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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2006年11月01日

扉座『ご長寿ねばねばランド』10/28-11/05紀伊國屋ホール

 横内謙介さんが作・演出される扉座(過去レビュー⇒)。横内さんは最近だとテレビドラマ「ダンドリ。」の脚本も手がけられましたね。

 今回は横内さんの実のおばあ様をモデルに書かれたそうで、なんと登場人物の平均年齢が約90歳!!(当日パンフレットより) 上演時間は約2時間10分。

 あら、山中たかシさんは山中崇史さんに改名されたんですね。

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 ≪あらすじ≫
 老人しか住んでいない南国ねば島のねばホテル。従業員もお客様も老人ばかり。都会から仲良し老婆3人組(中原三千代/松田かほり/伴美奈子)が旅行にやってくると、ねば島の青年団のおじいちゃまたち(岡森諦/六角精児/有馬自由)は大ハッスル。老婆らも窮屈な現実世界から気持ちを解き放って、のびのびと羽を伸ばし始めるが・・・。
 ≪ここまで≫

 なんと登場するのは老人だけ!!役者さんはもとのお顔が全然わからないぐらいの本格的なふけ顔メイクで(⇒山中崇史さんのブログをご覧あれ)、ずっと老人役に徹しています。少々困惑しましたが(笑)、45分ぐらいですっかり慣れました。

 全体的にベタ~っとしたストーリー芝居で、あまり私が好きなタイプの作品ではないのですが、親しみやすくてわかりやすい言葉ばかりを使ったご老人達の会話から、胸にじ~んとくる大切なメッセージが沢山伝わってきました。涙ぼろぼろ流しながら見てましたよ・・・。
 誰もが絶対に避けられない死。もし生きながらえたら“老後”も必ずやってきます。近い将来の自分のことだと思って観ていれば、胸にひっかかってくることは沢山あると思います。

 こんなに顔がわからなくなるまでメイクしちゃうのはどうなんだろう、と思ったんですが、かえって役者さんの存在感(オーラ)がわかりやすかったかもしれません。109歳のホテルオーナー役の山中崇史さんは、やっぱり目立ってましたね(笑)。

 ここからネタバレします。

 心に残ったセリフを下記に(正確ではありません)。
 理論物理学者(杉山良一)「自分が死んでも宇宙は続く。死ねば終わりというのは空しすぎる。」
 蝶を追いかける医者(有馬自由)「一目会いたい、見てみたいという気持ちを死ぬまで追っている。」
 昌枝(中原三千代)の俳句「雑草の 中に茗荷の 花ふたつ」

 老婆3人は老人介護専門の病院で同室になっている仲間で、その内の2人はベッドに寝たきりであることが、終盤で判明します。3人は、ねば島へと旅をしている夢を見ていたのです。この設定自体には納得できるのですが、説明のためのセリフが多すぎるように感じました。言葉で表現しなくても他の手早い方法があるんじゃないかな~。

 伴美奈子さん。ボランティア精神旺盛で、“手癖の悪い”みやこ役。私は判さんの大ファン。伴さんの写真が大きくチラシの裏面に載っているのを確かめて、観に行くことを決心しました。やっぱり素敵でした~。優しい、暖かい言葉が身体にしみこんで来ます。
 岩本達郎さん。なぞの水先案内人“良造さん”役。『ピーターパン』のパロディーで“心優しい妖精ベルさん”の話を一人語りされたのが面白かったです。

 蛇足なんですが。私の隣の席の女性のお客様(3人)はずっと山中崇史さんのことを見ていて、クスクス笑いながらおしゃべりしてました。ヤだった・・・テレビドラマ『相棒』のファンなのかな・・・。

≪厚木、東京≫
出演=中原三千代/松田かほり/伴美奈子/岡森諦/六角精児/有馬自由/山中崇史(山中たかシから改名)/高橋麻理/杉山良一/累央/仲尾あづさ/鈴木里沙/上原健太/鈴木利典/高木トモユキ/田島幸/岩本達郎/川西佑佳/山下幸乃
作・演出=横内謙介 美術・技術監督=大竹義雄 照明=塚本悟 音楽=佐藤容子 音響=青木タクヘイ 衣装=木鋪ミヤコ 演出助手=則岡正昭 舞台監督=大山慎一 票券=金井瞳 制作=太田さやか 田中信也 トータルコーディネート=赤星明光 製作=(有)扉座 宣伝美術=吉野修平 イラスト=溝口イタル 宣伝写真=山脇孝志
9/10発売開始 全席指定・税込 前売券4200円 当日券4500円 学生券3000円(扉座のみ取扱い)※未就学のお子様はご入場いただけません。
公式=http://www.tobiraza.co.jp/

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Posted by shinobu at 2006年11月01日 15:35 | TrackBack (0)