残波大獅子太鼓(ざんぱおおじしたいこ)は1986年に結成された沖縄の太鼓集団です。太鼓の公演は初めての体験でした。栗山民也さんの演出で歴史的な意味づけもほどこされた、沖縄三昧の2時間30分。
オーチャードホールの客席がほぼ満席のようでしたね。日本の太鼓の公演は、外国でもとても人気があるそうです。残波大獅子太鼓も海外公演をされています。折り込みチラシにも太鼓公演の情報がいっぱい・・・こんな世界もあるんですね~。
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沖縄と言うと私は必ず、学生の頃に一度だけ行った沖縄旅行を思い出します。いろんな意味で強烈な体験でした。その時に知ったのは「沖縄は外国だ(外国だった)」ということ。日本語が通じるし日本の領土に入っているけれど、その空気、人、文化は、日本とは違うものだと痛烈に感じたのです。それをこの公演でも肌で再確認しました。
なぜ、こんなに、深い憂いを感じるんだろう・・・。若者が飛んで跳ねて演奏して、もっぱら明るいSHOWであるはずなんですが、あの沖縄の独特の旋律に、私は深い闇を感じざるを得ません。きれいな女の子の張り・艶のある声を聴きながら、私の心にぐっとこみ上げてくるのは、大きくこの地平に広がる、悲しみです。そしてその悲しみの大地にしっかり根を張って、足をぐっと踏ん張って、空を向いて大気と一体になって命を謳歌する、ゆるぎないバイタリティです。
こんな風に書くとメランコリックな作風だったと勘違いされるかもしれませんね、ごめんなさい。そんなこと全くなかったですよ。力強い太鼓と太陽のように暖かいもてなしの心で、大きなホールが祝祭ムード満点の活気のある世界になっていました。
太鼓って見ても聴いても楽しいし、なんといっても演奏しながら近くに来てくれた時の、床や体に直接ずんずんと響いてくる、あの振動が気持ちいいんですよね!
●第1部:「かりゆしむらあしび」生きることの喜び、自然、光…
太鼓だけでなくサンシン(沖縄三味線)や歌、エイサー(舞)、シーサー(獅子舞)など、楽しい出し物がいっぱいでした。
シーサーと仮面を被った老夫婦(?)が登場するシーンは微笑ましかったですが、ちょっと長かったかなと思いました。でも仮面は第2部に関連させるための演出だったんですね。
●第2部:「戦争と平和」戦いから、再生へ
沖縄は、戦地になった経験のある土地なんですよね。そして今は米軍基地がある場所です。そのことを今、再び知りなおしました。
大きな太鼓が戦争を鼓舞したり、戦死者を弔ったり。叩き方、音量、音色によってその存在はピンからキリまで様変わりします。
第1部に出てきた仮面を後頭部につけて太鼓を叩くシーンがありました。平和に暮らしていた沖縄の人々が戦争に巻き込まれて行ったことがわかりました。
最後はみんなで踊ったんです~(座ったままですが)。大人の観客がいっぱいのオーチャードホールで、全員が手を挙げて、音楽にあわせて一緒に振りをするって、圧巻です。こんなことがサラリと起こっちゃうことに感動しました。
≪兵庫、富山、東京、ほか≫
出演=残波大獅子太鼓/舞踊団・遊花/エイサー団・真南風(新垣千里/新垣史乃/新垣達志/市来真作/喜久里崇/深澤絢/佐孝千暁/伊敷智也)
演出=栗山民也 照明=勝柴次朗 企画・構成=アニマ・エージェンシー
6/24発売 S席4,800円 A席4,300円 B席3,800円 ※未就学児童入場不可
公式=http://www.chimudon.co.jp/(音が鳴ります)
関連ブログ=http://nantoworld.blog27.fc2.com/blog-entry-102.html
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