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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2006年07月25日

【おすすめの本】佐藤郁哉著「現代演劇のフィールドワーク 芸術生産の文化社会学」

 ある有名劇団の制作さんに薦められて、やっと読み終わりました。その劇団の制作さんには、これを読むことが義務付けられているそうです(読み終わらなきゃ制作になれないんだって!)。
 いやー・・・目からウロコなことばかりで、赤線だらけになりましたよ。てゆーか「今まで読んでなかったんかいっ?!>自分」って、恥ずかしくなった・・・。

 fringeでも紹介されています。確かに具体的な解決策が書かれているわけではないですね。でも「これを知らないと始まらない」って言えると思います。

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 最後のページに書かれていたことです。
 野田秀樹さんの大学ノートの覚え書き@ロンドン、1987年。

 僕は、たとえば芝居におけるひとつの突然変異であった。大地真央にしてもそうだろうし、きっと謝珠栄にしてもそうだったのだろう。しかし、そのままでいつづけることはない。突然変異は、大量にでて、そのbasicなものがあってこそ、ひとつの世代をつくり、世界をつくる。だから、日本では突然変異は点で終って、世界へ向かうことがない。突然変異は、いつでるかわからない。だから常にbasisだけは用意されていてこそ、つまり、audienceも、theaterもcriticism〔も〕次の突然変異の為に用意されていなくてはいけない。

 たとえば今の演劇界での突然変異というと、有名どころで私が思いつく限りでは、岡田利規さん、前田司郎さん、松井周さん、三浦大介さん、本谷有希子さん・・・。その周辺でもどんどん「コレは凄い!」という才能が生まれています。
 彼らが“点”で終わらないために、audience(観客)、theater(劇場)、criticism(批評)が一緒になって、演劇のbasis(基礎、土台)になる・・・・そう、観客も演劇界に不可欠な参加者なのです。

現代演劇のフィールドワーク
佐藤 郁哉著
東京大学出版会 (1999.7)
通常1-3週間以内に発送します。

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Posted by shinobu at 2006年07月25日 09:14 | TrackBack (0)