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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2005年11月25日

プラチナ・ペーパーズ『ラフカット2005』11/23-27全労済ホール/スペース・ゼロ

 ラフカットは毎年スペース・ゼロで開催されている(→2003)全キャストがオーディションで選ばれる企画です。30分の短編4話のオムニバス形式で、脚本家はそれぞれ違いますが、全作品の演出が堤泰之さん(今回は)。途中休憩10分を挟んで2時間20分ぐらいでした。
 堤さんの演出について改めて実感しました・・・女優の体の露出度が異常に高い!胸がっ!足がっ!・・・男性には前の方のお席がお薦めです(笑)。あ、でも全席指定ですね・・・。

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 カラーが全然違う4作品でした。私が好きだったのは第二話「コインランドリーマンズ」。全体の完成度が高かったのは第四話「晩秋に吠えろ」だと思います。第三話では男優さんがかなり頑張っていました。
 下記、ところどころネタバレあり。

■第一話 「震度2」脚本=樫田正剛<劇団方南ぐみ>
 あらすじ→テレビ局の会議室。自分勝手で気難しい部長のせいで深夜まで会議が延びそうだ。若い社員は嫌気がさしている。

 いわゆる下手な小劇場芝居みたいになってしまっていて、残念な仕上がりでしたね。脚本の樫田正剛さんはテレビのお仕事もされているので、テレビ局の実情をご存知だから書いてらっしゃるのでしょうけど、これが現実ならかなり恥ずかしいですよね。
 地震・・・あんまり必要性を感じませんでした。とってつけたような終わり方でした。

 吉田真琴さん。大女優役。堂々としていて良かったです。帽子をとって髪がファサッとなったのはかっこ良かった。


■第二話 「コインランドリーマンズ」脚本=桑原裕子<KAKUTA>
 あらすじ→コインランドリーに集まる人々の群像劇。サラリーマンVSフリーターなど。

 面白かったーっ!コインランドリーって実は無料でたむろできる便利空間だったんですねぇ(笑)。大人になって、資本主義社会にどっぷりはまって生きている。でもおでんは美味しいし、恋人のことは大好きだ。夢と現実がいつの間にか乖離していってしまう、あらゆる普通の人たちの、ささやかな欲望とジレンマ。

 三浦知之さん(InnocentSphere)が超素敵!細くて小さな彼女(星野友紀)を抱きしめるシーンでほろりと来ちゃったよぉ。三浦さんは体格が良いからでしょう、上半身裸シーンもありました(笑)。


■第三話 「バカ少年。」脚本=中島淳彦<道学先生> 
 あらすじ→昭和51年のどこかの田舎町。ガラス工場の2階に溜まるダメ高校生たち。

 きちんとパネルも立ててリアルな部屋が出来上がって驚きました。ダメダメ感に満ちた昭和の空気に「うわー・・・・この感じ、知ってるわぁ(油汗)」といやな気分になりつつ、徐々にその中に入っていけました。ストーリーは好きではないですが、ちゃんと作品になっていて楽しめました。セリフが方言になっているので、役者さんはけっこう大変だったんじゃないでしょうか。
 それにしても教師に乱暴された女子高生(秋山夏美)の胸元、V字の襟ぐりで露出しすぎ!「隙がある」どころじゃないよぉ(笑)。でも、すっごくきれいな胸元でした。


■第四話 「晩秋に吠えろ」脚本=堤泰之<プラチナ・ペーパーズ>
 あらすじ→テニスクラブで生まれる大人の恋の物語。悪い女に気をつけろ。

 テニスですから。女子はスコートですよ、スコート!キワモノキャラの五反田マコ(蛭田真知子)の衣装は異常(笑)。テニス用ユニフォームと言いつつ、どう見てもボンデージ・ファッションで、実態は赤いプロレスラーでした。目が離せないですよ、あらゆる意味で(笑)。
 お話はとってもよくできていて、役者さんもこの回が一番レベルが高かった気がします。作・演出の両方が堤さんだからかも。


 レビューを書きながら思ったのですが、「役者」に対して非常に率直な演出ですね。若い人は若いからこその持ち物(ぴちぴちした肉体等)を、年配の方は年配ならではの持ち味(年輪を感じる佇まい等)を、お客様に披露するのです。ちょっぴり酷かもしれないけど、実はそこで勝負するしかないですものね、舞台でさらされる役者さんは。ラフカットはありがたい経験になるのではないでしょうか。

出演(オーディションで選ばれた役者たち)=《第一話》五十嵐富子/日下部千太郎/工藤良輔/熊野善啓/榊原健一/鈴木那奈/中川智咲子/福井利之/松本永倫子/吉田真琴/渡辺裕樹 《第二話》荒木秀行/岡戸三樹/奥田直樹/窪田道聡/小堀友里絵/野辺富三/濱田龍司/星野友紀/三浦知之/横山真弓 《第三話》赤星アメ/秋山夏美/おがわじゅんや/落合孝裕/加古臨王/北野ジン/鈴木穣/長尾健太郎/東川清文/村岡奈緒美/吉村公佑 《第四話》石田誠二/尾上康代/片山重滝/河合咲/白神允/津之村真子/西村理沙/蛭田真知子/田村義晃/山本東
演出=堤泰之 脚本=中島淳彦/樫田正剛(劇団方南ぐみ)/桑原裕子(KAKUTA)/堤泰之
4人の作家によるオムニバス。演出は堤泰之。
美術=本江義治 音楽=樋口亜弓 照明=倉本泰史(A・P・S) 衣装=渡辺まり 舞台監督=古賀裕治(ワーズ) 演出助手=奥村亜紀 制作=冨山絵理・藤野和美(オフィス・REN) 協力=洗い屋本舗 イラストレーション=ゴトウヒロシ 写真=大須賀博 宣伝美術=鳥井和昌 全席指定 前売・当日共 3,500円
プラチナ・ペーパーズ=http://www.platinum-papers.com/

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Posted by shinobu at 2005年11月25日 14:40 | TrackBack (0)