前田司郎さんが作・演出される五反田団(過去レビュー⇒1、2、3、4、5)。前田さんは小説家としても活躍されています。
今回は前田さんが前田さん役で主人公でした(劇場サイトより)。思う存分笑った~っ(笑)。気軽に楽めた1時間40分でした。
ポストパフォーマンス・トークのある日(10/30〔月〕、10/31〔火〕)は完売のようですが、後半は残席あるそうです。
※追加公演決定!11/5(日)19:00開演
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ある劇団の主宰である前田(前田司郎)のお話。とにかくおっかしくって、色々笑っちゃいました。チラシより↓
主人公の僕が、小さな名声をえてそれをまずしい人々にあげるため旅立ち、いろいろな事をする話です。私小説ならぬ私演劇。みてもあまり得るものはありません。
前売り・当日とも1500円という低価格公演ですから、それなりの舞台装置と衣裳です。だからこそ面白い演出効果もありますし、笑いにもなります。
これからご覧になる方は前田司郎さんの略歴などを頭に入れて行かれると、さらに楽しめるのではないでしょうか(笑)。
ここからネタバレします。
ある劇作家・前田さんが岸田國士戯曲賞を受賞したという設定でした。しかもなぜか2個もらったことになっており(笑)、賞はへなへなの筆文字で「岸田戯曲賞」と書かれている木の板で表現されていました。
演劇関係の雑誌の記者(後藤飛鳥)と前田さんとの会話のかみ合わなさは、私もよく経験することで、ほとんど笑いっぱなしでした。前田さんが真面目に語れば語るほど陳腐になって、笑えるんですよね。「無意識に言葉の光を当てると、それは消えてしまう」ということもよくわかりました。
前田さんは、恵まれない人に余分な(笑)岸田戯曲賞を分けてあげるため、架空の国マターンを訪れます。大蛇に飲み込まれて解けちゃいそうになってる彼女(望月志津子)を家に置いたまま。
リス、鳥、海(波)などを役者さんがほぼ素の状態で安っぽく見せるのも、意図がきっちり反映されているので、また笑えます。
マターンに暮らすマターン人(?)の親子、特に父(小河原康二)と息子(安倍健太郎)の言葉づかいや間(ま)が可笑しかった~。
息子「(演劇をやる人とは)人の前で嘘の話をする人たちだよ。」
マターン人の娘(立蔵葉子)は大蛇とマターン人とのハーフで、世界を飲み込んでしまうという存在でした。最後は何かをはらんでいる彼女のお腹に前田さんが耳を当てて、ひざ枕状態。ほんのり、まったり、いいムード。「もうっ、前田さんったら超カワイイッ!!」って思っちゃって、すごく悔しかったです(笑)。
≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫ 印象に残ったことの覚書です。
出演=(舞台上手から)坊薗初菜/安倍健太郎/宮部純子/中川幸子/立蔵葉子/前田司郎
前田「自分がちょっと有名になったと思った時、凝り固まって真剣に考えようとしてしまう。でもそれはやめたくて、好き勝手に作ることにしました。一回、息継ぎというか、伸びをする気持ちで。」
前田「今回は生きることを描こうかと思った。それは結合して何かを生むとか。」
前田「本来の生殖活動としてのセックスは何かを取り込んで、身体に入れて、生み出しますが、僕たちが今しているセックスは(笑)子供を生むためではないので、それはガムに似てます。ガムは噛み終わったら出して捨てます。」
宮部(リス役)「なぜヘビなんですか?」
前田「ヘビは飲み込んで、出すという、象徴的な存在。飲み込む、取り込む、食べる、ということを表したかった。自分がヘビを好きなのもある。巳年だし。よくヘビの夢を見る。」
宮部(from 京都)「なぜ前田はヘビに飲み込まれたんですか?」
前田「例えば今回は役者さんにお芝居なのか素なのか、半々の演技をしてもらっている。境界をあいまいにしたかったから(マターンなのか自分の部屋なのか/夢なのか現実なのか)。」
前田「誰にもわからないことだと思いますけど、服を着替えるのはヘビの脱皮を意味しています。」
出演=安倍健太郎(青年団)/小河原康二(青年団)/立蔵葉子(青年団)/坊薗初菜(カムカムミニキーナ)/宮部純子/後藤飛鳥/中川幸子/西田麻耶/前田司郎/望月志津子
作・演出=前田司郎 照明=前田司郎 制作=榎戸源胤/塩田友克/尾原綾 主催=五反田団 提携=(有)アゴラ企画/こまばアゴラ劇場
9月27日より予約開始 予約当日とも1500円 全席ほぼ自由席 ※未就学児童の入場は原則として不可
公式=http://www.uranus.dti.ne.jp/~gotannda/
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