ~イズサードステージ所属の俳優さんを中心としたの試演会ユニットです。今公演は大っぴらな宣伝はしていないそうですが、今日は満員でした。

 “CRIMES OF THE HEART”は1981年ピューリツァー賞受賞作で、アカデミー賞女優ばかりが出演した映画「ロンリー・ハート」の原作戯曲なんですね。私が映画を見たのはたしか中学生の時でした。で、今日この作品を観てわかったのは、当時の私はこの作品の意味が全くわかっていなかったということ(笑)。これは大人じゃないとわからないだろうな~。

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 アメリカが舞台ですので登場人物の名前がレニーやメグ、ベイブですし、出てくる固有名詞も英語をカタカナ日本語に直したものになっています。中盤まではその言葉にどうしても慣れなくて(役者さんの演技がおぼつかなかったのも原因だと思いますが)、誰の話をしているのか、何が起こったのかわからないままでした。※パンフレットに登場人物相関図が載っています。ぜひ開演前にお読みになってください。

 なのに、中盤から突然に涙がボロボロボロ~っ流れ出して、もーそこからはエンドレス。めちゃ悲しいんだもの!痛い痛い!胸がぎゅーってなるよぉ・・・(涙)。ということで最初はちょっとつらいですが、登場人物たちを見守りながらついて行けば、深い深い人間ドラマを味わえること間違いなし。特に20代以上の女性はかなり感情移入できるのではないかと思います。

 ここからネタバレします。

 ≪あらすじ≫
 アメリカ南部の片田舎の閉鎖的な街。祖父の面倒を見ながら一人で家を守っている長女レニー(30歳:生方和代)のもとに、ハリウッドで歌手を目指している次女のメグ(27歳:太田緑・ロランス)が帰ってきた。というのも三女のベイブ(小宮山実花)が大事件を起こしたからだ。ベイブは地元の名士ザッカリのもとに嫁いだが、そのザッカリを銃で撃ってしまったのだ。
 ≪ここまで≫

 この三人姉妹、登場した時はフツウの女の子たちに見えるのですが、家庭環境がめちゃ不幸なのです。まず、父親が蒸発しています。そして母親はそのショックで、猫を道連れにして首吊り自殺をしています。残された三人姉妹をひきとってくれたのがおじい様。そのおじい様も今は入院中で、家に一人残った長女のレニーが面倒を見ています。レニーは奥手で、実は子供を生めない体です。次女のメグは歌手を目指してロスに出て行ったのですが、歌が歌えなくなったために精神に異常をきたした時期もありました。三女のベイブは夫のザッカリから暴力や精神的苦痛を受けていました。

 舞台は「心の罪」でいっぱいでした。人は言葉で人を殺せると思いました。ベイブが黒人少年ウイリーと肉体関係を持ったことを聞いて、メグが「ニグロなのに!信じられない」と言ったり。ベイブの夫のザッカリが「決定的な証拠(ベイブとウイリーの密会現場写真)があるからお前は第一級殺人罪になる!」とベイブに電話で直接言ったり。従姉妹のチック(津留崎夏子)が「マグラス家(三人姉妹)に振り回されるのはもうたくさん!この家はおじい様の家なのよ!」と叫んだり。自分が何のためらいも無く正しいと思っていることって、実は鋭利な刃物のように他人に致命的なダメージを与えられるのですね。※セリフは完全に正確ではありません。

 英語から日本語への翻訳なのでどこかしら言葉づかいに違和感があります。その上セリフが膨大。また、三人姉妹はみな幼い頃に心に深い傷を負っており、ごく普通の女の子とはいえないキャラなんですよね。こういう役を演じることは、若い役者さんにとっては大きなチャレンジだと思います。

 生方和代さん。長女レニー役。子宮の病気で子供が生めないために、男の人に対して積極的になることができなかったというのが、終盤になってからしか明かされません。それが私にはツボでした。もー泣けて泣けて・・・。でも生方さんは深刻になりすぎず、明るく楽しい空気を生み出してくださったので、余計にその優しさが際立って、レニーの人の良さとなって現れていました。

 太田緑・ロランスさん。次女メグ役。母親の死体の第一発見者になってしまってから奇行に走るようになったメグは、一見、自分勝手で他人に迷惑をかけるばかりの人に見えるけれど、実は人の気持ちや苦しみがよくわかる優しい女の子だということが伝わってきました。自分の気持ちに正直に、感じるままに生きようとするために、常に我慢したり引っ込み思案になっている長女レニーと衝突しますが、それもレニーの本心(悲しみ)がわかるからじれったいんですよね。迫力のあるいい女っぷりを見せていただきました。

 小宮山実花さん。三女ベイブ役。いつも無理やり笑顔を作ってしまうという性格だったようです。それがわかるまでは意味不明な元気キャラでしたが、夫に暴力を振るわれていたこと、15歳の黒人少年と肉体関係を持っていたことなど、スキャンダラスな事実が明かされるにつれて、だんだんとその笑顔の意味がわかってきました。その時にはだいぶん彼女のことを好きになっていました。

 この三人姉妹の女優さんたちは、皆さん歌がとてもお上手でした。

"CRIMES OF THE HEART" by Beth Henley
出演=生方(うぶかた)和代/太田緑・ロランス/小宮山実花/津留崎夏子/辻京太/米山直之
作=ベス・ヘンリー 演出=ナンバー・ワン 音楽=小林章太郎 照明=伊藤孝(ART CORE DESIGN) 音響=会沢みゆき 舞台監督=上林英昭 照明操作=秋山絵美 音響操作=橋本絢加 舞台監督助手=金坂友美・橋本慶之 DMデザイン=ロノブ&サチ 写真撮影=板垣恭一&プレイガ~ルズ 制作=吉住太日誌 大蔵省三
日時指定・全席自由 ¥2500
プレイボ~イズ=http://www7a.biglobe.ne.jp/~playboys/

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Posted by shinobu at 23:49 | TrackBack

2005年09月01日

Ben-Croft 2WAY PLAY『G.W.錠』08/30-09/06新宿シアターモリエール

 Ben-Croft(ベン・クロフト)は公演ごとに出演者を集めるプロデュース形式の演劇ユニットです。主宰は唯一の固定キャストである小磯勝弥さん。脚本・演出は劇団員の大和田悟史さん。劇場入り口に大きなお花がたくさん届いていましたね~。

 今回は【M(男).version】と【F(女).version】のダブル・キャスト公演で、私は男バージョンを拝見しました。

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≪あらすじ≫
 G.W.錠という薬の治験が行われる病室。被治験者は若い男が7人。治験常連の法眼タクジ(高橋まさかず)を除いて全員が、劇団 俺流(おれりゅう)の元劇団員だ。団長が謎の失踪を遂げて劇団は空中分解しており、劇団内で一番下っ端だった鈴木ヨシオ(浅沼晋太郎)が、団長がいなくなった本当の理由を聞くために、「割の良いバイトがある」と声をかけて先輩達を集めたのだ。
≪ここまで≫

 チラシに書いてあるあらすじ(のようなもの)とずいぶん違いまして・・・ちょっと騙された気分(笑)。私は劇団モノのお芝居が苦手なのですぅ・・・。
 上演時間がちょうど2時間ぐらいありましたが、1時間ちょいで良かったかなぁと思います。

 男ばかり8人(被治験者+担当医)が入り乱れますが、役者さんが各自の持ち時間を自分で自由に使ってしまっていた様子でした。誰かとの対話でなく、自分ひとりで発する言葉が続きますし、セリフとセリフの間に不要な間(ま)が多いのです。これは演出が詰められていないのが原因ではないでしょうか。

 カーテンコールで女バージョンの宣伝をされていましたが、内容がかなり違うそうです。確かに男から女になると、ストーリーや設定を大幅に変えざると得ない内容だなぁと思いました。2時間の作品を2本作って交互上演されているわけで、それは大変なことだと思います。

 Ben-Croftは前回、代官山でミュージカルを上演されたんですよね。その作品の作曲を担当したのが、樋口アキラ役(小道具フェチ)を演じていらっしゃる深野良純さん。今作の音楽も作曲されているそうです。

 ここからネタバレします。

 真っ白な壁の病室にベッドが3台。下手奥の壁はゆるくアールになっていて、小さな四角い窓が3つあります。出入り口は上手奥にドアが一つだけ。
 オープニングでいきなり織田信長と土方歳三が同時に出てくるタイムスリップものの劇中劇が始まって、そのシーンは赤い照明で派手なつくりだったのですが、それから終盤まで照明の変化がほぼありませんでした。最後の最後に窓から秋の虫達の鳴き声が聞こえてくる以外は、音楽と音響も全くなかったと言って良いほどです。つまり、2時間ずっと役者さんの演技だけでつなげていくわけですから、より演技とその演出の質が問われることになりますよね。それはちょっと、つらかったんじゃないでしょうか。

 団長が失踪した原因は、団長の彼女とヨシオを除く劇団員全員が関係を持っていたからだ、ということが徐々にばれていきます。でもヨシオは「本当の原因は果たしてそれだけか?」と納得できず、さらに先輩達に質問を繰り返していく内に、実はヨシオの才能を劇団員の誰もが嫉妬していて、彼が目立たないように、彼の芽を摘むように、彼にプロンプターや被りものの役ばかりさせていたと白状します。
 さらに、一人だけ部外者だった治験常連の法眼タクジ(高橋まさかず)も、むかし劇団の主宰をやっていて逃げてしまった経験の持ち主だということがわかり・・・。
 うーん・・・劇団モノ、苦手です。
 
 浅沼晋太郎さん(TOON BULLETS!)。TOON BULLETS!は観たい観たいと思いながら未見なので、浅沼さんのことも初めて拝見いたしました。小さくて細くて、か弱い感じの方ですね。演技がとても堂々としていて自然で良かったです。最後に“才能ある役者”としての見せ場があり、そこではじめて黒ぶちの四角いメガネをはずします。なるほどギラっとした眼がかっこいいですが、私はメガネをしていた時の方が可愛くて好きでした。あ、好みの問題です(笑)。

出演=【M.version】小磯勝弥/浅沼晋太郎(TOON BULLETS!)/小林高之(TOON BULLETS!)/高橋まさかず(劇団ショーマ)/田中智也/手島昭一/中島真一/深野良純
【F.version】秋山恭子/猪狩敦子(TOON BULLETS!)/井上カオリ(椿組)/枝元萌/小林野和/武内由紀子(吉本興業)/中島真一/中野美絵
作・演出=大和田悟史 脚本協力=浅沼晋太郎(TOON BULLETS!) 舞台監督=さわまさし(かしこい僕達) 舞台美術=稲田美智子 照明=秋山武彦 音響=末谷あずさ(OFFICE my on) 衣装=依田由紀子(Bloom) 音楽=RYOJUN・佐藤美紀子 舞台写真撮影=高取剛充 パンフレット制作=力丸啓 宣伝美術イラスト=秋元机 宣伝美術デザイン=田中邦昭 COFFEE SHOP 票券協力=beyond 制作=和田小太郎・坂上裕美 制作協力=TUFF STAFF
2005年7月16日(土)より前売り開始。前売3,000円(日時指定・自由席/指定席)/当日3,300円(自由席のみ)/カップリングチケット(F&Mヴァージョン各1枚・劇団前売のみ)5,500円
公式=http://www.geocities.jp/bencroft2/

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Posted by shinobu at 23:38 | TrackBack

メルマガ 2005年09月のお薦め舞台

2005年9月のお薦め舞台10本+αをご紹介します。
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 “しのぶの演劇レビュー” Vol. 15     2005.9.1  681部 発行

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   今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪
                   
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 ◎芸術の秋♪ 演劇もシーズンです。今月も面白いお芝居がいっぱい!

    舞台には、あなたの心を揺さぶり、
      人生の輝きを増してくれる奇跡があります。

  “今から観られる面白い演劇”をどんどんご紹介していきます。
  お友達、ご家族、恋人と一緒に、どうぞ劇場を訪れてください♪

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     http://www.shinobu-review.jp/melmaga.html
  バックナンバーは全て公開しています。
     http://blog.mag2.com/m/log/0000134861


○○ 今回のもくじ
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 ◆1【今月のお薦め10本+α】
   
   ◎No.1→こまつ座『小林一茶』
      09/08-25紀伊國屋サザンシアター
       ≪東京、他地域公演あり≫
       http://www.komatsuza.co.jp/

 ◆2【先月のベスト3】

   ◎No.1→ホリプロ『電車男』
       08/05-27パークタワーホール
       ≪東京、大阪、名古屋、仙台、長崎、北九州≫
       http://www.densha-otoko.jp/

 ◆3【4人の若手演出家が、平田オリザの代表作を連続上演】

   ◎『ニセS高原から~「S高原から」連続上演~』
    http://nise-s-kogen.com/

 ◆4【WOWOWブロードバンドで小劇場作品の動画配信中!】

   ◎小劇場劇団の作品がWeb動画で観られます。
    http://www.wowow.jp/bb/

 ◆5【 ☆お知らせ☆ セミナーにゲスト出演いたします。】

   ◎アーツマネジメントセミナーシリーズVol.2
    「10年後、あなたは演劇、続けていますか?」第2弾
    http://www.unit-duo.net/duo_seminar/ams02.html

 ◆6【編集後記】

   ◎お盆休みに京都に行ってきました。

 ◆7【このメルマガについての注意事項】

   ◎はじめての方はどうぞお読みくださいね♪

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆1 【今月のお薦め10本+α】
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 ※★印がいちおし公演です(3本)。
 ※初日の早い順に並べています。
 ※掲載内容:主催・『題名』・日程・会場・コメント・価格・URL


1.THEATRE1010『写楽考』
  08/30-09/10THEATRE1010
  ☆出演=高橋和也/田中美里/小林高鹿/山路和弘/ほか
   作=矢代静一 演出=マキノノゾミ 
   写楽席7,000円 歌麿席5,000円 千住席1,010円
   ★千住席1,010円は土日完売ですが平日なら残席あり!
   (2005/09/01時点)
   http://www.t1010.jp/


★2.ウォーキング・スタッフプロデュース
  『Dog-Eat-Dog』
  09/03-11THEATER/TOPS
  ☆作・演出=和田憲明
   緊張感あふれる本気のドラマが味わえます。
   キャストも毎回楽しみです。
   前売・当日共3800円 (全席指定)
   http://www.ishii-mitsuzo.com/


3.世田谷パブリックシアター製作
  『敦 ―山月記・名人伝―』
  09/06-15(9/3, 4プレビュー)世田谷パブリックシアター
  ☆作家・中島敦の世界を野村萬斎さんが演出・出演。 
   一般:S席¥7000 A席¥5000
   プレビュー:S席¥6000 A席¥4000
   http://www.setagaya-ac.or.jp/sept/jouhou/05-2-4-21.html


★4.自転車キンクリートSTORE
  『ウィンズロウ・ボーイ(The Winslow Boy)』
  09/07-18俳優座劇場
  ☆テレンス・ラティガン3作連続公演
   出演=馬渕英里何/大鷹明良/中嶋しゅう/ほか 演出=坂手洋二
   前売・当日共5,000円(全席指定)
   ※9/7(水)、9/8(木)、9/9(金)は4,000円
   『ブラウニング・バージョン』、『セパレート・テーブルズ』と
   3作セットで観ると最大1,500円の割引になります。
   http://www.jitekin.com/


★5.こまつ座『小林一茶』
  09/08-25紀伊國屋サザンシアター
  ☆作=井上ひさし 演出=木村光一
   出演=北村有起哉/高橋長英/キムラ緑子/小林勝也/ほか
   第三十一回讀賣文学賞・第十四回紀伊國屋演劇賞受賞作
   前売り・当日共5250円 学生3150円(全席指定)
   ≪東京、他地域公演あり→こまつ座にお問い合わせください≫
   http://www.komatsuza.co.jp/ 

  ●お薦めポイント●
   井上ひさしさんの戯曲を上演するこまつ座は必見です。
   推理劇になっているというのも楽しみ。
   今、最も注目されている若手男優の一人である
   北村有起哉さんが、主役の小林一茶を演じられます。
   上演時間は3時間15分ぐらいのようです(途中休憩を含む)。


6.劇団☆新感線『吉原御免状』
  09/08-10/05青山劇場
  ☆原作=隆慶一郎 脚色=中島かずき 演出=いのうえひでのり
   出演=堤真一/松雪泰子/古田新太/京野ことみ/ほか
   劇団☆新感線が初めて小説原作の舞台化に挑戦。
   S席¥10,500 A席¥8,400 Z席¥5,500 立見席¥5,000
   ≪東京、大阪≫
   http://www.vi-shinkansen.co.jp/


7.Bunkamura『天保十二年のシェイクスピア』
  09/09-10/22Bunkamuraシアターコクーン
  ☆出演=唐沢寿明/藤原竜也/篠原涼子/夏木マリ/ほか
   作=井上ひさし 演出=蜷川幸雄 音楽=宇崎竜童
   空前の豪華キャスト・・・ですね。私は10月に観に行きます。
   S席¥13,000 A席¥10,000 コクーンシート¥6,000
   中2階立見券\4,000
   http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/event/tempo/index.html


8.KAKUTA『北極星から十七つ先』
  09/15-19シアタートラム
  ☆作・演出=桑原裕子
   「ヴェガサイド」と「デネブサイド」のダブルキャスト公演。
   今、一番勢いのある小劇場劇団のひとつです。
   前売3,200円/当日3,500円(全席指定)
   セット券5,800円(劇団のみ取扱い)
   http://www.kakuta.tv/


9.大川興業『Show The BLACK2 イウ コエ オト』
  09/13-19ザ・スズナリ
  ☆「90分真暗闇の演劇・見えない芝居・音と気配の芝居」
   出演=未公表 作・演出=大川豊
   ずーっと真っ暗だそうです。これは怖そう(笑)。
   前売3800円/当日4000円(全席自由・整理番号付)
   http://www.okw.co.jp/


10.tpt『カルテット』
  09/17-30ベニサン・ピット
  ☆出演=大浦みずき/千葉哲也(二人芝居です)
   作=ハイナー・ミュラー 演出=木内宏昌
   一般¥6300/学生¥3150(全席指定)※レパートリー券¥4200
   http://www.tpt.co.jp/top/quartet/index.html
   ※『道成寺』↓ をお求めのお客様は
    http://www.tpt.co.jp/top/doujouji/index.html
    この公演をレパートリー割引(¥4200)にて観劇可能。


 ◎しのぶの今月の全予定(28本+α)はscheduleに掲載しています。
  キャスト・スタッフ情報あり!
  http://www.shinobu-review.jp/schedule.html

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 ◆2 【先月のベスト3】
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1.ホリプロ『電車男』
  08/05-27パークタワーホール
  ≪東京、大阪、名古屋、仙台、長崎、北九州≫
   http://www.densha-otoko.jp/
  ☆話題の『電車男』。舞台版は原作の真髄に迫っていると思います。
   ネットの住人に重点を置いた脚本に軍配。めちゃ笑って泣ける2時間強。
  *メルマガ号外はこちら↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/0809002503.html
  *レビューはこちら↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/0809214518.html


2.こどもの劇場2005 アンデルセン生誕200年記念
  『雪の女王』08/18-26シアタートラム
  ≪東京、埼玉、福岡、岐阜、滋賀≫ 
   http://www.setagaya-ac.or.jp/sept/jouhou/05-2-4-19.html
  ☆ヒロイン・ゲルダ役の宮光真理子さんとの出会いに感涙。
  *メルマガ号外はこちら↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/0821005025.html


3.ベターポーヅプロデュース・ハンサムユニオン
  『初々しくエロやかに』
  08/24-29THEATER/TOPS
   http://www.betapo.com/
  ☆キュートなエロス満載♪ ハマる人はハマる不思議ワールド。
  *レビューはこちら↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/0825234857.html


 ◎メルマガのバックナンバーはこちら↓で全て公開中!
  http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000134861
  7月のメルマガ号外は『電車男』『雪の女王』を発行いたしました。


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 ◆3 【4人の若手演出家が、平田オリザの代表作を連続上演】
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 平田オリザさんの代表作『S高原から』を若手演出家4人が演出し、
 8月末から9月末までの1ヶ月間、4作品が連続上演されます。


  (有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 主催
  『ニセS高原から~「S高原から」連続上演~』
   08/28-09/27こまばアゴラ劇場
   http://nise-s-kogen.com/


 【五反田団組】演出=前田司郎 (五反田団)
   劇団⇒ http://www.uranus.dti.ne.jp/~gotannda/

 【三条会組】演出=関美能留 (三条会)
   劇団⇒ http://homepage2.nifty.com/sanjokai/

 【蜻蛉玉(とんぼだま)組】演出=島林愛 (蜻蛉玉)
   劇団⇒ http://homepage2.nifty.com/tonbodama/

 【ポツドール組】演出=三浦大輔 (ポツドール)
   劇団⇒ http://www.potudo-ru.com/


  ◎五反田団とポツドールは、フジテレビ『劇団 演技者。』で
   作品がTVドラマ化されています(五反田団はこれからですね)。
   ⇒ http://www.fujitv.co.jp/b_hp/engimono2/

  ◎三条会は知る人ぞ知る実力派劇団。主宰・演出家の関美能留さんが
   利賀演出家コンクール2001で最優秀演出家賞を受賞、
   2005年3月に千葉市文化芸術新人賞を受賞されています。


 ≪チケット≫
  前売・予約・当日共=2,000円 
  セット券=6,000円※予約のみ・枚数限定 
  こまばアゴラ劇場電話予約のみ取り扱い 03-3467-2743
  http://nise-s-kogen.com/

  ★売り切れステージ続出中!
   ポストパフォーマンス・トークのある回が人気です。
   特に【五反田団組】、【ポツドール組】の回は数ステージ完売の様子。
   ご予約はお早めに!


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 ◆4 【WOWOWブロードバンドで小劇場作品の動画配信中!】
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 “WOWOW NEXT ENTERTAINMENT GENETICS”
 (通称ワウワウ・ジェネティクス)というWebサイトで、
 小劇場劇団の作品が動画で観られます!
  こちら→ http://www.wowow.jp/bb/
  ※最初にプロバイダを選んでサイト内に入ってください。

 映画、コンサート、TVドラマ等の様々なコンテンツの中の一つとして、
 NEXT Stage(ネクスト・ステージ)というコンテンツがあり、
 今、注目されている小劇場劇団の作品を動画配信しているのです。
 ※月額525円(税込み)で見放題の有料動画コンテンツです。

 パソコンで気軽に過去作品を観てから、公演に足を運べますね♪
 無料(!)コンテンツもありますので、ぜひチェックしてください。
 

 ■ただいま配信中!

  ◎ヨーロッパ企画 http://www.europe-kikaku.com/
   『ムーミン』、『インテル入ってない』
   『サマータイムマシン・ブルース2003』
   ★総合ダイジェスト版あり(無料♪)

   ※Yahoo!プレミアム(月額294円)会員、またはYahoo!BB会員の方は、
    Yahoo!動画サイトでヨーロッパ企画の一作品が無料♪で観られます。
    (毎月演目が変わるようです)
     http://streaming.yahoo.co.jp/ →「ヨーロッパ企画」で検索
    

 ■9/1(木)~

  ◎KAKUTA(カクタ) http://www.kakuta.tv/
   『南国プールの熱い砂』
   ★予告ダイジェストあり(無料♪)
    ※メルマガ号外はこちら↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/0513121725.html


  ◎絶対王様 http://www013.upp.so-net.ne.jp/zettai/
   『やわらかい脚立』、『サンダードール』


 ■9/15(木)~
  ◎InnocentSphere(イノセント・スフィア)
   http://www.innocentsphere.com/
   『HELL FIGHTER』
    ※レビューはこちら↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/0326000341.html


 ☆ヨーロッパ企画は全国5箇所ツアー中で、9/3(土)より映画が
  全国ロードショーされます⇒ http://stmb.playxmovie.com/

 ☆KAKUTAと絶対王様は9/15から、InnocentSphereは10/1から
  公演が始まります。

 ※絶対王様とInnocentSphereについては予告ダイジェストはありません。
 ※配信時期等の最新情報についてはサイトでご確認ください。
  http://www.wowow.jp/bb/

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 ◆5 【 ☆お知らせ☆ セミナーにゲスト出演いたします。】
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 ネットワークユニットDuo主催のアーツマネジメントセミナーに
 ゲスト出演することになりました。

   ◎アーツマネジメントセミナーシリーズVol.2
    「10年後、あなたは演劇、続けていますか?」第2弾
    http://www.unit-duo.net/duo_seminar/ams02.html

 人前で、高野しのぶ個人としてお話をするのは初めてです。
 2ヶ月後のことなのに、今から緊張しています・・・(苦笑)。

 ◎日本(東京)で活躍している劇団・創作集団の形態や、
  目指す方向の多種多様さについてお話ししたいと思っております。
  今、自分が日本演劇界のどの位置に居るのかを確認したり、  
  将来につながるヒントを見つけていただけたら嬉しいです。

  演劇の作り手の方も、観客の方も、どうぞお気軽にお越しください♪

 ≪日時≫
   11月6日(日)18:00~21:00
 
 ≪場所≫
   芸能花伝舎(東京・西新宿)
   地図⇒ http://www.geidankyo.or.jp/12kaden/08access/index.html

 ≪受講料≫
   3,000円(受講料は当日お持ち下さい)

 ◎舞台芸術コーディネーターの川南恵さんとの対談形式です。
  川南さんは聡明で包容力のある方で、お会いする度にパワーをいただきます。
  新国立劇場 演劇研修所の現・教務主任でいらっしゃいます。
  http://www.nntt.jac.go.jp/training/drama/index.html


 ★定員予約制です。先着順で定員になり次第締切られます。
  お申し込みはこちらへ↓
  http://www.unit-duo.net/duo_seminar/mail/index.html

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 ◆6 【編集後記】
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 ◎ただいま「しのぶの演劇レビュー」サイトではシステム不具合のため
  REVIEWの更新に長時間かかっている状態です。
  ご迷惑をおかけして申し訳ございません。
  最新情報はGUEST BOOKで随時ご報告してまいります。
  http://www.shinobu-review.jp/guestbook.html 


 ◎2005年秋にオープンしたいと考えている
  演劇ポータルサイト「劇場へ行こう!」が
  fringeのTOPIC(2005/8/31)に取り上げられました。
  http://fringe.jp/topics.html
  ただいまコツコツ製作中・・・がんばります!


 ◎お盆休みに京都を訪れました。歩くだけで幸せになります。
  老舗らしき和菓子屋さん「亀屋良永」にフラリと入って
  ⇒ http://www.digistyle-kyoto.com/hyakumikai/hyakumi_63.htm
  「琥珀糖」という、ようかんのような夏のお菓子を買って帰ったのですが
  も~、美味しすぎて涙目になりましたっ! 京都に行かれた際はぜひ!


 ◎パフォーミング・アーツ・マガジン[バッカス]02号
  私が書いた劇評(Ort-d.d『四谷怪談』について)が掲載されています。  
   http://www.7andy.jp/books/detail?accd=31442121


 ◎「劇場に足を運ぶことが、日本人の習慣になって欲しい」
  それが私の望みです。
  これからもこつこつ、地道に進んで行きたいと思っております。
  皆様、どうぞよろしくお願いいたします♪


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 ◆7 【このメルマガについての注意事項(毎号同じ内容です)】
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 沢山の人に演劇に触れてもらいたい! ので、クチコミ・転送 大歓迎です♪

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Posted by shinobu at 00:53 | TrackBack