ポスト・パフォーマンス・トーク出演日に2度目を拝見しました。作品の概要については初日のレビューをご覧ください。
全体のムードはずいぶん変わっていましたね。
公演は終了しておりますのでネタバレします。
【関連記事(2006/09/08追加)】
⇒二騎の会の紹介
⇒初日のレビュー
⇒2回目のレビュー(このエントリーです)
⇒ポスト・パフォーマンス・トーク
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京子(石橋亜希子)が突然、爆弾のスイッチを押してしまうシーンが最高に可笑しかったです。だって山根(永井秀樹)が涙ぐんでるっ!!(笑) そうですよね、泣いちゃうよね、だって真管が通ってたら全員即死だもの。それも平気で京子はスイッチを押したわけだから、彼女の本気があの瞬間に証明されたんですよね。・・・自爆テロだ。そこが大笑いできるシーンになっていたのは大成功だと思いました。初日はとにかく気が張り詰めていて怖かったように記憶しています。
1人を2人で演じるという現実にはありえない世界で、誰もが普通に相手とアイコンタクトをとって、コミュニケーションをしていました。それが当たり前に、自然に成立しているのが不気味で、最初はなんともむずがゆいような、すっきりしない気持ちになります。それが演劇体験として面白いと思います。
初日に比べるとその不可思議な会話がとてもスムーズでしたね。私が2度目だからでしょうけど、できればもう少しドギマギしたかったですね。ぎこちない状態から少しずつ自然になっていく・・・という風であれば、出演者と一緒にもっと楽しめたように思います。
さて、初日ではあんなに「あや(村井まどか&松田弘子)がウザイ」などと勝手なことを思っていた私ですが、2度目はそれほどムカつかなかったです(笑)。あやは山根(永井秀樹)のことが好きなんだって最初のうちから感じられたからかもしれません。
終演後に他のお客様とお話したのですが、「京子(石橋亜希子&天明留理子)の方がよっぽどムカつく」とおっしゃる方や、「山根が女4人にいじめられて可哀想」とおっしゃる方もいらっしゃって(笑)、かなり盛り上がりました。個性的で頑固な3人の登場人物に、観客は何らかの感情を持つことができたのだと思います。それは役者さんがその人物になりきっていたから、人物がありありとそこに存在したから可能だったのではないでしょうか。
2回観てトークにも出演して、この『直線』という作品は私にとって特別なものになりました。でもあえてその気持ちを排除して、普段の感覚に戻って自分がどう感じたのかを振り返ると・・・。
1人を2人で演じるというアイデアは面白かったし、それゆえの独特の効果が出たところもあったと思います。しかしながら、自爆テロ、カルト集団、一人暮らし、結婚生活、愛する人を失うことなどを題材にした、現代を生きる若者の三人芝居の上演だと考えると、この演出方法は必要不可欠であったとは思えません。
また、ストーリー展開に疑問が残るところもあったので、三人で上演していれば納得の行く(納得が行かないことに納得できる)ところまで、作りこむことができたのではないかとも思います。再演を期待したいと思います。
★9/3(日)18:30の回のポスト・パフォーマンス・トークに出演いたします。
出演=松田弘子/永井秀樹/天明留理子/石橋亜希子/村井まどか/他
作=宮森さつき(青年団演出部) 演出=多田淳之介(青年団演出部) 照明=岩城保 舞台美術=鈴木健介 宣伝美術=多田淳之介 演出助手=玉邑浩二 制作=二騎の会 総合プロデューサー/平田オリザ 主催=(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
日時指定・全席自由・整理番号付 予約2,000円 当日2,300円(9月5日15:00の回は平日マチネ割引 予約1,700円 当日2,000円)
公式=http://www.seinendan.org/jpn/infolinks/infolinks060717.html
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