2006年02月13日
映画「七人の弔(とむらい)」(製作=バンダイビジュアル他)
ダンカンさんの初監督作品。脚本も手がけてらっしゃいます。ダンカンさんって放送作家で、脚本家で、映画監督で、俳優なんですね。公式サイトはこちら(音が鳴ります)。
もー・・・・ほんと、イヤになりました。こまごま意図的に組み込まれた笑いもあるんですが、わざとらしくてしらけます。子役も下手(上手い子役も好きじゃないけど)。大人は・・・上手い人と下手な人の差が極端です。アイスクリームのところでだいだいネタは割れてました。一見爽快な結末も、実は幸せに全く結びつかないですよね。
勝手に5つ星評価。
★☆☆☆☆ お薦めできない
★★☆☆☆ 好みじゃないけど観てよかった
★★★☆☆ 面白かった
★★★★☆ お薦めです
★★★★★ 人生変わるほど感動!
「七人の弔(とむらい)」は★☆☆☆☆です。私の好みじゃないってだけのことですが。
出演=ダンカン/渡辺いっけい/高橋ひとみ/いしのようこ/山崎一/温水洋一/保積ぺぺ/有薗芳記/山田能龍/水木薫 【子役】中村友也/川原真琴/柳生みゆ/波田野秀斗/戸島俊季/石原圭人/松川真之介
監督・脚本=ダンカン 音楽=松谷卓 プロデューサー=森昌行/吉田多喜男 ラインプロデューサー=小宮慎二 撮影=村埜茂樹 照明=舘野秀樹 美術=稲付正人 録音=白取貢 助監督=松川嵩史 編集=太田義則 記録=森直子 製作担当=岩谷浩 キャスティング=吉川威史 製作=バンダイビジュアル・TOKYO FM/オフィス北野 配給=オフィス北野、東京テアトル
公式=http://www.office-kitano.co.jp/7tomurai/
作品紹介=http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=5238
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キラリ☆ふじみで創る芝居『Pictures』02/10-12キラリ☆ふじみマルチホール
宣伝もしておりました『Pictures』、観て参りました。1999年初演の第20回文化庁舞台芸術創作奨励特別賞受賞作品で、7年ぶりの再演です。キラリ☆ふじみは半端なく遠かったですが(笑)、観に行ってよかったと心から思える上質な作品でした。
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公演は終了していますので、ここからネタバレします。
能舞台を思わせる四角くて何も無いステージ。下手には橋掛かりもあります。和紙の大きなスクリーンが天井から数枚垂れ下がっています。
≪あらすじ≫ セリフは上演台本より引用。
舞台中央には顔に白い布をかぶせられた遺体がある。聡(三村聡)の恋人の小夜子(寺内亜矢子)だ。聡の横に弟の薫(平原哲)もやってきて、小夜子の遺体のそばに座る。二人ともまだその死が信じられない。
小夜子のたった一人の身寄りである、実の妹の満乃(田上智那)がやってくる。
満乃「明日、朝一で姉を連れて帰りたいんですけど。」「仙台の実家に。」
聡「……籍入れとくんだったなあ。」
薫のガールフレンドの佐紀(佐藤亜紀)もやってきた。昨日の夜、聡と小夜子の家で、薫と佐紀の卒業祝いのパーティーを開いたばかりだったのだ。
≪ここまで≫
大切な人の突然の死。どんなにつらくても、向かい合うしかありません。
聡と小夜子がいかに愛し合っていたか、二人がどんなに特別な関係だったかが、聡の発する小さな言葉達から沁みこむように伝わってきます。また満乃と小夜子についても、両親を早くに亡くしていたために、ごく普通の姉妹よりもより緊密な関係であったことがわかります。
聡が「この世にいながらにして身体から自由になれて、大事な人とひとつになれるすごーく気持ちのいいこと」を話した時、私は自分の中のすごく深い部分で共感しました。心、体、そしてそれらを超えた世界があることを信じられました。
明神さんが作り上げる、ただ目の前にある、という世界の中に、沈み込むように静かに観劇していましたが、終盤で思わぬ盛り上がりがやってきました。
薫「5分、5分だけでいいから、オレと小夜子さん二人にしてくれないかな。」
このセリフを聞いたとたん、涙がこぼれてしまいました。そうか、そうだったのか、薫も小夜子さんを愛していたんだね・・・。だから「オレ、フツウじゃないから。」「…オレ、今のオレは佐紀と溶けらんないよ。別なんだよ。オレが甘えてるだけで。」なんだね・・・う゛~っっ泣ける、泣けてしまうっ!
その後の薫と小夜子、二人だけのラストシーン(薫の一人長セリフのシーン)では、もう涙が溢れっぱなしでした。
薫「あなたを…あなたを一度だけ抱きしめたあのとき、無防備なあなたの背中を抱きしめたとき…ほんの一瞬のことだったけど、驚きながらもあなたはオレを受け止めてくれたように思うんです。二人は溶け合っていたように思うんです。何も始まりはしなかったけど…。あなたのとなりには兄がいる。いつも事実が目の前にありました。それでも、あなたに会えてよかった。」
人は、自分の中に、愛する人を持つことが出来るんだと思いました。「持つ」ってヘンですよね、どう言ったらいいのか・・・小夜子は死んでいるので、あの部屋には薫しかいません。でもそこには薫が愛する小夜子が、いたんです。そういえば、小夜子に向かって妹の満乃が懺悔するシーンでも、小夜子が居たように感じていました。
最後の一シーンはなくても良かったんじゃないかと思いました。小夜子への最後のお願いを言い終わった薫は、顔を少しずつ上に向けていきます。それを包み込むように溶暗していく、あの永遠のような闇の中に、小夜子に抱きしめられている薫が見えたように感じていたので。
最愛の人・小夜子を失った兄・聡役は三村聡さん。いつもながらきりっとしていてステキです。でもある型にはまった状態がずっと続くのが不自然に映ることもありました。欲を言えば、もっとラフな姿も見せていただければ、笑えるところ泣けるところも増える気がします。
兄の恋人を愛してしまっていた弟・薫役の平原哲さん。プラスもマイナスもない、自然でした。パーフェクト。声もいいし、背もたかく、スタイルもいいです。弟らしいちょっと可愛らしいところもあります。キャスティングされたのが2/6(月)で、初日は2/10(木)です。私が大ファンだということを差し引いても、本当にすごい役者さんだと思います。
開幕から終幕までずっと舞台上に居る(ある)、白装束の遺体を演じられたのは寺内亜矢子さん。遺言の8ミリ映像にも出演されて、2人の男から愛し慕われる女性を全くムリを感じさせずに体現されました。全てを許し、癒してくれる優しい声と語り口は、まさに女神。大人の美女であり、清らな少女でもありました。
★アフタートークの出演者は明神慈さん×堤広志さん(演劇・舞踊ジャーナリスト)×杉山至さん(舞台美術家)でした。ポかリン記憶舎の今までの作品およびその特徴について、そして今回の舞台装置について、とても肉厚のあるトークを聞かせて下さいました。ポかリン記憶舎ってすごく愛されているんですね。私も大好きですけど。
観客からの質問コーナーで「キャスト変更があったのはなぜなのか」という質問がありました。それに対する明神さんのお返事の明確なこと。驚きました。最後におっしゃった「作品(舞台)を守らなければならない」という言葉に感動。
出演=三村聡(山の手事情社)/田上智那(ポかリン記憶舎)/平原哲(reset-N ※山田靖朗が降板。その代役出演)/佐藤亜紀/寺内亜矢子(ク・ナウカ)
総合プロデュース=平田オリザ 作・演出=明神慈(ポかリン記憶舎) 音楽=木並和彦 舞台美術=杉山 至×突貫屋 舞台監督=寅川英司×突貫屋 照明=木藤歩(balance,inc.) 音響=尾林真理 写真=松本典子 AD=松本賭至 映像・衣裳=フラボン 特別協力=ポかリン記憶舎 助成=(財)地域創造 主催=富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ(財団法人富士見市施設管理公社)
料金 一般1000円 高校生以下500円(日時指定・整理番号付き自由席) ※プレ公演 一般800円 高校生以下300円(キラリ☆ふじみのみ販売)
公演情報=http://www.city.fujimi.saitama.jp/culture/kouen/kouen.htm#pictures
きらり☆ふじみ=http://www.city.fujimi.saitama.jp/culture/index.htm
ポかリン記憶舎内=http://www.pocarine.org/mt/archives/2006/01/2pictures.html
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