去年もお邪魔しました、五反田団の新年工場見学会。私の2007年の観劇初めです。困っちゃうぐらい笑わせていただきました。
能のニセモノ、狂言のニセモノ、可愛い女の子の打楽器ライブ、そしてまた能のニセモノという4作構成でした(1/3のみ)。
五反田団の過去レビュー⇒1、2、3、4、5、6。
作品が始まる前にそれぞれの作・演出家から説明があるのですが、それが嘘八百。「能には6万年の歴史がありますが・・・」など(笑)。能や狂言をネタにした激しいオフザケが見事!きゃーきゃー笑いながら「なんて賢い人たちなんだ・・・」とちょっとくやしくなるほどでした。前説がストーリーだけでなく笑いのフリにもなっているんですね。
1500円は安すぎです。ただ私が観た回は音楽ライブもあったので、時間的には長すぎたかも。
むっちりみえっぱり公演などで、新しくなったアトリエ・ヘリコプターには何度か通いましたので、会場までは慣れた道のりでした。3月にはハイバイの新作およびプレビュー公演もあるそうで、好きな劇場のひとつになるかも。
昨年の極寒はたしかに味わえませんでした。助かった(笑)。でも普通の劇場よりは寒いので、行かれる方は(来年またあればですが)ぜひ寒さ対策を。休憩時間にホットワインのサービスがありました(冷たいウーロン茶も)。
ここからネタバレします。
装置はごくシンプルです。舞台はたる木でかこっただけ。下手の橋掛かりはたたみを置いただけ。でも、奥の松の絵は本物の水墨画でかっこ良かったです。
「蝦渋谷(えびしぶや)」作・演出=前田司郎
役者さんは着物の中に丸首のトレーナーなどが見えています。あくまでも“ニセモノ”を演出。
渋谷におつかいに行かされた少女(菊川朝子)が昔の同級生の男の子(金子岳憲)に出会った後、エビと遭遇。それだけ(笑)。エビ役の安倍健太郎さんの動きに爆笑。
「酒車(さけぐるま)」作・演出=岩井秀人(ハイバイ)
年始に車で緑色のモスバーバーに行こうとしている男二人(金子岳憲&餅松亮)。飲酒運転で警察(安倍健太郎)につかまって・・・。お話の顛末はちょっと退屈したかも。でも、声色や表情などの細かい演出に爆笑。「あーはっはっはっ!」って、そういえば狂言でやるなぁと眺めました。
『オムトン・ライブ』
シテ(オムトン) ツレ(アーバンスリー:黒田大輔/前田司郎/齋藤庸介)
マリンバ、オルガン、パーカッション類のライブ。オムトンのメンバーの女の子3人がとにかく可愛い。マリンバってバチ(っていうのかな?叩く棒)の種類であんなに音が変わるんですね。全部で8曲ぐらいあったのは長すぎる気がしました。
「黒田節講」作・演出=前田司郎
大スター黒田(黒田大輔)が酒を飲みすぎてトリップ。死に別れた妻(坊薗初菜)と出会って・・・。
死者と出会うのは夢幻能ですよね。笑いがいっぱいながらも、じっくり丁寧に交換される言葉と言葉に引き込まれました。「俺、黒田!」で爆笑。
私は下手横側の席だったので、「黒田節講」での黒田・黒田妻・小さな優しさ(立蔵葉子)の3人で舞うのが正面から見えなかったですが、謡や太鼓の方々を正面から見られたのはお得でした。特に「酒車」で太鼓を演奏されていた松本裕亮さんのやる気のない表情はツボ(笑)。
五反田同門会「能・狂言の世界」
出演=安倍健太郎(青年団)/金子岳憲(ハイバイ)/菊川朝子(Hula-Hooper)/黒田大輔(THESHAMPOOHAT)/佐藤沙恵(むっちりみえっぱり/テルミン大学)/立蔵葉子(青年団)/中川幸子(五反田団)/西田麻耶(五反田団)/坊薗初菜(カムカムミニキーナ)/餅松亮(ハイバイ)/松本裕亮(ハイバイ)/齊藤庸介
構成・演出 前田司郎
『能のニセモノ「蝦渋谷」「黒田節講」』作・演出=前田司郎
『狂言のニセモノ「酒車」』作・演出=岩井秀人(ハイバイ)
3日は打楽器アンサンブル・オムトンのライブあり。4日はテルミン大学教授・佐藤沙恵によるテルミンミニライブあり。
料金:1000円 ※3日のみ1500円 ★2日15時の回は追加公演。
公式=http://www.uranus.dti.ne.jp/~gotannda/
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