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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2005年10月28日

プレイメイト『フェイス・イン・フェイス』10/19-30THEATER/TOPS

 プレイメイトは俳優の近江谷太朗さんと作家の川上徹也さんのプロデュースユニットです。私は初見。いつも豪華キャストですよね。今回も然り。
 私が観た回はかなりの盛況で当日券で桟敷席まで出ていました。週末はもっと混んでるかもしれません。当日券は早めに並んだ方がよさそうですね。

 詳しいレビューはこちらにも ⇒ 踊る芝居好きのダメ人間日記

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 ≪あらすじ≫
 舞台はとある形成外科の診療室。院長の海老原(近江谷太朗)は美容整形が専門の腕の立つ形成外科医で、美しい顔を愛する気持ちは少し潔癖症気味。ある日、戦隊ヒーローものに出演しているイケメン俳優の里中修介(西興一朗)がクリニックにやってきた。なんと「自分の顔をブサイクにしてほしい」と言うのだ。“イケメン俳優”のイメージを払拭し、本物の俳優になりたいというのがその動機。最初はとまどった海老原だったが里中が本気だとわかって彼に興味も沸き、自分からこう提案した。周りにすぐに気づかれないように、これから3年かけて徐々にあなたの顔をブサイクにしていこう、と。
 ≪ここまで≫

 海老原(近江谷太朗)が取材に来た記者に話をする形式で物語は進みます。10年前のあの事件の真相は・・・と話し出しますので否応なしに引き込まれましたね。少しずつ、少しずつ意味がつながり、全体像がわかっていったり、いかなかったり。
 上手い役者さんの丁寧な役作りとしっかりとした演技で最後まで集中して楽しめる、大人向けのエンターテインメント作品でした。でも全体的にはちょっと地味でしたね。内容が内容だから、まんべんなく暗い雰囲気になるのも当然かもしれません。

 ここからネタバレします。これからご覧になる方は絶対に読まないでくださいね!

 里中修介がやってきて最初に起こった大きな変化は、看護士の新堂加奈(新谷真弓)と里中が肉体関係を持ったこと。海老原が里中に「新堂加奈には近づくな」と念を押すので、あの看護士には何か有る・・・というのがわかります。
 その後、色んな人物が海老原のクリニックを訪れます。里中の追っかけファン(濱田かずよ&杉下絵美)、里中の事務所の社長(ほりすみこ)、海老原の高校時代の同級生・船越(平賀雅臣)、そしてその同級生の死を調査する刑事(平賀雅臣)。それぞれの話す内容が食い違うので、何が事実で誰が正しいことを言っているのかがわかりません。さらに舞台が整形外科ですからね。目の前にいる人が本当はその人ではないかもしれない(顔を変えているかもしれない)・・・と考えながら観ますから、誰もが怪しく見えて真相がつかみづらいのが面白いです。

 終盤の急展開で、中盤までの出来事は全てストーリー・テラーである海老原の想像の世界の出来事だった、とわかります。そこまでだったら「はは~、なるほどね~」と納得するまでなのですが、最後のマスクには・・・やられました。体がビクンとするぐらいびっくりしちゃった(笑)。サスペンスはこういう仕掛けが嬉しいですねぇ。最後の最後にお芝居がループするようになっているのも良かった。

 近江谷太朗さん。長いセリフをひとつひとつ丁寧に伝えてくださいました。笑いもスマートに、確実に作ってくださって「さすがだなぁ」と思いました。
 新谷真弓さん。かわいーーーーーっ!西さんとの濃厚なラブシーンも超素敵。平賀さんとの会話のないやりとりも、涙をボロボロ流して熱演。髪型と衣裳が変わるだけで大変身するのも華がありました。
 平賀雅臣さん。2役演じられていましたが、両方とも深い役作りで見入ってしまいました。方南ぐみで何度か拝見していましたが、今回で大ファンになっちゃいましたね。こんなにかっこいい人だとは知らなかった。
 西興一朗さん。「爆竜戦隊アバレンジャー」のアバレッドだったんですね。今作ではヤバレッド(笑)。そりゃさまになっているハズだ。変身ポーズがめちゃかっこ良かったんです。そういう意味ではかなりチャレンジングな配役ですね、ファン批判もしてたし。これが初舞台だそうですが、今後もぜひぜひ舞台に出ていただきたいイケメン(笑)でした。

出演=西興一朗/新谷真弓(ナイロン100℃)/平賀雅臣/ほりすみこ/濱田かずよ/杉下絵美/近江谷太朗
作=川上徹也 演出=竹内晶子 舞台美術=秋山光洋 照明=黒尾芳昭 音響=早川毅 照明操作=山崎佳代 音響操作=大久保友紀 殺陣指導=清水順二 小道具協力=高津映画装飾 大道具製作=(有)イトウ舞台工房 演出助手=井村容子 舞台監督=村岡晋・藤林美樹 宣伝写真=タカノリュウダイ 舞台写真=垣内敏秀(コマンドエヌ) 宣伝デザイン=西山英二朗 パンフデザイン=垣内敏秀(コマンドエヌ) WEBデザイン=コマンドエヌ 制作=橋本早苗(コマンドエヌ)・こばちえ(コマンドエヌ) 企画製作=プレイメイト
4300円(全席指定/税込)15ステージ
公式=http://members3.jcom.home.ne.jp/pm-0038/

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Posted by shinobu at 2005年10月28日 01:13 | TrackBack (2)