REVIEW INTRODUCTION SCHEDULE  
Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
mail
REVIEW

2005年12月30日

乞局『雄向葵(オマワリ)』12/28-31王子小劇場

 「暗くて気持ちわるい(悪い意味じゃないです)」という噂をよく聞く乞局(こつぼね) 。私は前々回公演『汚い月』が初見で今回が2度目です。
 作・演出の下西啓正さんはチェルフィッチュによく出演される俳優でもあります。『汚い月』は第11回劇作家協会新人戯曲賞の最終候補作に選ばれて、前作『耽餌(たぬび)』が第5回かながわ戯曲賞の佳作に入選しましたね。
 今回も喪服割引(500円引き)がありました。受付さんがみんな喪服(笑)。

 ★人気ブログランキングはこちら♪

 ≪あらすじ≫
 日本のどこか架空の観光地。その古都は異常なほど閉鎖的で、観光客以外のよそ者を寄せ付けないし、人種差別も当然のようにはびこっている。川に面したオープンテラス風の食事処“鳳樹苑(ほうきえん)”は、夏は観光客でにぎわうが冬は完全なオフシーズン。従業員は信じられないほど無礼でやる気がない。
 ある日、寝たきりだった鳳樹苑の女将が死んでしまう。女将を看病していた従業員の禮丸(とよまる・石井汐)と外山田(とびた・青木宏幸)は、死体を隠そうとするが・・・。
 雄向葵(オマワリ※架空の花)はその古都によく咲いている花。花言葉は「許せない奴がいる」。
 ≪ここまで≫

 今回もたしかに気持ち悪かったです。でも前々作と比べると笑えるところがすっごく多くて、私はそれで満腹でしたね(笑)。
 わざとらしいほどにどんより暗くてシーンとした空気の中、エログロお下劣でナンセンスな出来事が起こり続けます。登場人物は無礼で傲慢で子供っぽい人ばかり。彼らはいちいち悪意を垂れ流します。
 女将は他殺されたかもしれないし、さらにその死体を隠そうとするのでサスペンスドラマの色もあるのですが、物語の流れや顛末よりも、人間の悪意から生み出される居心地の悪いムードと、そこから唐突に、だけどサラリと飛び出してくるブラックな笑いが独特です。

 静かなナンセンス風ギャグ(?)がおり重なって、私は苦笑の連発(笑)。客席に座って観ていてですねぇ、「ココで笑うなんて、私かなりヤラしくってヤなヤツだと思われるんじゃない!?」という風に、笑うのが恥ずかしくなるんですよ。お下劣で不謹慎でインモラルで。それでもどうしても笑わずにはいられなくって、私はもう、開き直って笑いましたけどね!私の好きな企画ユニット・ブラジルも苦笑系の作品を作っていますが、今作はブラジルよりもさらに笑いにくかった!(笑)

 ここからネタバレします。明日12/30(金)のお昼で千秋楽ですよ。

 不必要に食べ物を吐き出したりとか、なぜかズボンを脱いだりとか、○ンドームから白い液体をわざとこぼして歩いたりとか・・・あぁ書いてて恥ずかしい・・・。いちいち下品なんですよ。でも地味~な動きであまりにさりげなくこなすものだから、プっと元気に吹き出すのではなく、うつむいて失笑するしかない・・・(笑)。夏に旅行に来たはずの男2人が冬になると住み込みバイトになってるのとかも爆笑でした。
 決して笑いをメインにしたお芝居ではないと思うんですよ。暗いし怖いし気持ち悪いし・・・。でも間合いとセリフがすっごくイカしてて、とにかく私は楽しかったです。

 雄向葵(オマワリ)という架空の花が、実は人の身体を侵食していく・・・というのは、雰囲気だけで充分でした。具体的に身体に草がまとわりついていたり、陰部が草になってたりとかは、私にはおもしろポイントで・・・顔をこわばらせつつ、息声で笑っちゃいました。
 カーテンコールはみんな舞台で土下座だし・・・これまた拍手するよりも笑えてきちゃいました。舞台両脇の超下品な(苦笑)男女の下半身のみの裸体の置物も可笑しいし、その置物にピンクの照明がパっと当たったタイミングも可笑しすぎました。演出意図はわかりませんが、私はとにかく心から面白くて、笑っちゃいました。

 美術はきれいに建て込まれた和風の食事処でした。手前と奥の空間の間に段差がある和室は、高さも奥行きもあって見栄えが良かったです。舞台奥の窓からは川辺の風景が見える設定で、上手前には水底につながる穴があり、死体がそこを行き来するのも気持ち悪くて良かった(?)ですね。

 鈴木享さん(スズキ・ユキさんとお読みするのですよね)。住み込みバイト君(小島フェニックス)のストーカー女役。あーーーー・・・もーたまらん!あんなにキュートな童顔で、あんな下品な“求愛行動”をされちゃったらねぇ・・・(苦笑)。そりゃバイト君もタつでしょうね!!!(もーいいや、書いちゃえ!) 「なぐって!」と叫びながら床に転がったりさ、指をしゃぶったりさ、もー顔をうつむけながらも笑いまくっちゃいました。
 小島フェニックスさん。住み込みバイト君役。私が今までに拝見した限りでは、アドリブを連発したり、個性(アク)の強い役が多い役者さんですが、乞局に意外にフィットしていましたね~。バイト君はいわゆる普通の人なので、登場してくれる度にホっとしました。彼が居ることによっていいムードの笑いが生まれていたと思います。

出演=青木宏幸(スロウライダー)/秋吉孝倫/小島フェニックス/佐野陽一/下西啓正/三橋良平/五十嵐操/石井汐/鈴木享/二宮アカリ(アンチ☆ヒール隊)/古川祐子
作・演出=下西啓正 舞台美術=谷澤拓巳 照明=椛嶋善文 照明操作=谷垣敦子 音響効果=木村尚敬 平井隆史(末広寿司) 演出助手=田中則生 舞台監督=谷澤拓巳+至福団 衣裳=中西瑞美 宣伝美術=石井淳子 WEB管理=柴田洋佑(劇団リキマルサンシャイン) 制作=阿部昭義 菅原香子 制作協力=玉山悟 尾形聡子 酒井純 製作=乞局
前売2500円 当日 2800円 学生割引 2000円 (要学生証提示) 喪服割引 2000円 (劇団予約のみ)
劇団=http://kotubone.hp.infoseek.co.jp/

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
●●●人気blogランキングに参加中!ポチっとクリックしていただけると嬉しいです。●●●
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。

メルマガを発行しております。過去ログはこちら
 毎月1日にお薦めお芝居10本をご紹介し、面白い作品に出会った時には号外も発行いたします。
 ぜひご登録ください♪
 『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』(ID:0000134861)

↓↓↓メールアドレスを入力してボタンを押すと登録・解除できます。


登録フォーム






解除フォーム




まぐまぐ


『まぐまぐ!』から発行しています。

Posted by shinobu at 23:13 | TrackBack

2005年12月29日

【読者のレビュー】グリング『海賊』の感想(M.H.様より)

 メルマガを登録してくださっているM.H.さんより、グリング『海賊』のご感想メールを頂戴いたしました。メルマガ号外を読んでスズナリに足を運んでくださったそうです。
 私のメルマガがお役に立てたことが何より嬉しいかったですし、M.H.さんのご感想に、『海賊』にはあって、多くの小劇場演劇にはない重要なポイントが書かれていたように思います。
 ※関連記事⇒ fringe blog「週末だけの公演にクチコミはない

 ★人気ブログランキングはこちら♪

 有名アイドルやテレビ・映画のスターが出演する舞台作品が話題になり、そのチケットがよく売れている今の演劇界で、オリジナルの作品を自主製作し続ける小劇場劇団やカンパニーが、まずどんなハードルを越えればいいのか。

 ミニシアター系の作品をこよなく愛する映画ファンがいるように、小劇場演劇(=fringe)を愛する息の長い一般の演劇ファンを獲得するために、グリング『海賊』のような作品がもっと多く生まれる必要があると思います。

 M.H.さんにご感想の掲載許可をいただきましたので、下記に全文+αを載せさせていただきます。


■「海賊」のこと

今もほぼ毎日、しのぶさんのサイトにはお邪魔しているのですが、今回またまたしのぶさんのお陰様で良い芝居を見逃さずに済みました。
今回はグリングです。(前回は「山月記」でした)
2度と同じモノがない舞台を逃さずに済んだ幸せ、嬉しさがまだ持続しているうちにとメールしています。

グリングは「カリフォルニア」のチラシを見て以来とても気になっていたのですが、今回はあちらこちらで見かける評判の良さに加えしのぶさんが紹介してる、これは何としても行かねばと思い、腰の重い自分には珍しく、即スズナリに電話してチケットを予約し出かけて参りました。

良かったです。
ボキャブラリーの少ない私には上手く表現できないのが歯がゆいのですが、良かったです。

私は自分から舞台を見に行く時に大抵は出演される役者さんで選ぶ、それくらいしか選択の幅が無いような初心者(?)です。
まだまだ顔を知らない役者さんの舞台に行ったり、名前を見たことがあるだけの劇団や脚本家や演出家を自分に合うか試すような懐の深さもありません。(やみくもに出かけていきガッカリなんて、お金の余裕も無いですし・・・)
ですから最近観劇の回数が多くなって来たとはいえ、所詮有名どころだったり話題になっている舞台中心のセレクトになってしまっています。
そんな私ですから舞台そのものの楽しさをどれだけ理解出来ているのかと問われれば自信がありません。

実は出演している役者さんを誰ひとり知らないというような時には、何故か見ていても落ち着かなかったりします。
ホント上手く言えませんが見ていて、こちらがテレるような感覚とでも言うのか・・・。

それは私が出演している人を「素人」扱いしてしまうからかもと思っていました。

今回の「海賊」では私がかろうじて名前を知っている役者さんは峯村さんだけ。
ですが心地よいテンポで紡がれる日常、当たり前のように夫婦に兄弟に見える出演者の方々。
所々で笑いながら気がつくとラストに向かいどんどん引き込まれていました。

舞台の上の人達は極めて普通の人に見えましたし、普通の人が寄り添って暮らしている空気までもが見えた気がしました。
失礼な言い方かもしれませんが、やたらに華があれば良いというものでは無いのだと、今更ながらアホな私は気づかされました。
加えて以前感じた落ちつかない不安定な感覚は、「素人」扱いしてしまう私だけでなく役者のチカラの違いなのかもしれないとも思いました。

たんたんと過ぎていく日常。
良いなと思うシーンは幾つかありましたが峯村さんと中野さんが二人だけで話しをするところ、それとラストのとケーキを食べるシーンは印象に残りました。
どちらも自分の居場所が無い、孤独なんだと本心を晒す場面です。
峯村さんの言葉は同じような境遇の私には身につまされるようで辛いものでした。
必要とされる自分を失う怖さとでもいうのでしょうか。
そしてラストの中野さんが笹野さんに「じゃぁ一緒に寝よう。淋しいから。」と思い切り本心を投げ出した時にはヒリヒリするくらい哀しくて痛かった。
その言葉を吐きだした一瞬、兄の顔は潔いというか、やっと突き抜けたという表情に感じましたし、その瞬間の中野さんの顔が一番男前だった気がします(笑)
その後、笹野さんに拒絶されてケーキを食べながら笑う顔には何とも言えない爽快感が。

全てが一気に解決なんかしない、きっとこの後も誰もが不器用にもがきながら歩いて行くんだろう。
でも自分の荷物だけが重いんじゃない、重さも大きさも様々な見えない荷物をそれぞれが自分自身で背負って行くしかないんだという当たり前のことを見終わって感じました。

しのぶさんが取り上げてくれなかったらきっと見なかったでしょう。
見て良かったです。
ありがとうございました。
ではまた参考にさせてくださいね。
長々と失礼致しました。


≪下記は、ご感想の掲載許可をいただいた後のメールから引用≫

それにしても「海賊」を観れたことはこれからの劇場通いに一層拍車のかかるであろう「事件」でした。
これからも面白い舞台を観たいと心から思いました。

今後もしのぶさんの繊細感性と真摯な視点を参考にさせていただきますね。

では、また。

M.H.

■以上

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
●●●人気blogランキングに参加中!ポチっとクリックしていただけると嬉しいです。●●●
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。

メルマガを発行しております。過去ログはこちら
 毎月1日にお薦めお芝居10本をご紹介し、面白い作品に出会った時には号外も発行いたします。
 ぜひご登録ください♪
 『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』(ID:0000134861)

↓↓↓メールアドレスを入力してボタンを押すと登録・解除できます。


登録フォーム






解除フォーム




まぐまぐ


『まぐまぐ!』から発行しています。

Posted by shinobu at 22:47 | TrackBack

2005年12月28日

演劇集団円/円・こどもステージ『おばけリンゴ』12/18-28シアターX(カイ)

 円・こどもステージは岸田今日子さんの企画で今回が24回目です。両国の劇場に小さな子供たちがいっぱい!
 ヤノーシュの絵本『おばけリンゴ』をもとに詩人の谷川俊太郎さんが戯曲化されたそうで、何度か再演されています。劇場そしてお芝居ならではの演出もあり、和やかで楽しい時間でした。

 ★人気ブログランキングはこちら♪

 ≪あらすじ≫ 公式ページより引用。(役者名)を追加。
 ある村に、まずしくて、運が悪くて、不幸せな男ワルター(小森創介)が住んでいました。ワルターは、リンゴの木を1本もっているのですが、いまだかって、リンゴがなったことがありません。まいにちまいにち神さまに、まっかなリンゴがなるようにお祈りしました。そしてある晩、ワルターのリンゴの木にひとつだけ白い花がさいたのです・・・
 ≪ここまで≫

おばけリンゴ
おばけリンゴ
posted with 簡単リンクくん at 2005.12.28
ヤーノッシュさく / やがわ すみこやく
福音館書店 (1978)
通常24時間以内に発送します。

 上手にキーボードやギター、打楽器の生演奏チーム、下手には主役のワルターの家。中央には太いリンゴの木のパネルが置かれています。いわゆる児童劇っぽい大道具でアーティスティックではないですが、幼稚園児ぐらいのお子様にはこれぐらいが適当なのかなという美術です。

 一人暮らしの不運な男ワルターを見守るマママ(高橋理恵子)とパパパ(小久保丈二)が観客の視点、もしくは天使と悪魔の視点を担いつつ、解説者にもなりながらお話が進みます。
 こども達はすっごく楽しそうでした。毛糸の玉が転がるだけでも笑うし、役者の表情が少し変わるだけでも見逃しません。子供は本気で笑いたい時しか笑わないんですよね。大人の自分が気づかない面白ポイントを子供達に教えてもらったりもしました。

 ここからネタバレします。

 ワルターの木に花が咲いてリンゴが生るまでが特に面白かったです。たった一つ咲いた花を見守るワルターがけなげですし、リンゴがぐんぐん大きくなっていくのを、ワルターの一人マイムだけで見せるのが圧巻。最初は眉唾物なんですが、徐々に大きなりんごの輪郭が見えてくるんですよね~。

 しかしながら中盤をずしりと支配している巨大怪獣に襲われる街の王様のシーンでは眠くなっちゃいました。王様や側近、秘密警察(アンサンブル)の役者さんたちの演技がちょっと・・・。舞台に立ってはいるけれど、魅せるところまで行っていなかったんじゃないでしょうか。子供から大人までボーダレスに楽しめる作品ってすごく難しいですよね。そもそも戯曲自体が子供向けになっていますから、大人には退屈です。一生懸命にセリフを言っている役者さんを眺めながら、演じている人自身が楽しんでいるという状態が、まず必要なのではないかと思いました。
 両国駅から劇場ロビーへとやってきた怪獣が、とうとう劇場の中に入ってきた!ということで、客席の上手側の壁を突き破って怪獣のしっぽが現れたのは面白かった!

 テイストはほんわかしているのですが、実際はあからさまに教訓や示唆に富んだ物語でした。ワルターは始めは「僕の木にリンゴが生って欲しい」ということだけを望んでました。でもリンゴが生って大きくなり始めると、彼の望みはコロリと変わります。「どんどん大きくなってリンゴに高い値がつけば、お金が手に入る。そしてそのお金で鍋を買おう。ベッドももう一つ買って二つにしよう。お嫁さんに来てもらうから」というように。リンゴ自体への欲が消え、その先に違う世界を見るようになってから彼の人生は狂い始めます。
 王様が登場するシーンは、政治や経済の黒い世界を表していたようですし、罪のない怪獣を秘密警察が殺し、怪獣の友達の男の子がその死を悲しむシーンは、発見できなかったイラクの大量破壊兵器を思い起こさせます。
 
 ワルターの巨大なリンゴは巨大怪獣を退治するために使われるのですが、そのリンゴを奪いに来た王様の家来達にワルターが暗殺されました。まさか殺されるとは思わなかったな~・・・そして後で生き返っちゃうのにまた驚き。既にリンゴは奪われていたし怪獣も死んでいたし、殺される必要があったのかしら?そしてなぜに生き返ったのかな?そのあたり、いろいろ唐突で腑に落ちませんでした。途中で寝ちゃったからかもしれませんけどね、ごめんなさい。
 
 小さな子供達とその親御さん、そして知的障害のある方々も観劇にいらしていて、上演中に客席がシーンとなることはほぼありませんでした。でも全然気にならなかったですね。最初の暗転で「おうち帰る~っ」と泣き出した子がいて、すっごく和みましたし(笑)。
 科学者に向かって王様が「くしゃみをするな!」と言うシーンで、絶妙のタイミングでくしゃみをされたお客様がいて、客席で大笑いが起きました。あのタイミングで舞台上の王様がアドリブを入れてくれていたら、さらに盛り上がっただろうな~。

 来年は同じくシアターXで別役実さんの新作「青い鳥小鳥なぜなぜ青い」を上演されるそうです。子供向けの不条理劇になるのかしら(笑)。すっごく楽しみです。

≪両国、湘南台≫
出演=込山順子/小久保丈二/高橋理恵子/小森創介/馬渡亜樹/関貴昭/林真里花/茶花健太/佐々木睦/内埜則之/手塚祐介/冠野智美/寺尾貴裕/松本理奈/横大路伸/永井琴絵 ※佐藤銀平がケガで降板。代役は佐々木睦。
原作=谷川俊太郎(ヤーノシュの絵本「おばけリンゴ」福音館書店刊より) 演出=小森美巳 企画=岸田今日子 装置・照明=皿田圭作 衣裳=川本喜八郎 音楽=小森昭宏 効果=斉藤美佐男 ステージング=村田大 舞台監督=田中伸幸  演出助手=林紗由香 劇中絵=和田誠 宣伝美術=ミネマツムツミ 制作=桐戸英二/桃井よし子
指定席:4,000円 おとなさじき:3,000円(劇団扱いのみ) こどもさじき:2,000円(3才~中学生)など
演劇集団円=http://www.en21.co.jp

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
●●●人気blogランキングに参加中!ポチっとクリックしていただけると嬉しいです。●●●
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。

メルマガを発行しております。過去ログはこちら
 毎月1日にお薦めお芝居10本をご紹介し、面白い作品に出会った時には号外も発行いたします。
 ぜひご登録ください♪
 『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』(ID:0000134861)

↓↓↓メールアドレスを入力してボタンを押すと登録・解除できます。


登録フォーム






解除フォーム




まぐまぐ


『まぐまぐ!』から発行しています。

Posted by shinobu at 21:40 | TrackBack

パルコ・プロデュース『12人の優しい日本人 The Gentle Twelve』11/27-12/30(11/27-29はプレビュー)パルコ劇場

 とうとう拝見してまいりました。オープンから1ヶ月経っているんですね。1990年初演で映画化もされている名作です。テレビ・映画のスターや、三谷幸喜作品常連の熟練舞台俳優などの超豪華キャスト。今年もっともチケット入手が困難だった公演なのは間違いありません。
 充分に面白かったんですが・・・映画でストーリーを既に知ってたのが悔しい。何も知らなかったらもっと楽しめただろうな・・・。
 ★1/28(土)19:00よりWOWOWで生中継されます。

 ★人気ブログランキングはこちら♪

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより引用。一部漢字をひらがなに変更(問い正し⇒問いただし)。
 もし、日本にも陪審員制度があったら・・・。
 ある事件の審議のため、12人の陪審員が、無作為に選ばれた。職業も年齢も異なれば、互いに名も知らぬ、12人の一般市民。陪審員たちは、多数決で「無罪」に一致、審議は早々に終了するかに見えた。しかし陪審員のひとりが、無罪の根拠を問いただし始めて・・・。
 評決には、全員の意見の一致が必要だが、次第に有罪の可能性も浮かび上がり、審議の様相は混迷を呈していく。果たして彼等は、「真相」を究明し、全員一致の議論に辿り着けるのか。
 ≪ここまで≫

 ここから少しネタバレします。ストーリーには直接は触れません。

 2時間15分の上演中に暗転は一度もなく、音楽もエンディングだけ。役者さんは全員がずっと出ずっぱりの会話劇です。
 舞台は裁判所の中の一室。数個の弧型の机が中央に並べられ、丸い円を描いています(舞台写真はこちら)。少し薄汚れた白い漆喰の壁と天井に包まれた部屋は、広いんだけど閉じ込められているように見えるのが良かったです。吊られている照明が梁(はり)で全く見えないのが凄いですよね。

 無作為に選ばれた一般市民は、誰が何をしゃべっても少しカルチャーショックを受けるぐらい、それぞれに住む世界が全く違います。そんな人たちが12人も閉じ込められているというシチュエーションが滑稽で、それだけでも面白いです。陪審員制度って実際に施行されたらこうなるんですよね。怖いな(笑)。

 パルコ劇場で9,000円のお芝居としたら全く文句はないし、観られただけでも良かったとは思うのですが、好きかどうかというと・・・特に私の心に残る作品ではなかったですね。見かけも中身もひっくるめて全体が、きらびやかな包装紙とプレゼントボックスの中にきちんと納まってしまっているように感じました。

 ここからネタバレします。

 事件の被告は若い女性で、別れた夫を突き飛ばしてトラックに轢き殺させたという容疑がかかっています。トラックの運転手、事件の目撃者のおばちゃん、そして被告の女性の3人の証言から真相を探っていくのですが、舞台に居るのは12人の陪審員だけなのに、証言した3人の姿もリアルに現れてきました。脚本が凄いのだと思います。

 筒井道隆さんが「(被告は)どうしても悪い人には見えない」と主張し続け、堀内敬子さんが「何かがひかっかる」と言って、決して「有罪」側に折れない様子は、見た目はかなり子供っぽく映ります。でも自分の直感を信じ続けることってすごく大切ですよね。その直感を頭ごなしに否定する論理的思考は、ただただ放棄するしかありません。論理の土俵に立った瞬間に直感なんて存在できないですものね。
 彼等がかたくなに「理由はわからない。だけど無罪だと思う。」と言い続けたことは、すっごく勇気が有ると思いました。かっこ良かったな~。自分もそういう「優しい日本人」であることを、逃げとかあきらめではなく、積極的に受け入れたいです。だからといって論理的思考を全否定しちゃダメですけど(笑)。 

 温水洋一さんのイスだけ異常に小さかったのは、「それ反則だよっ!」って叫びたくなるぐらい面白かったです。腰掛ける後姿が愛らしすぎました。
 小日向文世さん。本当に歯医者だった性悪オヤジ。めちゃ渋です。松尾スズキさんがサディスティックなキャラで小日向さんを使うのがわかる気がしました。
 石田ゆり子さんは細くて美人で居るだけで幸せにさせてくれるような女性でした。でも役柄としてはもうちょっと何か欲しかったですね。
 江口洋介さんは背が高かったです。超かっこ良かったです。

"The Gentle Twelve"
≪東京、大阪≫
浅野和之/石田ゆり子/伊藤正之/江口洋介/小日向文世/鈴木砂羽/筒井道隆/生瀬勝久/温水洋一/堀内敬子/堀部圭亮/山寺宏一(五十音順)
作・演出=三谷幸喜 美術=堀尾幸男 照明=服部基 衣裳=黒須はな子 音響=井上正弘 ヘアメイク=河村陽子 舞台監督=松坂哲生 宣伝美術=高橋雅之 宣伝写真=細川晃 製作=伊東勇 プロデューサー=佐藤玄 制作=毛利美咲 企画=(株)コードリー プロデュース=(株)パルコ
一般料金 9,000円(全席指定)※プレヴュー公演11/27,28,29 8,500円(全席指定)
公式=http://www.parco-play.com/web/page/information/yasasii/

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
●●●人気blogランキングに参加中!ポチっとクリックしていただけると嬉しいです。●●●
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。

メルマガを発行しております。過去ログはこちら
 毎月1日にお薦めお芝居10本をご紹介し、面白い作品に出会った時には号外も発行いたします。
 ぜひご登録ください♪
 『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』(ID:0000134861)

↓↓↓メールアドレスを入力してボタンを押すと登録・解除できます。


登録フォーム






解除フォーム




まぐまぐ


『まぐまぐ!』から発行しています。

Posted by shinobu at 00:02 | TrackBack

2005年12月26日

【お知らせ】Wonderland特別企画「振り返る 私の2005」

 小劇場の いま にふれる劇評サイトWonderlandに寄稿させていただきました。「振り返る 私の2005」ということで、“記憶に残る3本(小劇場作品)”を挙げ、他に言及しておきたい作品や企画をできるだけ多く選んでみました
 私以外にも多くの方の“2005年の3本”が読めますよ♪

Posted by shinobu at 12:57 | TrackBack

2005年12月25日

【季節のご挨拶】メリー・クリスマス

20051225 CHRISTMAS.JPG
紫がお気に入り

 MERRY CHRISTMAS!
 皆さんのおうちにはサンタさんはやってきましたか?
 写真は我が家のツリーのオーナメントです。Pier1 importsというお店で買ったものなんですが、もう日本から撤退しちゃったみたい。残念!

Posted by shinobu at 16:17 | TrackBack

2005年12月22日

Team ARAGOTO『~Strong Play of The World~エビ大王』12/08-23青山劇場

 筧利夫さんが座長をつとめるTeam ARAGOTOの第一弾。『エビ大王』は2002年ソウル公演芸術祭 「作品賞」「戯曲賞」を受賞した作品だそうです。
 豪華キャストですね。かなり早くにチケットを取ったので前の方の席で役者さんを堪能しました。

 ★人気ブログランキングはこちら♪

 お話としては『リア王』や『オイディプス王』などの古典戯曲の要素が多いアクション大河ドラマ、かな。それほど面白いとは思えなかったなぁ・・・。あらすじはこちらでご覧ください。

 岡村俊一さんがプロデュースされる作品は何度か拝見してると思うんですが、演出は初めてかも。旗を使った戦闘シーンや、セリフをきっかけに役者さんが振付のように動くのがとても効果的だったと思います。いろんなお遊びはファンサービスってことで、私はあんまり楽しめませんでしたけど。

 ロングヘアーの死神役の河原雅彦さんが面白かったなー。橋本じゅんさんと死神ペアで、アドリブもやっぱり上手いし。
 そして、私が終始釘付けだったのは赤旗軍の長のチョウソンハさん!アンサンブルなんですけどね。彼ばかりを追いかけていました。鉄のばねのように力強くしなやかな身体と、高く大きく響く声、そしてぎらぎらと輝く獣のような瞳。今までいろんな芝居で()観てきましたが、今回もやっぱり魅了されました。

 ここからネタバレします。

 末っ子(佐藤アツヒロ)とエビ大王の6番目の娘(佐田真由美)が新たな勢力として台頭してくるのはわくわくしました。

 自分の息子を生ませるために交わろうとした女が、7番目の娘パリテギ(サエコ)だったことが判明し、エビ王(筧利夫)は自分の罪深さに気づいて死を受け入れます。すべてが明るみに出た後で親子2人で話すシーンは、音楽も含めてちょっとねっとりし過ぎだったような。
 あと、パリテギが舌を切られた家臣(伊達暁)を指差して「私はこの人と生きていきます」って言うのはあまりに唐突すぎるように感じました。

《東京、大阪》
出演=筧利夫/サエコ/橋本じゅん/河原雅彦/伊達暁/佐田真由美/武田義晴/康ヨシノリ/チョウソンハ/平沼紀久/赤塚篤紀/松本有樹純/三浦祐介/大竹篤/大前光範/大岩主弥/中坪由起子/五十嵐りさ/池田実香/草野小夜架/児玉絹世/黛英里佳/柳田ようこ/西林素子/こぐれ修/円城寺あや/佐藤アツヒロ
作=洪元基(ホン・ウォンギ) 訳=馬政熙(マ・ジョンヒ) 演出=岡村俊一 振付=近藤良平(コンドルズ) 美術=加藤ちか コスチュームデザイン=本間正章(マスターマインド・ジャパン) 音楽=からさき昌一 照明=松林克明 音響=山本能久(SEシステム) 潤色=渡辺和徳 ヘアメイク=宮内宏明 衣裳製作=宮本宣子ワークショップ 小道具=高橋岳蔵 特殊効果=南義明(ギミック) 舞台監督=安田武司・芳谷研 制作協力=tpt・キョードー大阪 企画製作=アール・ユー・ピー
S席¥8,500/A席¥6,500(全席指定)
公式=http://www.ebi-daio.jp/

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
●●●人気blogランキングに参加中!ポチっとクリックしていただけると嬉しいです。●●●
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。

メルマガを発行しております。過去ログはこちら
 毎月1日にお薦めお芝居10本をご紹介し、面白い作品に出会った時には号外も発行いたします。
 ぜひご登録ください♪
 『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』(ID:0000134861)

↓↓↓メールアドレスを入力してボタンを押すと登録・解除できます。


登録フォーム






解除フォーム




まぐまぐ


『まぐまぐ!』から発行しています。

Posted by shinobu at 11:13 | TrackBack

2005年12月21日

Impasse『あんずとすしお』12/16-25新宿ゴールデン街劇場

 Impasse(アンパース)は新谷真弓さん湯澤幸一郎さんの二人芝居ユニットのようです。天然ロボット『ホルマリンの少女』で共演されています。新宿ゴールデン街劇場に初めて伺ったのですがキャパ最大41名の小さな劇場なんですね。どこから観てもけっこう観やすそう。ただ、この作品については前の方をお薦めします!
 
 5つのお話のオムニバス形式です(内1つは3つに分割)。某日観劇録に「二人芝居の短編7本で綴る、少女への恋と性欲とをメインテーマにした退廃的なオムニバス。」とありますが、まさにその通りですね~。公演タイトルは「安寿と厨子王(あんじゅとずしおう)」から来てるのかな。「山椒大夫」を思い出しました。

 ★人気ブログランキングはこちら♪

 息もセンスもばっちり合った、エロティックで退廃的な男女二人芝居でした。描きたい世界に妥協がないのがわかります。終盤はちょっと長いかなぁとも思いましたが、新宿の小さな劇場で贅沢な時間を過ごせました。

 ここからネタバレします。

1 歌姫と鍵盤奏者(DIVA with PIANOMAN) 作=湯澤幸一郎
 カウンターテナーの湯澤幸一郎さんの美しい歌声で開幕。オーソドックスだけどすごくロマンティックで私は一番好きだったかも。一途に純粋に愛を告白する小男(新谷真弓)と、嬉しさと戸惑いでうち震える歌手(湯澤幸一郎)。アンハッピー・エンディングを匂わせるのもさりげなくてグー。

2、4、6 あんずとすしお 作=新谷真弓
 杏子(きょうこ・新谷真弓)はキャバクラ嬢で稼ぎつつ、ロリータ・エロ漫画を書いている甲斐性のない兄の寿史(ひさし・湯澤幸一郎)を養っている。実は彼女は幼い頃から兄のことを愛しているのだ。

 現代の報われない恋物語でした。う~ん、いいムードだったな~。湯澤幸一郎さんの引きこもりっぽいひ弱な優男オーラがセクシー!!
 杏子の源氏名が“あんず(杏)”で、寿史は卒業アルバムで“寿司(すし?)”と誤植されていたから「あんずとすしお」につながるのも可愛らしい。犬のホームズ等のアニメ映像にしみじみしつつ苦笑。

3 小ニ極道血風録 作=政岡泰志
 いきなり動物電気の政岡泰志さんの脚本っていうのが驚き(笑)。8歳で広島のヤクザの組長になった少女(新谷真弓)とその部下(湯澤幸一郎)のお笑い。湯澤さんの七変化が面白すぎ。

5 CANDY MAN 作=湯澤幸一郎
 生身の少女人形(新谷真弓)と、それを購入した男(湯澤幸一郎)。『ホルマリンの少女』でも素敵でしたし、やはりこの関係がこのお二人の真骨頂なのかも。エッチだったわ~。
 終盤で「歌姫と鍵盤奏者」とお話がつながりました。さらに「あんずとすしお」で兄が描いている漫画はこの「CANDY MAN」なのかも?少女人形はもともとは普通の人間だったというオチになると、官能的な夢がちょっぴり覚めちゃう気がするので、私としてはつながらない方が良かったかも。

7 兄妹島 作=湯澤幸一郎
 このタイトルを観た瞬間に夢野久作の「瓶詰の地獄」かと思ったのですが、違ったみたい。
 不具(=不能?)の兄(湯澤幸一郎)と客を取らされている妹(新谷真弓)。水揚げされることになった妹は、兄も一緒にと主人に願い出るが、断られて・・・。
 海辺に浮かぶ月の印象がじわっと広がり、すごく静かな短編でした。

※Impasse(アンパース)はフランス語で「袋小路」「行き止まり」の意味だそうです(当日パンフレットより)。
出演=新谷真弓/湯澤幸一郎
作=新谷真弓/湯澤幸一郎/政岡泰志(動物電気) 演出=湯澤幸一郎 照明=清水朋久 音響=高塩顕 イラスト=町田ひらく 宣伝美術=湯澤幸一郎 製作=アンパース 制作協力=赤沼かがみ(G-up)
前売3000円 当日3500円
公式=http://www.g-up.info/

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
●●●人気blogランキングに参加中!ポチっとクリックしていただけると嬉しいです。●●●
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。

メルマガを発行しております。過去ログはこちら
 毎月1日にお薦めお芝居10本をご紹介し、面白い作品に出会った時には号外も発行いたします。
 ぜひご登録ください♪
 『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』(ID:0000134861)

↓↓↓メールアドレスを入力してボタンを押すと登録・解除できます。


登録フォーム






解除フォーム




まぐまぐ


『まぐまぐ!』から発行しています。

Posted by shinobu at 09:52 | TrackBack

2005年12月20日

グリング『海賊』12/09-18ザ・スズナリ

 久しぶりにメルマガ号外を出しました。12/21(木)から大阪公演が開幕します。どうぞお見逃しなく!グリングの公式サイトはこちら
 fringe blog「週末だけの公演にクチコミはない」に主役の中野秀樹さんからのメッセージが付いています。

 私が拝見する前から絶賛するレビューがどんどん上がっていて、観に行った時はその噂を確認するのみという状態でした。幸せだな~、こういう観劇生活!みんなで良い作品を盛り上げて行きたいですね。
 充実のレビューがあがってますので、下記に見つけられるだけご紹介いたします。私の簡単なレビューは後ほどアップ予定。

 《ご覧になった方のご感想など・順不同》

 某日観劇録:緊急口コミプッシュ感想
 休むに似たり。
 小劇場系
 踊る芝居好きのダメ人間日記
 ほぼ観劇日記
 椎名さん、言っとくけどそれフツーじゃないですよ!
 △ ゾウの猿芝居 ▽
 うはの空にて見る夢の
 LIVESTOCK DAYS
 ターボからまわり
 小林高鹿というのはどうですか?
 Magnum the Trombonist@blog
 * SELFISH! *
 平塚純子のなんだってやるわよっ。
 ダボダボ。

 【読者のレビュー】グリング『海賊』の感想(M.H.様より) ※2005/12/29追加

≪東京、大阪≫
出演=中野英樹/永滝元太郎(劇団M.O.P.)/杉山文雄/鈴木歩己/萩原利映/内田慈/黒川薫(010534J)/笹野鈴々音(風琴工房)/谷川昭一朗/峯村リエ(ナイロン100℃)
作・演出=青木豪 照明=清水利恭 美術=田中敏恵 舞台監督=筒井昭善 効果=都築茂一 宣伝美術=高橋歩/志賀玲子 宣伝写真=中西隆良 制作=菊池八恵 アドバイザー=嶌津信勝 企画制作=グリング
全席指定 / 前売¥3,500 当日¥3,800
グリング=http://www.gring.info/

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
●●●人気blogランキングに参加中!ポチっとクリックしていただけると嬉しいです。●●●
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。

メルマガを発行しております。過去ログはこちら
 毎月1日にお薦めお芝居10本をご紹介し、面白い作品に出会った時には号外も発行いたします。
 ぜひご登録ください♪
 『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』(ID:0000134861)

↓↓↓メールアドレスを入力してボタンを押すと登録・解除できます。


登録フォーム






解除フォーム




まぐまぐ


『まぐまぐ!』から発行しています。

Posted by shinobu at 16:51 | TrackBack

2005年12月18日

つじあやのコンサート「CALENDER MUSIC」12/18九段会館

 お友達に誘われてつじあやのさん のコンサートに伺いました。つじあやのさんとはちょっぴりご縁がありまして、CDも何枚か持っていてiPodにも入れてます。歩く時に聴くとすごくいいんですよね。
 ⇒オフィシャルページうららかさん
 ⇒つれづれアヤノブログ
 ⇒新譜「CALENDER CALENDER」がこちらで視聴できます。

 ★人気ブログランキングはこちら♪

 まず九段会館が素敵!すきま風がすごくって激寒だったけど。「座ってゆっくり聴いていただこう」と思って会場選びをされたそうです。あやのさんのキャラにぴったりのほんわかレトロ空間でした。

 春夏秋冬と音楽で綴っていく形式で、季節の花を飾ったり、夏服から冬服へ着替えたり、優しい心遣いが伝わってくるコンサートでした。

 私が一番好きだったのは「チョコレート」。あやのさんのレパートリーには珍しく(笑)、とても色っぽかったです。
 2度目のアンコールで披露してくださった、ツアー中に完成したという未発表の新曲「愛のラブレター(仮)」が素晴らしかった。一人称が女の子で、相手のことを“あなた”と呼ぶ歌だったのも嬉しい驚き。

 客席は若い女の子もいたけど男性が多くて意外でしたねぇ。通勤はしばらく「CALENDER CALENDER」かも。さわやかに。
 
≪仙台、兵庫、名古屋、大阪、広島、福岡、東京≫
主催=J-WAVE 後援=SPACE SHOWER TV 企画・制作=SPEEDSTAR MUSIC/DOOBIE
VICTOR内つじあやの公式サイト=http://www.jvcmusic.co.jp/speedstar/-/Artist/A012809.html

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
●●●人気blogランキングに参加中!ポチっとクリックしていただけると嬉しいです。●●●
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。

メルマガを発行しております。過去ログはこちら
 毎月1日にお薦めお芝居10本をご紹介し、面白い作品に出会った時には号外も発行いたします。
 ぜひご登録ください♪
 『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』(ID:0000134861)

↓↓↓メールアドレスを入力してボタンを押すと登録・解除できます。


登録フォーム






解除フォーム




まぐまぐ


『まぐまぐ!』から発行しています。

Posted by shinobu at 23:38 | TrackBack

2005年12月17日

Oi-SCALE『サイゴ』12/15-18吉祥寺シアター

 Oi-SCALE(オイスケール)は林灰二さんが作・演出などトータルに手がける劇団です。今回は2005年灰色3部作の第3弾(第1弾-B第1弾-C第2弾)。ネット心中を扱っており、非情に暗くて静かな作品でした。オイスケールは2002年から拝見していますが、とても洗練されていました。「オイスケールといえばコレだ」というカラーが質の部分でも確立されてきたように思います。
 上演時間は2時間20分ぐらいあって少し長すぎましたが、集中して最後まで観られました。

 ★人気ブログランキングはこちら♪

 『サイゴ』の世界、または林灰二さんの世界にすっかり取り込まれて、観終わった直後は自分の感想をどう表現していいのかわからない状態に陥りました。「これはお芝居だ」と思えなかったんだと思います。映画のようで、私小説のようで、詩の一節のようで。形式としては間違いなく演劇なのですが。

 あらすじは・・・いくら書いても全く体を成さない気がするので、やめておきます。登場するのは、ネットで知り合って集団自殺する若者たち、上京している同郷の友達、両親が亡くなった兄弟、ヤクザになる警察官、とかげになっていくサラリーマンなど。

 暗い、暗い舞台でした。照明が終始すごく暗い目なんです。吉祥寺シアターの背の高い空間の底に、何もかもが幻のように現れます。線路の遮断機、病室、森・・・etc. スーツを着たサラリーマンが束になって線路を歩き、通勤電車を表していたのが最高に面白かったです。サッカーボールが上から落ちてきて、森から遮断機のある場所に場面転換した時は鳥肌が立ちました。

 林さんの脚本を「ポエティックだ」というような言葉で今まで表してきましたが、もうその言葉も適切でない気がします。心の中の真っ黒な穴に、ポツンと一滴したたり落ちた、悲しみの雫。お馴染みの文字スライドも心地よかったです。

 粒ぞろいのキャスティングで演技が上手い役者さんが多く、今までの作品と比べて明らかにクオリティが上がっていました。死をテーマにした暗い作品なのに、全体的にすごく透明感があったのは、演出のせいもあるけれど役者さんに拠るところが大きいのではないかと思います。だから劇団員の役者さんはもっと演技をがんばってもらいたいですね。

 佐藤康恵さんが出てらっしゃるのが嬉しかったです。今までに4回()舞台で拝見してまして、私は大好きな女優さんなんですよね。オープニングのたった一人での長ゼリフが優しくてきれいでした。
 三浦誠己さん。妹のために親を刺殺した男役。凶暴さの中に悲しさがあり、ガツンと落ち着いていた存在感もすごく良かったです。

 P-shirtsと林さんが作曲された主題歌がすごく作品と合ってました。CD買えば良かったな~。

 次回は6月にシアタートラムでオイスケール初のラブ・ストーリーを披露してくださるそうです。ものすごく楽しみです。

出演=佐藤康恵/星耕介/三浦誠己/あんじ/林灰二/久保田芳之/かあきじいんず/松原正隆/滝沢恵/清水慎太郎/中村太陽/トモヒカン/ヒマラヤ軒/吉河童夢/斎藤岳夫/川崎賢一/高橋唯子/レシャード真す美/門口栄治/坪内悟/前田彩子/加藤芙実子
脚本・演出=林灰二 美術=仁平祐也 照明=中山仁((株)ライトスタッフ) 音響=田島誠治(サウンドギミック)  演出助手=中村太陽 小道具=中島香奈子 衣装助手=森光あき子 宣伝美術・WEB=清水慎太郎 効果音=吉岡大吾 映像・記録=木村樹 ヘアメイク=百合優(TRUE) 音楽=MITSUU(村田充) 楽曲提供=P-shirts(tuba...disk)  制作補助=ぷれいす 制作=高橋唯子・僕AREA←Spectators〔B.A.S.〕 企画・製作=Oi-SCALE
前売3300円 当日3500円(全席指定) 12月16日(金)15:30の回の追加公演決定。この回に限り平日昼公演特別価格2800円
劇団=http://www.oi-scale.com/
『サイゴ』=http://www.oi-scale.com/oiweb/saigo/saigo_if.html

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
●●●人気blogランキングに参加中!ポチっとクリックしていただけると嬉しいです。●●●
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。

メルマガを発行しております。過去ログはこちら
 毎月1日にお薦めお芝居10本をご紹介し、面白い作品に出会った時には号外も発行いたします。
 ぜひご登録ください♪
 『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』(ID:0000134861)

↓↓↓メールアドレスを入力してボタンを押すと登録・解除できます。


登録フォーム






解除フォーム




まぐまぐ


『まぐまぐ!』から発行しています。

Posted by shinobu at 22:43 | TrackBack

2005年12月16日

reset-N『DUST(2回目)』11/28-12/06bar drop(吉祥寺)

 Aキャストに続きBキャスト(千秋楽)を拝見しました。店長役が鶴牧万里さんからますだいっこうさんになっています。あらすじ等は1回目のレビューでご覧ください。
 今回は女優に軍配、でしたね。★舞台写真はこちら(2006/01/13追記)。

 ★人気ブログランキングはこちら♪

 千秋楽のDJは町田カナさん。マドンナの"Like a Virgin"、カーディガンズで個人的にノリまくってしまい、「白鳥の湖」で卒倒して(笑)締めはピチカートファイブでした。大好きだ!
 開演前の曲は毎回同じようで、"Video Killed The Radio Star(ラジオスターの悲劇)"のカバー曲でムードは最高潮。もーね・・・空間がめちゃくちゃ心地良いんです。前回は2ステージ目ということでやっぱりぎくしゃくしてたんですよね。千秋楽はDJタイムで一番気持ちが高揚したかも。役者さんや芝居そのものが会場にすっかり馴染んでいたからだと思います。

 ひとつの作品としては前回同様とても面白かったです。ただ前回と比べると男優陣がパワーダウンして、女優陣が挽回していました。結果的に芝居のカラーが全然違うものになっており、簡単に言うと“女が主役の芝居”になっていた印象です。冷たさよりも暖かさ、というか。

 1回目はキスシーンや暴行シーンでエロスを感じ、全体的にセクシーな作品という位置づけでした。でも2回目はキョウコ(丸子聡美)がモモ(町田カナ)を愛していたり、ハルカ(長谷川有希子)が店=店長(ますだいっこう)から離れられないことの方に感情移入したため、肉体よりも精神的なつながりの方が強く伝わってきました。bar dropがすっかり、この『DUST』カンパニーの家のようになっていたのもその理由だと思います。だからDJタイムが最高だったのよね、きっと。

 店長役が鶴牧万里さんからますだいっこうさんになるだけで「これだけ変わるのか!」と驚くほど違う作品になっていました。黒い服の男(原田紀行)に自分から切りかかった鶴牧万里さんに対して、ますだいっこうさんはあくまでも「キョウコに殺せと言われたから刺した」という演技でした。この差には納得でしたね。

 瀧川英次さん(七里ガ浜オールスターズ) 。前回と同じように確実に演技を爆発させて、笑いも取ってくださいました。オープニングで2人でソファに座っているシーンがめちゃ良くなっていて驚きました。そうそう、明け方ですからね、あくびを連発しちゃうんですよね。

A、Bのダブルキャスト公演。千秋楽のDJは町田カナさん。
出演=町田カナ/篠原麻美/原田紀行/平原哲/綾田將一/長谷川有希子/丸子聡美/鶴牧万里★/ますだいっこう(客演)★/瀧川英次(七里ガ浜オールスターズ) ★ダブルキャスト出演 A:鶴牧万里 B:ますだいっこう
作・演出=夏井孝裕 グランドデザイン=massigla lab. 制作=秋本独人/河合千佳 主催=eset-N  協力=ステージオフィス / にしすがも創造舎(豊島区文化芸術創造支援)
日時指定・全席自由 前売・当日共に3,000円(1drink付)
公式=http://www.reset-n.org/jp/dust2005/index.html

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
●●●人気blogランキングに参加中!ポチっとクリックしていただけると嬉しいです。●●●
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。

メルマガを発行しております。過去ログはこちら
 毎月1日にお薦めお芝居10本をご紹介し、面白い作品に出会った時には号外も発行いたします。
 ぜひご登録ください♪
 『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』(ID:0000134861)

↓↓↓メールアドレスを入力してボタンを押すと登録・解除できます。


登録フォーム






解除フォーム




まぐまぐ


『まぐまぐ!』から発行しています。

Posted by shinobu at 15:23 | TrackBack

自転車キンクリートSTORE『セパレート・テーブルズ(Separate Tables)』12/15-23全労済ホール/スペース・ゼロ

 テレンス・ラティガン3作連続公演もとうとう最終バージョンです(第1弾第2段)。マキノノゾミさん脚本・演出、そして豪華キャスト。休憩15分をはさんで3時間以上の大作でした。2話のオムニバスと言ってもいいでしょう。
 イープラスの得チケで一般5,000円が3,000円!役者・坂手洋二を観るっていうだけでもその価値はあるかも。私は坂手さんのファンなので、舞台でセリフをしゃべっている姿を見るだけで興奮気味でした(笑)。

 ★人気ブログランキングはこちら♪

 ≪あらすじ≫ パンフレットより引用。(役者名)を追加。
 支配人ミス・クーパー(久世星佳)が取り仕切る、郊外の小さなホテル。宿泊客の半分はリタイヤ後の人生を静かに過ごす長期滞在者である。
 【1幕】冬。飲んだくれのジャーナリスト、ジョン・マルカム(坂手洋二)は他の客から冷ややかな目で見られている。ある日、美しく洗練された女性客シャンクランド夫人(神野三鈴)が訪れる。彼女は明らかに、このホテルには場違いな存在だった。
 【2幕】夏。長期滞在者のレイトン-ベル夫人(歌川椎子)は、娘のシビル(山田まりや)と仲の良いポロック少佐(菅原大吉)について書かれた小さな新聞記事を発見する。それは、静かなホテルに波紋を起こすには充分な大きさだった。
 ≪ここまで≫

 やっぱり良い脚本でした・・・優しいお話で、ちょっぴりホロリと来ました。マキノノゾミさんの脚本・演出ですから予想はしていましたが、前2作よりはエンタメ寄りでしたね。だから前までの方が私好み。重厚さが足りないんだな。でも軽やかで良かった、とも言えます。
 劇場がスペース・ゼロだったのも残念。今まで俳優座劇場だったからな~・・・。舞台は美術でかっこよく埋まっていましたが、何しろ客席が横に広がっていていてですね、特に私の席は下手寄りすぎて、スピーカーの音が大きすぎるし中央の演技があんまり見えないし。今までよりも舞台が遠く感じちゃいました。ただのわがままなんですけどね。
 どうしても前2作と比べてしまうのでこんな感想になりましたけど、この作品だけで考えるなら充分満足でした。

 ここからネタバレします。

 ホテルのレストランは階段状になっており、舞台奥まで高くその空間を陣取っています。レストランより面側にソファのセットがあり、そこがラウンジ。レストラン自体が前後にスライドしてダイナミックに場面転換します。白いカーテンがかなり天井に近いところに、舞台の周囲をぐるりと囲むように取り付けられています。やわらかいV字に広がって客席の方まで届いてきていますので奥行きを感じましたし、白い布なので照明で色んな表情を見せてくれました。

 【1幕】
 美貌の衰えと老後が恐ろしくて仕方が無い女と、若い頃はその将来を期待されたのに、一度進路を踏み外してからずるずると日陰者に甘んじている男。2人は結婚していたが、夫が妻に暴力を振るい、離婚。あれから8年経って運命の出会いが訪れた・・・はずでした。
 現在の様々な足かせや過去のお荷物を背負っている、大人の恋ですね。でもそれは恋から愛になるという。「貴方と一緒に居たいんだ」という気持ちになれたらいいな。

 坂手洋二さん。飲んだくれのジャーナリスト・ジョン役。燐光群の脚本・演出家ですからね・・・私的感情抜きで見られませんでした(苦笑)。かなりかっこ良かったんですが、中盤以降はセリフがおぼつかなくなったり、声が聞こえづらかったりでちょっとハラハラしちゃいました。でも、やっぱりイイ男でした。
 神野三鈴さん。モデルの女。美しい・・・・もぉ、ため息モンでした。我を忘れて嗚咽したり、わらをも掴む思いでジョンに告白する姿がか弱くていとおしい。

 【2幕】
 レイトン-ベル夫人(歌川椎子)が見つけた新聞には、同じホテルに住むポロック少佐(菅原大吉)が映画館で女性にひわいな行為をして警察につかまり、それを認めたという記事が載っていました。
 「情のない人だね」というセリフに納得。そう、情がないんですよね。「これは正しい」「これは悪い」って叫んで、何かと裁判にかけるように判断していると。『ウィンズロウ・ボーイ』で描かれた「正義を成すのではなく、正しいことをする」ということにも通じていると思います。

 山田まりやさん。シビル役。意外な配役でしたね。全力投球されているのが伝わってきました。色白!足細!
 久世星佳さん。支配人役。1幕は損な役回りであまりしっくりこなかったのですが、2幕で本領発揮。でもちょっと四角四面すぎな気もします。
 小飯塚貴世江さん(俳優座) 。赤毛のメイド役。ぶっきらぼうで品のない女の子だけど、優しいところがあるんだってことが伝わってきました。演技にキレがあって、よく笑いを生んでくださいました。

出演=久世星佳/神野三鈴/山田まりや/菅原大吉/坂手洋二/歌川椎子/南谷朝子(青年座)/林英世(劇団M.O.P.) /大家仁志(青年座)奥田達士(劇団M.O.P.) /小飯塚貴世江(俳優座) /秋山エリサ/木下智恵(北区つかこうへい劇団)
作=テレンス・ラティガン 訳・演出=マキノノゾミ 舞台美術=奥村泰彦 照明=中川隆一 音響=堀江潤 衣裳=三大寺志保美 ヘアメイク=武井優子 舞台監督=津田光正 演出助手=豊田めぐみ 写真=加藤孝 イラストレーション=進藤恵子 舞台写真=木山晃子 ライター=上野紀子 宣伝美術=鳥井和昌
【全席指定、消費税込】一般=5,000円●12/15(木)、12/16(金)は4,000円
公式=http://www.jitekin.com/html/kouen-joho.html#03

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
●●●人気blogランキングに参加中!ポチっとクリックしていただけると嬉しいです。●●●
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。

メルマガを発行しております。過去ログはこちら
 毎月1日にお薦めお芝居10本をご紹介し、面白い作品に出会った時には号外も発行いたします。
 ぜひご登録ください♪
 『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』(ID:0000134861)

↓↓↓メールアドレスを入力してボタンを押すと登録・解除できます。


登録フォーム






解除フォーム




まぐまぐ


『まぐまぐ!』から発行しています。

Posted by shinobu at 00:33 | TrackBack

2005年12月15日

TOKYOSCAPE「東京ワークショップ成果発表」12/13森下スタジオ

 TOKYOSCAPEは「東京6劇団、京都へ2005-2006」というキャッチコピーのとおり、東京の小劇場劇団が京都で公演をする企画で、ワークショップやシンポジウムなど多彩な企画が準備されています。
 大好きな劇団が参加しているので、私は来年の夏、京都でTOKYOSCAPE全制覇をたくらんでいます。まずは東京ワークショップの成果発表を拝見しました。入場料500円。
 オーガナイザーの詩森ろばさん(風琴工房)のブログでレポートが読めます。

 ★人気ブログランキングはこちら♪

 会場は森下スタジオ。 (財)セゾン文化財団が所有する施設です。私は俳優指導者養成ゼミで伺って以来。
 夏井孝裕さん(reset-N)の戯曲「knob」を題材に各クラス15分の発表が5つ。始まる前に演出家からワークショップの内容や作品の意図などの説明がありました。演出家から直接話が聞けたのがすごく面白かったです。

 ★内藤達也クラス(bird's-eye view
 おなじみの“時報”から開幕。バーズっぽい群舞のある集団創作。プロローグとエピローグがあって、ダンスがあって・・・と、作品としてきれいに仕上がっていました。「knob」のセリフは使われていましたが、特に「knob」独特に雰囲気なかったですね。ただ人間の「関係」というのが表されていたかな、と。
 アシスタントの明石修平さんが可愛かった。

 ★長谷基弘クラス(劇団桃唄309)
 リボンで2間×2間の舞台を作り、その中で「knob」を全編上演されました。戯曲解釈をして構造を研究して・・・と非常に論理的に創作されているんですね。見事だなーと眺めていましたが、演出家がおっしゃるとおり、足を一歩踏み出すことも全て段取りとして決まっているので、“ルールどおりに動く俳優”が舞台に居ました。私にはちょっと息苦しかった。でも役者ってそういう職業ですよね。参加者にはすごく勉強になったんじゃないでしょうか。

 ★詩森ろばクラス(風琴工房)
 おそらく2人1組×3だったのかな。私はこのクラスの役者さんの在り方が一番好きでした。一人で劇空間を作り出すことが出来ていたと思います。女優さんが良い!男優さんはもう一歩。それも風琴工房っぽい(笑)。
 手錠と皮ベルトが出てきちゃったのはちょっと明らさますぎましたが、それを使う2人組がかなりイケていたのでOK。体がビク!っとするほどの大きな音で終幕じゃなかったら、なお良かったんですが。あれは不快でした。

 ★明神慈クラス(ポかリン記憶舎)
 「死体の品評会」でした。役者は自分達が作った物語の中の死体になります。観客は舞台に転がった役者(死体)を見て歩いて、「死」「仮死」「眠り」「男優」「女優」の評価をします(死体のそばに紙を置いて歩く)。死体にタイトルもつけていいってことで、かなりはしゃいじゃいました(笑)。私がつけたのは「もう食べられない」「幸せな女」「高校教師」「わたしはカモメ」など。
 明神さんが面白すぎました。役者へのダメ出しは辛らつなほど率直で具体的。だけどウィットに富んでいてエンターテインメントでもありました。

 ★夏井孝裕クラス(reset-N)
 始まる前の夏井さんの言葉にすごく共感しました。「この戯曲はディスコミュニケーションを描いているといわれますが、登場人物はみな本気で気持ちを伝えようとして発言しています。伝わらないだろうとは思っていません。だけど、結果として気持ちがすれ違っていくという・・・」「役者さんには自分の意志で動いて、自分がしゃべっているということをしてもらいたい」など(曖昧ですみません)。

 この解説のおかげで(せいで)、参加者にとっては夏井クラスが一番シビアだった気がします。技術、魅力の差が明らかに出て「役者の品評会」のようになっていました。役者はたった一人のかけがえのない人間として、舞台の上にさらされます。「knob」のテキストは使われていましたが、「knob」の物語よりも「knob」で問っている依存や孤独が、そのまま役者の存在に降りかかってきたようでした。

 《全体の感想》
 ひとつの戯曲を共通素材にしてくださったのが何より嬉しかったですね。劇団のカラーも比較できますし、ひとつの戯曲から自由に広がる発想に感心しました。そして詩森さんが「演劇は人と人とをつなぐ」とおっしゃっていた意味が体感できた気がしました。

 《心に残った役者さん》
 長谷クラスで、最初に部屋を出て行く(自殺する)女の内の1人(下手にはける方)を演じていた女優さんが一番心に残りました。同クラスでマゾのカナ役を演じた水色のセーターの女優さんも良かったな。名前がわからなくて残念。
 華があったのは吉冨亜希子さん。夏井クラスで緑のコートに紫の長いマフラーをお召しでした。詩森クラスで宮嶋美子さん(風琴工房)と絡み合うのがめちゃ色っぽかったです。

入場料500円(全席自由) 開場:開演30分前
TOKYOSCAPE=http://www.tokyoscape.org/

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
●●●人気blogランキングに参加中!ポチっとクリックしていただけると嬉しいです。●●●
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。

メルマガを発行しております。過去ログはこちら
 毎月1日にお薦めお芝居10本をご紹介し、面白い作品に出会った時には号外も発行いたします。
 ぜひご登録ください♪
 『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』(ID:0000134861)

↓↓↓メールアドレスを入力してボタンを押すと登録・解除できます。


登録フォーム






解除フォーム




まぐまぐ


『まぐまぐ!』から発行しています。

Posted by shinobu at 14:58 | TrackBack

メルマガ号外 グリング『海賊』

 グリング『海賊』
 12/09-18ザ・スズナリ
 全席指定/前売¥3,500 当日¥3,800
 ≪東京、大阪≫
 ※公演詳細はこちら

 ※関連エントリー
  ⇒ グリング『海賊』12/09-18ザ・スズナリ
  ⇒ 【読者のレビュー】グリング『海賊』の感想(M.H.様より)

 ★メルマガへのご登録はこちらへ!
 ★人気ブログランキングはこちらです♪

┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏

 “しのぶの演劇レビュー” 号外 Vol.24  2005.12.15  752部 発行

┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏ http://www.shinobu-review.jp


   今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪


★★ 号 外 ★★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

  グリング『海賊』
  12/09-18ザ・スズナリ
  ≪東京、大阪≫
  ☆作・演出=青木豪
   全席指定/前売¥3,500 当日¥3,800
   http://www.gring.info/

 ◎観劇後のコメント◎
  
  東京近郊の海に近い街の小さな散髪屋。
  父親亡き後、弟夫婦が店を継いでいる。
  そこに東京で塾講師をしている兄が帰ってきて・・・。
 
  涙が流れたり、体がゾクっとしびれたりというような
  刺激があったわけではないのですが
  久しぶりに「大人の良いお芝居」というものに出会った気がします。

  達者な役者さん達の絶妙の間で、ほほえましい笑いが沢山。
  笹野鈴々音さん(風琴工房)が超かわいい!男性も女性も必見です。


  作・演出の青木豪さんはグリング以外での活躍も目覚しいです。

  ・グリング『カリフォルニア』07/12-18THEATER/TOPS
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/0714174245.html

  ・フジテレビジョン『エデンの東』05/01-21東京グローブ座
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/0519000153.html

  ・演劇集団円 次世代の劇作家書下ろしシリーズ『東風』
   http://www.en21.co.jp/afurikanotaiyo.html#koti


 ★ご覧になった方のレビューです。

  休むに似たり。
  http://kawahira.cocolog-nifty.com/fringe/2005/12/post_13ba.html

  某日観劇録
  http://stage.tea-nifty.com/kangekiroku/2005/12/post_3750.html
  ※“緊急口コミプッシュ”をされています。


 《チケットについて》

   公演は今週末の日曜日(12/18)まで。
   初の大阪公演もあります(12/21~24)。

  ●チケット料金
   全席指定/前売¥3,500 当日¥3,800

   チケットのお求めはグリグ公式サイトへ
    http://www.gring.info/

 《お問い合わせ》

   グリング TEL 090(8106)8777
   ザ・スズナリ
    http://www.honda-geki.com/suzunari.html
   

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆ 【編集後記】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ◎11/6(日)開催のセミナーへのご来場ありがとうございました!
  参加された方のご感想をお読みいただけます↓ 
  http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/1107002836.html


 ◎朝日舞台芸術賞の事務局に勤務しています。
  http://www.asahi.com/shimbun/award/stage/
  1月末までの勤務ですので、その後のお仕事募集中!(笑)
  

 ◎パフォーミング・アーツ・マガジン[バッカス]02号
  私が書いた劇評(Ort-d.d『四谷怪談』について)が掲載されています。  
   http://www.7andy.jp/books/detail?accd=31442121


 ◎皆様の観劇感想をお寄せ下さい!
  このメルマガについてのご感想でももちろん結構です♪
  ご感想は転用させていただくことがあります。
  お便りはこちらへ→ 《 shinobu@mtr-standard.co.jp 》
  ※件名は「メルマガ感想」としてください。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆ 【このメルマガについての注意事項(毎号同じ内容です)】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 今回の配信は“号外”です。
 毎月1日発行のメルマガで、その月のお薦め舞台10本をご紹介します。
 バックナンバーは全て公開中!
   → http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000134861

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 このメルマガは、高野しのぶの演劇への情熱で書かれています。
 沢山の人に演劇に触れてもらいたい! ので、クチコミ・転送 大歓迎です♪

 ☆ご友人、お知り合いにどうぞこのメルマガをご紹介ください!
  (以下をそのまま転送してくださいね♪) 

  【面白い演劇を紹介してるメルマガはコレ!】
   ⇒ http://www.mag2.com/m/0000134861.htm

 ☆もしこのメルマガを観てお芝居に行かれたら、劇場でのアンケート用紙に
  「高野しのぶのメルマガで知った」等、書いていただけると嬉しいです♪

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ◎東京および関東近郊の情報に限らせていただいております。
 ◎掲載内容には細心の注意を払っておりますが、
  間違いがあることもあります。情報は主催者URLでご確認ください。
 ◎お薦めを観に行って面白くなかったら・・・ごめんなさいっ。

 ◎私の好みはこちらです。
    → http://www.shinobu-review.jp/favorite.html
  簡単なプロフィールはこちらです。
    → http://www.shinobu-review.jp/intro.html

 ◎購読・解除はこちらから簡単にできます。
  まぐまぐ → http://www.mag2.com/m/0000134861.htm

////////////////////////////////////////////////////////////////

 メルマガ 『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』
 発行人:高野しのぶ
 メルマガ サイト:http://www.shinobu-review.jp/melmaga.html
 Review サイト:http://www.shinobu-review.jp/
 Eメール:shinobu@mtr-standard.co.jp

 このメールマガジンは、まぐまぐから配信されています。
 まぐまぐ:http://www.mag2.com/

 Copyright(C)2004-2005 MTR standard corporation. All rights reserved.
 許可無く転載することを禁じます。

////////////////////////////////////////////////////////////////

Posted by shinobu at 11:27 | TrackBack

2005年12月14日

世田谷パブリックシアター・レパートリーの創造2005『ソウル市民』12/11-25シアタートラム

 フランス人演出家のフレデリック・フィスバックさんが平田オリザさんの戯曲を演出します。フィスバックさんは2002年に『屏風』を世田谷パブリックシアターと共同制作されています(私は初演も再演も未見)。
 いやー・・・ぜんっぜん、わかりませんでした・・・私の脳の範疇を超えていましたね(苦笑)。でもところどころ面白かったのでOK、かな。

 ★人気ブログランキングはこちら♪

 ≪あらすじ≫ 青年団サイトよりそのまま引用。
 1909年、ソウル。
 日本による完全な韓国併合の前年。文房具店を営む篠崎家の、いつもと変わらぬ午後が描かれる。人々は、時代に翻弄され、この日本家庭の洋式の居間を行き来する。安穏とした時間の中で、悪意のない市民の罪が、浮き彫りにされる。
 ≪ここまで≫

 高い土俵のような舞台が劇場中央にあります。舞台の真ん中が割れて通路になっており、人がそこを行き来します。舞台上は低い机がある四角い居間なのですが、その通路が間にありますので、居間も机も真っ二つに割れています。

 役者さんは全員、女中(大鷹明良)が押す台車に載せられて登場します。舞台に上がる以外でも舞台の下で白い布の「へのへのもへじ」と書かれた面(?)を被って演技をしていたり、最前列の椅子に座ったりして、役者さんは最後まで出ずっぱり。
 舞台へは急な坂を登って上がることになりますが、登る時はあくまでも「登る」だけ。舞台の上にたどり着いた途端に、自分の役柄の演技を始めます。

 脚本にはあまり変更を加えていないようで、時系列に淡々と話が進みます。客席が2面から舞台を挟んでおり、役者さんは演技の途中で両方の客席をちらり、ちらりと見たりします。発音や声のトーンがいきなり変化したり、役者さんが不可思議な動作をしたり、想像がつかない演技がぽつん、ぽつんと現れました。意味が分からないながらもとりあえずその刺激を受け止めていましたが、途中でかなり眠くなっちゃいましたね。
 
 母役の浅井宏美さんのお着物姿が美しかった~!
 大鷹明良さんが女中役っていうのが可笑しかったです。
 泉陽二さん。大工役で最初に出てきて、しばらくお姿が見えなかったのですが、最後に手品師の弟子の女役で登場してびっくり。背中がグっと開いた緑色のロングドレスに真っ白のメイク、黒いストレートのロングヘアー(笑)。動きもセリフもいちいち可笑しかったです。

出演=小田豊/真那胡敬二/浅井宏美/輿石有亮/若井なおみ/伊勢佳世/有山尚宏/角舘玲奈/関根好香/仮屋ルリ子/小長谷勝彦/泉陽二/磯西真喜/酒向芳/大鷹明良/戸井田稔
作=平田オリザ 演出=フレデリック・フィスバック 演出助手=ソフィ=ピュルケリ・ガドメール 舞台美術=播間愛子 衣裳デザイン=オルガ・カルパンスキー 照明・映像プラン=ダニエル・レヴィ 舞台監督=勝康隆 プロダクションマネージャー=堀内真人 技術監督=眞野純 演出部=伊藤久美子 宣伝美術=近藤一弥 票券=渡邊妙子(ぷれいす) 制作=苗木園子 企画・制作=世田谷パブリックシアター 主催=(財)せたがや文化財団
一般4,000円、ユース割引2,000円/シルバー割引3,000円(ユースは20歳未満または学生、シルバーは60歳以上、要年齢証明証) その他各種割引あり
公式=http://www.setagaya-ac.or.jp/sept/jouhou/05-2-4-39.html

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
●●●人気blogランキングに参加中!ポチっとクリックしていただけると嬉しいです。●●●
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。

メルマガを発行しております。過去ログはこちら
 毎月1日にお薦めお芝居10本をご紹介し、面白い作品に出会った時には号外も発行いたします。
 ぜひご登録ください♪
 『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』(ID:0000134861)

↓↓↓メールアドレスを入力してボタンを押すと登録・解除できます。


登録フォーム






解除フォーム




まぐまぐ


『まぐまぐ!』から発行しています。

Posted by shinobu at 22:40 | TrackBack

2005年12月13日

ラストクリエイターズプロダクション・プロデュース『GAKUYA』12/09-18新宿スペース107

 踊る芝居好きのダメ人間日記のレビューを読んで観に行きました。「演技者。」で放送されたことは知っていたのですが、今回が初見です。ベターポーヅの加藤直美さんが載ってる派手なチラシも気になっていました。
 脚本がすごく面白かったですね~。ただ2時間10分は長かったかな。

 ★人気ブログランキングはこちら♪

 《あらすじ》
 劇団民衆の時期座長に看板女優のいずみ(森ほさち)が再選された。劇団の動員数を延ばすための対策を打ち出すが、誰もが賛成というわけではない。劇団内で座長の言うことは絶対だが、しかしその座長もプロデューサーの雨宮にはかなわない。
 社(やしろ・吹上竜啓)という元・劇団員がライバル劇団とトラブルを起こしたため、劇団同士の対立が続いている。劇団の内でも外でも争いが絶えない中、果たして無事に幕は開くのか・・・。
 《ここまで》

 劇団のバックステージものの形をとりつつ、その様子が完全に日本の政界と重ねられている、トリッキーでよく出来た脚本でした。踊る芝居好きのダメ人間日記(←詳細はぜひこちらで!)でネタバレ感想を読んでから伺いましたので驚きはなかったですが、とにかく感心しましたね。小野いずみ=小泉、雨宮=アメリカ、社=靖国神社とか。社は産業廃棄物処理業者ということで、やたらと「産廃」と言うのですが、「参拝」とかけていたと気づいた時は衝撃でした(笑)。

 白い壁で2階まで建て込まれたセットは、劇団が所有する劇場の楽屋裏一帯でしょう。なんて裕福な劇団・・・素材や構造など、空間全体としてはリアリティに欠けますし、「いたしかたなくこの形になった」感がぬぐえません。
 役者さんの演技がおぼつかないのも残念ですね。プロデュース公演で、テレビや映画関係の役者さんがほとんどのようですから仕方ないのかな。どうしても脚本と比べちゃうので他の要素が見劣りしました。次はTRASHMASTERSの本公演をぜひ観たいと思います。

 FC会長役の泉政行さんは今回が舞台初出演だそうですが、膨大なセリフを一人でがんばってらっしゃいました。戦隊ヒーローものに出ていらした方だそうで、ファンからお花もいっぱい届いていましたね。

出演=森ほさち/泉政行/加藤直美(ベターポーヅ)/清水ゆみ/ひわだこういち(TRASHMASTERS)/カゴシマジロー(TRASHMASTERS)/吹上竜啓(TRASHMASTERS)/武田朋花/酒井宏之/いぬいりさこ/坂本文子/白井小百合/祖父江唯/中野幹雄/林部レオナ/蛭子直和/宮原将護
作・演出=中津留章仁 音楽=高畠洋 照明=宮野和夫 音響=佐藤こうじ 映像=鬼頭理三 衣裳=原竹武臣 ヘアメイク=松前詠美子 演出助手=八木ひろあき 舞台監督=野口毅 演出部=主待知恵 照明操作=小木曽千倉 衣裳部=若宮悦子 宣伝美術=中塚健二 宣伝写真=江藤大作 制作=ラストクリエーターズプロダクション・小畑幸英 プロデューサー=阿部敏信
全14ステージ (全席指定)前売り4000円 当日4500円
トラッシュマスターズ=http://www.lcp.jp/trash/
公演公式=http://www.lcp.jp/lcp-produce-2/

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
●●●人気blogランキングに参加中!ポチっとクリックしていただけると嬉しいです。●●●
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。

メルマガを発行しております。過去ログはこちら
 毎月1日にお薦めお芝居10本をご紹介し、面白い作品に出会った時には号外も発行いたします。
 ぜひご登録ください♪
 『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』(ID:0000134861)

↓↓↓メールアドレスを入力してボタンを押すと登録・解除できます。


登録フォーム






解除フォーム




まぐまぐ


『まぐまぐ!』から発行しています。

Posted by shinobu at 14:14 | TrackBack

2005年12月12日

さんだる『朗読と生演奏「聖夜の肖像」』12/11キッドアイラックアートホール

 さんだるは山本佳希さん(朗読者)、板垣恭一さん(演出)、小林章太郎さん(音楽・演奏)の朗読企画です。前回に引き続き明大前の劇場に伺いました。
 今回は12月ということで思いっきりクリスマスな作品でした。優しい生演奏と歌声のハーモニーに包まれながら、大人の奇蹟のラブ・ストーリーに涙しました。

 ★人気ブログランキングはこちら♪

 ≪あらすじ≫ ※2001年にBS-iでドラマ化されています。そちらのあらすじが詳しいです。
 クリスマスの表参道にイルミネーションが光っていた頃のお話。南青山に住んでいる幸せな主婦が主人公。高校生の子供2人は健康にすくすくと育っており、夫は自分のことを心底愛してくれている。でも彼女はどうしても夫を心から愛することができないのだ。それは・・・。 
 ≪ここまで≫ 

月のしずく
月のしずく
posted with 簡単リンクくん at 2005.12.12
浅田 次郎著
文芸春秋 (2000.8)
通常24時間以内に発送します。

 前回も思いっきり泣かされましたけど今回も然り。まったく・・・大人のラブだぜラブ!!ヒロインが幸せすぎなので「殴っちゃおうかな」っていう気持ちが脳裏をチラリとよぎりましたが(苦笑)、それでも泣けた。ええ話だ~・・・!

 音楽は姉弟バンドのThree Dewがしっとり、美しいハーモニーを聴かせて下さいました。皆さん、ものすごくリラックスされていて、前回よりもずっと良かったです。帰りにCDを買っちゃいました。

 照明がまた良かった!ミラーボールから華やかに舞う照明が赤、緑のクリスマスカラーになったり、雪の白になったり。ストーリーにも挿入歌にも合わせて照明の演出がガラリと変わるので、朗読劇というより普通のお芝居のような空間だったと思います。

 同じ劇場であまり間隔を空けずに2回拝見しましたので、私自身が「またココに来たんだな~」と親しみを持って客席に座りました。おそらく出演者の方々もずいぶん慣れられたんじゃないでしょうか。だから朗読者もバンドも空間にぴったりフィットしていて、より落ち着いた優しい作品になったのではないかと思います。同じ劇場で公演を続けることって大切ですね。

 朗読後のThree Dewのライブも含めて上演時間は1時間40分ぐらいでしたので、作品は実質1時間20分ぐらいでしょうか。原作はかなりカットされているということでした。
 終演後に山本佳希さんが、BS-iのドラマでのキャストを教えてくださいました。ヒロイン=桃井かおり、夫=岸部一徳、画家=宇崎竜堂。私のイメージではヒロインは断然、黒木瞳さんでしたね~。

 この朗読企画の来年の予定は具体的には決まっていないようです。でもあったら絶対に行きたいと思います。

「月のしずく」浅田次郎著(文芸春秋刊)より
朗読=山本佳希 演出=板垣恭一 音楽、生演奏=Three Dew 制作=宮田さゆり 制作協力=池田風見
キッドアイラックアートホール=http://www.kidailack.co.jp/
BASE内=http://www16.ocn.ne.jp/~base/01.html

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
●●●人気blogランキングに参加中!ポチっとクリックしていただけると嬉しいです。●●●
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。

メルマガを発行しております。過去ログはこちら
 毎月1日にお薦めお芝居10本をご紹介し、面白い作品に出会った時には号外も発行いたします。
 ぜひご登録ください♪
 『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』(ID:0000134861)

↓↓↓メールアドレスを入力してボタンを押すと登録・解除できます。


登録フォーム






解除フォーム




まぐまぐ


『まぐまぐ!』から発行しています。

Posted by shinobu at 00:54 | TrackBack

2005年12月11日

RSC『夏の夜の夢』12/09-17東京芸術劇場 中ホール

 イギリスのRoyal Shakespeare Companyの来日公演です。グレゴリー・ドーランさんの演出は2004年にも拝見しました(その他のRSC観劇→2001年、2000年、1994年)。
 『夏の夜の夢』といえば、人間の世界と森の奥深くの妖精の世界とが幻想的に絡まりあう、シェイクスピア作品の中でも超メジャーなコメディです。
 ※日本語字幕はなく、イヤホンガイドでした。

 ★人気ブログランキングはこちら♪

 ※あらすじなどはこちらでご覧ください。有名な作品ですので前知識を沢山持って観に行っても大丈夫です。

 前半は出演者の間だけで(観客はそっちのけで)全てが進んでいるように感じて退屈しました。でも後半から4人の恋人達(ハーミア、ライサンダー、ヘレナ、ディミートリアス)のドタバタが始まり、舞台が熱くなって一気に面白くなりました。

 直径1mぐらいの大きな球(月)が宙に浮いている一見シンプルな舞台装置は、照明や映像で自在に変幻します。ごくシンプルに見えて実は色々な仕掛けがあり、上品でウィットに富んだ大人向けの空間でした。

 森の中のシーンでは数人の役者が身体で木々を表現し、コロスのような役割も果たしていました。妖精の女王タイテーニアの周りに居る小さな妖精(芥子の種など)は、全長30cmぐらいの人形をコロスの人たちが手に持って動かします。森に迷い込んだ4人の恋人たちをコロスが持ち上げて運ぶのがめちゃくちゃ面白かったです。山の手事情社の『道成寺』の手法と同じでしたね。

 4人の恋人達絡み合いがやっぱり見所です。アグレッシブに罵り合い、取っ組み合います。でも蜷川幸雄さん演出の、パックが何人も出てくる『夏の夜の夢』の恋人達の方が熱かったし面白かったなぁ。 
 恋が理想のさやに納まった後は、街の職人達による御前芝居が始まります。道化とはこういうものだ!というお手本のようなシーンでした。ちょっと長すぎる気もしましたけど。ロバの頭を被せられるボトム役のMalcolm Storryさんはド迫力でした。昔の超人ハルクみたいなイメージ(笑)。

 Jonathan Slingerさんが演じるパックが、スレた不良オヤジみたいだったのは、私の好みじゃなかったです・・・(苦笑)。パックは嘲笑するよりは本気で大笑いするタイプのいたずら小僧であって欲しいんですよね、私としては。役者さんご本人はとても面白いと思うのですが、どうしても「僕は僕、あなたはあなた」という引き離した状態から傲慢さを感じます。だからといって日本人にありがちな「あなたと私は今、同じ空間で同じ空気を共有している仲間ですよね??」と擦り寄って来すぎる態度も良くないと思うんですけどね。
 でも最後の長いセリフは素晴らしかったです。劇場での一夜の幻(夢)を永遠にしてくださいました。

 ≪俳優の違いについて≫
 私はRSCの俳優の舞台上での存在感が好きではないようです。他人行儀というか、舞台の上に自分ひとりだけ、という風に見えます。そして一人ずつがそれぞれに「俺(私)を見ろ」と主張するような精神状態にあるように感じるのです。シェイクスピアの戯曲は長い独白から出来ていますから、特にそう見えるというのもあると思います。

 ただ、これは単に国と国との文化の差なのではないかとも思っています。湿度や匂いなどの空気の質感の差や、イギリス人の日常的な生活態度と日本人のそれとの違いなど、イギリスの演劇を日本で観ているという時点で絶対的に取り除けない差があります。だからイギリスの劇場で観たらしっくり来たかもしれません。


 ≪終演後のパーティー≫
 初日終演後のパーティーに参加させていただき、ご縁があって技術監督の眞野純さんとお話できました。眞野さんといえば世田谷パブリックシアターの技術監督ですが、世田パブだけでなく他の大きな劇場の公演も、海外招聘公演も手がけてらっしゃるプロの中のプロです。
 今作については照明と美術がすごく良いとおっしゃっていました。RSCの照明や美術のデザイナーについて、「(明かりが)柔らかい」「デリカシーを持っている」「サラっと話すだけで三次元のデザインが出来ている」など熱心に褒めてらっしゃいました。「装置と照明の意図を汲み、それを受け止めて表現できる俳優がいる」ともおっしゃっていました。

 天井から見た舞台上の様子が、舞台奥の白い壁に映し出される仕掛けについて教えてくださいました。舞台の床がつるつるとした光を反射する素材になっており、上から当てる照明の光がその床に反射して、舞台奥の壁に人影が映るのだそうです。私はプロジェクターやカメラを探してたんですよね(笑)。まさかそんなシンプルな仕掛けだったとは!素材や装置についての深い知識があり、それを体現できる俳優がいるからこそ出来た演出だそうです。

出演=ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー
作=W.シェイクスピア 演出=グレゴリー・ドーラン(Gregory Doran) 企画招聘・制作=東京芸術劇場/ホリプロ
S席9,500円 A席7,500円 ※イヤホンガイドあり(有料)
公式=http://www.natsuyume.jp/

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
●●●人気blogランキングに参加中!ポチっとクリックしていただけると嬉しいです。●●●
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。

メルマガを発行しております。過去ログはこちら
 毎月1日にお薦めお芝居10本をご紹介し、面白い作品に出会った時には号外も発行いたします。
 ぜひご登録ください♪
 『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』(ID:0000134861)

↓↓↓メールアドレスを入力してボタンを押すと登録・解除できます。


登録フォーム






解除フォーム




まぐまぐ


『まぐまぐ!』から発行しています。

Posted by shinobu at 14:27 | TrackBack

ハイリンド『-初恋』12/08-12江古田ストアハウス

 ハイリンド加藤健一事務所俳優教室の卒業生の役者さん4人が結成した劇団です。今回が旗揚げ公演で、加藤健一さんが演出されています。『-初恋』はMONOの土田英生さんの戯曲で、頻繁に上演される人気演目です。私はMONO版をビデオで見ました。
 カトケン・テイストにすっかり染まった、元気で切ないシチュエーション・コメディに仕上がっていました。私はMONO版よりも好きでしたね。

 チラシがめちゃくちゃかっこいいですよね!このチラシだけで観に行きたくなった人は多いのではないでしょうか。私もその一人です。
 出演者の多根周作さんのブログで稽古場写真や舞台写真などが見られます。

 ★人気ブログランキングはこちら♪

 ≪あらすじ≫
 ゲイばかりが住むアパート“ハイツ結城”。地域から白い目で見られており、ときどき心無い悪ガキにガラスを割られたりしている。そんな中、ケンカしながらも仲良く暮らしてきたゲイたちだったが、ある日ひとりがつぶやいた。「女の人を好きになっちゃった・・・」。
 ≪ここまで≫

 ゲイが出てくるお芝居って多いのですが、ただのキワモノみたいになってしまう危険があるんですよね。しかしながら今作の男優さんは、照れも卑下もなく、思い切りよくゲイを演じらっしゃいましたので、ゲイの人たちを“ちょっぴり個性がキツい人間”ぐらいに受け止められました。だからスコーンと笑えるのでしょうし、彼等の悩み事や希望が自分と同じことのようにも感じられました。

 また、MONOの作品(土田英生さんの戯曲)を違う劇団で上演すると、セリフの言い方や間(ま)の取り方に違和感や不満が残ることがあったのですが(例えばこちらの公演)、今作ではそれがなく、全く新しいオリジナルの作品になっていたと思います。

 私は知っている作品を繰り返し見るのが苦手な人間なので、最初はちょっぴり退屈もしました。でも中盤以降からは、素直にアグレッシブで、まっすぐに心を熱くする演技に引き込まれ、MONO版では感じ取れなかった、この戯曲の新しい側面を見られたように思います。
 MONO版は暗くて卑屈な雰囲気が前面に出ていて(ビデオだったからかも)、あまり好きになれなかったんです。でも今作を最後まで観てちょっと好きになりました。ラストシーンが素晴らしかった。

 役者さんの演技については、まず「その役柄(人物)であること」が当然のように出来てらっしゃったので、とても観やすかったです。敢えて少し挙げると、「新劇っぽい」といわれるような「型にはまった」演技がたま~に気になりました。そして、間(ま)を詰めすぎたためにシーンが早く通り過ぎてしまうのがもったいないと何度か感じました。でも江古田ストアハウスで前売り3000円でMONOの戯曲、と考えるとレベルは高いと思います。

 ここからネタバレします。

 “男”になった久野(小林大輔)の送別会で、割られたガラス窓から雨や風が吹き込んできて、皆はパニックに陥ります。でも笹川(多根周作)は「雨なんて今はどうでもいい!」「誇りを持って生きていたいんだ」と主張します。MONO版では笹川を水沼健さんが演じてらっしゃったんですが、最初からあきらめているように見えていました。でも今作では、嵐の音と音楽の応援も加わり、一人の人間の本気の主張としてその気持ちがまっすぐに伝わってきました。私はこっちの方が好きでしたね。押さえられない感情が溢れてて、無鉄砲で。

 笹川(多根周作)はハイツ結城を作った故・結城さんのことをずっと愛していて、結城さんの娘の小百合(はざまみゆき)はゲイの笹川のことを愛していた、という悲しい結末が美しいです。笹川のことを恋心いっぱいに切なく見つめる小百合の表情と、小百合の視線を背に受けながら、その想いは受け入れられないとはっきり伝える、凛々しい笹川が良かった。

 ナツメロがよくかかりましたが、とても雰囲気に合っていて・・・というか音楽がシーンを作っていましたね。演出の加藤さんご自身が選曲されたそうです。
 笹川が部屋にこもってかける「メリー・ジェーン」(←いきなり音楽が鳴ります)が良かったですね~。嵐のシーンでは演技と音楽の尺がぴったり合っていました。小百合が笹川に告白するラストシーンで「ラストダンスは私に」がかかるのは絶妙!泣けちゃいましたよ。上手いな~と思ったのは終演後の客出しの時のジョン・レノンの「イマジン」。人間が同じ人間を差別することを描いた作品でもありますから、耳にも胸にも残りました。

 多根周作さん。ルールを遵守する笹川役。テキパキしすぎで神経質な性格がよく出ていました。もう少し崩すところが増えてもいい気がします。あと、ヘアサロンで働いていた人には見えなかったかな。最後の白いシャツがセクシー!あのシャツ欲しい!これはファンの個人的つぶやきですが『猫堀骨董店』での優しいメガネ君が忘れられません。できればメガネをかけていて欲しかった・・・って勝手ですね(笑)。
 伊原農さん。水球部のキャプテンだった源田役。体がかっこいいんですわ、ほんと(笑)。だからむやみに露出してくれていて嬉しかったです。そして一瞬だけ見せてくれたスーツ姿が拝みたいぐらいかっこ良かった。真田(松本たけひろ)が源田の右手にしがみつくシーンは絵になりました。
 枝元萌さん。牛乳を配達するお姉さん役。爆発力といい瞬発力といい、素晴らしかったですね。体型とキャラを生かしてどんどん色んなコメディに出てもらいたいです。
 横山利彦さん。ゲイバーを経営している吉村役。客演さんなんですね。お上手でした。でも笑えるところまでは行かなかったかな。

 ハイリンドは役者さんだけのユニットだそうです。珍しいんじゃないでしょうか?今後も戯曲を選んで演出家を呼んで続けて行かれるそうです。

出演=伊原農/枝元萌/多根周作/はざまみゆき/松本たけひろ/小林大輔/横山利彦
作=土田英生 演出=加藤健一 舞台美術=向井登子 舞台監督=井関景太(るうと工房) 照明=toyama(y/s company)  音響=細倉彩 演出補=高須誠 宣伝美術=西山昭彦 スチール=夏生かれん webデザイン=古川健司、藪地夏子 制作=竹内佐江(Double-Decker)
前売(10/24発売):3000円(平日マチネ2800円) 当日:3300円 全席自由
ハイリンド=http://www.hylind.net/

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
●●●人気blogランキングに参加中!ポチっとクリックしていただけると嬉しいです。●●●
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。

メルマガを発行しております。過去ログはこちら
 毎月1日にお薦めお芝居10本をご紹介し、面白い作品に出会った時には号外も発行いたします。
 ぜひご登録ください♪
 『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』(ID:0000134861)

↓↓↓メールアドレスを入力してボタンを押すと登録・解除できます。


登録フォーム






解除フォーム




まぐまぐ


『まぐまぐ!』から発行しています。

Posted by shinobu at 00:09 | TrackBack

2005年12月10日

演劇企画集団 THE・ガジラ『ヒカルヒト』12/08-25本多劇場

 市原悦子さんが出演されるということでいち早くチケットを購入いたしました。山間部の知的障害児施設での殺人事件、およびその冤罪について描かれた作品・・・ということで暗いのは覚悟していましたが、暗い上に怖いし、気持ち悪いし、つらいし・・・(苦笑)。
 そもそも私は鐘下辰男さんの作品はあまり得意ではないのです。でも最後まで頑張って観ました。「このまま進めて、このお芝居はどうなるんだろう?」って、先を知りたくなったからです。そして、市原悦子さんが素晴らしかった。
 公式サイトでさっそく舞台写真がアップされています。

 ★人気ブログランキングはこちら♪

 ※あらすじは公式サイトでご覧ください。詳しくてわかりやすいです。

 舞台装置が圧巻でした。舞台写真で一目瞭然ですが、細い木の柱が本多劇場の舞台いっぱいに組まれています。壁がないので舞台奥まで見通せるのですが、柱の影になって役者の姿が見えないこともしばしば。そもそも全てを見せるつもりがないんですね。
 突然大きな落雷音とともに暗転したり、不快感を増長させる種類の音楽が多くて、音響は全体的にイヤ~な雰囲気でした。また、役者の足元から顔に向けて照明を当てることが多いので、顔がおばけみたいになって怖いし・・・。

 つまり、観客が快適には過ごせない劇場空間を、わざと作ってらっしゃると思います。数年前の私だったら怒っちゃってました。そして、不快だという理由で途中で帰ってたかも。そういう意味では忍耐力がつきましたよ、私(笑)。「鐘下さんだから」と思って「今回は何を見せられるんだろう、何をつきつけられるんだろう、心して行こう」という覚悟ができているんですね。そして我慢して最後まで席に座っていることを選びます。だから鐘下作品を観た事がない方には今作はお薦めしづらいです。

 脚本が凄かったです。「凄い」なんていう漠然とした言葉でごめんなさい。よくこんな脚本を書いて、あんな演出をするよな・・・って驚きます。字面だけ読んでも意味がわからないんじゃないかしら。役者が読みながら徐々に気づき、作っていくしかないんじゃないかなと想像します。

 ここからネタバレします。

 裁判で、知的障害児の証言が信用するに値しないものだという判断がくだされ、25年の歳月を経た末に保母の瀬川(市原悦子)の無実が証明されます。瀬川は再び福祉の仕事をもとめて施設へと訪れますが、そこで現在と過去が交錯していきます。

 セリフに出てくる個人名がどんどんと変化するので、そのシーンがいつの、どこの、誰のことを言っているシーンなのかが、突然、曖昧になります。昔になったり今になったり、他人のはずだったのに本人になったりもして、登場人物と一緒に観客も翻弄されます。
 揚げ足をとり、とられている内に本質を見失い、物事は思いも寄らぬ方向へと進んでしまいます。嘘の上に嘘が乗っけられて、さらにその上にまた嘘が重ねられると、何が本当なのかなんて全くわからなくなるんですよね。これらはとても恐ろしく醜いことですが、現実世界でも頻繁にそういうことが起こっていると思います。

 鐘下さんの文章によると「子供とは神なのか鬼なのか」というポイントが強調されていますが、それほど子供のことはあまり印象に残らなかったです。子供の声でアナウンスが流れていましたが、あんまり・・・。

 役者さんで良かったのはダントツで市原悦子さん。「まんが日本昔ばなし」の声が今も健在。そしてとても女らしくしっとりした方でした。「家政婦は見た」シリーズのおとぼけ表情に恐ろしげな照明が加わって、凄みがありました。
 周りの男優さんは皆さんまだ掴みきれて居ない印象。木場勝己さんは長いセリフのところで引き込んでくださいました。

出演=市原悦子/木場勝己/下総源太朗/高田恵篤/小野健太郎(Studio Life)/塩野谷正幸
作・演出=鐘下辰男 美術=横田あつみ 照明=中川隆一 音響=井上正弘(オフィス新音) 衣裳=小峰リリー 舞台監督=白石英輔(クロスオーバー) 演出助手=山田美紀 宣伝美術=西山照彦 スチール=青木司 プロデューサー=綿貫凛 主催=(有)ガジラ
全席指定=前売¥4,800 当日¥5,300 学生割引=前売・当日共¥3,500(コットーネのみ取扱・当日学生証提示)
オフィス・コットーネ=http://www5d.biglobe.ne.jp/~cottone/

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
●●●人気blogランキングに参加中!ポチっとクリックしていただけると嬉しいです。●●●
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。

メルマガを発行しております。過去ログはこちら
 毎月1日にお薦めお芝居10本をご紹介し、面白い作品に出会った時には号外も発行いたします。
 ぜひご登録ください♪
 『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』(ID:0000134861)

↓↓↓メールアドレスを入力してボタンを押すと登録・解除できます。


登録フォーム






解除フォーム




まぐまぐ


『まぐまぐ!』から発行しています。

Posted by shinobu at 17:36 | TrackBack

2005年12月08日

Studio Life『白夜行 第二部』12/01-11THEATRE1010

 『白夜行 第一部』の続編。笠原浩夫さんと岩﨑大さんがメインキャストの黎(レイ)バージョンを拝見しました。
 クライマックスで涙しちゃったよぉ・・・すごいお話でした。ただ、第一部を観ていないと結構つらいんじゃないかと思います。

 ★人気ブログランキングはこちら♪

 ※あらすじ等は第一部のレビューをご覧ください。

 演出や美術、音楽などは第一部をそのまま踏襲しています。同じイメージで完全な“続編”です。第一部と同様に次々に事件と起こりますので、置いてきぼりにならないように前作をよーく思い出しながらついて行きました。
 クライマックスで亮司(笠原浩夫)と雪穂(岩﨑大)の過去がわかるのですが、「そうだったのか・・・!」と胸が苦しくなり、涙しちゃいました。悲しすぎる・・・。

 パネルに映し出される映像はちょっとレベルが低いと思います。あまり重要視されていないのでしょうけど、できればもうちょっと高品質を希望。
 役者さんは・・・一部を除いて全体的に抑揚が少ないですね。声のトーンも同じになりがち。大阪弁は前回よりも皆さん上達されていました。

 ここからネタバレします。

 原作では桐原亮司(笠原浩夫)と西本雪穂(岩﨑大)が共犯だったとは決して書かれておらず、見事に「どうとでも解釈できる」ようになっているそうです。今作では少年・少女時代の亮司(奥田努)と雪穂(松本慎也)を登場させて、具体的な犯行現場の再現シーンがありました。そこが泣ける・・・!そして19年後の彼らにつながっていくという演出が良かったです。(音楽については※部分へ)

 親による子供の虐待が、亮司と雪穂が重ねてきた犯罪の根になっていた、という結末にストーンと納得できました。
 闇を生きるのか、光の中を生きるのか。誰もがその境界線の上にいると思います。私たちはそれを選ぶことが出来るし、用心していれば光の中を生き続けることができると思います。でも、子供の頃に実の親に無理やり闇の方に連れて行かれてしまったら・・・。そんな子供を増やしてはならないですよね。

 岩崎大さん。雪穂役。お顔も立ち姿も美しいですが、セリフは単調すぎたかな。睨む顔に冷ややかな凄みがあって良かったです。
 甲斐政彦さん。雪穂の再婚相手役。油の乗りきったオヤジを怪演(笑)。動きもセリフも工夫がいっぱいで素晴らしかったです。甲斐さんのブログ「役者のひとりごと」はスタジオライフ・ファンなら必見!
 林勇輔さん。家政婦とか弁護士とか数役を演じてらっしゃいました。もう“笑い担当”として定着しているような(笑)。とにかく上手い。声がいい。もっと出番が欲しかったですねー。
 子供の頃の亮司役の奥田努さんは、笠原さんにそっくりですね。ナイスキャスティング!

 ※泣ける再現シーンで流れた音楽が蜷川幸雄さんの作品で何度も出てくるあの曲(こちらのレビューでも言及)でした。鳴った途端に私は蜷川ワールドへトリップ(涙)。被らないで欲しいなー、あんなに何度も使われてるんだし・・・。

≪東京、大阪≫
出演(メイン)=C(晦/カイ)山本芳樹/舟見和利 D(黎/レイ)笠原浩夫/岩﨑大 出演(その他)=甲斐政彦/山﨑康一/倉本徹/末松一仁/林勇輔/楢原秀佳/深山洋貴/曽世海児/高根研一/船戸慎士 /寺岡哲/奥田努/牧島進一/篠田仁志/下井顕太郎/宗村蔵人/荒木健太郎/関戸博一/松本慎也 /三上俊/吉田隆太/石飛幸治/藤原啓児/重松収(客演)/河内喜一朗
原作=東野圭吾(小学館刊) 脚本・演出=倉田淳 美術=松野潤 照明=森田三郎 舞台監督=北条孝 土門眞哉(ニケステージワークス) 音響=竹下亮(OFFICE my on) ヘアメイク=角田和子 衣裳=竹原典子 殺陣指導=渥美博 美術助手=渡辺景子 演出助手=平河夏 宣伝美術=河合恭誌 菅原可奈(VIA BO, RINK) 宣伝写真=薮田修身 宣伝ヘアメイク=小口あずさ/長谷川亮介(Nanan) デスク=釣沢一衣 岡村和宏 揖斐圭子 制作=稲田佳雄 中川月人 赤城由美子 CUBE STAFF:プロデューサー=北牧裕幸・高橋典子 宣伝=米田律子 制作=北里美織子 制作協力=東容子 縄志津絵 宮澤有美 小泉裕子 八木美穂子 中原愛 大田香織 SPECIAL THANKS=小山岩雄 佐藤綾子(切り絵指導・製作) 主催=日本テレビ放送網(東京公演) 読売テレビ 梅田芸術劇場 CUBE(大阪公演) 制作協力=リコモーション(大阪公演)協力=集英社 M.M.P 舞台屋 制作プロデュース=CUBE 企画・制作=Studio Life
劇団=http://www.studio-life.com/

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
●●●人気blogランキングに参加中!ポチっとクリックしていただけると嬉しいです。●●●
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。

メルマガを発行しております。過去ログはこちら
 毎月1日にお薦めお芝居10本をご紹介し、面白い作品に出会った時には号外も発行いたします。
 ぜひご登録ください♪
 『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』(ID:0000134861)

↓↓↓メールアドレスを入力してボタンを押すと登録・解除できます。


登録フォーム






解除フォーム




まぐまぐ


『まぐまぐ!』から発行しています。

Posted by shinobu at 16:54 | TrackBack

2005年12月06日

Bunkamura/毎日新聞社「スコットランド国立美術館展」11/05-12/25Bunkamuraザ・ミュージアム

 「プーシキン美術館展」に行く予定だったのですが、急遽変更。こちらのブログでも好評でしたし、ゆったりしたかったので。
 久しぶりに気持ち良い美術鑑賞タイムを味わえました。混雑した美術館ってすっごく苦手なんですよ、もともと田舎者ですから。展示については「悪くはないけど満足はできなかった」って感じ。だって数が少なすぎますよ。
 鑑賞後はドゥ・マゴ・カフェでお茶したり、BOOK 1stでお買い物したり。楽しかった。

 ★人気ブログランキングはこちら♪

Posted by shinobu at 16:13 | TrackBack

扉座『アトムへの伝言』12/02-11紀伊國屋ホール

 扉座の作・演出家の横内謙介さん自ら「シリーズ最高傑作」とおっしゃる自信作。東京初日のミナクルステージを拝見しました。
 まさかこんなにストレートなお笑いがあるとは・・・(笑)。「ロボットと人の融合を描く意欲作」(扉座TOPページより)ということで笑って泣けるドラマでした。

 ☆横内謙介さんの日記(2005.12.05)によると「紀伊国屋ホールは補助席が全面禁止に」なったとのこと。これはショックだわ・・・。

 ★人気ブログランキングはこちら♪

 《あらすじ》 ※かなり簡略化しています。
 史上初のお笑いロボットを作り出そうとしている研究所では、新型ロボットのカッパ(山中たかシ)の開発に躍起になっている。「お笑い芸人のラッパ(六角精児)のようなロボットに」という所長の要望により、カッパをラッパに弟子入りさせるが・・・。
 《ここまで》

 六角精児さんと山中たかシさんが息の合った漫才を山もり披露してくださいます。これが大きな見所のひとつ。いっぱい笑わせていただきました。
 「人間とロボット」という重いテーマを師弟愛の側面から描いており、中盤まではかなり胸に響くものがありました。何度か泣けちゃったな~。ただ、後半の地雷云々の展開はちょっと・・・お涙頂戴な方向に進んでしまったようで残念。私としてはもっと哲学的テーマに突っ込んでいって欲しかったです。

 役者さんは扉座っぽい親しみやすい演技と、笑いを生むためにきちんと計算された技術とを要所要所で使い分けてらっしゃって、さすがだなぁと思いました。鉄面皮の研究者・人見役の有馬自由さんが特に面白かったです。

 ここからネタバレします。

 ロボットのカッパは人を傷つける暴力(言葉も力も両方)を振るわないように設計されている、というのがミソでした。ラッパが言う「(生のお笑いでは)差別や暴力が結局一番面白い」っていうのは真実なんですよね。“つっこみ”として「バカヤロー」と言ったり、頭を軽く叩いたりできるのは、そのさじ加減がわかる人間ならでは。

 しかしながら、人間同士よりもカッパ(ロボット)とラッパ(人間)の間に、本物の師弟愛が生まれていたという皮肉にも共感しました。インターネット社会は下克上を容易にし、個人の自由と機会の平等を明らかに広げましたが、日本人が大切にしてきた礼節などが軽視され、それゆえに生きづらい世界になっているのも否めません。

 リラックスして笑うことができない研究員たちは、過去に開発したロボットが戦争で使用され、「自分たちは殺人ロボットを作ってしまった」というトラウマを持っていました。だからこそカッパに暴力を振るわせたくなかったし、人間に笑いという喜びを与えるロボットにしたかった、というバックストーリーに納得。結果的にカッパが人間に暴力を振るってしまい廃棄処分が言い渡されても、「自分たちが必死で作ったロボットを壊されたくない」「カッパはいい奴だから逃げて欲しい」という人間くさいエゴイスティックな面も描かれていて、研究員の人たちにはかなり感情移入できました。
 研究者たちはラッパに“ズッコケて「あばば、すなぎも」と言う”という意味不明のギャグをやらされます。最後の最後までしぶっていた研究所のリーダー・人見(有馬自由)の心が動き、自らそのギャグをやった時は客席から拍手が沸き起こりました。

 共感したり考えさせられたり、ストレートなお笑いに爆笑したり、中盤まではものすごく楽しませてもらっていたのですが、クライマックスの展開が私には合わなかったです。
 廃棄処分が決まったカッパは、ラッパの提案で自ら進んで地雷を踏むことになります。人間そっくりのロボットが地雷でこなごなになるのをテレビで流すことで、地雷の残酷さを鮮明にアピールするのです。それはカッパだけにしか出来ない具体的な社会貢献になります。撮影現場で地雷を目の前にして、カッパとラッパは正真正銘、最期の漫才をする・・・。ロボットが人間のために自ら命を捨てるというのが漫画「鉄腕アトム」のエンディングと重なるなのですが、展開がとっぴ過ぎるし奇抜すぎじゃないかなと思いました。
 演技がいささか粘っこすぎる(ラッパのマネージャー兼事務所社長役の中原三千代さんが演歌っぽすぎる等)のも好みに合わなかったですね。

 カッパが地雷から足をはずした時の爆発音が鳴らなかったのが良かったです。その後は銀雪が散って終幕。サラっとしていて気持ちの良い余韻が残りました。

≪厚木、東京≫
出演=六角精児/山中たかシ/杉山良一/伴美奈子/有馬自由/鈴木利典/岩本達郎/田島幸/新原武/山口景子/中原三千代/高木智之/仲尾あづさ/上原健太/鈴木里沙/川西佑佳/山下幸乃/田中信也/安達雄三/上土井敦/江原由夏
作・演出=横内謙介 美術・技術監督=大竹義雄 照明=塚本悟 音楽=佐藤容子 音響=青木タクヘイ 衣裳=木鋪ミヤコ 演出助手=則岡正昭 舞台監督=大山慎一 制作=太田さやか アートディレクター=吉野修平 宣伝写真=山脇孝志 製作=(有)扉座 協力=舞プロモーション トップコート プランニングアート
全席指定 前売4,200円 当日4,500円 学生3,000円(劇団扱いのみ) 東京公演初日記念特別価格ミナクルステージ(12/2)3,000円
公式=http://www.tobiraza.co.jp/kouen/atomuhenodengon.htm

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
●●●人気blogランキングに参加中!ポチっとクリックしていただけると嬉しいです。●●●
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。

メルマガを発行しております。過去ログはこちら
 毎月1日にお薦めお芝居10本をご紹介し、面白い作品に出会った時には号外も発行いたします。
 ぜひご登録ください♪
 『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』(ID:0000134861)

↓↓↓メールアドレスを入力してボタンを押すと登録・解除できます。


登録フォーム






解除フォーム




まぐまぐ


『まぐまぐ!』から発行しています。

Posted by shinobu at 13:22 | TrackBack

2005年12月04日

三条会『砂の女』12/03-04三条会アトリエ

20051204 chiba.JPG
千葉パルコ前の広場

 三条会のアトリエこけら落とし公演・2005年日本近代らりぱっぱ4部作の2作目です。『砂の女』は安部公房の小説。『山椒大夫』で勉強不足を後悔したので、今回はあらすじを頭に入れて伺いました(やっぱり原作は読んでない)。
 楽しかったですぅ♪いっぱい笑って考えて、充実の1時間でした。

 三条会アトリエはJR千葉駅から徒歩15分。往復3時間かけて1時間の作品を観に行く気になるのは、それがそこにしかない素晴らしいものだと信じるからです。

 ★人気ブログランキングはこちら♪

 ※あらすじと解説はこちらのブログ(私的ファイル deltazulu 記録再開)に詳しいです。

砂の女
砂の女
posted with 簡単リンクくん at 2005.12. 4
安部 公房著
新潮社 (2003.3)
通常24時間以内に発送します。

 『砂の女』のストーリーをなぞりながら、男と女、恋愛、生活、資本主義社会などの現代人の根本的なテーマを、舞台上で起こるさまざまな出来事に象徴させる方法で表現します。皮肉とユーモアと歌がたっぷり。
 関美能留さんの演出は、それらをすっかり嘲笑している風にも映ります。でも汗びっしょりになって、大真面目に全力で舞台に立っている役者さんを見ていると、人間や命に対する無条件の愛と感謝も感じられます。そのせめぎ合いが独特です。

 「恋は水色(英語)」を流しながら、その日本語の歌詞を大声で読み上げるのに爆笑しちゃいました。ある部落に昆虫採集にやってきた男と、彼を泊めてやる女主人との間の“恋”が“水色”だという設定になっていたのです。このように『砂の女』の登場人物を使いながら、原作とは違うところにあるテーマを重ねて表現するのが面白いです。

 色仕掛けで(ベッドへ)誘う女、それにすっかり乗せられて服を脱いでいく男など、「女にコントロールされる男」像が多かったように思います。「(子供が)できちゃったみたい・・・」と、下心満載で困ったようにつぶやく小悪魔な女って、TVドラマでよく登場しますよね。そしてそれを言われた男は恋や夢、信念、理想を突然にあきらめて捨て去り、“生活”という地獄へと自ら堕ちて行きます。
 マクドナルドのハンバーガーと瓶入りのコカコーラの早食い競争をする男たちは、資本主義社会のお仕着せの競争に命を掛ける、愚かな企業戦士のように見えました。

 三条会でお馴染みの「男が女を(女が男を)ダメにした~♪」の歌が流れました。『山椒大夫』の時は笑えたのだけれど、今作では笑いよりも恐ろしさを感じました。男女の騙しあい、裏切りあいが、滑稽を通り過ぎてみじめに感じたからです。殺気だった笑みを浮かべながら全力でお馬鹿な踊りを踊る役者さんを、悲しい気持ちで眺めていました。この演出に限ったことではありませんが、観客はそれぞれ全然違う感想を持ったのではないかと思います。

 おもむろにステージに置かれたはしごが最高(笑)。床に置いてあるのに、上から垂らされているように見えました。

 三条会の役者さんは皆さん凄いです。全身を使い切っています。女優さん、実はきれいな人ばかりですね。「実は」とか言ってしまってごめんなさい。だっていつももの凄い顔で演技してらっしゃるから、今までわからなかったんですよ(笑)。

三条会アトリエ柿落とし公演 2005年日本近代らりぱっぱ4部作
出演=榊原毅/岡野暢/橋口久男/大川潤子/立崎真紀子/舟川晶子
作=安部公房 演出=関美能留 照明=佐野一敏 制作=久我晴子
発売開始=10/25(火) 前売り・予約・当日共2,000円(日時指定・全席自由・各回30席限定)
三条会=http://homepage2.nifty.com/sanjokai/

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
●●●人気blogランキングに参加中!ポチっとクリックしていただけると嬉しいです。●●●
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。

メルマガを発行しております。過去ログはこちら
 毎月1日にお薦めお芝居10本をご紹介し、面白い作品に出会った時には号外も発行いたします。
 ぜひご登録ください♪
 『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』(ID:0000134861)

↓↓↓メールアドレスを入力してボタンを押すと登録・解除できます。


登録フォーム






解除フォーム




まぐまぐ


『まぐまぐ!』から発行しています。

Posted by shinobu at 23:03 | TrackBack

2005年12月03日

@ザ・グローブ・プロジェクト『燈色の星(ひいろのほし)』12/03-04東京グローブ座

 @ザ・グローブ・プロジェクトはジャニーズ事務所と早稲田大学が主催する早稲田生による公演です。ネット上でもかなり記事になっていましたね(シアターガイドの演劇ニュース)。ジャニーズ事務所からのゲストは岡本健一さん。
 作品は、私が約10年前に観ていた学生演劇に似た感じというか、つまり古いタイプの暗いもので、ちょっとがっかり。
 でも第1回目ですからね。これから毎年ぜひぜひ続けていってもらいたいです。そして早稲田演劇の目玉といえばコレ!と言われるぐらいの名物企画になるといいですよね。

 ★人気ブログランキングはこちら♪

 明治大学の文化プロジェクトは全体的に学芸会っぽかったことは否めませんが、初々しさやパワー、情熱を感じました。対してこのプロジェクトは、東京グローブ座というきちんとした劇場で、受付もしっかりしていて、始まりから終わりまで粗相が一切なく、作品自体もきちんと箱の中に納まってしまっていたように感じました。つまり退屈しちゃった、というのが私の率直な感想です。

 あらすじは公式サイトによると、「歴史に名を残す井原西鶴の『好色五人女』と芥川龍之介の『地獄変』 この2つの名作を基に兄妹を導くさまざまな“えん”を描いた江戸絵巻」ということで、時代物でした。

 睡魔に数回襲われたせいもありますが、何を伝えたかったのかがよくわかりませんでした。とりあえず暗いんです。ストーリーはもちろん、装置も照明も衣裳も暗い。演技も基本的に笑いはゼロでシリアス&ドラマティック一辺倒。
 役者さんはお上手だったと思います。身体訓練を積んでいて経験も豊富そうに見えました。でも魅力があったかというと・・・。残念ながら印象に残った人がいませんでした。ドスのきいた声をまっすぐに発するセリフが多かったですね。あまり耳に嬉しいものではありませんでした。

 岡本健一さんもちゃんと出演されていて、さすがに目を奪われました。でも結局あの役が何だったのかはわからず終い。たくさん居たコロスは何を意味していたのかなぁ・・・ただ、なんとなく恨みとか悲しみとか憎しみとか、そういうマイナス方面の人間の性質を表していたのかな。それだけだと浅いんですよね。

 なんだか批判的なことばかり書いてしまっていますが、誤解なく伝えておきたいのはスタッフワークがプロ級だったこと。きちんとしたお芝居でした。やっぱりね、大学と企業が組んで学生を支援する企画だと思うと、否応なしに期待が大きくなっちゃうのです。何か新しいものが生まれるんじゃないかって。来年もあるならまた行こうと思います。

早稲田大学・ジャニーズ事務所提携公演 出演=岡本健一/学生キャスト26名
脚本=川村裕紀 演出=川除学/高橋奈都子 その他スタッフ=学生76名 製作=@ザ・グローブ・プロジェクト 学生事務局 エグゼクティブプロデューサー=竹本幹夫(早稲田大学演劇博物館長)/小杉理宇造(ジャニーズ事務所 顧問) 主催=早稲田大学演劇博物館・ジャニーズ事務所
S席:1500円(当日券1800円)A席:1200円(当日券1500円)
公式=http://www.waseda-globe.com/

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
●●●人気blogランキングに参加中!ポチっとクリックしていただけると嬉しいです。●●●
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。

メルマガを発行しております。過去ログはこちら
 毎月1日にお薦めお芝居10本をご紹介し、面白い作品に出会った時には号外も発行いたします。
 ぜひご登録ください♪
 『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』(ID:0000134861)

↓↓↓メールアドレスを入力してボタンを押すと登録・解除できます。


登録フォーム






解除フォーム




まぐまぐ


『まぐまぐ!』から発行しています。

Posted by shinobu at 23:39 | TrackBack

2005年12月02日

【ひとりごと】『目的地』の猫が会社にいた

mokutekichi-cat.jpg
『目的地』の猫

 チェルフィッチュ『目的地』のチラシです。
 「かわいいから」という理由でデスク横の本棚に貼られていました。こんな運命をたどるチラシは幸せです。

  ★人気ブログランキングはこちら♪

Posted by shinobu at 15:47 | TrackBack

【情報】『12人の優しい日本人』2006年1月28日(土)WOWOWで生中継!

 “チケット即日完売の人気舞台が、WOWOWに勢ぞろい!”ということで、再放送を含め凄いラインナップです(シアターガイド2006年1月号に掲載された広告より)。

 12/08(木)『志の輔らくご in Parco
 12/11(日)『KITCHEN
 12/18(日)『メディア』/「蜷川幸雄2005~疾走する70歳~」
 12/20(火)『浪人街
 12/23(木)『天保十二年のシェイクスピア
 01/04(水)『伊東四朗一座 喜劇芸人誕生物語
 01/05(木)『キレイ~神様と待ち合わせした女~
 01/18(水)『コンドルズ 日本縦断大頂上ツアー2005』
 2月予定  『ダブリンの鐘つきカビ人間

 嬉しい(?)情報は1/28(土)19:00~『12人の優しい日本人』の生中継ですね。

 ★人気ブログランキングはこちら♪

Posted by shinobu at 13:55 | TrackBack

【情報】エチカ表参道オープン記念パスネット

20051202_1308_0000.jpg
パスネットとおまけ

 通勤途中に駅員さんが呼び込み販売をされていたので、思わず購入しちゃいました(1000円)。オリジナルメモ帳とリーフレット(エチカ地図)付き。
 ⇒エチカ表参道

 ★人気ブログランキングはこちら♪

Posted by shinobu at 13:50 | TrackBack

2005年12月01日

【情報】エチカ表参道~表参道に26の専門店~

echika poster.jpg
Echika表参道ポスター

 よく使うのです、表参道駅。かなりきれいになってきました。駅の構内にお店がいっぱいできているんです。その名はエチカ表参道。わざわざ来るよりも、チラリと寄ってみたらすっごく便利だった!・・・ってなるといいですね。
 12月2日(金)オープン、明日ですよーっ。

 ★人気ブログランキングはこちら♪

cafe de metro.bmp
カフェ・ドゥ・メトロ。マスコミ用オープンDAYでした(11/30撮影)

 カフェ・ドゥ・メトロはけっこう大きなカフェで、お酒も出るみたい。
 表参道の駅の中で酔っ払うっていうのは面白いなぁ(笑)。

Posted by shinobu at 23:10 | TrackBack

【お知らせ】12月3日(土)夜にFM西東京「たけがき2」に出演します。

 FM西東京の演劇情報番組「たけがき2」に出演いたします。毎月第一土曜日に出演の予定です。
 今回は前半に『母・肝っ玉とその子供たち』の感想をお話し、後半は12月に観られるお薦めお芝居を数本ご紹介します。

 西東京市およびその周辺地域でお聴き頂けます。

 12月3日(土)21:30~22:00(の内の約10分間)
 FM 84.2MHz

 たけがき2(ツー):http://takegaki.k-free.net/

Posted by shinobu at 16:13 | TrackBack

流山児★事務所『SMOKE~Long Version~』11/26-12/06ザ・スズナリ

 作=ケラリーノ・サンドロヴィッチ、演出=天野天街という夢のような企画です。案の定、前売り券は完売(当日券は販売されています)。
 脚本はラフカット2000で上演された短編『スモーク』(上演時間40分)に加筆したもので、上演時間は1時間50分。ケラさんのワン・シチュエーション・ナンセンス・コメディが、脈絡なしにブっ飛ぶ天野天街ワールドへと変貌していました。

 ★人気ブログランキングはこちら♪

 《あらすじ》
 フジテレビのドキュメンタリー風恋愛番組の「あいのり」がモチーフになっています。得体の知れぬ南の島。カメラが壊れて撮影が中断しており、ホテルに足止めをくらっている出演者とクルー。「タバコを吸うとつかまりますよ」と強く主張する褐色の肌のホテルマンたちは、日本語がわかるのかわからないのか、行動もいちいち意味不明。ラブワゴンの運転手(栗原茂)がかなり不審な行動をしている。
 《ここまで》

 出演者は流山児★事務所と少年王者舘系列の役者さんなので、レベルが高かったです。ストーリーはありますが、なくてもいいってことで(笑)。私は天街さん独特の演出がいきなりポーンと出てくるだけで楽しかったです。満足です。ただ、意味は不明ですし特に伝えたいこととかテーマがあるわけじゃないので、お好みでない方も多いと思います。
 
 ここからネタバレします。

 いちいち無駄なことが豪華でした。セリフの最中に無意味に歌や踊りが挿入され、それが可笑しくって仕方ないです。私は大好き。舞台は“たばこを吸うと殺されてしまう島”だったのですが、タバコの箱に印刷されている「タバコはあなたの体に害を・・・云々」の注意書きを、歌にするとは・・・!最後にホームページアドレスまで読み上げてましたよね(笑)。 

 運転手(栗原茂)が女性の胸を激しくもみながら苦しげに歌い続けるのは、笑っていいのか怒っていいのか(苦笑)。「“乳房の予感”って何だよ!?」は可笑しかった(言葉間違ってます?)

 ダンスはスーツケースに入って兄について来た小さな妹役の夕沈さんの振付です。少年王者館でもお馴染みのふしぎダンスを、いわゆるドラマ等の普通の演技をされている役者さんが踊るのは新鮮。照明や映像も良かったです。
 ラストは舞台奥に木星が現れました。もちろん脈絡はゼロ。セリフに一度出てきただけです。ハチャメチャな状態が目の前にも、宇宙にもつながって広がっていく・・・と感じて、気分が良くなりました。

 役者さんで好きだったのは、息子を捨てに来た老夫婦の夫役の小熊ヒデジさん。KUDAN project『真夜中の弥次さん喜多さん』でもお馴染みの、あの静かな殺気が健在。白いスーツ姿が上品でした。
 後半に登場した日本語が話せるホテルマン役の男優さんも良かった。お名前わからず残念。
 女優さんは、美人でスタイルの良い方が足をめちゃ露出したり、胸を揉まれたりしていたので気が気じゃなかったです(笑)。不倫をしているテレビスタッフ役の立原麻衣さんと、善行寺(小川輝晃)の亡き妻役の中村榮美子さん。揉む方の栗原茂さんは役得っていうより大変そうな・・・。

 《ポストパフォーマンストーク》
 芸術監督・出演の流山児祥さんと演出の天野天街さん、そしてゲストの篠井英介さんのお三方がざっくばらんにお話してくださいました。ゲストの篠井さんが司会同然にご活躍されて、上品に仕切って締めてくださいました(笑)。

 そのそも10人ぐらいしか登場しない短編だったのに、出演者は32人。ケラさんの加筆でも28人までしか増えなかったそうで(苦笑)、天街さんはキャスティングに一番困ったとおっしゃっていました。役者全員が登場人物全員分のセリフを読んだそうです。それに2週間かかったとか。

 流山児さんの出演シーンは「タバコを吸ったルンペンが殺されてしまう」ぐらいのト書きしかなかったそうで、つまりチェ・ゲバラの顔が描かれた赤いスカーフを背負って、ふらふらと何か叫びながらにこやかに舞台上を歩き回っていたのには、全く演出はついていないそうです(笑)。

 トーク終了後に感じたのは・・・演劇好きの兄さん達が「やりたい!」って思って、やっちゃったってコトかな、と。この完成度ならそういうやんちゃは大歓迎だと思いました。

出演=伊藤弘子/青木砂織/栗原茂/上田和弘/谷宗和/甲津拓平/小林七緒 /里美和彦/冨澤力/平野直美/帆足知子/木暮拓矢/坂本篤篤/立原麻衣/福井健志/堀之内啓太/流山児祥/夕沈(少年王者舘)/中村榮美子(少年王者舘)/小川輝晃/寺十吾(tsumazuki no ishi)/小熊ヒデジ(てんぷくプロ)/さとうこうじ/宮島健/沖田乱/和倉義樹(毛皮族)/水谷ノブ/蒲公仁(個人企画集団ガマ発動期)/眞藤ヒロシ/井村昴/悪源太義平
作・音楽=ケラリーノ・サンドロヴィッチ 演出=天野天街(少年王者舘) 音楽=ケラリーノ・サンドロヴィッチ+本田実 美術=水谷雄司 照明=木曽千倉 音響=島猛 振付=夕沈 映像=浜嶋将裕 舞台監督=小林岳郎 演出補=小林七緒 演出助手=帆足知子・堀之内啓太 宣伝美術=雨堤千砂子 宣伝写真=村田憲治 制作=米山恭子
前売り4000円 当日4500円 学生2500円
公式=http://www.ryuzanji.com/

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
●●●人気blogランキングに参加中!ポチっとクリックしていただけると嬉しいです。●●●
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。

メルマガを発行しております。過去ログはこちら
 毎月1日にお薦めお芝居10本をご紹介し、面白い作品に出会った時には号外も発行いたします。
 ぜひご登録ください♪
 『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』(ID:0000134861)

↓↓↓メールアドレスを入力してボタンを押すと登録・解除できます。


登録フォーム






解除フォーム




まぐまぐ


『まぐまぐ!』から発行しています。

Posted by shinobu at 15:57 | TrackBack

メルマガ 2005年12月のお薦め舞台

 2005年12月のお薦め舞台10本+αをご紹介します。
 ★メルマガへのご登録はこちらへ!
 ★バックナンバーはこちらです。

 ★人気ブログランキングに参加しています♪

┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏

 “しのぶの演劇レビュー” Vol. 18     2005.12.1  743部 発行

┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏ http://www.shinobu-review.jp/

   今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪
                   
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 ◎街はクリスマスの明かりでいっぱいですね!
  夜の劇場への道のりが、ロマンティックで嬉しいです♪

    舞台には、あなたの心を揺さぶり、
      人生の輝きを増してくれる奇跡があります。

  “今から観られる面白い演劇”をどんどんご紹介していきます。
  お友達、ご家族、恋人と一緒に、どうぞ劇場を訪れてください♪

 ◎このメルマガのプロフィールはこちら↓
     http://www.shinobu-review.jp/melmaga.html
  バックナンバーは全て公開しています。
     http://blog.mag2.com/m/log/0000134861


○○ 今回のもくじ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 ◆1【今月のお薦め10本+α】
   
   ◎No.1→自転車キンクリートSTORE『セパレート・テーブルズ』
       12/15-23全労災ホール/スペース・ゼロ
       http://www.jitekin.com/html/kouen-joho.html#03

 ◆2【先月のベスト3】

   ◎No.1→新国立劇場演劇『屋上庭園/動員挿話』
       10/31-11/16新国立劇場 小劇場
       http://www.nntt.jac.go.jp/season/s274/s274.html

 ◆3【 ☆ご報告☆ セミナーへのご来場ありがとうございました!】

   ◎去る11月6日にアートマネジメントセミナーのゲストとして
    3時間(!)お話しさせていただきました。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/1107002836.html

 ◆4【お薦め芝居の前売情報 ラッパ屋・鈴木聡作品】

   ◎鈴木聡さんの作品は超おすすめ!間もなく発売開始です。

 ◆5【「制作者のための宣伝美術ワークショップ」が凄い!】

   ◎“チラシづくりとは、情報を操作すること。”
    http://fringe.jp/special/kyo/workshop/

 ◆6【編集後記】

   ◎朝日舞台芸術賞の事務局に勤務しています。

 ◆7【このメルマガについての注意事項(毎月同じ内容です)】

   ◎はじめての方はどうぞお読みくださいね♪

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆1 【今月のお薦め10本+α】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ※★印がいちおし公演です(3本)。
 ※初日の早い順に並べています。
 ※掲載内容:主催・『題名』・日程・会場・コメント・価格・URL


1.扉座『アトムへの伝言』12/02-11紀伊國屋ホール
  ≪厚木、新宿≫
  ☆全席指定 前売4,200円 当日4,500円 学生3,000円(劇団扱いのみ) 
   東京公演初日(12/2)3,000円
   http://www.tobiraza.co.jp/kouen/atomuhenodengon.htm
   作・演出=横内謙介さんが日記(2005.09.27) で
   「キャリアの中でも1、2を争う傑作になりそうな予感がしています。
    オオ、私が書きたかったのは、コレなのだ、って感じです。」
   と書かれています。期待できるんじゃないかなぁ、と。
    http://www2.istist.com/tobiraza/diary/bn/bn2005_09.html
   

★2.劇団、本谷有希子『無理矢理』
  12/03-12吉祥寺シアター
  ☆作・演出=本谷有希子 出演=高田聖子(劇団☆新感線)
   全席指定 前売3,800円 当日4,000円 追加公演=12/11(日)19時
   http://www.motoyayukiko.com/
   前回の『乱暴と待機』↓がとっても面白かったので。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/0416123058.html


★3.NODA・MAP『贋作・罪と罰』
  12/06-01/29シアターコクーン
  ☆脚本・演出=野田秀樹 出演=松たか子/ほか
   10年ぶりの再演です。主役が大竹しのぶさんから松たか子さんへ。
   全席指定 S席¥9,000 A席¥7,000 コクーンシート¥5,000
   http://www.nodamap.com/02tsumitobatsu/gaiyou.htm
   ※私は1月に観に行きます。


4.Team ARAGOTO『エビ大王~Strong Play of The World~』
  12/08-23青山劇場
  《東京、大阪》
  ☆出演=筧利夫/サエコ/橋本じゅん/河原雅彦/佐藤アツヒロ/ほか
   筧利夫さんが座長をつとめるチームが始動。韓国の戯曲だそうです。
   全席指定 S席¥8,500 A席¥6,500
   http://www.ebi-daio.jp/


5.演劇企画集団 THE・ガジラ
  『ヒカルヒト』12/08-25本多劇場
  ☆作・演出=鐘下辰男 出演=市原悦子/木場勝己/塩野谷正幸/ほか
   鐘下辰男さんの演出で市原悦子さんを観てみたい。渋いキャスト陣。
   全席指定 前売¥4,800 当日¥5,300 学生=前売・当日共¥3,500
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~cottone/


6.グリング『海賊』
  12/09-18ザ・スズナリ
  ≪東京、大阪≫
  ☆作・演出=青木豪 出演=峯村リエ(ナイン100℃)/ほか
   青木豪さんのドラマは見ごたえがあります。初の大阪公演あり。
   全席指定 前売¥3,500 当日¥3,800
   http://www.gring.info/
   過去作品のレビュー↓『カリフォルニア』
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/0714174245.html


7.世田谷パブリックシアター・レパートリーの創造2005
  『ソウル市民』12/11-25シアタートラム
  ☆作=平田オリザ 演出=フレデリック・フィスバック
   全席指定 一般4,000円 ユース2,000円 シルバー3,000円
   (ユースは20歳未満または学生、シルバーは60歳以上)
   劇場がプロデュースする、名作の再演シリーズです。
   http://www.setagaya-ac.or.jp/sept/jouhou/05-2-4-39.html


8.ひょうご舞台芸術『パウダア~おしろい~』
  12/14-18紀伊國屋ホール
  ≪兵庫、東京≫
  ☆第1回近松門左衛門賞 優秀賞受賞作(脚本)の上演です。
   出演=小市慢太郎/いしのようこ/ほか
   作=菱田信也 演出=宮田慶子
   全席指定 5,000円
   http://www.gcenter-hyogo.jp/


★9.自転車キンクリートSTORE『セパレート・テーブルズ』
  12/15-23全労済ホール/スペース・ゼロ
  ☆テレンス・ラティガン3作連続上演の最後を飾ります。かなりお薦め!
   全席指定 一般=5,000円 ※12/15(木)、12/16(金)は4,000円
   http://www.jitekin.com/html/kouen-joho.html#03 
   前2作のレビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/0910002224.html
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/1022230616.html

  ●お薦めポイント●
   すっかりテレンス・ラティガンの大ファンになってしまいました。
   豪華キャストです。特に燐光群の坂手洋二さんの出演に注目。
   出演=久世星佳/神野三鈴/山田まりや/坂手洋二/ほか
   作=テレンス・ラティガン 訳・演出=マキノノゾミ


10.tpt『アメリカン・バッファロー』
  12/22-01/08ベニサン・ピット
  ☆出演=手塚とおる/藤沢大悟/山本亨
   作=デヴィッド・マメット 訳=広田敦郎 演出=門井均 美術=礒沼陽子
   一般¥7300 学生¥3150 U30¥4200 ※U30は1975年以降生まれの方が対象。
   http://www.tpt.co.jp/   デヴィッド・マメットが注目されていますね。
   ・シス・カンパニー『エドモンド』
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/0822232436.html
   ・藤原竜也、市村正親が初共演2人芝居(スポーツ報知)
    http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051125-00000021-sph-ent


 ★★★―――――――――――――――――――――――――――――― 
  3000円台のお薦め作品も特別に3本ご紹介します。
  今月はちょっとクセのある、私好みの作品をピックアップ。
 ――――――――――――――――――――――――――――――★★★ 

 ●Oi-SCALE(オイスケール)『サイゴ』
  12/15-18吉祥寺シアター
  ☆出演=佐藤康恵/ほか 脚本・演出・出演=林灰二
   全席指定 前売3300円 当日3500円
   12/16(金)15:30の追加公演に限り前売2800円
   http://www.oi-scale.com/


 ●Impasse<アンパース>『あんずとすしお』
  12/16-25新宿ゴールデン街劇場
  ☆出演=新谷真弓/湯澤幸一郎
   前売3000円 当日3500円
   http://www.g-up.info/


 ●清水宏の年末スペシャル・ソロライブ
  『清水宏のワンマンバス』12/29紀伊國屋サザンシアター
  ☆「車掌も運転手もバスガイドも皆清水!」だそうです(笑)。
   全席指定 前売3000円 当日3300円
   http://www.d9.dion.ne.jp/~shimi-h/


+α(私は観に行けないのですが、■その他、▼ダンスなど)


 ■青山円形劇場プロデュース
  『ア・ラ・カルト~役者と音楽家のいるレストラン』
  12/01-26青山円形劇場
  ≪東京、大阪≫
  全席指定¥6,800 夜の回はワイン・サービスあり
  http://www.aoyama.org/japanese/schedule/s2005/enkei/12alacarte/alacarte.html


 ▼吾妻橋ダンスクロッシング『HOLY NIGHT SPECIAL』
  12/22-23アサヒ・アートスクエア
  全席自由・整理番号付き 前売2800円 当日3200円 学生前売2500円
  http://azumabashi-dx.net/


 ▼Noism05『Noism05 NEW WORK PREMIERES IN WINTER '05-'06』
  21/23-25新国立劇場 中劇場
  ≪新潟、富山、大阪、札幌、東京、仙台≫
  全席指定 S席5,500円 A席4,500円
  http://www.conversation.co.jp/schedule/noism05/index.html


 ◎しのぶの今月の全予定(22本+α)はSCHEDULEに掲載しています。
  キャスト・スタッフ情報あり!
  http://www.shinobu-review.jp/schedule.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆2 【先月のベスト3】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

1.新国立劇場演劇『屋上庭園/動員挿話』
  10/31-11/16新国立劇場 小劇場
  http://www.nntt.jac.go.jp/season/s274/s274.html
  ☆今も新しい岸田國士の世界を、プロの俳優と演出家が
   全身全霊をかけて創作。涙がしぼり出されました。
  *レビューはこちら↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/1110155332.html


2.チェルフィッチュ『目的地』
  11/03-15こまばアゴラ劇場
   http://www.komaba-agora.com/line_up/2005_11/chelfitsch.html
  ☆今だからこそ生まれた、今観るべき演劇。来年NHKで放送されます。
  *レビューはこちら↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/1108010320.html


3.世田谷パブリックシアタープロデュース
  『偶然の音楽』
  10/31-11/20世田谷パブリックシアター(10/31はプレビュー)
   http://www.setagaya-ac.or.jp/sept/jouhou/05-2-4-32.html
  ☆白井晃さんが優しく、美しく作り上げるポール・オースターの夢世界。
  *レビューはこちら↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/1102002808.html


 ◎メルマガのバックナンバーはこちら↓で全て公開中!
  http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000134861
  メルマガ号外は誰が観ても楽しめそうなものを選んで発行しています。
  11月は『屋上庭園/動員挿話』で発行いたしました。
  http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/1110225227.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆3 【☆ご報告☆ セミナーへのご来場ありがとうございました!】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ネットワークユニットDuo主催のアーツマネジメントセミナーに
 ゲスト出演いたしました。
   ◎アーツマネジメントセミナーシリーズVol.2
    「10年後、あなたは演劇、続けていますか?」第2弾
    “今、面白い芝居を作り続けている劇団ってどこ?”
    詳細⇒ http://www.unit-duo.net/duo_seminar/ams02.html

 休憩10分を挟んだ3時間(!)みっちりお話しさせていただきました。
 まとめはこちら↓です。
  http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/1107002836.html

 参加された方がブログに感想を書いてくださっています。
 お楽しみいただけたようで、すっごくホっとしました~。

  棚から牡丹餅
   http://blog.livedoor.jp/taneshue/archives/50186559.html
  △ ゾウの猿芝居 ▽
   http://inzou.seesaa.net/article/9048611.html
  箱の中身
   http://blog.livedoor.jp/apollo13onthemoon/archives/50180293.html

 観客さん、役者さん、作・演出家さん、制作さん、俳優指導者さんなど
 色んな分野の方がご参加くださいました。

 実際にお会いしてお話しさせていただいたことで、
 「ウェブ上の文章だけでは、ありのままの意見や気持ちは伝わりにくい」
 ということがわかりました。やっぱり人間は顔を見合わせて、
 同じ空間に居て語らうことが大切ですね。

 ★今回はご参加いただけなかった方から
  「次回はいつですか?」というお便りをいただいています。嬉しい!!

  セミナー開催を希望される方は、是非ひとことお寄せください!
  ⇒ shinobu@mtr-standard.co.jp
   件名は「セミナー開催希望」でお願いいたします。
   まとまった人数のご希望があれば再度開催の可能性が・・・♪


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆4【お薦め芝居の前売情報 ラッパ屋・鈴木聡作品】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

  ラッパ屋の鈴木聡さんの作品、大好きなんです。
  2005年は下記の作品で朝日舞台芸術賞の中間発表にも選ばれています。
  (朝日舞台芸術賞 http://www.asahi.com/shimbun/award/stage/ )

   『妻と社長と九ちゃん』
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/0416121631.html
   『最悪な人生のためのガイドブック』
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/0612104420.html

  注目の2作品の前売り開始が迫っていますので、ご紹介いたしますね。


1■ラッパ屋『あしたのニュース』
  2006年1/12-2/5THEATER/TOPS
  《東京・大阪・北九州》
  作・演出=鈴木聡 
  出演=おかやまはじめ/木村靖司/福本伸一/弘中麻紀/岩橋道子/ほか
  http://homepage3.nifty.com/rappaya/
  過去のレビュー↓『裸でスキップ』
  http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2004/0112192121.html
  ★一般発売=12/3(土)~ 全席指定 前売・当日共4500円


2■フジテレビ/他『ハゲレット』
  2006年3/9-21紀伊國屋ホール
  原作=ウィリアム・シェイクスピア『ハムレット』
  翻訳・監修=小田島雄志 作=鈴木聡 演出=山田和也
  出演=近藤芳正/笹本玲奈/久世星佳/ベンガル/ほか
  http://wwwz.fujitv.co.jp/events/stage/st060309hagelet.html
  ダメだ・・・タイトルだけで爆笑、チラシを見て苦笑!
  ★一般発売=12/10(土)~ 全席指定 前売¥6,900 当日¥7,000


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆5 【「制作者のための宣伝美術ワークショップ」が凄い!】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 来年2月に、こまばアゴラ劇場 冬のサミット関連企画として
 同劇場でチラシづくりのワークショップが開催されます。
  
  制作者のための宣伝美術ワークショップ
  “チラシづくりとは、情報を操作すること。”
  http://fringe.jp/special/kyo/workshop/

 演劇の宣伝美術=チラシはその作品の“顔”です。私は
 チラシを見てその作品を観に行くかどうかを決めています。

 もちろん作家や演出家、出演者のネームバリューだけで
 十分に目立つ公演もありますが(三谷幸喜さんの作品など)、
 チラシのヴィジュアル、文章のセンス、作品との関わりなど
 チラシには見所がいっぱい!素敵なものはコレクションもしています♪

 講師・ゲスト陣は、知る人ぞ知るツワモノぞろい!
   京(グラフィックデザイナー)
   荻野達也(fringeプロデューサー) http://fringe.jp/
   松尾洋一郎(青年団制作) http://www.seinendan.org/

 京さんが作られたチラシはコレクションに加えることが多いです。
 荻野さんは“fringe”をたった一人で運営・管理されている超人。
 フランスから帰国された松尾さんのお話が聞けるのは今回の目玉ですね。

 ■日程
   2006年2/04(土)13:00~18:00
      2/25(土)13:00~18:00
   両日とも同内容。どちらか1日を選んでご参加ください。
   終了後、同会場にて講師との懇親会あり(参加費別途)。

 ■定員・料金
   定員=両日共に受講10名・ヒアリング10名(定員に達ししだい終了)
   料金=受講者2,500円・ヒアリング1,000円(当日受付にて支払い)

 ■参加対象者
   現役の制作者・チラシ作成に中心となって関わる俳優・劇団主宰者。
   制作未経験の方・デザイナーはヒアリングメンバーとして参加可能。

 ■お申し込み方法はこちら 受付開始=12/5(月)~
   http://www.agora-summit.com/ws.html 
   ※私はヒアリングメンバーとして参加したいと思っています。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆6 【編集後記】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ◎朝日舞台芸術賞の事務局に勤務しはじめました。
  http://www.asahi.com/shimbun/award/stage/
  私が選ぶわけじゃないんですが(当然)、楽しくてしょうがないです!


 ◎人気blogランキングに続いて、
   http://blog.with2.net/rank1170-0.html
  「日本ブログ村 演劇ブログ」に参加してみました。
   http://show.blogmura.com/
  いろんな演劇関係のブログがあって楽しい!
  特に役者さんが個人的なことを書かれているのは嬉しいですねぇ(笑)。
   ⇒Studio Lifeの甲斐政彦さんのブログ「役者のひとり言」
    http://blog.kai-masahiko.com/


 ◎パフォーミング・アーツ・マガジン[バッカス]02号
  私が書いた劇評(Ort-d.d『四谷怪談』について)が掲載されています。  
   http://www.7andy.jp/books/detail?accd=31442121


 ◎「劇場に足を運ぶことが、日本人の習慣になって欲しい」
  それが私の望みです。
  これからもこつこつ、地道に進んで行きたいと思っております。
  皆様、どうぞよろしくお願いいたします♪


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆7 【このメルマガについての注意事項(毎号同じ内容です)】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 このメルマガは、高野しのぶの演劇への情熱で書かれています。
 沢山の人に演劇に触れてもらいたい! ので、クチコミ・転送 大歓迎です♪

 ☆ご友人、お知り合いにどうぞこのメルマガをご紹介ください!
  (以下をそのまま転送してくださいね♪) 

  【面白い演劇を紹介してるメルマガはコレ!】
   ⇒ http://www.mag2.com/m/0000134861.htm

 ☆もしこのメルマガを観てお芝居に行かれたら、劇場でのアンケート用紙に
  「高野しのぶのメルマガで知った」等、書いていただけると嬉しいです♪

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ◎東京および関東近郊の情報に限らせていただいております。
 ◎掲載内容には細心の注意を払っておりますが、
  間違いがあることもあります。情報は主催者URLでご確認ください。
 ◎お薦めを観に行って面白くなかったら・・・ごめんなさいっ。

 ◎私の好みはこちらです。
    → http://www.shinobu-review.jp/favorite.html
  簡単なプロフィールはこちらです。
    → http://www.shinobu-review.jp/intro.html

 ◎購読・解除はこちらから簡単にできます。
  まぐまぐ → http://www.mag2.com/m/0000134861.htm

////////////////////////////////////////////////////////////////

 メルマガ 『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』
 発行人:高野しのぶ
 メルマガ サイト:http://www.shinobu-review.jp/melmaga.html
 Review サイト:http://www.shinobu-review.jp/
 Eメール:shinobu@mtr-standard.co.jp

 このメールマガジンは、まぐまぐから配信されています。
 まぐまぐ:http://www.mag2.com/

 Copyright(C)2004-2005 MTR standard corporation. All rights reserved.
 許可無く転載することを禁じます。

////////////////////////////////////////////////////////////////

Posted by shinobu at 00:10 | TrackBack