文学座有志による自主企画公演です。ONEOR8の田村孝裕さんの戯曲を、文学座の上村聡史さんが演出されます。『裸足』は2001年に下北沢の「劇」小劇場で初演され、2004年に新宿THEATER/TOPSで再演された、いわば田村さんの代表作のひとつなのでしょう。私は初見です。
サイスタジオコモネ Aスタジオには、たぶん初めて伺ったのですが、けっこう広くていい空間ですね。
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舞台はある幼稚園の職員室。幼稚園らしいカラフルな装飾がほどこされた、ほんわか空間です。
幼稚園の先生たちと、園に出入りする人々の数時間を描きます。園児は出てきません。特にがっちりとしたストーリーがあるわけではなく、交わされる会話、行動などからじわじわとその場の人間模様が浮かんできます。
なんだか・・・バラバラな印象のまま終演してしまいました。
ホワイトボードに“4月の予定”とか書かれていたのですが、季節感が感じられなかったですね。夕方になって暗くなったり、雨が降ったりするんですが、臨場感がありませんでした。
美術が可愛らしかったです。色画用紙で作られたイモムシとか、すごく懐かしいです。色紙を入れるダンボールの箱も細かく飾り付けされていて良かったです。出入り口の枠の色や、事務イスの色がそれぞれ違っていたのもカラフルで楽しかった。特に喫煙スペースにつながる裏口の水色のドアは、板の部分が透明のパネルで少し透けて見えるようになっていて、広がりがあって良かったです。ステージ全体が浮いてるように感じられたのも軽いムードでいいなと思いました。
ここからネタバレします。
村八分状態のしほ先生(上田桃子)に、ひでみ先生(鬼頭典子)が話しかけるシーンが良かったです。「大人なんだから」って言われても、冷静に考えちゃいますよね。本当に私たち、大人なのかしら・・・って。
幼稚園の名前は“あおいとり幼稚園”でした。だから4月の入園式の飾りつけのために、みんなで青い色紙の鳥を作るんですね(2000枚ってことは10人で作ったとしても一人200羽・・・大変だっ!)。今、レビューを書きながらやっと気づいたんですが、青い鳥ってつまり童話『青い鳥』のメタファですね。うーん・・・観てる時にわかりたかったな。
出演=征矢かおる/添田園子/鬼頭典子/片渕忍/上田桃子/藤崎あかね/斉藤祐一/木津誠之/柳橋朋典/中村彰男/岡本正巳/赤司まり子
作=田村孝裕(ONEOR8) 演出=上村聡史 美術=乗峯雅寛 照明=阪口美和 音響=増田翔平 ピアノ=大下友里 チラシ=来住真太 協力=文学座企画事業部/サイスタジオ
前売・予約開始2006年9月4日(月) 全席自由席 3000円
公式=http://www.geocities.jp/kamimu20452000/hadashi
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