2005年06月14日
SePT独舞『井手孤独【idesolo】』05/26-29シアタートラム
イデビアンクルー主宰の井手茂太さんのソロ・ダンス。演劇界で振付家として大活躍されている井手さんの初ソロですから見逃せない公演です。
井手さんは新国立劇場演劇研修所(NNTドラマ・スタジオ)の講師でもいらっしゃいます。
こちらで舞台写真が公開されています。ぜひご覧になってください!(2005/07/12加筆)
井手さんのダンスよりも、彼独特のセンスを存分に味わった作品でした。あっけにとられて苦笑に次ぐ苦笑(笑)。ソロ・ダンスですが2人の女の子ダンサーが助手的な役割で出演されていて、その演出も面白かったです。公演が終わっていますのでネタバレします。
シアタートラムが柔道場(試合場?)のようになっていて驚きました。ダンスなのに柔道場という意外さ。そして柔道場なのにグランドピアノがあり、弾かれることはありませんでした。そして柔道場に現れたのが、スーツ姿なのに頭には高島田の男・・・強烈です(笑)。
井手さんが出てくる前に舞台にいたのは、黒いスーツの受付嬢っぽい女の子と、客席の階段の手すりに布団を干して、布団たたきで布団をたたくおばちゃんルックな女の子。井手さんが下手からおずおずと登場してみたら、布団たたきおばちゃんに「引っ込めぇぇ!!」と怒鳴られて、すごすご、とぼとぼと袖に戻ったり。ダンス公演なのになかなか踊りはじめない(笑)。
やっとこさガッツリ出てきた時は、井手さんは前述の灰色スーツに高島田、そして炊飯ジャーを手に持っていました。この姿だけでもうゴチソウサマ(笑)。
照明が会場を真っ赤に染めて、大音量の音楽、そして舞台正面奥に仕掛けられていた巨大な掛け軸がバサッ!と降りて来ました。筆で大きく書かれていたのは「俺」の一文字。そう!俺だけによる、俺が好き勝手にやる、俺一番な世界!高島田ヘアのちょっと太った男が激しくかっこよく踊るのを呆然と眺めていました。
その後は黒いタンクトップシャツとゆったりパンツに着替えたり、柔道着に着替えたり、踊ったり踊らなかったり、とにかく予想をはるかに超えた演出が続きました。
宝塚歌劇で超有名な「ベルバラ」のテーマ曲をマイクを持って本当に歌われた時は、肩から腰がへなへなになって、思わず吹き出しました。照明もミラーボールのカラフルシャワー状態で、女の子2人のバックダンサーを従えて歌いあげつつ、ちょっとテレながら満足そうな微笑を浮かべるのがまた可愛らしい・・・てゆーかズルイっ!好きにならざるを得ん!
あらゆる意味で一人舞台でしたが、ご本人が陶酔しているようなことは全くなく、計算しつくされた井手ワールドを満喫いたしました。
演劇◎定点カメラに詳細あり。
Wonderlandに色んな方のレビューがまとめられています。当サイトもご紹介いただきました(2005/07/12加筆)
出演=井手茂太/K谷&M橋(イデビアン・クルーのメンバー)
振付・演出・出演=井手茂太
舞台監督=大川裕 照明=斉藤茂男、高円敦美 音響=島猛、大久保友紀 小道具=山田祥子 衣装=稲村朋子 宣伝美術=坂巻裕一
一般 4,000円/当日4,300円 学生料金・劇場会員割引あり
劇場内:http://www.setagaya-ac.or.jp/sept/jouhou/05-2-4-1.html
days:http://www.idevian.com/
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