2004年の三上博史さんのヘドウィグにゾッコン惚れてしまい(⇒初演、初演の追加公演、再演)、映画も観てサントラも買ってしまった私。むふ♪
今回は山本耕史さんがヘドウィグ!!ということでがんばってチケットをゲットして伺いました。今回は鈴木勝秀さんが上演台本・演出を手がけられたのですが、私にとっては残念な結果に・・・。
とりあえず全曲英語で歌われます。日本語字幕がありません。『ヘドウィグ…』を知らない方でこれからこの公演をご覧になる方は、映画を観るなりあらすじを読むなり、予習していかれることをお薦めします。上演時間は約1時間45分です。⇒電子チケットぴあに残席あり(2007/02/17)
⇒CoRich舞台芸術!『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』
作品概要などは公式サイト、過去レビューなどでどうぞ。
山本耕史さんはものすごく美しい人でした。足細!背高!からだ白!胸が、胸が・・・いや~ん♪てな感じで(笑)、もーとにかく彫刻みたいに美しいです。歌も澄んだ声で素直に歌ってくださって、耳に入ってくる分には問題なかったです。でも、何しろヘドウィグですので・・・。もっと矛盾に満ちた、屈折しきった人間の魂の叫びのようなものが欲しかったんですが、そういうものは感じられず。
衣裳は三上ヘドウィグとは違ってけっこうシンプルなスタイル。チラシの衣裳は凄かったのにな~。ヒールの高いブーツは大変そうでした。動きがどたどたしてて・・・。
先にも書きましたが、全曲英語で歌って日本語の歌詞字幕がありません。いくら説明的なグラフィック映像を流してくれても意味がわからないと思うんです。歌詞が文字で流れてもそれも英語だったし・・・。私は映画も含めるともう4度目の『ヘドウィグ』鑑賞ですから、“THE ORIGIN OF LOVE(愛の起源)”なんてライブで聴けるだけで感涙しちゃいます。だけど初心者にはあの動画(神様がカミナリでヘンな動物を引き裂く等)を観ても私ほどの感動は得られないんじゃないでしょうか。それはもったいない!てゆーかくやしい!
“WIG IN A BOX”も英語だったので、「さあみんなも一緒に!」みたいに誘われたって、歌えないし・・・。三上さんの時は日本語の歌詞で「さあ仕上げに、ウィッグ、乗せて~♪」という感じで歌ってくれたんですよね。私も喜んで歌ってました。
どうしても青井陽治さんの演出と比べちゃうんですが、生演奏をしてくれるバンドの存在も中途半端でしたね・・・だって衣裳が黒スーツだし(涙)。会場がライブハイスなので演劇というよりは音楽ライブのつもりで仕上げられたのかもしれませんね。
ヘドウィグの夫イツァーク役の中村中(なかむら・あたる)さんがかっこ良かったです。開幕一番の「Ladies and Gentlemen・・・」のセリフでぐっと引き込まれました。すごく太くて低い声!でも響くんです。後で色んな歌を歌われたんですが高音も力強く、きれいでした。ライブシーンでのノリも良かったな~。イツァークをやりながら他の役(ヘドウィグの母、最初の夫、トミー・ノーシスなど)も一人で演じ、その声色と語り口の変化も見事。とくに若いトミー役はときめいちゃうぐらいキュートで初々しい男の子になってくださってました♪
ここからネタバレします。
とりあえずヘドウィグ登場シーンのあの盛り上がりのなさ・・・(汗)。ただテクテク歩いて来られてもさ・・・。三上さんの時のあの興奮、忘れられないよ・・・。
ラストはヘドウィグ(女)がトミー(男)になり、イツァーク(男)が女の服を着て登場し、性が入れ替わる(混ざり合う?)という演出になるのですが、イツァークが80年代の松田聖子みたいな白いワンピース風ドレスで出てきてしまって・・・(冷汗)。中村さんは黒いジャンパーとだぼだぼパンツ姿のイツァークだった時の方がかっこよかったよ・・・。いや、きっと中村さんがいかに美しいかってことを最後に示したかったのかもしれませんが、それは・・・意味が違うように思いました。
≪東京、宮城、大阪、愛知、福岡、東京≫
出演=山本耕史、中村中
作=ジョン・キャメロン・ミッチェル 作詞・作曲=スティーヴン・トラスク 上演台本・演出=鈴木勝秀 翻訳=北丸雄二 音楽=前嶋康明
指定-7800円 ※未就学児童は入場不可。
公式=http://www.hedwig.jp/
ディップスプラネット=http://www.dipps.co.jp/stage/hedwig/index.html
ぴあ=http://www.pia.co.jp/column/play/hedwig07.html
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