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REVIEW

2006年07月08日

サマホリ実行委員会『ホラー・ショーケース「summerholic 06 -恐怖劇場- 」』07/07-09 STスポット

 チェルフィッチュによく出演される松村翔子さんと山縣太一さん、そして中野成樹(POOL-5)+フランケンズが参加する企画なので観に行きました。
 ホラーがテーマの4本立てで、途中休憩15分を挟む2時間30分(長かった)。
 劇団 山縣家は正真正銘の家族劇団です。サイッコ~でした!演劇フリークに超お薦め(笑)。

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 ここからネタバレします。

1.中野成樹(POOL-5)+フランケンズ『ひまつぶし』
  ~原作:ソートン・ワイルダー(Thornton Wilder)『小説なればこそ』より~
  出演:村上聡一、福田毅、石橋志保、仲田真一郎、野島真理(声など) 
  誤意訳・演出:中野成樹

 小説家の夫と専業主婦の妻が暮らす家。家政婦が大やけどをしたので医者が診に来ている。そこに夫の客がやってきて・・・。

 箱馬や木材を使って、家の輪郭だけを作った美術でした。美術があったのはこのグループだけですね。音響オペレーションの卓が舞台上手奥にあります。野島真理さんがオペをしながら声の出演をしたり、野島さんの隣りに座っていた中野成樹さんがいきなり医者役で登場したり。

 見た目はあくまでもシンプル&クールで軽~いムードです。でも演技のバリエーションがとても多彩なんですよね。役柄を演じるいわゆる普通の演技と、お芝居に関係なく普段の感覚でいる演技と、演劇という(空間の多層変化のような)状態を見せる演技と・・・。それが照明、効果音、音楽などのハイセンスな演出と組み合わさって、深い演劇的楽しみを味わえました。

 最後に妻がクチパクで歌う"(I CAN'T GET NO) SATISFACTION"があまりに素敵だったので、終演後に関係者にお聞きしました。元シンバルズのヴォーカル・土岐麻子さんのアルバムから使用されたそうです。


2.劇団820製作所『izumi』(リーディング) 
  出演:佐々木覚(P.E.C.T.)、柘植奈央子、波田野淳紘 
  作・演出:波田野淳紘 照明:福島早紀

 リーディング(朗読)って難しいですよね。私は演出が面白いかどうか以前に、朗読がうまくできてないと楽しめないんですよね・・・。残念ながら集中できませんでした。

 休憩15分

3.劇団 山縣家『ホームビデオ』
  出演:やまがたひろとも、山縣恵子、山縣太一 
  作:やまがたひろとも 演出:劇団山縣家 音響=山縣耕太(山縣太一さんの双子の弟)

 劇団名のとおり山縣さんご一家による作品です。お父様が作・演出で、ご家族三人が実演される恐怖体験は、全て実話だそうです。この状況だけでも面白いんですが、体験談の内容も、演技も演出も、何もかもが作品として面白すぎて、私は異様に盛り上がってしまいました。数年前から活動されているそうです。驚愕。存在自体が奇跡。そして作品も凄いです。今後、追いかけます!!
 
 ・母さんが自転車ごと車にはさまれる。
 ・四年生の時に「宇宙は(万物は)まわってる」という事実に気づき陰鬱になった。克服に1年かかった。
 ・山縣家、波にさらわれる。
 ・カメ捕獲作戦
 など。


4.ユルガリ『ユルガリサバス』
  構成・演出=加納由紀子、松村翔子
  出演=加納由紀子、松村翔子、ボブ

 女の子二人による脱力系パフォーマンスでした。
 ・みんな死ねばいいけど
 ・みちばたでウンコする!
 ・かわいいものだけ欲しいわ。

 赤いつなぎを着た二人によるオリジナル・ラップの歌は面白かったです。
 「私、いま、可愛い演技してま~す♪」っていう意識がわかってしまうと冷めちゃうんだよな・・・。音楽が基点になっているようでしたが、すべての観客が出演者と同様に音楽に共鳴するのは、非常に難しいと思います。
 黒いストラップレス・ブラ&パンティーに灰色のスリップは反則(=大歓迎)だ!


参加団体=中野成樹(POOL-5)+フランケンズ/劇団山縣家/劇団820製作所/ユルガリ
・中野成樹(POOL-5)+フランケンズ『ひまつぶし』~原作:ワイルダー『小説なればこそ』より~ 出演予定:フランケンズ(村上聡一、福田毅、仲田真一郎、野島真理、石橋志保) 誤意訳・演出:中野成樹 
・劇団 山縣家『ホームビデオ』出演:やまがたひろとも、山縣恵子、山縣太一 作:やまがたひろとも 演出:劇団山縣家 音響=山縣耕太
・劇団820製作所『izumi』(リーディング) 出演:佐々木覚(P.E.C.T.)、柘植奈央子、波田野淳紘 作・演出:波田野淳紘 照明:福島早紀
・ユルガリ『ユルガリサバス』作・出演:ユルガリ(加納由紀子、松村翔子)
舞台監督=玉置玲央 照明=福島早紀子 音響=山縣耕太/波田野淳紘/松村翔子 記録=中泉さとこ 宣伝美術=松村翔子 主催・制作=サマホリ実行委員会(松村翔子/波田野淳紘) 共催・制作協力=STスポット STスポット提携公演
前売¥2,500/当日¥2,800/学生¥2,200 自由席・整理番号あり。学生は要予約&学生証
公式=http://samaholi.yulgali.oops.jp/

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Posted by shinobu at 2006年07月08日 20:56 | TrackBack (0)