ペンギンプルペイルパイルズの倉持裕さんの脚本をG2さんが演出されます。豪華キャスト7人による、ちょっと大人向けで不思議に悲しい男女関係。上演時間は2時間40分(途中15分の休憩を挟む)と少々長い目ですが、予想していたよりもずっと面白かったです。
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≪あらすじ1≫ 公式サイトより部分引用。(役者名)を追加。
舞台は都会から遠く離れた農村。畑に囲まれた一軒の家。住んでいるのは、ぎこちない夫婦生活を営む、遠山(丸山智己)と恵子(水野美紀)。
≪あらすじ2≫ チラシより。
いわくありげな新婚夫婦の住む家に、何故か集まってくる5人の男女。
偽装、償い、友情、嫉妬、見栄、怨恨、慕情・・・
それぞれの思惑と事情を抱えた7人のおかしな関係が
笑い、サスペンス、そしてせつなガを生み出していく・・・
やがて浮き彫りになってくるのは、
儚いギターサウンドに彩られた不思議な愛のかたち。
≪ここまで≫
今までのG2さんの演出作品の中で、一番私好みだったかもしれません。ストーリーを全然気にしないで、舞台で起こる些細な出来事をふんわりと楽しみました。役者さんも個性を出して、すすんで面白い工夫をされていて、観客を楽しませてくださいました。
謎多き夫婦・遠山と恵子以外の登場人物は、それぞれにはっきりとした欲望を持っています。その望みを実現しようとして起こす行動にキャラクターがよく出ていて、個々の役者さんの演技のバリエーションが面白かったですね。笑うところもいっぱいありました。上手い役者さんが揃っているのはやっぱり幸せ。
対して遠山と恵子の想いは曖昧で、関係は常にぎくしゃくしており、「いったい何を考えてるの?これからどうなるの?」と、最後まで疑問を持ち続けられました。話の方向性が見えなくて良かったです。
ソロのギター演奏が聴きどころで、作曲・演奏は“日本ジャズ界最高峰のギタリスト”の渡辺香津美さんです。たしかにいい音楽でした。暗転中も気持ちが良かったです。
折り込みチラシに個展の案内が入っていましたが、カモの絵は林俊作さんという中学2年生の男の子が描かれているんですね。
作品中のキーになる部分(ギター音楽とカモ)について、演劇とは直接関係のないアーティストを探して依頼しているのは贅沢だと思います。そういうところに演出家のこだわりが感じられて嬉しいです。
ここからネタバレします。
蹴っ飛ばされるカモ、空飛ぶシーツ、縁の下の緑色の照明など、「ワオッ!」と歓声をあげそうになるステキな演出がいっぱいありました。束になって大きな丸い塊になった紙テープが、ぐるぐる回って上手から下手に移動していくのも意外で面白かったです。
※2006/07/25追加
遠山のお葬式で恵子がつぶやくセリフにじ~んと来ました。
「だって好きになっていいかどうか、わからないのに」
水野美紀さん、すてきな女優さんでした。ふてぶてしく怒ったり、ミーハーに騒いだり、ころころと表情が変化して。意外に体がむっちりしてて、それもセクシー。
≪東京、愛知、大阪、広島、福岡、新潟、仙台≫
出演=大倉孝二/水野美紀/京野ことみ/丸山智己/伊藤正之/犬山イヌコ/河原雅彦
作=倉持裕 演出=G2 音楽=渡辺香津美 美術=横田あつみ 照明=小川幾雄 音響=井上正弘 衣裳=遠藤百合子 ヘアメイク=西川直子 演出助手=河合範子 制作助手=磯部さと子 舞台監督=榎太郎 宣伝美術=河野真一 宣伝写真=岡田貴之 宣伝スタイリスト=高橋泉 宣伝ヘアメイク=西岡達也 宣伝=米田律子(キューブ) 制作協力=池田正義(キューブ) 企画=G2 製作=山崎浩一(パルコ) プロデューサー=尾形真由美(パルコ) 高橋典子(リコモーション) 大西規世子(G2プロデュース) 企画=G2プロデュース 制作協力=キューブ 製作=パルコ/リコモーション
発売=5月20日(土) 8,000円(全席指定)
G2プロデュース内=http://www.g2produce.com/parco/kaiho/
パルコ劇場内=http://www.parco-play.com/web/page/information/kaihogen/
公式=http://www.parco-play.com/web/play/kaihogen/
特集=http://eee.eplus.co.jp/theatrix/special/kaihougen.html
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