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REVIEW

2005年10月05日

bird's-eye view PLAY FESTIVAL『36000秒』(5日目)08/20-28王子小劇場

 初日2日目と本番のみの観劇でもすごく楽しませていただきましたが、どうやら午前中(創作開始直後)が一番面白いらしいとの噂を聞きつけ、5日目の午前中と本番を拝見いたしました。5日目は看板役者DAYだったそうです。
 この企画のまとめはこちら(2005/10/05追記)。

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 総合監督の内藤達也さん(bird's-eye view主宰)が、出演者全員を指揮する立場で創作現場をまわしていましたね。アイデアも出すし決定権もあるし、ちょっとびっくり。事前に観客から出ていたお題は「最低の嵐」「月」「24時間テレビ」「出前(上演中に出前を頼み、作品の中にもそれを織り込む)」の4つ。出演者が顔を伏せてそれぞれ自分が関わりたいお題に手を挙げて、それがそのままチームになりました。
 各チームがそれぞれのお題をもとに作品作りをして、それを内藤さんが構成するというのが創作の大きな流れでした。朝9:30からお昼の1:30ぐらいまでみっちりやって、そこから休憩でした。もーね、私はね、この3時間だけでフラフラでしたよ。最後の30分なんて「休憩はまだなのぉ?もー疲れた!おなか空いた!」っていうお手上げ状態(苦笑)。人間の集中力ってそんなに長くは続かないんですね。観ているだけの私があんな状態だったのですから、作る方はもっと大変だと思います。

 チーム分け結果と内容は下記の通り(「24時間テレビ」は希望者ゼロだったため却下)。

【1】「最低の嵐」=明石修平(bird's-eye view)/足立由夏(InnocentSphere)/伊東沙保(ひょっとこ乱舞)/大竹えり(少年社中)/岡本考史(東京タンバリン)/金崎敬江(bird's-eye view) /日栄洋祐(bird's-eye view)
 →「最低」なエピソードの2人芝居の短編がリンクしていく。詳細は踊る芝居好きのダメ人間日記でどうぞ。

 拉致されたけどパンツ一丁で逃れてきた男とか、使用済みコンドームが山ほど散らばった部屋とか、姉妹で男を取り合って顔をひっぱたき合う修羅場とか、たしかに「最低」なお話の連続でした。う~ん、できればエロ少なめ希望でした。
 最も危険な(観客が引く可能性の高い)エピソードに出演していたのに、度胸と愛嬌で可愛く楽しく見せてくれた日栄洋祐さん(bird's-eye view)が素晴らしかったです。


【2】「月」=伊藤伸太朗(チャリT企画)/久保貫太郎/山本卓(Afro13)
 →満ち潮が近づく無人の島。サラリーマン2人とその後輩との口論。青白く光る月のもと、不思議な出来事が・・・。

 他のテーマとの兼ね合いで1本のストーリーを3分割で上演するスタイルになりましたが、とてもよくできた短編でしたので、できれば続けて観たかったです。生魚やワカメ、水なども使ってアドリブのハラハラ感も増大。


【3】「出前」=石曽根有也(らくだ工務店)/櫻井智也(MCR)/野本光一郎(ONEOR8)
 →父親の葬儀で長男が継いでいる実家に戻った弟2人。男3兄弟でなにかとけんか腰。3人それぞれが別の出前を取る(寿司、カレー、ピザ)。誰の出前が一番先に届くか?

 この3人はずっと舞台上にいます。父親の葬儀にきた男3人兄弟という設定や演技はたま~に出てくるだけで、基本的に『36000秒』という作品に出ている役者の立場でした。桜井さんがダイヤルQ2に電話したのに驚愕(笑)。3人ともとっさに出てくるセリフ(アドリブ)とても気が利いていて、個人として魅力的でした。とても良いチームでした。

 「出前」チームが開場時から全員板付きで終演まで舞台上に居ますので、それが全体をつなぐ役割を果たしていないわけではないのですが、勃発する事件を楽しむのがメインの作品でしたから、いわば作品からはみ出している存在でした。つまり、3つの全く毛色の違う作品がランダムに絡み合う形になったので、一貫性はなかったですね。

 創作を観ていた私と、作品だけを観ていた友人との感想の違いに驚きました。友人は「いまいち」だったようなのですが、私は「面白い」とかあんまり考えなかったんですね。出演者と一緒になって、自分も作品を作って上演しているような気持ちになっていたのだと思います(勝手だね>私)。
 全く何も無い、ゼロの状態から作り上げたのを目撃していましたから、場面設定、登場人物、セリフ、物語、事件、音響、照明、ステージング等が生まれて形を成しているのを観ているだけで、本番は胸が一杯。そしてハラハラドキドキ(笑)。


 ≪ポストパフォーマンストーク≫

 なぜか盛り上がらなかったですねぇ。出演者も観客も引っ込み思案な人が揃っていたようです(笑)。

 質問「衣裳はいつ用意したのですか?」
 ⇒衣裳は創作時間内に用意することができないので、今日はフォーマルDAYということにして、スーツやそれに順ずる服を出演者の方に持参していただきました。(by 内藤さん)

 質問「出演者の方それぞれにお聞きします。今日の本番の出来は100点満点で何点ですか?」
 ⇒70点以上の高得点を答えた方がほとんどでした。「100点」が一番多かったです。50点以下(確か30点?)だったのは石曽根有也さん(らくだ工務店)、そして「採点不能です」と答えたのが櫻井智也さん(MCR)でした。このお2人は脚本・演出・主宰でもあります。やっぱり役者さんとは意識が違うんだなと思いました。自分だけでなく作品としての完成度を考えているんですね。

出演=明石修平(bird's-eye view)/足立由夏(InnocentSphere)/石曽根有也(らくだ工務店)/伊東沙保(ひょっとこ乱舞)/伊藤伸太朗(チャリT企画)/大竹えり(少年社中)/岡本考史(東京タンバリン)/金崎敬江(bird's-eye view) /久保貫太郎/櫻井智也(MCR)/野本光一郎(ONEOR8)/日栄洋祐(bird's-eye view)/山本卓(Afro13)
※上演期間=8/20(土)~22(月)、26(金)~28(日) ※出演者は日替り。
※当日朝9:30の時点から創作をはじめて10時間後に発表するという企画。
総合監督=内藤達也 照明=榊美香(I's) 音響=佐藤春平 ヨシモトシンヤ(SoundCube) 制作=眞覚香那子 提携=王子小劇場
bird's-eye view:http://www.b-ev.net/
公式ページ=http://www.lucy.ne.jp/~bev/2005_07/36000.htm

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Posted by shinobu at 2005年10月05日 10:35 | TrackBack (0)