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2006年02月28日

ネルケプランニング『tatsuya 親愛なる者の側へ』02/28-03/05紀伊國屋ホール

 何度も再演を重ねた鐘下辰男さんの代表作(1991年初演)ということで観に行きました。津田健次郎さん目当てでもあったんですが。
 紀伊國屋ホールのロビーで若い女の子のキャーキャー声が聞こえてくるなんて意外でしたよ(笑)。なんでかしらと思ったら『テニスの王子様』のミュージカルなどに出演している男の子たちが出てるからなんですね。

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 ≪あらすじ≫ チラシより。
 ハシモトタツヤ 19歳。 本籍・北海道網走市呼人番外地。網走で母親に捨てられ、貧困のどん底を生き抜き、集団就職で上京してきた少年、タツヤ。学生デモが繰り広げられる混乱の街・新宿。彼の周りに渦巻くのは理不尽な差別と凄まじい暴力、そして裏切り・・・絶望の中、手にピストルを握り締めるタツヤの脳裏をよぎるのは、笛のようにこだまする風の音と、容赦なく打ち寄せるオホーツクの海だった。
 高度成長の日本で実際に起きた19歳の少年による連続射殺事件「永山則夫事件」を題材にした作品。色あせることのない鐘下辰男の代表作。
 ≪ここまで≫

 19歳の連続射殺犯・永山則夫は昭和44年に逮捕され、平成9年に死刑執行されて亡くなっています。永山則夫をモデルにした主人公のtatsuya(津田健次郎)がいかにして殺人を犯していったのか、そして彼の不幸な生い立ちも辿っていく、ドキュメンタリー風のお話でした。

 学生紛争とかクスリ漬け&レイプとか、暴力的なシーンが多いです。あらすじにありますように「理不尽な差別」「凄まじい暴力」「裏切り」ばかりが続きます。そしてピストルで連続殺人ですからね。いやな緊張を何度もしました。正直、見続けるのがちょっとつらかったです。
 舞台は学生紛争が激化していた高度成長期の日本です。「なぜ今、これを上演するのかしら?」という疑問を持ちつつ、でも知らないことを教えてもらえるのはありがたいな、という気持ちで最後まで拝見しました。

 tatsuyaが殺人をするに至った経緯を知るにつけ、いたたまれない気持ちになりました。かわいそう、というより、「なぜ?」っていう気持ちが大きかったですね。超ありきたりな感想ですが、やっぱり人間は優しくならなきゃなって思いました(なんだか恥ずかしい・・・)。

 つらい話で大変そうな役を、役者さんは皆さん必死で演じてらっしゃいました。皆さん体当たりされていて甘えが全然なかったので、かなり好感を持って拝見していました。ただ、言葉も演技もちょっと直接的すぎるんじゃないかと思いました。怒りのぶつけ方が一辺倒だったり、一度叫んだらほぼ同じトーンで叫び続けるんですよね。キャラクターの色付けが一色に統一されているというか。もっと複雑に、繊細に作っていただけるとリアリティーが増すのではないでしょうか。

 演出は扉座の茅野イサムさんです。茅野さんといえば『サクラ大戦』歌謡ショウの演出ですよね。エンタメ系の演出だなと感じるところが多かったです。特に音楽の鳴らし方と照明の使い方はわかりやすかったですね。鐘下辰男さんだったら絶対にこれはないな~とか思いつつ(笑)、私にはソフトなタッチで良かったかもしれません。

 ここからネタバレします。

 まず死刑の判決がくだったところから始まり、そこから時間を遡っていきます。ちょっと前から、かなり過去へ、そして“現在”に戻ったりもします、「今演じられているのは“いつ”なんだろう?」と探りながら観ることもしばしばでした。tatsuya役の津田さん以外の役者さんが色んな役を演じるのですが、時どき誰が誰なのかわからなくなることもありました。私は結構楽しかったですが、混乱しちゃう人も多いかもしれません。

 tatsuyaが獄中で書いた手記であろう文章が何度もマイクで流れるのですが、その朗読は誰がされていたんでしょうね。津田さんではない気がしたのですが(津田さんだと思った時もありました)。ちょっと感情を込めすぎなんじゃないかと思いました。

出演=津田健次郎/伊藤裕子/鈴木省吾/大口兼悟/和田正人/渡辺修
作=鐘下辰男 演出=茅野イサム 音楽=佐藤太(BQMAP) 舞台美術=金井勇一郎 舞台監督=宇佐美雅人 照明=林順之(ASG) 音響=青木タクヘイ 衣裳=木村猛志(衣匠也) 演出助手=大江祥彦 宣伝美術=森阪ゆう子 宣伝写真=設楽光徳 スタイリスト=岡井雄介 プロデューサー=松田誠 製作=ネルケプランニング
全8ステージ 発売日=1月8日(日) 前売り4,500円(全席指定・税込)※未就学児童の入場不可。
*1991年の初演後、繰り返し上演されて、1992年に文化庁芸術選奨 文部大臣賞 新人賞受賞を受賞。
ネルケプランニング=http://www.nelke.co.jp/stage/tatsuya.html
ぴあ内=http://info.pia.co.jp/et/promo/play/tatsuya.jsp

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Posted by shinobu at 23:48 | TrackBack

Studio Life『ヴァンパイア・レジェンド』02/25-03/12アートスフィア

 男優集団スタジオ・ライフの『ヴァンパイア・レジェンド』と『DRACULA』の2作品連続公演です。全国7ヶ所公演なんですね。すごいなー。両方とも再演ってことで、私は観たことのない『ヴァン…』に伺いました。もースタジオ・ライフについては私はただのファンですからねっ。役者さん目当てで観に行っちゃうのですよっ!
 今日は終演後に撮影可(!)のトークショ―がありました。いやー・・・すっかり楽しんじゃいました。運良くデジカメも持ってたし(笑)。

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 ≪あらすじ≫ パンフレットより引用。(役者名)を追加。
 19世紀オーストリアにあるスティリアの城で、青年のジョージ(曽世海児)は母(林勇輔)と孤独に暮らしていた。鬱蒼と茂った薄暗い森。訪れる人もわずかなこの地へ、在る時、ヴェルト(三上俊)という青年がやって来ることになった。ジョージは初めての対面に心躍らせ、友人になるのを心待ちにしていた。しかし数日後、やって来たのは彼ではなく、恐ろしすぎる訃報だった---「ヴェルトは悪魔に殺された」
 ジョージが深い悲しみに沈むなか、城の近くで、旅途中の家族が事故に遭ってしまう。ひとり怪我を負った青年は、安静のために城の客人として迎えられた。青年はゼーリヒ(笠原浩夫)といい、美しく妖しい魅力を放っていた。ジョージはゼーリヒに寂しさを慰められ、しだいに二人は心を惹かれはじめる。だが、ゼーリヒは何処から来たのか、何を求めているのか、決して語ろうとはしなかった---
 時同じくして、村では奇妙な病気が流行り始め、若い娘が次々と亡くなっていった。人々に得体の知れない不安が募る在る真夜中、ジョージが眠るベッドへ それは獣の呻き声と共に怪しい姿をした・・・
 ≪ここまで≫

 笠原浩夫さんと曽世海児さんが主役ってことで、手堅いですよね。お二人とも美男を地でいける上に、さらに王侯貴族の立ち居振る舞いをしてくださいます。笠原さんは吸血鬼役で曽世さんはお城のお坊ちゃん役ですからね。そういう普通の人ではない役柄(および世界観)を真正面から堂々と、そして美しく作ろうとチャレンジしてくださるのが、スタジオ・ライフの醍醐味だと思います。

 ジョージ(曽世海児)が昔を回想する形式で進みます。そのセリフの多いこと!ひとりでしゃべりっぱなしですね。安定してきっちりと伝えてくださいました。でも、少々語尾が早くなって息もれしてるかな~っと感じるところもありました。

 シンプルな美術で場面転換はいつもどおり多いので、やはり単調さを感じざるを得ないですね。舞台後方天井から客席に向かって照らす目つぶし(っていうのかな?)の照明で、舞台奥を見えないようにする演出がよく使われていました。それ自体はとっても良いのですが、回数が多すぎるとちょっと気になっちゃいました。
 スタジオ・ライフの作品はまずストーリーをきちんと、わかりやすく伝えることを重視されているので、演出の斬新さやキレなどは期待しない方がいいかな、とも思っています。

 衣裳が良かったです。特に舞踏会のシーンで赤いドレスと黒いタキシードのカップルがじゃんじゃん出てくるんですが、ネオ・ゴシック&デカダン&ゴージャスをデザインでも質感でもしっかり実現してくださってました。女性役の帽子がすごく凝って見ごたえがありました。

 ここからネタバレします。これからご覧になる方は絶対に読まないでくださいね!

 かなりストレートにゼーリヒ(笠原浩夫)とジョージ(曽世海児)との愛を描いています。男同士ですけれど、彼らのバックグラウンドから、お互いに惹かれ合うことに納得でした。特にゼーリヒが吸血鬼だということが分かった時の、曽世さんのあの表情と演技!ほんっとに悲しんでた!せつない!!

 でも、まさか・・・・あんなに濃厚なキスシーンがあるとは!! 目が点になったYO!(笑) これって・・・軽い気持ちで、あんまり世界に入らないで観てたら、やおい系(うわっ、書いちゃったよっ!)って思われちゃうんじゃない?!いや、そういう需要は絶対ありますし、私もスタジオ・ライフの美形役者さん(しかも上手い人)がやってくれるのは歓迎しないわけじゃないんですけどぉぉっ!でもね、ちょっとね、あれは長すぎたと思います。

 プロローグとエピローグでパソコンをいじる現代の若者が出てきます。最後に吸血鬼になったジョージがパソコン少年の背後に登場して、今も彼らは生きてるゾっていう結末になるのです。数百年前の吸血鬼物語が時間・空間的に広がってとても面白いです。でも、私はてっきり、あの美しすぎるキスシーンで終わってくれるものだと踏んだんですよ。音楽もめちゃくちゃ盛り上がってましたし。だからまたあのパソコン少年が出てきた時、ちょっと冷めてしまったんです。できればキスするかしないかのところでスパっと暗転して(あ、でもキスシーンは生きで・笑)、余韻を残してパソコンシーンに行ってくださるとスムーズだったのではないでしょうか(つっこみが細かすぎますね、ごめんなさい)。

 音楽はいつもに比べてけっこう派手で、冒険してらっしゃるように思いました。ただ、一番盛り上がるところで流れた、あの女性ヴォーカルの歌はどうなのかしら・・・私はちょっと恥ずかしくなっちゃったんですけど。たぶん、作品中で音楽が流れている合計時間が長すぎるんじゃないかと思います。いろんな音楽がセリフの途中からずっと流れてる・・・という印象でした。無理やり気持ちを盛り上げられる気がして、反対に冷めてしまうんですよね。

 笠原浩夫さんはやっぱりマントが最高にお似合いになりますね。私が初めて笠原さんを見た時もマントさばきにうっとりした気がします。今回もかっこ良かったです。
 林勇輔さん。ジョージの母親役。林さんの女役は絶品ですね。ゼーリヒに対する敵対心や疑念を表すのが第一の目的だったようですが、そればかりが常に表に出ていたようで残念。できれば、にっこり本気で笑うとか、穏やかな精神状態をもっと出してほしかったですね。その方が疑う演技がより鮮やかに伝わるのではないかと思いました。一ヶ所ギャグをやってくださったのに、目の前のお客様の頭で見えなかった・・・無念!
 下井顕太郎さん。プロローグに登場した技師役など何役も演じられていましたが、医者(石飛幸治)を連れてきた看護士役がすっごく印象に残りました。あれはギャグにしたかったのか、それともああいうキャラってことなのかしら。はっきりとわかるぐらい、もっと強烈でも良かったんじゃないかと思いました。私にはすごく気になる存在でした。

≪東京、大阪、新潟、仙台、北九州、広島、名古屋≫
ゴシックロマン決定版、2作品一挙上演 吸血鬼伝説-禁断の扉が今、開かれる-
ダブルキャスト公演 出演(Venomヴァージョン)=笠原浩夫/曽世海児/林勇輔 /寺岡哲/舟見和利 /深山洋貴 /大沼亮吉 /関戸博一/三上俊/藤原啓児/河内喜一朗/岩崎大(崎は字が違います)/佐野考治/船戸慎士/姜暢雄/牧島進一/篠田仁志/下井顕太郎/吉田隆太/冨士亮太/川崎佑介/大成功児/仲原裕之/政宗/堀川剛史/及川健/山本芳樹/奥田努/青木隆敏/松本慎也/石飛幸治
原作=ジョセフ・シェリダン・レファーニュ「カーミラ」 脚本・演出=倉田淳 美術=松野潤 照明=森田三郎・森川敬子 舞台監督=北条孝・土門眞哉(ニケステージワークス) 音響=竹下亮(OFFICE my on) ヘアメイク=角田和子・片山昌子 衣裳=竹原典子 殺陣指導=渥美博 ダンス振付=TAKASHI 美術助手=渡辺景子 演出助手=平河夏 大道具製作=俳優座劇場 小道具=高津映画装飾 宣伝美術=河合恭誌 菅原可奈(VIA BO, RINK) 宣伝写真=峯村隆三 宣伝ヘアメイク=小口あずさ・長谷川亮介(Nanan) 宣伝オブジェ=オフィス ハラ デスク=釣沢一衣 岡村和宏 揖斐圭子 制作=稲田佳雄 中川月人 赤城由美子 CUBE STAFF:プロデューサー=北牧裕幸・高橋典子 宣伝=米田律子 制作=北里美織子 制作協力=東容子 縄志津絵 宮澤有美 小泉裕子 八木美穂子 大田香織 主催=日本テレビ放送網 CUBE(東京公演) 共催=アートスフィア 制作協力=RICOMOTION 制作プロデュース=CUBE 企画・制作=Studio Life
20ステージ 休演日=3/1 発売日=2005年12月18日(日)全席指定【FC会員】S席 5,400円/A席 4,300円 【一般】S席 5,600円/A席 4,500円*未就学児童の入場不可 
公式=http://www.studio-life.com/

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Posted by shinobu at 01:16 | TrackBack

2006年02月26日

【DVD】七里ガ浜オールスターズ『はばかるな』07/20-25明石スタジオ(2005年)

 昨年末から今年1月にかけて、すっかりイキウメ七里ガ浜オールスターズのファンになってしまい、公演の記録DVDを拝借して観させていただきました。
 『はばかるな』はイキウメの前川知大さんの脚本で、七里ガ浜オールスターズの瀧川英次さんが演出・出演されています。
 イキウメは2/28からの若手演出家コンクールに出場し、3/15(水)からは番外公演が始まりますね。瀧川英次さんは3/11(土)開幕のチェルフィッチュ『三月の5日間』に出演されます。

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 小劇場的豪華キャスト(ゲストがすごい)でなんとなく得体が知れなかったため、そして劇場が明石スタジオだったので、あの時は観に行かなかったんですよね・・・。あぁ後悔・・・だってすごく面白かったんだもの!脚本が緻密です。役者さんの演技についてもこの規模の公演にしては大満足ですね。

 公演は終了していますので、ネタバレします。

 ≪あらすじ≫ 劇場サイトに公演紹介文あり。
 核爆弾を切り札に、日本から独立した国家を作ろうとネット上で呼びかけた男・三浦。彼の元に7人の同志が集まった。高円寺の隠れ家でひっそりと新生国家ウラヌス(天王星)は産声を上げるが、果たして思惑通りにことが進むのかどうか。さっそく一人の身元が謎の人物にバレてしまい・・・。
 ≪ここまで≫

 小さな舞台で役者が喧々諤々(けんけんがくがく)しゃべりまくる会話劇でした。セリフのキャッチボールがポンポンとすばやく行き交います。登場人物一人一人のバックグラウンドがしっかりしていますし、役者さんもちゃんと役柄の演技をしています。そしてストーリーが面白い。「これから一体どうなるの!?」とわくわくどきどきしながら最後まで集中して楽しめました。
 ただ、日替わりゲストについては・・・まあ、日によって当たり外れがあるでしょうね。

 舞台を凹型に客席が囲んでいます。明石スタジオでこの客席だと、舞台は相当狭いのではないでしょうか。客席と舞台がすごく近いので、臨場感があっただろうな~。

 オープニングで面を被って顔を隠した人達が叫びまくり、かなり引いちゃいました。「何が起こっているのだろう?」と想像するよりも、「うるさくって不快」という状態だったんです。どなり声で早口でしたからね。のっけからこういう演出というのはちょっとリスクが高い気がします。もうちょっと観客フレンドリーで柔らかい方がいいのではないでしょうか。
 でも、オープニングのシーンは物語の時系列的にはもっと後で起こった出来事で、さらにスーツの男(瀧川英次)もまだ居るはずのない人物だと判明してからは、こだわったシーン構成に唸りました。

 主婦や占い師、未成年の少女など、集まったメンバーはごく平凡な若者ばかりですので、独立国家なんてそんなにうまくいくわけはありません。少しずつ、ひとつずつ、きれいに編みあがるはずの国家がほどけていき、ボロが出始めます。
 謎の男(瀧川英次)がウラヌスの隠れ家に侵入してきた時はゾクっとしましたね。大御所衆議院議員の娘が同志の中にいて、謎の男とはその衆議院議員の息の掛かった議員だったというのもすんなり受け入れられました。核爆弾がなかったというオチにも納得。まったく、練りに練られた脚本って素晴らしいですよね~。「同志」「非国民」などの言葉を使って、集団が陥る排他性を示したのも良かったです。

 三浦は自殺系サイトにばかり書き込んで呼びかけをしていました。だから集まった同志はみな自殺志願者もしくは自殺に興味を持つ若者ばかりだったのです。もう死ぬしかないという限界まで来た若者が、絶対的なもの(=核爆弾)を切り札に自分の存在をアピールし、「生きている」と感じながら生きるんですね。このクソッタレ日本に向かって「俺は生きている。そして、日本が大嫌いだ」という意思表示をすることだけで美しいです。みんなと一緒にいられなくても。独立できなくても。

 岩本幸子さん。書記役。そつない演技で安定してらっしゃいます。自殺願望のあるナーバスな人物かと思いきや、ものすごくアグレッシブに堂々と発言することもあり、キャラクター的に少々破綻していたように感じてしまいました。
 帯金ゆかりさん。最年少だと思われるアマノ役。大御所の衆議院議員の娘だったとわかってからの爆発が良かったですね。でもそれまでは少々からまわりな印象。
 大森智治さん。軍部役。気弱な軍隊っていうのが可愛らしい役どころでした。でも怒鳴り声でセリフがはっきりと聞こえないところが多かったのが残念。
 瀧川英次さん。若手衆議院議員タチバナ役。演出もされているからか最初と最後にだけ登場するのですが、素晴らしいスパイスになっています。がっちがちのいけ好かないエリート・トークの中で、フっと力が抜けるセリフがあり、それがリアルで心地よいです。

 ※日替わりゲスト(タチバナが隠れ家の前に待たせていたタクシーの運転手役)は、ゲストによってかなり当たりハズレがありそうです。DVD版では清水宏さんでした。清水さんには思いっきり笑わせていただきましたが、ストーリーがすごく面白いので、ネタで流れをぷっつりと切られてしまうことには閉口です。集客のための制作的戦略としてはよくある方法ですし、動員数で成果を上げたなら(追加公演があったようです)主催者側としては成功ということになりますね。でも、まあ、ちょっと・・・ね。できれば私は日替わりゲストがない方がいいですね。作品として楽しみたいので。

 タイトルの「はばかるな」は今作では「遠慮するな」「気がねするな」「躊躇するな」の意味ですね。

出演=市子嶋しのぶ(カムカムミニキーナ)/岩本幸子(イキウメ)/佐藤玲子(殿様ランチ)/帯金ゆかり(北京蝶々)/野口雄介(神様プロデュース)/田中伸一(開店花火)/熊本統伸(SQUASH)/大森智治/瀧川英次
日替わりゲスト=清水宏/中嶋比呂嗣(P.E.C.T.)/鶴牧万里(reset-N)/小野健太郎(StudioLife)/ 爺隠才蔵(劇団上田)/西田シャトナー
作=前川知大(イキウメ) 演出=瀧川英次 楽曲提供=くものすカルテット
合計10ステージ(追加公演あり) 前売¥2,500 当日¥2,500
公式=http://stars.moon.st/
明石スタジオ内=http://page.freett.com/AkashiStudio/calendar.files/gekidan.files/2005.files/2005-0704.html

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Posted by shinobu at 20:35 | TrackBack

2月文楽公演『御所桜堀川夜討』『関取千両幟』02/11-26国立劇場 小劇場

 文楽を観たのは高校生の時以来です。国立劇場はいいですね~、落ち着いたムードがあって。半蔵門って好きです。
 第一部を拝見しました。間に25分の休憩を挟んで『御所桜堀川夜討』『関取千両幟』の2本です。脚本(底本?)の字幕があるとは知らず、感動。

 超詳しいレポート⇒演劇◎定点カメラ

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 高校の時よりはちゃんと観られたと思いますが、まだまだ私はオコチャマでした・・・あぁわからない~と思った途端、うつらうつらと・・・。すみません。もっと大人になってから馳せ参じます。


 ●『御所桜堀川夜討(ごしょざくらほりかわようち)』弁慶上使の段

 弁慶が生涯にただ一度だけ肌を重ねた女がいた、という架空の設定のお話でした。その設定自体がロマンティックだしかっこいいですよね。
 それにしてもどんどん自害するのが迫力。弁慶(人形)が大きな動きをするのに見とれました。


 ●『関取千両幟(せきとりせんりょうのぼり)』猪名川内より相撲場の段

 大阪の掘江に住むお相撲さんのお話ということで、太夫ががんがん関西弁だったのがすごく楽しかったです。あぁこういうの、残ってるんだな~。
 主人公の正義漢の力士と、見るからに悪人の力士との対比。ここにもやはり尋常じゃない健気さの女が登場。お金とか権力とか、昔からそれなりに大事だったみたいだけど、人間のあるべき姿とか、美しい生き様とか誇りとか、目に見えなくて形にならないものの存在が大きかったんだなって思います。

 三味線の曲弾きというのがあって、バチを竿に挟んで投げたり(表現が下手ですみません)、曲芸披露状態。娯楽でした~っ。

出演者=竹本住大夫/鶴澤寛治/吉田玉男/吉田簑助/吉田文雀/ほか
16ステージ 1等席5700円(学生4000円)/2等席4700円(学生2400円)/3等席1500円(学生1100円)
公式=http://www.ntj.jac.go.jp/performance/24.html

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Posted by shinobu at 20:15 | TrackBack

映画「スクラップ・ヘブン」(配給:オフィス・シロウズ=シネカノン)

 主演は加瀬亮×オダギリジョー×栗山千明ってことで。脚本・監督は『69 sixty nine』の李相日(リ・サンイル)さん。本編117分ですが体感時間は裕に2時間以上でしたね。

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 私が映画好きだったのは今から20年ぐらい前です。その頃からこういう“溜まった鬱憤吐き出したい系”の若者映画って多かった気がするんですが、今も作るんですね。
 こう、作品全体から不平不満が吹き出してるというか・・・。発散するだけじゃなくてちゃんと軽く作られてますし、ラストにはにくいメッセージもありましたけどね。
 すっきり爽快はできないし、じっくり人生について考えるほどのアイデアや問題提起ももらえないし、明日の糧になる希望なんてもちろんないです。だから見終わってから「良かったな~」と思ったシーンを数える努力をしました。

 役者さんは皆さん上手かったのではないでしょうか。しらけることがほぼゼロでしたね。オダギリジョーさんがキネマ旬報映画賞・主演男優賞、ヨコハマ映画祭・主演男優賞を受賞されていますが、私的には加瀬亮さんの方がずっと良かったです。栗山千明さんはポスターなどの静止画でしか見たことなかったんですけど、きれいだし面白いですね。バスジャックのシーンは犯人役の田中哲司さんばっかり見てた(笑)。池田鉄洋さんが冒頭に出てきたのも嬉しかったな~。

 ここからネタバレします。

 良かったのは、警察官のシンゴ(加瀬亮)と薬剤師のサキ(栗山千明)のラブシーンがなかったこと。うっとりとしてコピー機の前に立っているシンジを見れば、前夜に二人がヤったんだってことがすぐわかりました。スマートでグー!

 映画って・・・「ありえないよ!」って思った瞬間に激冷めしますよね。あ、演劇でも同じか。
 シンジが殺人事件の被害者の一周忌に行くシーンで、子供が刑事(柄本明)の持ってるケーキを叩き落し、それを足でふんずけるんですが、見ながら「ありえねーっ!!」って叫んじゃいました。受け取らないとか、放るとかはアリかもしれないけど、落とした上に、さらにケーキの箱を足で踏むなんて・・・(笑)。

 あとで思い出したんですが、オダギリジョーって既にバスで死んでたんですね。夢オチ?いや、夢オチって言い方はダメですけど。(2006/02/27追記)

 で、勝手に5つ星評価。

  ★☆☆☆☆ お薦めできない
  ★★☆☆☆ 好みじゃないけど観てよかった
  ★★★☆☆ 面白かった
  ★★★★☆ お薦めです
  ★★★★★ 人生変わるほど感動!

 「スクラップ・ヘブン」は★★☆☆☆です。

"SCRAP HEAVEN" 2005年/日本/117分
出演=加瀬亮/オダギリジョー/栗山千明/光石研/森下能幸/田中哲司/鈴木砂羽/団時朗/山田辰夫/柄本明/池田鉄洋/ほか
監督・脚本=李相日(リ・サンイル) 撮影=柴崎幸三 照明=市川元一 録音=柿澤潔 美術=仲前智治 編集=今井剛 音楽=會田茂一 エンディング・テーマ曲「唇気楼」(東芝EMI)=フジファブリック 製作=オフィス・シロウズ 企画=佐々木史朗 配給=オフィス・シロウズ=シネカノン
公式=http://www.scrapheaven.jp/
情報=http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=5193

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Posted by shinobu at 14:32 | TrackBack

2006年02月25日

【宣伝】シアターガイド2006年4月号に掲載されます

 シアターガイド3月号に引き続き、4月号でもシリーズ「小劇場に明日はあるか?!~出てこい!演劇の未来を背負う若手劇団~」にちょこっと文章を書かせていただきました。
 シリーズ最後の特別企画ということで、かなり充実の内容になっています。“この次”に来るお薦め小劇場劇団の紹介もありますので、ぜひチェックしてください♪ 2006年3月2日発売です。

Posted by shinobu at 20:45 | TrackBack

KAKUTAとアルケミストとスターホール『満天の星』02/23-26東急まちだスターホール

 『アンコール・朗読の夜「ねこはしる」』にひきつづき新作『満天の星』を拝見しました。こちらの方が面白かったです。演劇的要素が多かったからかも。あと、選ばれた本がちょっと大人向けだったからでしょうか。

 レビュー⇒休むに似たり。

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 5作品のオムニバス形式です。といっても1作品は他の4作品の間で何回かに分けて演じられますので、体感時間としては4本分です。
 休むに似たり。にもありますように、座席によって見える・見えないの差が激しいです。演技が見えないまま、声だけを聞いている状態もあります。マチネの『ねこはしる』の教訓から、「おそらくここが一番見やすいであろう」席をゲットしました。ビデオ撮影をしているところがいいんですよね、きっと。

 アルケミストの歌がすっごく合ってました。こんなに優しくてきれいな心の人がいるなんて・・・音楽もやはり世界を救うんだって思いました。

 ここからネタバレします。引用するセリフは完全に正確ではありません。

0■谷川俊太郎著「二十億光年の孤独」
  出演=桑原裕子/田仲祐希

 何度かに分けられて上演され、オープニングとエンディングはこの作品です。
 妹のちか(田仲祐希)のところに帰ってきた姉(桑原裕子)。どうやら姉は失恋したらしい。眠れない。
 白いパジャマが可愛かったです。ラストはアルケミストの歌とバッチリ合ってました!プラネタリウムの満天の星を見上げながら、涙が流れました。


1■田口ランディ著「一番星」
  語り=大枝佳織 出演=三谷智子ほか

 仕事に疲れたマジメなOL(三谷智子)の寂しいクリスマスイブの奇跡。
 沢山の俳優さんが会場内をどんどん歩いて、職場や電車の中、商店街などを表現していきます。躍動感があって、のっぺらぼうに過ぎ去っていくルーチンワークな日常がよく伝わってきました。
 目の前でサッカーのリフティングをする松田昌樹さんがかっこ良かった。


2■川上弘美著「星の光は昔の光」
  語り=原扶貴子 出演=高山奈央子/馬場恒行

 小学生だとおぼしきエビオくん(馬場恒行)が、女(高山奈央子)の家にやってくる、ほんわかムードだけどちょっぴり悲しいお話。「今、届いている星の光はずっとずっと昔の光だからきれいなんだ。でもその昔の光は、もう今はないんだよ」


3■村上春樹著「4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子と出会うことについて」
  語り=若狭勝也 出演=佐藤滋/野澤爽子

 これが一番面白かったです。舞台は1980年代。30歳になったばかりぐらいの男女のロマンティックな恋のお話で、ノリノリ情熱的に語り、演じてくださいました。語り手(若狭勝也)と出演者の男優(佐藤滋)が途中で入れ替わったのが効果的でした。
 “100パーセントの女の子”役の野澤爽子さんが美しかった・・・女の子って愛されると美しくなるんですよね。野澤さんのほっそりとした、だけど芯の有る体が光って見えました。


4■江國香織著「いつか、ずっと昔」
  語り=三谷智子 出演=水野美穂/成清正紀/松田昌樹/横山真二/若狭勝也

 夜桜見物にやってきた婚約したばかりのカップル(水野美穂&成清正紀)。舞い散る桜の花びらの魔法か、女は自分の前世を思い出す。
 ヘビ、ブタ、貝だった頃を思い出すっていうのは面白いですよね。語りの方法はもっと笑えるように作っても良かったんじゃないかなと思いました。


 ラストは「二十億光年の孤独」の姉妹のシーンになるのですが、アルケミストのこんのしょうたろうさんが歌の途中で一言セリフを言います。「寂しくないよ」だったかな。もー・・・それが素敵だった!!グっときましたよ~っっ!

『満天の夜』『アンコール・朗読の夜「ねこはしる」』2作連続朗読会。
出演=こんやしょうたろう(アルケミスト・Vocal)/井尻慶太(アルケミスト・Piano) /成清正紀/若狭勝也/原扶貴子/大枝佳織/松田昌樹/佐藤滋/野澤爽子/高山奈央子/横山真二/馬場恒行/桑原裕子/三谷智子/水野美穂(東京パフェ)/田仲祐希
 構成・演出=桑原裕子 舞台美術=鈴木健介(青年団) 舞台監督=瀬川有生 照明=山口久隆(S-B-S) 音響=島貫聡 選曲=真生 衣装=山崎留里子 映像制作=土橋大輔 演出助手=田村友佳 宣伝美術=川本裕之 宣伝写真・記録=相川博昭 票券管理=佐竹香子(Innocent Sphere) 制作=前川裕作 五十嵐正至 辻本美香子 共催=東急まちだスターホール 企画・製作=K.K.T
[日時指定・全席指定] 前売:2600円 当日:2700円 小学生以下:1500円 *3歳以下のお子様のご入場はご遠慮ください。セット券:5000円【KAKUTA特製・オマケCD付】
公式=http://www.kakuta.tv/

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Posted by shinobu at 02:55 | TrackBack

KAKUTAとアルケミストとスターホール『アンコール・朗読の夜「ねこはしる」』02/23-26東急まちだスターホール

 桑原裕子さんが脚本・演出される劇団KAKUTAのプラネタリウムを使った朗読公演です。2004年初演の『ねこはしる』の再演と、新作『満天の夜』の2本立て。町田、ああマチダ。町田なんて10年以上ぶりだったな~。
 やっぱりアルケミストがめちゃくちゃ素敵でした。終演後にCD買ってる人もいっぱい居ましたね。

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 まずデパートの屋上にプラネタリウムがあることに驚き。スターホールっていう名前も可愛いですよね。プラネタリウムの中央には当然ながら大きな投影機があります。客席は壁際からぐるりとドーナツ状に作られており、いくつか中央に向かう通路スペースは空けられています。壁際にそって3ヶ所、高い台のようになったステージが設置されており、役者さんは階段で自由に上り下りします。投影機の周囲と客席との間、そして台の上が演技スペースになっています。おそらく7割ぐらいは桟敷席でしたね。

 『ねこはしる』という童話っぽい本(主人公は子猫と魚。その他の動物や太陽、沼、石も登場します)を、アルケミストの歌と演奏を交えて朗読し、かなりメルヘンチックな空間になっていました。プラネタリウムのドーム型の天井に街の風景や情景を示す動画が映写され、もちろん満天の星も見られます。

 プラネタリウムを使う時点で素晴らしい企画だと思いますし、思いやりや愛情を感じられる演出もいっぱいありましたが、あくまでも朗読劇なのでね。普通のお芝居を観るのとはちょっと違うんですよね。きちんと朗読が出来ている役者さんが少なかったんです。息がもれてたり、発音にクセがあったり、風景や感情が思い浮かばないような読み方だったり・・・。なのでお話の中に入っていけませんでした。残念。朗読って難しいですよね。

 こんやしょうたろうさんのヴォーカルに感涙。井尻慶太さんのピアノもうっとり。ピアノは弾きっぱなしなんじゃないか?って思うぐらい、ずっと流れていましたね。

『満天の夜』『アンコール・朗読の夜「ねこはしる」』2作連続朗読会。
出演=こんやしょうたろう(アルケミスト・Vocal)/井尻慶太(アルケミスト・Piano) /成清正紀/若狭勝也/原扶貴子/大枝佳織/松田昌樹/佐藤滋/野澤爽子/高山奈央子/横山真二/馬場恒行/桑原裕子/三谷智子/水野美穂(東京パフェ)/田仲祐希
脚本=工藤直子著「ねこはしる」 構成・演出=桑原裕子 舞台美術=鈴木健介(青年団) 舞台監督=瀬川有生 照明=山口久隆(S-B-S) 音響=島貫聡 選曲=真生 衣装=山崎留里子 映像制作=土橋大輔 演出助手=田村友佳 宣伝美術=川本裕之 宣伝写真・記録=相川博昭 票券管理=佐竹香子(Innocent Sphere) 制作=前川裕作 五十嵐正至 辻本美香子 共催=東急まちだスターホール 企画・製作=K.K.T
[日時指定・全席指定] 前売:2600円 当日:2700円 小学生以下:1500円 *3歳以下のお子様のご入場はご遠慮ください。セット券:5000円【KAKUTA特製・オマケCD付】
公式=http://www.kakuta.tv/

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Posted by shinobu at 01:38 | TrackBack

2006年02月23日

動物電気『豆ざむらい』02/23-03/05下北沢駅前劇場

 政岡泰志さんが作・演出する動物電気。所属女優の伊藤美穂さんが好きなので通っちゃいます。今回は東京デスロック多田淳之介さんが出演されていないのがちょっと悲しい。

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 ≪あらすじ≫
 若女将のしの(伊藤美穂)がやりくりする温泉旅館。しのに横恋慕しているクニオ(小林健一)は大手旅館チェーンの跡取り息子で、しのの旅館をつぶしてやろうと企んでいる。しのは遠い昔にその旅館に訪れたという“豆ざむらい様”を信じており・・・。
 ≪ここまで≫

 いつもの動物電気でしたね~(過去公演のレビュー⇒)。久しぶりに観たので懐かしい気持ちにもなりました。出来栄えとしては初日だからなのね・・・って感じでしたね。何度も転換があるからだけではなく、空気がぶつぶつと途切れることが多かったです。公演期間が長いのでこれから良くなっていくのでしょうね。ただ、もう10年以上続いている劇団だと思うと・・・ちょっと寂しい気もします。

 ここからネタバレします。

 露天風呂、旅館の談話室、ふとん部屋と、どんどん舞台を転換します。かなり手作り感覚ですが、それはそれで楽しいなと思いました。

 一番笑ったのはオープニングでめつぶしの照明がダーン!と大胆に光った後、すぐに数人がかりでその床置きの照明を片付けたこと。あの一瞬のためだけに、あれだけの照明を・・・(笑)。
 松下幸史さんの喚起タイムが好き。初日だからだと思いますが、今日は堅かったですね。

 今回は男子が下半身露出しちゃうのが何度もあって(苦笑)、私は顔を伏せまくってました・・・。ぎりぎりのところで見せないようにしてくださると嬉しいんですが、個人的には。

第16回下北沢演劇祭参加
出演=小林健一/辻修/森戸宏明/伊藤美穂/鬼頭真也/松下幸史/石崎和也/盛島仁/中村まど加/森山夕子/馬場太郎/政岡泰志
作・演出=政岡泰志 舞台監督=松嵜耕治(至福団) 舞台監督助手=望月有希 舞台美術=田中敏恵 大道具=横尾友広 照明=シミズトモヒサ 音響=田上篤志(atSound) 選曲=小笠原静香 衣裳=太田家世(自由創作師) 小道具=西廣奏 宣伝美術=岡屋出海/スズキアキ 演出助手=伊藤真裕美/西岡知美 制作=横内里穂 製作=動物電気
一般発売=2006年1月15日(日) 整理番号付き日時指定自由席 前売り3000円 当日3300円 全14ステージ
公式=http://www.doubutsu-denki.com/

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Posted by shinobu at 23:15 | TrackBack

3軒茶屋婦人会『女中たち』02/16-26本多劇場

 3軒茶屋婦人会(篠井英介+大谷亮介+深沢敦)の第2回公演です(第1回はこちら)。前売完売ですが当日券は数十枚出ているそうです。補助席までパンパンの満員でしたね。
 私、ちょっと体調が良くなかったらしく、すごく熱気のある客席で一人、うつらうつらとしてしまいました・・・無念!
 演出のG2さんによる稽古場日誌がすごく読み応えがあります。

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 ≪あらすじ・作品紹介≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。
 奥様の留守中にいけない遊びに耽る女中・ソランジュ(大谷亮介)とクレール(篠井英介)は、
 いつしか現実と想像の狭間を越え、奥様(深沢敦)の毒殺を計画し始める……。
 好評を博した前回公演『ヴァニティーズ』で女子高生から熟女までを演じた懲りない3人が、
 今回取り組むのは醜悪を聖なるものへ転化する巨匠ジャン・ジュネの名作。
 性の垣根を越え、3軒茶屋婦人会が2006年、再臨!
 ≪ここまで≫

 パっと見、こむずかしそうなお芝居なんですけど、お三方の演技とG2さんの演出でとっつきやすいエンターテインメントになっていて、しかも考えさせられることもあります。前回公演の時も感じましたが、こういう厚みのあるお芝居を本多劇場で観られるのが嬉しいですね。

 舞台は奥様のゴージャスな寝室。花瓶に生けられた花がたくさん置かれています。きっと上から見たら八角形(ぐらい)に見える丸い部屋です。ステージ中央に部屋があり、そのまわりは劇場自体が露出した状態です。壁に四角く空けられた窓からは劇場の黒い壁がそのまま見えています。
 衣裳がきれい・・・男優さんが女を演じているのが、きれい・・・。ボーっと見とれていました。
 セリフはかなり難しいです。しかも長い。10分間とか一人で話し続けます。笑ったり怒ったり、たしなめたり泣き言を言ったり・・・言葉のひとつひとつを丁寧に作られています。篠井英介さんのささやき声にうっとりしました。

 ここからネタバレします。

 部屋の壁は質感的にはしっくいのようで、ちょっと金色が混じったようなクリーム白がとてもいいムードです。で、なんとその壁が動いた!大谷亮介さんが長いセリフをしゃべりながら柱をグっと押したら、そのままブラ~ンと揺れたんです。あれには驚きました。壁はもしかしたら発泡スチロールように軽い素材で出来ていて、ひもで吊り下げられているんですね。ソランジュとクレールがお芝居と現実の間をゆらゆらとさまよい、心が揺れ動く様と重なりました。

≪東京、福岡、大阪≫
企画・出演・演出=3軒茶屋婦人会(篠井英介+大谷亮介+深沢敦)
作=ジャン・ジュネ 翻訳=青井陽治/武藤洋 演出=G2 美術=古川雅之 照明=高見和義 音響=井上正弘 衣装=原まさみ ヘアメイク=馮啓孝 演出助手=高野玲 舞台監督=青木義博 宣伝美術=鳥井和昌 宣伝写真=野口博 スタイリスト=遠藤百合子 web=川村公一/千葉博美/酒井元舟 プロデューサー=大西規世子 制作=尾崎裕子/伊東妙子/藤田早苗/藤野和美 製作総指揮=G2 宣伝=る・ひまわり(東京公演) 提携=西鉄ムーブ81(福岡公演)/梅田芸術劇場(大阪公演) 主催=TOKYO FM(東京公演)/読売テレビ(大阪公演)
全席指定 前売り5000円/当日5300円 *未就学児の入場不可。全ステージ 前売り開始=2005年12月18日
公式=http://www.g2produce.com/3cha/jochu/

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Posted by shinobu at 16:09 | TrackBack

2006年02月22日

神奈川芸術文化財団『モローラ-灰』02/17-21神奈川県立青少年センターホール

 チェルフィッチュブログ2のエントリー()の引力で、すかさずチケットを予約しました。チラシを何度も拝見して気になってはいたのですが、会場が横浜だから躊躇していたのです。
 千秋楽は超満員で、演劇界の有名人もいっぱい。そして期待を裏切らない作品でした!信頼している人のネット上のクチコミは本当にありがたいです。
 ※NHKの舞台中継で近いうちに全国放送されるようです。どうぞお見逃しなく!

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 『南アフリカのワインを飲む会』サイト内の『モローラ』情報ページがすごく充実していますので、そこから引用させていただきます。当日パンフレットに書かれている内容と同じようです。公演は終了していますのでネタバレします。

 ≪作品について≫ 「作品について」より。
 『モローラ―灰』は、ギリシア悲劇「オレステイア」三部作を、アパルトヘイト以後の南アフリカを舞台に、大胆に翻案した作品です。

 ≪あらすじ≫ 「あらすじ」より。
 舞台の中央に、土で長方形につくられた墓。舞台の両奥には2つの古い机が向き合うように置かれている。正面奥には客席に向いて椅子が置かれ、そこにはコロスの女たちが座る。彼女たちはコーサ族の歌を歌う。
 「真実和解委員会」。クリテムネストラが机につき、夫アガメムノンを殺したことを証言し、傍聴人の前で過去が再現される――。
 父アガメムノンが殺されるのを目撃した娘エレクトラは、弟オレステスが成長し、復讐の機が熟するまで山に逃がす。クリテムネストラはオレステスをどこに隠したとエレクトラを拷問する。7年後、オレステスは戻り、素性を隠してクリテムネストラにみずからの死を偽って告げる。
 エレクトラはオレステスと復讐を誓い合う。オレステスはまず義父アイギストスを殺し、クリテムネストラを殺そうとするが、やり遂げることができない。エレクトラが斧を奪い、クリテムネストラを殺そうとするが、コロスの女たちが彼女を押さえ斧を取り上げ…。
 ≪ここまで≫ 

 南アフリカというと、小学生の頃にアパルトヘイトという人種差別がある国だと社会科で習いました。でも1994年に廃止されているんですね(Wikipediaより)。
 ネルソン・マンデラ氏が大統領になってから「真実和解委員会」が発足し、そこで行われたのは、“犯罪者が被害者に対面し、恩赦を受けるために自ら犯した罪を告白する”という方法です。白人が、黒人をはじめとする有色人種に対して行ったむごたらしい行為の全てを、ありのままに、被害者の前で告白します。そして告白をした白人は免責されるのです。すごい赦しですよね。
 この作品はその「真実和解委員会」にクリテムネストラが召還され、被害者のエレクトラの前で自分が犯した罪を告白する形式を取っています。

 美術はごくシンプルです。上手と下手にデスクがあり、クリテムネストラとエレクトラが席について「真実和解委員会」のシーンになります。中央の四角いステージの中央には土が盛られており、墓を思わせます。その土の上や近くで、白人(クリテムネストラ)が黒人(エレクトラ)に振るった暴力を再現しますので、肉体と水、血、土が交じり合って生々しいです。クリテムネストラとエレクトラの関係は親による子の虐待も表しており、胸が痛みました。

 台本・演出のヤエル・ファーバーさんのインタビューから引用します。
 『南アフリカは、苦難の歴史を歩んできたにもかかわらず、その苦難を増幅する道を選びませんでした。人々が見せた格別の恩情は、いくつもの「力のある」大国が困難に際し見せることができなかった、精神的かつ道徳上の大勝利でした。・・・(中略)・・・何百万もの語られることのない物語の中で、赦しが復讐にとって代わった場所、それが私の国、南アフリカです。』
 開演前にパンフレットに書かれたこの文章を読んだ時から、ちょっと涙ぐんでしまいました。全然知らなかった・・・。「目には目を、歯には歯を」という復讐の連鎖が今も生まれ続けているこの世界の中で、すでにこんなに偉大な赦しがあったなんて。

 「オレステイア」では、オレステスは義父アイギストスに続いて、実の母クリテムネストラも殺してしまいますが、今作ではオレステスもエレクトラも、コロスの女たちに引き止められて踏みとどまります。コロスの女たちは彼等の祖先であり、「人を殺してはいけない」「復讐は永遠に続く呪いだ」「お願いやめて」と歌いながらオレステスとエレクトラに語りかけ、実際に彼等の身体を掴んで、母親に殴りかかろうとするのを止めるのです。
 オレステスがアイギストスを殺すシーン(ゴム長靴の中から血にまみれた心臓を取り出す演技)から、恐ろしくて悲しくて涙がぼろぼろ溢れました。次に母親を殺そうとしたエレクトラを、祖先であるコロスが抱いて引き止めます。泣きじゃくるエレクトラを抱いて、優しく撫でて、さすって・・・。私は号泣しちゃってました。

 コロスの女たちが合唱・演奏するのはコーサ族の音楽で、何百年も変わらずに続いてきた歴史のあるものだそうです。豊満なおばさんたちの歌声が素晴らしかったです。地に根を張ったようにずっしりとしていながら、自由で柔らかく、温かさがあります。簡単なつくりの打楽器・弦楽器の素朴な音色と仲良く寄り添いながら、人間の体が持つリズムにそのまま沿って響いてくるような波を感じました。おばさんたちの腰の据わった佇まいも優しくて、私はすっかり子供のような心持ちになり、リラックスして甘えてしまっていました。

 俳優さんの舞台上での存在の仕方が、日本人俳優と異なるということを再確認しました。去年、ドイツ演劇を数本()拝見した時にも思ったのですが、まず、舞台の上でとても自然に立って(存在して)います。セリフを言っている時も言ってない時も、その俳優自身の感情や好みなどの中身が露出していないのです。例えばどんなに激昂していても、そこに静寂があります。一瞬見ただけでその人が間近にいるように感じたり、心をグっと掴まれるようなことは起こりにくいですが、作品中の人物としてそこに居るので、作品全体を観賞しやすくなっているように感じます。
 どうやらこの感覚を私は好きになってきているようです。だからアングラが苦手だし、型にはまったような話し方やキャラクター重視のストーリー芝居に、面白みを感じられなくなってきているのだと思います。

"MOLORA" by Yeal Farber 日本初演(字幕上演) 祝祭!舞台フェスティバル 神奈川県立青少年センターリニューアル記念
出演=ジェニファー・ステイン(クリテムネストラ)/ムバリ・ンコシディンツィ(エレクトラ)/サンディーレ・マチェーニ(オレスティス)/ンゴゴ文化グループ(コロス)
台本・演出=ヤエル・ファーバー プロダクション&カンパニーマネージャー=リー・コロンビック 舞台監督=サリー・クレイト
公式=http://www.h3.dion.ne.jp/~win-tom/molora.htm
神奈川芸術文化財団=http://www.kanagawa-arts.or.jp/

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Posted by shinobu at 00:53 | TrackBack

2006年02月21日

Bunkamura『労働者M』02/05-28シアターコクーン

 ナイロン100℃のケラリーノ・サンドロヴィッチさんが、シアターコクーンに書き下ろして演出する第2弾(第1弾はこちら)。豪華キャストのプラチナチケットは立見席も前売り完売です。※当日券のお求め方法はコチラ
 休憩15分を挟んで約3時間30分の上演時間ですが、私はそれほど長いとは思わなかったですね。前半が終わった時に、すかさず時計を見てしまいましたけど(苦笑)。だって普段ならもう終演するぐらいの感覚ですから。
 2つの世界が入り混じる構成でした。詳しい配役が演劇◎定点カメラにまとめられています。徳永京子さん(演劇ライター)による初日レポートあり。ケラさんへのインタビューはこちら(Yahoo!tickets)。

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 で、面白かったかどうかですが、率直に言って面白くはなかったです。でも不満は全然ありません。感動して泣いたとか、明日からの人生の糧になったとか、そういうことは全くなかったけれど、それで良かった、という感覚です。誰にでもお勧めできるかというと・・・絶対ムリですね(笑)。不快だったり、楽しめない人も多いと思います。

 ここから少しネタバレします。

 まるでちゃんとしたストーリーがあるかのように始まるけれど、てんでバラバラな方向に行ったり来たり。2つの世界が別々に進行するので「最後に集約するのかな」って普通は予想するんですが、それもハズレ。問題は解決しないし、納得の行く完結もない。

 シアターコクーンだとか、9000円払ってるとか、有名俳優が出てるとか、そういうレッテルから当然のごとく観客が持つ先入観を、ヒョイっとかわして、自分の信じる面白さを探求し、冒険しているように見えました。そういう意味で私は納得でした。
 「安いチケットの芝居はすべて面白くない」ということが成立しないのと全く同様に、「高いチケットの芝居はすべて面白い」とは限らないんですよね。そして、感動できたり面白かったりする芝居が良い芝居だというわけでもないです。

 シアターガイド3月号のケラさんのインタビューより↓
 ケラ『ここ数年、“何が言いたかったの?”“分からない”と感じるお客さんとの闘いを続けています。ダンスや現代美術を観て「分かんねぇよ」って言わないでしょ。なのに演劇になった途端分からないと不安になる。作品の印象なんて、観る人によって違うほうがいいんです。』
 お芝居も、人間や人生と一緒で、予想がはずれることだらけでいいんだと思います。そして感じたままに考えて、一人よがりに解釈して、勝手に楽しみたいなって思います。

 ここから完全にネタバレします。

 【A】“いのちの電話”のフリをして実はねずみ講をやってる会社(現代)と、【B】土星人との戦争が終結して荒れ果てた国の収容所(近未来)の2箇所のお話が交錯します。

 【A】では室長がずっと行方不明で、【B】では幹部の支配者“M”が、通信で指令をするだけで姿を現しませんでした。「道しるべを失って迷走する」「誰か(何か)に頼って自分の意志がない」「盲目的に信じていた“何か”はもとから存在しなかった」などが受け取れました。

 いろんな種類の笑いがいっぱいありましたね。シアターガイド3月号のインタビューより↓
 『以前はひねりのあるボケに、さらにひねりのある返しをするための一言を一晩かけて考えた。でも今は・・・(中略)・・・脳ミソを通さない会話をしている人の状態をスケッチしてニヤニヤしたい。話してる情報ではなく、状態こそが面白いんです。そういう実験を楽しんでるという意味で、前回とは大きく違います。』

 市民管理局のサキ(犬山イヌコ)は、収容所の内部監査にやってきて、なかなか帰ろうとしません。そんなサキに向かって収容所幹部(堤真一)が「こうしてサキという女は出て行った!」とト書きを読み上げて、むりやり追い出します。ブルースカイさん演出の『ウチハソバヤジャナイ』を思い出しました。

 トマッソ(池田鉄洋)にチリと埃がいっぱい入ったスープを飲まされたポタージュ(山崎一)。「ポタージュがスープ飲んでら!」
 クラウス(田中哲司)がゼリグ(堤真一)のコートを着ていたせいで、勘違いでピエンタ(篠塚祥司)に銃殺されます。サキ(犬山イヌコ)「今すごくうまく出来てたのに・・・二度見。」

 小道具にこだわりが感じられました。朝鮮人参のような土星人人形が妙にリアルで可愛かったです。通信機の中に通信機があって、最後に「も~」っていう鳴き声がするのも。ミサオ(明星真由美)が奮闘する銀色のトラッシュケースの仕掛けも面白かったですね。
 場面転換の時に壁の模様として使われる映像がかっこよかったです。特に黒い染み(しずく?)がぼとぼとと落ちて暗転していくのはゾクっと来ました。物語の補足として使われたのもわかりやすかったです(土星人の緑ビームで人間は溶ける等)。

 近未来編のラストシーンでは収容所で爆発(?)が起こり、空から石が山ほど降ってきます。まず天井から、白く光る一本の線がシュルルルルー!っという音を立てて一直線に床に落ちて来たのに驚きました。水かな?って思ったんですけど、クサリでしたね。クサリが落ちてきた衝撃と重みでキャットウォークの床が開くのでしょうか。大きくて頑丈そうな収容所の屋台崩しは大迫力でした。

 小泉今日子さん。【A】誰とでも寝る女ミミ役。【B】支配者“M”の通信を受ける収容所幹部リュカ役。ミミ役のあばずれ演技が気持ちいいぐらい性悪で良かったです。
 貫地谷しほり(かんじや・しほり)さん。【A】益子の妻役。【B】リュカ(小泉今日子)を訪ねるレナータ役。最初のダンスの時から目につきました。リュカとの「落ち着き!(by 秋山菜津子)」対決は見事。田中哲司さんとのHシーンも堂々としてて、お若いのに貫禄でした。
 田中哲司さん。【A】とにかく女とやっちゃう目崎役。【B】過去にはゼリグ(堤真一)と運動をしていたクラウス役。目崎役のエロ狂いのワルと、クラウス役のゆらゆら、ふらふら、いい加減な感じがとても対照的で、そのやわらかさがセクシーでした。

出演=堤真一/小泉今日子/松尾スズキ/秋山菜津子/犬山イヌコ/田中哲司 /明星真由美/貫地谷しほり/池田鉄洋/今奈良孝行/篠塚祥司/山崎一
作・演出=ケラリーノ・サンドロヴィッチ 美術=中越司 音楽=伊藤ヨタロウ 照明=原田保 衣装=前田文子 音響=水越佳一 映像=上田大樹 ヘアメイク=川村陽子 振付=横町慶子(ロマンチカ) アクション指導=西村良治郎/西村陽一(JAE) 演出助手=石丸さち子/相田剛志 技術監督=堀内真人 舞台監督=明石伸一 宣伝美術=永石勝 制作=佐貫こしの プロデューサー=加藤真規 企画・製作=Bunkamura 主催=Bunkamura
(水)休演。28ステージ。2005年 11月19日(土)S席¥9,000 A席¥7,500 コクーンシート¥5,000 中2階立見券¥3,000
公式=http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/event/kera/index.html

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Posted by shinobu at 00:44 | TrackBack

2006年02月20日

映画「蝉しぐれ」(製作=電通ほか)

 藤沢周平さん原作の時代小説「蝉しぐれ」の映画化です。景色がきれーっ!

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 主人公の文四郎(市川染五郎)はすごく誠実で真面目で、日本男児の鑑っていうような好青年。こういう人、今はモテないんだろうな。でもこういう人こそ好きになるべきですよね、女は。

 細かいところでつっこみどころ満載でしたが(邦画ってなんでこうなんでしょうね)、最後の市川染五郎さんと木村佳乃さんの二人っきりの語らいのシーンで全て納得。このシーンのためにそれまでの2時間があったのね!!

 染五郎さんは期待通りというか、何をやってもやらなくてもセクシーでカッコいいんですけど、木村佳乃さんはね、大昔のテレビドラマとか最近のミュージカルで拝見していますからね、全然期待していなかったんですよ。ところが、めちゃくちゃ美しいし演技も素晴らしい!惚れました。

 さて、映画は勝手に5つ星評価しちゃいます。

  ★☆☆☆☆ お薦めできない
  ★★☆☆☆ 好みじゃないけど観てよかった
  ★★★☆☆ 面白かった
  ★★★★☆ お薦めです
  ★★★★★ 人生変わるほど感動!

 「蝉しぐれ」は★★★☆☆です。とにかくラストが良かったので。 

出演=市川染五郎/木村佳乃/今田耕治/ふかわりょう/原田美枝子/緒形拳/石田卓也/佐津川愛美/久野雅弘/岩渕幸弘/小倉久寛/根本りつ子/渡辺えり子/原沙知絵/大地康雄/緒形幹太/田村亮/三谷昇/柄本明/加藤武/大滝秀治
原作=藤沢周平「蝉しぐれ」(文藝春秋刊) 監督・脚本=黒土三男 製作=俣木盾夫 製作統括=森隆一/島谷能成/早河洋 エグゼクティブプロデューサー=遠谷信幸 プロデューサー=中沢敏明/宇生雅明 共同プロデューサー=田中渉/柴田一成 協力プロデューサー=瀬田一彦/青木真樹 ラインプロデューサー=吉田浩二 音楽=岩代太郎 美術監督=櫻木晶 撮影=釘宮慎治 照明=吉角荘介 録音=橋本泰夫 編集=奥田浩史 助監督=森宏治 蝉しぐれ製作委員会=電通/セディックインターナショナル/ケイセブン/ジェネオン エンタテインメント/東宝/テレビ朝日/朝日放送/メ~テレ/朝日新聞/東京都ASA連合 音楽=岩代太郎(サントラ盤:コロムビアミュージックエンタテインメント) イメージソング=「かざぐるま」一青窈 (コロムビアミュージックエンタテインメント)発売元=電通/ジェネオン エンタテインメント 販売元=ジェネオン エンタテインメント
公式=http://www.semishigure.jp/top.html

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Posted by shinobu at 14:03 | TrackBack

2006年02月19日

劇団Ugly-Duckling『改訂版 さっちゃん』02/17-19東京芸術劇場 小ホール1

 Ugly-Duckling(アグリーダックリング)は大阪の劇団で、これまでにも何度か東京公演をしてくださっていますね。私は初見です。
 う~ん・・・時流に乗ろうという気持ちがない団体のようですね。昔ながらの自分達のスタイルをやり続けているような。劇団名は「醜いアヒルの子」ですよね。ちょっとわかるような気がしました。

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 ≪あらすじ≫ 公式サイトより引用。改行を変更。
 テントがある。
 それはきっと昔は演劇をするためのテントであったが、今となっては公園の砂場の横に、まるで浮浪者が住むような、匂ってくるようなテントと成り果てている。それでもまだそのテントは、公園のど真ん中に居座っている。
 そのテントで一人暮らす女<朝子>のもとに、役所で働く<八神>が訪れる。
 <八神>の仕事は、市民のための公園を占拠しているテントを撤去するために、我が物顔で暮らしている<朝子>を説得しなければならないのだ。
 しかし、どうやら<朝子>のほうが一枚上手のよう。<八神>が訪ねてくる度に、<朝子>は芝居のような、実体験のような不思議な話をするのだが・・・
 ≪ここまで≫

 舞台の中央にこきたない古道具などが積み重なった狭い部屋があります。部屋の奥に青いビニールシートが吊り下げられて壁になっており、どうやらホームレスの簡易住居のよう。そこに一人の女が居ます。オレンジ色のビニール傘をさして白いビニールの雨合羽を羽織った人々が10人ぐらい登場し、コロスのようにばらばらと大声でセリフを言います。

 うーん・・・何もかもが私の心に全く届いて来ませんでしたね。演技と演出が昔っぽいって言うのか、昭和っぽい、のかな・・・。アングラではないけど、それっぽいし、じゃあバンカラっていうのかな?? 私の感覚からするとものすごく古いタイプの手法で、「そんなしゃべり方をする人はいない」「そんな表情や動きをする人はいない」とつっこみたくなるような、想像上の語り口と動きばかりを見せ付けられました。しかめっ面で主張されても・・・。

 セリフは詩的というか、叙情的なものが多いと思いました。でも、言葉や音声の美しさよりも、意見や主張をガシガシと前面に押し出そうとしているように見えました。あまり良い効果を生まないんじゃないかしら。

 結成が1994年、旗揚げが1995年ですから、もう10年以上、劇団としての活動を続けられているわけです。きっと好みの方もいらっしゃるのでしょうね。

 カーテンを移動させて場面転換するのは『贋作・罪と罰』と同じでしたね。青いビニールシートの奥へと部屋が移動して(部屋のセットはもともとキャスター付きでした)、部屋があった場所がテントの外側に変化したのは面白いと思いました。 

≪大阪、東京≫
東京国際芸術祭・リージョナルシアター・シリーズ 参加作品
出演=出口弥生/中村隆一郎/吉川貴子/ののあざみ/村上桜子/中野聡/山田一幸(朱亜 shu-A)/後藤七重(WI'RE)/樋口美友喜/池田祐佳理     
作=樋口美友喜 演出=池田祐佳理 舞台監督=岡一代(TANC!池田意匠事務所) 照明=皿袋誠路((株)PAC) 音響=金子進一(T&Crew) 舞台美術=池田ともゆき(TANC!池田意匠事務所) 画提供=でぐちやよい 宣伝美術=野田智子 写真撮影=中島仁實(digital-connection) VTR撮影=武信貴行 制作=植田宏美 福井愛 制作補助=前川恵利子/浜本浩志/谷雅之 制作協力=岡本康子(TRASH) 専属トレーナー=木原敬司 主催=劇団アグリーダックリング/NPO法人アートネットワークジャパン/財団法人地域創造
全席自由・各回共通 前売2500円  当日2800円  ペアチケット4600円(劇団前売・予約のみ)※再入場(2回目)は1,000円で観劇可能。高校生以下フリーパス券1500円(前売・当日共・期間中何度でも観劇可能)
東京国際芸術祭=http://tif.anj.or.jp/
劇団=http://www1.vecceed.ne.jp/~ugly-d/

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Posted by shinobu at 23:38 | TrackBack

Hula-Hooper『何かのプレイバック』02/15-19OFF OFFシアター

 女の子ばかりが出演するHula-Hooper(フラ・フーパー)。団長は脚本・演出・出演される菊川朝子さんです。

 劇中劇のスタイルをとった、歌と踊りのレビュー的要素の強いエンターテインメント演劇でした。若い女の子の可愛さをしっかりと武器にして、ちょっとふざけたように見せながら、したたかに笑いを組み立てています。コントで、演劇で、歌謡ショーでした。私はめっちゃくちゃ笑わせていただきました。
 こまばアゴラ劇場で観るお芝居みたいでしたね。ぜひ進出していただきたいです。

 去年の7月公演の続編で『若草物語』をベースにしていますが、前作を観ていなくても全く問題なく楽しめます。原作の登場人物の名前ぐらいは知っていた方がいいですね。

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 あらすじは・・・特に書く必要がない気がします(笑)。劇場サイトの紹介文がしっくり来ます(下記引用)。
 ≪作品説明≫
 説明を投げ出したフレーズ。普通のオンナノコが生きる現実と延長の空気。踊りやら歌やら混じったポップでキッチュなパワー溢れる舞台。伝えたいのはいつも、愛のみ。
 ≪ここまで≫

 開場時間から役者さんは観客の前に姿を現している、というか、OFF OFFシアターの楽屋(舞台の上手スペース)が完全にオープンの状態なのです。楽屋でメイクしたり、おしゃべりしながら待機しているのがそのまま露出していて、皆でじゃんけんをしたり、舞台上のダンボール箱の中に入って一芸を披露したり、ぬる~くメタ芝居が続けられます。
 オープニングはNHKの人気テレビ番組「真剣10代しゃべり場」のパロディーでした。タイトルは「ふまじめ20代しゃべり場」。「これから前回の続編をやるのかやらないのか」「誰がどの役をやるのか」について、しゃべり場っぽく、青春ぶって熱く議論します。笑えました。

 やっとこさ本編が始まるかと思ったら、いきなりドリカムの曲がかかり、全員で歌って踊ります。これは・・・最初はドン引きしましたね(苦笑)。「まさか、ドリカムでいい気になって踊っちゃうなんて!?」と。ドリカムを芝居で使うって・・・けっこうチャレンジングですよね? でも、いわゆるポップス系のダンスを色目を使いながら踊る女の子達を眺めていると、「あ、これは意図的に茶化してるんだ」ってことがわかってきて、笑えるようになってきました。

 さて『若草物語』です。登場人物(メグ、ジョー、ベス、エミリー、お母さん、ハンナ、ブルック、ローリーなど)を、女優さんが代わる代わる演じていきます。人物名が書かれた名札が美術の柱に貼り付けられており、役柄が変わる度に該当する役名の名札を衣裳に貼り付けます。観客は名札を見て、今、誰が何の役を演じているのかを識別します。5人が舞台上に居る内、1人だけがジョーで他の4人が全員ベスだったりもします。これがすっごく面白かったです。

 メタ芝居風に全編ずっと演じられたのは『若草物語』だったのですが、この作品はめくるめくドリカム・カラオケ・ワールドでもあったんですね(笑)。「あぁ、ドリカムの曲って芝居なんだな~」って改めて確認しました。私も○年前ぐらいはよく聴いてたんですよ。
 「夢で逢えるから」という歌詞の直後に「もうあなたの夢は見ない」という歌詞を持ってきたり、いい感じに曲が盛り上がってるのに突然ブチっと切ったりすることも多々ありました。歌詞に合わせた振付も「そこまで歌詞どおりにやると可笑しいよっ!」と思うぐらい大げさで笑えました。自分達を客観的に観ることができていて、狙いが鋭くて、ウィットに富んでいると思います。
 
 演出家の菊川朝子として菊川さんが「面白ければ、何でもいいんだよ」というセリフを言うことが数回ありました。ほんとにその通りだなって思います。裏を返せば「面白くなきゃ何でもNG」ってことなんですよね。菊川さんが信じる「面白いこと」をこれからも極めていっていただきたいです。

 上演時間は1時間半ぐらいでした。短くて気持ちいいはずなんですが、体感時間は2時間だったんですよね。細かく暗転していましたし、コントのようにシーンがばらばらに存在していたからじゃないかしら。ちょっと損ですよね。あと、役者さんの技術のばらつきはやはり気になります。まあ技術というよりは心積もりとか覚悟とかの違いかもしれませんが。

 菊川朝子さん。ジョーの恋人役(名前は忘れました)など。ショートカットのヘアスタイルが素敵。男子役がやっぱりかっこいいです。最後のプロポーズのところなんてうっとりですよ。そして歌がとてもお上手です。
 梅澤和美さん。お母さん役など。演歌みたいに絶叫して歌ってらっしゃったのがすごかった。さすが、コントの呼吸がよくわかってらっしゃいます。
 上枝鞠生さん。ベス役など。わざと音痴に歌ったりしてました。キメるところはキメる演技に迫力がありました。クチパク歌が笑えました。
 山口奈緒子さん(明日図鑑)。メグの夫ブルック役など。ダンスも演技も、すべてにおいてしっかりとした意図があり、それが鮮やかに体現できている女優さんでした。21歳なんてすごい!

※2005年7月に上演された「何かのプレイ」の続編。
出演=梅澤和美/上枝鞠生/菊川朝子(以上、Hula-Hooper)/平川道子/田口愛/宮本奈津美/山口奈緒子(明日図鑑)/特別出演=吉田麻起子(双数姉妹)
原作っぽいもの=ルイザ・メイ・オルコット『若草物語』 脚本・演出=菊川朝子 照明=鈴村淳 音響=伝井幸洋 舞台美術=斎田創 舞台監督=小野哲史・渡辺陽一 衣装=竹内陽子 宣伝美術=菊川朝子 舞台写真=maru 制作=ふらぴすと 制作協力=日和庵 制作助手=沼田光弘・佐藤真義 
前売開始=1月8日 前売2500円/当日2700円(特別割引:若草割4名で8800円)全7ステージ
劇団=http://hula-hooper.com/

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Posted by shinobu at 01:49 | TrackBack

2006年02月18日

渡辺源四郎商店『夜の行進』02/17-19こまばアゴラ劇場

 渡辺源四郎商店は、畑澤聖悟さんが弘前劇場を退団して結成した演劇プロデュースユニットです。弘前劇場のお芝居は2000年の『三日月堂書店』@ザ・スズナリを見たっきりで、そのままご無沙汰しておりました。作家がお二人いらっしゃることを最近まで知らなかったんです。
 初めて畑澤さんの作・演出作品を拝見したのですが、役者さんも舞台でのびのびしてらしゃるし、すっごく面白かった!びょーびょー泣いちゃいました・・・。

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 レビューは後ほどアップ予定。

≪青森、東京、札幌≫ こまばアゴラ劇場主催「冬のサミット2005」
出演=森内美由紀/佐藤誠/宮越昭司(劇団雪の会)/久保りつ/工藤由佳子/萱森由介/藤本英円
作・演出=畑澤聖悟 舞台監督=藤本一喜 照明=岩城保(青年団) 照明オペレーター=葛西大志(劇団夢遊病社) 音響=藤平美保子 舞台美術=三浦孝治(ARTS LABO) 大道具=男学校 宣伝美術=木村正幸(ESCAPE) 宣伝美術協力=中畑夕紀(ARTS LABO) 制作助手=菊池恵子 高坂明生 野宮千尋 制作=渡辺源四郎商店
一般前売・予約¥3,000 学生前売・予約¥1,000(事務局のみ取扱) 当日 3,300円 全4ステージ 
公式=http://www.agora-summit.com/nabegen.html
劇団=http://www.xbb.jp/wgs/

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Posted by shinobu at 16:48 | TrackBack

2006年02月17日

こまつ座『兄おとうと』01/19-02/05紀伊國屋ホール

 初日の幕が開かなかった2003年初演から、同じキャスト&スタッフでの待望の再演。メルマガ号外を出しました。
 戯曲本も買いました。何度も読み返したいし、大切な言葉を覚えておきたいからです。
 今も旅公演の真っ最中です。公式サイトに各地域の劇場の問合せ先が載っていますので、お近くの方はぜひお問い合わせください。

 すばらしい劇評はこちら⇒Wonderland(後藤隆基さん)

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 ≪あらすじ≫ 公式サイトより引用。(役者名)を追加。
 兄、吉野作造(辻萬長)。民本主義を提唱し大正デモクラシーの旗手となった偉大な政治学者。多くの門弟をかかえ人びとの尊敬を集めた。
 おとうと、吉野信次(大鷹明良)。兄作造より十歳下。東大法学部から農商務省に入り、のちに大臣を二度務めたピカピカの高級官僚にして凄腕の政治家。
 この兄弟、ともに信念固く仕事に励み、獅子奮迅の日々。生涯に、枕を並べて寝たことはほんの数えるほどしかなかった。それも、たまに会えば決まって必ず議論、議論、議論……!
 しかも、兄作造を支える賢夫人玉乃(剣幸)と、弟信次に寄りそう賢妻君代(神野三鈴)は、血のつながった実の姉妹だった……!
 ≪ここまで≫

 作造と信次は血の繋がった兄弟なのに、大人になって枕を並べて寝たのはたったの5回。その5つの夜を描きます。初演にはなかった“説教強盗”のシーンがまるまる1場分追加されていました。

 役者さんがあふれんばかりの愛情で観客を迎えてくれます。そして、わたしたち人間のほんとうの願いとは何なのかを、易しく、まごころ込めて伝えてくださる、井上ひさしさんの宝石のような言葉のシャワー。

 ここからネタバレします。

 作造「国もおにぎりと似ている。なにを芯にして一つになるのか、そこが大切なんだよ。」
    ~~~何が国のもとになるのかを皆で話し合う~~~
 君代「民族、ことば、宗教、文化、歴史……全部だめ。ほかになにかあるの?」
 作造「ここでともに生活しようという意志だな。」
   「ここでともによりよい生活をめざそうという願い、それが国のもとになる。」
   「そして、人びとのその意志と願いを文章にまとめたものが、憲法なんだ。」

 別れ別れになっていた兄(小嶋尚樹)と妹(宮地雅子)が奇跡的に再会し、2人で喜びの歌「逢いたかった」を歌います。
 “三度のごはん きちんと食べて 火の用心 元気で生きよう きっとね”
 この歌詞こそが人々が本当に望んでいることなんだと、作造と信次は同時に気づきます。生活、災害、健康の保障なんですね。
 作造「ものごころついてから今まで、世の中の不幸を目にするたびに、なぜ、なぜ、なぜと問うてきたが、その無数のなぜは、結局『三度のごはん きちんと食べて 火の用心 元気で生きよう きっとね』という、いまの唄の文句にまとまってしまうんだよ。」
 
 Wonderlandにも書かれていますように、数あるこまつ座作品の中でも群を抜いて絶妙なキャスティングです。中でも役柄ごとにくるくると変身する宮地雅子さんの素晴らしいこと!機敏な動きとあふれ出んばかりのプラスのパワーに釘付けでした。

2003年初演。「作者大幅に加筆し、大増補版でお届けする、堂々の再演!」
≪東京、高松、丸亀、阿南、鳴門、徳島、松山、今治、高知、須崎、奈良、多治見、名古屋、白井、古川、盛岡、尼崎、市川、川西、山形、函館、苫小牧、釧路、江別、旭川、札幌、岩見沢、水戸≫ ※東京以外の地域は演劇観賞会や市民劇場の会員限定の公演が多数。
出演=辻萬長/剣幸/大鷹明良/宮地雅子/小嶋尚樹/神野三鈴
作=井上ひさし 演出=鵜山仁 音楽=宇野誠一郎 美術=石井強司 照明=服部基 音響=秦大介 振付=謝珠栄 衣裳=前田文子 歌唱指導=宮本貞子 宣伝美術=和田誠 アクション=渥美博 演出助手=保科耕一 舞台監督=大内敦史 制作=井上都・高林真一・谷口泰寛
前売開始12/10(土) 入場料5250円(全席指定) 学生割引3150円※こまつ座での販売のみ
公式=http://www.komatsuza.co.jp/
2003年のレビュー=http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2003/0518011007.html

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Posted by shinobu at 18:25 | TrackBack

青年団リンクRoMT『待つ』01/26-02/09アトリエ春風舎

 鈴江俊郎さん(劇団八時半)の戯曲の2本立て公演です。演出は『髪をかきあげる』に引き続き『待つ』を拝見してまいりました。『待つ』は1994年度KYOTO演劇フェスティバル大賞&脚本賞 受賞作品です。
 『髪をかきあげる』よりも上演時間も短かく、軽い感覚で観られました。ク・ナウカもそうだけど、青年団の女優さんってきれいな人が多いですねーっ。

 レビュー⇒踊る芝居好きのダメ人間日記休むに似たり。

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 この2~3週間ほどの間にしみじみと感覚を確かめているのですが、大劇場や中劇場で上演される演劇よりも、小劇場演劇の方が面白い作品に出会える確率が上がっていると思います。私の好みが変わってきているのかもしれませんが、小劇場へ行くときの足取りの方が確実に軽くなっているのです。

 ≪あらすじ・作品解説≫ 公式サイトより引用。踊る芝居好きのダメ人間日記に詳しいあらすじあり。
 若い女(鈴木智香子)の部屋、中央にこたつ。女の部屋を次々と訪れる人々。
 人々は女の部屋に、 様々なコトガラを落としていく。
 待ちかねた人は、本当に待ち人なのか。
 コドクではないと嘘ぶいて、ひたすらに待っている人の物語。
 1994年度KYOTO演劇フェスティバル 大賞&脚本賞受賞作品。
 ≪ここまで≫

 『髪をかきあげる』は真っ黒で閉塞感のあるシャープな空間でしたが、『待つ』は若いOLの一人暮らしの部屋が中央にありますので、温かい生活臭のする美術でした。上手前にはラーメン屋のカウンターがあって、上手奥のスペースには床にテニスボールが多数転がっており、ベンチとセットでテニスコートを表していました。

 『髪を・・・』と同様、やっぱりセリフの言い方が面白いんです。大声で叫んだり、詩のようだったり、つぶやきだったり。いわゆる静かな会話劇なのですが、私の日常的な感覚とは違った対話が常に生まれていて、一言ひと言をじっくり味わいながら楽しく最後まで観させていただきました。

 パンフレットに書かれた演出の田野さんの文章より↓ (部分的に中略)
 『待つ、というのは、ひょっとしたらものすごく積極的かつ攻撃的な態度の表明、なんじゃないだろうか。存在を確かめるための。』
 『待つ、ことは、賭ける、ことだ。賭けは、希望だ。
  待つ、ことは、祈る、ことだ。祈りは、心からの行動だ。
  じゃあ、何を祈る?』

 青森だったか、どこか東北地方のニュースの音が流れていましたね。あれは舞台が東北だという意味なのかしら。

 ここからネタバレします。

 24歳OLの小川マキ子(鈴木智香子)はテニススクールで出会った妻子もちの高島(太田宏)と不倫の関係にあります。果たして彼を待っているのか、何かを待っているのかはわかりませんが、休みの日はずーっとこたつに入って、本を読んだり音楽を聴いたり一人言を言ったりして、ズルズルと時間を過ごしています。何度も手に取る本は、新興宗教(おそらく幸福の科学)の本です。

 いつもなら誰も来ないマキ子の部屋に、不倫相手の高島(太田宏)、職場の先輩(たむらみずほ)、係長(西村和宏)の4人が同時に集ってしまうのがすっごく可笑しいです。もし本当にこんなことが起こったら、きっとこんな静か~に気まずくて、意外と何も隠さずにポンポコと話をしてしまうものなんだろうなと思いました。
 ただ、係長からもらったネックレスのラッピング箱の残骸について、マキ子が具体的に「係長が持ってきて・・・(云々)」と説明してしまうのは、わざとらしい気がして残念でした。

 市役所での出世にアグレッシブな23歳の大山田(長野海)と、28歳でテニススクールのコーチに叶わぬ恋心を抱いている杉村(たむらみずほ)、そして不倫をしている小川マキ子(鈴木智香子)という、3人の20代女性にスポットが当たったところが良かったです(その横で誰がどんなセリフを言ったかは残念ながら忘れてしまいました・・・)。10年前から今も変わっていない、もしかするとエスカレートしてしまった、若い女性のあり方が胸に刺さりました。孤独で寂しいですよね。

 鈴木智香子さん。『地球の片隅で ライフ・レント編』でも強く印象に残る女優さんでしたが、今回もまたうるんだ瞳とゆるい口元がグサっと来ました。
 たむらみずほさんのスコート姿もお宝ものですよね。スタイルいーなーっ。長野海さんも可愛かったです。
 太田宏さんはやっぱり渋くてステキだと思いましたが、『髪をかきあげる』の方が恐ろしくてセクシーで良かったです。
 係長役の西村和宏さんは第三エロチカの方だと思っていたのですが、今はサラダボールの演出家で、青年団の演出部にも所属されているんですね。おまぬけさんな演技が可愛かったです。でもくしゃみについてはちょっとわざとらしいような・・・あれは演出なのかな。

『待つ』出演=鈴木智香子/たむらみずほ/長野海/太田宏/西村和宏/古屋隆太
『髪をかきあげる』出演=山本雅幸/古屋隆太/荻野友里/山本裕子/太田宏/天明留理子/大塚洋
作=鈴江俊郎 演出=田野邦彦(青年団演出部) 舞台美術=鈴木健介 照明=西本彩 音響=薮公美子 制作=岩佐暁子+RoMT 宣伝美術=太田博久 総合プロデューサー=平田オリザ 企画・制作=青年団/(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 協力=劇団八時半 主催=(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
2/1休演日。各10ステージ。前売・予約・当日共同じ値段。日時指定・全席自由・整理番号付。一般『待つ』2,000円/『髪をかきあげる』2,500円学生・シニア(60歳以上) 【両公演とも】1,500円 高校生以下【両公演とも】1,000円/平日マチネ割引、2演目セット券あり
劇場内=http://www.komaba-agora.com/line_up/2006_1/romt.html
青年団内=http://www.seinendan.org/jpn/infolinks/infolinks051124.html
稽古場日記 RoMT Live!=http://blog.livedoor.jp/romt2005/

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Posted by shinobu at 16:12 | TrackBack

むっちりみえっぱり『明日からは粉がある』01/28-29アトリエヘリコプター

 復活待望のむっちりみえっぱり。メンバーの佐藤沙恵さんはテルミン演奏者としても活躍されています。古谷充子さんはイラストレーターなんですね。五反田団、THE SHAMPOO HATからの客演陣も豪華でした。

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 ご縁があって過去作品は少々拝見しております()。彼女達は本当に非凡です。ご覧になった方々のレビューをお読みいただければ、だいだいの雰囲気がおわかりいただけるのではないか、と。演劇◎定点カメラにサラっと書かれたあらすじを読むだけでも爆笑。

 レビュー⇒演劇◎定点カメラ中西理の大阪日記うえぽんの「たぬき鍋」踊る芝居好きのダメ人間日記休むに似たり。*S子の部屋わたしはかなも!←かわいいイラストあり!、テクサスの、とき☆めき夢日記週末シアターゴアーの傾く日常

 「LOHAS」をかかげるヘナチョコげなパン屋が舞台。2階の名曲喫茶はこけし(本物)が営業しており、パン屋の従業員との闘争がはじまる。

 もー・・・・非凡。こけしがまんま登場します。もちろん人間(役者)が手で持って動かすんですが、こけしとしてしゃべります。

 小刻みにぷるぷると肩を震わせながら、めちゃくちゃ笑わせていただきました。バームクーヘンの一切れがこけしの頭の亀裂にハマって、「なくしていたものが見つかった」なんて・・・・!

 超シュールなむっちりワールドは、ぜひ実体験をお勧めします。次回公演を切望。

出演=江川瑠衣/古谷充子/山本由佳/吉田麻生/加藤英一(FMG)/黒田大輔(THE SHAMPOO HAT)/望月志津子(五反田団)/中川幸子(五反田団)  喫茶店の客は日替わり=瀬戸寛/齊藤庸介
作・演出=むっちりみえっぱり スタッフ=猪川哲一朗/小早川晋/中道智子/本郷華里
温かい飲み物付き 前売り1000円 当日1300円
公式=http://hello.to/mucchiri_mieppari/
公演公式=http://tonmanaseikatu.zero-yen.com/etc/mucchiri,.html

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Posted by shinobu at 15:24 | TrackBack

2006年02月16日

ティーファクトリー『フクロウの賭け-神なき国の夜Ⅱ-』02/09-19シアタートラム

 川村毅さん作・演出で、江守徹さんと手塚とおるさんが出演されています。シリーズものの第2弾なんですね。第1弾の『クリオネ』は未見です。公式サイトにレポートがアップされています⇒プレビュー初日

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 ≪あらすじ≫ 劇場サイトより引用。(役者名)を追加。
 人付き合いが嫌いなペットショップの主人(江守徹)は、店のフクロウに話し掛ける変わり者。ある日店の上の階に、やはり人付き合いの苦手な中年男(手塚とおる)と若い妻(高橋かおり)が越して来て……。
 ≪ここまで≫ 

 灰色を基調としたアパートのような建物に、黒い衣裳の登場人物が行き交います。どんよりと重くて暗いイメージです。

 前半の江守さんと手塚さんの軽~いやりとりは楽しかったですね。でも後半から一気に不穏な空気が流れ始めます。なんだか不自然な感じがしました。作品意図として最初からあんな雰囲気にしようとしていたのかしら。

 意味深な会話や動きがぽとり、ぽとりとあるのですが、ギュっと集約する瞬間があまりなく、一体どんな空気を作りたいのか、何を伝えたいのかが漠然としたままでわからずじまいでした。不快感は感じなかったですが、お話に入り込むことはできなかったですね。結末も「あれ、これで終わっちゃうの?」という感じであっけなかったです。

 ここからネタバレします。

 ペットショップの主人は25年前に長男を殺されています。犯人は長男と同じく当時15歳~17歳の少年達で、民事裁判などの激務から夫婦ともども疲弊してしまい、家庭が崩壊してしまったのです。どうやら上の階に越してきた中年男がその犯人の内の一人であるらしいことに気づき、主人の胸の中に再び「犯人に謝罪をさせたい」「長男の敵を取りたい」という気持ちが沸いてきます。

 子供を殺されて人生をめちゃくちゃにされてしまったペットショップの主人も、少年の頃に殺人の罪を犯してしまった中年男も、出口のない闇の中を生きるしかない・・・というのがタイトルの「フクロウ」とつながっているのでしょうね。というか、フクロウから連想してこのお話を書かれたのかもしれませんが。
 ストーリーにも演出にも一本通った筋道が感じられませんでした。突然大音量でかかるクラシック音楽も、なんだかフィットしてなかったですね。

 中年男は犯人ではなく、その妻(高橋かおり)が犯人の妹だったということがわかります。被害者、加害者だけでなく、その家族もいやおうなしに闇の中を生きなければならくなるんですね。こういうことって小さい時から知っておくべきだなと思いました。

 江守徹さんはポツリと言葉を漏らすのがとても可愛らしいし面白かったのですが、大きくあばれたり、激昂する演技は信憑性に欠けました。
 手塚とおるさんはにっこりと笑うのが不気味だったり、大きな声で怒ったりするのがかっこ良かったり、いつもどおり魅力的です。でも、グっとは来なかったですね。
 ペットショップの主人の息子役の笠木誠さんの柔軟な佇まいが良かったです。『見よ、飛行機の・・・』の先生役と、『サーカス物語』の大蜘蛛役も印象に残っています。

ティーファクトリー/世田谷パブリックシアター提携公演
出演:手塚とおる/高橋かおり/飯尾和樹(ずん)/伊澤勉/笠木誠/江守徹
作・演出=川村毅 美術=島次郎 照明=キムヨンス 音響=原島正治 衣裳=伊藤かよみ 演出助手=小松主税 舞台監督=村田明 宣伝美術=マッチアンドカンパニー 制作=平井佳子(T factory)/松井憲太郎(世田谷パブリックシアター)
一般¥5000 プレビュー公演¥4000 学生割引¥3500 前売り開始12月4日(日) 16ステージ(内プレビュー公演は1ステージ)
公式=http://www1.odn.ne.jp/info/t_factory/

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Posted by shinobu at 23:49 | TrackBack

【情報】tpt『nine THE MUSICAL』東京公演CD限定発売

 デヴィッド・ルヴォー演出のtptnine THE MUSICAL』の日本ヴァージョンのCDが発売されます。999枚限定です。お早めに!
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Posted by shinobu at 13:21 | TrackBack

2006年02月15日

TBS『レインマン』02/03-19東京グローブ座

 映画『レインマン』の舞台化の世界初演です。映画公開ははるか17年前なんですね~、映画館で見たな~・・・。で、舞台ですが、映画よりもずっと良かったです!
 4人芝居でチケット代が8500円って高いよな~・・・と思って、A席7000円を買ったんですが、絶対近くで見るべきでした・・・・今週末で東京公演は終わりますが、土日は完売で、明日、あさっては空席が有るそうです。どうぞお問い合わせください⇒チケットスペース 03-3234-9999
 ネット上の記事⇒朝日新聞読売新聞、イープラスtheatrix!()   
 レビュー⇒IT'S SHOWTIME!!

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 レビューを全アップしました(2006/02/16)。

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより引用。(役者名)を追加。
 幼い頃に母親を亡くし、厳格な父に育てられたたチャーリー(椎名桔平)。父親の真の愛情に気付くことなく、憎しみだけを抱いたまま家を飛び出し孤独に生きてきた。そんな彼にやってきた人生最大の転機、それは父親の死から始まった。恋人・スザンナ(パク・ロミ)を連れ、遺産目当てに帰郷した彼は、ほぼ全ての遺産を相続する実の兄がいることを知る。ブルナー医師(大森博史)のもと施設で暮らす自閉症の兄・レイモンド(橋爪功)。スザンナの忠告にも耳を傾けず、遺産欲しさにレイモンドを連れ出すチャーリー。全く違う人生を歩んできた二人の過去が、ロスに向かう旅の中で徐々に明らかになっていく。不器用で人間らしく、繊細な二人の心の対話はやがて長い空白の時間をも埋めていき・・・・・
 ≪ここまで≫

 美術は抽象舞台で、モノトーンを基調としたシャープな印象です。机やイス、ベッドは透明・半透明のアクリル製(であろう)ボックスが多用され、黒い床に生えます。長細いステージの真ん中が白い壁で仕切られてニ分割されており、それぞれが八百屋舞台になっています。回り舞台なのでシーンごとに回転して、かなり動きがあります。舞台写真はこちら(音が出ます)とこちら

 原作戯曲や小説はなく、映画をそのまま舞台化していますので、内容はかなり変わっていました。まずチャーリーの職業がネットトレーダー(インターネット上で株の売買をする人)になっていました。これは椎名桔平さんのスマートなルックスとも合っていますし、今の時代にもばっちりフィットしていました。

 また、映画はいわゆるロードムービー的要素が強いのですが、この舞台は父と息子、そして家族の愛を発見していくドラマであるということが、まっすぐに伝わってきました。父親に愛されなかったと信じ込んで、堅く閉ざされていたチャーリーの心が、実の兄レイモンドとの出会い、語らいによって、するするとほどけるように柔らかく開いていきます。

 登場人物それぞれのバックグラウンドが役者さんの佇まいや対話からしっかりと現れていたので、4人芝居とは思えない世界の広さと分厚さがありましたね。
 特にレイモンド役の橋爪功さんのぶっきらぼうな優しさが嬉しくて仕方なかったです。私はダスティン・ホフマンがあんまり好きじゃないんですよね・・・。不恰好な役を進んで選んでいるように見せて、実はいつも自分が一番目立って、好かれるように演じている、計算高い人な気がするからです(勝手ですみません)。

 橋爪さんのレイモンドはダスティン・ホフマンのそれとは全く違いました。彼は自分が自閉症であることを自覚し、しっかりと受け止めています。それを踏まえて他人と付き合う覚悟があります。人に優しくしたい、愛したい、抱きしめたい、だけどできない自分をすごく歯がゆく思っています。そして優しくしたいと同時に優しくされたい自分にも気づいており、それをおずおずと態度に示そうとするのが素直で愛らしいです。一見カチカチに固まっているように見えるレイモンドの方が、実は健常者であるチャーリーよりもずっと柔軟で心が広いということが、橋本さんの演技で瞬間的にわかりました。だからこそチャーリーが変化するのです。

 ここからネタバレします。

 チャーリーが心のよりどころにしていた空想の人物レインマンとは、実はレイモンドのことだったがわかるシーンが、とても静かにやってきました。ジャジャーン!と、いかにもすごいことが起こったような演出でなくて良かったです。チャーリーの体中のやけどの本当の理由もわかり、チャーリーとレイモンドの父親、母親、そしてその4人家族の歴史が鮮やかに私の胸の中に浮かんできました。

 父親の遺言では、チャーリーには愛車ビューイックとバラ園、残りの大金300万ドルをレイモンドに遺すことになっていました。チャーリーは最初、それが不服でレイモンドを誘拐したのですが、レイモンドとバスで旅をする内に、大切なのはお金じゃないということが徐々にわかってきます。だって自分はうなるほどのお金を持っているけれど全然幸せじゃないんですものね。父親はチャーリーのことを本当に愛していたんだなって思いました。だって自分が最も愛し、大切にしていたものを、チャーリーに贈ったんですから。

 映画ではレイモンドの暗記能力をギャンブルに利用するシーンがありましたが、そういうところが全カットされていたのが素晴らしいと思います。
 最後にチャーリーとスザンナが赤ちゃんを連れてレイモンドに会いに行くという、大胆なハッピーエンドにも共感できました。ラストシーンでは2人の間(もしくは人間の心)を閉ざしていた白い壁が倒れていて、その奥にあった森林を思わせるスクリーンが広がりました。美しかったです。
 レイモンドが昔、チャーリーを抱きながら歌っていたのはビートルズの"good night"(リンゴ・スターがヴォーカル)でした。かかる回数がちょっと多い目かなとも思いましたが、柔らかく優しいムードでした。

 チャーリーが「(病院に)帰る」と言ってきかないレイモンドを説得しようとして、「いろんなことに、ゆっくりと慣れていけばいいんだ」と言います。これはチャーリーの口から出たとは思えない言葉でした。こういう言葉を、実生活で自分が言えるようになりたいです。

 椎名さんも橋爪さんもサッカーがお上手ですよね!2人でリフティングが20回続くまでやってくださって、サービス満点!・・・かと思ったら、20回続いた後に喜んで抱き合ったあの瞬間が、2人が初めて触れ合った時だったんですね。その決定的なシーンをライブで見せてくださるなんて、素晴らしい演出だと思います。

 橋爪功さん。レイモンド役。自閉症を決しておおげさにならず、キュートに見せてくださいました。『シラノ・ド・ベルジュラック』でも大感動したんですが、橋爪さんって本当に優しい方ですよね。膨大なセリフのぼう読み(笑)が圧巻。
 椎名桔平さん。チャーリー役。やっぱりカッコイイ役がいいですね、椎名さんは。クールなスーツがよくお似合いです。椎名さんもたくさんのセリフをさらりとこなしてくださいました。
 パク・ロミさん(漢字が載せられません)。チャーリーの恋人のスザンヌとダイナーのウェイトレス役の2役。スタイルいいわ~、みとれたわ~。演劇集団円の方なんですね。声優さんで、歌手なんです。この公演で一気にファンが増えそう。
 大森博史さん。医師役。何の問題もない。素晴らしい。

"Rainman" Based on the Metro-Goldwyn-Mayer motion picture written by Barry Morrow
≪東京、大阪、名古屋≫
出演=椎名桔平/橋爪功/朴ろ美(パク・ロミ。ろは王へんに路)/大森博史
演出・脚本=鈴木勝秀 原作=バリー・モロー 音楽=横川理彦 美術=二村周作 照明=倉本泰史 音響=井上正弘 衣裳=原まさみ 演出助手=長町多寿子 舞台監督=二瓶剛雄 プロデューサー=河出洋一(TBSテレビ) 主催・企画・製作=TBS
22ステージ。(月)休演。2005年10/15発売開始。S¥8500 A¥7000 ※未就学児童の入場不可。
劇場=http://www.tglobe.net/
チケットスペース内公式=http://www.ints.co.jp/rainman/index.htm
TBS=http://www.tbs.co.jp/event/rainman.html


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Posted by shinobu at 23:49 | TrackBack

【スナップ】表参道、平日なのに大混雑

20060215 omotesando.JPG
表参道の歩道

 写真は原宿駅から表参道方面に歩いていく時の風景です。真ん中に道が有るんですが、人で埋まっているのがおわかりいただけますでしょうか?・・・・びびった。いつもは原宿方面へ行く道の方がずっと混んでるんです。表参道ヒルズ効果ってことですね。オープンの日はレストランの待ち時間が2時間だったとか。恐ろしくて近づけません(笑)。

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Posted by shinobu at 17:28 | TrackBack

劇団青年座『評決-昭和三年の陪審裁判』02/11-19紀伊國屋ホール

 『十二人の怒れる男たち』『12人の優しい日本人』のような法廷劇です。お芝居の内容が明快にわかるチラシに惹かれて観に行きました。
 2009年(平成21年)5月までに日本でも裁判員制度が始まるそうです。劇場入り口でチラシの束と一緒に法務省からの冊子も配られました。

 レビュー⇒のっぱさんの観劇日誌

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 ≪あらすじ・作品紹介≫ 公式サイトより引用。
 「違います!」
 憂いを秘めた被告・吉田静子の悲痛な叫びが法廷に響き渡った。
 その罪は放火殺人
 夫と姑を焼死させたのだ
 床屋・写真館・蕎麦屋・化粧品外交員・踊りの師匠・退役陸軍大佐・銀行支店長代理・古物商・呉服問屋・円タク運転手・撮影所所長・百姓
 様々な職業の十二人の男たちが東京地方裁判所に集められた。
 「あの女は絶対にやっているよ」「目許といい唇といいあれは正しく‥‥」「いやもっと分別のある女じゃないか}「‥女優にしてもいいくらいだべ‥へへ」「私は黒だと思うね」「でも女はやってねって」「嘘に決まってるじゃないか」「おらあ‥ほんとうに分かんねえす」
 決め付け、戸惑い、無関心、心配事
 様々な人間模様の渦巻く中、真実に向き合わされた十二人の日本人が出した結論とは?
 昭和三年から十五年間、日本でも陪審裁判が行われていた。
 ≪ここまで≫

 わかりやすいけど・・・物足りなかったですね。楽しめなかったわけではないですけど。日本でも3年後までに裁判員制度が始まるということで、もし自分が裁判員(このお芝居では陪審員)になったら・・・と想像しながら観ることにしました。三日三晩、宿舎に閉じ込められて、電話もテレビもラジオも(インターネットも)使用禁止されて、人の生死を決める判断を下さなきゃいけないなんて・・・・超イヤですね(苦笑)。「自らの良心に沿って、陪審員の責務を果たす」ということはとても大切だと思いました。

 ここからネタバレします。

 よぼよぼの老人の姿の大家仁志さんが、自分が参加した陪審裁判を回想する形式です。その老人の演技が・・・ありきたりだし、美しくないし、声をわざと汚くしていて、鑑賞に堪えなかったですねぇ。そういう演出なのでしょうけど。裁判シーンで大家さんは化粧品(男性用ポマード)の販売員役の高井役ですが、その他に証人の警察官の役も演じられるし、途中でストーリーテラーのように老人に戻ったりもします(衣裳は販売員のまま)。大家さんオン・パレードです。これはイマイチでした。次々と色んな役者さんに、証人や陪審員を演じて欲しかったですね。

 裁判自体はスムーズなんですが、法廷が終わって宿舎に戻ってからや、12人で審議するシーンで盛り上がります。これた見どころですよね。しかしながら、どうしても『12人の優しい日本人』と比べてしまうので、脚本に描かれている細かい心の揺れやどんでん返しなどは、満足のいくクオリティではなかったです。演出(演技)についても、何かとすぐにガミガミ怒鳴るようなセリフにしちゃうのに食傷気味。

 紅一点の出演者で被告役の那須佐代子さん。やっぱりきれいでした。私、那須さんが好きなんです。それで観に行こうと思ったのもあります。あと、蟹江一平さんにも注目しているんですが、今回は残念ながらそれほど光ってなかったですね。まあそういう演出なんだと思いますが。

 かなり辛口に書いてますが、知識として観る分には問題ない演劇だと思います。

出演=平尾仁/山野史人/井上智之/大家仁志/若林久弥/益富信孝/蟹江一平/山口晃/永幡洋/青木鉄仁/嶋崎伸夫/川上英四郎/那須佐代子/堀部隆一/長克巳/豊田茂
NTV水曜グランドロマン「帝都の夜明け」から 協力=(株)近代映画教会 作=国弘威雄/斉藤珠緒 演出=鈴木完一郎 照明=中川隆一 音響=高橋巌 舞台監督=安藤太一 製作=森正敏
一般前売り1/12(木) 一般席5,000円 休演日=2/16(木) ※2/11(土)、2/13(月)=インターネット特定日割引(4,000円)あり 各日10枚 ネット予約 4,500円 ゴールデンシート(65歳以上)4,000円 ユニバーシート(大学・各種学校生)3,500円 チェリーシート(高校生以下) 2,500円 グループ割引あり
公式=http://www.seinenza.com/performance/public/182.html

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Posted by shinobu at 17:15 | TrackBack

2006年02月14日

【スナップ】愛と勇気と冒険のバレンタイン

20060214 valentine center.JPG
渋谷・公園通り

 西武百貨店のバレンタイン企画のようです。“愛と勇気と冒険のバレンタイン・センター”って・・・・ダサいよね? 献血のポスターかと思った。ドラマ「西遊記」をイメージしたチョコってちょっと・・・だから「冒険」なのか。
 今年はいつも贈る方にいつものチョコを贈りました。自分は食べなかったですね・・・残念ながら今年のバレンタインはスルーしちゃったな(涙)。

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Posted by shinobu at 19:09 | TrackBack

のぞき部屋演劇ZOKKY『ZOKKY secret live 2006 winter』2/5、2/12、2/19、2/26(すべて日曜日)Maid Bar 雪月華(せつげつか)

 新宿ゴールデン街の小さなバーで、のぞき部屋演劇を初体験。いやー・・・・参ったねコリャ、超刺激的(笑)。のぞき穴越しとはいえ、若くて可愛い女の子が至近距離でアンナコト、コンナコト・・・とりあえず女が真っ昼間から観に行くモンじゃないなっ!って自分にツッ込みましたけど(苦笑)。まあ、新しいジャンルっていうか、演劇の意外な活用法っていうか・・・ドキドキしながらかなり楽しめました。

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 観劇方法はこちら。のぞき部屋、そのまんまです。ヘッドフォンをつけてボックスの前に立ち、穴から中を覗きます。内容は・・・・、ま、メイドなんでね、直球エロでした(苦笑)。女の子たちがギャグでやってるんで、笑えますし可愛いです。そもそも“ZOKKY GIRLS(族鬼娘)”は可愛い子が選ばれてるみたいですしね。

 一人ずつしか観劇できないので、待ち時間があります。その間はカウンターでドリンクを飲みながら、ZOKKY GIRLSの写真集を観賞できます・・・って、オイっ!女の私が観てどうするのっ!?(笑) いやね、でもね、こういうプロモーションって面白いです。実際目の前で演技してくれる女の子の写真集を見て、ポストカードも買えるんです。これって・・・今はやってる秋葉系エンターテインメントなんでしょうか?
 CDかポストカードを購入したお客様へのシークレット・ライブという形式も面白いですね。

 今回はのぞき部屋演劇だけでなく、後半で歌も披露してくれました。お客様はカウンターに座って、ZOKKY GIRLSはカウンターの向こう側で小さく踊りながら歌います。近っ!どこを観ればいいの?!っていうぐらい近っ! 歌はね、もー上手いとか下手とかどうでも良かったです。女の子を、楽しむって感じですね、あーいやらしいわ、私っ。

 あぁ、こんなに客席(?)で緊張したの、久しぶりでした・・・。のぞき部屋演劇の新作が観られるなら、また行ってみたいなと思います。ZOKKY GIRLSの他のメンバーにも会ってみたいし♪

私が拝見した回は、小関ゆかり/キムラマナコ/遠藤留奈/田中陽介の4人キャスト。
出演=小関ゆかり(SPARKO)/キムラマナコ(時間堂)/小林裕子(Anjuta)*/遠藤留奈*/神前るい子(御曹子ニャンコフ)*/Yumiko(あひるなんちゃら)*/田中陽介 *印のキャストは日替わり。
produced by 小林タクシー ※CD「わたしのゾッキー C/W セックスと嘘とビデオテープ」購入者のみ入場可能。
公式=http://www.geocities.jp/no_zokky_no_life/
雪月華=http://setsugetsuka.net/index.htm

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Posted by shinobu at 18:25 | TrackBack

チーターダッシュボンバーショット『最近、アイツの笑顔がイラついてしょうがねー』02/14-15こまばアゴラ劇場

 ここ数年間のワーストでしたねぇ・・・(苦笑)。開演前の前説からヤバイなと思い、開演5分で帰りたくなりました。しかし舞台と客席の配置の関係で全く身動きできず、2時間の拷問となりました。
 なぜこの劇団がこまばアゴラ劇場「冬のサミット2005」に選抜されたのでしょうか。ハズレが最も少ない劇場なだけに、落胆が激しいです・・・。

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 ≪あらすじ≫ かなりネタバレしています。
 かなり未来の地球。「廃人法」が制定され、知能レベルの低い人間や身体障害者らを「廃棄」できる世の中になる。廃棄処分になった人々はゴミ捨て場である森の中で、ゴミを拾いながら暮らす。しばらくすると有能な人間の身体に異変が起きはじめる。生殖器が解けたり、体が黒ずんできたり。とうとう富士山が噴火して、地球全体が崩壊しはじめた。地球はガンになったのだ。
 ≪ここまで≫

 言葉が下品でお粗末です。投げっぱなしの下ネタに辟易しました。
 役者は演技というものが全く出来ていません。汚い大声をはりあげて、節制のきいていないぶざまな身体を振り乱し、ただ、吐き散らすばかり。観るに耐えませんでした。
 美術もひどかったです。私はわざとへなちょこにしたり、ボロに見せたりするセンスを認めないわけではありません。しかし今作品については志が感じられませんでした。紙製の小道具はセロハンテープでぐるぐる巻かれてテカテカしていますし、舞台のけこみに張りついた無数のボロ布は、安全ピンで留められており、その安全ピンが露出しているのです。

 普段からかなりの量のチラシを目にしていますが、この作品については仮チラシしか見つかりませんでした。そのセンスが全く私の好みに合ってませんでしたから、普段なら目に留めていなかったはずです。私はこまばアゴラ劇場の「冬のサミット」だから観に行ったのです。がっかりだー・・・。

 制作まわりについても甘いところがありました。劇場のブランドがしっかりしているから、未熟なところが目についてしまうんですよね。
 前説で「舞台から何かが飛んでくることがありますが、痛いものではない・・と、思うので・・・・」と口を濁していました。痛くないなら痛くないと断言するべきですし、「当たると痛いかもしれませんが、それを楽しんでください!」というぐらい、覚悟を決めて言って欲しいです。
 公演中に舞台写真の撮影をするのはやめてもらいたいです。ゲネプロ(リハーサル)でやるべきでしょう。カメラを持った女性が、最後列とはいえ立ったり座ったりしながら撮影しており、カシャッ!カシャッ!という音が鳴り響きました。下手は客席まで張り出して演技スペースがあったので、観るのにも邪魔でした。

 一箇所だけ好きだったのは、音楽で戸川純の「虫の女」がかかったことですね。森の中のイメージに合っていたと思います。B'zの「Bad Communication」も惜しかったなと思いました。

アゴラ劇場「冬のサミット2005」参加作品
出演=工藤史子/根岸有希子/城間真/古田裕平/川瀬アキヒロ/山田加奈子/西野大介/平川友一郎/石黒淳志/相内友美/橋本瞳(劇団プロイラー)/戸村望(熱風族)/大湯純一
作・演出=西野大介 舞台監督=木村篤 照明=嶋崎潤子 音響=小宮聖子 舞台美術=根岸有希子 宣伝美術=西野大介 制作=松井見依子 協力=春日大
全4ステージ 日時指定・全席自由 前売¥1,900 昼公演¥1,500 当日¥2,200 ※前回公演『奇雨ナイト』の半券をお持ちの方\1,500(要半券提示)
チーターダッシュボンバーショット=http://homepage2.nifty.com/momo-kaito/
こまばアゴラ劇場「冬のサミット2005」=http://www.agora-summit.com/

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Posted by shinobu at 17:35 | TrackBack

2006年02月13日

映画「七人の弔(とむらい)」(製作=バンダイビジュアル他)

 ダンカンさんの初監督作品。脚本も手がけてらっしゃいます。ダンカンさんって放送作家で、脚本家で、映画監督で、俳優なんですね。公式サイトはこちら(音が鳴ります)。

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 もー・・・・ほんと、イヤになりました。こまごま意図的に組み込まれた笑いもあるんですが、わざとらしくてしらけます。子役も下手(上手い子役も好きじゃないけど)。大人は・・・上手い人と下手な人の差が極端です。アイスクリームのところでだいだいネタは割れてました。一見爽快な結末も、実は幸せに全く結びつかないですよね。

 勝手に5つ星評価。

  ★☆☆☆☆ お薦めできない
  ★★☆☆☆ 好みじゃないけど観てよかった
  ★★★☆☆ 面白かった
  ★★★★☆ お薦めです
  ★★★★★ 人生変わるほど感動!

 「七人の弔(とむらい)」は★☆☆☆☆です。私の好みじゃないってだけのことですが。

出演=ダンカン/渡辺いっけい/高橋ひとみ/いしのようこ/山崎一/温水洋一/保積ぺぺ/有薗芳記/山田能龍/水木薫 【子役】中村友也/川原真琴/柳生みゆ/波田野秀斗/戸島俊季/石原圭人/松川真之介
監督・脚本=ダンカン 音楽=松谷卓 プロデューサー=森昌行/吉田多喜男 ラインプロデューサー=小宮慎二 撮影=村埜茂樹 照明=舘野秀樹 美術=稲付正人 録音=白取貢 助監督=松川嵩史 編集=太田義則 記録=森直子 製作担当=岩谷浩 キャスティング=吉川威史 製作=バンダイビジュアル・TOKYO FM/オフィス北野 配給=オフィス北野、東京テアトル
公式=http://www.office-kitano.co.jp/7tomurai/
作品紹介=http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=5238

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Posted by shinobu at 19:14 | TrackBack

キラリ☆ふじみで創る芝居『Pictures』02/10-12キラリ☆ふじみマルチホール

 宣伝もしておりました『Pictures』、観て参りました。1999年初演の第20回文化庁舞台芸術創作奨励特別賞受賞作品で、7年ぶりの再演です。キラリ☆ふじみは半端なく遠かったですが(笑)、観に行ってよかったと心から思える上質な作品でした。
 
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 公演は終了していますので、ここからネタバレします。

 能舞台を思わせる四角くて何も無いステージ。下手には橋掛かりもあります。和紙の大きなスクリーンが天井から数枚垂れ下がっています。

 ≪あらすじ≫ セリフは上演台本より引用。
 舞台中央には顔に白い布をかぶせられた遺体がある。聡(三村聡)の恋人の小夜子(寺内亜矢子)だ。聡の横に弟の薫(平原哲)もやってきて、小夜子の遺体のそばに座る。二人ともまだその死が信じられない。
 小夜子のたった一人の身寄りである、実の妹の満乃(田上智那)がやってくる。
 満乃「明日、朝一で姉を連れて帰りたいんですけど。」「仙台の実家に。」
 聡「……籍入れとくんだったなあ。」
 薫のガールフレンドの佐紀(佐藤亜紀)もやってきた。昨日の夜、聡と小夜子の家で、薫と佐紀の卒業祝いのパーティーを開いたばかりだったのだ。
 ≪ここまで≫

 大切な人の突然の死。どんなにつらくても、向かい合うしかありません。
 聡と小夜子がいかに愛し合っていたか、二人がどんなに特別な関係だったかが、聡の発する小さな言葉達から沁みこむように伝わってきます。また満乃と小夜子についても、両親を早くに亡くしていたために、ごく普通の姉妹よりもより緊密な関係であったことがわかります。
 聡が「この世にいながらにして身体から自由になれて、大事な人とひとつになれるすごーく気持ちのいいこと」を話した時、私は自分の中のすごく深い部分で共感しました。心、体、そしてそれらを超えた世界があることを信じられました。

 明神さんが作り上げる、ただ目の前にある、という世界の中に、沈み込むように静かに観劇していましたが、終盤で思わぬ盛り上がりがやってきました。
 薫「5分、5分だけでいいから、オレと小夜子さん二人にしてくれないかな。」
 このセリフを聞いたとたん、涙がこぼれてしまいました。そうか、そうだったのか、薫も小夜子さんを愛していたんだね・・・。だから「オレ、フツウじゃないから。」「…オレ、今のオレは佐紀と溶けらんないよ。別なんだよ。オレが甘えてるだけで。」なんだね・・・う゛~っっ泣ける、泣けてしまうっ!
 その後の薫と小夜子、二人だけのラストシーン(薫の一人長セリフのシーン)では、もう涙が溢れっぱなしでした。
 薫「あなたを…あなたを一度だけ抱きしめたあのとき、無防備なあなたの背中を抱きしめたとき…ほんの一瞬のことだったけど、驚きながらもあなたはオレを受け止めてくれたように思うんです。二人は溶け合っていたように思うんです。何も始まりはしなかったけど…。あなたのとなりには兄がいる。いつも事実が目の前にありました。それでも、あなたに会えてよかった。」
 人は、自分の中に、愛する人を持つことが出来るんだと思いました。「持つ」ってヘンですよね、どう言ったらいいのか・・・小夜子は死んでいるので、あの部屋には薫しかいません。でもそこには薫が愛する小夜子が、いたんです。そういえば、小夜子に向かって妹の満乃が懺悔するシーンでも、小夜子が居たように感じていました。

 最後の一シーンはなくても良かったんじゃないかと思いました。小夜子への最後のお願いを言い終わった薫は、顔を少しずつ上に向けていきます。それを包み込むように溶暗していく、あの永遠のような闇の中に、小夜子に抱きしめられている薫が見えたように感じていたので。

 最愛の人・小夜子を失った兄・聡役は三村聡さん。いつもながらきりっとしていてステキです。でもある型にはまった状態がずっと続くのが不自然に映ることもありました。欲を言えば、もっとラフな姿も見せていただければ、笑えるところ泣けるところも増える気がします。
 兄の恋人を愛してしまっていた弟・薫役の平原哲さん。プラスもマイナスもない、自然でした。パーフェクト。声もいいし、背もたかく、スタイルもいいです。弟らしいちょっと可愛らしいところもあります。キャスティングされたのが2/6(月)で、初日は2/10(木)です。私が大ファンだということを差し引いても、本当にすごい役者さんだと思います。
 開幕から終幕までずっと舞台上に居る(ある)、白装束の遺体を演じられたのは寺内亜矢子さん。遺言の8ミリ映像にも出演されて、2人の男から愛し慕われる女性を全くムリを感じさせずに体現されました。全てを許し、癒してくれる優しい声と語り口は、まさに女神。大人の美女であり、清らな少女でもありました。

 ★アフタートークの出演者は明神慈さん×堤広志さん(演劇・舞踊ジャーナリスト)×杉山至さん(舞台美術家)でした。ポかリン記憶舎の今までの作品およびその特徴について、そして今回の舞台装置について、とても肉厚のあるトークを聞かせて下さいました。ポかリン記憶舎ってすごく愛されているんですね。私も大好きですけど。

 観客からの質問コーナーで「キャスト変更があったのはなぜなのか」という質問がありました。それに対する明神さんのお返事の明確なこと。驚きました。最後におっしゃった「作品(舞台)を守らなければならない」という言葉に感動。

出演=三村聡(山の手事情社)/田上智那(ポかリン記憶舎)/平原哲(reset-N ※山田靖朗が降板。その代役出演)/佐藤亜紀/寺内亜矢子(ク・ナウカ
総合プロデュース=平田オリザ 作・演出=明神慈(ポかリン記憶舎) 音楽=木並和彦 舞台美術=杉山 至×突貫屋 舞台監督=寅川英司×突貫屋 照明=木藤歩(balance,inc.) 音響=尾林真理 写真=松本典子 AD=松本賭至 映像・衣裳=フラボン 特別協力=ポかリン記憶舎 助成=(財)地域創造 主催=富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ(財団法人富士見市施設管理公社)
料金 一般1000円 高校生以下500円(日時指定・整理番号付き自由席) ※プレ公演 一般800円 高校生以下300円(キラリ☆ふじみのみ販売)
公演情報=http://www.city.fujimi.saitama.jp/culture/kouen/kouen.htm#pictures
きらり☆ふじみ=http://www.city.fujimi.saitama.jp/culture/index.htm
ポかリン記憶舎内=http://www.pocarine.org/mt/archives/2006/01/2pictures.html

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Posted by shinobu at 00:20 | TrackBack

2006年02月12日

阿佐ヶ谷スパイダース『桜飛沫(さくらしぶき)』02/10-19世田谷パブリックシアター

 長塚圭史さんが作・演出される阿佐ヶ谷スパイダースの新作です。二部構成になっており、上演時間は3時間20分(休憩20分を含む)です。2本立てだと思って観に行くのがいいと思います。前売り券は完売していますが、当日券は数十枚用意されているそうです。私はかなり前方の席で見づらかったので、ちょっと後ろの方がいいと思います。2階席でもいいんじゃないかしら。
 残念ながら私は楽しめなかったですね~・・・客席はかなりウケてましたけどね。
 阿佐ヶ谷スパイダースといえばこちらのレビュー⇒踊る芝居好きのダメ人間日記

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 上演時間は長いですが2本分だと思えば納得はできます。ただ、初日だったからというのもあるでしょうが、二部構成にしたのがうまく作用し、作品としてギュっと集約して感動につながっていたとは言いがたい出来でした。
 長塚作品ならではの残虐趣味と言いますか、相当大胆なホラー・テイスト健在です。第一部についてはエッチさでもR15指定ぐらいかな、と。笑いがいっぱいちりばめられていましたが、私は一箇所ぐらいしか笑えなかったですね。
 最近、自分の好みが明らかに変わってきているのを実感しています。いくら豪華キャストでも、それが作品としてのクオリティの高さにつながっていなければ、特に面白みや嬉しさを感じられなくなってきました。また、ストーリーを伝えるための通り一遍な場面転換や、予想可能なセリフのやりとりが長く続いてしまうと、作品に入って行きづらくなっています。

 ここからネタバレします。

第一部「蟒蛇如」 ※ 「オロチ」ではなく「うわばみのごとく」らしいです(2006/02/14追記)。
≪あらすじ≫ イープラスより引用。
 沼ばかりの貧しい村。村を仕切る郷地壱之佑(市川しんぺー)とその兄弟。郷地兄弟は村を貧しさから救うため三人っ子政策を打ち出して、それ以上の子供を作れば重罪とした。流れで医者のようなことをしている徳市(橋本じゅん)は、この村の助産婦のタネ(水野美紀)と共に村人たちに避妊の知識を広げながら生活していた。そこへ賞金稼ぎの新兵衛(伊達暁)が現れる。新兵衛は剣士としての徳市を探し訊ねて、ある悪人の首を取りにいかないかと誘い込むのだが、遠い昔に剣を置いた徳市はきっぱりと断るのだった。そんな折、四人目の子供が出来てしまった村人が徳市とタネの元に相談に来る。また同じ頃、村に女郎崩れの身重の女ヤマコ(猫背椿)も運び込まれて……。
≪ここまで≫

 悪者の郷地兄弟は、企画・製作のゴーチ・ブラザーズから来てるんだろうなと思って、ちょっと可笑しかったです。
 役者さんでは主役の橋本じゅんさんと川原正嗣さんがかっこ良かったです。猫背椿さんも好きでした。


第二部「桜飛沫」
≪あらすじ≫ イープラスより引用。
 かつては賑わった宿場町。今ではすっかり寂れてしまっている。お尋ね者の佐久間(山本亨)が身を隠すにはうってつけの場所であった。この町に嫌気がさしていた若い娘マルセ(真木よう子)は余所者の佐久間に興味を抱き、自分の宿場に招き入れる。そこにはマルセの姉である頭の弱いグズ(峯村リエ)と、その夫である岡っ引きの蛭間(中山祐一朗)が住んでいた。佐久間が吐き気をもよおすほど、日々ドメスティック・バイオレンスの限りを尽くす蛭間は、町の元締め市川左京(山内圭哉)のイヌだった。その左京が流れ侍の佐久間の首に多額の賞金が掛かっていることを知り、ぬめぬめと動き出す。そんな中、佐久間はグズの不思議な人柄に興味を抱き始めて……。
≪ここまで≫

 佐久間(山本亨)が何度も同じ宿場に戻ってきてしまうのは、桜の魔力のせいなのだということを、もっとはっきりわかる演出にした方が良かったのではないでしょうか。第一部ではヘビ、第二部では桜によって、人知を超えた存在の大きな力を表していたのだと思います。
 ラストの2人の対決はかっこ良かったです。こういう時に、やっぱり上手い役者さんはいいなと思います。

 真木よう子さんがずっと着物姿だったのがちょっと残念。やっぱり超グッド・スタイルが見られる衣裳で出て来て欲しかったな~(笑)。

≪東京、新潟、大阪≫
出演=山本亨/橋本じゅん/水野美紀/峯村リエ/山内圭哉/猫背椿/市川しんぺー/真木よう子/吉本菜穂子/富岡晃一郎/川原正嗣/前田悟/横山一敏/大林勝/中山祐一朗/伊達暁/長塚圭史/下村はるか/高橋大輔/津江健太/福澤諭志
作・演出=長塚圭史 美術=加藤ちか 照明=佐藤啓 音響=加藤温(サウンドバスターズ)/山本能久(SEシステム)/大木裕介(サウンドバスターズ)/藤森直樹(サウンドバスターズ) 衣裳=三大寺志保美 ヘアメイク=河村陽子(DaB) 殺陣指導=田尻茂一(アクションクラブ)/川原正嗣(アクションクラブ)/前田悟(アクションクラブ) 舞台監督=福澤諭志+至福団 題字=森大衛 映像=上田大樹(iNSTANT WiFE)/冨田中理 小道具=高橋岳蔵 装飾=高津舞台装飾 大道具=唐崎修(Smile Stage) 宣伝美術=Coa Graphics 舞台写真=HARU Web=山川裕康/新藤健/佐々木康志 広報=吉田由紀子 票券=西村悦代 稽古場進行=辻未央 制作=伊藤達哉 製作=阿佐ヶ谷スパイダース 主催=阿佐ヶ谷スパイダース/ゴーチ・ブラザーズ/TOKYO FM 共催=世田谷パブリックシアター 助成=芸術文化振興基金 企画・製作=ゴーチ・ブラザーズ
前売り発売日:2005年12月17日 S席6,300円 A席5,500円(全席指定・税込) 全16ステージ 休演日=2/13
公式=http://asagayaspiders.net/
イープラス内=http://eee.eplus.co.jp/theatrix/special/sakurashibuki.html

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Posted by shinobu at 10:44 | TrackBack

2006年02月11日

東京国際芸術祭『アメリカ現代戯曲&劇作家シリーズ ドラマリーディング』02/10-12にしすがも創造舎特設劇場

 東京国際芸術祭ディレクターの市村作知雄さんの「どのような方策を国家がとろうが、アーティスト間の交流を絶やしてはいけない、というのが我々の主張である。」という文章を読んで、観に行くことを決めました。
 いやー、濃い一日でした・・・とても面白かったです。明日(2/12)はなんと、4人の劇作家と4人の演出家による2時間ものシンポジウムがあるそうです。行きたいよー、でも行けないよー(涙)!
 1日で4本観劇したのは生まれて初めて。今後はこんなことがないよう祈りたいものです(苦笑)。

 TIF2006の舞台裏ブログアメリカ現代戯曲
 【中野成樹インタビュー】 【宮崎真子インタビュー

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 私が一番好きだったのはD、ぐっと引き込まれて最後まで普通のお芝居のように観られたのはAでした。
 私が観た順番に書きます。ネタバレします。


D■『セックスハビッツ・オブ・アメリカンウィメン』
THE SEX HABITS OF AMERICAN WOMEN (2004)
作=ジュリー・マリー・マイアット 翻訳=吉田恭子 演出=中野成樹((POOL-5)+フランケンズ)
出演=村上聡一/福田毅/野島真理/石橋志保(フランケンズ)/仲田真一郎/岩本えり

 力がいい感じに抜けて軽快で、アイデアも面白かったです。素舞台のスフィアメックスを思い出しました。
 舞台中央にボード(白板だったか黒板だったか)があり、「何をみてるの?1950⇔2006」と大きく書いてあります。つまり下手が1950年、上手が2006年で2つの時間が行き交う構成になっていました。

 1950年は「アメリカ人女性のセックスの習慣について」というタイトルの本を書いている博士の一家が主人公。登場するのは博士フリッツとその妻で65歳のアグネス、オールドミスの娘デイジー、フリッツの部下でアグネスを愛してしまう若者エドガー、そして小さな赤ん坊が生まれたばかりの姪(だっけ?)のルビー。
 フリッツは女性とセックスの開放についての本を出すような博士なのに、アグネスはフリッツとのセックスの後に自慰をしています。デイジーは生徒に嫌われているギスギス女教師で、フリッツには反発ばかり。
 最後の“ウソ家族”の肖像には参りました・・・まさかアグネスが自分の愛人エドガーを、レズビアンだと判明した娘と結婚させるなんて・・・知らないのはフリッツだけ、というお粗末な家族像を、おまぬけ~に見せた軽いエンディングでした。
 「ビング・クロスビーが流れる」というト書きを読むのに、二度目はそれが流れなかったのが切なくてよかったです。

 2006年は「女性とセックスの関係について」調査するために、カメラマンの男がデジカメをまわしながら、決して若くはない女性ジョイにインタビューをしています。
 「関係を持つ(セックスをする)前にしゃべりすぎてる」「止まって、考えて、殺したくないの」
 「いい恋愛といいセックスはすれ違う。それはドレッシングの酢と油みたいに」
 「(ジョイが父、母、娘の写真をどんどん見せている)そしてこれが私の恋人。ビデオを止めて。これは私のプライベートだから。」
 下着姿になるものの、立ってあえぎ声を言うだけのセックスシーンが笑えました。

 1950年に登場しているルビーは赤ん坊を連れてよくフリッツ宅を訪れるのですが、その赤ん坊が2006年でインタビューを受けているジョイだってことがわかった時は衝撃でした。

 「何をみてるの?」は"What are you looking at?"か"What are you searching for?"か、そんな意味かなって思いました。フリッツがセックスの開放を説いた本を出して、その影響もあってか、1970年代のフリーセックスの時代のど真ん中を生きたジョイがいて。50年経った今も同じように女性について、セックスについて人間は探り続けているんだけれども、でも、やっぱり「愛」は見つかっていない。そんな意味かしら、と。


C■『ベラージオ;もしくはメタル製のすべてのもの;もしくはおじいちゃんがパパを射殺させるとき』
BELLAGIO; or Of all Things Made of Metal; or When Grandpapa Had Daddy Shot (2005)
作=マック・ウェルマン 演出=中島諒人
出演=斉藤頼陽/中川玲奈/西堀慶(ジンジャントロプスボイセイ)/藤岡武洋(劇団MAC(高知))/村上里美(高知)

 黒い上下のラフな格好をした役者さんが、舞台面側に一直線に並んだ学校の勉強机にずらりと腰掛けて(もしくは席で立って)、ただ読み上げていくのが基本でした。セリフは力を過剰に入れて、低い声で怖いような雰囲気で、一直線にしゃべり続けるような方法で、残念ながら言葉が胸に入って来ず、何も分からないままに終わってしまいました・・・。もともとの戯曲も難解なものだそうで、私は最初に入って行けず、脱落した・・・ということですね。ちゃんと聞いていたら後半は面白くなったそうですよ。
 演出がジンジャントロプスボイセイの中島諒人さんなので、予想外の動きとか面白い衣裳などを期待しちゃってたんですよね。時々音響効果や演技、照明などで変化がありましたけど、小さいものでした。


B■『アクト・ア・レディ ~アメリカ中西部ドラッグショー~』
ACT A LADY, a mid-western drag show in three acts (2005)
作=ジョーダン・ハリソン 翻訳=須藤鈴 演出=江本純子(毛皮族)
出演=みのすけ(NYLON100℃)/金子清文/水谷ノブ/太田緑ロランス/柿丸美智恵/江本純子

 毛皮族の江本純子さん演出ということで、客席が急に埋まりました。大人気だな~。ま、私もジュンリーの大ファンですが(笑)。

 アメリカ中西部の架空の村で、男達が女装をしてお芝居をするお話。劇中劇の時は照明が赤くなって、村での会話と区別されていました。ミラーボールにピンクの照明がきれいでした。
 太田緑ロランスさんがフランス語や偽フランス語(笑)をしゃべったり、江本さんがマイクに「パッパッドゥバッ!」などと息声を吹きかけたり、みのすけさんが突然歌いながらセリフを言ったりと、面白いアイデアと工夫がたくさん見られました。ただ、上手いところと下手なところの差が激しかったし、噛むこともめちゃくちゃ多くて、聞き苦し過ぎましたね~。
 また「○○役は××役を演じていた俳優が演じる」などと、後半になるとト書きで配役が変更されます。みんな同じ衣裳だし登場人物も多いし、劇中劇なのか日常劇なのかわからなくなってしまいました。

 音楽も面白い、というか毛皮族っぽかったですね。「マイアヒ」でオープニング&エンディング、柿丸美智恵さんのピアノの生伴奏、極めつけは最後のジュンリー・ライブ(笑)。しかしあれはファンサービスとしては成立するかもしれませんが、作品としては失敗・・・でしょう。残念。噂によると昨日の方が良い出来だったそうです。
 江本純子さんはヘアメイクの若い女役。やっぱかっこいい。太田緑ロランスさんは信心深い妻役。声が美しい。水谷ノブさんはゲイ(?)の役者役で、色っぽかったです。


A■『メイヘム』
MAYHEM (2000)
作=ケリー・スチュアート 翻訳=川島健 演出=宮崎真子
出演=阿部一徳(ク・ナウカ)/大原康裕(文学座)/塩田朋子(文学座)/坪井木の実(俳優座)

 Mayhemとは破壊、傷害、大混乱、荒廃などを示す英単語です。
 とてもシンプルに明快に、戯曲そのものを伝えてくださいました。しゃべり言葉はいかにも新劇っぽくて興ざめなこともありましたが、全体としてはとても質の高い、演劇でした。

 スーザン(坪井木の実)は小さな子供がいる妻で、夫のデイヴィッド(阿部一徳)は薬物依存およびアルコール中毒からの復帰を支援するカウンセラー。決して裕福とはいえない暮らしをしている。スーザンの女友達のクレア(塩田朋子)はジェノサイド(虐殺)や女性の虐待に強い興味を持つ独身女性で、かなり神経質。スーザンはクレアに誘われて、アフガニスタンの現状について話し合うミーティングに行き、カメラマンのウェズリー(大原康裕)と出会う。

 「アフリカや中東で起こっている虐殺やテロなどは、アメリカなどの先進国による武器輸出に起因している」「スーザンとデイヴィッドが昔住んでいたスラム街での発砲事件についても、そもそもネイティブ・アフリカンを奴隷としてアメリカに連れてきたことが発端だ」
 自国の現在および過去の罪を問い、それに対して行動を起こしている人、自分のことで精一杯の人・・・。高い志で正しいことを成そうとしても、自分の足元から崩れてしまいます。身につまされます。
 民主党大会が盛大に行われる中、デモに参加した人々は武力で弾圧されていたという事実。最後のセリフは「ロサンジェルス警察のクソッタレ!」でした。

 スーザンとウェズリーとの間に恋愛が感じられなかったのが残念。

プログラムディレクション=市村作知雄(TIF)/吉田恭子(アーツ・ミッドウエスト)/ポリー・カール(プレイライツ・センター)マイケル・ディクソン(ガスリー・シアター) ドラマトゥルク=長島確 主催=NPO法人アートネットワーク・ジャパン 1本=1000円 4本セット券=2000円
公式=http://tif.anj.or.jp/program/america.html
東京国際芸術祭=http://tif.anj.or.jp/
NPO法人アートネットワーク・ジャパン=http://anj.or.jp/
にしすがも創造舎=http://sozosha.anj.or.jp/

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Posted by shinobu at 23:35 | TrackBack

2006年02月10日

【情報】キラリ☆ふじみで創る芝居『Pictures』02/10-12キラリ☆ふじみ

 本日初日を迎える平田オリザ総合プロデュース・明神慈(ポかリン記憶舎)作・演出の『Pictures』がすごく楽しみです。

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 fringeの荻野達也さんが発表された「私が選ぶ2005年ベストワン」に、私はすごく感動しました。私が注目し、尊敬している小劇場演劇の創作者ばかりだったからです。

 『Pictures』には、荻野さんのベストワンに選ばれた男優の三村聡さん、照明の木藤歩さんが関わってらっしゃいます。そして木藤さんの選考対象作品となったreset-N『Valencia』に出演していた平原哲さんが、急遽代役出演されることになりました。

 私は2/12(日)15時の回に行きます。

キラリ☆ふじみで創る芝居
第20回文化庁舞台芸術創作奨励特別賞受賞作品 
『Pictures』02/10-12キラリ☆ふじみ
総合プロデュース=平田オリザ 作・演出=明神慈(ポかリン記憶舎) 
出演=三村聡(山の手事情社)/田上智那(ポかリン記憶舎)/平原哲(reset-N ※山田靖朗が降板。その代役出演)/佐藤亜紀/寺内亜矢子(ク・ナウカ

公演情報はこちら。きらり☆ふじみ公式サイトはこちら

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Posted by shinobu at 16:00 | TrackBack

新国立劇場演劇『ガラスの動物園』02/09-26新国立劇場

 『ガラスの動物園』はテネシー・ウィリアムズ作の超有名な戯曲で、私は2001年のtpt版を拝見しています。演出のイリーナ・ブルックさんピーター・ブルックさんの娘さんということで、かなり期待も高まっていました。
 観劇後に10人ぐらいの人と感想を話し合ったら賛否両論の嵐。今回の演出はかなり思い切ったものでしたから仕方が無いと思います。私にとってはメルマガ号外まであと一歩の感動でした!なんと美しい夢だったことか!

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 ≪あらすじ・作品紹介≫ amazonより引用。(役者名)を追加。
 不況時代のセント・ルイスの裏街を舞台に、生活に疲れ果てて、昔の夢を追い、はかない幸せを夢見る母親(木内みどり)、脚が悪く、極度に内気な、婚期の遅れた姉(中嶋朋子)、青年らしい夢とみじめな現実に追われて家出する文学青年の弟(木場勝己)の3人が展開する抒情的な追憶の劇。作者の激しいヒューマニズムが全編に脈うつ名編で、この戯曲によって、ウイリアムズは、戦後アメリカ劇壇第一の有望な新人と認められた。
 ≪ここまで≫

 びっこで内気で薄幸の少女、ローラの夢を描いた作品でした。
 人間は空想します。日常から逃げ出して、頭の中で幸せを夢みます。時にそれは現実の絶大なる力によって簡単に消しつぶされてしまいます。でも、そのような実体のない、儚い夢こそが、この世で最も尊く美しいものなのではないか。何もかも忘れて、心と体をひとつにして、ガラスの一角獣が駆け巡る空に自分も羽ばたいていくことが、人間にとって何よりも大切なことなのではないか。そんなちょっと子供っぽい望みを信じさせてくれる、おとぎ話のような空間が何度も私を優しく包み込みました。私は舞台上のローラになって、無邪気に幸せの宇宙を飛び回りました。涙が何度も溢れました。

 ここからネタバレします。

 弟のトムの「このお芝居は・・・」という言葉で始まり、トムの回想として最後まで綴られていきます。人物はマリオネットのように少々ぎこちなさげに踊りながら登場します。お芝居という四角い宝箱の中の夢のメリーゴーランド・・・そんなイメージです。
 原作では後半にしか登場しないジム(石母田史朗)が、前半のローラ達の想像のシーンから登場し、大胆に歌と踊りを披露するのが微笑ましいです。

 舞台装置はかなりシンプルです。舞台奥と上下(かみしも)には天井から床へと、とろろ昆布のような模様と色の大きなスクリーンが垂らされて、そのままアマンダ、ローラ、トムの3人が住む家の壁になっています。下手壁側にレコード・プレイヤーが置かれ、舞台中央の下手寄りに3人掛けのソファ、上手寄りには4人用のダイニング・セットがあります。ソファの上手脇にサイドテーブルがあり、そのテーブルの下の棚にガラスの置物が飾られています。白くて大きな壁と茶色い木の床、白木の清潔そうな家具があるだけのシンプルなセットです。

 照明が素晴らしかった。スクリーンの裏をうまく使ったり、空想、回想と現実を区別するのが大胆でした。舞台全部が真っ赤になったり、真ん中にサス(スポットライト)が当たって周りが真っ暗になったりという鮮やかな変化もありましたが、すごくゆっくりと、デリケートに色が変化していくこともあり、なかなかお目にかかれないクオリティでした。

 白いスクリーンには大胆に映像が映されます。ガラスの動物たちがメリーゴーランドのように、夢のようにくるくる回ったり、家族を捨てて出て行った父親の顔が微笑んだり。人の顔はちょっと大きすぎる気がしました。また、最後にローラのアップが続くのもちょっとやりすぎかな~と。

 ローラとジムがキスをした後、ローラは幸せの絶頂で舞い踊り、ジムは現実世界に引き戻されます。その差がはっきりと見えなかったのが残念。tpt版ではキスの直後にみのすけさんがじっと静止する演技があって、そこに二人の間の断裂が見えました。ジムがローラを決定的に傷つけて、彼女の夢が瞬時に消ししぼめられてしまったことをはっきりと表して欲しかったです。
 家を飛び出したトムは「ガラスの香水瓶を見るたびにローラを思い出す」と最後の回想で言います。現実に押しつぶされてしまったトムが優しく、温かく思い出すのはローラなんですね。それはローラが生きていた空想の世界(つまりガラスの動物園)が、真に美しいものだったからです。ローラとトムのキスシーンでは、夢とその崩壊を鮮やかに描いて欲しいと思います。

 木場勝己さん。弟トム役。いつもの木場さんの堅実な演技でした。観客に語りかけるのが柔らかくて良かったです。でも、もうちょっとはじけてもらいたかったな。
 木内みどりさん。母親アマンダ役。噛みまくりでしたね(笑)。「サザエさんか、ちびまる子ちゃんのお母さんみたいだ」という感想が多々ありました。なるほど確かにそうだった。そういうキャラクターに固めて、微笑ましい、ただのわがままな奥様にしたんですね。私は嫌いではなかったです。
 中嶋朋子さん。姉ローラ役。はまり役です!自信がなくて、いつもおろおろしているローラのか弱さ・儚さがものすごく自然でした。ジムにと一緒にガラスの動物で空想するシーンや、夢を見てゆるやかに舞うシーンで、私は涙、涙でした。
 石母田史朗さん。青年紳士ジム役。気持ちの良い(良すぎる?)好青年を元気はつらつ演じてくださいました。背が高くてローラ役の中嶋さんとのバランスが美しかったです。プログラムによると青年座の若手注目度No.1だそうで、私は何度か拝見してきましたが、とうとうデビュー!って感じですね。これからも注目していきます。

THE GLASS MENAGERIE
出演=木内みどり/中嶋朋子/石母田史朗/木場勝己
作=テネシー・ウィリアムズ 翻訳=小田島雄志 演出=イリーナ・ブルック 美術=ノエル・ジネフリ 照明=服部基 音楽=フランク・フレンジー 音響=黒野尚 衣裳=黒須はな子 ヘアメイク=西川直子 振付=田井中智子 演出助手=鈴木ひがし 舞台監督=米倉幸雄
全18ステージ (月)休演 発売日=2005年12月4日 A席=5,250円/B席=3,150円/Z席=1,500円/当日学生券=50%割引
公式=http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/10000016.html
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Posted by shinobu at 11:44 | TrackBack

2006年02月09日

パルコ+サードステージ『ラブハンドル(LOVE HANDLES)』02/04-20パルコ劇場

 中谷まゆみさん脚本・板垣恭一さん演出のSHOW CASEシリーズ(過去作品⇒)です。有名人が出演されていてパっと華やかな印象の公演ですよね。
 公式ページでは上演時間 約2時間45分(休憩含む) と書かれていますが、終わって時計を見たら22時でしたので、全部で3時間(休憩15分を含む)だと思って観に行かれるのが無難だと思います。
 とうとうミクシィという言葉がお芝居に出てきましたねぇ(笑)。

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 何かとぶつぶつ途切れてしまって、役者さん同士のコミュニケーションができていないように見えました。これから回数を重ねるごとにこなれていくのでしょうけれど、いわゆるプロデュース公演によくある状態でしたね。大好きなシリーズなだけに残念です。

 ≪あらすじ≫ パンフレットより引用。(役者名)を追加。
 「ラブハンドル」(お腹のまわりの贅肉)がそろそろ気になる微妙な年頃の人々。バツイチの弁護士・勝(原田泰造)とその秘書・千鶴(富田靖子)はいわゆる恋人同士だが、長すぎた春をやりすごすうち、夏と秋とをとばして冬を迎えてしまった結婚ニートカップル。もはや崖っぷちとあせっている千鶴はあの手この手で結婚を迫るが、勝には全くその気ナシ。
 ある日彼等の事務所にやって来たのは、どこか挙動不審なサラリーマン・薄井(石黒賢)。最初はオイシイ依頼人かと思いきや、世紀の片思いに悩む、実に情けない恋愛ニート。
 彼女のために生きるの死ぬのと大騒ぎして、果ては3人同居するハメに。
 そんなさなか、近所に住む勝の姉(長野里美)は、夫(小須田康人)の浮気を疑って離婚を宣言。
 さらに勝の娘のカレシと名乗る若者(瀬川亮)まで現れ、恋愛相談をもちかける。
 かくして、勝の事務所では、4つの恋愛物語りが交錯。
 人の恋見て我が恋を想い、それぞれが見つける愛のカタチとは?
 ≪ここまで≫

 「ラブハンドルはお腹のまわりについた贅肉のこと」ということで、年齢を重ねるごとにへばり着いていく、簡単には癒されない心の傷や、具体的な問題(離婚、借金、病気など)のことを指しています。まぁ私も30代ですからねっ、他人事と笑っていられないワケですよっ!(もーヤケクソ)
 だから、本来なら年齢的にもバチっとはまる私のような人間は、ドードーと泣けてきてもしょうがないはずだったんですけどね。なんかバラバラだったんですよねー・・・。客席では鼻をすする音がけっこう聞こえていましたけど。

 中谷さんの脚本は最初のうちは普通の日常の会話劇なのですが、隠れていた秘密が徐々に明かされていって「ええっ、そうだったのか!?」と驚き、その深刻さ・悲惨さにショックを受け、それまでのその人物の悲しみや優しさに気づいて、涙が出ちゃう・・・ということが多いんですよね。今回はその秘密が早くからバレちゃってたり、信憑性が感じられなかったりして胸にグっと来ませんでした。

 こんな風に返答するだろうな~・・・と思ったとおりに役者さんがセリフを言うのが残念。
 美術はレトロな弁護士事務所・兼・弁護士の自宅で、セット自体は可愛いのですが、だだっぴろく感じてしまいました。役者さんが空間を埋められていないんですよね。

 うーん、やっぱりパルコプロデュースだからなのかな、俳優座劇場が恋しくなってしまいました。

 ここからネタバレします。下記のセリフは完全に正確ではありません。

 勝は若い頃にできちゃった結婚をして高校生になる娘がいますが、娘が小さい頃に離婚をしており、10年前からは千鶴と同棲をしてます。千鶴は勝にぞっこんで「あなたは私の運命の人!」と面と向かって言えるような可愛い女の子。でも勝は自分の離婚の傷が癒えないため、千鶴との結婚には全く乗り気ではありません。さらに勝は精神的ショックからED(勃起障害)になっており、1年間セックスレスになっています(ショックの原因は元妻に新しい男ができたことだったと思うのですが・・・定かではないです。すみません)。

 諸事情により勝と千鶴の家に転がり込んでいた薄井は、保険の外交員に片思いをしており、勝と千鶴の励ましで告白をしようとするのですが、その外交員がなんと勝の元妻だったことがわかります。彼女は薄井に離婚していることは伝えていましたが、子供はいないと嘘をついていました。そのことに気づいていない薄井に向かって、勝が言う言葉が良かったです。
 勝「この年(30代~40代)になってくると、誰でも人に言えないような過去を持っているものだ。だからあせって自分の秘密を相手に告白しなくてもいい」
 薄井「まずは気持ちの確認ですよね」
 この会話に励まされる人、多いのではないでしょうか。あぁ身につまされる・・・(笑えない)。学歴、年収、家柄、出身地、離婚歴、子供、病気、怪我など、結婚を前提としてつき合う前のチェックポイントは挙げればきりがありません。でも「そこでNGが出たら恋をしない(辞める)」なんて決めていたら、誰も一生恋なんてできないですよね。まずは今の、ありのままのお互いを好きなのかどうか、それだけを確かめ合うって素敵なことだと思います。何歳になっても。

 勝と大喧嘩をして、千鶴は実家に帰ってしまいます。そんな時、福島で震度6の地震が起こりました。千鶴の実家が福島だと勘違いしていた勝は、福島に飛んで千鶴を探し回ります。でも実家の住所を知らなかったために徒労に終わりました。千鶴の安否を確かめられないまま家で鬱々と待っていると、“福井”に帰っていた千鶴がひょっこり無事に戻ってきました。勝は千鶴に向かって、涙を浮かべながら訴えます。
 勝「結婚していれば良かったと思った。だって結婚してたらお前の実家を知っていただろうし、お前に何かあったら絶対に俺に連絡が来るんだから。結婚してなけりゃ、何も来ない。」
 これ・・・凄いですよね!?世界中が離婚祭りみたいになっているこの21世紀に、「なぜ結婚しなければいけないのか?」という素朴な疑問に答えてくれた気がしました。ものすごく簡単で当然のことなのですが、結婚という儀式および関係ってこのためだったのか・・・って腑に落ちました(子供の養育費とかそういう面もありますが)。

 ED(勃起障害)克服ダンスはこっ恥ずかしくて見てられなかったです(笑)。瀬川亮さんみたいに爆発的に明るく大らかにやってくださると微笑ましいのですが、原田さんと石黒さんはまだまだでしたね。セーラー服&学ランのコスプレお笑い回想(夢)シーンでも、まだ照れがあるというか。完成してない印象でした。

 登場した女性が2人とも深刻な病気持ちというのにはがっかりしました。子宮の入り口にガンが見つかったとか、若年性アルツハイマーとか。ガンはせめて腫瘍だったら良かったんじゃないかな~。また、その病人の周りの人々が、そんな重病の人を目の前にしているとは思えない軽い演技だったように思います。
 
 主役の勝役の原田泰造さんはネプチューンっていうお笑いの3人組のお1人なんですね(死ぬほど疎くてすみません)。前半はお笑いの人がテレビでやるネタのようなことを頻繁になさってて、悲しくなりました。後半で千鶴が地震に遭ったと勘違いし、彼女のことを無心に求めるようになってからはグっと良くなりましたね。
 富田靖子さん。千鶴役。アニメキャラみたいな演技が痛かったですね・・・。富田さんはお芝居によって、スイッチが入れ替わったように演技の種類が違うのですが、私はtpt青山円形で拝見した時の方が好きですね。コスプレしてる時よりも白いニットカーディガン&プリーツスカート、薄いピンクのカクテルドレスの時の方がずっと、ずっと可愛らしかったです。もともとめちゃ可愛いんですものね。色も白いし足も細いし。
 石黒賢さん。薄井役。客席の方に不自然に正面を向いてセリフを言うことが多く、言葉も紋切り型で自分だけの間を長く持ってしまっていました。NHK『新撰組!』であんなに面白かったのになぁ。
 勝の姉夫婦役の長野里美さんと小須田康人さんはSHOW CASEの顔ですよね。小須田さんは手堅かったですが、長野さんは段取りが見えてしまってました。
 この豪華キャストの中で一番上手くて光っていたのが、一番若手の瀬川亮さんだったのは残念です。瀬川さんは登場人物として本気でぶつかっていましたし、観客に対しても広く心を開いてらっしゃいました。

≪東京、仙台、名古屋、大阪、福岡≫
出演=原田泰造/富田靖子/瀬川亮/長野里美/小須田康人/石黒賢
作=中谷まゆみ 演出=板垣恭一 音楽=北村紀子 美術=尼川ゆら 照明=吉森賢治 音響=堀江潤 衣裳=森永幸徳/金田実香 ヘアメイク=西川直子(vitamins) インテリア=采澤聰 振付=井上一馬 演習助手=松倉良子 舞台監督=藤崎遊 プロデューサー=佐藤玄/中島隆裕 制作=高石由紀子 制作補=森田友規子 営業=谷村篤/冨士田卓/大野直子 票券=厚味幸子 宣伝協力=る・ひまわり 林三代子  企画・製作=パルコ+サードステージ
料金 7,500円(全席指定・税込) 一般発売日 2005年12月10日(土)  全21ステージ 休演日=2/9(木)、2/15(水) ※未就学児の入場はご遠慮下さい。
公式=http://www.parco-play.com/web/play/love_handles/

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Posted by shinobu at 13:45 | TrackBack

2006年02月07日

黒色綺譚カナリア派『眼だらめ』02/02-06ザムザ阿佐谷

 黒色綺譚カナリア派(こくしょくきたん・かなりあ・は)は赤澤ムックさんが作・演出・出演される劇団です。私は初見。
 ものすごく詳しいレビューはこちら⇒小劇場系
 BACK STAGEに写真入インタビューあり。

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 あらすじなどは小劇場系に詳しいですので、ぜひそちらをどうぞ。

 赤澤ムックさんは劇団唐組に所属されていた時期もあるようで、作風は思いっきりアングラでした。何度も書かせていただいておりますが、私はアングラが苦手です。

 アングラのお芝居って、むやみに物悲しさを誘う古いオルガンのワルツ(三拍子の曲)が必ずかかりますよね。ブンチャッチャ、ブンチャッチャ、タリラリララ~ン、みたいな。その音楽で無理やりドラマティックに盛り上げたかと思ったら、すぐに音量を下げ、役者が決めゼリフを言います。そしてその途端にまた大音量で同じワルツをガガンと鳴らす・・・。
 舞台を大々的に赤く染める照明と、その赤の中に緑のさし色が入るのもお約束。役者さんはことあるごとに見得を切り、異様に大きな声でずっと同じトーンで話し、リアリティ・ゼロの演技で押し切ります。動きも語り口もすごく紋切り型。そしてストーリーが当然のごとく破綻します(劇団桟敷童子は破綻してなかったですが)。

 「なんで同じことやるんだろ?」って、いつもすごく不思議に思ってるんですが、単にそういうジャンルなんだってことなんですよね。そして私はそれが苦手なんだ、と。それだけのことなんです。
 ただ、役者さんがアングラというジャンルの世界観をがっしりと引き受けて舞台に立っているのであれば、「あぁ、そういうジャンルなんだな」と納得はできるのですが(例えば唐組流山児★事務所劇団桟敷童子など)、この作品においては受け入れる気になれませんでした。役者さんの身体のあり方や精神状態が、普通のお芝居と変わらないように見えたからです。上手い人もいないし。

 アングラの世界がお好きな方は、若者がそのジャンルに果敢に乗り込んできていると解釈して好意的に取るのかもしれませんが、もともと苦手な私には耐え難い2時間強でした。ストーリーは無論のこと、納得できない展開が多々ありましたしね。1時間で限界が来て、最後の30分はつらくて舞台を全く見られず、うつむいていました。

 美術はすごく良かったです。ザムザ阿佐ヶ谷の個性を存分に生かしてムード満点でした。古い医療家具とか積み重なった本とか、上下(かみしも)の天井にあった、電球の花をあしらった木も作品世界にぴったりでした。

出演=吉川博史/吉冨亜希子/中里順子/アイハラミホ/湯田昌次/芝原弘/穴田行央/小久保加織/山下恵/赤澤ムック/眞藤ヒロシ
作・演出・総監督=赤澤ムック 舞台監督=中村貴彦 照明=奥田賢太(ダミアン) 音響=筧良太(SoundCube) 舞台美術=吉野章弘 衣裳・小道具=西荻カナリア工房 宣伝美術=足立学 制作=RIDE OUT 提携=ザムザ阿佐ヶ谷 
全7ステージ 2005年12月19日前売り開始 前売り2500円・当日券2800円 自由席
公式=http://www.kokusyoku.com/

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Posted by shinobu at 15:14 | TrackBack

野鳩『僕のハートを傷つけないで!』02/04-07タイニイアリス

 野鳩第14回ガーディアン・ガーデン演劇フェスティバルに出場した劇団です。稽古場レポートのレポーターがチェルフィッチュの岡田利規さんなのが面白いですね。作・演出・出演の水谷圭一さんとのインタビューの内容が濃いです。
 私は今回が初見です。ロリータ男爵加瀬澤拓未さん がお元気になられたんですね。配役もぴったりでした。

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 前売2,200円(平日昼は1500円)は高いとは思わなかったですが、意図的であろうとなかろうと“へなちょこ”は“へなちょこ”なんですよね。その意味では大人向けの作風じゃないと思います。お好きな方もたくさんいらっしゃると思いますが、私は特にお勧めはしないですね。でも1度観ただけで判断はできないので、次回の再演作にも期待したいと思います。

 ≪あらすじ≫ 少々ネタバレしています。これからご覧になる方はお読みにならないでください。
 右村(みぎむら・畑田晋事)は身頭野(みずの・加瀬澤拓未)とともに漫画家を目指している学生だ。ある日、亮子(白井暁子)に失恋した右村は、ショックのあまり凄い勢いで走り出し、道路に飛び出してトラックに轢かれてしまう。右村を止めようとした身頭野も、同時に右手をトラックに踏まれてしまった。右村の上にかぶさったトラックをよけてみると、なんと身頭野の右手が右村になっていた。
 ≪ここまで≫

 おおざっぱに言ってしまうと、右村と身頭野という2人の男子学生の友情と青春の物語です。そこに、人が手になったりというナンセンスが挟み込まれます。

 紙芝居のような進み方をするお芝居だと思いました。紙芝居じゃなければ絵巻物とか漫画とか。セーラー服と学生服姿の若い役者さんが、セリフを絵本の読み聞かせのように語り、漫画のコマのように言葉も動きもピタっと静止するんですよね。あ、作品全体のイメージとしてはペープサートが一番近いかも。

 漫画が題材のお話ということで、本屋やトラックなどの大道具はいかにも漫画チックな、白黒のイラストのパネルが使われていました。学校の机も白くて、黒い線を何本も引くことで影がついていたのがかっこいいなと思いました。
 
 役者さんは妙なところで力を抜いたり入れたりして、トリッキーで難しい演技をされています。でも、グイっと惹かれるような瞬間を作っていた人は少なかったですね。一番印象に残ったのは藤子不二雄の向かって右側の方(赤い帽子)を演じられた村井良助さん(ですよね?)。嘘っぽい笑顔とわざとらしい瞬きが良かったです。

 トラックに轢かれた後、身頭野の右手となった復活した右村は、やはり死んでしまいます。右村の夢から始まり、身頭野がその夢を一人ぼっちで実現することで終幕するのは、感動を生むうまい構成だと思いました。

 ラストに大きな仕掛けがありました。身頭野は出来上がった漫画を見せるために、あこがれの 藤子不二雄(であろう2人組の人気漫画家)の家へと向かいます。なくなった右手をじっと見つめながら、身頭野が一人で舞台中央にたたずんでいると、真っ黒で殺風景だったステージが、パタパタするりと一面の青空に変わります。可愛らしくて爽やかなサプライズでした。そこでサラっと終演したのも後味がとても良かったです。

出演=畑田晋事/堀口聡/村井亮介/菅谷和美/山田桐子/佐々木幸子/加瀬澤拓未(ロリータ男爵)/白井暁子(白井劇団)
作・演出=水谷圭一 舞台監督=海老澤栄 照明=増田純一 音響=中村嘉宏(atSound) 舞台美術=仁平祐也 小道具=中島香奈子・畠山直子 イラスト=来ケシノ 宣伝美術=水谷圭一 制作=山田桐子・佐々木幸子 Alice Festival2005参加公演
全6ステージ 前売2,200円 当日2,500円(全席自由・日時指定・整理番号付) 平日昼割→前売1,500円 当日1,800円
公式=http://f32.aaa.livedoor.jp/~nobato/

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Posted by shinobu at 13:05 | TrackBack

2006年02月06日

カブ)牛乳や 二回目の配送『○僕のいきかた⇒』02/03-05アートスペース・プロット

 カブ)牛乳や(まえかぶ・ぎゅうにゅうや)は、東京オレンジを退団した牧山祐大(まきやま・ゆうだい)さんが作・演出・出演する演劇ユニットです。私は第1回公演の制作をしていました。なつかし~(涙)。

 関係者として観に行きましたのでレビューは控えます。

出演=黒川深雪(InnocentSphere)/石黒圭一郎(劇団コーヒー牛乳)/早川紘生(東京オレンジ)/さとうまりこ/祥野獣一/古池清貴/福永淳(轍の会)/牧山祐大
作・演出=牧山祐大 舞台監督=吉田慎一 照明=青山ゆか 音響=志水れいこ 制作=中島まどか 演出助手=小林英朗 映像=松村淳
前売り2000円 当日2200円(全席自由) 5ステージ
公式=http://www.geocities.jp/maki_0_0_you/

Posted by shinobu at 13:28 | TrackBack

2006年02月05日

青年団リンク・RoMT『髪をかきあげる』01/26-02/09アトリエ春風舎

 青年団リンク・RoMT(ロムト)は青年団演出部の田野邦彦さんの演劇ユニットです。鈴江俊郎さん(劇団八時半)の戯曲の2本立て公演ということで、まずは第40回岸田國士戯曲賞を受賞した『髪をかきあげる』を拝見してまいりました。もう一方は『待つ』です。

 鈴江さんの脚本はやっぱり面白い。脚本目当てでチケット買っちゃいます。文学座の鈴江作品を観たばかりでしたので、色々比べながら観ることになりました。うーん・・・田野さん演出の方が、比べ物にならないほど言葉が面白かったですね。

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 稽古場日記が更新されています。稽古場ブログって最近当たり前のようにあって嬉しいのですが、TOPに公演情報を載せ続けるか、せめて公式サイトへのリンクを張っておいて欲しいです。劇団さん、よろしくお願いいたします!

 ≪あらすじ・作品解説≫ 公式サイトより引用。
 恋人の帰ってしまう部屋、ホタルを探す川辺、友人のやって来る部屋、つまらない駅前の喫茶店。
 それぞれの場所に点在し、すれ違う人々の、それぞれを取り巻くコドクと希望を描いた物語。
 第四十回岸田國士戯曲賞 受賞作品。劇作家鈴江俊郎の代表作。
 ≪ここまで≫

 舞台上には家具の種類がバラバラのダイニング・セットがあり、中央のテーブルは白い天板に銀色の足がついている無機質な台です。床と天井、壁は格子の柄が入った真っ黒な板で、周りには合計10本ぐらいの蛍光灯が白いコードで斜めにぶら下がっているため、美術全体はモノトーンでシャープな印象です。
 全体的に照明が暗くて壁も黒色なので、ずーっと黒い部屋に閉じ込められているような窮屈さを感じました。会社のシーンだけ蛍光灯の白い光で機械的な明るさになりましたが、他はランプの電球や冷蔵庫の中の照明などの間接的な明かりを使っていました。

 登場人物が皆んな予想外の話し方および行動をしていました。テレビドラマや日常生活でよく耳にする語感やニュアンスを、全て裏切っていたように思いました。例えばテーブルの上によく登ります。そして馬の真似をしたりして、よく吼えます。だけど人物としては自然に見えるんです。これってつまり、私が勝手に「普通」とか「平凡」とか「常識」だとされる話し方があると思い込んでいるだけで、人間は普段から、それぞれに個性的な話し方をしてるってことじゃないでしょうか。役者さんは声と言葉のバリエーションが勝負なんじゃないかな、と改めて思いました。

 10年前の脚本だということに少し驚きました。もっと最近のものだろうと思ったので。今も同じ、というか、今はこの戯曲に書かれた状況が少しエスカレート(慢性化?)した状態なんじゃないかと思います。
 自分を欲して(愛して)もらいたい。欲してくれればそれをあげる心積もりは有るし、準備もするし、なければそれを新たに生み出すこともする。でも、自分が特に何か(誰か)が欲しいわけじゃない。だから自分からは欲したり(愛したり)しない。ただ、「欲しいものがない」という立場にありながら、今あるもの、自分が持っているものが消えたり奪われたりすることには、強い拒否感を示す。
 『獅子を飼う』のレビューに書きましたが、これも“コンフリクト・フリー”という状態の一端なのではないでしょうか。 

 英語のニュースキャスターの声が聞こえるのですが、あれはおそらく9・11のニュースですね。

 ここからネタバレします。

 トモヨ(荻野友里)は上司の早川(太田宏)に強引にデートに誘われて、家の近くの喫茶店で会います。そこで早川に「君はきっと僕のことを好きになる」「ラブホテルとかに行くようになるよ」などとあきれるほど大っぴらに、ちょっとキチガイじみた口説き方をされて、「私のどこが好きなんですか?」と聞き返しました。すると早川は堂々と「(君の)顔が好き。あとは、髪がかきあげられるぐらい長ければもっといいね」と答えます。そして彼女は、「早く髪が伸びて欲しい」と強く思いながら、そのまま朝まで街を放浪することになるのです。

 早朝に帰宅すると、彼氏(セックスフレンド?)の中川が家で待っていました。ちょっとした口論みたいなものが起こるのですが、そこでトモヨは中川に自分のことを説明します。
 『私はデブだった。でも自分がデブであることを全く嫌だと思っていなかった。なのに小学校の時に先生と親が「痩せろ」と言うから、毎朝なわとびをして痩せた。先生も親も大喜びし、先生がそのことをクラスで発表したら、クラスメイトたちにすごく褒められて感心され、認められた。それ以来、私の身体は私のものじゃない。』
 そこから「だから、中川が私とセックスしたいんならするよ、でもそれは私が中川としたいからじゃない」という意味につながるんですね。
 でもその翌日、トモヨが会社に行くと、自分を口説いた早川が会社を辞めることになっていました。信州にある妻の実家に夫婦で移住し、農業をやることになったからでした。自分をストレートに欲してくれていたはずの早川が消えてしまい、トモヨは呆然とします。

 鈴江俊郎さんの脚本って、残酷ですよね。詩のように優しい言葉や平易な会話が続いたりするのに、大鉈(おおなた)を振り下ろして登場人物の人生をばっさり切ってしまいます。『湖のまるい星』では「本気で欲しいと思え!そうすれば手に入るよ!」とエールを送るところで止めてくださっていますが、今作では「欲しいと思ったって手に入らないことがある」「欲しいものを手に入れても、手に入れてみたら欲しかったものではなかったりする」「他人の欲望を受け入れることだけでは、自分は満たされない」「現状維持は不可能」等の逃れられない現実を示し、その中でもがく現代人を表していたように思います。

 川辺でホタルを探している男女が実は子供を亡くした夫婦だったとわかるまでが長くて、すごく退屈でした。わかってからは目からうろこ的感覚で面白くなりましたが、それまでの会話に少々不自然な長い間が多かったように思いました。

 ドイツ帰りの19歳(だっけ?)の少女(山本裕子)が強烈な存在感でした。足の傷を見せるためにスカートをまくしあげ、右太ももが全部露出した時はドキっとしましたね。ぽっちゃりさんなんですが、エッチでした。

 荻野友里さん。飯田トモヨ役。可愛いっス!ふてぶてしいのがイロっぽいッス!言葉や声、息のバリエーションもすごく多くてステキ。
 太田宏さん。トモヨの上司の早川役。やっぱりこの人に釘付けです。太田さんの演技レベルが高いので、他の人がかすんでしまった気もします。トモヨを喫茶店で口説くシーンで、白くて四角いランプに照らされた顔が恐ろしくて、かっこ良かったです。
 山本雅幸さん。トモヨの彼氏の中川役。馬の鳴きまねが狂ってて怖かったです。線が細いんだけど暴力的なところがかっこいいなと思いました。
 古屋隆太さん。中川の友人でトモヨの同僚の村井役。上半身裸なことが多かったですね(笑)。熱くって、そしてトボけてて面白かったです。

『髪をかきあげる』出演=山本雅幸/古屋隆太/荻野友里/山本裕子/太田宏/天明留理子/大塚洋
『待つ』出演=鈴木智香子/たむらみずほ/長野海/太田宏/西村和宏/古屋隆太
作=鈴江俊郎(劇団八時半) 演出=田野邦彦(青年団演出部) 舞台美術=鈴木健介 照明=西本彩 音響=薮公美子 制作=岩佐暁子+RoMT 宣伝美術=太田博久 総合プロデューサー=平田オリザ 企画・制作=青年団/(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 協力=劇団八時半 主催=(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
2/1休演日。各10ステージ。前売・予約・当日共同じ値段。日時指定・全席自由・整理番号付。一般『待つ』2,000円/『髪をかきあげる』2,500円学生・シニア(60歳以上) 【両公演とも】1,500円 高校生以下【両公演とも】1,000円/平日マチネ割引、2演目セット券あり
劇場内=http://www.komaba-agora.com/line_up/2006_1/romt.html
青年団内=http://www.seinendan.org/jpn/infolinks/infolinks051124.html稽古場日記 RoMT Live!=http://blog.livedoor.jp/romt2005/

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Posted by shinobu at 22:46 | TrackBack

2006年02月04日

彩の国シェイクスピア・シリーズ『間違いの喜劇』02/03-19彩の国さいたま芸術劇場 大ホール

 蜷川幸雄さんのシェイクスピア演出シリーズです。出演者は男性ばかり。小栗旬さんと高橋洋さんが双子の兄弟を二役ずつ演じられるのが目玉になってますね。写真やインタビューが充実している公式ブログもご覧ください。
 楽しかったー!!幕開けから心のこもった演出でウキウキさせてくれて、笑いも感動もしっかり確実に見せてくださいました。上演時間も2時間休憩なしで、あぁ、気持ちがいい!与野本町まで観に行って大満足でした。
 ところで学生席2,000円っていうのは激安ですよね。場所によっては見切れちゃうそうですが(読者の方より情報いただきました)、学生の方はぜひこの豪華なエンターテインメントを楽しんでいただきたいです。

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 あらすじはこちら。ここからネタバレします。有名な戯曲ですので、お読みになってから観に行かれても大丈夫だと思います。

 双子の兄と弟を間違えることによって、多くの人々が振り回されるドタバタコメディーです。そして最後には引き裂かれていた家族が劇的な再会を果たすという大ハッピーエンドが用意されています。シェイクスピアの喜劇の傑作ですものね。笑うところは笑って、じーんと来るところはじーんと来て、すっかり子供のような観客になって味わうことができました。
 衣裳は白を基調にしたおしゃれで豪華なもので、ヘアメイクもかっこいいし、音楽も控えめで上品で、役者さんも心から楽しんでいるし、決めるところはがっつり決めるし・・・もー大満足。

 舞台には人物像の飾りが贅沢に施された、豪華な鏡面の壁がそびえています。壁はステージのかなり前方に建てられているので、舞台上の演技スペースは横長で奥行きが少なめだと思います。
 客席の通路をふんだんに使う演出でした。美術の壁が鏡面仕立てになっていて、客席の入り口から舞台へと駆け降りてくる役者の姿がその鏡に映り、観客は正面を向いたまま、走りこむ役者を目で追うことができます。つまり、ステージ上は狭い目だけれども、客席を含む劇場全体が演技スペースだったとも言えます。観客との距離が近くて臨場感もあって、お芝居に参加しているような気持ちにもなれる、とても大らかな空間でした。

 ただ、最後のダンスシーンでの口移しの赤いテープは意味不明(笑)。あれはいただけなかったなー。でも終わってみたらそんなことはもう気にならず、私の心も大団円を迎えることができました。

 吉田鋼太郎さん。アンティフォラスの父イジーオン役。最初の長い独白で、妻と長男(と下男)との海上での別れ等の過去を説明するのですが、それだけで涙出ちゃったよ・・・素晴らしい。
 小栗旬さん。アンティフォラス兄・弟(2役)。かっこ良かったです。兄の方が怒りっぽくて弟の方がほんわかしてるんですね。ただ、演技はもうちょっと・・ですかね。
 高橋洋さん。ドローミオ兄・弟(2役)。道化の役割をきちんと果たしてらっしゃいました。体の切れも素晴らしく、細かい動きや語り口にも工夫が一杯で、もー大満足です。何と言っても呼吸がいい。見とれました。少々早口すぎるなぁと思うことはありましたが、そんなのもう忘れちゃった。ステキでした。
 内田滋さん。アンティフォラス兄の妻エイドリアーナ役。のびのび自由で、思いっきり面白キャラでした。おおげさに怒ったり、泣き叫んだり、転んだり、ハンカチ投げたり、落としたり、もー大変(笑)。出て来る度に楽しませてくださいました。女装もすごく美しかったです。
 月川悠貴さん。エイドリアーナの妹ルシアーナ役。本物の女性みたいでした。知的で冷静で姉と対照的なのがよく現れていました。アンティフォラス弟(小栗旬)に愛の告白をされる時は、観ていてときめきさえ感じられる色っぽいラブシーンになっていました。

"The comedy of Errors" by W. Shakespeare
出演=小栗旬/高橋洋/内田滋/月川悠貴/鶴見辰吾/吉田鋼太郎/瑳川哲朗/川辺久造/たかお鷹/原康義/妹尾正文/清家栄一/飯田邦博/山下禎啓/高野力哉/田村真
作=W・シェイクスピア 翻訳=松岡和子 演出=蜷川幸雄 翻訳=松岡和子 美術=中越司 照明=原田保 音響=井上正弘 ヘアメイク=佐藤裕子 演出助手=井上尊晶 舞台監督=白石英輔 宣伝美術=塩澤淳一(トランス・グラフィックス) 宣伝美術=溝江俊介 宣伝ヘアメイク=森本美紀 宣伝スタイリスト=坂能翠
S席9,000円 A席7,000円 B席5,000円 学生席2,000円(全席指定)メンバーズ割引あり 18ステージ 休演日=2/6, 2/13
公式=http://www.saf.or.jp/performance/geijyutu/05_33.html
公式ブログ=http://blog.eplus.co.jp/shakespeare

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Posted by shinobu at 18:09 | TrackBack

2006年02月03日

ハイバイ(Hi-Bye)『ヒッキー・カンクーンエンゲキリョウホウ』02/02-05こまばアゴラ劇場

 ハイバイは岩井秀人さんが作・演出する劇団です。信用できる人からのお勧めがあったので伺ったのですが、とても面白かったです。こまばアゴラ劇場のサミットに選ばれてますものね。いやー、小劇場の若手作品のレベルがすごく上がってる気がするな~。

 『ヒッキー・カンクーントルネード』と『ヒッキー・エンゲキリョウホウ』の2本立てになっており、2時間10分の上演時間の間に10分間の休憩が挟まれます。2本はヒッキー(引きこもり)少年のお話でリンクしています。

  トップページに舞台写真がアップされていますね(2006/02/10追記)。追加公演も盛況だったようで(笑)、おめでとうございます。次回公演が決まってないのはすごく残念ですね。小さい劇場でロングランとかいかがでしょうか?
 レビュー⇒デジログからあなろぐ休むに似たり。

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 公演は終了していますのでネタバレします。

 ≪第一部「ヒッキー・カンクーントルネード」あらすじ≫ チラシより引用。
 プロレス大好きの引きこもり(ヒッキー)、森田登美男(餅松亮※ダブルキャスト)。妹の綾(端田新菜)だけが唯一の理解者。心配した母(岩井秀人)が登美雄のためにと、引きこもりカウンセラー「出張お兄さん」(三浦俊輔)を家に招く。が、こいつがとんでもないクセモノ。続いてやってきた「出張お姉さん」の黒木(チャン・リーメイ)はもっとクセモノ。果たして登美雄は外に出ることが出来るのか。
 ≪ここまで≫
 
 10年も家の中に引きこもっている成人男性を抱える、ある一家のお話です。客席対面式のシンプルな舞台での演技合戦でした。

 引きこもりの登美男役の餅松亮さんも、何にでも過剰に適応してしまう「とびこもり」患者役の三浦俊輔さんも、本当にそういう症状の有る人に見えて怖いくらいでした。自分と他者との距離を測れない様子が痛々しく、滑稽に、リアルに舞台上で実現されていました。
 役者さんは皆さんすごく演技が上手いです。妹役を演じられた青年団の端田新菜さんはやっぱり自然で可愛いし、母親役を女装して演じられた作・演出の岩井秀人さんもとても面白かった。

 客席はかなりウケてました。こういう社会問題はデリケートですし、私は可笑しさよりも悲しさ、痛さを強く受け取ったのでそれほど笑いはしなかったですが、一箇所だけめちゃくちゃ可笑しいと思ったところがあります(セリフは完全に正確ではありません)。
 黒木「タオルなしの生活に適応できるかどうかの実験よ」
 とびこもり「びちょびちょだよ」
 タオルがないことに適応するかどうかを実験するなんて、無意味だよ、無意味(笑)!

 「みちのくプロレスが来てるから、私は観に行く!」と言って妹が一人で出て行った後に、登美男が迷いながらも一人で家を出て行くのにはやっぱり感動。もたもたと息切れしながら、ほんの2、3メートルを行ったり来たりするのがけなげで可愛いかったです。

 出張お兄さんと偽って本当はとびこもり(面白い病名だなーっ・笑)患者の役を演じられた三浦俊輔さんは、強烈でしたねー・・・。普通の人の演技はできるのかな?って疑う気持ちが沸いたほどでした(笑)。登美男と一緒にプロレスするシーンは取っ組み合って絡み合って、なんとも言えないねばっこさでしたね(笑)。


 ≪第ニ部「ヒッキー・エンゲキリョウホウ」あらすじ≫ 
 カウンセラー「出張お姉さん」の黒木(チャン・リーメイ)のもとで、患者達は演劇をすることで「社会性」を得る訓練をする。引きこもり(安部康二郎)、歩けない男(宇井晴雄)、とびこもり(浜田信也)と一緒に、登美男(餅松亮)と綾(端田新菜)も演劇をやることになった。
 ≪ここまで≫

 劇中劇構成でした。メタ芝居と呼ばれたりもしますよね。これも“引きこもり”や“とびこもり”という健常者ではない若者を演じきる演技合戦で、見ごたえがありました。

 ただ、こういうメタ芝居はよくある形式だし、私には先が少々見えてしまったので、それほど好きではなかったかな。第一部で充分満足だったので、続編にせず(登美男と綾を出さないで)独立させた方が良かったんじゃないかと思いました。

 オープニングの劇中劇がめちゃくちゃ面白かったですね。意味の分からない歌謡曲のばかばかしい振付を必死で稽古しているのがナンセンスで、それがそのまま劇中劇になっていたのも笑えました。
 後半は車やトランプ、悪魔、お姫様などのへなちょこ衣裳を着てファンタジー演劇をやるのですが、車の中にすっぽり入って天井から顔だけ出てる姿が情けなくて可笑しくて、あの完成度は素晴らしいと思いました。

こまばアゴラ劇場主催「冬のサミット2005」
出演=金子岳憲/餅松亮/チャン・リーメイ(豊原里美改め)/三浦俊輔/蔀守/端田新菜(青年団)/浜田信也(イキウメ)/安部康二郎(幹生)/永井若葉(幹生)/宇井晴雄/岩井秀人(品川カンパニー)
作・演出=岩井秀人 舞台監督=大友圭一郎 音響=スー 照明=長原さや香 制作=島林愛(蜻蛉玉) チラシ絵=漫☆画太郎
前売¥2,500 当日¥2,800 6ステージ
公式=http://www.agora-summit.com/hibye.html
ハイバイ=http://hi-bye.hp.infoseek.co.jp/

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Posted by shinobu at 22:25 | TrackBack

【お知らせ】2月4日(土)夜にFM西東京「たけがき2」に出演します。

 FM西東京の演劇情報番組「たけがき2」に出演いたします。毎月第一土曜日のレギュラーです。。
 今回は前半に“しのぶの演劇レビュー”シアターガイド3月号掲載の宣伝と、『あしたのニュース』『兄おとうと』の感想をお話し、後半はチェルフィッチュ『三月の5日間』前売り情報と、2月に観られるお薦めお芝居を3本ご紹介します。

 西東京市およびその周辺地域でお聴き頂けます。

 2月4日(土)21:30~22:00(の内の約10分間)
 FM 84.2MHz

 たけがき2(ツー):http://takegaki.k-free.net/

Posted by shinobu at 18:56 | TrackBack

2006年02月02日

ク・ナウカ『山の巨人たち』02/01-05旧細川侯爵邸(和敬塾本館)3階

20060202 wakei-juku.JPG
和敬塾正門の看板

 昨年ザ・スズナリで上演された『山の巨人たち』は、途中から『作者を探す六人の登場人物』に変わってしまうというトリッキーな演出で、私にとっては昨年のNo.1演出作品でした。今回は最初から最後まで『山の巨人たち』です。美術・演出は深沢襟さん。20代の女性だそうです。凄いですね。

 和敬塾の中にある旧細川侯爵邸の3階が会場で、わかりづらい場所でした。チラシの地図ではたどり着けない人もいるんじゃないでしょうか。実際、開演してから遅れて入ってくるお客様が多かったです。地図は和敬塾サイトのものをプリントアウトされることをお勧めします。

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 ≪あらすじ≫ チラシより引用。(役者名)を追加。
 世界に絶望して山荘に隠棲する魔術師(牧野隆二)のもとに、とある劇団がやってくる。彼らの唯一のレパートリー『取りかえられた息子の物語』は大傑作。だがなぜか世間の趣味に合わず、すっかり落ちぶれている。主演女優イルゼ(寺内亜矢子)は正気と狂気を行き来している。イルゼはかつて、彼女に恋する詩人にこの戯曲を最後まで書かせるため気のあるそぶりを見せ、完成後に拒絶したのだ。その詩人は自殺した。それでもイルゼの天才的演技をまのあたりにする劇団員たちは、この落魄した劇団から離れることができない・・・。そこで魔術師は提案する。「山の巨人たち」の結婚式で、その芝居を演じてみてはどうか―――
 ≪ここまで≫

 残念ながら会場への誘導が不親切でしたし、座席の環境も私にとってはイレギュラーなもので(劇場で直接スタッフにその旨は伝えました)、開演前から不満がつのってしまいました。そして肝心の内容は、役者さんの演技に筋が通ったものが見えず、何かにつけおぼつかないように感じてしまい、遠くで眺めるままに終わってしまいました。

 『山の巨人たち』はピランデルロの遺作で未完であり、ムッソリーニの政権下で本当に書きたいことを堂々と書けるような時代ではなかったこともあって、そもそもわかりやすい戯曲ではないそうです。煙に巻くような曖昧な表現になったり、メルヘンになったりするのです。つまり、私の勉強不足、素養不足というのも楽しめなかった原因だと思います。

 チラシに書かれている深沢襟さんの文章がすごく面白くて、作品についてとても詳しく述べられています。ご覧になる前に読まれると作品の意図がよくわかると思います。それを読んでいたために、開演前から私はちょっと期待と予想をし過ぎちゃったのかもしれないですけど・・・。下記、深沢さんの文章を一部引用いたします。

 『今回の上演では世界に絶望したピランデルロに芽生えた葛藤を明確に描き出す。彼は2つの欲望を戦わせている。世界を遮断し思うままに生きたいと願う欲望を魔術師コトローネが引き受け、世界に立ち向かい人々の中で作品を生かしたいと願うもう一方の欲望を女優イルゼが引き受ける。』

 ここからは作品に関係ない、制作および受付まわりについて、一観客として感じたことを書きます。普通の劇場ではないので、いろいろ大変なのだと思います。気軽に入れない場所で演劇公演をしてくださることにすごく感謝はしているのですが、今回については事前の情報が少なすぎました。

 まず、チラシに不備が多いですよね・・・。“ク・ナウカ若手演出家シリーズ”ということなので、本公演の扱いじゃないからでしょうか。でも、和敬塾やその中の旧細川侯爵邸については写真や解説があった方が良いですし、まず地図がわかいづらいのは困ります。その意味ではホームページも不親切だと思います。私は最初から和敬塾サイトの地図を見ていたので護国寺駅から歩いていきましたが、チラシもホームページも目白駅からバスに乗ることしか想定していません。それでいてチラシの地図にバス停が明記されていないのは・・・おかしいですよね。

 また、和敬塾に入ってから旧細川侯爵邸の近くの受付に行くまでに、目印や誘導がないのは心細いです。受付の近くにお一人だけいらっしゃいましたが、それまでが長いので。私は前を歩いている人にくっついて行ったので無事でしたが、受付で苦情を言っている方もいらっしゃいました。そして帰り道も何もなかったんですよね・・・。「お帰りはこちらです」と一言そえてくれる人がいてくれないと、広い構内を迷い歩く人がいるんじゃないでしょうか。和敬塾は学生寮ですから、人が普通に住んでいる建物です。部外者がふらふらうろつくのはNGですよね。

 あと、これは個人的な好みなんですけど、チラシのイラストがとっても可愛くてデザインとしてもステキなのに、ホームページに載ってないのが寂しいです!

出演=牧野隆二/寺内亜矢子/本多麻紀/大内米治/高橋昭安/大道無門優也/石川正義/池田真紀子/本城典子/安齋芳明/齋藤頼陽/池田留美
作=ピランデルロ 訳=田之倉稔 演出・美術=深沢襟 SV=中野真希 照明=大迫浩二 衣裳=忠内もも/鈴木美和子 舞台監督=藤本康宏 作=大石多佳子 主催=特定非営利活動法人ク・ナウカ シアターカンパニー
全席指定【前売】3,500円 【当日】3,800円 全7ステージ
公式=http://www.kunauka.or.jp/

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Posted by shinobu at 23:41 | TrackBack

文学座『湖のまるい星』01/26-02/05紀伊國屋サザンシアター

 劇団八時半の鈴江俊郎さんの脚本目当てで観に行きました。残念ながら演出が・・・合ってないというか、わかってない・・・ように、思いました。私は結末が知りたかったし脚本目当てだったので最後まで観ましたが、途中休憩のときに帰られる方もチラホラいらっしゃいましたね。文学座のお客様は厳しい目を持ってらっしゃいます。
 チラシの下の白い部分は穴が空いているのです。湖に映るまるい星が、穴になっているっていうのは面白いですよね。

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 湖のあるリゾート地のペンションが舞台です。その湖は、誰もが「死」をふんわり思い浮かべてしまうような、神々しいくらい美しいけれど、霧が掛かっていて陰鬱で、誰も死んでいないのに「自殺の名所だ」という噂がたつような、この世とあの世との間にあるような、湖である・・・・という設定なのです。いい感じですよね~。そんな湖のほとりのペンションって、すごいドラマとか物語が生まれそうですよね。だけど、そのムードを感じられませんでした。

 鈴江敏郎さんの脚本は、現実にはありえないよねって思うような空想的なところがあって、セリフはロマンティックで、時には乙女チックともいえる可愛らしさがあります。その一見やわらかい言葉や設定の中に、グサっと胸に突き刺さり、お腹の底まで重く入りこんでドシンと碇をおろすような、社会に対する辛らつで厳しい視点があって、それゆえの本物の優しさがじんじんと伝わってくる脚本だと思います。阿佐ヶ谷スパイダースでの二人芝居、劇団八時半での鈴江さん演出作品、新国立劇場での松本祐子さん演出作品を拝見する限りでは、鈴江さんの脚本ならではの重みを感じることができたのですが、今作では伝わってきませんでした。

 ここからネタバレします。

 ペンションオーナーの娘(尾崎愛)は命がけで従業員の明神(粟野史浩)に恋しているのに、明神にはあられもなくフラれて、恋が叶わない。書けない作家(早坂直家)は編集者の女(目黒未奈)を抱きたいのに、イン○テンツだから一線を越えられない。ペンションに居る人たちは皆、望みが成就しない状況にもがいています。悩みがすごく滑稽で笑えるのと、それが叶わないことで苦しむ姿に共感するのとが重なるのが面白いと思うのですが、そのバランスがぼやけていて意図がわかりませんでした。
 目の前には湖をはじめとする美しい自然があって、人々は、自分が生きていなくても自然は豊かに生い茂り、地球は回っているという現実に心をさいなまれます。これがオーナーの娘(尾崎愛)のセリフにそのまま表れていたんですが、登場人物全員で群読しちゃったのは・・・どうなんでしょ。松本演出でもラストはそうでしたが、意味が全然違いますよね・・・。

 行方不明になっていた作家が戻ってくると、彼は執筆が出来るようになっています。彼は「森の中の木に抱きついていたら、天から(書く力が)降りて来た」と言います。叶わない夢を夢見て、手に入らないものを欲し続けて、それを公言し、実行すると人間はトブんですよね。平たく言うと「たたけ、さらば開かれん」ってことかな、と。
 パンフレットの鈴江さんの文章より引用いたします。
 『私にとって、あの日のノックは、ある明確な「幸せのイメージ」なのだ。一瞬すべてを忘れる。一瞬、記憶も消える。一瞬、大きな驚きと。そして発見と。自分が成長する、その証拠。
 くよくよ悩んでる大人の皆さん。とべ! ほしいと思え! 「ボール!」……この奇跡のような湖が、皆さんにそういう幸せの一瞬をもたらしてくれますように。祈っています。』
 う~ん・・・こんな奇跡を感じたかったな~。

 柔道合宿に来ている大学生4人組はもったいなかったですね・・・。男3人全員(植田真介/細貝弘二/清水圭吾 )が1人の女(愛佳)にぞっこんで、皆で彼女を取り合いしているのだけれど、抜け駆けするのは避けている・・・なんていう相当面白いグループだと思うのですが、普通にやっちゃって浮いてました。ありえない設定を受け入れる気になるような、何らかの仕掛けが必要だったんじゃないでしょうか。

 美術は奥村泰彦さん。木々の奥にある湖と山の景色がきれいでした。でも、どこかに影になるような暗い場所を作った方が良かったのではないかと思いました。山の配置以外がシンメトリーになっているのもあんまり・・・。上下の出入り口になる木枠は良かったですね。
 照明が活躍していませんでした。ずっとペンションの地明かりが続いてクライマックスの大文字焼きのところだけ青くなるっていうのは、もったいないんじゃないでしょうか。登場人物は普通の会話の中で相当きっついことしゃべってるんですから、そこは照明でもっと空気を作れたと思います。

 文学座は好きな俳優さんが多いので、新劇の劇団の中では一番多く拝見しています。だから「あ、あの役者さんは今回はこんな役で出てるんだな」とか、まるで歌舞伎か宝塚のように楽しむ自分がいて、ちょっと困ってます(苦笑)。それにハマるのは避けたい・・・。

 粟野史浩(あわの・ふみひろ)さん。ペンションのオーナーについてきた元部下の明神役。粟野さんのことは去々年から何度か拝見して()注目していました。今回もうまいつっこみ(早口なのが残念)が聞けましたし、堂々と女に冷たくする演技もクールで良かった。
 愛佳さん。3人の柔道部員(?)に愛される愛ちゃん役。オープニングの剣道の稽古に本気の熱が感じられて良かったです。アグレッシブに怒る演技が魅力的でした。
 それにしても「私はモテるのよ」と自分で言う女がたくさん出てきましたね。役者さんは演じづらいんじゃないかな(笑)。でも、そういう女、好きです。男なら誰かれ構わずモーションをかけまくる人妻を演じる塩田朋子さんは、貫禄もあるし美しいし、説得力がありました。娘との対話シーンはあんまりでしたけど。

出演=松下砂稚子/赤司まり子/塩田朋子/名越志保/目黒未奈/築野絵美/愛佳/尾崎愛/早坂直家/外山誠二/石川武/粟野史浩/植田真介/細貝弘二/清水圭吾
作=鈴江俊郎 演出=藤原新平 美術=奥村泰彦 照明=古川幸夫 音楽=上田亨 音響効果=望月勲 衣裳=中村洋一 アクション指導=渥美博 舞台監督=寺田修 演出補=今村由香 制作=白田聡/川上裕子 票券=松田みず穂
前売・予約開始=2005年12月24日(土)一般5500円 ユースチケット3800円 (25歳以下、取扱い文学座のみ) 中・高校生2500円(取扱い文学座のみ) 11ステージ
公式=http://www.bungakuza.com/maruihoshi06/index.html

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Posted by shinobu at 11:25 | TrackBack

2006年02月01日

メルマガ 2006年02月のお薦め舞台

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お薦めお芝居をご紹介しています

 2006年2月のお薦め舞台10本+αをご紹介します。
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 “しのぶの演劇レビュー” Vol. 21     2006.2.1  780部 発行

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   今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪
                   
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 ◎第5回朝日舞台芸術賞のお仕事が終了いたしました!
  こちらで↓贈呈式の動画が見られます♪ (おそらく期間限定)
   http://www.asahi.com/motion/TKY200601310353.html

    舞台には、あなたの心を揺さぶり、
      人生の輝きを増してくれる奇跡があります。

  “今から観られる面白い演劇”をご紹介します。
  お友達、ご家族、恋人と一緒に、どうぞ劇場を訪れてください♪

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     http://www.shinobu-review.jp/melmaga.html
  バックナンバーは全て公開しています。
     http://blog.mag2.com/m/log/0000134861


○○ 今回のもくじ
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 ◆1【今月のお薦め10本+α】
   
   ◎No.1→Bunkamura『労働者M』
       02/05-28シアターコクーン
    http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/event/kera/index.html

 ◆2【先月のベスト3】

   ◎No.1→庭劇団ペニノ『ダークマスター』
       01/12-22こまばアゴラ劇場
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0115174456.html

 ◆3【“しのぶの演劇レビュー”がシアターガイド3月号に掲載されます!】

   ◎演劇雑誌の編集者の方々との座談会に参加いたしました。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0127151721.html

 ◆4【お薦め芝居の前売情報1 チェルフィッチュ『三月の5日間』】

   ◎第49回岸田國士戯曲賞 受賞作品の待望の再演です。
    http://chelfitsch.net/sangatsu.html

 ◆5【お薦め芝居の前売情報2 子供のためのシェイクスピア『十二夜』】

   ◎大人も子供も楽しめるシェイクスピアです。
    http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/10000027.html

 ◆6【2月~3月は演劇フェスティバルで地域の演劇を観よう!】

   ◎東京国際芸術祭、こまばアゴラ劇場「冬のサミット2005」など

 ◆7【編集後記】

   ◎第5回朝日舞台芸術賞 贈呈式が終了いたしました!
    http://www.asahi.com/motion/TKY200601310353.html

 ◆8【このメルマガについての注意事項(毎号同じ内容です)】

   ◎はじめての方はどうぞお読みくださいね♪

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 ◆1 【今月のお薦め10本+α】
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 ※★印がいちおし公演です(3本)。
 ※初日の早い順に並べています。
 ※掲載内容:主催・『題名』・日程・会場・コメント・価格・URL


1.ク・ナウカ『山の巨人たち』
  02/01-05旧細川侯爵邸(和敬塾本館)3階
  ☆作=ピランデルロ 訳=田之倉稔 演出・美術=深沢襟
   全席指定 前売3,500円 当日3,800円
    http://www.kunauka.or.jp/
   昨年↓は『山の巨人たち』じゃかったですものね(笑)。会場も楽しみ。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/0306190210.html


2.彩の国シェイクスピア・シリーズ『間違いの喜劇』
  02/03-19彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
  ☆出演=小栗旬/高橋洋/吉田鋼太郎/瑳川哲朗/ほか
   作=W・シェイクスピア 演出=蜷川幸雄
   S席9,000円 A席7,000円 B席5,000円 学生席2,000円 その他割引あり
    http://www.saf.or.jp/performance/geijyutu/05_33.html
   公式ブログ↓に男優の写真が充実!高橋洋さんの生の声が読めます♪
    http://blog.eplus.co.jp/shakespeare


★3.パルコ+サードステージ『ラブハンドル(LOVE HANDLES)』
  02/04-20パルコ劇場
  ≪東京、仙台、名古屋、大阪、福岡≫
  ☆出演=原田泰造/富田靖子/瀬川亮/長野里美/小須田康人/石黒賢
   作=中谷まゆみ 演出=板垣恭一
   前売り・当日とも7,500円 *未就学児童の入場不可
    http://www.parco-play.com/web/play/love_handles/
   中谷&板垣コンビの最新作。今回も大人を笑って泣かせてくれるのでしょう。


4.新国立劇場演劇『ガラスの動物園』
  02/09-26新国立劇場
  ☆出演=木内みどり/中嶋朋子/石母田史朗/木場勝己
   作=テネシー・ウィリアムズ 演出=イリーナ・ブルック
   A席=5,250円/B席=3,150円/Z席=1,500円/当日学生券=50%割引
    http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/10000016.html
   演出のイリーナ・ブルックさんはピーター・ブルックさんの娘さんです。


★5.阿佐ヶ谷スパイダース『桜飛沫(さくらしぶき)』
  02/10-19世田谷パブリックシアター
  ≪東京、新潟、大阪≫
  ☆出演=山本亨/橋本じゅん/水野美紀/峯村リエ/ほか
   作・演出・出演=長塚圭史
   S席6,300円 A席5,500円
    http://asagayaspiders.net/
   やはり長塚圭史さんの新作は見逃せません。
   東京は追加公演が決まって、ほとんど毎日が昼・夜公演ですね!
   イープラス内インタビューなど↓
    http://eee.eplus.co.jp/theatrix/special/sakurashibuki.html


6.劇団青年座『評決-昭和三年の陪審裁判』
  02/11-19紀伊國屋ホール
  ☆青年座版の『12人の優しい日本人』かしら?(笑)
   一般席5,000円 インターネット特定日割引(4,000円)あり
   ネット予約 4,500円 ゴールデンシート(65歳以上)4,000円 
   ユニバーシート(大学・各種学校生)3,500円 
   チェリーシート(高校生以下) 2,500円 グループ割引あり
    http://www.seinenza.com/performance/public/182.html
   日本で陪審員制度が実施されていた頃のお話です。裁判劇は大好き。


★★7.Bunkamura『労働者M』
  02/05-28シアターコクーン
  ☆出演=堤真一/小泉今日子/松尾スズキ/秋山菜津子/ほか
   作・演出=ケラリーノ・サンドロヴィッチ
   S席¥9,000 A席¥7,500 コクーンシート¥5,000 中2階立見券¥3,000
    http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/event/kera/index.html

  ●お薦めポイント●
   ケラさんのシアターコクーンでの新作。豪華キャストです。 
   2004年の『カメレオンズ・リップ』↓がとっても面白かったんですよね。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2004/0422223927.html


8.3軒茶屋婦人会『女中たち』
  02/16-26本多劇場
  ≪東京、福岡、大阪≫
  ☆企画・出演・演出=軒茶屋婦人会(篠井英介+大谷亮介+深沢敦)
   作=ジャン・ジュネ 演出=G2
   前売り5000円 当日5300円 *未就学児童の入場不可。
    http://www.g2produce.com/3cha/jochu/
   第一回公演↓が良かったので。お三方の俳優(女優?)魂に触れたい。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2003/0417152417.html


9.KAKUTAとアルケミストとスターホール『満天の夜』『ねこはしる』
  02/23-26東急まちだスターホール
  ☆『満天の夜』『アンコール・朗読の夜「ねこはしる」』のニ作連続朗読会。
   構成・演出=桑原裕子 出演=アルケミスト/KAKUTA劇団員など
   前売2600円 当日2700円 セット券5000円【KAKUTA特製・オマケCD付】
   小学生以下1500円 *3歳以下のお子様の入場不可。
    http://www.kakuta.tv/
   アルケミスト↓は2人組のミュージシャン。プラネタリウムの演出が楽しみ。
    http://www.voicerecords.net/alchemist/


10.ネルケプランニング・プロデュース『tatsuya 親愛なる者の側へ』
  02/28-03/05紀伊國屋ホール
  ☆出演=津田健次郎/伊藤裕子/鈴木省吾ほか
   作=鐘下辰男 演出=茅野イサム
   前売り・当日ともに4,500円 *未就学児童の入場不可。
   1991年の初演から繰り返し上演されて、
   1992年に文化庁芸術選奨 文部大臣賞 新人賞受賞を受賞。
   http://www.nelke.co.jp/stage/tatsuya.html


+α(私は観に行けないのですが、■その他、▼ダンスなど)

 ■流山児★事務所『ハイ・ライフ』
  02/09-21「劇」小劇場
  ☆数々の賞を受賞して何度も再演されている、熱い男4人芝居です。
   「劇」小劇場という小さな空間でどうぞ!
    http://www.ryuzanji.com/
   私が拝見したのは2003年です↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2003/1213142401.html


 ▼パフォーマンス・シアター水と油『均衡』
  02/24-03/05シアタートラム
  ☆この公演でカンパニーは活動休止されるそうです。チケットは完売かも。
   http://www.mizutoabura.com/


 ◎しのぶの今月の全予定(25本+α)はSCHEDULEに掲載しています。
  キャスト・スタッフ情報あり!
   http://www.shinobu-review.jp/schedule.html

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 ◆2 【先月のベスト3】
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1.庭劇団ペニノ『ダークマスター』
  01/12-22こまばアゴラ劇場
  http://www.niwagekidan.org/
  ☆志の高さが質の高さとなって表出した小劇場作品でした。
   クライマックスの美術の大転換が圧巻。
  *レビューはこちら↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0115174456.html


2.こまつ座『兄おとうと』
  01/19-02/05紀伊國屋ホール
  ≪東京、千葉、ほか≫
  http://www.komatsuza.co.jp/
  ☆初演と同じキャストでの再演。ありがたいリベンジですね。
   国とは、憲法とは何なのか、易しいことばで熱く伝えてくれます。
  *メルマガ号外はこちら↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0201144238.html
  *レビューはまだアップしていません。
   初演のレビューはこちら↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2003/0518011007.html


3.ラッパ屋『あしたのニュース』
  01/12-02/05THEATER/TOPS
  ≪東京・大阪・北九州≫
  http://homepage3.nifty.com/rappaya/ ←音が鳴ります
  ☆報道と宣伝をはき違えたらどうなるか。
   いっぱい笑って、いっぱい泣いて、胸がしめつけられました。
  *メルマガ号外はこちら↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0117004058.html
  *レビューはこちら↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0117005025.html

    
次点 山の手事情社・Yamanote Fair2006
  『タイタス・アンドロニカス』01/13-22吉祥寺シアター
  ≪スイス、ドイツ、日本(東京)≫
  ☆山の手事情社独自の形式美で人間の復讐心が生まれる過程を可視化。
   黒人アーロン役の山本芳郎さんの美しさにノックアウトされました。
  *レビューは途中です。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0121011719.html
  ★2月12日にNHK教育テレビで放送されます。
   http://www.nhk.or.jp/art/yotei/2005/20060212.html


 ◎メルマガのバックナンバーはこちら↓で全て公開中!
   http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000134861
  メルマガ号外は誰が観ても楽しめそうなものを選んで発行しています。
  1月は『あしたのニュース』『兄おとうと』で発行いたしました。

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 ◆3 【“しのぶの演劇レビュー”がシアターガイド3月号に掲載されます!】
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 ◎高野しのぶ、シアターガイド3月号に載っちゃいます!
   http://www.theaterguide.co.jp/
 
  「小劇場に明日はあるか?!」シリーズの第10回ということで、
  演劇雑誌の編集者の方々との座談会に参加させていただきました。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0127151721.html
  
  座談会のそうそうたる顔ぶれに「私は場違いじゃないかしら・・・」と
  引け腰になりつつ出かけたのですが、そんな心配は無用でした。
  ライターの徳永京子さんは知的でしっとりとした美しい方で、
  参加者それぞれの意見をうまく引き出し、まとめてくださり、
  会合はとても楽しく、充実したものになりました。

  紙面の都合上、お話した内容の全ては掲載されていませんが、
  小劇場演劇の広報のあり方について、具体的に役に立つ手がかりが
  たくさん見つけられることと思います。
  どうぞチェックしてみてください!

  シアターガイド2006年3月号は2月2日(木)発売です。
  161~164ページをご覧ください♪
   http://www.theaterguide.co.jp/newbook/backnumber/2006/03/index.html

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 ◆4 【お薦め芝居の前売情報1 チェルフィッチュ『三月の5日間』】
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 ◎2004年度の岸田國士戯曲賞を受賞した話題作、
  チェルフィッチュ『三月の5日間』の待望の再演です。
  初演のレビューはこちら↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2004/0525002641.html

  チェルフィッチュは劇作家・演出家の岡田利規さんのソロユニットで、
  毎回おなじみの役者さんを集めて公演されています。
   http://chelfitsch.net/
  作風が非情に個性的ですのでお好みは分かれるところですが、
  今の演劇界の“時の人”であることは間違いありません。

  先月は最新作『目的地』がNHK芸術劇場で放送されましたね。
   http://www.nhk.or.jp/art/yotei/2005/20060115.html
  岩松了さんと岡田さんとの対談が面白くって釘付けになりました。
  『目的地』のレビューはこちら↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/1108010320.html

 ☆チケットは本日2月1日(水)より発売開始しております。
  ぜひお早めにゲットしてください!

 ◆第49回岸田國士戯曲賞受賞作品
  チェルフィッチュ『三月の5日間』
  03/11-21六本木Super Deluxe
  ☆作・演出=岡田利規
   http://chelfitsch.net/

 【チケット】
  全席自由・整理番号つき・受付開始は開演の1時間前より
  (当日受付にてチケット引き換え順に入場整理番号を配布)
  前売:3200円
  当日:3500円(立見の可能性あり)
  学生:2800円(要学生証/ウェブ予約のみ)
  「サンガツ・ライブ」とのセット券4500円あり(ウェブ予約のみ)
   http://chelfitsch.net/sangatsu.html
  ウェブ予約フォーム↓
   http://chelfitsch.net/sangatsu_ticket.html

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 ◆5 【お薦め芝居の前売情報2 こどものためのシェイクスピア『十二夜』】
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 ◎子供のためのシェイクスピアカンパニーは、
  メルマガでも何度かご紹介しているお薦め団体です。
   http://homepage1.nifty.com/j-ishikawa/c-ro.html
  大人も子供も楽しめる、そして考える、シェイクスピア。
  過去作品のレビューはこちら↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/0717115416.html
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2004/0808184833.html

  お子様連れでも大人同士でも、カップルでもOK!
  新国立劇場 小劇場に初進出するのも楽しみですね。

 ◆子供のためのシェイクスピアカンパニー『十二夜』
  03/07-19新国立劇場 小劇場
  ☆作=ウィリアム・シェイクスピア 脚本・演出・出演=山崎清介 
  出演=伊沢磨紀/福井貴一/円城寺あや/佐藤誓/植本潤/ほか
   http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/10000027.html

 【チケット】
  発売日 2月5日(日)10:00~
  A席=5,250円/B席=3,150円/Z席=1,500円/当日学生券=50%割引

 【チケット取り扱い】
  新国立劇場ボックスオフィス
   http://www.nntt.jac.go.jp/season/boffice/index.html
  電子チケットぴあ 
   http://t.pia.co.jp/stage.html
  イープラス 
   http://mars.eplus.co.jp/ss/kougyou/syosai.asp?kc=015024&ks=01

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 ◆6 【2月~3月は演劇フェスティバルで地域の演劇を観よう!】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 普段の東京では観られない、地域の劇団の作品が
 演劇フェスティバルのおかげでたくさん観られます。
 3月は海外のカンパニーも多数招聘されていて楽しみですね。


 ■東京国際芸術祭リージョナルシアター・シリーズ
  02/17-03/05東京芸術劇場 小ホール1
   http://tif.anj.or.jp/
  大阪、盛岡、札幌、北九州のカンパニーが選ばれています。

  私は北九州芸術劇場×飛ぶ劇場『IRON(アイアン)』を観劇予定。
   http://tif.anj.or.jp/regional/re_iron.html


 ■こまばアゴラ劇場「冬のサミット2005」
  01/17-02/28こまばアゴラ劇場
   http://www.agora-summit.com/
  東京の4団体以外は福井、青森、仙台のカンパニーです。

  私はハイバイ『ヒッキー・カンクーンエンゲキリョウホウ』を観劇予定。
   http://www.agora-summit.com/hibye.html


 ■日本演出者協会『若手演出家コンクール2005最終審査』
  02/28-03/05「劇」小劇場
  (2/27、3/6、3/7→トークイベント予定)
   http://www.k2.dion.ne.jp/~jda/wakate_top.html
   石橋和加子(神奈川県、コスモル)
   笠井友仁(大阪府、hmp)
   橋口幸絵(北海道、劇団千年王國)
   前川知大(東京都、イキウメ)

  劇団千年王國はリージョナルシアター・シリーズにも参加経験ありです。
   http://anj.or.jp/tif_2005/program/senn.php
  『散歩する侵略者』↓が面白かったイキウメにも期待。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/1029231739.html

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 ◆7 【編集後記】
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 ◎第5回朝日舞台芸術賞のお仕事が終了いたしました!
  昨日は虎ノ門のホテル・オークラで贈呈式が執り行われ、
  豪華絢爛な会場でクラクラ目移りしつつ、走り回っておりました・・・。
  こちらで動画が見られます(リンクが切れていたらごめんなさい)。
   http://www.asahi.com/motion/TKY200601310353.html


 ◎いつもより遅いめのメルマガ発行になりましたことをお詫び申し上げます。
  1月はちょっとハードだったので2月はゆったりしたいと思います・・・。


 ◎地方の新聞に掲載される邦画DVDの紹介記事を書き始めました。
  「これは面白いよ!」というお薦め邦画情報モトム!


 ◎2005年11月にセミナーにゲスト出演いたしました。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/1107002836.html
  セミナー開催を希望される方は、是非ひとことお寄せください!
   ⇒ shinobu@mtr-standard.co.jp (件名は「セミナー開催希望」で)
  まとまった人数のご希望があれば再度開催の可能性が・・・♪


 ◎パフォーミング・アーツ・マガジン[バッカス]02号
  私が書いた劇評(Ort-d.d『四谷怪談』について)が掲載されています。  
   http://www.7andy.jp/books/detail?accd=31442121


 ◎「劇場に足を運ぶことが、日本人の習慣になって欲しい」
  それが私の望みです。
  これからもこつこつ、地道に進んで行きたいと思っております。
  皆様、どうぞよろしくお願いいたします♪


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 ◆8 【このメルマガについての注意事項(毎号同じ内容です)】
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 このメルマガは、高野しのぶの演劇への情熱で書かれています。
 沢山の人に演劇に触れてもらいたい! ので、クチコミ・転送 大歓迎です♪

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 ☆もしこのメルマガを観てお芝居に行かれたら、劇場でのアンケート用紙に
  「高野しのぶのメルマガで知った」等、書いていただけると嬉しいです♪

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 ◎東京および関東近郊の情報に限らせていただいております。
 ◎掲載内容には細心の注意を払っておりますが、
  間違いがあることもあります。情報は主催者URLでご確認ください。
 ◎お薦めを観に行って面白くなかったら・・・ごめんなさいっ。

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    → http://www.shinobu-review.jp/favorite.html
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Posted by shinobu at 23:15 | TrackBack

メルマガ号外 こまつ座『兄おとうと』

 こまつ座『兄おとうと』
 01/19-02/05紀伊國屋ホール
 ≪東京、千葉、ほか≫
  作=井上ひさし 演出=鵜山仁 
 ※公演詳細はこちら

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 “しのぶの演劇レビュー” 号外 Vol.26  2006.02.01  785部 発行

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   今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪


★★ 号 外 ★★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 こまつ座『兄おとうと』
 01/19-02/05紀伊國屋ホール
 ≪東京、高松、丸亀、阿南、鳴門、徳島、松山、今治、高知、須崎、奈良、
  多治見、名古屋、白井、古川、盛岡、尼崎、市川、川西、山形、函館、
  苫小牧、釧路、江別、旭川、札幌、岩見沢、水戸≫
  http://www.komatsuza.co.jp/
 ☆2003年初演。「作者大幅に加筆し、大増補版でお届けする、堂々の再演!」
  出演=辻萬長/剣幸/大鷹明良/宮地雅子/小嶋尚樹/神野三鈴
  作=井上ひさし 演出=鵜山仁 
 *レビューはまだアップしていません。
  初演のレビューはこちら↓
  http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2003/0518011007.html


 ◎観劇後のコメント◎
  
  初演と同じキャストでの再演。大幅に加筆されて、さらにサービス大!
  国家とは何か、憲法とは何かを易しい言葉と温かい歌で教えてくれます。
  涙が溢れて溢れて大変でした。追加脚本が付いた戯曲本も買いました。
  何役もはつらつと演じられる宮地雅子さんが素晴らしかったです。

 《チケットについて》

  ・東京公演はチケットぴあで完売間近。
   http://t.pia.co.jp/stage.html
   イープラスは完売です。ローソンチケットは未確認。

  ・当日券は開演の1時間前より劇場の入口にて販売開始。
   毎ステージ用意されているようです。

  ・チケット料金
   全席指定 5,250円
   学生割引 3,150円 ※こまつ座での販売のみ


 《お問い合わせ》

   こまつ座 TEL 03-3862-5941
    http://www.komatsuza.co.jp/
   紀伊國屋ホール TEL 03-3354-0141
    http://www.kinokuniya.co.jp/05f/d_01/hall.html

   ※東京以外の地域は演劇観賞会や市民劇場の会員限定の公演が多数。
    

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 ◆ 【編集後記】
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 ◎昨日、第5回朝日舞台芸術賞 贈呈式が終了いたしました。
  こちらで動画が見られます♪(おそらく期間限定)
  http://www.asahi.com/motion/TKY200601310353.html
  仕事の都合で号外発行が遅くなりましたこと、お詫び申し上げます。


 ◎シアターガイド2006年3月号に“しのぶの演劇レビュー”が掲載されます!
  http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0127151721.html


 ◎2005年11月にセミナーにゲスト出演いたしました。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/1107002836.html
  セミナー開催を希望される方は、是非ひとことお寄せください!
   ⇒ shinobu@mtr-standard.co.jp (件名は「セミナー開催希望」で)
  まとまった人数のご希望があれば再度開催の可能性が・・・♪


 ◎パフォーミング・アーツ・マガジン[バッカス]02号
  私が書いた劇評(Ort-d.d『四谷怪談』について)が掲載されています。  
   http://www.7andy.jp/books/detail?accd=31442121


 ◎「劇場に足を運ぶことが、日本人の習慣になって欲しい」
  それが私の望みです。
  これからもこつこつ、地道に進んで行きたいと思っております。
  皆様、どうぞよろしくお願いいたします♪


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 ◆ 【このメルマガについての注意事項(毎号同じ内容です)】
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  (以下をそのまま転送してくださいね♪) 

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Posted by shinobu at 14:42 | TrackBack

【ご報告】第5回朝日舞台芸術賞 贈呈式

20060131 APAA1.JPG
第5回朝日舞台芸術賞

 昨日、虎ノ門のホテル・オークラで第5回朝日舞台芸術賞の贈呈式が執り行われました。こちらで贈呈式の動画が見られます! ステキなスピーチがいっぱいですよ~。

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 受賞者は下記の通りです。asahi.comより引用しました。朝日舞台芸術賞の公式サイトはこちらです。

 演劇、舞踊の優れた成果を顕彰する「第5回朝日舞台芸術賞」は選考委員会の審議で下記のように決まりました。

●グランプリ(副賞200万円)
 「歌わせたい男たち」
 二兎社製作、永井愛作・演出、戸田恵子ら出演

●舞台芸術賞〈特別大賞〉(副賞200万円)
 蜷川幸雄(演出家)

●舞台芸術賞(50音順、副賞は以下すべて100万円)
 Kバレエカンパニー
 田中泯(ダンサー)
 奈良岡朋子(俳優)
 野村萬斎(狂言師)

●寺山修司賞
 尾上菊之助(歌舞伎俳優)

●秋元松代賞
 戸田恵子(俳優)

●特別賞
 緒方規矩子(舞台衣装デザイナー)

=以上、敬称略

■現代舞踊作品の再演をキリンビール株式会社が支援するキリンダンスサポートは田中泯氏に贈られました。 

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Posted by shinobu at 09:41 | TrackBack