『IRON(アイアン)』は第44回岸田國士戯曲賞最終候補になった泊篤志さんの戯曲です。泊篤志さんが作・演出される飛ぶ劇場と、北九州芸術劇場との共同製作作品ということで、5つの地域を回った最後に東京に来てくださいました。
※東京国際芸術祭2006の舞台裏ブログに舞台写真や公演レポートあり。
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≪あらすじ・作品紹介≫ 公式サイトより引用。
胸焦がす脱走劇、再臨。
1999年に飛ぶ劇場で初演され、第44回岸田國士戯曲賞最終候補作となった「IRON(アイアン)」を北九州芸術劇場との共同製作で、満を持しての再演。
日本と朝鮮半島の間に位置し、戦後のどさくさにまぎれて日本から独立した島国「糧流(カテル)」。主産業は鉄鋼業であるが、国民は50年間に渡る鎖国政策の行き詰まりによって貧困と飢餓に苛まれていた。その島国の最大の娯楽は「卓球観戦」。国設卓球部を舞台に国家と個人との狭間で揺れ動く選手たちの人間模様を描く。
≪ここまで≫
架空の島国・糧流(カテル)の国設卓球部が舞台です。
日本とカテルとの関係は、東京と北朝鮮、または北朝鮮と韓国の関係にも置き換えられます(東京と地方との関係でもあるそうです。舞台裏ブログより)
舞台装置にまず感動しました。四角くて愛想のない小さな家が丸く舞台を囲み、その上には金網(鉄条網)が張り巡らされています(舞台写真はこちら)。その家が前後に動くのが効果的で、私はオープニングのシーンで体にしびれが来て、涙があふれました。
劇中で披露される「はなだまき(華玉木?)」という民族舞踊が圧巻です。カテルという実在しない国の伝統芸能を、ここまでリアルに作り上げるなんて・・・「はなだまき」のシーンになる度に、胸に熱いものがこみ上げました。カテルの歴史を昔話の中にきちんとに織り込み、衣裳や踊りについては沖縄、九州、韓国の文化が混ざり合っているように見えました。役者さんの鍛えられた身体も美しかった。これは飛ぶ劇場の公演でしか観られないのではないでしょうか。
簡単なハッピーエンドにはならなかったストーリーにも、心から納得。ただ、↑ますだいっこうのこと↑にも書かれていますように、役者さんの演技についてはちょっと不満もありました。私はわざとらしさを感じる演技に冷めてしまったことが、時々ありました。
≪北九州・伊丹・松本・福岡・熊本・東京≫
東京国際芸術祭リージョナル・シアターシリーズ参加
出演=寺田剛史/永井秀樹(青年団)/木村健二/橋本茜/ 藤尾加代子/鵜飼秋子/門司智美/加賀田浩二/内田ゆみ/佐成哲夫(sanaridance)/内山ナオミ/北村功治/宗像秀幸/桑島寿彦 ※古池記者役ダブルキャスト=葉山太司/藤原達郎
作・演出=泊篤志 美術=柴田隆弘 衣装=内山ナオミ(工房MOMO) 照明=乳原一美 音響=杉山聡 振付=佐成哲夫(sanaridance) 音楽=泊達夫 小道具=山口千琴 特殊小道具=橋本茜(Art Stage-KenTa) 舞台監督助手=森田正憲(F.G.S) 照明操作=岩田守 音響操作=塚本浩平 舞台監督=東孝史 宣伝美術=トミタユキコ(ecADHOC) 広報宣伝=佐藤和久、栗原弓枝 制作=黒﨑あかね、澤藤歩、田上佐和子、国好みづき、鶴元ふみ(飛ぶ劇場)、津村卓
4ステージ 日時指定・全席自由 一般2500円 高校生以下1500円(当日各300円増)チケット発売 1月11日~ ※未就学児童はご入場いただけません。
公式=http://www.tobugeki.com/pc/
東京国際芸術祭内=http://tif.anj.or.jp/regional/re_iron.html
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