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しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2006年05月31日

【お知らせ】6月3日(土)夜にFM西東京「たけがき2」に出演します

 FM西東京の演劇情報番組「たけがき2」に出演いたします。毎月第一土曜日のレギュラーです。
 今回は前半に今、私が演劇について考えていることをお話し、後半は5月に観られるお薦めお芝居を3本ご紹介します。

 西東京市およびその周辺地域でお聴き頂けます。

 6月3日(土)21:30~22:00(の内の約10分間)
 FM 84.2MHz

 たけがき2(ツー):http://takegaki.k-free.net/

Posted by shinobu at 18:13 | TrackBack

【レポート】Actors Worksのワークショップ見学05/30@新代田

 柚木佑美(ゆうき・ひろみ)さん が主宰する“Actors Works(アクターズワークス~俳優の仕事~)”のワークショップを見学させていただきました。一対一の役者さんの生き生きとしたコミュニケーションに、わくわくどきどきの3時間でした♪
 ★現在、今年7月のエクササイズクラスが募集中です。
  期間:7/15~8/5(予備日:8/6、8/9、8/12)
  回数:全10回(1回3時間)
  料金:35,000円+年会費3,000円

 柚木さんは、ニューヨークのネイバーフッド・プレイハウス(The Neighborhood Playhouse School of the Theatre)という演劇学校出身の、キャリー・ジベッツ先生からサンフォード・マイズナー・システムを学ばれました。私はネットワークユニットDUOのコラムで藤野節子さんの記事()を拝見しており、「いったいマイズナー・テクニックって、どんな方法なの?」と興味津々だったんです。
 ※藤野さんはインパルス・カンパニー(Impulse Company)でマイズナー・テクニックを学ばれています。学校によって同じ“マイズナー”でも種類が違うようですね。詳細⇒スコットのマイズナー・テクニック

 ●マイズナー・テクニックについて。ネットワークユニットDUOのコラム(9/8, 2005)より引用↓

 マイズナー・テクニックは型にはまりがちな演技をしてしまう人や、「演技をしよう、しよう」とする俳優たちから不自然さを完全に取り払うことに有効なテクニックです。
 マイズナー・テクニックは,スタニスラフスキー・システムを初めてアメリカで学んだグループの一人・サンフォード・マイズナーが始めました。「作られた状況下を真実に生きる」ことを目指したトレーニングです。基本エクササイズであるリピティション・ゲーム(言葉の繰り返しゲーム)を使い,本来私たちが持っている動物的・直感的な感覚を磨き,相手に反応する/その一瞬一瞬に反応することを会得します。

 文章からもすごく魅力的な訓練方法のように受け取れるのですが、実際のところ一体どうやるのか、何が起こるのかは全然想像がつかなくって・・・そこで「百聞は一見に如かず」の精神で、あつかましくも見学をさせていただいたわけです。

 私がお邪魔したクラスの生徒さんは男3人、女2人の合計5人でした。皆さんが柚木さんのもとである程度の経験を積んだ方々だったので、かなり充実した空間を味わうことができたみたい。その日はリピティション(言葉の繰り返し)という基本エクササイズを見せていただくことになりました。

 ●リピティション(Repetition)ついて。ネットワークユニットDUOのコラム(11/27, 2003)より引用↓

 基本エクササイズはリピテーション・ゲーム(Repetition Game)と言って、二人向き合って座り、相手をじっと見て、何か具体的に相手について気がついたことを言葉にして言う。すると相手はそれを繰り返す。また最初の人がそれを繰り返す。これを続けて、もしどちらかが新しく何かに気がついたら言葉を変えて同じことをする。

 感じたままを言葉にどんどん出していくんです。「面白い」とか「いらいらする」とか。そして相手の言葉を繰り返すのが基本的なルール。自分の中に新しく感情が生まれたら、その感情を言葉にします。質問したり返答したりの会話はしません。
 ルールは一見簡単そうなんですけど、まず「思ったままを口にする」ってものすごく勇気がいりますよね。日常生活ではありえません。だってそんなことしたら・・・・社会的な人間の生活は絶対にできませんから(笑)。あと、相手も思ったことを口にするので、相当ショックですよ。だって「ムカつく」とか「そばに来ないで」とか言われちゃうんだもの!これがほんっとに衝撃的!でも・・・観てる方は超面白いんですよね~(笑)。こんなの観ていいの?って少し罪悪感を感じるぐらい、スリリングでエロティックでした。

 一組のエクササイズが終わると必ず“フィードバック”が行われます。柚木さんが「今のはどうでしたか?」とたずねて、自分がどういう状態だったのかを一人ずつ振り返るのです。この“フィードバック”を初めて見た時、すごく驚きしました。一瞬前まであんなに怒鳴りあったり、探り合ったり、キスしちゃったり(!)してた男女が、すっかり冷静になって客観的に話をしはじめるんだもの。かなり戸惑いました。でも・・・演技ってそういうことですよね。舞台の上で人を殺したり真剣に恋したりして、でも幕が下りたら普通の人になるんですものね。

 ■私が今回のリピティション(Repetition)を見て感じたことは↓
 ・本当の感情を起点にした動きには説得力がある。
 ・感情は瞬間的に(1秒もかからずに)変化する。徐々にではなく、突然変化する。変化の方向に規則性はない。
 ・自分が居て相手が居る環境で、お互いに影響を与え、受け合うことによって、不毛の荒野のような二人の風景が、突然一面のお花畑のような豊潤な空間に変身する。その逆も然り。
 ・例えば「こんにちは」というセリフを発する時、「こ」から「は」に到達する間に、感情はどんどん変化することが可能。だから演技は文節や言葉ごとに区切られるものではない。また、言葉の意味に頼ってそれに感情を当てはめると、リアリティのある演技になりづらいのではないか。
 
 ■マイズナー・システムを体験したら、こんなオトクなことがある(と思う)。
 ・自分の本音を知ることが出来る。たまんなく恥ずかしいけど!(笑)
 ・自分の感情に名づけをすることになるので、感情の種類を認識できる。つまり感情の種類が増える。心のヒダが増える。
 ・自分の感情にも、他人の感情にも敏感になる。他人の心がわかる。他人に対して寛容になれる。

 演劇のワークショップを見学する度にいつも思うんです。日本の学校の授業に取り入れて欲しい!!痛切に願います。

 ※今回のクラスには、自分の力で“開いている状態=感情の交流が出来る状態”になることができる方々が集まっていました。「エクササイズコースに3回通ってから、このクラスに参加できるようになった」とおっしゃる方もいらっしゃいました。

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Posted by shinobu at 17:25 | TrackBack

2006年05月29日

文学座+青年団『職さがし』05/26-31こまばアゴラ劇場

 文学座+青年団自主企画交流シリーズは私はこれで3作品目(他の2作⇒)。全部で6作品ありますが、これで最後になりそうです。
 公式サイトによると“この10月、フランスで二番目に重要な劇場である「シャイヨー国立劇場」で、平田オリザの戯曲『ソウル市民』を演出することになっているアルノー氏が、上演に先立って、日本社会を内側から感じるべく来日し挑む意欲作。”ということで、アルノー氏が出演するポストパフォーマンストークのある回に伺ったところ、超満員。
 上演時間が約1時間45分の四人芝居。役者さんがものすごく頑張ってらっしゃるんですが、観てる私が疲れちゃいました・・・・。

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 レビューをアップしました(2006/06/23)。

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。※永井秀樹は面接官役。
 職を失い、ある企業の管理職のポストを得るために面接を受けている男(高橋広司)。その一方で、左翼かぶれの娘(石橋亜希子)と、夫が安定した職を失ったことに耐えることができない妻(山口ゆかり)と対立する。人間心理や時間経過が実験的に究極まで細分化され、時間軸そして空間軸が交差する中で、言葉が生みだされた瞬間の現実が明らかにされていく。
 ≪ここまで≫

 ものすごく疲れました・・・・。始まってから数分経った時に「まさかこの演出で最後まで行っちゃうのかな?」とよぎった危惧がその通りになりました。演じるの大変だよなーと思いながら、観ている方もけっこう疲れちゃいましたね。

 白い衣裳で裸足の役者さん4人が、客席を向いてガンガンしゃべり続けます。しかも誰が誰と話しているのかがわかりづらい。語られるセリフが時系列に並んでいるわけでもないんですよね。
 オープニング音楽がドナドナだったのは可笑しかったな~・・・。父親以外の3人がブタのかぶりものを被って、ほんとにブタになっちゃうのは面白かったな~・・・とか、シーンを部分的にしか覚えていません。
 戯曲は30個の断片から成り立っていて、シーンごとに舞台後方のパネルに数字が映写されます。シーン1、2、3・・・というように。数字がこつこつと増えていくと、時間が過ぎていくのが可視化されて体感速度が速くなりそうな気がしますよね。でも実はこれが結構つらかった。当然のことなんですが、ひとつずつしか進まないので(苦笑)、少しイライラしちゃいました。

 役者さんでは娘役の石橋亜希子さんが光っていました。ストーリーや会話としての連続性がほぼ無いと言えるセリフたちを、きちんと感情をのせて一言一言ヴィヴィッドに語ってくださいました。声も表情も動きも自然で、どうしても彼女ばかりに目が行きましたね。

 ポスト・パフォーマンス・トークには、演出家のアルノー・ムニエさんと通訳・翻訳の藤井慎太郎さん、そして出演者全員が登場してくれました。40~50人のオーディションから選ばれた4人だったんですね。
 アルノーさんはこの戯曲がとても音楽的だと思っているとのこと。脚本はいわば楽譜で、その楽譜への敬意を払い、謙譲の精神で取りくんだそうです。
 俳優については、下記のようにもおっしゃっていました。
 「楽譜の具体化には色んな可能性がある。演奏する器の大きさが必要。表現の幅のある俳優を選んだ。」
 「演奏も演技も、interpretationという同じ言葉だ」

 『職さがし』は1971年に書かれて1972年に初演された戯曲で、脚本家のミシェル・ヴィナヴェールさんは当時42歳だったそうです。今は71歳なんですね。

 これは個人的なつぶやきですが、このチラシのデザインがすっごく好きです。見つけたとたん「絶対に観に行く!」って思いました。

"La Demande d'emploi" by Michel Vinaver
青年団国際交流プロジェクト2006 文学座+青年団自主企画交流シリーズ第一弾
出演(◎=文学座 ★=青年団)=高橋広司◎、永井秀樹★、石橋亜希子★、山口ゆかり★
演出:アルノー・ムニエ(Arnaud Meunier) 作:ミシェル・ヴィナヴェール(Michel Vinaver) 翻訳:藤井慎太郎 舞台監督:鈴木健介 美術:カミーユ・デュシュマン 照明:フレデリック・グルダン、西本彩 音響:バンジャマン・ジョソー、藪公美子 衣裳:有賀千鶴 宣伝美術:京 宣伝イラスト:後藤周太郎 演出助手:吉田小夏 制作:カリーヌ・ブランシュロ、松尾洋一郎、西山葉子 通訳:斉藤チカコ 総合プロデューサー:平田オリザ 主催:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 共催:文学座・青年団
共同制作:La Compagnie de la Mauvaise Graine 後援:AFAA(Association Francaise d'Action Artistique) Le Ministere de la Culture et de la Communication Region Ile-de-France
予約・当日共 一般3,000円 学生2,500円(要学生証提示)※日時指定・全席自由・整理番号付 通し券 9,000円(取り扱い先は青年団のみ)
公式=http://www.komaba-agora.com/line_up/2006_5/bs-agora.html#shokusa

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Posted by shinobu at 23:47 | TrackBack

2006年05月28日

劇団俳優座 自主公演『不寝番(ねずばん)』05/25-30劇団俳優座稽古場

 俳優座の田中壮太郎さんが企画・翻訳・演出される自主公演です。上演時間が2時間35分(途中休憩15分を含む)の二人芝居。
 ちょっと長かったですが、戯曲に対する愛が感じられるプロダクションで、見ごたえがありました。老婆役の大塚道子さんが素晴らしかったです。

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 レビューを最後までアップしました(2006/05/29)。

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより引用。(役者名)を追加。
 郊外に独り暮らしをしている叔母・グレイス(大塚道子)が危篤との報が、甥・ケンプ(蔵本康文)の元に届く。仕事を投げ打って臨終の床へ駆けつけるケンプ。しかし駆けつけたケンプを待っていたものは、意外にも元気なグレイスの姿だった。
 グレイスの死を待ちながら仕方なく世話をするケンプ、そんなケンプの様子を伺いどこか落ち着きの無いグレイス。お互いに奇妙なズレを感じながらも共同生活を続ける二人だったが、ケンプの思いとは、裏腹にグレイスはどんどん元気になっていってしまう…。
 死と孤独というテーマを皮肉的に、現代社会の老人問題を痛烈に描いた、二人芝居の傑作。
 ≪ここまで≫

 モーリス・パニッチさん はカナダの劇作家・演出家・俳優です。私はこれまでに『セブンストーリーズ』を拝見しました。今作はメープルリーフ・シアターでも日本語訳されています(タイトルは『ご臨終』)。1995年の戯曲です。

 黒いパネルでかこまれた小さな部屋に、老婆が眠るベッドが一台。中央の壁には曇りガラスの窓があります。引き出しや開き戸のついた大きな棚やステレオセットが、壁にへばりつくように描かれているのがステキ。『ピッチフォーク・ディズニー』の美術を思い出しました。 

 ほぼ無言の老婆(大塚道子)に延々と話しかけ続ける若い男(蔵本康文)は、ものすごいセリフ量です。演技がおぼつかないな~と感じたこともちらほらありましたが、言葉の抑揚や間などを細かくこだわって作りこまれていることがわかり、とても好感が持てました。「蔵本さんがんばって!」って思いながら見つめちゃいました。
 老婆役の大塚道子さんは、ただそこに居るということを優しく示してくださいました。おとぼけリアクションが素晴らしい!やっとしゃべったと思ったらその声の可愛らしさ、言葉の柔らかさにうっとりしました。

 作品全体の感想としては暗転が多く、終盤が長すぎた気がします。でもとっても良いお話でしたし、公演に関わっている人の熱意と愛情が感じられて満足でした。

 ここからネタバレします。

 若い男は躁うつ病の父親とアルコール中毒(だったかな?)の母親に放置されながら育ちました。“母親に女の子の服ばかり着せられていたのでオカマになってしまった”彼は、わざと人に好かれないようにして孤独に生きてきたのですが、唯一の肉親となった叔母(=老婆)から「もう死にます」という手紙が届き、会社も辞めて彼女の家に駆けつけたのです。それは30年ぶりの再会でした。
 彼は老婆に対して「財産はすべて僕に残すと遺言書にサインを」「太り過ぎないようにね、棺おけに入らなくなるから」などと毒づきますが、笑えるやりとりに仕上がっていました。熱心に世話をする内に老婆はどんどん元気になり、約1年の月日が経ちます。

 少しずつ仲良しになっていく2人。男は13歳の時にたった一度だけ彼の家を訪れた叔母に対して、「なぜあの時、僕をあの家から連れて出してくれなかったんだ?(僕が不幸だったことは一目でわかったはずなのに)」という恨みを持っていました。だから何度も老婆を殺そうとしますが、やっぱりできない・・・そしてある日、衝撃の事実が判明します。なんと男は住所を間違えて老婆の家を訪れていた、つまり人違いだったのです!彼の本当の叔母は、彼がいつも眺めていた向かいの家の窓際に座ったまま、既に死亡していました。
 目の前に居る老婆(大塚道子)に「なぜ本当のことを言ってくれなかったんだ!?」と激怒すると、彼女はほんわかと「(あなたの)訪問が嬉しかったから」と一言。滑稽だし、じ~んと来るしで、泣けちゃいました。「住所を間違っていた」と気づいた瞬間の2人の演技は絶品でしたね。

 落胆した男は老婆のもとを一度は去りますが、再び戻ってきます。でも老婆はすっかり衰弱しおり、いつもどおり一人でしゃべり続ける男に向かって「お話し中悪いけど、失礼させていただくわ」と言い残して死んでしまいます。老婆の遺体の横で、男は「私はあなたのことを好きになっていた」と気づき、他人を必死で避けて生きてきた暗い過去から、日の差す明るい未来へと歩み始める・・・ような終幕でした。
 黒幕に包まれた空間がバサっと白い幕に早替わりする大仕掛けがありましたが、そこでスパっと終わった方が良かったんじゃないかしら。紙ふぶきには必要性が感じられませんでした。

 マリア・カラスのアリアが2回流れましたが、お葬式の音楽として『カルメン』の「ハバネラ」がかかったのには笑っちゃいました。もう一曲は『ロミオとジュリエット』からだそうです。
 老婆は男のために編んでいたセーターを完成させて、ハンガーに掛けて天井から降りてきた丸い輪に吊り下げます。その丸い輪はビーズ(かな?)で飾りつけられていて顔の形になっており、全体でセーターを着た男の姿に見えたのがきれいでした。

出演=大塚道子(グレイス)/蔵本康文(ケンプ)
作:モーリス・パニッチ(Moris Panych) 企画・翻訳・演出:田中壮太郎 装置:俳優座舞台部 照明:伴静香・高橋典子 衣裳:若生昌 舞台監督:脇田康弘 宣伝美術:キヨエコイイヅカ 制作:村田和隆
前売開始 4月20日〈木〉前売:3000円 当日:3200円(各税込み)
公式ページ=http://www6.ocn.ne.jp/~haiyuza/Pages/nezuban_d.html
劇団俳優座=http://www.haiyuza.com/

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Posted by shinobu at 18:34 | TrackBack

2006年05月27日

遊園地再生事業団プロデュース『モーターサイクル・ドン・キホーテ』05/23-29横浜・赤レンガ倉庫1号館3Fホール

 下総源太郎さんと高橋礼恵さんが出演される宮沢章夫さん の作・演出作品ということで、チケットを取りました。大きなバイクにまたがる大人のオトコ2人の宣伝写真もかっこいいですよね。
 『カルデーニオ』という戯曲をいろんな国(文化)の演劇形態で翻案していくプロジェクトだそうです。この企画についての詳しい内容やあらすじは公式サイトでどうぞ。

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 舞台はバイク修理屋。ガレージがそのまま店舗になっています。中央に銀色のバイク。上手には修理の道具やバイクが数台、下手には応接セットと小さな本棚など。赤レンガのホールの壁をそのまま利用し、上下(かみしも)に幕もないので、間口の広いステージです。

 宮沢章夫さんの演劇って独特の雰囲気がありますよね。普通に座席に座って舞台を観ていても、遠くの方から小さな点を見つめているような気分になります。
 照明がかっこいーなーとか、映像が渋いなーとか、妄想と現実の重なり方が通好みな演出で素敵だなーとか、ところどころ魅せられましたが、全体としては退屈しちゃいました・・・。

 ここからネタバレします。

 旅に出て3年半後に帰ってきた忠雄(小田豊)が、「もう大丈夫だ、ルシンダは救われた」みたいな戯言を吐くのがうざくって仕方なかったです。でも一緒に帰ってきた坂崎(下総源太郎)が、忠雄のバイクのクッションをバン!っと叩いてくれてスッキリ。“愛と裏切りと嫉妬と怒りと和解の物語”ですが、人生は何もかもきれいに解決するわけじゃないですものね。最後にまた混沌になった気がして良かったです。

 高橋礼恵さん。やっぱりきれいだし上手いですね。働く女になった白いスーツ姿がめちゃくちゃ色っぽかったです。

"MOTORCYCLE DON QUIXOTE"
出演=小田豊/下総源太郎/高橋礼恵/岩崎正寛/鈴木将一朗/田中夢
作・演出=宮沢章夫 美術・衣装=林巻子 企画=スティーブン・グリーンブラット 制作プロデュース=内野義 『Cardenio』をグリーンブラッドと共同執筆=チャールズ・ミー 翻訳・ドラマターグ=エグリントンみか
チケット発売=4月1日 全席指定 一般4.200円 学割3,800円(前売/当日共)
遊園地再生事業団=http://www.u-ench.com/

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Posted by shinobu at 23:58 | TrackBack

2006年05月26日

【オーディション】岡田利規 作・演出『エンジョイ』12/07-23新国立劇場 小劇場

 チェルフィッチュの岡田利規さんの新作『エンジョイ』@新国立劇場の出演者オーディションです。
 ・男女各1名募集。
 ・お稽古は10月10日(火)開始予定。
 ・応募締切⇒6/12(月)必着

 詳細はこちら

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Posted by shinobu at 14:07 | TrackBack

tpt『スラブ・ボーイズ』05/18-06/04ベニサン・ピット

 『The Slab Boys』はスコットランドのアーティスト・劇作家のジョン・バーンの自伝的作品だそうです。三部作まであるんですね(第二部『Cuttin' A Rug』、第三部『Still Life』)。
 700人超の中からオーディションで選ばれた若手俳優が出演し、俳優の千葉哲也さんが初演出されました。上演時間は2時間40分(10分間の休憩を含む)。
 膨大なセリフと慣れない外国の風俗に埋もれながら必死で戦っているように見えました。

 tptのブログが充実しています⇒from PIT
 レビュー⇒演劇、観劇のカフェ

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 ≪あらすじ≫ パンフレットより引用。
 1957年冬、ある金曜日。ここはスコットランド、グラスゴー近郊の絨毯製造会社。A・F・ストーボ社のデザインルームに隣接する小さな部屋「スラブ・ルーム」。ここで働く若者たちは、来る日も来る日もせっせとデザイナーのために絵具を挽き、こね、皿に移すのくり返し。手に届きそうで届かない色とりどりの世界にあこがれ、「監獄」脱出を渇望する「スラブ・ボーイズ」たち。
 ≪ここまで≫

 舞台は汚いスラブ・ルーム。スラブ(Slab)とは、絵具の顔料と粘着性のあるガムと水等をこね合わせる際に使う、まな板のような厚板のこと。スラブ・ボーイズ(進藤健太郎、倉本朋幸、山﨑雄介)は絨毯工場の低賃金・肉体労働者です。不幸なことに家庭環境も良い方ではなく、彼らは常に悪態をつき仕事もさぼり気味。
 彼ら以外でスラブ・ルームを訪れるのは、鬼のような上司(千葉哲也)、かつては同じスラブ・ボーイだったデザイナー(池下重大)、購買部のおばさん(安奈淳)、ナイスバディの可愛い女子社員(大貫杏里)、そしてお坊ちゃんタイプの新人アラン(河合龍之介)。真冬の仕事場の一日を描きます。

 世界は階級社会だ。こつこつがんばれば報われることもあるが、何をやったって届かないクラスもある・・・って、信じがちですよね。不平不満、憤り、反発などの感情が強く、まっすぐに暴発している状態でした。おバカさんだな~、可愛らしいな~と愛でるように見つめさせて欲しいんですが、そういう余裕がなかったようです。
 リアルな装置なのに小道具の扱いがぞんざいなのが気になりました。観ていて一番困ったのは流し(シンク)のお皿です。ルシール(大貫杏里)は全く汚れていないお皿を汚れているかのように扱い、シンクに山積みで放置されている汚い皿を見ながら「ここではお皿を洗わないの?!」と怒ります。そして自分が持っていた真っ白な皿を水もつけないでタワシでこすります。その所作も途中でやめちゃうんですよね。ルシールの社内での存在位置が曖昧でした。

 スラブ・ボーイズを演じた男優さん達(進藤健太郎、倉本朋幸、山﨑雄介、河合龍之介)は、とにかく必死なんだろうな~と思いました。セリフの発し方が一辺倒。感情も一直線。抑揚がありません。相手のセリフや演技を受けて、そして自分からも発して・・・というコミュニケーションが少なかったです。セリフが膨大ですし、海外戯曲ですし、高いハードルですよね。全力だってことが伝わってきたので、2時間40分の長時間、寝ないで済んだのかも。

 大貫杏里さん。ヒロインのルシール役。ずっとしかめっ面でしたね・・・。決まった何かに自分を当てはめようとしているように見えました。カーテンコールのにっこり笑顔が一番可愛かったなんて、残念至極。黒のミニ・タイト・ドレスに編みタイツと赤いハイヒールなんていう着こなしが完璧にできる抜群のスタイル。
 池下重大さん。ニキビ面のデザイナー・ジャック役。やっぱり上手いわ~っ。頭から湯気が噴き出すんじゃないかっていうぐらい怒るし、ゆるみすぎて溶けちゃうんじゃないかって思うぐらいにんまり笑います。柔軟ですよね。

 流れた音楽は「モッキンバードヒル」「ケ・セラ・セラ」「ハウンド・ドッグ」など。楽しかったです。

 13年前に男闘呼組(岡本健一、高橋一也〔現在は高橋和也〕、成田昭次、前田耕陽)主演、ロバート・アラン・アッカーマン演出で上演されたそうです。スパンキー役が高橋和也さんだったってことは、フィル=岡本健一、ヘクター=成田昭次、アラン=前田耕陽って感じかな~(笑)。

"Slab Boys" by John Byrne
出演=進藤健太郎/倉本朋幸/大貫杏里/河合龍之介/山﨑雄介/池下重大/安奈淳/千葉哲也
作=ジョン・バーン 演出=千葉哲也 訳=薜珠麗 美術=萩野緑 照明=深瀬元喜 音響=木暮拓矢 衣裳=原まさみ ヘア&メイクアップ=鎌田直樹 舞台監督=三上司
前売り発売開始 4月28日(金) 全席指定4,200円/学生料金3,150円※学生料金はTPTのみのお取り扱い
公式=http://www.tpt.co.jp/

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2006年05月24日

新国立劇場演劇・ブロードウェイ・ミュージカル『INTO THE WOODS(イントゥ・ザ・ウッズ)』05/19-06/06新国立劇場 中劇場

 宮本亜門さんが演出するソンドハイムのミュージカルの再演です。初演の時に最前列中央の席だった私は、今回も必死で最前列の席をゲット♪小学生のお子様達と一緒に観に行ったのですが、ご満足いただけたようです。

 概要は初演のレビューをどうぞ。美術も衣裳も演出も特に変化はないと思います。豪華でした。

 私は2度目ということもあり、初演ほどの感動はありませんでした。今回もやはり魔女役の諏訪マリーさんが素晴らしかった♪・・・というか、諏訪さんと、諏訪さん以外のキャストとの力の差が気になりしました。演技の面では高畑淳子さんにも惹きつけられましたが、ミュージカルだと思って拝見すると・・・全体的に歌唱力の点で物足りなかったです。初演は2年前ですし、私の見方も変わったんですよね。残念ながらほぼ全編にわたって冷静に眺めている状態から抜け出せなかったですね。

 でも第1幕のクライマックスおよびラストのスカっとした盛り上がりは素敵だと思いました。ミュージカルだと思わないで演劇だと思ったら(・・・ってムリがあるんですが)、かなり楽しめる作品だと思います。だって装置は楽しいし、衣裳も凝ってるし、なかなかこの値段であの空間は味わえないですから。カーテンコールでスタンディング・オベーションしている観客も沢山いらっしゃいました。

 ここからネタバレします。

 自分の欲望を叶えるために手段を選ばないで貪欲に進み続けた結果、人間はつかの間の思い通りの幸せを手に入れますが、「手段を選ばず」やってしまったことのしっぺ返しを受けることになります。それは誰もが避けられない道なんですよね。

 最後まで生き残ったパン屋の主人(小堺一機)、シンデレラ(シルビア・グラブ)、ジャック(矢崎広)、赤ずきん(宮本せいら)の4人で協力して、巨人の国から降りてきた大女を殺してしまいます。そして4人は一緒に暮らすことになって大団円・・・というエンディングに今回は納得が出来ませんでした。敵を退治して大々的なハッピーエンドを迎えるのはちょっと・・・。しっぺ返しが再び起こることを匂わせるような演出があれば、スッキリできたかも。

≪東京、兵庫≫
Broadway Musical "Into the Woods"
出演=諏訪マリー/小堺一機/高畑淳子/天地総子/シルビア・グラブ/藤本隆宏/宮本せいら/矢崎広/早川久美子/広田勇二/荒井洸子/鈴木慎平/大森博史/藤田淑子/二瓶鮫一/花山佳子/鈴木純子/山田麻由/飯野めぐみ 
作詞・作曲:スティーブン・ソンドハイム 台本:ジェイムズ・ラパイン 演出・振付:宮本亜門 翻訳:橋本邦彦 翻訳: 橋本邦彦 音楽監督: 山下康介 美術:礒沼陽子 照明:中川隆一 音響:大坪正仁
歌唱指導:楊淑美/山口正義 衣裳:朝月真次郎 ヘアメイク:馮啓孝 演出助手:北村直子 舞台監督:瀬崎将孝
前売開始 3/19(日)S席6,300円 A席4,200円 B席3,150円 Z席=1,500円/当日学生券=50%割引
公式=http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/10000102.html
初演のレビュー=http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2004/0610160811.html

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Posted by shinobu at 23:19 | TrackBack

2006年05月23日

デラルテ舎『コメディア・デラルテ「プルチネッラ~その生と死と復活~」』05/23-25シアターX

 コメディア・デラルテとはイタリアの伝統的な仮面喜劇のこと。私は箱根ガラスの森ではじめて「コメディア・デラルテ」という言葉を知ったんですよね。本場のものを観られるということで初日に伺いました。
 上演時間は約1時間35分。日本語、イタリア語、英語がまざった環境で字幕やイヤホンガイドはありません。英語がわかるとかなり楽しめると思います。

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 舞台に登場するのはプルチネッラ役のアントニオ・ファーヴァさん、共演者(さまざまな女性を演じる)の光瀬名瑠子さん、そしてピアノとアコーディオンを演奏する紳士(お名前を失念)の3人のみ。とにかくいっぱい笑わせようとしてくださいます。最初はノリについていけなくて構えてしまったのですが、徐々にアントニオさんの愛嬌にすっかりほだされて(笑)、楽しく嬉しく過ごさせていただきました。
 昨日『やわらかい服を着て』を観たばかりなので、こういう海外の人との交流の大切さが身に沁みます。言葉が通じなくても笑いは共通なんですよね。同じ空間で一緒に笑ってるこの平和・・・感謝です。

 コントだし、漫談だし、レビュー(歌)だし、パントマイムだし、一人芝居だし、対話演劇だし・・・アントニオさんの芸の素晴らしさが徐々にわかってきました。声のバリエーションがすごく豊かです。口をつかった擬音もいっぱい。
 下記、構成を簡単に。ネタバレしますが、お読みになってから観に行っても大丈夫だと思います。


●第1景 はじまりはじまり (音楽ではじまる。)
 最初にさっそうと登場した紳士がいきなりピアノの横でつまづきました。ほんっと、そういう細かいところから笑いを盛り上げてくれます。

●第2景 理想の女性 (カネリアを想うプルチネッラの悲恋)
 アントニオさんがイタリア語、光瀬さんが日本語で話すので少々戸惑いました。この世界に慣れるまで時間が掛かりましたね。お下品だし(笑)。でも観客は最初っからすごく笑ってたな~。イタリア語がわかる人が多かったんでしょうね。

●第3景 いつもの女 (ツァッツァが愛人と戯れる。夫のプルチネッラがそれを目撃して惨劇に。)
 寝取られ男=プルチネッラは角の生えた帽子を被っていました。やっぱり角が生えるんだねー。
 妻を殺して自分も死ぬという恐ろしい結末だったのですが、手法自体を笑いにしていくので悲しさとか全く感じないんですよね。冷静に眺めてジョークやコントとして楽しみました。

●第4景 いんちきナポリタン (ナポリ方言の歌。でも本当にナポリタン?)
 アントニオさんがお一人で歌うんですが、めっちゃくちゃ素敵でした!歌う前に英語でお話してくださったのも面白かった~。パッション(情熱)!

●第5景 カピターナとプルチネッラ (戦争だ。女が命令すれば、仕事なんだ。)
 幸せな結婚をしたと思ったら無理やり仕事に行かされ、戦争が始まったら有無を言わさず兵隊にならされ、不在中に妻は浮気するし、プルチネッラの人生はふんだりけったりです。そんな悲惨な状況をほぼ形骸化させてしまって、どたばたな笑いを作っていきます。「いっぱい笑ったけど、冷静に考えたら悲しい話だよね」って、観終わってから想像するような感覚です。
 「死ぬ前に何をしたいですか?」と聞かれた観客の男の子が「おなか一杯ご飯を食べたい」と言ってました。なんて素朴な(笑)。

●第6景 井戸 (ある男と女と井戸の悲惨な物語)
 井戸のお話の間に漫談のようなものが入っていて、それがめっちゃくちゃ面白かった!
 イタリア(アントニオさんの故郷のカラブリア)、フランス、ドイツ、イギリス、アメリカ、スペインなど、それぞれの国の言葉で「I KILL YOU」コントを見せてくれます。最後に日本版を観客とやろうとしたのですが、英語がわからない方だったのでアントニオさんが四苦八苦。申し訳ないですが爆笑しちゃいました。ヨーロッパの三大不思議も面白かったな~。
 
 井戸のお話とは、30年間口をきかず別居中の夫婦がケンカして、夫が妻を深い井戸に落として殺してしまうという恐ろしいものでした。でも笑えるんだな~。

●第7景 死神~フォスカ
 ガイコツの仮面をかぶった黒装束の女=フォスカが登場。これはプルチネッラに死が訪れたってことなんですね、今、書てて気づきました。そう、それぐらいにストーリーや設定が表に出てこないんです。あくまでも楽しく笑える見世物なんですね。

●エピローグ プルチネッラたちの祈り
 アントニオさんがイタリア語で話されるのを光瀬さんが日本語で同時通訳する形でした。感動しました。
 「この街の、この劇場に、このイスを作ってくれてありがとう。そしてそこに座ってくれるお客様、ありがとう」
 「私はあなた(神)がいるとわかる場所にいるようにする。それがここ(劇場)です。」

作・演出・主演=アントニオ・ファーヴァ(Antonio Fava) 共演 con/with=光瀬名瑠子(Naruko Misse)/ピアノAl piano/at the piano=クラウディオ・マッティオーリ(Claudio Mattioli) ※演奏者は交代した可能性あり(未確認)。
製作=TEATRO DEL VICOLO - Dina Buccino 制作=テアトロ・デル・ヴィコロ/デラルテ舎 後援=イタリア文化会館/財団法人日伊協会/社団法人国際演劇協会(ITI/UNESCO日本センター) 協力=アリタリア航空/財団法人セゾン文化財団 主催=デラルテ舎
3月25日(土)一般前売開始 前売り4,500円 当日5,000円(全席自由・税込)
公式=http://www.dellarte-c.com

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Posted by shinobu at 23:36 | TrackBack

新国立劇場演劇『やわらかい服を着て』05/22-06/11新国立劇場 小劇場

 永井愛さんの新作です。吉田栄作さんの初舞台出演というのも話題ですね。一人を除いてみんな若手キャスト。これまでの永井さんのお芝居とはひとあじ違う仕上がりでした。

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 ≪あらすじ≫ パンフレットより一部引用。
 物語は2003年、イラク戦争開戦前夜から現在(イラク戦争開戦から丸3年にあたる2006年3月2日)までの、メンバーたちの活動の軌跡を追う。反戦運動の高揚、イラクでの日本人人質解放や医療支援に向けての行動と挫折、そして再生への葛藤。グローバルな視点で人類の幸せを願い続ける若者たちのハードな日常が展開していく。
 ≪ここまで≫

 NGO「ピース・ウィンカー」の若者たちの、2003年から2006年までの内の4日間にスポットが当てられた4幕劇でした。舞台は彼らが借りている倉庫。

 永井さんが実在するNGOの方々を取材して、それを元に作劇されたようですね(パンフレットより)。また、実在したラナちゃんというイラクの女の子のことをそのまま使われています。イラクの子供たちの絵がロビーにも多数展示されていました。イラク戦争のこと。私はよく知らないんだなーとしみじみ反省しました。多面的な知識が得られてありがたいです。
 というわけでこの作品は、私にはドキュメンタリーに近いように感じられました。私がいつも永井さんに期待する演劇的な出会いではなかったですが、観て良かったです。

 ※ここからネタバレします。

 最後に吉田栄作さんが言われた長いセリフの中のひとつが胸に残りました(セリフは正確かどうか不明)。
 「殺し合わず、話し合おう」
 大きな円形のテーブルにつどう若者たちは、それぞれが世界の国々のようでした。「やめる」って言わないで、「さようなら」って言わないで、世界中の人たちとゆるやかにつながり続けて、この地球で一緒に生きて行きたいと思いました。

 オープニングは2003年2月16日の早朝でしたが、朝だと思えませんでした。雨が降っているとも感じられず。舞台(倉庫)がすごく広く見えたのも残念。役者さんの一人一人がまだ空間にしっかりと存在できていないのではないでしょうか。でもこれは初日だからかもしれませんよね。6/11まである公演なのできっと良くなるのでしょう。

 半年間勝手に休んでいた千秋(月影瞳)がフラリと戻ってきたとき、メンバーがこびて、すがって歓待するのに違和感を覚えました。千秋の位置づけがよくわからなかったです。
 夏原(吉田栄作)と千秋が婚約者同士に見えづらかったり、夏原と新子(小島聖)のアヴァンチュールの色香が少なかったり、この三角関係には物足りなさを感じました。夏原と新子と純也(粟野史浩)の三角関係はムードがあって良かったですね。粟野さんの存在がヴィヴィッドだったからだと思います。

 吉田栄作さん。リーダー夏原役。背も高いしハンサムだし、ひきしまった体が美しい方でした(笑)。でももうちょっと壊れた演技をしてくれないと物足りないですね。ギターの弾き語りは・・・私はない方がいいと思いました。“スターさん”っていう印象が強くなってしまったので。とてもお上手なんですけどね。
 小島聖さん。元気はつらつの新子役。いったいなぜ?って不思議になるほど、いつもピカピカ光ってらっしゃいます。今作でもしかり。
 粟野史浩さん。気性の激しい純也役。面白かった!!感情むきだしで、それがそのまま体と行動に出てしまう性質を、見事に体現されていました。
 大沢健さん。零細企業の会社員(だった)大吾役。ポロっと柔らかくこぼす一言に重みがあります。大沢さんがいらっしゃるだけで空気が和みました。
 泉陽二さん。経理系の仕事人・礼史役。ギスギス気味のまじめ君キャラが良かったです。
 山中崇さん。新入りの宙太役。柔軟でみずみずしい存在感が素晴らしかったです。報告会の練習をするシーンで、演技のバリエーションの多さを見せ付けてくださいました。呼吸を読むのがお上手だと思います。

出演=吉田栄作/小島聖/粟野史浩/月影瞳/大沢健/でんでん/泉陽二/山中崇/日沖和嘉子/丸山桂
作・演出:永井愛 美術:大田創 照明:中川隆一 音響:市来邦比古 衣裳:竹原典子 ヘアメイク:西川直子 演出助手:鈴木ひがし 舞台監督:澁谷壽久
一般発売日:2006年4月15日(土) A席5,250円 B席3,150円 Z席=1,500円/当日学生券=50%割引
公式=http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/10000103.html
吉田栄作 Blog=http://www.watanabepro.co.jp/blog_artist/yoshidaeisaku/

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Posted by shinobu at 12:45 | TrackBack

2006年05月21日

Theatre劇団子 with ザ・カスタネッツ『君とボク~my dear foolish days~』05/19-21紀伊國屋ホール

 Theatre劇団子(しあとる・げきだんご)の初・紀伊國屋ホール進出公演です。ザ・カスタネッツというバンドも出演していて、前売り完売でしたね。
 レビューはネタバレしています。

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 広島で生まれ育った幼なじみ達のお話。いい大人になった仲間が小学校時代を振り返ります。いわゆる子供時代を回想する形式ですが、本編のほぼ全てが小学校シーンだったのには驚きました。大人が小学生を演じるのはリスクが高いんですよね。面白い人もあれば、浮いている人もあり。「昔は良かった」「懐かしいあの頃をもう一度」的な発想は私にはないので、共感はありませんでした。

 同級生のうちの数人がThe Airs(ジ・エアーズ)というバンドを組んでデビューしたという設定で、最後にThe Airsに扮するザ・カスタネッツのライブがありました(演奏は2曲)。お芝居とライブが完全に別構成になってしまったのは残念。最後に大人シーンに戻るかなと思ったんですが、それもなかったですからね。

 宮下今日子さん。「Theatre劇団子に出る宮下今日子が凄い」という噂を聞いていたのですが、納得でした。のびのびと冴えたギャグを連発してくだって、キャラクターも面白かったです。スタイル抜群で美人なのに、それをもろともしない崩れっぷりが素敵です。

出演=阿部英貴/山崎武史/佐藤貴也/斉藤範子/島村比呂樹/田中千佳子/高附克暢/土橋建太/伊奈稔勝/宮下今日子(サードステージ)/小林健一(動物電気)/冠仁/ザ・カスタネッツ(牧野元/溝渕ケンイチロウ/小宮山聖)
作・演出:石山英憲 映像:照山明 舞台美術:田中敏恵 照明:榊美香((有)アイズ) 音響:井川佳代 舞台監督:野口研一郎/松下清永 舞台監督助手:甲賀亮 衣裳・小道具:加治真理 衣裳・小道具助手 MORIKO 演出助手:鈴木巴 宣伝美術:工藤道絵 音楽:溝渕ケンイチロウ 制作:草沢友里・高橋祐紀乃 製作:野村史 企画製作:GAIPROJECT 主催:TBSラジオ 
前売り3,800円 / 当日4,300円(全席指定)
公式=http://www.gekidango.jp/

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Posted by shinobu at 17:00 | TrackBack

Rel-ay, コントライブ『れぺとわ 其のニ』05/20 NAKED LOFT

 Rel-ay(リレイ)はかあきじいんず さんが作・演出するユニットです。『其の一』から約2ヵ月ですね。次回は8/19(土)開催予定。
 『徹底討論』コントが面白かった。関係者として観に行きましたのでこれ以上のレビューは控えます。

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出演=永野麻由美/長井教行/桜井昭博/かあきじいんず
脚本=かあきじいんず  構成=Rel-ay 音響=秋山龍 制作=河口礼志
昼の部&夜の部(各回入れ替え制) 予約1,500円 (+1drinkから)、当日2,000円 (+1drinkから)※1drink=500円 
公式=http://www.rel-ay.com/

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Posted by shinobu at 16:12 | TrackBack

2006年05月20日

SHINKANSEN☆RS『メタルマクベス』05/16-06/18青山劇場

 シェイクスピアの『マクベス』を宮藤官九郎さんが脚色し、いのうえひでのりさんが演出されます。主役が内野聖陽さんと松たか子さんの劇団☆新感線公演ということで、今年最大級の話題作ですね。前売りチケットはもちろん完売。東京公演の当日券情報はこちら
 上演時間は3時間50分(途中25分間の休憩を含む)でした。長時間だっていうことに、私は疲れちゃいました・・・。2つの世界が交差する構成が面白かったです。

 レビュー⇒休むに似たり。

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 大スターが激しく動いて、思いっきりギャグをやって、戦隊ものヒーローのように見得を切ってくれます。装置、衣裳などのスタッフワークも豪華絢爛。4時間弱のお芝居を1日に2度やるってことも凄いですよね(もっと長いお芝居もありましたけど)。凝りに凝ったパンフレットや過去公演のDVD、出演者の音楽CD、公演オリジナル・グッズ等のめちゃくちゃ充実した物販もあり、この公演を観に行くことが、例えばテーマパークに行くようなエンターテインメントになっているですね。劇団☆新感線にしかできないことじゃないかなって思います。だから高いチケットでも瞬く間に完売なんでしょうね。
 残念ながら私は上演時間の長さに負けてしまいました・・・。4時間弱の中でググっと引き込まれることが少なかったんですよね。

 今回はカーテンのような電光掲示板を使った映像で、また新しい世界を見せていただけたように思います。プロジェクターからスクリーンに映写するのではないので、最初は少々目がちかちかしちゃいましたけど、でもわかりやすいし迫力があるし、私はかなり楽しませていただきました。

 内野聖陽さん。ランダムスター(マクベス)役。『エリザベート』で素敵だわ~と思った感覚が今回も。もっと違うかつら姿で観たかったな(笑)。
 松たか子さん。ランダムスター夫人(ローズ)役。悪い女の役、似合いますよね。前半は一人で振付どおりやってるような印象でしたが、後半は胸に迫ってくるものがありました。
 森山未來さん。王子役。きれい~っ!体が光ってるように見えて、森山さんご自身と出会えた気持ちになれました。ダンスも素敵。
 北村有起哉さん。マクダフ役。家族を殺された後と、最後にランダムスターと対峙するところがめちゃくちゃかっこ良かったです。何でもできる人だな~と思います。
 冠徹弥さん。王専属シンガー・冠くん役。歌声が気持ちよかったです。出てくる度に歌ってほしいな~と期待しました。

 ここからネタバレします。

 2206年の戦乱時代と1980年代の平和な日本が徐々にシンクロして混ざり合っていくのが面白かったです。後半にランダムスター(内野聖陽)と夫人(松たか子)が、2200年代の衣裳で1980年代を演じているのが刺激的でした。宮藤官九郎さんってすごいなと思いました。

 一番引き込まれたのはマクダフ(北村有起哉)の家族がマクベスの部下に惨殺され、国外に逃げていた王子(森山未來)と一緒に兵を挙げるところ。かっこ良かった~っ。

 miki houseのトレーナーといえば和歌山の毒物カレー事件。3人の魔女にそれを着せていたのにクスっと笑えました。バンド“メタルマクベス”のグルーピーの女の子たちが皆それを着ていたのも面白いです。ファンってものすごく勝手で、崇拝していたスターを突然ゴミのように捨てたりしますよね。ファン(魔女)の声に惑わされるってことかなと考えました。最後はランダムスター(マクベス)もそのトレーナーを着たまま果てます。ランダムスターとマクベスが一緒になり、自分で自分に毒を盛ったということでしょうか。「俺は俺を裏切る」という歌詞も思い出しました。
 ★トレーナーの文字は「miki mouse」だったそうです。すご(笑)。教えてくださった方、ありがとうございました!(2006/06/09加筆)

≪松本、東京、大阪≫
出演=内野聖陽/松たか子/森山未來/北村有起哉/橋本じゅん/高田聖子/粟根まこと/上條恒彦/右近健一/逆木圭一郎/河野まさと/村木よし子/インディ高橋/山本カナコ/礒野慎吾/吉田メタル/中谷さとみ/保坂エマ/皆川猿時/冠徹弥/村木仁/川原正嗣/前田悟/横山一敏/藤家剛/佐治康志/矢部敬三/葛貫なおこ/角裕子/池田美千瑠/嶌村緒里江
Metal Macbeth Group(岡崎司/guitars 高井寿/guitars 前田JIMMY久史/bass 岡部亘/drums 松田信男/keyboards 松崎雄一/keyboards)
原作=ウィリアム・シェイクスピア 脚色=宮藤官九郎 演出=いのうえひでのり 美術=堀尾幸男 照明=原田保 音響=井上哲司(FORCE) 音効=末谷あずさ(Office my on)/大木裕介(Sound Busters) 衣裳=有村淳 ヘアメイク=宮内宏明 振付=川崎悦子(BEATNIK STUDIO) Funk a Step=HIDEBOH(HIGUCHI DANCE STUDIO) 殺陣指導=田尻茂一/川原正嗣/前田悟(アクションクラブ) 小道具=高橋岳蔵 特殊効果=南義明(ギミック) 映像=上田大樹(INSTANT WIFE) 歌唱指導=MAX藤原 音楽助手=右近健一 演出助手=小島靖 舞台監督=芳谷研 宣伝美術=河野真一 宣伝画=洗智樹 宣伝写真=渞忠之 宣伝ヘアメイク=西岡達也(DaB) 広報・票券=脇本好美(ヴィレッヂ) 制作助手=川辺美代 制作補=小池映子(ヴィレッヂ) 制作=柴原智子(ヴィレッヂ) エグゼクティブプロデューサー=細川展裕(ヴィレッヂ) 企画・製作=劇団☆新感線/ヴィレッヂ
発売日3月18日(土) S席12,000円 A席9,500円 Z席6,500円(全席指定・消費税込)
劇団☆新感線=http://www.vi-shinkansen.co.jp/
イープラス=http://eee.eplus.co.jp/theatrix/special/metalmacbeth.html
ぴあ=http://info.pia.co.jp/et/play-p/shinkansen_mcth/shinkansen_mcth2.jsp
記者発表(シアターガイド)=http://www.theaterguide.co.jp/pressnews/2006/02/02.html
記者発表(nifty)=http://forum.nifty.com/ftheater/n2006/60202001.htm

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Posted by shinobu at 17:49 | TrackBack

2006年05月18日

文学座+青年団『地下室』05/18-28アトリエ春風舎

 青年団の松井周さんが作・演出する文学座+青年団自主企画交流シリーズの1作。私は松井さんの作品を観るのは初めてです。
 もーーーーーーーー・・・笑いをこらえるのが大変!!いや、こらえなくて良かったんでしょうけど、あまりに誰も笑わないものだから肩をぷるぷる揺らしながら必死で我慢しちゃいました。隣りの席の方、気味悪かったでしょうね、ごめんなさい。

 ホントにも~前半は笑いっぱなしでした。だって、だって、だってーーーっ!! あ、でも笑えない人は笑えないかもしれません。ストレートなエンターテインメントでは全くありませんので。題材といい展開といい小道具といい(笑)、かなり刺激が強いので苦手な人もいらっしゃると思います。

 私の感覚で言わせていただくと、お芝居全体が壮大な、周到な、アイロニック・ギャグでした。笑いの意味でも演技の意味でも、役者さんたちは息苦しいほど自然にやりきって、見せきってくださいました。文学座と青年座との垣根も全く感じませんでした。
 上演時間は約1時間35分。平日は開演が夜8時の日もありますし、5/28(日)までやってます。大人向けです。ぜひ。ぜひぜひ(笑)。

 ≪あらすじ≫ あらすじは自動的にネタバレになります。
 特殊な“水”や健康食品・化粧品などを販売する小さな会社の店舗兼事務所。舞台はそのビルの地下。舞台中央奥にドラム缶型の“水”製造機が鎮座し、その前に会議用の大きなテーブルとパイプ椅子が数脚。壁際には棚やダンボールが積み上げられている。上手舞台奥には、外側から錠がかけられる金属製のドアがある。そのドアの向こうの部屋は若い男・森男(大竹直)の仕事場だ。
 取材に来たライター(征矢かおる)に店長(古舘寛治※「舘」は「舎」へんに「官」)が独自に開発した水の解説をしている。雨水をろ過して「有機の素」を入れるのだと。「有機の素」の製造方法は企業秘密。 
 店長がその組織のすべてを牛耳っており、強いリーダーシップを発揮している。社員たちはみなあだ名で呼び合う仲だ。ママさん(辻美奈子)、ぼうちゃん(頼経明子)、チャリさん(古屋隆太)など。全員住み込みで働いている。今は愛媛から来た研修員の安本さん(たむらみずほ)も加わっている。
 ある日、突然見知らぬ女(堀夏子)が地下まで入り込んできた。精神不安定な様相の女はいきなり言った。「ここで働かせてください!」 店員はみな戸惑って反対するが、店長の「いいでしょう。貧しい人を放って置けますか?」という一言で採用決定。いきなり同居し始める。
 ≪ここまで≫

 人間の世界における、思いつく限りのあらゆる汚いことが陳列された百貨店のような芝居でした。汚いものからきれいそうなものをつくり、それを体内摂取して排出し、また・・・という“リサイクル”の実態があぶり出されます。『マクベス』の魔女が言う「きれいはきたない きたないはきれい」って、現実世界ならまさにコレのことでしょう(笑)。
 とんでもなく不謹慎な事件がサラリと起こり、異常心理からくる変態行動が当然のことのように演じられて、静かな地下の一室に究極のグロテスクさがありました。ほとんどホラーの域だと思います。それをこんなに確信犯的に、「静かな演劇」風にきっちり作り上げるなんて・・・・おふざけが過ぎます!極めるにもほどがある!バカさ加減に乾杯!!です(笑)。
 いや、思いっきり本気で感服しているんですよ。きわどいことがこれ以上ないほどに集約されているから、強烈だし、ギャグとも取れるのですが、人間の集団性や個人と社会との関わり方など、誰もが経験したことのある普遍的な問題が織り込まれており、現代人のみっともない生態を素っ裸に暴き出した辛らつな作品だと思います。

 ここから完璧にネタバレします。これからご覧になる方はどうぞお読みにならないでください。後ほどアップします。

 ・・・と予告していたのですが、めいっぱい書き溜めた文字データがなぜか消えておりまして(涙)、断念。ごめんなさい。かろうじて下記の雄たけび↓だけ残っていました(2006/07/03加筆)。

 ぶり子とか、ぶり子とか、ぶり子とか!もーーーひどい!ひどすぎて爆笑!!
 もっと怖いのは“おしぼり”。 おしぼりて、オイ! オーイっ!!(松井周さんへのツッコミ)

 チラシの絵も、これがあの地下室の“水”製造機とつながっている煙突(水を集める管)だと思うと・・・シュールですね。

文学座+青年団自主企画交流シリーズ第一弾
出演(◎=文学座 ★=青年団)=大竹直★、征矢かおる◎、たむらみずほ★、辻美奈子★、得丸伸二◎、古舘寛治★、古屋隆太★、堀夏子★、山本雅幸★、頼経明子◎(※古舘寛治の「舘」は「舎」へんに「官」)
作・演出:松井周(青年団) 美術:杉山至×突貫屋 照明:西本彩 衣装:小松陽佳留 舞台監督:小林智 宣伝美術:京 制作:林真智子、武藤真弓 総合プロデューサー:平田オリザ 主催:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 共催:文学座・青年団
ポストパフォーマンストークあり。ゲスト=19日:山中隆次郎(スロウライダー)/24日:岡田利規(チェルフィッチュ)
予約・当日共 一般3,000円 学生2,500円(要学生証提示)※日時指定・全席自由・整理番号付 通し券 9,000円(取り扱い先は青年団のみ)
公式=http://www.seinendan.org/jpn/info/info060306.html

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Posted by shinobu at 23:11 | TrackBack

【ワークショップ】『第2回TOKYOSCAPE東京ワークショップ』06/19-27森下スタジオ・他

 bird's-eye view風琴工房ポかリン記憶舎劇団桃唄309ユニークポイントreset-Nという東京の6劇団の演出家が講師をつとめる、第2回TOKYOSCAPE東京ワークショップが開催されます。私は6/27(火)19:30~の成果発表に伺う予定です。
 ★応募開始日=5/20(土)/締切=6/12(月) ※定員に達し次第、締切。

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 TOKYOSCAPEは東京の6劇団が京都へ行く企画で、この夏には「京都市内の合計4会場で集中公演と交流のための多彩な企画」が展開されます。

 どんなに良い脚本があっても、演出が機能しなければ見ごたえのある作品にはなりません。演出家がどんなに有能でも、下手な俳優を指導することに時間をとられていては、演出自体に力を発揮できません。面白いお芝居には上手い俳優が不可欠なのです。

 私はTOKYOSCAPE東京ワークショップの第1回成果発表を拝見して、このワークショップは俳優の技術向上に役立つものだと強く感じました。まず、演技には決まった正解があるわけではなく、さまざまな手法や世界があるということを知るのに絶好の機会だと思います。

 TOKYOSCAPEのディレクターである風琴工房の詩森ろばさんのブログLIVESTOCK DAYSこのエントリーから、詩森さんの演出家としての姿勢がうかがえます。風琴工房の所属俳優がどんどん上手くなっていることにも納得です。
 また詩森さんは、私が俳優養成の重要さに目を覚まさせられた俳優指導者養成ゼミの受講者でもいらっしゃいました。俳優指導者養成ゼミで、ムーブメント・ティーチャーの山中ゆうり先生がおっしゃった言葉を再度ご紹介します。※山中ゆうり先生は新国立劇場演劇研修所の講師でもあります。
 「ワークショップや訓練場は役者のため。稽古が始まったらお客様のため。」

 このTOKYOSCAPE東京ワークショップは、俳優のための格好の訓練場です。都合がつけられる役者さんは、なるべく多くのクラスを受講されることをお勧めします。

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Posted by shinobu at 10:33 | TrackBack

2006年05月17日

Bunkamura/フジテレビジョン『白夜の女騎士(ワルキューレ)』05/07-30シアターコクーン

 野田秀樹・脚本、蜷川幸雄・演出でジャニーズ事務所の松本潤さんが主演する『白夜の女騎士(ワルキューレ)』、観てまいりました。上演時間は約2時間30分(20分の休憩を含む)。
 たぶん私は全然意味がわかってないと思います。だけど面白かった!満足です!
 前売りは完売です。当日券情報はこちら

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 ≪あらすじ≫ パンフレットより。(役者名)を追加。
 神と巨人とコビトが三つ巴の世界。この世を支配するため、彼らはペニスの商人の最大の発明品である“ヒト”の争奪戦を繰り広げていた。神に追放された女騎士ワル!(山口紗弥加)、キュー(持田真樹)、レ?(濱田マリ)に拾われ育てられたヒトは、巨人の国、コビトの国、神の国さえも飛び越えていく---。
 一方、今より少し前の日本。棒高跳びが得意なサスケ(松本潤)は引っ越してきた部屋で前の住人だという少女おまけ(鈴木杏)と出会う。彼女は自分が送ったはずの宅急便の宛先を間違えて、元の部屋に戻ってきてしまったのだ。そして彼女の兄は偶然にも、サスケのアマチュア無線の仲間、その後の信長(勝村政信)だった。何らかの事情を秘めていたその後の信長は、サスケを挑発し、富士山に登ろうとけしかける。まるでサスケの心に眠る闘争本能を呼び起こすように。そのころ、二人を捕らえるべく刑事や写真家ら追っ手も間近に迫っていた---。
 ≪ここまで≫

 野田秀樹さんの夢の遊眠社時代の作品なんですね。私は今回が初見です。
 野田さんのセリフは突飛なたとえやダジャレがいっぱいですし、ちょっとでも聞き逃したらダーッと進んでしまって置いてきぼりになっちゃいます。でもその言葉のシャワーが気持ちいい!って感じました。役者さんによっては声が枯れていたり聞きづらい発音だったりして残念でしたが、もう別に、そんなことちっちゃいことだゼ!って思えました。だって演出が面白いんだもの!

 何を書いてもネタバレになりそうなので、これからご覧になる方はこれ以降はお読みにならないでください。・・・といっても、たいしたこと書けないですけど(苦笑)。

 開場時間から舞台奥の搬入口が空いていて、着物にちょんまげ姿の人や黒いヘルメットを被った人など、色んな時代の日本人がわらわらと劇場内を歩いています。舞台上には飛行機の断片やはりぼての馬など、かなり大きな大道具(っていうのかな?)がまばらに置かれており、躍動感のある雑多さが強烈でかっこいいです。このムードが全編に通じており、何が起こってもおかしくない空間が開演前から完成していました。
 そして始まると・・・ステージにいくつもの四角い穴があり、そこから人が出てきます。サスケ(松本潤)が飛ぶ(そう、飛ぶんです)シーンで穴から黒ヘルメットの男たちが赤い旗を振っていたり、本能寺の信長シーンで小さい穴から炎がいっぱいのぞいたり、もう至れり尽くせり、これでもか!っていう闘争の演出でした。意味がわからなくても、かっこいいし燃えてるし、私は満足でした。幕がバサッ!と降りてくるのが何度もあって、その度に違う絵が見られてものすっごく贅沢な気分でした。
 終盤、グラスファイバーの棒(棒高跳びのポール)でサスケが空を飛んで、眠り姫と交信しあうシーンで涙ボロボロ。力強い!美しい!

 字幕があったのがものすごく助かりました。難解なセリフの解説だけでなくト書きがどんどん出てくるので、ト書きの内容と演出の違いなども楽しめました。
 役者さんはセリフを大切に話してくださる人が割と多かったので、ダジャレでもアハハ!って笑えたりしました。ただ、ちょっとでも対話が退屈だな~と思ったら、すぐにうとうとしちゃってる自分もいて・・・。最近の私、声がすっごく大事なんです。声が届かなかったり汚かったりすると、それだけで聞きたくなくなっちゃうんです。ごめんなさい。

 パンフレットの蜷川さんのインタビューより引用します↓
 「過去に実際にあった出来事も含めて、きちっと見せますよ。ゆるやかに言ってしまえば、変革というものを志した若者たちの挫折の物語に対して、そこから我々が何を汲み取って、何を痛恨の思いで見送ったのかということは伝えたい、と僕は思っている。」
 2000円しましたけどパンフレットはすごく充実しています。ご覧になった方はどうぞご購入ください。お薦めです。『白夜の女騎士(ワルキューレ)』の後は『彗星の使者(ジークフリート)』、『宇宙(ワルハラ)蒸発』と続く3部作になっています。蜷川さんが全部演出されるのが楽しみです。

 松本潤さん。きれいでした~。叫んでもむさくるしくない。麗しい美少年のまま。少しなよっとしているのがまた良いですね。
 鈴木杏さん。この方もきれい~。動きにバネがあるし、声と体から大きなパワーが出てるのが感じられます。
 勝村政信さん。松本さんと鈴木さんに囲まれてさすがの貫禄でした(笑)。舞台上ですっごく楽しそうなのが、観ていて嬉しいです。

出演=松本潤/鈴木杏/勝村政信/六平直政/立石凉子/杉本哲太/高橋洋/山口紗弥加/持田真樹/濱田マリ/たかお鷹/六角慎司/さとうこうじ/マメ山田/日野利彦/羽子田洋子/さじえりな/飯田邦博/塚本幸男/堀文明/福田潔/井面猛志/宮田幸輝/野片富三/神保良介/伊藤一樹/泉裕/川崎誠一郎/川崎誠司/助川顕太郎/田浦傑/戸上恭丞/横田透/安齋芳明/村松佳
脚本=野田秀樹 演出=蜷川幸雄 音楽 : 朝比奈尚行 美術 : 中越司 照明 : 原田保 衣裳 : 黒須はな子 音響 : 井上正弘 ヘアメイク : 河村陽子 振付 : 広崎うらん 殺陣 : 栗原直樹 演出助手 : 井上尊晶 舞台監督 : 白石英輔 企画・製作: Bunkamura 主催=Bunkamura/フジテレビジョン
S9,000円 A7,500円 コクーンシート5,000円 チケット発売日: 2006年3月19日(日)
公式=http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/event/valkyrie/index.html

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Posted by shinobu at 16:59 | TrackBack

青山円形劇場プロデュース『MYTH(ミス)』05/11-28青山円形劇場

 鈴木勝秀さんの脚本・演出で佐藤アツヒロさんが出演する青山円形劇場プロデュースというと、『LYNKS』を思い出します。
 イイ男4人の静かなお芝居でした。全体的にちょっと堅い感じがしましたね。上演時間は約1時間35分だったと思います。

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 ≪あらすじ≫
 幼なじみ(中山祐一朗)と一緒にアールデコ調の豪邸に訪れた男(佐藤アツヒロ)に向かって、弁護士(陰山泰)が言った。「亡くなったお父上の法定相続人はあなただけです。お父上はこの家と家の中の調度品全てをあなたに残しました。」
 男は、その家で不思議な人物(篠井英介)に出会う。彼は言った。「私はお前の父親だ」と。
 ≪ここまで≫

 円形劇場をそのまま円形に使った、一見シンプルな舞台でした。全体のイメージは青と黒。床は豪華な装飾がなされていて、ちょっとした仕掛けもあります。照明が効果的でした。特に劇場の壁の上部を照らすのがかっこ良かったです。
 鈴木勝秀さんのお芝居でよく流れる音楽がやはり開幕前にも流れていて、エンディングも聞き覚えのある感じ。私はけっこう好きです。
 衣裳の靴がすっごくかっこ良かったです。高そうだな~。『LYNKS』の時も衣裳が良かったんですよね。

 セリフはすべてはっきりと聞こえるし、目にも麗しい男優さんばかりなのですが、自由自在に動けているように見えず、残念ながら私は途中で少しうとうとしちゃいました・・・。お芝居の主題に興味がある人は集中できたかもしれませんが、私はそれほどじゃなかったんですよね。
 中山祐一朗さんにはのびのびとしたライブ感覚があって、引きつけられました。

 ここからネタバレします。

 公式サイトより引用。

 "Myth(ミス)"には、神話、伝説、つくり話、架空の人、という意味がある。人間は、生まれてきたからには、孤独ではない。

 男(佐藤アツヒロ)は幼い頃に父親(篠井英介)に去られ、母子家庭で育ちました。「お前を生むつもりはなかった」と言い続けた母親は18歳のときに他界し、天涯孤独で海外を放浪する根無し草になっています。
 死んだ父親(篠井英介)は財産を残すことで息子(佐藤アツヒロ)を呼び寄せ、現実世界から逃避するために息子が空想で作り出した別人格(中山祐一朗)を排除して、息子に真の意味での自立をさせようとします。

 父親は、息子を救いたい、息子に自分のことを憶えていて欲しいという願いを最後の最後に叶えます。息子は強がっていてもやはり父親を求めていました。最後に息子は父親の愛を受け入れ、自分からも父親に愛を伝えることで、地に根ざした一人の人間として立つことが出来るようになります。佐藤アツヒロさんと篠井英介さんが寄り添うシーンにはじーんと来ました。

 弁護士が最後に言ったセリフがチクっと胸に刺さりました。
 「ローンを返すことが人生だとも言えるでしょう。だって我々は生まれた時にすべてを用意してもらっているのだから。」(セリフは正確ではありません)

出演=篠井英介/佐藤アツヒロ/陰山泰/中山祐一郎
脚本・演出=鈴木勝秀 美術=二村周作 照明=倉本泰史 音響=井上正弘 衣裳=尾崎由佳子 演出助手=長町多寿子 舞台監督=安田美和子 宣伝美術=永瀬祐一 宣伝写真=西村淳 宣伝ヘアメイク=松永英一/中俣明美 制作進行=相場未江 制作=大島尚子 制作協力=東京グローブ座 企画・制作=こどもの城劇場事業本部 主催=こどもの城
前売¥5,500/当日¥5,800 3月25日(土)発売開始。月曜休演。
ぴあ=http://info.pia.co.jp/et/promo/play/myth.jsp

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Posted by shinobu at 16:26 | TrackBack

2006年05月16日

【情報】稽古場カフェー@スーパードライホール(吾妻橋)

 5/9(火)の朝日新聞の記事で見つけました。稽古場カフェーっていう楽しそうなものがオープン中。ダンサーの森下真樹さんが6/14(金)のショーイング「森下真樹ダンスカフェー」@アートスクエアにむけてお稽古されているそうです。行ってみたい。
 お稽古は変則的なようなのでスケジュールをよくご確認ください。お店が休むこともあります。

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Posted by shinobu at 10:38 | TrackBack

2006年05月15日

国立能楽堂委嘱作品『新作能 紅天女』05/15-16ル テアトル銀座

 美内すずえ の漫画「ガラスの仮面」に出てくる「紅天女」という劇の能舞台化です。国立劇場での初演を見逃したので、ちょっと悲しいなと思いつつもル テアトル銀座での再演に足を運びました。たぶん満員でしたねー。

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 最初にはかま姿の女性が登場して「私は月影千草です」っていうセリフを話し始めた時は、ちょっと笑いそうになってしまいました。北島マヤと姫川亜弓という名前も出てきてなんだか不思議な気持ち(笑)。でも「今から『紅天女』をやりますよ」っていう口語の説明はあって良かったと思います。

 で・・・・すみません、私、やっぱりお能はムリみたいで・・・寝てしまいました(涙)。私はまだまだお能が観られないガキでございました。ごめんなさい。
 カーテンコールでは激しいブラボーの声がかかっていましたし、終演後のパンフレット売り場にはお客様が殺到してました。

美内すずえ作 漫画「ガラスの仮面」より
出演=梅若六郎(シテ・紅天女)/福王和幸 ほか
原作・監修=美内すずえ 脚本=植田紳爾 演出・節付・能本補綴=梅若六郎
S席8,000円 A席6,000円 未就学児童入場不可
サンライズプロモーション東京=http://www.sunrisetokyo.com/schedule/E000182-1.html
初演=http://www.ntj.jac.go.jp/performance/124.html

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Posted by shinobu at 21:40 | TrackBack

2006年05月14日

コローレ・プロデュース『ハルちゃん』05/09-14シアターVアカサカ

 ラサール石井さん の脚本を田村孝裕さん(ONEOR8)が演出されます。1995年初演(たぶん)の法廷劇で、何度か再演されているんですね。びっくりな豪華キャストで作品の評判も上々だったようです。
 でも客席は評判ほど満員じゃなかったようで、もったいないなと思いました。たぶんこの週に注目の演劇公演が重なりすぎてたんじゃないかしら・・・こればっかりは調整できることじゃないですものね。

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 ≪あらすじ≫
 舞台は裁判所。被告は殺人未遂事件で逮捕された米田利治(関川太郎)。ファミレスのアルバイターでイメクラの風俗嬢でもあった被害者の女性(通称ハルちゃん)は、背中に傷を負って入院中。しかも精神的ショックのため記憶を失っており、証拠は米田の自白に頼る状態にある。
 米田の担当弁護人はアル中克服中の金森(デビット伊東)。相手の検事はなんと別れたばかりの元妻・景子(松永玲子)だった。被害者のイメクラの顧客(鈴木歩己)、ファミレスの店員(星野園美)&店長(本間剛)、イメクラの同僚(小林美江)などの数々の証言を集める内に、被告の自白の信憑性が薄くなってくる。
 ≪ここまで≫

 いやー・・・うまい役者さんが揃った法廷劇って、ほんとに楽しいですね~。何の気兼ねもなく「面白かったよ~」とお薦めできる娯楽作品でした。こういう出会いは嬉しいです。もっと早く観に行けたら良かったんですが。

 被告、証人、検事、弁護人、裁判官、記録係、ボディガード、傍聴者・・・ひとつの部屋に全然違う立場(意識)の人間が集まってるのが法廷なんですね。演出の田村さんは(役者さんも?)実際の裁判を傍聴しに行かれたそうです。法廷におけるそれぞれの人物の在り方がすごく自然でした。

 作品全体が優しいムードに包まれていて心地よかったです。役者さんは皆さん適材適所で、かといってバラバラでもなく、プロデュース公演ならではのぎくしゃくもありませんでした。
 クール・ビューティーな松永玲子さんはさすがの美しさ。きりっとしつつ笑いも生んでくださって、ホントに素敵な女優さんだなと思います。
 裁判長役の八十田勇一さんののほほん具合が、堅くなりがちな裁判劇の絶妙な息抜きになっていました。上手いですよね~。
 日替わりゲストはハルちゃんの先輩イメクラ嬢(フィリピン人?)を演じるのですが、私が観た回は小林美江さんでした。素晴らしかった~。笑いを心得ていらっしゃる。完璧!!って思いました。
 ※ゲストによってキャラクターが違ったそうです(みんながフィリピン人じゃなかった)。他の女優さんはどんな役だったのかしらん。ゲストの比重がこれぐらい大きいと見ごたえありますよね。

 ★ネタバレ★
 証人として呼ばれた自称イメクラの客・大岩(鈴木歩己)が真犯人で、彼が弁護士(古川悦史)に金をつかませて証人のホームレス(原武昭彦)に嘘の自白を強要したというところまでは想像できたんですが、まさか被告の米田青年がゲイで、大岩と恋人同士だったとは・・・全く思いつきませんでした。

出演=デビット伊東/松永玲子(ナイロン100℃)/八十田勇一/国分佐智子/野本光一郎(ONEOR8)/古川悦史(文学座)/鈴木歩己(グリング)/本間剛/星野園美/原武昭彦/水野あや/関川太郎/平野圭(ONEOR8)/七月王/高石正彦/新納敏正(特別出演・声のみ)
日替わりゲスト=9日/清水よし子、10日/弘中麻紀(ラッパ屋)、11・13日/丸山優子(劇団スーパー・エキセントリック・シアター)、12日/福島まり子、14日/小林美江(東京ヴォードヴィルショー)
脚本:ラサール石井 演出:田村孝裕(ONEOR8) 舞台監督:村岡晋 音響:原島正治 照明:大塚之英(株式会社ストーリー・レーン) 舞台美術:松野潤 衣装:栗原沙織/山内絢子/小竹真由美/秋葉陽子/石川沙織 ヘアメイク:森谷まりこ(BLOOM)/長井かおり(BLOOM) 宣伝美術:細田潤一郎(株式会社コローレ) プロデューサー:上野真香人(株式会社コローレ) 制作=神野和美(Habanera) 企画・製作:株式会社コローレ
前売4,500円 当日4,800円 前売開始日:3月21日(火)
公式=http://colore.tv/

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Posted by shinobu at 23:32 | TrackBack

DULL-COLORED POP『国境線上の蕎麦屋』05/11-14笹塚 Duo Stage BBs

 谷賢一さんが作・演出するDULL-COLORED POP(ダルカラード・ポップ)の第3回公演。ご縁があってこれまでの全作品を拝見しています(過去レビュー⇒)。
 学生劇団が少しずつ成長していくのを観るのは嬉しいことです。DM割引で1000円だったのもありがたかった。

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 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。
 第二次世界大戦が終わり、東をソ連、西をアメリカに分割占領された日本。東西日本を分ける国境線、その真上に建つ老舗蕎麦屋「絶頂庵」では、昔ながらの二八蕎麦を出す職人気質の店主と東西日本兵が、日々小競り合いを繰り返していた…。
 実在した東西日本分割占領案をベースに、割といい加減にファンタジーを膨らませて描かれる蕎麦と戦争の物語。
 ≪ここまで≫ 

 本日夜で千秋楽ですのでネタバレします。

 韓国と北朝鮮のように真っ二つに分断された日本の、その国境線上にある蕎麦屋が舞台です。けっこうちゃんとした蕎麦屋さんが建てこまれていました。装置の構図は『ダークマスター』と似た感じ。舞台中央にどーんとカウンターがあって、店の客はカウンターに向かって、客席に背を向けて座ります。上手に店の出入り口があり、下手にはトイレ。下手奥は2階へと続く階段がある設定です。

 最後に登場人物がどんどこ死んでいくのが良かったですね~。敵同士であるはずの東西の兵士が一緒にご飯を食べるとか、機密をめちゃ簡単にバラしちゃうとか、信憑性にかけることばかり起こっていたので私は物語に入っていけていませんでした。だから、ありえないぬるま湯的世界が一寸の不信感でがらがらと崩れ去るのが痛快でした。人間が人間を殺してもいいと思った瞬間、無(む)がやってくるんですよね。私は漫画『MONSTER』でそれを学んだ気がしています。

 やっぱりギャグが面白いんですよねー。私はそんなに笑わない方なんですけど、特に前半は声を出して何度も笑わせていただきました。内輪ウケらしきものが多いのはちょっと残念ですが。

 オープニングは若者(出演者)が無邪気に浜辺で遊んでいる映像、エンディングは戦争をイメージさせるグラフィック映像が流れましたが、クオリティが低いんですよね。あれだけの長時間、スクリーンで舞台を隠すのなら、何か大きな転換があるのだろうと待ってたんですが、何もなかったですしね。必要性が感じられませんでした。

 富所浩一さん。東側の兵士・井原役(記者にネタを売るメガネ君)。動きが大胆で度胸もあるし、言葉も工夫があってはっきりしていて良かったです。前回は主役のユトリロを演じてらっしゃいましたね。
 清水那保さん。両親を殺されて蕎麦屋に逃げ込んでくる少女・愛子役。前回も印象に残りましたが、今回もやはり艶っぽい存在感があって可愛らしかったです。
 蕎麦屋の店長(実は東側の中尉)役は美形な役者さん(和知龍範)で目に嬉しかったんですが、自称ジャーナリストの脱東者(菅野貴夫)の父親にはとても見えませんでした。出演者が全員若い人ばかりですからね~。仕方ないといえば仕方ないんですが、もったいなかったです。

出演=岩藤一成/菅野貴夫/佐藤弘樹/清水那保/須崎千泰/高橋絵梨佳/滝井麻美/富所浩一/堀奈津美/和知龍範
作・演出=谷賢一 照明=松本大介 舞台美術=萩原未来 宣伝美術=谷賢一 ロンドン=新井宏美 制作=大藤多香子/横山由衣
前売り1500円、当日1800円 学生割引: 大学生以下、前売・当日ともに500円引き。
公式=http://www.dcpop.org/

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Posted by shinobu at 23:23 | TrackBack

パラドックス定数『怪人21面相』05/12-14渋谷space EDGE

 日本の戦後未解決事件を題材にした骨太の会話劇。脚本がすっごく練られていて、男達のプライドを掛けた丁々発止のやりとりにシビれます!!
 パラドックス定数の過去作品レビュー⇒
 今作をご覧になった方のレビュー⇒休むに似たり。藤田一樹の観劇レポート

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 レビューをアップしました(2006/05/15)。

 公演は終了していますので少々ネタバレします。でも読まれても問題ない程度です。

 グリコ・森永事件の犯人“怪人21面相”とは、元・公安刑事(杉田健治)、不法入国者(十枝大介)、グリコの役員(植村宏司)、朝日新聞記者(小野ゆたか)の4人の男たちだった・・・という架空のお話です。あくまでも作者の想像に過ぎないはずなのですが、「これが真相だったのね!」と信じちゃいそうになるぐらいにリアル!
 
 会場は渋谷のspace EDGE。舞台は客席の頭上にロフト・スペースがある倉庫風の部屋で、ロフトへと上る階段が上手にあります。装置・大道具は事務テーブル、パイプ椅子、タイプライター、ゴミ箱など。会場そのものを生かしたシンプルな美術です。そこが犯人たちのアジトだという設定で、事件の始まりから終結までを描く5幕もので上演時間は約2時間。

 これまでの作品と同様、言葉の切れ味がするどくて密度が高いです。男たちの言葉による闘いにゾクゾクし、細部まで練りに練られた展開にわくわくしながら、最後まで気持ちいい緊張感を持って観られました。
 これまでよりも自然な笑いが多くなって、人物にも設定にもふくらみが出たように思います。

 若い役者さんの4人芝居ですが、ある程度のレベルを超えた演技を見せてくださいました。朝日新聞記者役の小野ゆたかさんの、硬くも柔らかくもなる柔軟な存在感が良かったですね。
 でも、脚本の完成度に比べると全体的なおぼつかなさは否めないですね。無表情に偏りすぎるのがもったいない気がします。これは演出の指定なのかもしれませんが。個人的には元・公安刑事(杉田健治)と不法入国者(十枝大介)の間に生まれた恋心のような友情が、少々ねっちょりし過ぎていたように見えました。

 素晴らしい脚本だと思います。ぜひぜひお年を召した男優さんでも観てみたい!新劇の劇団で上演しないかしら?ものすごく演じ甲斐のある役ばかりだし、作品としても大人向けで、新劇の客層に合うと思います。観劇フリークの間ではかなりの話題になっていまして、「「劇団演技者。 」になるのもいいんじゃないの?」っていう声も上がっています。たしかにテレビドラマになっても面白いと思います。

 パラドックス定数は今年の9月と12月に連続で新作を発表してくださるようです。ものすごく楽しみ♪ちょっとでもご興味もたれた方は、ぜひぜひ観に行っていただきたいです。きっと期待にこたえてくれると思います。

出演=植村宏司/十枝大介/杉田健治/小野ゆたか
作・演出:野木萌葱 照明=木藤歩 舞台監督=渡辺陽一 宣伝美術=山菜春菜 WEB広告=JAPSCRAPS/メグジョ/富永淳 制作:パラドックス定数研究所
日時指定・全席自由 前売り2500円 当日3000円 チケット発売(ぴあ)4/13~/WEBチケット予約4/1~ 
公式=http://www.paradoxconstant.com/
グリコ・森永事件=http://gonta13.at.infoseek.co.jp/newpage118.htm

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Posted by shinobu at 12:08 | TrackBack

青年団『上野動物園再々々襲撃』05/12-14紀伊國屋サザンシアター

 第9回読売演劇大賞・優秀作品賞受賞作品(2001年初演)です。私は初見。
 私もいつかそうなるのであろう、おじさん、おばさんたちが居る喫茶店を眺めていました。特に際立った事件は起こらない数時間の語らいと静寂の中で、彼らと一緒にクスッと笑ったり、ジワっと胸が痛くなったり。そして最後は泣いちゃいました・・・。

 レビュー⇒休むに似たり。GRASSHOPPER

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 レビューをアップしました(2006/05/16)。

 ≪あらすじ・作品紹介≫ 公式サイトより。
 同窓生の葬式の帰り道、とある下町の喫茶店に、小学校の同窓生が集まり上野動物園から駱駝を盗み出して、かつてのクラスのマドンナをそれに乗せようと画策する。
 かつての悪ガキたちの追憶と、すでに中年となってしまった彼らの現実生活とがオーバーラップするなか計画は着々と進められていく。人生の深い悲しみと、小さな希望がコミカルに描かれる。
 ≪ここまで≫

 舞台は森の中のコテージ風の落ち着いた喫茶店。開演前から役者さんが舞台上にいらしたんですが、静物画みたいだと思いました。開演して次々と人が出てきても、全然目立たないんですよね。喫茶店全体の空気を感じて、耳に入ってくる声を受身で聞いている状態で、役者さん一人一人に目が行かなかったです。

 おそらく座席のせいもあるんじゃないかしら。紀伊國屋サザンシアターは舞台が遠いんですよ(席によって)・・・私は舞台と平行に客席を横切る通路よりも後方の席だったので、遠くの風景を眺めている状態でした。同じ回を観ていた友人は前から3列目の席で「自分もあの喫茶店にいると思って観ていた」そうで、そんなに差があったことがまず悲しい・・・(涙)。そう考えるとこまばアゴラ劇場で青年団が観られるのって贅沢なんだな~。

 というわけで、期待していたよりもかなり物足りない観劇にはなってしまったのですが、最後にがっちりと胸をつかまれ、泣いちゃいました・・・。
 誰もが同じ世界に住んでいた若い頃は、みんなで一緒の幸せを満喫できました。でも30年、40年の年月は少年少女を、全く別の人生を背負った老人に変えてしまいます。そして誰にも平等に訪れる死は、時期の意味では完全に不平等なんですよね。
 絶望的にばらばらになってしまったことをすっかり知りながら、おじさん、おばさんたちがひとつになるのを見て、物悲しい気持ちと勇気をもらえた喜びとが混ざりました。
 登場人物の年相応の役者さんが舞台上にいる贅沢を味わえたのも、ありがたいことでした。

 ここからネタバレします。

 お葬式ってよくテレビや映画、舞台で題材にされますけど、やっぱり人間の生き様が凝縮される格好の行事なんですよね。でもこの作品は、お葬式の後に同級生たちとその周辺の人々が集まる喫茶店を舞台にしており、それぞれの人生を描いていくので、亡くなった人一人に特に焦点が当たるわけではありません。そのずらし方がすごくいいなと思いました。お葬式ものが苦手な私にもすんなり入っていけました。

 らくだに乗るおばさんに「将来何になりたいー?」って聞かれて、ガンで余命1年を宣告されたおじさんが「ないー!」って答えた瞬間、涙腺が完全にゆるんでしまいました。私も特にないんです、具体的に何になりたいかなんて。でも「死ぬなよー!」って言ってもらえて、嬉しい。

 最後に全員で合唱する「月の砂漠」は、私にとっては特に思い入れがない歌です(『とんとんともだち』は幼稚園の頃によく歌ってました)。でも誰かにとってはすごく特別なもので、人生の大切な時期を思い起こさせてくれて、それを友達と一緒に共有しながら再現できる宝物なんですよね。歌って大事だなと思います。

 ところで最近は小学校の卒業式で「あおげば尊し」を歌わないらしいんですよ(映画「あおげば尊し」より)。代わりに現代語の歌(例「旅立ちの日に」←音が鳴ります)を歌うらしいです。その新しい歌が良くないっていうんじゃないですが、古臭いとか言ってないで昔の歌をそのまま歌い継いでいく勇気を持ってもらいたいです。歌で異世代がつながるって幸せなことだと思います。

 志賀廣太郎さん。前妻の娘に「バカヤロー」と言われ(せ)る役。華のある方だと思いました。志賀さんばかり見てしまうんですよね。声も艶があって、ついついうっとりと見つめ、聞いてしまいます。

≪東京、伊丹、可児、盛岡、富士見≫
第9回読売演劇大賞優秀作品賞受賞作品
出演=足立誠/猪股俊明*/大崎由利子*/大塚洋/荻野友里/木崎友紀子/志賀廣太郎/篠塚祥司*/高橋縁/天明留理子/根本江理子/羽場睦子*/ひらたよーこ/松田弘子/安田まり子/山内健司/山村崇子(50音順/*印は、旧金杉アソシエーツより参加)
原作ー金杉忠男 脚本・構成・演出=平田オリザ 舞台美術=杉山至×突貫屋 舞台監督=寅川英司×突貫屋 舞台監督助手=櫛田麻友美 照明=岩城保 衣裳=有賀千鶴 演出助手=工藤千夏 宣伝イラスト=マタキサキコ 宣伝美術=太田裕子 制作=松尾洋一郎、斉藤由夏、佐藤誠
3月19日(日)発売開始 前売・予約・当日共 一般4,000円 学生2,500円 高校生以下1,500円
公式=http://www.seinendan.org/

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Posted by shinobu at 11:50 | TrackBack

ウラジオストク青年劇場『かもめ』05/12-14シアターX

 登場するのは2人の作家(トリゴーリン&トレープレフ)と2人の女優(アルカージナ&ニーナ)という、4人芝居の『かもめ』。私は『かもめ』、大好きなんですよね~。
 ロシア語上演で字幕もイヤホンガイドもない状態で、大泣きしました~・・・! 俳優がとにかく凄いし、演出も面白いです。『かもめ』のストーリーをよくご存知の方に超お薦め!!
 原題は『ほら、これがおまえの劇場だ(VOT TEBEI TEATR)』です。

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 レビューをアップしました(2005/05/15)。

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。
 舞台は湖のある避暑地。ソーリン家の中での出来事。女優アルカージナ(ガリーナ・コプィロワ)とその愛人、売れっ子作家のトリゴーリン(アレクサンドル・ヴォロシャンコ)がやってくる。 息子トレープレフ(アンドレイ・トロフィーモフ)は母を喜ばせるために芝居を見せようとするが、失敗。愛するニーナ(ポステルナック・ラリーサ)さえも作家にうばわれ、母の愛も自分が望むかたちでは得られない。 そして去っていく母と作家と少女・・・。二年後、トレープレフは作家となり、母、トリゴーリン、そして女優になったニーナと再会する。
 ≪ここまで≫

 公式サイトに「※本公演はロシア語による公演です。俳優の演技を直に感じて頂くために、あえて字幕、イヤホンガイドは使用いたしません。」と書かれているのを読んで、少しは躊躇しました。でもNHK芸術劇場で観たマールイ劇場『かもめ』のこともあるので、思い切って足を運んでみたら大正解!途中10分間の休憩を含む刺激的な1時間50分でした。

 セリフは一切わからないのですが、声を音として味わい、流れるような動き全体をひとつの人間として受け取ることに集中しました。人間の声も動きも瞬く間に次々と変化し続けて、それがシャワーのように私に降りかかってきます。意味を考えないで舞台を観ていると、そのシャワーの粒を味わえるんですね。
 また、私は自分が憶えている『かもめ』のストーリーと、舞台で生まれる感情とを頭の中で結びつける作業をしながら、舞台上の人物をつぶさに眺めていました。すると、その人物の感情が手に取るように、まるで言葉を話しているかのごとく鮮やかに伝わっくるのです。今までにない演劇体験をした気がします。

 舞台中央に直径2m弱ぐらいの丸い台があります(高さは20cmぐらい)。その台の真上の天井から丸い輪が吊られており、輪にはステージまで届く長さの白い布が何枚も掛けられています。布は滑車で輪とつながっていますので、カーテンのように左右を自在に動きます。形状としては天蓋付きベッドの丸い天蓋のようです。台とカーテンで劇中劇の舞台になったり、ベッドになったり、カラフルな照明でさまざまな印象を与えるオブジェにもなります。この装置の他に使われるのは2脚の白いイスと白い自転車ぐらい。ごくシンプルなステージです。

 トレープレフ(アンドレイ・トロフィーモフ)の存在感がすごくどっしりとしていて自然体でした。トレープレフであり、俳優のアンドレイ・トロフィーモフさんであり、そして茶色いパーマヘアのがっしりしたロシア人男性でもある人物が、目の前に居ました。何も話さないシーンでも一人ではっきりと存在していて、「ただそこに居る」という演技の偉大さを再確認しました。

 アルカージナ(ガリーナ・コプィロワ)とトリゴーリン(アレクサンドル・ヴォロシャンコ)は全体的にふわふわ浮いたような足取りで、動きも話し方も少し大げさ目にデフォルメされているように見えました。ただそのデフォルメが非常に効果的で、人物の性格・体質を細かく表現できているので、驚かされたり笑わせられたりしつつ、面白く拝見しました。全部計算で作っているんだろうと思うと、その技術レベルの高さにゾっとしますね。

 ニーナ(ポステルナック・ラリーサ)は若くて可愛いくて、無邪気で純粋なことだけが取り柄の大根役者として描かれていました。ヘアメイクもドレスお世辞にも美しいとはいえないダサさで、田舎者が都会のセレブに夢中になってもてあそばれるという流れがあからさまでした。それが黒装束の男装でトレープレフのもとに帰ってきた時は、すっかりスレて疲弊していて・・・最後のニーナの独白はそれまでとの違いが鮮明で、凄みがありました。

 私がぼろぼろ泣いてしまったシーンは2箇所。
 トレープレフがかもめを撃ち殺した後、トリゴーリンに夢中になってしまったニーナに向かって、あきらめと憤りの混じった感情でぶつかっていくシーンと、トレープレフがアルカージナに包帯を巻いてもらいながら、母親への無邪気な愛と子供ならではの甘え、そしてトリゴーリンへの嫉妬と怒りがごちゃまぜになってしまう親子喧嘩のシーンです。

 演出意図がはっきりとしていて、意外な解釈もありました。ニーナに心奪われたトリゴーリンを年増のアルカージナが取り戻す方法が、まさか色仕掛けの寝技とは(笑)。また、ニーナが大根役者だったという設定も大胆だなと思いました。
 アルカージナが『ロミオとジュリエット』の第四幕三場のジュリエットのセリフを演じるところも素晴らしかったですね。白いカーテンを体に巻きつけての大熱演でした。ジュリエットのセリフの最後の最後でちゃかした演技をして、熱演を昼下がりのお遊び(アルカージナはニーナに演技を披露していた)に戻すのも、プロの中のプロだな~と思いました。

 映画「ゴッドファーザー」の音楽(「愛のテーマ」だったかな)が何度か流れたと思うのですが、「ゴッドファーザー」というとあるイタリア人家族の悲劇物語で、家族同士の裏切りや親類殺しなどが頭に浮かびます。『かもめ』と意味を重ねているのかしら。そうだとしても選曲はちょっとメジャーすぎるんじゃないかと思いました。他にもとっても有名な曲があったんですが私にはわからず。

出演=トリゴーリン:アレクサンドル・ヴォロシャンコ(ロシア功労俳優)/アルカージナ:ガリーナ・コプィロワ(ロシア功労俳優)/ニーナ:ポステルナック・ラリーサ/トレープレフ:アンドレイ・トロフィーモフ ※ニーナ役の予定だったアンジェリカ・トロフィーモワは病気のため降板。
ロシア側スタッフ⇒作=A.P.チェーホフ 企画=ウラジオストク青年劇場 芸術監督=ビクトル・ガルキン 美術=ビクトル・シマトーク 照明=ドルィギン・ワレンチン 音響=メリニコフ・エブゲーニー ウラジオストク青年劇場来日公演実行委員会=中本信幸/平樹典子/高橋竜也/新田満/田代紀子 日本側スタッフ⇒舞台監督=山内榮治 舞台監督助手=山田武 照明=石田道彦 解説=清水柳一 チラシイラスト=Kaolly 通訳=パーベル・フョードロフ/松川直子/久保遥
前売:4,000円 当日:4,200円(全席自由)
公式=http://www.theaterx.jp/06/060512.shtml

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Posted by shinobu at 01:40 | TrackBack

2006年05月12日

文学座+青年団『チェンジングルーム』05/10-14こまばアゴラ劇場

 とうとう始まりました、文学座+青年団自主企画交流シリーズ
 『チェンジングルーム』は想像していたよりもずっとずっと熱くて、むしろ暑苦しいお芝居でした。一緒になって興奮しちゃったな~、私。こういう言い方はナンですが、男性の裸体ファンの方、必見(笑)。

 色んな劇団からさまざまな役者さんが集まっていて、いわば役者さんの異種格闘技状態。観劇フリークの私にはこたえられないお楽しみでした~。
 舞台写真などが充実したブログ⇒チェンジングルーム紹介します (2006/06/12追加)

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 ≪あらすじ・作品紹介≫ 公式サイトより
 1971年英国ロイヤルコート劇場で世界初演、その後グローブ座での上演を経て、1973年にはブロードウェイにも進出。日本では文学座の坂口芳貞氏演出により1983年に文学座アトリエ、1989年紀伊國屋ホールにおいて上演され、好評を博した。
 とある炭鉱の街で行われているラグビーの試合当日の更衣室(The Changing Room)を舞台に、それぞれの人生を背負いながらも一つの目的に向かって遮二無二走り続ける男達の物語。
 ≪ここまで≫

 舞台はラグビー場付属の更衣室。観客は、試合が始まる前から終わった後までのおよそ半日間を、定点カメラになった気分で眺め続けることになります。登場するのはラグビー選手およびそのチームのオーナー、秘書、監督など。

 選手たちがぞろぞろと集まってきてウォーミングアップをし、掛け声をかけあって雄たけびをあげて、とうとう試合開始!・・・というところまでがサイッコーに楽しかった!選手たちはわざと闘争心をかきたてて興奮状態へと持っていくのですが、役者さんが本当に熱くなっていくので、それが空間全体に広がって観客の私も盛り上がりまくっちゃいました。

 用具係女の子・ハリー(山本裕子)は常に冷静で、選手たちの罵声・暴力をものともせず黙々と仕事(清掃・雑用)を続けます。人生は汚す、拭く、汚す、拭くの繰り返し。そして汚す人と拭く人は別なんですね。汚した人は汚しっぱなし。拭いても拭いても汚されて、ずっと拭き続ける人もいる・・・でもどちらが幸せかという問題じゃないんだよね~・・・などと想像しました。

 選手がラグビー場に来る前、試合に出ている最中、試合が終わって家に帰った後など、ハリーがポツンとたたずむ静かな更衣室の空気がすごく気持ちよかったです。“戦い終わって”とか“祭りの後”というような言葉がありますが、にぎやかさの後にやってくる静寂って美しいし、恐ろしいですよね。
 選手たちの熱さが本物だったし、ハリーの存在が自然でしっとり落ち着いて見ていられたので、そういう二極対立の世界観が際立って伝わってきました。欲をいえば二極じゃなくてカオスも感じたかったですね。喧騒と静寂の対立が目立って、その間(=世界そのもの)が見えづらかったように思います。

 ここからネタバレします。

 若い演劇人が本気で、体当たりで作っている熱のこもったお芝居だからこそ、もっともっと上を期待しちゃいます。そういう意味で下記、書かせていただきます。

 選手たちが試合へと向かっていくまでがあまりに面白かったし、私がほぼそれで満腹状態だったのもあって、試合が終わった後にみんながシャワーを浴びているシーンは少々退屈しちゃいました。試合の前にわざと心をひとつにすることってよくあると思いますが、試合が終わったらもっとバラバラになるんじゃないかしら。緊張が完全に解けた状態の人間って、もっともっと勝手になると思うんです。実は全然仲良くない人がいたり、知性派と肉体派で派閥争いみたいなのがあったり、全然興奮していない(どころか興奮を毛嫌いしている)人もいたりするんじゃないかな。

 監督役の高橋克明さん(文学座)が登場したとき、「あぁ高橋さんがアゴラに出てる!青年団の役者さんと一緒に!!」っていうだけで可笑しくって仕方なかったです。これはフリークならではのお楽しみ♪ こういう企画をもっともっとやって欲しいなって思います。

 でも、こういう破天荒なキャスティングだから仕方ないのかもしれませんが、役者さんの存在の仕方に良くないバラつきがあったのは残念ですね。女性オーナー(山谷典子)がオーナーに見えなかったのが一番もったいない気がしました。それもあってオーナーの秘書(田原礼子)も浮いてしまったんじゃないかな。女優さんは3人だけなので特に気になるんですよね。

 チラシの写真って、まじまじと眺めてやっとわかったんですが、これは泥まみれになった足ですね?手のバージョンもあるような。

文学座+青年団自主企画交流シリーズ第一弾 "THE CHANGING ROOM" by David Storey
出演(◎=文学座 ★=青年団)=芦原健介(スロウライダー)、井上幸太郎、太田宏★、鍛治直人◎、河村竜也★、 佐藤誠★、椎原克知◎、島田曜蔵★、下薗琢磨、菅原直樹、高橋克明◎、田中美央(俳優座)、田上豊(田上パル)、 田原礼子★、西村和宏★、バビィ(桃唄309)、山田宏平(山の手事情社)、山本裕子★、山谷典子◎、 横山祥二◎、好宮温太郎(タテヨコ企画)、渡辺陽介(フラジャイル)
演出:桜井秀峰(青年団) 作:デイヴィッド・ストーリー 翻訳:坂口玲子 舞台美術:田中英一 ベンチ制作:速水盛太郎 照明:伊藤泰行 宣伝美術:ドラゴン・ヤー 写真:山本尚明 ダイアローグライター:工藤千夏 制作:佐藤誠 主催:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 共催:文学座・青年団
予約・当日共 一般3,000円 学生2,500円(要学生証提示)※日時指定・全席自由・整理番号付 通し券 9,000円(取り扱い先は青年団のみ)
公式=http://www.komaba-agora.com/line_up/2006_5/bs-agora.html#change

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Posted by shinobu at 11:36 | TrackBack

2006年05月11日

【雑誌】復活!音楽座ミュージカルの魅力(シアターガイド2006年6月号)

 “音楽座ミュージカルの魅力をひも解いていく”記事がシアターガイド5月号から連載されています。「Part.2 ワームホールプロジェクトとは何?」の記事で、とっても感動した言葉があったのでご紹介します。

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 音楽座ミュージカルの脚本・演出は“ワームホールプロジェクト”となっており、個人名ではありません。「脚本、演出、音楽、振付、美術、衣裳、照明などを担当するプロデューサーが集まり、脚本&演出プラン(ミュージカルの全要素を加味したもの)を練り上げ、そこから脚本づくりが始まる」という音楽座独特の作品創りについて詳しくインタビューされていました。

 代表で総合演出を手がける相川レイ子さんの言葉です。
 「ミュージカルを始めた時、私は、子供のころからずっと欲しかった“希望と勇気の物語”を創らずにいられなかった。決して希望のないネガティブなものは創らない、斜に構えず、すべて直球で勝負するミュージカルを創ろうと思いました。“人はなぜ生きるのか”“人はなぜ死ぬのか”という生存への疑問ではなく、生命は永遠の存在であることを肯定し、生きることの苦しみすべてを受け止めたうえで、“いかに生きるか”をテーマとした作品創りをしようと。深い迷いや心の傷を負った主人公がその絶望の淵を乗り越えて再生していく物語こそが、生きることへの疑いを晴らし、その確信をつかむ最良の方法だと思ったのです。」

 あぁ・・・打ち込んでて泣けてくる(感涙)。
 私は『アイ・ラブ・坊ちゃん2000』を新国立劇場 中劇場で観劇して以来の音楽座ミュージカルの大ファンです。次回の『泣かないで』がとっても楽しみ!

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Posted by shinobu at 10:39 | TrackBack

SHOW-GO PRODUCE『ENDING NOTE(エンディング・ノート)』05/10-14THEATER/TOPS

 鈴木省吾さんがプロデュースするSHOW-GO PRODUCEの第1回公演です。豪華キャストでチケットは早々と完売していました。当日券は用意されているようです(当日券は開演の1時間前より発売)。

 脚本は明日図鑑の牧田明宏さん、演出はウォーキング・スタッフの和田憲明さんということで、予想はしていましたが、上手い役者さんと緻密な演出のおかげで、気分の悪いこと極まりない展開の(笑)、濃密な会話劇に仕上がっていました。私は前から2列目の席だったこともあってか、ものすごく疲れました・・・が、最後の最後にストンと腑に落ちて、心地よい疲れとなりました。

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 ≪あらすじ≫ 予備知識なしで観るのが面白い気がするので、さわりだけ書いておきます。
 都会から農村に移り住んできた2組のカップル。村の人々と少しずつ仲良くなり、農業にも慣れてきたように思っていたが、ある事件を機に歯車が狂いだす。
 ≪ここまで≫

 人間はどんなにきれいに生きようとしても、なかなか聖人のような人生を送ることはできません。そして年を取れば取るほど大きく、厚く積み重ねられた過去が足かせになって、生きることがどんどん困難になっていきます。すべてやり直したい、新しい人生を生きたいと願っても過去を捨てたり消したりは決してできないから、人間はドス黒く絶望してニヒルになったり、開き直って捨て身になって幸せになろうとしたりするんですよね。
 欲望と悪意にまみれた人間の汚さをとことん描ききり、何事も決して望み通りにはならない残酷な運命を見せることで、最後には全てへの愛と許しが見えた気がしました。疲れたけどとっても充実した演劇体験になりました。

 ここからネタバレします。

 2組のカップルとは元リサイクル・ショップ店主の白井(宇納侑玖)とその妻・美那子(小林愛)と、元大学講師の暮石(多根周作)とその妻・茜(佐伯花)です。赤の他人同士の一軒家での共同生活が少しずつ崩壊していきます。最初からいかにも幸せそうに装ってるぎこちなさと、気まずいムードが流れていました。こういう細かい演出をじっくり味わえるのが何より嬉しかったです。

 都会の人と田舎の人との間の大きな溝を核に、登場人物一人一人のバックグラウンドがしっかり書きこまれた脚本でした。堅く決心していた約束を自ら破ったり、隠し通してやりすごそうと思っていたことがバレたり、命がけで逃げてきたのに発見されてしまったり、物事がことごとく暗い方へと向かいます。でも全く降らなかった雨が最後の最後に降り始めて、赤ん坊を抱く女がいて・・・というエンディングで、胸が悪くなるほど醜い人間が、可愛らしく、いとおしい存在になったように感じました。

 東京から地方へ移り住んだ白井たちを取材しにやってきた、女性記者(松山美雪)とカメラマン(森山栄治)の過剰な主従関係(女がボスで男が奴隷)が笑えました。終盤でその関係がひっくり返ったのも痛快でした。ずっと気持ちを抑制していたカメラマンが、上司(=記者)をぐいっと引っ張ったのには胸キュンでしたね(笑)。

 シーンとして一番臨場感があってゾクゾクしたのは、元ヤクザの村上(鈴木省吾)と年下のヒットマン・森(別紙慶一)が向かいあうところ。村上がこっそりとカバンの中から銃を取り出したのが、森に見つかったか見つからなかったか・・・という無言の間が最高にかっこ良かったです。森が村上に銃を向ける前に、少しなみだ目になって迷った(演技をした)のも、このシーンの真実味をぐっと増していたと思います。
 エンディング・ノートってこんな意味なのかしら。だとしたら最後に村上が森に連れて行かれる前に、書き残したメモがそれになるのかな。

 一番笑ったのは記者(松山美雪)の足をむりやり村上(鈴木省吾)が揉むシーン。村上の異常なポジティブさに加えて、彼らを見つめる周りの人たちのリアクションがそれぞれにリアルだったんですよね。
 美那子の妹(佐伯花)が白井(宇納侑玖)を誘惑して濃厚にキスしはじめた時、美那子が乳飲み子を連れて帰ってきます。あのタイミングも展開もありがち過ぎて爆笑でした。
 こういった、クソ真面目にやるからこそ笑えるところがもっとあれば、作品の厚みが増すんじゃないかなと思いました。

 役者さんでは自動車整備工役の山本了さんが強烈でしたね。いやらしい笑いとかずけずけした態度とか、本当に気持ち悪くて良かった(笑)。女性記者役の松山美雪さんの大胆なヒステリー気味の演技も、あそこまで振り切れていると潔くてかっこ良かったです。カメラマン(森山栄治)もセクシーだったな~。

出演=小林愛(TEAM発砲・B・ZIN)/鈴木省吾/三鴨絵里子(ラッパ屋)/森山栄治(*pnish*)/鶴水ルイ/宇納侑玖(ラッパ屋)/廣瀬麻衣/佐藤治彦(経済とH)/松山美雪/多根周作(ハイリンド)/山本了(同居人)/佐伯花/ユータ/別紙慶一
作=牧田明宏(明日図鑑) 演出=和田憲明(ウォーキング・スタッフ) 照明=佐藤公穂 音響=小笠原康雅(OFFICE my on) 音響協力=長柄篤弘/徳久礼子 美術=塚本祐介 舞台監督=蓮樹謙 意匠協力=木村猛志(衣匠也) 宣伝美術=石曽根有也(らくだ工務店) 宣伝写真=福島裕二 宣伝写真助手=清水隆裕 Web制作=廣瀬麻衣 制作=津田はつ恵/山内三知/菊池摩美 制作協力=THEATER/TOPS 企画=鈴木省吾/小林愛/和田憲明
前売3300円 当日3500円(全席指定) 前売発売日:3月19日
公式=http://www.show-go.net/

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Posted by shinobu at 00:45 | TrackBack

2006年05月10日

大人計画『まとまったお金の唄』05/04-28本多劇場

 松尾スズキさんが作・演出される大人計画。プラチナチケット公演です。補助席も通路座布団席も満員。当日券のお求め方法はこちら

 わお!って衝撃を受けて、いくつものセリフに感動して、でもいっぱい笑っちゃうから最後には全部忘れてしまっていて・・・ロビーで販売されていた戯曲本を買って帰りました。
 松尾スズキさんの脚本って、読んでも全然それが舞台の上に乗った状態を想像できないんですよね。この言葉があんなセリフ・動作・演出になるなんて!って、驚きの連続。それは大人計画の役者さんの凄さでもあるんでしょうけど。今回もやっぱり阿部サダヲさんにノックアウトされました。

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  レビューをアップしました(2006/05/12)。

 ≪あらすじ・作品紹介≫ 戯曲本の帯より引用。
 窓から太陽の塔、見えるで。
 1970年代の大阪を舞台に、ウンコな哲学者や女性革命家たちの巻きぞえをくらい、母娘三代、“お金に泣かされっぱなし”な家族の物語。
 ≪ここまで≫

 上演時間は約2時間15分(休憩なし)。聞きたいセリフが聞こえなくて、予想を裏切る展開に驚かされて、どんどん置いてきぼりをくらって(ついて行くだけで超楽しいんですが)、笑いのためだけのネタに本気でいっぱい笑わせられて・・・カメラのフラッシュのように瞬間的にすっごく眩しく感じる出来事が、どんどん私を襲ってきました。私はやむを得ずずっと受身だったのに、大人計画の世界に参加させてもらっている気分になっていました。そして何がなんだかわかってないクセに最後にじ~んと感動・・・。感動してる自分にびっくりしました。

 どこか(たぶんここ)で読んだのですが、「大人計画に入りたい」という人に対して宮藤官九郎さんが、「大人計画に入っちゃうと、大人計画の芝居が観られないよ」とおっしゃっていたんです。その意味がわかった気がします。脚本や演出、役者さんが面白いとか、装置がイってるとか、そういう「演劇を味わう感覚」ではなかったんですよね。私は大人計画を味わっていたんだと思います。
 大人計画はこんなに有名になって人気があるのにチケット代は前売5,800円です。9000円にしたって売り切れるんじゃない?って思いますよね。でもお値段据え置き。そういうところにも大人計画という存在の重さを感じます。

 私が今までに観た松尾スズキさんの作・演出作品(等)の中で衝撃の大きかった順番は、『エロスの果て』>『業音』>『まとまったお金の唄』です。

 ここからネタバレします。

 キリスト様、仏様、ひょうきん族の神様、酔っ払いなどがぞくぞくと登場し、映画「タイタニック」やジュディ・オングの「魅せられて」と同化していくオープニングで、まず私の頭はすっかり混乱。どうせーっちゅうねん!って、心の中で大笑いしながら叫びました。

 私には珍しくいっぱい、いっぱい笑わせていただきましたが、一番笑ったのは警察官役の松尾スズキさんが蒼木家にやってきたシーン。なぜか何度も犬にかまれるの。全然脈絡ないし関係ないし意味ないから爆笑(笑)。

 最後の唄に感動。下記、戯曲本より引用します。
 (ジョン・レノン『イマジン』のメロディーで)

  想像してみいひんか
  家もなんものうなって
  着るもんものうなって
  わしらウンコとなんぼちゃうねん
  立ってるだけで うーううう

  クチでもの食べるのと
  おいどから出すのと
  神さんの目えからしたら
  どんだけちゃうっちゅうねん うーーーううう

  まとまったお金ほしいな
  リアルな話
  まとまったお金があれば
  唄(うと)てられるから

≪東京、大阪≫
出演=阿部サダヲ/市川実和子/宮藤官九郎/伊勢志摩/村杉蝉之介/荒川良々/近藤公園/平岩紙/内田滋/菅原永二/松尾スズキ
作・演出=松尾スズキ 舞台監督=舛田勝敏 照明=佐藤啓 音響=藤田赤目 舞台美術=松井るみ 音楽=門司肇 衣裳=戸田京子 ヘアメイク=大和田一美 映像=ムーチョ村松/吉田りえ(トーキョースタイル)  演出助手=大堀光威/佐藤涼子 チラシタイトル文字・イラスト=羽生生純 宣伝美術=吉澤正美 制作=長坂まき子 企画製作=大人計画/(有)モチロン
3/19発売。前売5,800円 当日6,000円(全席指定)
公式=http://www9.big.or.jp/~otona/

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Posted by shinobu at 15:38 | TrackBack

【情報】『演劇入門!』STUDIO VOICE 2006年6月号

 STUDIO VOICE(スタジオ・ヴォイス)で演劇の特集が組まれています。内容を箇条書きでまとめてみました。

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■対談:本谷有希子(劇団、本谷有希子)×乙一(作家)

■最重要作家ガイド5
・本谷有希子(劇団、本谷有希子)
・倉持裕(ペンギンプルペイルパイルズ)
・岡田利規(チェルフィッチュ)
・上田誠(ヨーロッパ企画)
・福原充則(ピチチ5)

■演劇体験の輪郭~長塚圭史インタビュー

■今最も面白い劇団23(あいうえお順)
・明日図鑑
・Oi-SCALE
・グリング
・毛皮族
・劇団桟敷童子
・五反田団
・三条会
・THE SHAMPOO HAT
・シベリア少女鉄道
・スロウライダー
・双数姉妹
・天然スパイラル
・東京デスロック
・蜻蛉玉
・庭劇団ペニノ
・野鳩
・hi-bye(ハイバイ)
・表現・さわやか
・ポツドール
・マーク義理人情
・モダンスイマーズ
・ONEOR8(ワンオアエイト)
・演劇プロデュースというスタイル KERA・MAP

■読むべき戯曲リスト13
『舞台は踊る』扇田昭彦
『ふくすけ』松尾スズキ
『愛の渦』三浦大輔
『ワンマン・ショー』倉持裕
『シブヤから遠く離れて』岩松了
『海賊』青木豪(『悲劇喜劇』2006年5月号に掲載)
『乱暴と待機』本谷有希子(『せりふの時代』2006年冬号に掲載)
『鈍獣』宮藤官九郎
『演劇入門』平田オリザ
『パンドラの鐘』野田秀樹
『演劇は道具だ』宮沢章夫
『三月の5日間』岡田利規
『カラフルメリィでオハヨ』ケラリーノ・サンドロヴィッチ

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Posted by shinobu at 15:15 | TrackBack

2006年05月07日

王子小劇場企画「筆に覚えあり」リーディング公演『夕鶴~生きづらさAとハイスコアB~』05/06-07王子小劇場

 王子小劇場の「筆に覚えあり」新作戯曲選考に初めて選ばれた戯曲のリーディング公演です。
 「風俗のお店で 若い女の子が だらだら喋るおはなし」で上演時間は約45分。脚本は小沢哲人さん、演出はスロウライダーの山中隆次郎さんです。

 役者さんがとっても良かったし演出の工夫も楽しめました。小劇場の若手演劇人の底力を見せていただけたように思います。ポストパフォーマンストークでも若手の作・演出家らが登場し、王子小劇場が作り手と一緒に独自のスタイルを立ち上げ、育てていこうとしている熱気を感じました。

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 ≪あらすじ・脚本紹介≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。改行を変更。
 舞台は風俗店。女の子たち(松浦和香子、内山奈々、山口奈緒子)の控え室。店長(板倉チヒロ)が売上を持って失踪してしまったのを機に、業務整理が行われることになり、給料が減らされる。息子(板倉チヒロ)を心配する母親(稲川実代子)、急に店長になってしまったボーイ(數間優一)。新人の女の子、慣れてしまった女の子たち。いつもどおりの風景、いつもどおりの対話。そのなかに潜み、うつろう心の揺れを、鮮やかに描く作品。
 ≪ここまで≫ 

 公式サイトでは上演台本が読めますし、脚本家と演出家の対談もあって充実しています。私は前情報がない方が好きなので、脚本もあらすじも全く読まないで拝見しました。

 ここからネタバレします。

 舞台手前中央に控え室のセットがあります。ぶっきらぼうなテーブルとイス。テーブルの上にはペットボトルや灰皿、雑誌など。舞台奥に並べられたイス5脚(手前に3脚、その奥に2脚)には、風俗店で働く女の子3人と新店長役の役者さんが座って朗読します。上手には小さなカウンター・テーブルがあり、ト書きと店長役の板倉チヒロさんが脚本をそのテーブルに置いて、ふらふらとリラックスして立っています。板倉さんは時々たばこを吸ったりして、全般的に素行の悪そうな振る舞い。イスに座って朗読する女の子たちはそれぞれ一役を読むのではなく、次々と役を変わっていきます。一人ずつ控え室の方に座って、本は読まずに演技をすることもあります。照明の演出もちゃんとあって(退場した人物のサスを消したり、柱にピンク色の明かりを当てたり)劇空間としても退屈しませんでした。

 くぐもった音のJ-POPが流れ続ける中、金をもらって性的奉仕をする若い女の子たちの、頼りない言葉たちがつぶやかれます。店の売り上げを持ち逃げした店長が一度だけ姿を現すのですが、それ以外は淡々と過ぎる風俗店の日常。
 失踪した店長の母親は毎日、店に様子を見に来ます(登場は一度だけ)。母親役の稲川実代子さんは役の実年齢に近い役者さんで、唯一台本を持たずに演技をする人物でした。控え室のイスに腰掛けて、誰も座っていない席に向かって話をします。素晴らしい存在感でしたね。地に足をつけて人生を生きている人と、体を売って(体を売るのをあっせんして)浮遊している女の子・男の子たちとの対比が鮮やかでした。 

 イスは合計5脚並んでいますが、使う役者さんは4人(女の子3人と新店長)なので、下手奥のイスだけは最初から最後まで誰も座らないままです。最後は3人いる女の子の内の1人(山口奈緒子)が退場してしまい、影マイクでセリフを読んでいました。影マイクで人間関係の希薄さやディスコミュニケーションを描き、空っぽのイスで、体があっても心はそこにない、のっぺらぼうな日常を表しているのかなと思いました。後からお話を伺ったら、あれはいなくなった店長の席だったそうです。面白いですね。

 脚本にそれほど強烈な個性や魅力は感じなかったですが、もし舞台化されるなら、たとえば青年団での短編2本上演(例→)のイメージにハマるかなと思いました。上演時間がとても短いですしね。重要なことがト書きに書かれていることが多い脚本で、リーディング上演ではどうしてもうまく表現しきれない部分があるようです。そういう意味でも舞台化できればいいですね。


 ≪ポストパフォーマンストーク≫
 出演者=玉山悟(劇場職員)/小沢哲人(今作の脚本家)/ブラジリィー・アン・山田(ブラジル)/名執健太郎(smartball)
 
 小沢哲人さんは演劇関係の人とはちょっと異質というか、ギラギラしてなくて素朴な感じの方でした。トークの舞台上にいながら計算とかは全くしていない雰囲気で(笑)、若いな~と思いました。

 名執健太郎さんとブラジリィー・アン・山田さんは今年の秋に開催される佐藤佐吉演劇祭に参加されるそうで、その公演についての意気込みも話されました。私の胸に残った一言↓(言葉は正確ではありません)
 名執健太郎さん「観た人が死にたくなるような芝居を作りたい。」
 ブラジリィー・アン・山田さん「絶望の中の小さな希望、本当のことを書きたい。」

 終演後に演出の山中隆次郎さんとお話する機会が得られました。俳優の身体、生理についてしっかり考えたお稽古をされたそうで、ドラマ・リーディング公演という作品形態についても深く考えていらっしゃいました。女優さんは山中さんがお選びになったそうで、その人選は大成功していたと思います。

出演=松浦和香子(ベターポーヅ)/内山奈々(チャリT企画)/山口奈緒子(明日図鑑)/板倉チヒロ(クロムモリブデン)/數間優一(スロウライダー)/稲川実代子(菅間馬鈴薯堂)
作=小沢哲人 演出=山中隆次郎(スロウライダー) 照明=吉村愛子(fantasista?ish) 音響=平井隆史(末広寿司)
ポストパフォーマンストークあり 5月6日(土)20時=小沢哲人 + ブラジリィー・アン・山田(ブラジル) + 名執健太郎(smartball) 5月7日(日)15時=小沢哲人 + 山中隆次郎(スロウライダー) + 土屋亮一(シベリア少女鉄道)
前売1500円 当日2000円(前売当日とも上演台本付き)
公式=http://www.en-geki.com/
公演公式=http://www.en-geki.com/yuzuru.html

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Posted by shinobu at 14:28 | TrackBack

2006年05月05日

劇団、本谷有希子(アウェー)『密室彼女』05/03-09ザ・スズナリ

 小説家の乙一さんが書き下ろした2本の原案プロットを元に、本谷有希子さんが脚本を書いて演出されました。緊張感ただようガチンコ三人芝居で、ちゃんとミステリーで、笑いもいっぱいだし恋もあります。本谷さんならではのちょっと危ないエロスも、ストイックなムードの中に溢れます。私ったら静か~なシーンで超興奮しちゃいましたよ!「あれで興奮ってやばくない?」って聞かれそうだな、ええ、私ヤバイかも!(笑)

 前売りは完売ですが、当日券は毎回発行されるそうです(お求め方法はこちら)。どうぞお見逃しなく!
 豪華「ネタバレ」ガイドブックを入手して観劇後に読めば、味わい倍増!深み倍増!本谷さんの凄さをまたもや身をもって確かめることになりました。

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 レビューを最後までアップしました(2006/05/09)。

 ≪あらすじ≫ ネタバレになるので部分だけです。
 乱立するビルに囲まれて偶然できた実質上の密室空間。四方を壁に囲まれて外に出ることはできない。助けを呼ぶ声は届かないし、携帯の電波もつながらない。ビルの上から自転車と一緒に落ちてきた女(吉本菜穂子)は、そこで暮らす男・マナベ(加藤啓)と出会う。
 雨水を飲み、上から降ってくるかきもちを食べて生き延びながら、マナベと女は助けを待っている。女は自分がなぜビルから落ちたのかが思い出せない・・・そうだあの日、自転車でのコンビニ帰りに、大きなトランクを運ぶ2人の男(加藤啓&杉山彦々)に出くわして・・・。
 ≪ここまで≫

 上手前に向かって斜め下方向に、やんわりと八百屋舞台になった四角い舞台。密室という設定ですが、壁およびドアがどっしりと立っているのは舞台奥だけで、基本的には細い柱だけで空間が区切られているため開放感はあります。劇場の黒い壁も露出しており、演劇的な趣向が凝らされた美術です。壁、柱をはじめクローゼットやデスク、洗濯物を干す竿も白く塗られて、舞台全体は白い世界。白といっても真っ白ではなく、白樺の木肌のようにザラっとした質感で、ところどころ鉄の赤錆びが染みています。中根聡子さんの美術にはいつも舌を巻きます。

 ここからネタバレします。セリフは完全に正確ではありません。

 ビルの谷間⇒ ハルコ=吉本菜穂子/マナベ(須藤が演じている)=加藤啓
 マンションの一室⇒ 翔子(ハルコが演じている)=吉本菜穂子/須藤=加藤啓/深沢=杉山彦々

 オープニングの音楽が素晴らしかったですね~。選曲も、じわっと大きくなる音量も、自転車が落ちる音とのミックスも絶妙でした。暗転して明るくなった時、自転車のタイヤがぐるぐる回っていたのも効果的。かっこ良かったな~。
 ハルコ(吉本菜穂子)が落ちてきたビルの谷間と、彼女が回想するマンションの一室など、照明の変化だけで場面転換します。これが見事でした。最初にハルコがコンビニで買い物(万引き)をするシーンなんて、本当に音と照明の変化(と演技)だけで成立していて、ちょっと鳥肌が立ちました。

 ギャグも本当に面白くっていっぱい笑いました。言葉の選び方が絶妙ですよね。役者さんの演技ももちろん上手かったです。
 ビルの谷間の空間で、クローゼットをトイレとして使うマナベとハルコ。マナベが大便をした直後にハルコが入ろうとすると、マナベが必死で止める。匂いをかがれるのがものすごく嫌らしい。
 マナベ「(匂い判定)専門のレフェリー呼んできて!」「(君は)そこ(部屋の真ん中)ですればいいじゃない!」
 ハルコ「雑なこと言わないでください。」

 ゲイの深沢(杉山彦々)は須藤(加藤啓)を愛しており、須藤と恋仲だった(?)同居人の翔子を殺してしまいました。その死体をトランクに詰めて運んでいたのをハルコに目撃され、2人はハルコをマンションに軟禁します。軟禁されたハルコはとっさに記憶喪失のふりをします。ハルコが本当に記憶喪失なのかどうかを突き止めるために、深沢と須藤は「お前は俺たちと一緒に住んでいる翔子だ」と嘘をつき、ハルコがぼろを出すのを待つのです。死んだ翔子は奔放でわがままな女で、2人に対してかなりの暴君だったようで、ハルコは自分の正体に気づかれないよう、必死で翔子の真似をしはじめます。
 翔子(=ハルコ)「あいつ(須藤)食べたらすぐうんこじゃん。なにあれ。胃が肛門?」

 殺された翔子の日記に「須藤はマゾかもしれない」と書かれているのを見つけ、翔子は須藤に対してサディスティックな態度をとります。それに惹かれる須藤。「(床に頭を)つけて」とハルコが須藤に凄むシーンはいわゆるSMプレイ。背筋にゾクゾクきましたね!ぎりぎりのところで深沢を登場させて、須藤にアーノルド・シュワルツェネッガーの真似をさせてギャグにして、その緊張感を逃してしまうのもかっこいい!

 須藤とハルコが部屋の中で自転車の二人乗りをするシーンは絶品でした。それぞれの素性がばれないようにしつつ相手の腹を探る駆け引きと、互いにほんのりと抱いている恋心が混ざり合い、抑制した色気に満ちた男女二人芝居になっていました。
 (どのシーンだったかは忘れてしまいましたが)須藤に「翔子とは全然違うな」と優しくつぶやかれたハルコが、塗っていた翔子の口紅をぬぐうのも良かった!「私のことを見てほしい」と思う乙女心ですよね。
 こっそり逢引されたと思って激怒した深沢のセリフに爆笑しました。
 深沢「(これって)“本当は怖い『耳をすませば』”!?」

 須藤が深沢を殺してしまった(ハルコにぼろを出させるために須藤と深沢がひと芝居打ったのですが)後の、須藤とハルコの会話がものすごく切なくて素敵でした。盗みばかりして生きている女と、マゾの塾講師との間に倒錯した恋が淡く浮かびました。
 須藤「怒ってみてよ、俺に。」
 ハルコ「人、殺すなよ。」
 須藤「そうだよね。」
 ハルコ「人、殺すなよ~。」
 須藤「そうだよね。」

 深沢が死んだ(とハルコが思い込んだ)後、ハルコは屋上から自転車と一緒にビルの谷間に落ちてしまいます。これが、“ハルコの目の前に頭から血を流す男(マナベ)と自転車が倒れているオープニング”につながるんですね。ハルコは廃棄されたベッドのスプリングの上に落ちたので、命は無事でしたが記憶をなくしていました。
 須藤は落ちていくハルコを窓から目撃し、彼女を追いかけてビルの谷間に行きます。だから、落ちてきた自転車の呼び鈴が須藤の頭に当たっていたというオープニングは、時間が逆転しています。
 また、生きていた時の翔子(登場しない)が、深沢が10年かけて集めた四コマ漫画のコレクションを窓から捨ててしまったというエピソードがありました。終わり間際のシーンで、記憶を取り戻したハルコと素性を明かしたマナベ(=須藤)の上に漫画の切り抜きが降り注ぐのも、時間が逆になっているんですね。そして最後の告白ゼリフにうっとり♪
 ハルコ「(この部屋は)時空ゆがんでんの!?」
 マナベ(=須藤)「世界がこんなにゆがんでるんだから、あんたの性格なんてゆがんでないも同然だよ。」

 もう一回観られたら、またすごく面白かっただろうな~・・・屋上から落ちていくハルコを見てから須藤はビルの谷間へと追いかけたのだから、オープニングから谷間にいた須藤は最初っからハルコのことを愛していたんですよね・・・あぁなんてロマンチックなの!! 
 ビルの谷間でハルコと一緒に家族を作ろうと妄想するマナベに、つとめて冷静にしていたハルコが激怒します。
 ハルコ「面倒くさいんです、あなた。将来設計の中に私を組み込まないでよー!」
 この激怒がマゾの須藤にはいとおしかったのでしょう。大喧嘩のように見えていたのに、実は恋心がさらに深まるシーンだったんですね・・・ステキ!

出演=加藤啓(拙者ムニエル)/吉本菜穂子/杉山彦々
原案=乙一(おついち) 脚本・演出=本谷有希子 舞台監督=宇野圭一+至福団 舞台美術=中根聡子 照明ー中山仁(ライトスタッフ) 照明操作=萩原賢一郎(ライトスタッフ) 音響=秋山多恵子 映像協力=♀GUCCI♂(帝斗創像) 舞台監督助手=スズキサオリ/鈴木美幸/細淵裕子 小道具製作=長谷川ちえ 演出助手=福本朝子 イラスト=古屋兎丸 宣伝美術=金田介寿 宣伝写真=引地信彦 WEB製作=関谷耕一 制作助手=嶋口春香 助成=(財)セゾン文化財団 制作=寺本真美(ヴィレッヂ) 後援=ニッポン放送 企画・製作=劇団、本谷有希子
4/1(土)発売。指定席3,500円 自由席3,300円
公式=http://www.motoyayukiko.com/index.shtml
イープラス=http://mars.eplus.co.jp/ss/kougyou/syosai.asp?kc=010891&ks=10&os=474
エキサイト=http://www.excite.co.jp/book/news/00101143390875.html

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Posted by shinobu at 22:09 | TrackBack

【お知らせ】5月6日(土)夜にFM西東京「たけがき2」に出演します

 FM西東京の演劇情報番組「たけがき2」に出演いたします。毎月第一土曜日のレギュラーです。
 今回は前半に寿団『おとこたちのそこそこのこととここのこと』の感想をお話して、5月の大御所公演をサラっとご紹介。後半は5月に観られるお薦めお芝居(チケットが取れるもの)を3本ご紹介します。

 西東京市およびその周辺地域でお聴き頂けます。

 5月6日(土)21:30~22:00(の内の約10分間)
 FM 84.2MHz

 たけがき2(ツー):http://takegaki.k-free.net/

Posted by shinobu at 13:14 | TrackBack

2006年05月04日

黒テント『西埠頭』04/19-05/14 theatre iwato

 黒テントによる、フランスの劇作家ベルナール=マリ・コルテスの2作品交互上演です。先行レビューを読んで観に行くことにしました。⇒藤田一樹の観劇レポートほぼ観劇日記
 コルテスの作品は2000年に世田谷パブリックシアターで『ロベルト・ズッコ』を観ましたが、あの時もよくわからなかったんですよね。そして今回も・・・。空間はとっても良かったです。

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 ≪作品紹介≫ 公式サイトより部分引用
 運河のほとり 見捨てられた廃墟の町
 コルテスの研ぎ澄まされた<他者>への視線が
 容赦なく描き出す静かな<暴力>
 『ロベルト・ズッコ』の黒テントが挑む
 コルテスの最高傑作
 ≪ここまで≫
 
 藤田くんのレポートがとっても詳しくてわかりやすいです。
 コンクリートの壁がむき出しになった横長の空間で、役者さんが膨大なセリフを早口で吐き捨てるように、でもできるだけ丁寧に、語り続けます。

 まず空間と照明がかっこ良かったですね~。特にパっと消えて暗転するタイミングが絶妙。オープニングでハイヒールの足だけを四角く照らしたのが良かった。ステージ奥の床下から天井に向けて、壁を照らす青い蛍光灯が美しかったです(蛍光灯がパチパチっとなってから点灯するのはちょっともったいない気もしましたが、意図的なのかしら)。プロジェクターで壁に動画を映しましたが、やりすぎないしセンスも良かったですね。

 でも、寝ちゃったんだな~・・・。似たようなリズムと音域でダーーーーっとセリフを話されても、聞き続けるのが難しいんですよね。でも廃墟に暮らす家族の父親(福地一義)と娘(遠藤良子)については、とても気持ちよく聴くことが出来ました。

 ここからネタバレします。

 最後に長男(重森次郎)は父親に別れを告げ、家族を捨てて家を出て行きます。そして街の悪い仲間と強盗殺人の片棒を担ぎ、その仲間にさっくり撃ち殺されてしまいます。『ロベルト・ズッコ』のラストは今でも意味がわからないのですが、今作のエンディングにはすっごく納得でした。なぜだか「当然だよね」って冷静に眺めている私が居ました。「家族を捨てた罰だ」とかではなく、「自分の食いぶちを自分で稼げるんだから、俺は誰の世話にもならないし世話をする必要もない」という考えって、理論的には筋が通ってるようですが、だったら人間なんて生きる必要ないよねって私は思います。

《ベルナール=マリ・コルテス/2作品交互上演》
出演:重森次郎/遠藤良子/工藤牧/河内哲二郎/横田桂子/桐谷夏子/福地一義/Soxie Topacio
作:ベルナール=マリ・コルテス 演出・美術:佐藤信 翻訳・監修:佐伯隆幸 照明:斎藤茂男 音響:島猛 映像:吉本直聞 衣装:今村あずさ 舞台監督:北村雅則 演出助手:坂口瑞穂 写真:青木司 宣伝美術:タグチケイコ 票券:本木幸世/太田麻希子/米田慎吾 制作:宗重博之/斎藤俊明 芸術監督:桐谷夏子
全席自由 一般前売¥3,800 学生自由席¥2,500 当日¥4,300 2作品通し券¥6,000
黒テント=http://www.ne.jp/asahi/kurotent/tokyo/

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Posted by shinobu at 23:09 | TrackBack

寿団『おとこたちのそこそこのこととここのこと』05/03-07萬スタジオ

 鈴木田竜二さんが主宰する寿団の7年5ヶ月ぶりの公演。脚本・演出は鈴江俊郎さん(劇団八時半)です。
 けっこう有名な大人の小劇場男優が、走る!叫ぶ!登る!脱ぐ!・・・激しいかった~(笑)。廃部になった社会人野球部を舞台に、社会派なんだけどちょっぴりメルヘンで、男の本音を素っ裸にしたセリフが、熱く飛び交います。もちろん汗も唾も飛ぶ!(笑) 渋い男優たちの演技合戦を堪能しました。面白かった!!

 ※BACK STAGEでチケットプレゼント実施中!(最終締切日:5/5)
 ※5/5(金)マチネのトークショーは、ゲストが鈴江俊郎さんとマキノノゾミさん(劇団M.O.P.主宰)です。
 ※鈴江俊郎BLOGが面白い! ※出演者ブログもあります。

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 ≪あらすじ≫
 廃部が決まった造船会社の社会人野球部の部室。備品をすべて処理したら明日には工事が始まり、球場ともどもスーパー銭湯になってしまう。ノンプロの野球選手も明日から普通の会社員だ。「この年になるまで野球しかやってこなかったのに!」「すんなりあきらめていいんですか?」「社長に直談判だ!」・・・などと、それぞれに熱い思いや悩みを持った、いい大人の男達がジタバタするお話。
 ≪ここまで≫

 社会人野球部の廃部って、野球選手として入社した人にとっては存在意義がなくなるってことですから、のっぴきならない人生の土壇場なんですよね。違うチームから声が掛かる才能の有る若手もいれば、そもそも活躍の場がないのにただひたすら続けていたベテラン選手もいて・・・。

 ここからちょっとだけネタバレします。でも読んでから観に行かれても大丈夫じゃないかな。熱くて渋い男達と出会って一緒にいることが面白いので、ストーリーがわかっていても問題ないと思います♪

 どうやったら廃部をやめてもらえるか、野球部の人気を復活させられるかなどと必死で話し合いをするシーンは、「野球部」を「劇団」に置き換えてもばっちりはまる内容でした。40歳のベテラン選手(荒谷清水)が鍛え上げられた肉体を震わせながら言う「魂が魂らしくふるえることが人生なんじゃないのか」というセリフ(正確ではありません)が良かった・・・。大真面目で純粋なセリフをそのままストレートに言ってしまわず、人物の複雑なキャラクターを大胆に形作って、おおげさに語らせます。これが面白い!役者さんは全身全霊かけて個性の激しい役柄を演じてくださいました。それにしても凄い演出だったな~・・・大声でしゃべりながらロッカーの上に登るって、やっぱり強烈です(笑)。

 荒谷清水さん(南河内万歳一座)と保村大和さんの2人芝居のシーンは必見!特に保村さんの緻密な演技に感動しました。保村さん演じる二塁手の田辺は超エリートなのにマイナス思考というひん曲がった性格で、しかもゲイという難しい役どころ。必死さがこっけいになるほど走って叫んで、でもセリフが全くブレないので、言葉の意味が熱い思いと一緒にガツンと伝わってきます。もちろん相方のたけ(荒谷清水)との会話では存分に笑わせてくださいました。舞台俳優・保村大和に魅せられましたね。


 ≪終演後のトークショー≫ 出演者=鈴江俊郎/土田英生(MONO主宰)

 鈴江さんと土田さんは京都在住の劇作家・演出家で、お2人とも劇団の主宰でいらっしゃいます。10年以上前からの親しいお友達だそうです。まるでお笑いコンビの絶妙な漫才のようなトークで、客席は爆笑の渦でした。これなら「トークショー」と言われても納得ですね(笑)。
 質問タイムがありませんでした。うん、なくて良かったかも。もうおなか一杯だったし(笑)、万が一、出た質問で良いムードが壊れても残念ですしね。下記、憶えていることを私なりの言葉で書いておきます。

 土田「(鈴江さんと)出会ったのは93年。『カラーのチラシなんか作るな!』って朝まで説教されました(笑)。」

 鈴江「京都はどう?」
 土田「ひどい時は週に3回も東京に出てきたりするので(仕事は東京にしかないから)、ぶっちゃけ移って来たい(笑)。でも、もう引っ込みがつかないっていうのがあります。京都に住み続けると言い過ぎた。」
 土田「東京に来ると商品化されるっていう感覚がやはりありますね。食べたことない麻婆豆腐とか食べさせてもらって(笑)、持ち上げられてシンデレラ気分になったり。序列に乗っかりだすといういか、今までやってきたことを捨てて東京になじもうとする。でも京都に住んでいる限りそんな勘違いをしなくて済むと思う。京都には普通の生活があって、そこに戻ってこられますから。」
 鈴江「シンデレラでいうと、かぼちゃなのに馬車とかん違いする、みたいな?馬車気分?(笑)」
 土田「まあ、そうかな(笑)。まさにこの芝居と同じじゃないですか、舞い上がってしまって後で落ち込んだりせずに、堅実に暮らせる。」(トークの最後に「今は東京に移る気持ちはない」と明言。)

 鈴江「脚本を書きたい!って思うことはありますか?またそれはどんな時?(聞けと言われたので)」
 土田「まあ、依頼されて褒められた時ですね。本当に褒められた時はスキップして帰ります。」
 鈴江(or 土田?)「阪急電車で踊ってたとかね(笑)」
 土田「人から求められるしかないですからね、モチベーションをあげるのは。興奮するって言うか。」
 土田「あとは、ものすごく落ち込んだ時。以前、ネット上に書かれた自分の悪口をプリントアウトして、それを壁に貼って打ち勝とうとしたんだけど・・・立ち上がれなくなってしまって(笑)。落ち込み切ると『この苦しい気持ちを書いてみよう』とか『誰かにわかってほしい、この悩みは自分だけの悩みじゃない』とか考えるんですよね。自分の救済のために書き始めます。」

 土田「今日の芝居みたいな、(鈴江さんの)自意識が溢れかえってる芝居はほんっとに息苦しい(笑)。」
 鈴江「まあ、舞台に乗ってるのは全員、僕の分身みたいなもんだからね(笑)」。

 その他、京都の24時間営業の喫茶店でいつも話していたことや、「もう距離をおきたい」と言って一度“別れた(笑)”ことなど。

出演=荒谷清水(南河内万歳一座)/保村大和/平野勲人(TEAM発砲・B・ZIN)/工藤順矢(TEAM発砲・B・ZIN)/上瀧昇一郎/康ヨシノリ(唐組)/鈴木田竜二/小林高之(TOON BULLETS!)
脚本・演出=鈴江俊郎 演出助手=主浜はるみ 演出部=徳本憲治/中村貴彦/米谷有理子 美術=池田ともゆき(TANC!池田意匠事務所) 照明=柿嵜清和 音響=田上篤志(atSound) 音響=橋本剛 衣裳協力=石川俊一 小道具協力=高津映画装飾 宣伝美術=東學(188) 制作=森内倫子/安部忍/一ツ橋美和 企画・製作=寿団
前売¥3,300 当日¥3,500(全席指定) ※特定日の14時の回終演後にトークショーあり。5/4(木)ゲスト=土田英生(MONO主宰)5/5(金)ゲスト=マキノノゾミ(劇団M.O.P.主宰)
公式=http://www.kotobuki-dan.net/

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Posted by shinobu at 17:24 | TrackBack

P.E.C.T.『まどろむ魚』05/03-07劇場MOMO

 チェルフィッチュ『三月の5日間』に出演されていた役者さんが3人(瀧川英次、山崎ルキノ、東宮南北)も出てらっしゃるので観に行きました。P.E.C.T.(ペクト)は16周年を迎える劇団なんですね。今回の脚本はProject ONE&ONLYの白土硯哉さんです。

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 レビューを全部アップしました(2006/05/05)。

 ≪あらすじ≫
 東京郊外の町の公立野球場のバックネット裏。さびれた売店とベンチがある。その小さなベンチに腰掛けて、橘隆(佐々木覚)と葵晋之助(瀧川英次)は頭を悩ませていた。2人で書いた小説が賞を取ったのだが、“橘葵(たちばな・あおい)”というペンネームで、しかも女性として応募していたからだ。その秘密を知っているのは出版社社員だけ。とりあえず“橘葵”は隆の姉だということにするが、後援会を作りたいというファンが押しかけてきたり、地元の有名文筆家から圧力がかかったりして・・・。
 ≪ここまで≫

 野球場のあるのどかな公園のベンチに、色んな人がやってきて去っていくというスタイルです。主軸は小説家を目指す若者2人。劇場MOMOに高い壁ができていて、劇場の天井がとても高く見えました。先週の芝居(会社の倉庫の中のお話)と全然違ったので、勝手に比較したりして楽しかったです。

 初日だったからでしょうが、中盤まではドタバタしていて落ち着きが見えず。でも、イヌをつれたおばあさんたちの井戸端会議シーンが終わってから一気に良くなりました。
 素直な会話から日常を描く大人しいめのドラマかと思いきや、突然ぬいぐるみを使ったり、漫画のようにデフォルメされた動作や演技をしたり。役者さんがまだまだ手探り状態だったのでうまく成立はしていなかったけれど、アイデアは個性的だし面白いと思いました。たぶんこれから良くなっていくのでしょう。

 橘隆(佐々木覚)と葵晋之助(瀧川英次)以外の役者さんはどんどん着替えて複数の役を演じられます。後から本流につながっていく役もありましたが、全然関係ない役(親の離婚で離れ離れになる子供たち)は、いったい何だったのかな~。

 戸惑いながらの観劇だったのですが、最後にふわんと良いムードの後味になって、正直なところ驚きました。エンディングがとても良いので、途中はもっと自信を持ってはじけちゃっていいのではないかと思います。

 ここからネタバレします。

 地元の有名文筆家の直筆によるこいのぼりにはムリが有るな~と思いました。直筆でわざわざ描くほどの絵じゃないな、とか。マンホールに入れて引っ張るには長さが足りないな、とか。どうせムリなんだからもっと漫画っぽくやったりしていいんじゃないかしら。あと、散歩している犬のぬいぐるみをかぶって、いきなり犬の本音語りになるシーンとか、なぜか「おしまいだー!」と皆で叫んで走るところとかは(書いてみたら本当によくわかんないシーンだな・笑)、堂々とやってもらいたかったですね。演劇ならではの面白い演出ですし、成立させられないわけじゃないと思います。

 すったもんだの後、隆と晋之助はそれぞれ別の道に進んだらしく、ラストは数年後の同じ場所で、カジュアル・ルックの隆とパリっとスーツ姿の晋之助が同じベンチに座っているシーンに戻ります。ものすごく優しくて、味わいのあるムードになっていました。その前に売店のおばちゃん(松本美香)がスーツケースを持って、店をたたんで旅立っていくシーンがあったからこそ、生まれたんじゃないかなと思います。それぞれが自分の選んだ道を進んで別れ別れになっていく、潔さとさわやかさがありました。

 葵晋之助役(メガネ)の瀧川英次さんが、落ち着いた演技で流れをひっぱっていました。最近、瀧川さんを舞台でよくお見かけしますが、キャラクターの変化がすっごく多彩で的確、そして魅力的です。笑いも確実に生んでくれます。次は6月のOi-SCALE『キキチガイ』ですね。楽しみです(その前に漫談出演もあり)。

出演=東宮南北/佐々木覚/井上つぐみ/波田野淳紘(820製作所)/佐藤拓道/山崎ルキノ/山崎いさお(Project ONE&ONLY)/瀧川英次(七里ガ浜オールスターズ)/松本美香
作:白土硯哉(Project ONE&ONLY) 構成演出=P.E.C.T. 舞台美術=齋田創+突貫屋 照明=伊藤孝(ART CORE design) 音響=荒木まや 打楽器指導=オーギー・リン 衣裳協力=佐宗乃梨子 小道具協力=廣瀬亜矢子 写真=相川博昭 イラスト=太田ひろこ 広告デザイン=北見大輔(beam-up) 制作協力=川井麻貴(SEABOSE) 制作=薄田菜々子
一般前売2800円 当日3000円 高校生以下割引2500円★リピート割引:半券お持ちの方は1000円にて再度御来場いただけます。
公式=http://www.pect-inter.com/

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Posted by shinobu at 12:12 | TrackBack

2006年05月03日

shelf『R.U.R._a_second_presentation (再演、R.U.R.)』05/02-03シアタートラム

 shelfは矢野靖人さんが構成・演出されるユニットで、私は二度目です(初見時のレビューはこちら)。今作はカレル・チャペックの戯曲『ロボット(R.U.R.)』を元に構成された、パフォーマンスに近い作品でした。上演時間は約1時間15分。再演ですが実質的には新作だそうです。
 これからご覧になる方は、開演前にパンフレットの「演出ノート」をお読みになることをお薦めします。私は戯曲『ロボット』が大好きで、この日までに読み直してから伺ったので、かなりわかりやすく拝見いたしました。
 2000年に俳優座で上演されているんですね(演出=栗山民也)。この公演情報ページであらすじを読んでから観に行くと良いかもしれません。

 レビュー⇒休むに似たり。

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 矢野靖人さんが書かれているパンフレットの「演出ノート/ご挨拶にかえて」より部分引用↓
 「台詞劇というよりは、ダンスやムーブメントに近い舞台表現。声そのものや俳優の息遣い、身体と空間、言葉と歌声と、意識の流れ、関係性を構成要素に、1コの象形文字や、抽象絵画のような、そんな表現形態をとりながら結果として、戯曲の背後に潜む作家の根源的な“ビジョン”を舞台上に再構成することが出来ればと思っています。」

 プロセニアムのシアタートラムをほぼそのまま広く使った、素舞台に近い舞台美術です。舞台中央奥に白いソファ、床には白いシートが貼られています。上手天井から丸くて小さな吊り照明が一つ。
 開演前から役者さんが舞台にいて、コンテンポラリー・ダンスのように、それぞれ動いたり動かなかったりしながら空間を作っています。
 衣装(竹内陽子)がとっても良かったです。少し薄汚れた風合いに見える紫、灰色、水色、黄土色などの微妙な配色で、少し昔の西洋の淑女、紳士、研究者などをイメージさせるデザイン。上半身裸で大き目のパンツを履いた男優さん(綾田將一)は労働者に見えました。材質もシックでかっこ良かったです。ヘアメイクも凝っていました。

 動きは美しいけれど言葉が弱い役者さん、言葉ははっきしているけど動きがまずい役者さん、両方まだまだ未熟な役者さんが、舞台の上に居ました。すごく面白いと思ったシーンと、観るのがつらくなるシーンの差が激しかったです。
 誰にでもわかるぐらいにストーリーが順番に流れていれば、役者さんの状態がどうであれ、普通のお芝居を観るように最後まで追いかけることはできると思います。でも今作のように、物語が途中でぶつぶつと途切れたり、突然、脈絡に関係のないシーンや、イメージを伝えることを目的としたシーンが挟まれたりすると、観客は物語に頼ることが出来なくなり、舞台上にある人・もの・事柄に注目せざるを得なくなります。意図的にそういう構成にされていると思いますが、だったら演出家の意図を体現できる役者さんを揃える(育てる?)ことが必定ですよね。
 矢内原美邦さん(ニブロール)の『3年2組』やチェルフィッチュなど、身体と言葉について新たなアプローチをしている若手のカンパニーがあります。もしかするとshelfも、始点は全然違うけれど、そういう方向を模索しているのかしらと思いました。

 私が『ロボット』の中で好きだったり感動したりした台詞(シーン)が多く使われていて、同じところで共感できているんだろうなと思いました。「実を結ばない花」、「生産をつかさどっているのは需要です」など。
 また、6人の俳優だけでシアタートラムの空間が埋まっていたのは素晴らしいと思いました。照明(木藤歩)の力も大きいのでしょう。それに私はだいたいこういう作品だと・・・寝ちゃうんですよ、普段は(ごめんなさい)。でも今作では寝ませんでした。

"R.U.R." written by Karel Capek
世田谷区パブリックシアターの春のフェスティバル「第10回くりっくフリーステージ」参加作品
出演=綾田將一(reset-N)/飯村彩子/川村岳(山の手事情社)/田口アヤコ(COLLOL)/凪景介/日高勝郎(InnocentSphere)/藤井麻由
原作=カレル・チャペック『ロボット』)  構成・演出=矢野靖人 音響=荒木まや(Stage Office) 照明=木藤歩(balance,inc.) 衣裳=竹内陽子 (TAKEUCHI) メイク=入江佐伊子 舞台監督=小野八着(Jet Stream) 写真= 原田真理 主催=財団法人世田谷区文化財団、フリーステージ実行委員会
発売日=3月5日 全席自由(日時指定)一般2,500円、2公演通し券4,000円 SePT倶楽部会員割引2,300円 世田谷区民割引2,400円
公式=http://theatre-shelf.org/

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Posted by shinobu at 00:52 | TrackBack

2006年05月02日

Tsuchipro『アーバンクロウ ~呼吸(いき)もできない~』04/26-05/02ウエストエンドスタジオ

 土屋士さんがプロデュースするTsuchipro(ツチプロ)の公演です。鐘下辰男さんの脚本でStudio Lifeの役者さんが出てらっしゃるので観に行きました。土屋士さんが主演でしたね。主宰さんが主役ってちょっと意外でした。
 演劇◎定点カメラ初演のレポートがあります。鐘下さんと宮沢章夫さんとのトークも面白いですね~。過去公演のことがこんなに詳細に残されていて、本当にありがたいです。

 ★ウエストエンドスタジオというと騒音問題がずっと気になっていまして、初めてそれを意識して拝見したのですが、やっぱりありますね、騒音・・・。上のスタジオから軽音楽の音が響いてました。静かなシーンが多いお芝居だったのでちょっと邪魔でしたね。
 劇場さんはなるべく早く手を打たれる方がいいと思います。また、これからこの劇場を借りようかと考えている劇団さんは騒音のことを知っておくべきですね。

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 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。改行を変更。
 ある強盗殺人事件で望月陽子の父親が殺された。目撃者であり被害者でもある陽子(原口優子)は、事件のショックで一時的な記憶喪失に陥る。事件の内部情報をマスコミに漏洩した刑事・赤井(土屋士)は、捜査から外され新たな任務につく。それは望月陽子の監視であった。かつて陽子が生活していた都会の古びた一室。真夏の茹だるような暑さの中で二人の一日が始まる。
捜査状況が気になる赤井は、元同僚の刑事・栗栖(楢原秀佳)、山崎(本田真大)に様子を聞くが反りが合わない相手からは、まともな返事すら返ってこない。情報を渡されたライターの藤堂(山﨑康一)も密かに現れ、陽子に事件の真相を執拗に求める。「聞いたことないか?『レカ』って」やがて状況は事件の核心へと向かっていく。
全ての真相が明らかになる時、交錯する五人が迎えた意外な結末とは――――――
 ≪ここまで≫ 

 鐘下作品というと不気味でおどろおどろしくて、始終ピーンと張り詰めた空気で極限状態で・・・ということが多いですが、今作はもっと柔らかかったです。私は少々物足りなかったですが、ご一緒した方は「これくらいがわかりやすくていい」とおっしゃっていました。確かにわかりやすかったですね。ある程度リラックスして観ていられたのも観る環境的には良かったのかも。

 会話劇といってもかなりモノローグ(独白)が多いです。裏の設定がいっぱいありますし、役者さんの技術が問われる難しい脚本なのではないでしょうか。特に主役の赤井(土屋士)の独白シーンが多く、大変そうだなと思いました。この役は千葉哲也さんがやりそうだな~と思ったら、初演はまさに千葉さんでした(笑)。
 また、細かい部分の質感からしっかり作らないと本質が伝わりにくい脚本だとも思います。“真夏の茹だるような暑さ”ってちゃんと実感させ続けるのは難しいですよね。風鈴の音や旅行かばん、ビール瓶、灯油のポリタンク等、ストーリーに大きな影響を与えるものについてはもうちょっときめ細かな演出が欲しかったです。なかなか大変なことだとは思いますがやっぱり脚本が脚本なので、どうしても鐘下さんの演出と比べてしまいますね、私は。

 最初と最後にカウンターテナー(と思われる)のバロック風の歌曲が流れてびっくり。めちゃスタジオ・ライフっぽい(笑)。

 ここからネタバレします。

 登場人物全員が決して真っ当な大人ではない、というよりむしろ社会的意味では悪人である設定でした。会話の中から徐々に人物の裏側が見えてくるのは面白いですよね~。鐘下さんの脚本は緻密でかっこいいです。怖いけど(笑)。

 赤井は自分の正義感を満たすために警察の極秘情報をブンヤの藤堂に売る、藤堂は特ダネのためなら手段を選ばない(友人も売る)、栗栖は真犯人を誰よりも早く捕まえることだけに執着し、山崎は事件がうまく収まりさえすれば虚偽も気にしない。
 陽子ははじめ、チンピラにレイプされて金を奪われ、同時に実の父親もなぶり殺しにされた被害者として登場しますが、実は円山町で金髪の娼婦“レカ”に変装して、夜の街で売りをやっていたことがあらわになります。また、舞台となっている陽子の実家の離れは、陽子の母親と父親の確執からできた特殊な部屋で、母親が精神病院に入っていることや陽子が幼い頃から(中学時代から?)父親に性的虐待を受けて育ってきたことなど、暗い過去がしみ込んだ空間でした。そして陽子こそが父親を殺した真犯人であることも最後にわかります。

 赤井は自分が起こした交通事故で子供(息子?)を焼死させています。妻とは数年前に離婚しており、赤井は毎月慰謝料を払うのが苦しい状態。子供を失った苦しみから、妻は夜の女になってしまいました。さらに赤井と妻は学生時代に子供を2度堕胎しているとか、昔からの友人の藤堂と妻を取り合った過去があるとか、会話の端々からどんどん出てきます。暗くて厳しくて悲しいことばかりですが、それほどはりつめた空気ではなかったですね。う~ん、やっぱりちょっと物足りなかったな・・・。

 赤井と陽子の間に大人の恋愛(もしくは友情)関係が見えてほしかったです。陽子が少しずつ赤井に心を許して話をするようになったり、赤井が最後に陽子を逃がすようになるには、もっとエロティックな男女間のムードが必要なのではないかと思いました。特に陽子は娼婦なわけですから、そういう悪い女の色香がないと。最後の赤いドレスでもっと大変身してほしかったですね。服に着られている感があって残念。

 役者さんで面白かったのはブンヤの藤堂役の山﨑康一さん。細かくキャラクターづくりをされているのが、長いセリフの切れ目や強弱、緩急でわかります。

 カーテンコールで出演者の5人が出てきた時、「あれ、こんなに少なかったのね?」とちょっと嬉しい気持ちになりました。もっと大人数の登場人物がいるように感じて観ていられたのは、役者さんの演技の賜物だと思います。

出演=山﨑康一(Studio Life)/楢原秀佳(Studio Life)/原口優子 (劇団青年座) /本田真大 (シネマポルト・アカデミー) /土屋士
作=鐘下辰男 演出=竹内修 演出補佐=高須誠 舞台美術=野原剛 照明=森田三郎 音響=竹下亮 (OFFICE my on)  宣伝写真=川久保繁樹 (BRAVO COMPANY)  ヘアメイク=松井毅 宣伝美術=加藤和紀 (CINQ)  WEB製作=佐藤祐太 制作=中野良恵 (team BooGie)  制作補佐=中川拓也/澤田さつき 企画製作=Tsuchipro
公式=http://www.tsuchipro.com/

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Posted by shinobu at 12:25 | TrackBack

2006年05月01日

メルマガ 2006年05月のお薦め舞台

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お薦めお芝居をご紹介しています

 2006年5月のお薦め舞台10本+αをご紹介します。
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 “しのぶの演劇レビュー” Vol. 24     2006.5.1  937部 発行

┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏ http://www.shinobu-review.jp/

   今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪
                   
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 ◎今年のゴールデンウィークは最大9日間だそうですね~、
  私は劇場と自宅の往復に終わりそうですが・・・(汗)。
  5月は大御所&有名どころの話題作が山盛りです!!

    舞台には、あなたの心を揺さぶり、
      人生の輝きを増してくれる奇跡があります。

  “今から観られる面白い演劇”をご紹介します。
  お友達、ご家族、恋人と一緒に、どうぞ劇場を訪れてください♪

 ◎メルマガのバックナンバー↓は全て公開しています。
     http://blog.mag2.com/m/log/0000134861


○○ 今回のもくじ
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 ◆1【今月のお薦め10本+α】
   
   ◎No.1→新国立劇場演劇『やわらかい服を着て』
       05/22-06/11新国立劇場 小劇場
    http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/10000103.html

 ◆2【先月のベスト3】

   ◎No.1→tpt『皆に伝えよ!ソイレント・グリーンは人肉だと』
       03/29-04/16ベニサン・ピット
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0411103700.html

 ◆3【『地域の制作者のための創造啓発ツアー』に参加します】

   ◎昨年11月のセミナー以来、久しぶりに人前でお話します。
    http://fringe.jp/PmP/

 ◆4【お薦め芝居の前売情報1 G-up『散歩する侵略者』】

   ◎メルマガ号外まであと一歩だった作品が新キャスト&新演出で!
    http://www.g-up.info/2/next.shtml

 ◆5【お薦め芝居の前売情報2 福島三郎作・演出『しあわせのつぼ』】

   ◎福島三郎さんの久々の作・演出作品は、豪華キャストで家族のお話。
    http://www.shiawasenotsubo.jp/

 ◆6【文学座+青年団 自主企画交流シリーズは、事件です!】

   ◎今までにはなかった座組みの公演が6演目!
    http://www.seinendan.org/jpn/info/info060306.html

 ◆7【編集後記】

   ◎パリに行ってきました。街がきれいだった~。
   ◎5月6日夜にFM西東京『たけがき2』に出演します。

 ◆8【このメルマガについての注意事項(毎号同じ内容です)】

   ◎はじめての方はどうぞお読みくださいね♪

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 ◆1 【今月のお薦め10本+α】
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 ※★印がいちおし公演です(3本)。
 ※初日の早い順に並べています。
 ※掲載内容:主催/冠名・『題名』・日程・会場・コメント・価格・URL
  座種の記述がない公演は全席指定。


1.劇団、本谷有希子(アウェー)『密室彼女』
  05/03-09ザ・スズナリ
  ☆原案=乙一(おつ・いち) 脚本・演出=本谷有希子
   出演=加藤啓(拙者ムニエル)/吉本菜穂子/杉山彦々
   自由席=前売:3,300円 当日3,500円
   指定席=前売:3,500円 当日3,700円
    http://www.motoyayukiko.com/away/index.html
   小説家の乙一さんと若手の劇作家・演出家の本谷有希子さんのコラボ。
   前売りは完売しています。


★2.大人計画『まとまったお金の話』
  05/04-28本多劇場
  ☆作・演出=松尾スズキ
   出演=阿部サダヲ/市川実和子/宮藤官九郎/ほか
   前売5,800円 当日6,000円
    http://www9.big.or.jp/~otona/
   大阪万博が舞台?ということで大阪弁炸裂のようです。
   どんなキレっぷりを見せていただけるのか楽しみ!


3.Bunkamura『白夜のワルキューレ』
  05/07-30シアターコクーン
  ☆脚本=野田秀樹 演出=蜷川幸雄
   出演=松本潤/鈴木杏/勝村政信/ほか
   S席9,000円 A席7,500円 コクーンシート5,000円
    http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/event/valkyrie/index.html
   ジャニーズ事務所の松本潤さんが主演。その他も豪華キャスト。


4.青山円形劇場プロデュース『MYTH(ミス)』
  05/11-28青山円形劇場
  ☆脚本・演出=鈴木勝秀
   出演=篠井英介/佐藤アツヒロ/陰山泰/中山祐一郎
   前売¥5,500/当日¥5,800
    http://info.pia.co.jp/et/promo/play/myth.jsp
   鈴木勝秀さんと佐藤アツヒロさんの組み合わせは
   『LYNKS-リンクス-』↓を思い出します。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2004/0417144752.html


5.青年団『上野動物園再々々襲撃』
  05/12-14紀伊國屋サザンシアター
  ≪東京、伊丹、可児、盛岡、富士見≫
  ☆原作=金杉忠男 脚本・構成・演出=平田オリザ
   前売・予約・当日共 一般4,000円 学生2,500円 高校生以下1,500円
    http://www.seinendan.org/
   第9回読売演劇大賞・優秀作品賞を受賞しています。
    http://info.yomiuri.co.jp/prize/engeki/09_jusho.htm


★6.SHINKANSEN☆RS『メタルマクベス』
  05/16-06/18青山劇場
  ≪松本、東京、大阪≫
  ☆作=W.シェイクスピア 脚色=宮藤官九郎 演出=いのうえひでのり
   出演=内野聖陽/松たか子/森山未來/北村有起哉/ほか
   S席12,000円 A席9,500円 Z席6,500円
    http://www.vi-shinkansen.co.jp/stage/
   劇団☆新感線に内野聖陽さんが初出演。その他も超豪華キャストです。


7.tpt『スラブ・ボーイズ』
  05/18-06/04ベニサン・ピット
  ☆出演=オーディションで700名から選ばれた若手俳優ら。
   演出は俳優の千葉哲也さんです。
   全席指定4,200円/学生料金3,150円
    http://www.tpt.co.jp/
   2002~2003年の『BENT』↓を思い出しますね。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2003/0106212542.html


8.新国立劇場演劇『INTO THE WOODS(イントゥ・ザ・ウッズ)』
  05/19-06/06新国立劇場 中劇場
  ☆宮本亜門さん演出のブロードウェイ・ミュージカル。
   S席6,300円 A席4,200円 B席3,150円
   Z席=1,500円 当日学生券=50%割引
    http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/10000102.html
   美術の礒沼陽子さんが同作で、第12回読売演劇大賞の
   最優秀スタッフ賞を受賞しています。
    http://info.yomiuri.co.jp/prize/engeki/12_jusho.htm
   初演のレビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2004/0610160811.html


★★9.新国立劇場演劇『やわらかい服を着て』
  05/22-06/11新国立劇場 小劇場
  シリーズ「われわれは、どこへいくのか」(3)
  ☆作・演出=永井愛 出演=吉田栄作/小島聖/大沢健ほか
   A席5,250円/B席3,150円
   Z席(当日券)=1,500円/当日学生券=50%割引
    http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/10000103.html

  ●お薦めポイント●
   メルマガ4月号のお薦め前売り情報でもお伝えしました。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0326000606.html
   永井愛さんの作・演出の『歌わせたい男たち』↓は
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/1010220803.html
   昨年度の朝日舞台芸術賞グランプリを受賞しています。


10.燐光群『民衆の敵』05/26-06/04俳優座劇場
  ≪東京、足利、松本≫
  ☆原作=ヘンリック・イプセン 脚本・演出=坂手洋二
   出演=大浦みずき ほか燐光群メンバー
   前売¥4,200 当日¥4,500 ペア¥7,600(前売・予約のみ)
   学生=大学・専門学校生¥3,800 高校生以下¥3,000
   (学生は前売・当日共通料金 劇団扱いのみ 受付にて要学生証提示)
   5/26はプレビュー公演。一律¥3,800(劇団扱いのみ)
    http://www.alles.or.jp/~rinkogun/
   イプセンを坂手洋二さんが脚本・演出。
   渡辺美佐子さんが体調不良のため声の出演のみになったようです。


 ★★★―――――――――――――――――――――――――――――― 
  5月は大御所&有名どころだけで10本が埋まってしまいましたので、
  3000円台以下のお薦め作品を3本ご紹介します。
 ――――――――――――――――――――――――――――――★★★ 


 ●寿団『おとこたちのそこそこのこととここのこと』
  05/03-07萬スタジオ
  ☆作・演出=鈴江俊郎
   出演=荒谷清水(南河内万歳一座)/保村大和/
   平野勲人(TEAM発砲・B・ZIN)/工藤順矢(TEAM発砲・B・ZIN)/他
   前売¥3,300 当日¥3,500
    http://www.kotobuki-dan.net/
   鈴江俊郎さんの作・演出作品には少し意外なキャスティング。
   ※特定日の14時の回終演後にトークショーあり。
    5/4(木)ゲスト=土田英生(MONO主宰)
    5/5(金)ゲスト=マキノノゾミ(劇団M.O.P.主宰)


 ●パラドックス定数『怪人21面相』
  05/12-14渋谷space EDGE
  ☆作・演出:野木萌葱
   前売り2500円 当日3000円(日時指定・全席自由)
    http://www.paradoxconstant.com/
   戦後未解決事件シリーズの集大成とのこと。
   過去作品のレビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2004/1116000752.html
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/1114153132.html


 ●KAKUTA花やしき公演『ムーンライトコースター』
  05/31-06/04ゆうえんち浅草花やしき
  ☆構成・演出:桑原裕子
   前売り3200円 当日3500円(回数券あり)
    http://www.kakuta.tv/
   リピーター続出だった遊園地での演劇公演の再演。見逃さないで!
   初演のレビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2004/0603002835.html


 ◎しのぶの今月の全予定(30本+α)はSCHEDULEに掲載しています。
  キャスト・スタッフ情報あり!
   http://www.shinobu-review.jp/schedule.html

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 ◆2 【先月のベスト3】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

1.tpt『皆に伝えよ!ソイレント・グリーンは人肉だと』
  03/29-04/16ベニサン・ピット
   http://www.tpt.co.jp/
  ☆マイクを通してひそひそ声で語る役者たち。
   愛とは?カネとは?人間とは?と問われて、体も頭もシビれました。
  *レビューはこちら↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0411103700.html
 

2.青空美人プロデュース『怪力』
  04/15-23吉祥寺シアター
   http://www.din.or.jp/~azr-bjn/2006site/
  ☆洪水の街のイメージが時と空間を越えて吉祥寺シアターを満たしました。
   初日後にもう一度観たくなって、千秋楽にもお邪魔いたしました。
  *レビューはこちら↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0416021943.html


3.青年団若手自主企画vol.27多田企画『別』
  03/31-04/04アトリエ春風舎
   http://www.komaba-agora.com/line_up/2006_3/tada.html
  ☆難解な方言(?)が自由に飛び交うリアルな人間関係を、
   最後にそっくり嘘へとひっくり返してしまう、野心作でした。
  *レビューはこちら↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0404205211.html


 ◎メルマガのバックナンバーはこちら↓で全て公開中!
   http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000134861
  メルマガ号外は誰が観ても楽しめそうなものを選んで発行しています。
  4月は残念ながら発行いたしませんでした。

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 ◆3 【『地域の制作者のための創造啓発ツアー』に参加します】
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 ◎小劇場演劇の制作者を支援するサイトfringe( http://fringe.jp
  の特別企画に参加します。
  昨年11月のセミナー↓以来、久々に人前でお話することになりました♪
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/1107002836.html

  fringe5周年・100万アクセス記念企画
  「Producers meet Producers 2006 
   地域の制作者のための創造啓発ツアー」
   主催/fringe、助成/財団法人セゾン文化財団
    特設ウェブログ⇒ http://fringe.jp/PmP/

  ・期間と場所
    6月2日(金)~4日(日)の2泊3日
    東京都内の各所(劇場・稽古場など)

  ・目的
    札幌・盛岡・仙台・名古屋・広島・北九州・福岡の
    中堅制作者を旅費無償で招聘し、
    地域のカンパニーが個性と存在感を発揮する方法を模索する。


 ◎私は首都圏の演劇事情について、参加者からの質疑応答をお受けします。
    とき:6月4日(日)10:00~10:50 
    場所:こまばアゴラ劇場5F稽古場
  ※参加者限定の非公開企画なので、一般の方はお入りいただけません。

  東京の制作者との交流や有名劇場・稽古場の見学など、
  2泊3日のカリキュラムはとっても充実しています。
  詳細は特設ウェブログでご覧ください⇒ http://fringe.jp/PmP/

  例えば、東京の若手の水準を示す作品の紹介と
  世田谷パブリックシアターの見学とを兼ねて、
  Oi-SCALE『キキチガイ』@シアタートラム↓を観劇されるそうです。
   http://www.oi-scale.com/oiweb/kikitiguy/kikitiguy_if.html

  日本の演劇を作り出している、地域の制作さんにお会いできるのを
  楽しみにしております。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆4 【お薦め芝居の前売情報1 G-up『散歩する侵略者』】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

  ◎メルマガ号外まであと一歩でだったイキウメ『散歩する侵略者』が
   早くも新たなキャスト&スタッフで上演されます。
   初演のレビューはこちら↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/1029231739.html

  G-up presents Vol.4『散歩する侵略者』
  06/02-11新宿スペース107
  ☆脚本=前川知大(イキウメ) 演出=赤堀雅秋(THE SHAMPOO HAT)
   出演=寺十吾/小林顕作(宇宙レコード)/中野英樹(グリング)/他
    http://www.g-up.info/2/next.shtml

  脚本はイキウメの前川知大さん。イキウメはシアターガイド4月号で
  私がお薦め劇団として紹介いたしました↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0225204522.html

  演出はTHE SHAMPOO HATの赤堀雅秋さん。
  先日上演されていた『恋の片道切符』↓も密度の濃い作品でした。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0320215706.html
   
  キャストにはひとクセもふたクセもある役者さんが揃っています。
  イキウメ版との違いを楽しむのも面白そうですね。

 【チケット情報】

   前売り開始=4月24日(月) ★ただいま発売中です。

   料金=前売4200円 当日4500円(全席指定)

   お問い合わせ⇒ G-up(ジー・アップ)03-5791-3220
    http://www.g-up.info/


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 ◆5 【お薦め芝居の前売情報2 福島三郎作・演出『しあわせのつぼ』】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

  ◎久しぶりの福島三郎さんの作・演出作品です。豪華キャスト!
  “どこにでもある”ワケではない、家族のお話のようです。

  東宝芸能『しあわせのつぼ』
  08/04-13ル テアトル銀座
  ≪東京、大阪、名古屋、新潟、福岡≫
  ☆作・演出=福島三郎 音楽=本多俊之
   出演=宮本信子/布施明/伊央里直加/東山義久(D☆D)/
      音尾琢真(TEAM NACS)/木野花/山路和弘
    http://www.shiawasenotsubo.jp/

  福島三郎さんの過去作品のレビューはこちら↓

  『びっくり箱―姉妹編―』(2006年・演出)
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0412215834.html
  『空』(2004年・脚本)
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2004/1130232234.html
  『LOVER SOUL』(2001年・脚本&演出)
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2001/0926133520.html

  豪華キャストですのでチケットは争奪戦だと思います。
  特にTEAM NACS↓の方(音尾琢真さん)が出演されていると
   http://www.office-cue.com/team-nacs/
  チケットが本当に取れづらくなるんですよね~(笑)。

 【チケット情報】

   前売り開始=5月27日(土)10:00~

   料金=S席8,400円/A席6,300円 (全席指定)

   チケットのお問い合わせ
     サンライズプロモーション
     TEL 0570-00-3337(全日 10:00~19:00)
    

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆6 【文学座+青年団 自主企画交流シリーズは、事件です!】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

  ◎1937年に故・岸田國士氏らによって創立された文学座
     ⇒ http://www.bungakuza.com/
   と、1983年に平田オリザ氏を中心に結成された青年団
     ⇒ http://www.seinendan.org/ 
   との、自主企画交流シリーズが始まります。
   5月10~31日の間に、なんと6演目も上演されるのです。
    詳細→ http://www.seinendan.org/jpn/info/info060306.html

  “若手育成を目的とし、両劇団の観客に
   新しい才能と出会っていただく機会としての交流企画”
   ということで、文学座の観客にとっても青年団の観客にとっても、
   新しい刺激になることは間違いないでしょう。


 1■『チェンジングルーム』05/10-14こまばアゴラ劇場
     http://www.seinendan.org/jpn/info/info060306.html#change
 2■『卵』05/11-17サイスタジオコモネAスタジオ
     http://www.seinendan.org/jpn/info/info060306.html#tamago
 3■『忠臣蔵』05/16-21こまばアゴラ劇場
     http://www.seinendan.org/jpn/info/info060306.html#ronin
 4■『地下室』05/18-28アトリエ春風舎
     http://www.seinendan.org/jpn/info/info060306.html#chika
 5■『お月さまへようこそ』05/25-31サイスタジオコモネAスタジオ
     http://www.seinendan.org/jpn/info/info060306.html#tsuki
 6■『職さがし』05/26-31こまばアゴラ劇場
     http://www.seinendan.org/jpn/info/info060306.html#shokusa


 ・個人的には、色んな劇団の俳優がわんさか競演している
  『チェンジングルーム』が楽しみ♪

 ・『お月さまへようこそ』はピュリツァー賞、トニー賞、そして
   映画「月の輝く夜に」↓で米アカデミー賞・脚本賞を受賞している、
    http://www.inet.or.jp/cookbook/bc1/
   脚本家ジョン・パトリック・シャンリィの短編集です。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆7 【編集後記】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ◎パリから帰ってきて、はや3週間・・・(レポートはこちら↓)
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0403213525.html
  せわしない東京の暮らしにすっかり慣れてしまいました(涙)。
  でもお芝居が観られるのがとにかく幸せです♪


 ◎毎月第一土曜日は、FM西東京の演劇情報番組「たけがき2」に
  レギュラー出演させていただいております。
   http://takegaki.k-free.net/
  4月はお休みしましたが、5月は6日(土)の夜に出演します。


 ◎地方新聞に掲載される新作邦画DVDの紹介記事を書いています。
  「これは面白いよ!」というお薦め邦画情報モトム!
  映画の国のチヒルカさん↓より情報をいただき、
   http://cihirka.cocolog-nifty.com/cinema/
  「空中庭園」を拝見いたしました。ありがとうございました!
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0408224943.html   

 ◎2005年11月にセミナーにゲスト出演いたしました。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/1107002836.html
  セミナー開催を希望される方は、是非ひとことお寄せください!
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Posted by shinobu at 00:07 | TrackBack