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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2006年12月04日

らくだ工務店『幸せのタネ』11/28-12/03「劇」小劇場

 石曽根有也さんが作・演出されるらくだ工務店とはご縁がありまして、2001年の第4回公演からずっと拝見しております(過去レビュー⇒)。
 今回は劇団員が少なくなって客演の役者さんが多かったですね。

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 ≪あらすじ≫ 公式サイトより一部引用。(役者名)を追加。
 一組の若い夫婦が住む一軒の借家。そのそばに建つ福祉センターで企画されたマジックの余興。マジシャンの兄(野本光一郎)と子供が出来ない妹(吉田麻起子)と、聾話者の妹(江幡朋子)と物静かな兄(濱田龍司)と。
 ≪ここまで≫ ※聾話者は聾唖者の間違い?

 築20年ぐらい経ってそうな一軒家の居間が舞台。客席とステージが近い!かぶりつき状態で静かな日常を描くお芝居を拝見しました。
 聾唖者のひきこもり、ゲイの編み物教師、母一人子一人の家庭など、世間ではマイノリティとして扱われがちな人々が登場し、老人ホーム、学習塾、スーパーマーケットなど庶民の等身大の生活の場が題材になっています。

 今までの公演では観たことがなかった演出があり、脚本も前回より人物の奥深さが増したように思います。らくだ工務店の作品のレベルがまた一歩前進したと言えるのではないでしょうか。ただ、目新しさや効果的なアイデアがあったかというと、そこまでではなかったんですが。

 劇団員が少なくなって、他劇団で活躍する役者さんが多数出演しており、プロデュース公演の色合いが強くなっていました。劇団のこれまでの実績があるからこそ、人が集まっているのだと思います。
 日常を描くお芝居はよく見かけるので、私としてはらくだ工務店だからこそ観られるものが観たいですね。たとえば前回公演では確実にらくだ工務店ならではの空気というものがあったと感じたのですが、今回はそれほどではありませんでした。

 ここからネタバレします。

 塾講師(濱田龍司)とその妻(吉田麻起子)がなぜずーっと暗い表情をしているのかがわかりませんでした。新任教師と女子高生の結婚・・・大変ですよね。あることないこと色々な噂を立てられて苦労した、というのは伝わってきましたが、どうして子供を生む決心をしなかったのか(生めなかったのか)、浮気をしてる・してないとか・・・何を憂いているのかがわかりませんでした。

 マジシャンの下田(野本光一郎)が披露した簡単な手品で、めったに笑わない聾唖者の久恵(江幡朋子)の笑顔が見られた、だから下田はマジシャンの道をあきらめないことにした、という結末はかわいらしいと思いました。

出演=野本光一郎(ONEOR8)/吉田麻起子(双数姉妹)/濱田龍司(ペテカン)/岡本考史(東京タンバリン)/ますだいっこう/江幡朋子/今村裕次郎/瓜田尚美/石曽根有也/岩松高史
作・演出:石曽根有也 舞台美術:福田暢秀(F.A.T STUDIO) 音響:高橋秀雄(SoundCube) 照明:山口久隆(S-B-S) 宣伝美術:石曽根有也 制作:山内三知/伊藤理絵 企画製作:らくだ工務店
チケット前売り開始10月9日(月) 前売2,800円 当日3,000円[全席指定席/税込]
公式=http://www.rakuda-komuten.com/

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Posted by shinobu at 2006年12月04日 19:39 | TrackBack (0)