関美能留さんが演出される三条会は千葉県にアトリエをかまえる劇団(過去レビュー⇒1、2、3、4、5、6、7)。三条会版『ひかりごけ』は何度も再演を重ねている名作だそうです(劇評⇒1、2)。私は初見。
去年、山の手事情社EXTRA企画で『ひかりごけ』を初めて拝見し、大きな衝撃を受けました。今回もまた、あるシーンでは涙が流れっぱなし。俳優の一人一人の力強さにも感服でした。
ただ、やはり三条会の世界は独特ですので、原作をご存知の方に強くお薦めしたいですね。
⇒CoRich舞台芸術!『ひかりごけ』
レビューは途中までアップしています。
舞台はザ・スズナリの平台がそのまま露出した床に、学校の勉強机が並んでいるだけ。坊主頭に詰襟の学生服を着た男子が四人と、女生徒と女教師が一人ずつ登場します。
三条会は何度か拝見していますが、今日はどこか違う香りがしていました。特に女学生役(といってもドレスを着ている)の大川潤子さんの存在に圧倒され続けました。美しさや強さ、もともと身体に備わっている儚さなどの、女の全てを飲み込んでしまったような完成された動物に見えて、恐ろしいほどにぎらぎらしていました。男優さんもいつもの暑さ、激しさ、したたかさとともに静けさもまとっており、たまたま最前列中央の席に座ってしまった私は、彼らと対峙することで精一杯でした。
『ひかりごけ』については自分のレビューより引用↓
『ひかりごけ』は1954年に発表された武田泰淳の小説で、1944年に発覚した死体損壊事件(実話)をもとに書かれています。戦時下の日本で船が難破し、食物がない地に漂着した船員らは、飢死した友の死体を食べてかろうじて命をつなぎます。たった一人で本土に生還した船長が食人の罪で裁判にかけられ・・・。小説のタイトルから「ひかりごけ事件」と呼ばれているんですね(→1、2)。
続きは後ほどアップ予定。
出演=大川潤子・榊原毅・舟川晶子・中村岳人・橋口久男・岡野暢
原作=武田泰淳 演出=関美能留 照明=佐野一敏 音響操作=立崎真紀子 宣伝美術=川向智紘 制作=久我晴子
全席指定席 前売券 一般3,000円 学生2,500円 当日券 一般3,500円 学生3,000円
公式=http://homepage2.nifty.com/sanjokai/