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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2006年05月24日

新国立劇場演劇・ブロードウェイ・ミュージカル『INTO THE WOODS(イントゥ・ザ・ウッズ)』05/19-06/06新国立劇場 中劇場

 宮本亜門さんが演出するソンドハイムのミュージカルの再演です。初演の時に最前列中央の席だった私は、今回も必死で最前列の席をゲット♪小学生のお子様達と一緒に観に行ったのですが、ご満足いただけたようです。

 概要は初演のレビューをどうぞ。美術も衣裳も演出も特に変化はないと思います。豪華でした。

 私は2度目ということもあり、初演ほどの感動はありませんでした。今回もやはり魔女役の諏訪マリーさんが素晴らしかった♪・・・というか、諏訪さんと、諏訪さん以外のキャストとの力の差が気になりしました。演技の面では高畑淳子さんにも惹きつけられましたが、ミュージカルだと思って拝見すると・・・全体的に歌唱力の点で物足りなかったです。初演は2年前ですし、私の見方も変わったんですよね。残念ながらほぼ全編にわたって冷静に眺めている状態から抜け出せなかったですね。

 でも第1幕のクライマックスおよびラストのスカっとした盛り上がりは素敵だと思いました。ミュージカルだと思わないで演劇だと思ったら(・・・ってムリがあるんですが)、かなり楽しめる作品だと思います。だって装置は楽しいし、衣裳も凝ってるし、なかなかこの値段であの空間は味わえないですから。カーテンコールでスタンディング・オベーションしている観客も沢山いらっしゃいました。

 ここからネタバレします。

 自分の欲望を叶えるために手段を選ばないで貪欲に進み続けた結果、人間はつかの間の思い通りの幸せを手に入れますが、「手段を選ばず」やってしまったことのしっぺ返しを受けることになります。それは誰もが避けられない道なんですよね。

 最後まで生き残ったパン屋の主人(小堺一機)、シンデレラ(シルビア・グラブ)、ジャック(矢崎広)、赤ずきん(宮本せいら)の4人で協力して、巨人の国から降りてきた大女を殺してしまいます。そして4人は一緒に暮らすことになって大団円・・・というエンディングに今回は納得が出来ませんでした。敵を退治して大々的なハッピーエンドを迎えるのはちょっと・・・。しっぺ返しが再び起こることを匂わせるような演出があれば、スッキリできたかも。

≪東京、兵庫≫
Broadway Musical "Into the Woods"
出演=諏訪マリー/小堺一機/高畑淳子/天地総子/シルビア・グラブ/藤本隆宏/宮本せいら/矢崎広/早川久美子/広田勇二/荒井洸子/鈴木慎平/大森博史/藤田淑子/二瓶鮫一/花山佳子/鈴木純子/山田麻由/飯野めぐみ 
作詞・作曲:スティーブン・ソンドハイム 台本:ジェイムズ・ラパイン 演出・振付:宮本亜門 翻訳:橋本邦彦 翻訳: 橋本邦彦 音楽監督: 山下康介 美術:礒沼陽子 照明:中川隆一 音響:大坪正仁
歌唱指導:楊淑美/山口正義 衣裳:朝月真次郎 ヘアメイク:馮啓孝 演出助手:北村直子 舞台監督:瀬崎将孝
前売開始 3/19(日)S席6,300円 A席4,200円 B席3,150円 Z席=1,500円/当日学生券=50%割引
公式=http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/10000102.html
初演のレビュー=http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2004/0610160811.html

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Posted by shinobu at 2006年05月24日 23:19 | TrackBack (0)