『乱篇』に続いて『夢篇』を拝見。これも2004年の『夢乃プレイ』の新演出です。“火星人の黒焼き”が自慢の中華風レストランを舞台にした「火星の女」(夢野久作の小説「少女地獄」の中の一編)・・・やっぱりこの脚本は傑作ですね。
U-30は「30代以下」の意味ですが、出演者のほとんどが20代前半から半ばまでの年齢だそうです。それを考えると演技のクオリティはとても高いと思います。
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作品の概要は初演のレビュー(『プレイ編』)をご覧ください。公演は終了していますのでネタバレします。
『乱篇』とは打って変わって、セーラー服の少女達(いわばコギャル)のハイテンション芝居。ピンクと黄色の照明や派手な音楽が白い壁の小さな空間に満ちて、最初はちゃんちきムード全開でした。一日に2作品連続で観られたのはお得でしたね。なにしろ同じ空間でこれだけ違うんですから。
“私”(市川梢)がストーリーテラーになってレストランに行った時のことを話します。“私”が“火星の女”をもてあそぶ校長の役も兼ねていたのが刺激的。教師の男女(岡田宗介&さとうまりこ)が後方でみだらに抱き合う、不謹慎な大人のエロスも良かったです。
客席側から“火星の女”(住吉梨紗)がゆっくりと登場した時から、一気に凄みが増しました。じっくりと丁寧に、堂々と語られる悲しい独白にやっぱり涙が・・・。客席に背を向けて、舞台奥に向かって朗々と謡うようにセリフを言われた時には、神々しさに鳥肌が立ちました。
う~む・・・やっぱり傑作ですよ、傑作。またぜひ新演出で再演してもらいたいです。
Ort-d.d U-30プロジェクト『乱と夢』05/24-28アトリエセンティオ(北池袋)
【乱篇】原作=江戸川乱歩『芋虫』『人でなしの恋』『防空壕』 出演=岡田宗介(Ort-d.d)/市川梢(Ort-d.d)/小田さやか/平佐喜子/綾田将一(reset-N)/杉村誠子(楽園王)
【夢篇】原作=夢野久作『少女地獄~火星の女』 出演=市川梢(Ort-d.d)/岡田宗介(Ort-d.d)/金子由菜/さとうまりこ/住吉梨紗/渡辺麻依/
構成・演出=倉迫康史 照明デザイン=木藤歩 アドバイザー=竹内陽子(乱篇衣裳)/棚川寛子(夢篇音楽)/弘光哲也(会場設営) 宣伝美術=ハコファクトリー 主催=Ort-d.d
一演目1500円/二演目2000円 前売は予約受付のみ。チケットの発行は無し。*各回定員50名(予約限定40名 当日10名)
Ort-d.d公式=http://www16.plala.or.jp/ort/
演出家ブログ=http://ortdd.blog7.fc2.com/
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