櫻井圭介さんが企画・構成される『吾妻橋ダンスクロッシング』。シベリア少女鉄道、鉄割アルバトロスケット、地点という劇団も参加しているので、初めて伺いました。※過去にはチェルフィッチュや男子はだまってなさいよ、ペンギンプルペイルパイルズのぼくもとさきこさんも出演しています。
ダンスあり演劇(?)ありの、前後半に分かれたオムニバス。身体に魅せられたり、いい意味でも悪い意味でもあっけにとられたり(笑)。
座席によっては声(セリフ)が聴こえず、意味がわからないこともありました。なるべく舞台に近い正面ブロックの席がお薦めです。※全席自由席で、前売りチケットを持っている人から順番に入場します。当日券の方は立見の可能性あり。
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レビューをアップしました(2006/10/15)。
演劇の劇場とは全然違うムードですね、やっぱり。観客の自由度が大きい。座席についている時さえけっこう自由なので、私はちょっとどぎまぎしちゃいました。珍しくお友達と一緒だったのも原因かも。かしこまらず、very cool! very fool!に楽しむことにしました。
ダンスが良かったのは“休もうと雅子”こと康本雅子さん。シベ少は声が聴こえなくて無念。地点はさすがの存在感そして破壊力(笑)。
※私はダンス公演をそんなに観ていないので、パっと見の観客の感想になります。辛口にならざるを得ませんので、どうぞお許しを。
【SIDE A】
1.岩渕貞太「mint(+)」
振付=岩渕貞太 出演=畦地亜耶加/岩渕貞太
ジーンズを履いた普段着の男女のダンス。なんかゆるかったですね。オープニングの爆発力がなくて残念。前や横には動くんだけど、後ろに反らない。体全体を使っていないように感じました。静止してるのも休んでるように見えちゃった。
2.鉄割アルバトロスケット
作振者=戌井昭人 演出・照明=牛嶋みさを
「ハエハエカカカカ」・・・一体、これは何?と思ったときには終わってた(笑)。
「港町ブルース」あぁ、この人たちはネタをやるんだな、と認識。
3.休もうと雅子「妹」
出演=康本雅子
”休もうと雅子”というのは康本雅子さんの今回の芸名のようです。お布団とパジャマ姿の少女。寝たいんだけど起きなきゃだめだし、起きたら会社に行かなきゃだめだし・・・というのを超キュートにお布団と競演。やっぱり体が違いますね、さすがはダンサー。体だけで満足。
ラストにお布団から顔をちょこっと出して「バイバ~イ」と手を振ってくれたのが可愛かった♪
4.小浜正寛(ボクデス)「エア人間関係」
作・演出・出演=小浜正寛
透明のペットボトルを持って登場。「それは何?」「透明人間になれる薬」から始まる一人芝居。とにかくずーっとしゃべりっぱなし。面白かった~。後半で続きがあるのかなと思ったら、これだけだったので残念。
5.yummy dance「I like blue ?」
振付=yummy dance 出演=宇都宮忍、戒田美由紀、合田緑、高橋砂織、特居幸
女の子のダンス・グループのようなんですが、見栄えがしない・・・。ダンスもつまらなかったですねぇ。
6.鉄割アルバトロスケット
「ドラエもの」青いタオルを被ったやさぐれドラえもん登場。どこでもドアとかタイムマシンとか道具を出すネタ。楽しかった。
「金ジャラ」空っぽの財布をわざと落とし、それを拾おうとしたら、上着から小銭がジャラジャラーーーーっ!と、雪崩のように落ちました。最高。
「生まれたての馬鹿」生まれたばかりの子ヤギのような動作をしつつ、人生のグチ。面白かった。
「LSD」私の座席からはタイトル文字が見えなかったため、意味がわからなかったです。残念。
≪20分間の休憩≫ ドリンク(酒を含む)を飲んだり、おつまみを食べたり。私は緑茶をもらいました(1drink制)。
【SIDE B】
1.鉄割アルバトロスケット
「ゆでたまご」ゆでたまごについて、薀蓄にならない薀蓄を語る博士風の男。話し方が完成されていて良かったです。拍手も起こりましたね。面白かったら拍手をする(面白くなかったら拍手をしない)観客に、ブラボー。
2.砂連尾理「バーテンダー」
振付・出演=砂連尾理
舞台中央面(つら)にシェイカー。スポットが当たってます。その後方に渋い黒スーツ姿のバーテンダー。華麗なシェイカーさばきを見せつつダンス。徐々にバーテンじゃなくなってくる。え?シェイカーの中身?ボーリングとかの個人競技もあったような。戦争関連の音響(爆音・飛行機・ヘリ?)。
ごつごつしたダンスで男らしい力とかは感じたんですが、全体としてはぼんやり。
3.シベリア少女鉄道「ニホンゴチョットワカリマス」
作・演出=土屋亮一 出演=前畑陽平、篠塚茜
日本ハム・ファイターズのヒルマン監督(前畑陽平)のインタビューでした。レポーター兼通訳(篠塚茜)が監督の英語の言葉を日本語で訳すのですが、だんだんと通訳の方が先に勝手な日本語で話し始めます。「俺より先にしゃべるなよ!」と監督は怒りますが(監督のセリフはすべて英語)、徐々に通訳が話す日本語を、監督が英語とジェスチャーで解説するようになり、立場逆転。通訳は野球の話どころか、監督の祖母のお葬式で相続争いが云々・・・という全く関係のない話をし始めます。日本語とジェスチャーが、小さめに流れていたBGMのリズムとばっちり合わさった瞬間は爆笑!
ラストはとうとう通訳の女の子 on STAGE状態になり、河村隆一ばりの流し目をしながらノリノリでLUNA SEA(もしくは河村隆一の歌?)を歌います。同時に監督はその歌詞を走り回ってジェスチャーと英語で解説。曲がほぼフルコーラスあったのは長かったですね。歌の歌詞と英語のセリフが聴こえていたら、その馬鹿馬鹿しさをずっと笑えただろうと思うんですが、残念ながら音楽の音量が大きかったのか、役者さんの声が小さすぎたのか、私の席(下手後方)からは意味がわからず・・・。
4.休もうと雅子「姉」
出演=康本雅子
前半と打って変わってセクシー挑発お姉さん。照明とダンスのコラボで壁に生まれる影が迫力。舞台奥・下方から上を照らすの青い照明、丸いスポットの赤い照明も効果的。手足が長くて細くて引き締まっていて、とにかくかっこいい。ダンサーこうあるべし、と強く思いました。お顔もとってもキュートなんですよね~。ファンになっちゃった。
5.鉄割アルバトロスケット
「わき毛でバイオリン」わき毛でバイオリン演奏、の振り。音は声で出してました。爆笑。
「けいさんさん」小学生が計算?よくわからず。これも声が聴こえなかった。
6.地点「話セバ解カル」
出演=安部聡子 演出・構成=三浦基 演出助手=村川拓也 制作=田嶋結菜×橋本制作事務所
引用テキスト=犬養毅「犬養木堂氏大演説集」/町田康「どぶさらえ」/フランツ・カフカ「彼」
いきなり客席にも照明が点きました。しらじらとした広い空間にエメラルド・グリーン色のウェットスーツで登場した安部聡子さん。足には黄色いフィンも装着。舞台中央面(つら)に立ち、客席に向かって犬養毅が殺される前の演説を語ります。「はなせばわかる」というフレーズを何度もはさみながら、途中で河童についての語りも放送されます。膨大なセリフ量!
彼女は河童なんですね。髪から水もしたたっていました。話しても話しても伝わらない。だって彼女は河童だし、いくら話したって解からないものは解からない(犬養は殺されるし)。もちろん彼女が河童ではなく人間だったとしても、聞く側の人間が相手のことを話を聞くべき人物だと思わない限り、人間でさえないのです。「話セバ解カル!」と力を込めて言うたびに笑えたりしました。だんだん悲しく、そして怖くもなりました。
カーテンコールの後、なぜか透明ビニールシートで照明を保護し始めるスタッフ。最前列のお客様にもビニールが配布されていたようです。なんだなんだ?
鉄割アルバトロスケット恒例(と噂)の「ネギで殴り合い」開始。これは・・・驚いたし、あきれました(笑)。彼らの公演では必ずやると聞いていたけど、ここでもやるか!?って。しかもネギだから目が痛い!!
出演=岩渕貞太、小浜正寛(ボクデス)、シベリア少女鉄道、砂連尾理、地点、鉄割アルバトロスケット、休もうと雅子(康本雅子)、yummydance DJ:RYU KONNO(Super Deluxe/Come on People) VJ:稲葉まり
企画・構成=櫻井圭介 企画協力=紫牟田伸子 デザイン=東泉一郎 ウェブ=ALLIENCE PORT 舞台監督=原口佳子(office モリブデン) 照明=森規幸(balance, Inc.DESIGN) 音響=木下真紀 制作=奥野将徳/中西茜 制作協力=プリコグ 製作=吾妻橋ダンスクロッシング実行委員会
全席自由(チケット記載の整理番号順の入場)・ワンドリンク付き 当日3200円 前売3000円 学生前売 2800円(WEB予約のみ)
公式=http://azumabashi-dx.net/
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