2005年04月03日
4月2日(土)夜にFM西東京「たけがき2」に出演しました。
FM西東京の演劇情報番組「たけがき2」に出演いたしました。またもや告知が遅れてしまいました。ごめんなさい。基本的に毎月第一土曜日に出演することになりました。よろしくお願いいたします。
騎馬オペラ・ジンガロ『ルンタ』の観劇感想をお話し、4月のお薦めお芝居を3本をご紹介。
西東京市およびその周辺地域でお聴き頂けます。
4月2日(土)21:30~22:00(のうちの約10分間)
FM 84.2MHz
たけがき2(ツー):http://takegaki.k-free.net/
G2プロデュース『Candy's』03/30-04/10/本多劇場
G2プロデュースの第9回目の公演は、G2さんが作・演出するラブ・ストーリーです。あらすじと見所は公式サイトにはもちろん、こちらにも非常に詳しく書かれています。
舞台はとある石鹸工場。昭和30年代とその20年前とを行き来するお話で、社長の娘とガンコ職人の間にほんのり生まれる恋と、その職人の隠された過去の謎解きを軸に、何度も何度も時間を行ったりきたりしながら、時には明るく元気に、時には感傷たっぷりに昭和の時代の日本人を描くエンタテインメント作品でした。
チラシのビジュアルから王道のラブ・ストーリーかと想像していたのですが、オープニングのちょっとホラーめいた演出に驚かされました。今までのG2プロデュース作品とはちょっと違う、深刻な怖さがありました。
恋愛がもちろん中心にあるのですが、プライドを持って仕事に打ち込んだ昔ながらの職人の人生と、一途な若者の熱くて切ない青春を描いた作品だという印象が強く残りました。そして、とても悲しいお話でした。
ここからネタバレします。
2つの時代を頻繁に行き来して、しょっちゅう場面転換があり、すべてがスムーズに進んでいるようには見えませんでした。初日があけてすぐの回だったせいか、まだ役者さんの演技がこなれていなかったのかもしれません。
上演時間は2時間弱。石鹸職人の渡部(長谷川朝晴)が心を閉ざしてしまった原因が明かされるまでが、少し長く感じました。時代設定や物語の進行についての説明的なセリフやシーンが多かったようにも思います。
ラストが妙に素早い展開になり、あっという間に完全なハッピーエンドになってしまったのは拍子抜けでした。職人と芸術家の違いについて石鹸工場の社長(山西惇)が熱く語ったり、石鹸職人の親方(久保酎吉)が西洋石鹸の模倣をしていた自分を恥じて、自分が作った石鹸「牛若丸」の大切さに気づいたり、心にずしんと重く響くセリフやエピソードがありましたので、ラストは軽くせずにそのまま直球で悲劇になっても良かった気がします。
これはかなりミーハーな感想なのですが、ヒロイン美雪(須藤理彩)とガンコ石鹸職人の渡部(長谷川朝晴)とのキスシーンが良かったわ~。シャイで不器用な男の子が、和服の女の子を強引に抱き寄せてキスして押し倒す(!)のはたまりませんでした(笑)。この骨太でストイックな素晴らしいラブシーンが、不幸な事件を巻き起こしてしまうという展開が憎いですよね。ちょっと分かり易すぎる感もありましたが。
役者さんでは、社長役の山西惇さんと石鹸職人の親方役の久保酎吉さん、そして美雪の婚約者役の木下政治さんの演技がとてもよかったです。言葉に重さがあり、リアリティーを感じました。
録音機デンスケを持って登場するラジオ局員の菅原永二さん(猫のホテル)のギャグは最高でしたね。
《東京→福岡、大阪》
作・脚本:G2
出演:須藤理彩/長谷川朝晴/竹下宏太郎/新谷真弓/木下政治/内田滋/豊原里美/草野徹/菅原永二/廣川三憲/山西惇/陰山泰/久保酎吉
美術:横田あつみ 照明:倉本泰史 音楽:佐藤史朗 音響:井上正弘 スタイリスト:堀口健一 劇中歌:瓜生明希葉 演出助手:山田美紀 舞台監督:青木義博 木村力 宣伝美術:東學 宣伝写真:伊東俊介 衣裳協力:OKA MASATO ヘアメイク:高野健太郎 Web:河村公一 酒井元舟 橋本徹子 制作:千葉博美 尾崎裕子 伊東妙子 藤田早苗 プロデューサー:大西規世子 製作総指揮:G2 企画・製作・主催:ジーツープロデュース
全席指定:5800円
G2プロデュース内:http://www.g2produce.com/g2p/g2p09/
G2プロデュース内『Candy's』総力特集:http://www.g2produce.com/ms/hal/hal01.html
チケットぴあ特集1:http://t.pia.co.jp/news/candys/candys.jsp
チケットぴあ特集2:http://t.pia.co.jp/promo/play/g2_candys.jsp
エビス堂大交響楽団『カラクリ少女』04/01-03中野ザ・ポケット
エビス堂大交響楽団は大阪を拠点に活動する劇団です。2000年から東京公演も行っています。私は初めて伺いました。
2人の女の子がなぞかけのような呪文を唱えるシーンから開幕します。生まれながらにして呪われている2人の少女が、その運命に振り回される様を時系列で描いていきます。あらすじはこちら。「舞台は中世ヨーロッパ風の架空の世界」と書いてあるのは正直ですね(笑)。衣裳や小道具から、たしかにそうなんだろうなぁとは思えました。
2人の少女の内の1人であるタカメ姫(浅田百合子)に、“いのちの水”を飲むよう勧めたモンティーヌ(入谷啓介)という男がキーマンなのですが、彼と2人の少女との関係が明らかになり、非常に皮肉で残酷な真実が暴かれるのは面白かったです。ただ、その本筋以外のところで物語が二転三転して、何を伝えたかったのかよくわかりませんでした。
あからさまに感情を盛り上げようとする音楽(交響曲なのかな?)がかかり、クライマックスのようなシーンが何度も繰り返されたのは観ていてつらいですね。
初見なのでこういう作風が売りの劇団なのかどうかはわからないのですが、この作品については脚本にムリがあったと思います。殺陣とかもがんばってると思いますが、あまり必要性を感じませんでした。
《大阪→東京》
作・演出:オカモト國ヒコ
出演:山本操 浅田百合子 入谷啓介 猪平浩美 渡辺智寛 有牛望 岩本由佳里 酒井俊紀 渡辺恵 佐伯美佳 岩崎仁美 岩田裕美 五島清富 谷本修一
ゲスト:井田武志(劇団☆世界一団) 木内義一
舞台監督:武吉浩二(CQ) 舞台美術:岡一代(池田意匠事務所) 照明:三浦あさ子(賽(sai)) 音響:三宅住絵 衣裳・小道具:水野泰彰(A-Sura) 宣伝美術:末満健一(ピースピット) 制作:表雄一郎(_brand) 制作協力:枡田聖美 近藤のり子 蓮池奈緒子 企画・製作:エビス堂大交響楽団
エビス堂大交響楽団:http://bravo.jp/~yebisu-do/
前売¥2800 当日¥3000 学生割引その他あり。