日本で1991年、1992年、2000年と上演されてきたTPTのレパートリー『薔薇の花束の秘密』を、青空美人プロデュースの木内宏昌さんが新訳・新演出されます。キャストは安奈淳さんと毬谷友子さん。
ロバート・アラン・アッカーマンさんの演出を引き継ぐスタイルなので完全な新作ではありませんが、私が2000年に観た時とは全く違う作品になっていました。終演後は涙が止まらなくてしばらく動けず。帰りの電車でも顔がクシャっとなっちゃって、困りました(苦笑)。
上演時間は約2時間20分(休憩15分を含む)。3/2(金)までです。お見逃し無く!
⇒CoRich舞台芸術!『薔薇の花束の秘密』
tptといえば来月は『Angels in America』ですよ!
レビューは途中です。
≪あらすじ≫ パンフレットより。改行を変更。(役者名)を追加。
金持ち相手の病院の個室。14ヶ月前に最愛の孫を亡くした裕福な女性(安奈淳)が入院している。その付添婦として雇われた女(毬谷友子)もまた同じ時期に母を亡くしていた。はじめは付添婦を寄せつけない患者が、すこしずつ心の距離を縮めていく。
やがてふたりのあいだには親密な情が生まれるのだが、2週間目、患者は付添婦が隠していたある嘘を知ることになる。裏切られたという想いが、それまでの愛情を憎しみへと変えていく。そして患者はある復讐を思いつく。
≪ここまで≫
2000年版では客席を含む劇場全体が純白になっていたのが、前から2列目までに縮小されていました。いわば普通のプロセニアム(額縁)舞台です。個人的には助かりました(笑)。また、皮肉とウィットに富んだ大人の会話にはクスっと笑えるユーモアがたくさん散りばめられていて、深刻で不幸な状況にある二人の登場人物を、親しみを持って見つめることができました。
また、舞台で何人もの女を演じる女優さんお二人を、はきだめでしかないこの世の中をともに戦いながら生きる同志のように感じました(おこがましいですが)。戯曲にも、このプロダクションにも、すごく勇気付けられました。それが嬉しくてありがたくて、何とも表現しがたい、たまらない気持ちです。
病室を舞台にした患者と付添婦の二人芝居ですが、お互いに相手役の夢や想像に出てくる人物をかわるがわる演じます。その演じ分けも見どころですね。
白衣の上に羽織るコートや帽子のデザインの美しさ。白い美術を自在に、効果的に染め上げる照明。軽やかでありながら物悲しく情熱的なアルゼンチン・タンゴの調べ。暗転中に舞台から溢れ出てくる優しさを全身で感じ、涙が流れました。
ここからネタバレします。レビューは途中です。
Munuel Puig's [Mystery of Rose Bouquet] based on Robert Allan Ackerman Production
出演=安奈淳/毬谷友子
作=マヌエル・プイグ 訳・演出=木内宏昌 美術=朝倉摂 照明=笠原俊幸 音響=長野朋美 衣裳=原まさみ ヘア&メイクアップ=鎌田直樹 舞台監督=赤羽宏郎・浅香哲哉
一般発売:1月27日(土) 全席指定6,300円 学生3,150円(TPT電話予約&TPTオンラインチケットのみ取扱)
公式=http://www.tpt.co.jp
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