REVIEW INTRODUCTION SCHEDULE  
Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
mail
REVIEW

2006年06月09日

劇団文化座『鈴が通る』06/01-11三百人劇場

 劇団文化座は三好十郎さんの作品を1942年から上演しているんですね。mixi内の友人の日記に「燐光群『民衆の敵』よりも好感を持った」という言葉を見つけて、急いで予約して伺いました。久しぶりの三百人劇場はほぼ満員でした。上演時間は1時間20分。初演の舞台写真はこちら
 もー・・・・涙がず~~~っと流れまくり。しゃくったりもしちゃった。隣の席の方、ごめんなさい。やっぱり三好十郎戯曲は凄いです(過去に観た三好十郎作品のレビュー⇒)。

 お問い合わせ⇒劇団文化座 03-3828-2216(10:30~18:30まで)

 ★人気ブログランキングはこちら♪

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより引用。(役者名)を追加。
 敗戦から五年経ったある村。月の二十六日、今日も鈴の音が村を渡って行く――
 後家のそめ(佐々木愛)は農作業や子守りもこなすしっかり者。
 しかし毎月二十六日になると取りつかれたようによそ行きの着物を着、鈴を結わえ付け、村の道を歩いて行くのだった。
 そめに会い、あるいはその鈴の音を聞く者たちそれぞれの心に微かな波紋が巻き起こる・・・
 ≪ここまで≫

 演出や美術、演技は、私が小学生だった頃に学校で上演されてたようなものです。私としては誰にもお薦めできない種類のもので・・・・。でも、それでもやっぱり三好十郎さんの作品ですから、私は観に行っちゃうし、実際に観て、どーどー泣いちゃうんです。

 そめ(佐々木愛)が「シベリアに抑留された息子を返してください」と懇願し、役場でずーっと待っているシーンが美しかったです。舞台中央の木に寄りかかって立っているだけで、何の変化もないのですが、もー涙が溢れて止まらなかった。『ダモイ』を観ててよかったです。

 『民衆の敵』も「たった一人で立っていること」の偉大さを描いていましたが、この作品の方がもっとわかりやすく、身近に感じられた気がします。毎月役場に通うそめに向かって色んな人が「息子を失ったのはあんただけじゃないんだ。みんな我慢しているんだよ。」「誰もがもう忘れようとしているのに、いい加減にやめたらどうだい?」などと言うのですが、そめは止まりません。横田めぐみさんのご両親のことを思わずにいられませんでした(⇒北朝鮮拉致事件)。そめが身に着けた鈴の音に励まされ、人間の心を取り戻す人々がいたように、私も横田さんご夫妻にすごく勇気付けられています。

文化座引揚げ60年記念企画・平成18年度芸術創造活動重点支援事業
シリーズ「三好十郎の世界」VOL.3
出演=佐々木愛/姫地実加/青木和宣/中村公平/阿部勉/有賀ひろみ/佐藤哲也/沖永正志/高村尚枝/小林悠記子/立石親良/白幡大介/斉藤三勇/青山真利子/津田二朗/田村智明/中村公平/長束直子・椋本すみれ(娘二と旅の女のWキャスト)/後藤晋/小谷佳加
作=三好十郎 演出=小林裕 照明=鵜飼守 音響=齋藤美佐男 衣装=中村洋一 美術=宮田年 演出助手=米山実 舞台監督=鳴海宏明 制作=中山博実
料金(全席指定・税込)=一般5,000円 Uシート3,500円 高校生以下2,500円 チケットの販売開始4月14日
公式=http://bunkaza.com/

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
●●●人気blogランキングに参加中!ポチっとクリックしていただけると嬉しいです。●●●
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。

メルマガを発行しております。過去ログはこちら
 毎月1日にお薦めお芝居10本をご紹介し、面白い作品に出会った時には号外も発行いたします。
 ぜひご登録ください♪
 『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』(ID:0000134861)

↓↓↓メールアドレスを入力してボタンを押すと登録・解除できます。


登録フォーム






解除フォーム




まぐまぐ


『まぐまぐ!』から発行しています。

Posted by shinobu at 2006年06月09日 22:02 | TrackBack (0)