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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2006年01月27日

【宣伝】シアターガイド2006年3月号に掲載されます

 シアターガイドで連載中のシリーズ「小劇場に明日はあるか?!~出てこい!演劇の未来を背負う若手劇団~」の第10回に、私、ちょこっと掲載されます。
 演劇が大好きでたまらない演劇関係媒体の方々と一緒に、私が今感じていること、考えていることをお話して、それが雑誌に載るなんて・・・嬉しいッス!感謝ッス!
 ぜひとも ご購入くださいませ♪ 2006年2月2日発売です。
 ※メルマガを「週一回発信」とありましたが、「月一回」の間違いです。お詫びして訂正します。

Posted by shinobu at 15:17 | TrackBack

空想組曲『白い部屋の嘘つきチェリー』01/26-29シアターVアカサカ

 空想組曲劇団こってり(活動休止中)やG-upプロデュース公演で作・演出をされている ほさかよう さんの演劇ユニットです。
 チラシのビジュアルから「サスペンス・ホラーありの幻想的なラブストーリー?」と勝手に想像していたのですが、かなり外れてましたね(苦笑)。さらに予想に反することには、涙をびょーびょー流しての観劇になっちゃったことです。いわゆるありきたりな設定だと言えると思います。それでも泣けてしまうんだからしょうがないっ。

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 ≪あらすじ≫
 都会からは少々不便な場所にある病院。好きな女の子を見舞いに来た一樹(山本卓)は、ロビーで見ず知らずの入院患者(有川マコト)に話しかけられた。「早まるな!生きてれば何かが変わる!」と。一樹がくだもの用のナイフを手にしていたので、自殺しようとしていると勘違いされたのだ。彼の誤解を解くために話し始めるうちに、有馬春夫と名乗るその入院患者は一樹に「俺と友達になってくれ」と強引に言い寄ってきた。
 有馬春夫がその病院に入院したのは約1年前。「嘘が大嫌い」な有馬は、互いを思いやり慰めあう患者達や、本当の病状を伝えようとしない医師や看護婦に対して、入院当初からはげしく毒づいていた。有馬はあっという間に病院一の嫌われ者になったが、入院患者のサクラ(後藤飛鳥)という少女だけは、くったくなく有馬に近づいてきて・・・。
 ≪ここまで≫

 一樹が病院に訪れた“現在”と、有馬が入院した“1年前”が交錯しながら、入院患者の病状および病院内の暗黙のルール、そして有馬の変化の理由が徐々に明らかになってきます。転換の度に「これは現在?それとも過去?」と考えるのが楽しかったです。

 何度も書いていることなのですが、病院ものはものすごく苦手なんです、私・・・。始終パジャマ姿の入院患者、見舞いに来なくなる友達、不治の病ゆえの悲劇などが簡単に想像されて、それだけで萎えちゃうのです。
 でも今作は病院の中での生と死がテーマなのではなく、人間同士が関わっていく上で不可欠な「嘘」と「本当」を描きながら、言葉と心の複雑で美しい関係を見せてくれたような気がします。だから泣けちゃったんだな。

 ベタ(ありきたり)な演技がちょっと鼻に付いたかな・・・。役者さんの演技は全体的に調和が取れていないように思いました。それは初日だったからかもしれません。音楽はかかる回数が多すぎる気がしたのと、鳴るタイミングや感動へと誘導するムードがヤだったりも。 
 それでもやっぱりボロボロ泣いちゃってたんですけどね!(笑) 客席からも鼻をすする音がよく聞こえましたね~。女性客は特に泣いている人が多くて、終演後に鏡で顔をチェックしている人がいっぱい(笑)。
 
 ここからネタバレします。

 入院患者は死に至る病に犯されており、皆で優しい嘘をつきながら、いつ訪れるのかわからない死を待っているという設定でした。誰かが亡くなっても決して「死んだ」とは言わず、「退院した」と言い合うのです。具体的な病名が明らかにされなかったのが良かったです。また、誰かが死ぬシーンが全くなく(ラストを除く)、残された人々が死体に駆け寄っておよよと泣き崩れるような、クサいシーンがなかったのも素晴らしい。

 新しく赴任してきたドクターの陣内(浅野智)が悪い奴で、彼がサクラ(後藤飛鳥)に性的ないたずらをしたために、彼女は心臓発作を起こしたという事実を有馬が突き止めます。さらに陣内は発作を起こした彼女を放置し、彼女は死んでしまったのです。クライマックス直前にほさかさんらしいグロテスクな犯罪が出てきて、いわゆるイイ話にグサっとスパイスが効いたのは良かったと思います。でも全体の流れとしては少々唐突すぎる気もしました。

 なぜ有馬春夫は1年間、狂った振りをしなきゃだめだったのでしょうか・・・“友達”が現れるのを待っていたのかな?だとすると、有馬と一樹との最初の出会いのインパクトがちょっと弱かったんじゃないかなぁと思います。

 有川マコトさん(絶対王様)。有馬春夫役。誰かれ関係なく毒づく、めちゃくちゃイヤな男が、サクラに少しずつ感化されて素直になっていく様を、とても自然に、時にコミカルに見せてくださいました。イキウメ『散歩・・・』に続いて涙の熱演を拝見できました。
 後藤飛鳥さん(五反田団)。サクラ役。無邪気で奔放で誰からも好かれる薄幸の美少女、なんていう役を、本当にハマリ役として演じられる女優さんはなかなか居ないと思います。「本当は死ぬのがすごく怖い」と泣いて春夫にすがるシーンがとても良かったです。
 山本卓さん(Afro13)。ちょーかわいい・・・マジで見とれてしまいました。女の子みたい・・・・。
 
出演=有川マコト(絶対王様)/後藤飛鳥(五反田団)/山本卓(Afro13)/日栄洋祐(bird's-eye view)/篠崎たかし(POOL-5)/渡辺裕樹(MCR)/中村早千水(bird's-eye view)/小宮山実花(サードステージ)/中谷千絵(天然工房)/浅野智/石澤美和(SQUASH)/佐藤良幸 
作・演出=ほさかよう 舞台監督=小野八着(Jet Stream) 舞台美術=福田暢秀(F.A.T studio) 音響効果=天野高志(OFFICE my on) 照明=正村さなみ(RISE) 宣伝美術=岩根ナイル(mixed) スチール=守谷美峰(mixed) 制作=G-up
公式=http://www.k-kumikyoku.com/

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Posted by shinobu at 14:30 | TrackBack