COLLOL(ころーる)は東大卒の劇作家・女優、田口アヤコさんとストリッパー女優のLobiさんお二人の演劇ユニットだそうです(Yahoo!より)。ただし今作は田口アヤコさんの単独企画とのこと。
シェイクスピアの「オセロー」を題材にした少々パフォーマンス寄りの演劇でした。「オセロー」を知らずに観るとつらいかもしれません。
田口アヤコさんご本人のブログにご覧になった方のレビューが取り上げられています。「東京小劇場観劇速報」に取り上げられている小劇場系にも詳しいレビューが出ています。「なぜ、いま、王子小劇場で『オセロー』でなければならないのか、それが一番の疑問だ。」というご意見に私も同意です。
田口アヤコさんは去年のbird's-eye view『36000秒』(2日目)と、昔に一度お芝居で拝見しておりました。ダンサーさんかなぁと思っていたのですが劇作家・女優さんなんですね。
客席は広い舞台を挟んで対面式になっており、ステージ上には白い、白い編み物が、黒い床がほとんど見えなくなるほどに広がっています。ロビーにもその白い編み物はつながっていて、ロビーでも舞台上でも黒装束の女性が編み続けていました。舞台上の2人は終演までずっと続けてらっしゃいましたね。美術というよりは、ライブ(生)のインスタレーションのよう。圧巻でした。
衣裳は白色とレース飾りを基調にしたカジュアルな雰囲気で、男女共にスパンコール付きのカチューシャをしており、かなりメロウ&乙女チックです。女の子がかわいいくって、露出も大胆でしたね。金崎敬江さんの短パン姿と円谷久美子さんの胸元が要チェックでございます(笑)。いや、いい意味ですよ。ほんとにキレイでしたから。うっとりですよ。
さてお芝居はというと、「オセロー」の部分的シーンと、若い男女が登場する現代劇の短いシーンがほぼ交互に上演される形式で、役者さんは一人一役ではなく、「オセロー」の登場人物(オセロー、デズデモーナ、イアーゴー、ロドリーゴ、エミーリア等)になったり、等身大の現代の若者になったりします。役者さんの技術の差が出ちゃうのが残念。
「オセロー」の舞台であるヴェネツィアとキプロス島の気候や歴史の説明ゼリフから始まったのが面白かったですね。「オセロー」の世界に入りやすかったです。
現代劇の方は、恋の関係がうまくいっていない男女、もしくは、一方がもう一方のもとを立ち去ろうとしている様子、つまり「別れ(またはそれに至る前段階)」を表している場面が多かったですね。良いムードのカップルは見ごたえがありました。
ただ、オセローとデズデモーナの関係と、現代の若者たちの関係とを同レベルにもってくるのは無理があると思います。有名すぎる戯曲を使うのはリスクが大きいんじゃないかしら。
形式上はひとつの演劇作品だと言えると思いますが、ことば、役者、音楽、美術、衣裳のコラボレーション・ライブと受け取った方がいい気がします。となると、交互に上演されるシーンは“コラージュ”と表現するのがいいのかも。
伊東沙保さん(ひょっとこ乱舞)。光ってますね~。村上哲也さんとカップルで、三角座わりしながらセリフを言うシーンがすごく良かったです。
※タイトル『性能のよい』は、オセローとデズデモーナのような人を惹きつける魅力のある人物(=性能のよい人間)から来ているそうです。
音響演出=江村桂吾 照明=関口裕二(balance,inc.DESIGN) 美術=ナカガワエリ 記録映像=藤田敏正(FOU production) WEB=鈴木順子(PISTOL☆STAR) 舞台監督=吉田慎一 制作=眞覚香那子 words&direction=田口アヤコ
出演=田口アヤコ/円谷久美子/八ツ田裕美/金崎敬江(bird's-eye view)/伊東沙保(ひょっとこ乱舞)/笠木真人(ひょっとこ乱舞)/村上哲也
COLLOL(ころーる)=http://www.collol.jp/
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