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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2006年07月12日

Bunkamura『あわれ彼女は娼婦』07/06-30シアターコクーン

20060711 'Tis Pity She's a Whore.JPG
劇場裏のポスター

 三上博史さんと深津絵里さんが主演で蜷川幸雄さんが演出されるお芝居。ありがたいことに最前列での観劇となりました。これぞ目の保養。いや~谷原章介さんが美しくって、も~大変(笑)!

 上演時間は約3時間15分(途中15分の休憩を含む)でしたが、最後まで退屈せずに観られました。

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 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。
 中世のイタリア、パルマ地方。勉学に優れ、人格的にも非の打ち所がないと将来を嘱望されるジョヴァンニ(三上博史)は、尊敬する神父(瑳川哲朗)に、自分の心を長く苦しめてきた想いを打ち明ける。
 それは、妹アナベラ(深津絵里)を女性として愛しているという告白だった。神父は叱責するが、ジョヴァンニは鎮まらず、アナベラに気持ちを伝えてしまう。すると彼女もまた、兄を男性として愛していた。ふたりは男女として結ばれるが、幸福な時間は続かず、やがて妊娠が判明。カモフラージュのために、アナベラはかねてから求婚されていた貴族のソランゾ(谷原章介)のもとに嫁ぐが、ソランゾは彼女の不義を見抜き、怒り狂う。そして、お腹の子供の父親が妻の実の兄であることを探り当てるのだが……。
 ≪ここまで≫

 ジョン・フォード(英語Wikipedia)はシェイクスピアと同時代の劇作家だそうです。ロマンティックなセリフがいっぱいで、特に愛の告白などは「こんなこと言われたら絶対オチるねっ!」と断言できる口説きテク(笑)。耳に届く言葉をじっくりと噛み締めて味わいたいなと思いました。でも早口で通り過ぎていってしまうことがほとんどでしたね~、残念。

 舞台に高くそびえる壁には、人が通れる高さの窓がたくさん並んでいます。扉で開閉されるその窓全てが役者さんの出入り口になっており、時おりカーテンが出てきて風になびきます。白く透けたカーテンに照明が斜め上から当たるのがとてもきれいで、初めてその光景を見た時には「わぁっ!」と小さな歓声を上げてしまいました。

 この作品の舞台は中世のイタリアで、キリスト教が支配する世界なんですね。そこで近親相姦&不義密通・・・兄ジョヴァンニと妹アナベラはとんでもない大罪を犯しているわけです。とはいえ主役のお二人がず~っとナーバスな状態だったのは、観ていて疲れちゃいました。緩むところは緩んでもいいんじゃないかなと思います。

 谷原章介さんがとにかく超かっこ良くって、もー観てるだけで幸せ!甘い、甘~い、甘すぎのマスクにあの鼻筋!床に寝てる時の横顔なんてもー、鼻血出るかと思ったよっ(嘘)。背も高いので小柄な深津さんとの抱擁シーンがすっごく絵になっていて、うっとり♪

 ここからネタバレします。

 妻アナベラの妊娠を知った夫ソランゾは、彼女を妊娠させた義兄ジョヴァンニに復讐を誓います。罠だと知りながらソランゾの屋敷にやってきたジョヴァンニは、軟禁状態のアナベラに会って・・・。
 いったいどういう結末になるのかな~と気楽に観ていたのですが(なるべくリラックスするよう心がけていました)、なんと兄が妹を刺殺してしまいました!こりゃびっくり!さらに兄は妹の心臓を剣に突き刺して、広間に集まった客人たちに見せびらかしながら、ひと口食べちゃう・・・!そして照明で真っ赤にそまった舞台で、兄はどんどこ無差別に人を刺し殺していきます・・・血まみれの地獄絵巻・・・(汗)。

 兄妹で深く愛し合うのは仕方が無いことだと思いました。不幸ですけど・・・。でも夫ソランゾをあざむいたまま愛人関係を続けていたのは、いけないことだよな~・・・。どうしようもなかったとはいえ、誰かを傷つけていたことには違いないですし。・・・あら、私、普通??

 深津絵里さん。白くて細くってきれ~。でも演技は全般的に堅い印象。
 三上博史さん。『ヘドウィグ・・・』で三上さんにはゾッコンの私ですが、今回は一本調子気味で残念。ハッピーなところは本当にハッピーになって欲しいな~と思いました。
 高橋洋さんはおバカのお坊ちゃん・バーゲット役で、完全に道化に徹してらっしゃったのですが、これまた緊張が張り詰めたままのようで、心からは笑えなかったですね。それでも笑顔がとっても可愛かったです。

 他に良かったな~と思った役者さんはソランゾ(谷原章介)の忠実な部下役の石田太郎さん、アナベラの乳母役の梅沢昌代さん、ソランゾにもて遊ばれた未亡人ヒポリタ役の立石凉子さん、変装して復讐を果たすヒポリタの夫役のたかお鷹さん。

≪東京、大阪≫
"'Tis Pity She's a Whore "(1633) by John Ford
出演=三上博史/深津絵里/谷原章介/石田太郎/立石凉子/梅沢昌代/高橋洋/月影瞳/戸井田稔/妹尾正文/鍛治直人/たかお鷹/中丸新将/有川博/瑳川哲朗/ほか
作=ジョン・フォード 翻訳=小田島雄志 演出=蜷川幸雄 美術=中越司 照明=原田保 音響=井上正弘 衣裳=前田文子 ヘアメイク=佐藤裕子 ファイトコレオグラファー=國井正廣 振付=夏貴陽子 宣伝美術=トリプルオー 
発売4月15日(土) S¥9,000 A¥7,500 コクーンシート¥5,000 中2階立見券・¥3,500
公式=http://bunkamura.co.jp/
公演公式=http://bunkamura.co.jp/shokai/cocoon/lineup/06_aware/index.html

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Posted by shinobu at 2006年07月12日 00:20 | TrackBack (0)