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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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2005年12月08日

Studio Life『白夜行 第二部』12/01-11THEATRE1010

 『白夜行 第一部』の続編。笠原浩夫さんと岩﨑大さんがメインキャストの黎(レイ)バージョンを拝見しました。
 クライマックスで涙しちゃったよぉ・・・すごいお話でした。ただ、第一部を観ていないと結構つらいんじゃないかと思います。

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 ※あらすじ等は第一部のレビューをご覧ください。

 演出や美術、音楽などは第一部をそのまま踏襲しています。同じイメージで完全な“続編”です。第一部と同様に次々に事件と起こりますので、置いてきぼりにならないように前作をよーく思い出しながらついて行きました。
 クライマックスで亮司(笠原浩夫)と雪穂(岩﨑大)の過去がわかるのですが、「そうだったのか・・・!」と胸が苦しくなり、涙しちゃいました。悲しすぎる・・・。

 パネルに映し出される映像はちょっとレベルが低いと思います。あまり重要視されていないのでしょうけど、できればもうちょっと高品質を希望。
 役者さんは・・・一部を除いて全体的に抑揚が少ないですね。声のトーンも同じになりがち。大阪弁は前回よりも皆さん上達されていました。

 ここからネタバレします。

 原作では桐原亮司(笠原浩夫)と西本雪穂(岩﨑大)が共犯だったとは決して書かれておらず、見事に「どうとでも解釈できる」ようになっているそうです。今作では少年・少女時代の亮司(奥田努)と雪穂(松本慎也)を登場させて、具体的な犯行現場の再現シーンがありました。そこが泣ける・・・!そして19年後の彼らにつながっていくという演出が良かったです。(音楽については※部分へ)

 親による子供の虐待が、亮司と雪穂が重ねてきた犯罪の根になっていた、という結末にストーンと納得できました。
 闇を生きるのか、光の中を生きるのか。誰もがその境界線の上にいると思います。私たちはそれを選ぶことが出来るし、用心していれば光の中を生き続けることができると思います。でも、子供の頃に実の親に無理やり闇の方に連れて行かれてしまったら・・・。そんな子供を増やしてはならないですよね。

 岩崎大さん。雪穂役。お顔も立ち姿も美しいですが、セリフは単調すぎたかな。睨む顔に冷ややかな凄みがあって良かったです。
 甲斐政彦さん。雪穂の再婚相手役。油の乗りきったオヤジを怪演(笑)。動きもセリフも工夫がいっぱいで素晴らしかったです。甲斐さんのブログ「役者のひとりごと」はスタジオライフ・ファンなら必見!
 林勇輔さん。家政婦とか弁護士とか数役を演じてらっしゃいました。もう“笑い担当”として定着しているような(笑)。とにかく上手い。声がいい。もっと出番が欲しかったですねー。
 子供の頃の亮司役の奥田努さんは、笠原さんにそっくりですね。ナイスキャスティング!

 ※泣ける再現シーンで流れた音楽が蜷川幸雄さんの作品で何度も出てくるあの曲(こちらのレビューでも言及)でした。鳴った途端に私は蜷川ワールドへトリップ(涙)。被らないで欲しいなー、あんなに何度も使われてるんだし・・・。

≪東京、大阪≫
出演(メイン)=C(晦/カイ)山本芳樹/舟見和利 D(黎/レイ)笠原浩夫/岩﨑大 出演(その他)=甲斐政彦/山﨑康一/倉本徹/末松一仁/林勇輔/楢原秀佳/深山洋貴/曽世海児/高根研一/船戸慎士 /寺岡哲/奥田努/牧島進一/篠田仁志/下井顕太郎/宗村蔵人/荒木健太郎/関戸博一/松本慎也 /三上俊/吉田隆太/石飛幸治/藤原啓児/重松収(客演)/河内喜一朗
原作=東野圭吾(小学館刊) 脚本・演出=倉田淳 美術=松野潤 照明=森田三郎 舞台監督=北条孝 土門眞哉(ニケステージワークス) 音響=竹下亮(OFFICE my on) ヘアメイク=角田和子 衣裳=竹原典子 殺陣指導=渥美博 美術助手=渡辺景子 演出助手=平河夏 宣伝美術=河合恭誌 菅原可奈(VIA BO, RINK) 宣伝写真=薮田修身 宣伝ヘアメイク=小口あずさ/長谷川亮介(Nanan) デスク=釣沢一衣 岡村和宏 揖斐圭子 制作=稲田佳雄 中川月人 赤城由美子 CUBE STAFF:プロデューサー=北牧裕幸・高橋典子 宣伝=米田律子 制作=北里美織子 制作協力=東容子 縄志津絵 宮澤有美 小泉裕子 八木美穂子 中原愛 大田香織 SPECIAL THANKS=小山岩雄 佐藤綾子(切り絵指導・製作) 主催=日本テレビ放送網(東京公演) 読売テレビ 梅田芸術劇場 CUBE(大阪公演) 制作協力=リコモーション(大阪公演)協力=集英社 M.M.P 舞台屋 制作プロデュース=CUBE 企画・制作=Studio Life
劇団=http://www.studio-life.com/

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Posted by shinobu at 16:54 | TrackBack