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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2005年10月03日

青年団『S高原から』09/30-10/05こまばアゴラ劇場

 若手演出家による『S高原から』連続公演企画の締めくくり。本家本元の登場です。舞台写真はこちら

 1991年に書かれた戯曲で、その時から20~30年後の“近未来”を描いた作品だったんですね。そういう視点で観ると『ニセS高原』の4作品とはスタートラインが全然違うんだなぁと思いました。

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 ≪公式サイトより≫
 高原のサナトリウムで静養する人、働く人、面会に訪れる人・・・。
 静かな日常のさりげない会話の中にも、死は確実に存在する。
 新演出、新キャストで、今、平田オリザが新たに見つめ直す「生と死」。
 ≪ここまで≫

 「死」はあんまり感じなかったですね。それよりも、資本主義にどっぷりはまり込んで、美とか命とかよくわからなくなった下界の人々(健常者)と、そういう社会とぷっつりと縁切りをさせられて、弱っていく体を自覚しつつ、ただ生きるということをコツコツ実践している人々(病人)との差異が、具体的に表れていたように思いました。
 特に画家の西岡(奥田洋平)とその婚約者(辻美奈子)のシーンで顕著でした。西岡は病院でモデルをやってもらってる前島(能島瑞穂)と恋に落ちているんだろうなぁと、ラストシーンで思いました。その前島はもう1年も持たないんですが。

 好き嫌いとか自分が楽しめたかどうかという点では、この作品は私にとってはあまり面白くなかったです。役者さんの演技がわざとらしく見えることが多かったからですね、たぶん。朗らかだったりおっとりしていたり、全体的に柔らかい印象なのに、突然ナイフで刺しかかってくるような暴力的な言葉や表情をするのが、どの登場人物にもまんべんなく仕込まれていたように感じました。

 『ニセS高原』に出ていた青年団の役者さんで今作にも出てらっしゃる方が多くて、配役が違ったりするのが面白かったです。

出演=志賀廣太郎/たむらみずほ/辻美奈子/秋山建一/月村丹生/岩崎裕司/端田新菜/能島瑞穂/古屋隆太/奥田洋平/田原礼子/古舘寛治/井上三奈子/大竹直/村井まどか/山本雅幸
作・演出=平田オリザ 舞台美術=杉山至×突貫屋 舞台美術写真=田中流 装置=鈴木健介 照明=岩城保 宣伝美術=工藤規雄+太田裕子 宣伝写真=佐藤孝仁 制作=澤藤歩 田代麻衣 西山葉子 協力=(有)あるく (株)メディアプレス 主催=(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
日時指定・全席自由席・整理番号付 前売・予約・当日共:一般=3,500円 学生=2,000円 高校生以下=1,500円
青年団=http://www.seinendan.org/
公演=http://www.seinendan.org/jpn/info/info050714.html

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Posted by shinobu at 2005年10月03日 22:30 | TrackBack (0)