東京公演が今回で5度目になる大阪の劇団・売込隊ビーム。山田かつろうさんを『ゴーストライター』で拝見した時からちょっと気になっていたのですが、やっとこさ初見です。
作・演出の横山拓也さんが当日パンフレットの一部に「変な劇団名の割に、真っ当な会話劇をやるんです」と書かれていたので、「そっか、パフォーマンスとかコントとかじゃないのね~」という程度の予備知識を持って拝見いたしました。
いわゆるストーリーもののお芝居で、筋立て自体はあまり重要ではない、まあまあドタバタなコメディーでした。残念ながら私の好みではなかったです。
私が観た回(千秋楽)の日替わりゲストは中野英樹さん(グリング)でした。今は映画「UDON」の撮影中で、香川県からわざわざこの公演のために東京に帰って来られたそうです。
≪あらすじ≫
ある農村の喫茶店が舞台。長年の経営者だったマスターが亡くなり、その跡を継ぎたいと考える親類が集まってくる。誰がこの喫茶店を継ぐのにふさわしいのか、喧々諤々の話し合いが始まる。そこに招かれざる客(?)がやってきて・・・。
≪ここまで≫
おそらく劇団の中に「演技っていうのはこういうものなんだ」という決まった感覚があるんでしょうね。セリフを土台に感情の型を作って、自分のキャラを生かしつつ、その型どおりに声を張り上げて演じるというか・・・そこに関西っぽい笑いがドカドカと入ってくるんですけどね。私はわざとらしく感じてしまって、入り込めませんでした。笑っているお客様は大勢いらっしゃいました。
横山さんが「キャッチーと言っても、その表面に隠された裏側には、いつもの通り、歯がゆい人間関係や心にチクリとくる毒っ気を盛り込んでおります」(当日パンフレットより)と書かれている通り、たしかに表面をサラっと通り過ぎるだけのストーリーではなかったです。でも、今作については大事な問題(喫茶店経営で食べていけるのか等)が放置されたまま終幕しちゃってたので、それだと説得力に欠ける気がします。
ここからネタバレします。
はちゃめちゃな話し合いがなんとなく収まり(本当は全然解決してないのだけれど)、とりあえず集まった人々で共同経営をすることになります。店の売りも「マグカップが選べるアップルパイの店」に決まりました。そこで「カップが選べるパイの店」というキャッチコピーでスポーツ新聞に広告を出したところ、読者には「女性のおっぱいのサイズが選べる風俗店」と伝わってしまいます。このオチにはクスっと笑えました。でもその後の色々は長かったな~。
日替わりゲストが演じるのは風俗ライター役で、最後のオチ部分に登場します。中野英樹さんの演技は自然で良かったですが、キャラクターはちょっとまとも過ぎたような気がします。もっとエロエロでも良かったんじゃないかな(笑)。ロリータ男爵の大佐藤崇さんの回も観たかったな~。
≪大阪、東京≫
出演=山田かつろう/三谷恭子/梅本真里恵/宮都謹次/太田清伸/小山茜/菊地秀之/草野憲大/杉森大祐(Wキャスト)/西田和輝(Wキャスト)
日替わりキャスト=4月6日(木)19:30 腹筋善之介(Piper)/4月7日(金)15:00/19:30 大佐藤崇(ロリータ男爵)/4月8日(土)14:00/18:00 千代田信一(拙者ムニエル)/4月9日(日)14:00 中野英樹(グリング)
作・演出=横山拓也 舞台美術=清花也 音響=左藤真弓 照明プラン=葛西健一(クセノス) 舞台監督=相内唯史(大阪)/中村貴彦(東京) 宣伝美術=下元浩人 webデザイン=揚佳樹 制作部=指田カナ子/他 サポート=松本佳則 企画・製作=ビーム企画
5ステージ 前売2800円 当日3000円(整理番号付 自由席)
公式=http://www.urikomitai.com/index.html
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