2005年07月11日
クリオネ・プロデュース『パリアッチ~Pagliacci~』07/10-18全労災ホール/スペース・ゼロ
ペンギンプルペイルパイルズの倉持裕さんが作・演出されるクリオネのプロデュース公演です。豪華キャストですね。
タイトルの『パリアッチ』はイタリアのオペラ『道化師』から来ています。
≪あらすじ≫
舞台はあるオペラ劇場のVIPルーム。劇場では上演時間が合計6時間(本編3時間と休憩3時間)の大人気オペラが上演されており、なんと1年に渡るロングラン中。VIPルームに集まるのは作曲家の細川(小林高鹿)と彼に関わりのある人物たち。オペラに出演しているソプラノは細川の恋人の美鈴だ。
美鈴のマネージャーの宇賀(伊達暁)や細川の友人で劇作家の水内(細見大輔)、ウェイトレスの多希(瀬戸カトリーヌ)、そして警備員の西巻(こぐれ修)と大寺(郷本直也)など、いつものメンバーがいつも通り、時間つぶしや休憩目的でVIPルームを出入りするが、その日は意外な訪問者が・・・。
≪ここまで≫
芸達者で独特の魅力がある役者さんがそれぞれの個性を存分に発揮してらっしゃいましたが、全体的にはまとまりがなく、倉持さんがペンギンプルペイルパイルズの本公演で見せてくださる、観客を煙に巻く不可思議な展開と雰囲気や、その中から徐々に立ち現れてきて最後にグっと胸に届いてくるメッセージが感じられませんでした。
現実と空想の境い目がよくわかりませんでした。別に無理にわかる必要はないと思うんですが、わからなくても感動はしたいので(←わがまま)、そういう意味で残念でした。
全体の感想はそんな感じですが、役者さんの奮闘も含め、細かい部分はすごく楽しませていただきました。セリフ(言葉)がやっぱり面白いんですよね。
ここからネタバレします。
stage note archivesさんがネタバレ注意部分(文字が白色に反転されています)で書かれていますように、私もほとんどが細川の空想の世界なのだろうと思っていたんです。VIPルーム自体も彼の空想なのかな、とも(これは大胆すぎかも)。でもパンフレットを読む限りでは、マネージャーの宇賀が狙撃手(玉置孝匡)を雇ったことも現実で、河川清掃員の一篠(つまみ枝豆)とその妻の久留子(野口かおる)も実在する人物だそうで、だとするとそれをすんなりとは受け入れられなかったです。
細川の空想から生まれた堀込という男(片桐仁)は、細川が昔もっていた“情熱”そのものであり、最後には彼が自ら細川に詰め寄って“情熱”を呼び覚ましてもらうという、最重要人物です。でも、それが伝わってこなかったですね。片桐さんは、片桐さんだけで存在していたような。お一人でもめちゃくちゃ面白いんですが(笑)。プリセタ『オートマチック』での玉置孝匡さんのような存在感だったらカッコ良かったんじゃないかな~。
小林高鹿さん、本当にピアノ弾かれてますよね?びっくりしました。聞き惚れたわ~。そのピアノ演奏が「作曲家が本当の意味で生き返った」ことを表していると理解できたらもっと感動できたと思うんですけどね~。私はストーリー自体をわかっていませんでした。
≪福岡、神戸、東京≫
出演=小林高鹿/瀬戸カトリーヌ/片桐仁/細見大輔/伊達暁/ぼくもとさきこ/郷本直也/野口かおる/玉置孝匡/つまみ枝豆/こぐれ修
作・演出=倉持裕 美術=中根聡子 照明=倉本泰史 音響=堀江潤 衣裳=原まさみ ヘアメイク=鎌田直樹 舞台監督=上野博志 演出助手=福原麻衣 制作=川﨑眞樹・高田喜絵 プロデューサー=渡辺順子(クリオネ) 制作協力=細川展裕(ヴィレッヂ) 主催=財団法人日本劇団協議会 提携=全労済+株式会社スペース・ゼロ 企画・製作=株式会社クリオネ
東京公演発売日:5/14(土)料金:前売4500円 当日4800円 計10ステージ
クリオネ内:http://www.clioneinc.com/produce/produce2.html
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