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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2006年02月15日

劇団青年座『評決-昭和三年の陪審裁判』02/11-19紀伊國屋ホール

 『十二人の怒れる男たち』『12人の優しい日本人』のような法廷劇です。お芝居の内容が明快にわかるチラシに惹かれて観に行きました。
 2009年(平成21年)5月までに日本でも裁判員制度が始まるそうです。劇場入り口でチラシの束と一緒に法務省からの冊子も配られました。

 レビュー⇒のっぱさんの観劇日誌

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 ≪あらすじ・作品紹介≫ 公式サイトより引用。
 「違います!」
 憂いを秘めた被告・吉田静子の悲痛な叫びが法廷に響き渡った。
 その罪は放火殺人
 夫と姑を焼死させたのだ
 床屋・写真館・蕎麦屋・化粧品外交員・踊りの師匠・退役陸軍大佐・銀行支店長代理・古物商・呉服問屋・円タク運転手・撮影所所長・百姓
 様々な職業の十二人の男たちが東京地方裁判所に集められた。
 「あの女は絶対にやっているよ」「目許といい唇といいあれは正しく‥‥」「いやもっと分別のある女じゃないか}「‥女優にしてもいいくらいだべ‥へへ」「私は黒だと思うね」「でも女はやってねって」「嘘に決まってるじゃないか」「おらあ‥ほんとうに分かんねえす」
 決め付け、戸惑い、無関心、心配事
 様々な人間模様の渦巻く中、真実に向き合わされた十二人の日本人が出した結論とは?
 昭和三年から十五年間、日本でも陪審裁判が行われていた。
 ≪ここまで≫

 わかりやすいけど・・・物足りなかったですね。楽しめなかったわけではないですけど。日本でも3年後までに裁判員制度が始まるということで、もし自分が裁判員(このお芝居では陪審員)になったら・・・と想像しながら観ることにしました。三日三晩、宿舎に閉じ込められて、電話もテレビもラジオも(インターネットも)使用禁止されて、人の生死を決める判断を下さなきゃいけないなんて・・・・超イヤですね(苦笑)。「自らの良心に沿って、陪審員の責務を果たす」ということはとても大切だと思いました。

 ここからネタバレします。

 よぼよぼの老人の姿の大家仁志さんが、自分が参加した陪審裁判を回想する形式です。その老人の演技が・・・ありきたりだし、美しくないし、声をわざと汚くしていて、鑑賞に堪えなかったですねぇ。そういう演出なのでしょうけど。裁判シーンで大家さんは化粧品(男性用ポマード)の販売員役の高井役ですが、その他に証人の警察官の役も演じられるし、途中でストーリーテラーのように老人に戻ったりもします(衣裳は販売員のまま)。大家さんオン・パレードです。これはイマイチでした。次々と色んな役者さんに、証人や陪審員を演じて欲しかったですね。

 裁判自体はスムーズなんですが、法廷が終わって宿舎に戻ってからや、12人で審議するシーンで盛り上がります。これた見どころですよね。しかしながら、どうしても『12人の優しい日本人』と比べてしまうので、脚本に描かれている細かい心の揺れやどんでん返しなどは、満足のいくクオリティではなかったです。演出(演技)についても、何かとすぐにガミガミ怒鳴るようなセリフにしちゃうのに食傷気味。

 紅一点の出演者で被告役の那須佐代子さん。やっぱりきれいでした。私、那須さんが好きなんです。それで観に行こうと思ったのもあります。あと、蟹江一平さんにも注目しているんですが、今回は残念ながらそれほど光ってなかったですね。まあそういう演出なんだと思いますが。

 かなり辛口に書いてますが、知識として観る分には問題ない演劇だと思います。

出演=平尾仁/山野史人/井上智之/大家仁志/若林久弥/益富信孝/蟹江一平/山口晃/永幡洋/青木鉄仁/嶋崎伸夫/川上英四郎/那須佐代子/堀部隆一/長克巳/豊田茂
NTV水曜グランドロマン「帝都の夜明け」から 協力=(株)近代映画教会 作=国弘威雄/斉藤珠緒 演出=鈴木完一郎 照明=中川隆一 音響=高橋巌 舞台監督=安藤太一 製作=森正敏
一般前売り1/12(木) 一般席5,000円 休演日=2/16(木) ※2/11(土)、2/13(月)=インターネット特定日割引(4,000円)あり 各日10枚 ネット予約 4,500円 ゴールデンシート(65歳以上)4,000円 ユニバーシート(大学・各種学校生)3,500円 チェリーシート(高校生以下) 2,500円 グループ割引あり
公式=http://www.seinenza.com/performance/public/182.html

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Posted by shinobu at 2006年02月15日 17:15 | TrackBack (0)