『ブンナよ、木からおりてこい』は水上勉さんの名作で、青年座の代表作です。1978年から繰り返し新演出、新キャストで上演され続けています。今回でなんと19組め!私は劇団若草の卒業公演鑑賞がこの戯曲との最初の出会いで、青年座版は初見です。演出は黒岩亮さん。
できれば本多劇場よりも小さな劇場で観たかったですね。上演時間は約2時間15分(途中休憩を含む)。
青年座ブログで稽古場&舞台写真が見られます。これぐらい大きな写真がアップされていると嬉しいですね~。
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≪あらすじ・作品紹介≫ 公式サイトより ※トノアマをトノサマに変更
-ブンナ、まっていたよ!-
1978年の初演から1123回、水上戯曲不朽の名作が青年座の舞台に帰ってきます。
トノサマ蛙の子ブンナは、ある日、新しい世界を目指して椎の木のてっぺんに登ります。
しかし、天国だと思っていたそこは、こわい鳶(とんび)のえさ蔵だったのです。
弱肉強食の自然界で壮絶な「生きるための戦い」を繰り広げる小動物たち。
新作「ブンナよ、木からおりてこい」が 今秋 下北沢から世界へ飛翔します。
≪ここまで≫
いかにも悲惨な運命が待ってそうな、オープニングおよび最初の池のシーンが、まず残念でした。今の日本を生きている私たち人間は、十分に暗い毎日を送っていると思うんですよね(苦笑)。だから『ブンナ・・・』の動物たちの世界においてまで、大げさに「現実は恐ろしいのだよぉ~っ!」と声高に教えてもらいたくはなかったな~というのが、演出についての主な感想ですね。
シンプルな抽象舞台でした。ステージ中央に円盤型の大きな台があり、その上が椎の木のてっぺんになります。ダンスというのか群舞というのか、踊りで生き物の生態を表現するのは意外でした。衣装は基本の型が全員ほぼ同じで、特徴を表す装飾と色使いで役柄を区別しています。効果的ではあったと思いますが、魅せられはしませんでした。私は「青年座のあの人も、あの人も踊ってる!!」と、ほとんどミーハーな眼差しで役者さんを追ってしまいました。
暗い舞台に白いスポットライトをバンバン落として、役者さんの顔が光って飛んでしまうほど照らすのは、ちょっと・・・こっちが恥ずかしくなることもありました。
弱肉強食の現実から、つながり続ける命を知るという、偉大な戯曲だと思います。私はかなり好きですね。また新演出・新キャストになったら観てみたいです。
ここからネタバレします。
「いきものは、いきているんだよ」という言葉がよかったな~(セリフは正確ではありません)。椎の木とブンナが語らうところで、動物と植物、地球全体とつながったような気持ちになるのは幸せです。
高義治さん。ブンナ役。2003年の『ビジネスクラス』から注目していたので、大役抜擢が嬉しいなと思っていました。一直線すぎてちょっと物足りなかったかな。
横堀悦夫さん。ヘビ役。いつもながら惚れ惚れするぐらい愛嬌のある悪役ですね。殺気と色気のある母親ヘビでした。
出演=名取幸政/佐藤祐四/横堀悦夫/山賀教弘/山﨑秀樹/高義治/豊田茂/藤夏子/五味多恵子/野々村のん/小暮智美/尾身美詞
作=水上勉 演出=黒岩亮 装置=島次郎 照明=中川隆一 音楽=和田薫 音響=井上正弘 振付=菅尾なぎさ 衣裳 =三大寺志保美 舞台監督=今村智宏 製作=水谷内助義 製作=紫雲幸一
一般前売り:2006年8月15日(火) 一般5,000円 ゴールデンシート(65歳以上)4,000円 ユニバーシート(大学・各種学校生)3,500円 チェリーシート(高校生以下)2,500円 ブンナシート(一般+高校生以下) 7,000円~
公式=http://www.seinenza.com/
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