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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2006年02月04日

彩の国シェイクスピア・シリーズ『間違いの喜劇』02/03-19彩の国さいたま芸術劇場 大ホール

 蜷川幸雄さんのシェイクスピア演出シリーズです。出演者は男性ばかり。小栗旬さんと高橋洋さんが双子の兄弟を二役ずつ演じられるのが目玉になってますね。写真やインタビューが充実している公式ブログもご覧ください。
 楽しかったー!!幕開けから心のこもった演出でウキウキさせてくれて、笑いも感動もしっかり確実に見せてくださいました。上演時間も2時間休憩なしで、あぁ、気持ちがいい!与野本町まで観に行って大満足でした。
 ところで学生席2,000円っていうのは激安ですよね。場所によっては見切れちゃうそうですが(読者の方より情報いただきました)、学生の方はぜひこの豪華なエンターテインメントを楽しんでいただきたいです。

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 あらすじはこちら。ここからネタバレします。有名な戯曲ですので、お読みになってから観に行かれても大丈夫だと思います。

 双子の兄と弟を間違えることによって、多くの人々が振り回されるドタバタコメディーです。そして最後には引き裂かれていた家族が劇的な再会を果たすという大ハッピーエンドが用意されています。シェイクスピアの喜劇の傑作ですものね。笑うところは笑って、じーんと来るところはじーんと来て、すっかり子供のような観客になって味わうことができました。
 衣裳は白を基調にしたおしゃれで豪華なもので、ヘアメイクもかっこいいし、音楽も控えめで上品で、役者さんも心から楽しんでいるし、決めるところはがっつり決めるし・・・もー大満足。

 舞台には人物像の飾りが贅沢に施された、豪華な鏡面の壁がそびえています。壁はステージのかなり前方に建てられているので、舞台上の演技スペースは横長で奥行きが少なめだと思います。
 客席の通路をふんだんに使う演出でした。美術の壁が鏡面仕立てになっていて、客席の入り口から舞台へと駆け降りてくる役者の姿がその鏡に映り、観客は正面を向いたまま、走りこむ役者を目で追うことができます。つまり、ステージ上は狭い目だけれども、客席を含む劇場全体が演技スペースだったとも言えます。観客との距離が近くて臨場感もあって、お芝居に参加しているような気持ちにもなれる、とても大らかな空間でした。

 ただ、最後のダンスシーンでの口移しの赤いテープは意味不明(笑)。あれはいただけなかったなー。でも終わってみたらそんなことはもう気にならず、私の心も大団円を迎えることができました。

 吉田鋼太郎さん。アンティフォラスの父イジーオン役。最初の長い独白で、妻と長男(と下男)との海上での別れ等の過去を説明するのですが、それだけで涙出ちゃったよ・・・素晴らしい。
 小栗旬さん。アンティフォラス兄・弟(2役)。かっこ良かったです。兄の方が怒りっぽくて弟の方がほんわかしてるんですね。ただ、演技はもうちょっと・・ですかね。
 高橋洋さん。ドローミオ兄・弟(2役)。道化の役割をきちんと果たしてらっしゃいました。体の切れも素晴らしく、細かい動きや語り口にも工夫が一杯で、もー大満足です。何と言っても呼吸がいい。見とれました。少々早口すぎるなぁと思うことはありましたが、そんなのもう忘れちゃった。ステキでした。
 内田滋さん。アンティフォラス兄の妻エイドリアーナ役。のびのび自由で、思いっきり面白キャラでした。おおげさに怒ったり、泣き叫んだり、転んだり、ハンカチ投げたり、落としたり、もー大変(笑)。出て来る度に楽しませてくださいました。女装もすごく美しかったです。
 月川悠貴さん。エイドリアーナの妹ルシアーナ役。本物の女性みたいでした。知的で冷静で姉と対照的なのがよく現れていました。アンティフォラス弟(小栗旬)に愛の告白をされる時は、観ていてときめきさえ感じられる色っぽいラブシーンになっていました。

"The comedy of Errors" by W. Shakespeare
出演=小栗旬/高橋洋/内田滋/月川悠貴/鶴見辰吾/吉田鋼太郎/瑳川哲朗/川辺久造/たかお鷹/原康義/妹尾正文/清家栄一/飯田邦博/山下禎啓/高野力哉/田村真
作=W・シェイクスピア 翻訳=松岡和子 演出=蜷川幸雄 翻訳=松岡和子 美術=中越司 照明=原田保 音響=井上正弘 ヘアメイク=佐藤裕子 演出助手=井上尊晶 舞台監督=白石英輔 宣伝美術=塩澤淳一(トランス・グラフィックス) 宣伝美術=溝江俊介 宣伝ヘアメイク=森本美紀 宣伝スタイリスト=坂能翠
S席9,000円 A席7,000円 B席5,000円 学生席2,000円(全席指定)メンバーズ割引あり 18ステージ 休演日=2/6, 2/13
公式=http://www.saf.or.jp/performance/geijyutu/05_33.html
公式ブログ=http://blog.eplus.co.jp/shakespeare

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Posted by shinobu at 18:09 | TrackBack