2007年03月30日
多摩美術大学造形表現学部映像演劇学科『清水邦夫の劇世界「イエスタディー」』03/30-04/01多摩美術大学上野毛キャンパス3号館演劇演習室「鏡の間」
多摩美術大学で開催された清水邦夫教授退職記念イベント。清水さんの戯曲を3作連続で上演します。
小指値の野上絹代さんが演出された「イエスタディー」の記録です。2008/09/02にアップ。
⇒「破れた魂に侵入」レビュー
⇒「草の駅ーオフィーリア幻想ー」レビュー
あらすじなどはこちらでどうぞ。
清水戯曲を1日で3作連続で観まして、最後がこの作品。3つの中ではこの作品が一番演劇的な見どころが多かったように思います。むむ~、すごい!とうなるほどの面白さがある演出でした。
登場人物以外に顔を白塗りにした少女のダンサーたちが舞台におり、無言で動き、踊ります。コロスのような存在でしたね。
原爆で人間が死ぬのを、ダンサーがばったりと倒れる動作で表現していました。照明がピカ!っと光るのは爆弾だし、カメラのフラッシュでもあるんですよね(物語の舞台は写真館なのです)。最後には少女らが戦死者に見えてきて、亡くなった人間の魂が作品の中に息づいているように感じられました。
脚本=清水邦夫「上野毛3部作」:「イエスタディー」「草野駅-オフィーリア幻想-」「破れた魂に侵入」
「イエスタディー」演出=野上絹代 出演=鎮西猛/清原舞子/竹田靖/前野未来/辻村優子/高橋紗也佳/竹内英貴/山本美月/東ゆりか/小島千朋/松嶋千秋/泉田奈津美
監修:萩原朔美 装置:大津英輔+鴉屋 照明:増子顕一 衣裳:川田佳代/藤谷香子 音響:大山隆一/荒武芙紗子/小松いつか 映像:山本圭太 舞台監督:河原和/庄山晃/酒巻未由来 制作デスク:山崎美緒/木村和代
3/31(土)20:00~21:30トークセッション「清水邦夫の世界」出演:別役実/宮沢章夫/高萩宏(司会)
清水邦夫教授退職記念イベント 予約制・無料
公式=http://www.tamabi.ac.jp/eien/shimizukunio/index1.htm
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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多摩美術大学造形表現学部映像演劇学科『清水邦夫の劇世界「草の駅ーオフィーリア幻想ー」』03/30-04/01多摩美術大学上野毛キャンパスA棟演劇スタジオ
多摩美術大学で開催された清水邦夫教授退職記念イベント。清水さんの戯曲を3作連続で上演します。
monおよび青年団演出部・演技部所属の大久保亜美さんが演出された「草の駅ーオフィーリア幻想ー」の記録です。2008/09/02にアップ。
■「草の駅ーオフィーリア幻想ー」@A棟演劇スタジオ 演出=大久保亜美 上演時間約1時間20分
あらすじなどはこちらでどうぞ。
カラフル・ポップな衣裳で、視覚的にはメルヘンチックな印象ですが、精神病院の話なのでひんやりとした空気が全体に広がっています。
くもがかかるような照明がきれいでした。たしか布か何かに当ててた気がする・・・。
一番面白いと思ったのは、若い役者さんがセリフを若者言葉で話していたこと。「愛」などについて力強く述べる、清水節の効いたセリフなのに、へにょっとした男の子が小さな声で早口で、さらさらと溶けてなくなるかのごとく軽くしゃべるのです。それが成立しているように感じたのが凄かった。
脚本=清水邦夫「上野毛3部作」:「イエスタディー」「草野駅-オフィーリア幻想-」「破れた魂に侵入」
「草野駅-オフィーリア幻想-」演出=大久保亜美 出演=坂之井千鈴/田山仁/渡辺喬之/大村駿/下司尚実/大石弥生/河村若菜/鈴木麻里音/横山旬
監修:萩原朔美 装置:大津英輔+鴉屋 照明:増子顕一 衣裳:川田佳代/藤谷香子 音響:大山隆一/荒武芙紗子/小松いつか 映像:山本圭太 舞台監督:河原和/庄山晃/酒巻未由来 制作デスク:山崎美緒/木村和代
3/31(土)20:00~21:30トークセッション「清水邦夫の世界」出演:別役実/宮沢章夫/高萩宏(司会)
清水邦夫教授退職記念イベント 予約制・無料
公式=http://www.tamabi.ac.jp/eien/shimizukunio/index1.htm
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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多摩美術大学造形表現学部映像演劇学科『清水邦夫の劇世界「破れた魂に侵入」』03/30-04/01多摩美術大学上野毛キャンパス3号館映像スタジオ
多摩美術大学で清水邦夫教授退職記念イベントが開催中です。上演されるのは清水さんの戯曲「破れた魂に侵入」、「草の駅ーオフィーリア幻想ー」「イエスタディー」の3作品。1日に全3作品を無料で観られます(要予約)。
映像演劇学科の学生(卒業生含む)が演出、出演されます。スタッフワークもすべて学生です。
清水邦夫さんの作品は数回拝見していますが(過去レビュー⇒1、2、3、4、5、6)、3作連続で観られるのはありがたいです。特に今の若い人たちが清水さんの言葉で作る空間が面白かったです。
最初に拝見したのは木元太郎さんが演出された「破れた魂に侵入」。上演時間は約1時間30分。
⇒「草の駅ーオフィーリア幻想ー」レビュー
⇒「イエスタディー」レビュー
ポスター沢山貼ってありました
≪あらすじ≫
舞台は「いのちの電話」を受ける事務所。生きることに悩みを持つ人から電話がかかってくる。相談者と相談員とが深く関わっていく。
≪ここまで≫
長方形のステージをL字に囲む客席。事務机とチェアーが並ぶ事務所は客席とほぼ地続きでフラットです。自然で静かな会話が続いていき、一貫して真面目で清潔な空気が流れていました。
清水邦夫さんの戯曲というと、ついつい蜷川幸雄さんの演出作品を思い浮かべてしまいます。だから今の若い人の、大人しい目の言葉づかいで聞こえてきた清水さんのセリフは新鮮でした。
電話で話すシーンが多いのですが、電話をかける相談者は受話器を持たずに自由にステージを歩きながら話します。電話している相手のそばまで寄っていって顔を見たりもします。対して「いのちの電話」を受ける相談員は、席について受話器を取って話しますし、相手の顔は見えていません。このような、相談者と相談員との境目を越える演出が面白かったです。
何年に書かれた戯曲なのかわからないのですが、話されている言葉の印象からすると数十年前のお話のような気がしていました。だから役者さんがiPodを首からかけていたり、事務所にペットボトルの水が常備されているのは時代のズレを感じさせます。そのミクスチャーは楽しめました。でも、もっと大胆な変化や仕掛けがあっても良かったんじゃないかと思いました。
比べることではないかもしれませんが、やっぱり演劇学科の学生さんだから、普通の大学の学生劇団の役者さんとはちょっと違いましたね。だいぶん落ち着いて観ていられました。
ここからネタバレします。
女の相談員3番(電話では名前ではなく番号を名乗る)のことを愛してしまった相談者の男が、突然事務所に乗り込んできます。この相談者と3番の夫(チーフ?)との電話での会話に、むずがゆさを感じてしまいました。「3番を愛していた!」などというストレートな言葉が馴染むには、それまでにもっと爆発的な破壊力のある会話が必要だったんじゃないでしょうか。自然で静かな会話がたんたんと続いているように感じていたので、そこだけボコっと浮いたように思いました。
“水”がテーマのひとつになっていたようで、何も泳いでいない水槽があったり、誰もが1本ずつペットボトルを持っていたりします。最後に水槽に落ちる照明がものすごくきれいでした。でもペットボトルはよくわからなかったな~。机の上にい~っぱい並んでたので存在感が大きすぎる気がしました。
脚本=清水邦夫「上野毛3部作」:「イエスタディー」「草野駅-オフィーリア幻想-」「破れた魂に侵入」
「破れた魂に侵入」演出=木元太郎 出演=鈴木美穂/川崎草/高野滋人/野村麻衣/矢崎正弥/林みなみ/萩原健矢/下田亜紀/川崎祐太
監修:萩原朔美 装置:大津英輔+鴉屋 照明:増子顕一 衣裳:川田佳代/藤谷香子 音響:大山隆一/荒武芙紗子/小松いつか 映像:山本圭太 舞台監督:河原和/庄山晃/酒巻未由来 制作デスク:山崎美緒/木村和代
3/31(土)20:00~21:30トークセッション「清水邦夫の世界」出演:別役実/宮沢章夫/高萩宏(司会)
清水邦夫教授退職記念イベント 予約制・無料
公式=http://www.tamabi.ac.jp/eien/shimizukunio/index1.htm
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2007年03月29日
【稽古場レポート】新国立劇場演劇『CLEANSKINS/きれいな肌』3/26(後)新国立劇場Cリハーサル室〔2〕
新国立劇場の2007年4月の新作『CLEANSKINS/きれいな肌』の公式稽古場レポート〔2〕です。
⇒稽古場レポート〔1〕〔このページ〕〔3〕〔4〕〔5〕〔6〕
⇒公式サイト
⇒CoRich舞台芸術!『CLEANSKINS/きれいな肌』
≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。
英国の小さな町、母ドッティー(銀粉蝶)とその息子サニー(北村有起哉)が二人で暮らす公営住宅の一室。そこへ薬物中毒で行方不明となっていた娘ヘザー(中嶋朋子)が突然、イスラム教徒の姿で帰ってきた!
反イスラムのデモに参加しているサニーは、イスラム教徒となった姉になぜ改宗したのかと激しく詰め寄る。そんな弟を言葉少なに見つめ、静かに語る姉。次第に姉弟の話は自分たちを捨てた父へと及ぶが、母はそんな二人を前にただおろろするばかり。
やがて、父の去った本当の理由が明らかになっていく……。
≪ここまで≫
サニー(北村有起哉)とドッティー(銀粉蝶)
【俳優が生きることで、世界が生まれる】
役者さんが舞台で演技をされてる間、私は驚いたり笑ったり泣いたりながら、普通の観客のように楽しませていただきました。そしてフィードバックの時は私も皆さんと一緒にシーンを振り返り、新しい提案や解釈などを「なるほどーっ!!」と大きく頷きながら(笑)、聞かせていただきました。
舞台はイギリスの小さな公営住宅のリビング。シーン1で銀さん演じるドッティーが登場してからの数分間で、彼女が古びたアパートでどんな生活をしてきたのかが手に取るようにわかりました。ドアの開け方、料理の仕方、小さな微笑みや仕草など、銀さんはドッティーの気持ちのままを素直に、細やかに演じられます。
銀さんの無邪気な笑顔は本当に可愛らしく、観ている私も自然と微笑んでしまいます。でもちょっと曲がった背中やおそるおそる何かに触れる動作などから、ドッティーが置かれている状況や彼女の生きてきた人生がにじみ出てきて、そのせつなさに思わず涙が・・・。結局このシーンは3回観たのですが、3回とも同じ場面で泣けてきてしまいました。
サニー(北村有起哉)は反イスラム主義を掲げる政党を心酔していて、母親に尊大な態度を取る少々おバカな、でもにくめない青年です。北村さんはゴムやバネのように柔軟で、舞台上をいつも跳ね回っているような軽やかさ!でもサニーが落胆するシーンでは、突然ちっぽけな小石のように堅く丸まったりします。そんな見事な七変化を目を丸くしながら拝見しました。
北村さんが栗山さんの注文に応えて創作された演技には、稽古場にいた全員が笑っちゃいました。なんて豊かなイマジネーション!そして勇気!北村さんは常に何か新しいことを生み出そうとしているようで、存在自体が躍動感に満ちています。
演じるごとに新しい世界が生まれる
【静かで穏やかな、創造の空間】
自然に見える演技にも、きっかけや動線などの沢山の決まりごとが隠れています。一言のセリフに何重もの意味が込められていたりもします。役者さんは演じる人物の感情のままを身体で表現しながら、同時に決まりごともなぞっているんですね。その内容をひとつずつ決めていくのがフィードバックの時間です。
栗山さんの演出はとても穏やかでエレガントでした。決して怒鳴ったり怒ったりはなさいません。間違いを指摘されたりもしません。細かい動きの指示をしたり、新しい設定を増やしたり、演技の意味を簡潔に伝えたり、自分で演技をして具体例を示したり・・・それがとてもシンプルで明快なのです。無駄がない、と言えるかもしれません。初めて稽古場に入った私にも理解できるような、易しい言葉でユーモアいっぱいにお話をされます。
真剣でとても柔軟な創作の時間
栗山「このシーンは、見えない敵を嗅覚で察知するシーンだから。」
栗山「それは運命を決める一言。“それさえ言わなければ、こんなことにはならなかったのに”となる。だから大切に、はっきりと。」
栗山「日本語ってボキャブラリーが多いから、音で(意味が)決まっちゃうんだよ。」
栗山「2人だとなんとなくコント風になりがち。だから話す相手だけじゃなくて、向こう側(の部屋・人物)を意識して。」
お稽古は役者さんと演出家、演出助手の方々が謙虚に、真面目に、集中して創造する時間です(笑いも絶えませんが)。それを支えているのは見守っているスタッフの方々。休憩時間のちょっとした談笑や演出家との打ち合わせ以外には、ほぼ一言も私語がありませんでした。何もかもが“あ・うんの呼吸”で動いて機能し合う、とても静かで充実した時間です。プロフェッショナルの大人の寛容さを感じました。
差し入れのプチ・モンブラン。美味!
休憩の時にはいま流行しているインフルエンザの感染経路についてや、栗山さんが実際にドイツで目撃したネオ・ナチの話など、興味深いお話が聞けました。
栗山「本物のネオ・ナチの集団を見たことがあるんだけど。両腕に刺青をしてて、ものすごいヘアスタイルで、黒い旗を掲げてバイクに乗ってるんだ。スローガンはちゃんとしてるんだけど、全共闘みたいに大声でシュプレヒコールを上げたりはしない。ただダラっと立っていて、静かなんだよね。それがものすごく怖い。」
⇒稽古場レポート〔3〕に続く
写真の右側が演出家席
出演=中嶋朋子/北村有起哉/銀粉蝶
脚本=シャン・カーン 翻訳=小田島恒志 演出=栗山民也 美術=島次郎 照明=勝柴次朗 音響=秦大介 衣裳=宇野善子 ヘアメイク=佐藤裕子 演出助手=宮越洋子 舞台監督=米倉幸雄 照明オペレーション=田中弘子 音響オペレーション=黒野尚 演出部=川原清徳/大野雅代/藤波三幸 プロンプター=山本美也子 美術助手=松村あや 制作助手=庭山由佳 制作担当=茂木令子 広報=高梨木綿子 芸術監督=栗山民也 主催=新国立劇場
【発売日】2007/02/12 A席5,250円 B席3,150円 Z席1,500円
公式サイト=http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/10000121.html
ぴあ=http://info.pia.co.jp/et/play-p/cleanskins/cleanskins.html
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【稽古場レポート】新国立劇場演劇『CLEANSKINS/きれいな肌』3/26(前)新国立劇場Cリハーサル室〔1〕
「CLEANSKINS」上演台本
新国立劇場の2007年4月の新作『CLEANSKINS/きれいな肌』の稽古場にお邪魔させていただくことになりました。「しのぶの演劇レビュー」初の公式稽古場レポートです!
『CLEANSKINS/きれいな肌』は海外の気鋭劇作家に新作の書下ろしを依頼する企画の第三弾(⇒第一弾、第ニ弾)。ロンドン在住のパキスタン系イギリス人シャン・カーンさんの新作を、新国立劇場芸術監督の栗山民也さんが演出されます。中嶋朋子さん、北村有起哉さん、銀粉蝶さんという豪華キャストの三人芝居で、もちろん世界初演!
⇒稽古場レポート〔このページ〕〔2〕〔3〕〔4〕〔5〕〔6〕
⇒公式サイト
⇒CoRich舞台芸術!『CLEANSKINS/きれいな肌』
建て込まれた稽古場用の装置
≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。
英国の小さな町、母ドッティー(銀粉蝶)とその息子サニー(北村有起哉)が二人で暮らす公営住宅の一室。そこへ薬物中毒で行方不明となっていた娘ヘザー(中嶋朋子)が突然、イスラム教徒の姿で帰ってきた!
反イスラムのデモに参加しているサニーは、イスラム教徒となった姉になぜ改宗したのかと激しく詰め寄る。そんな弟を言葉少なに見つめ、静かに語る姉。次第に姉弟の話は自分たちを捨てた父へと及ぶが、母はそんな二人を前にただおろろするばかり。
やがて、父の去った本当の理由が明らかになっていく……。
≪ここまで≫
【お稽古の流れ】
午後3時から新国立劇場の地下の稽古場に伺いました。・・・美し!そして、広っ!!高い天井の四角い空間に原寸大の舞台が組まれていて、家具や小物なども揃っています。お邪魔したのは立ち稽古が始まって約2週間が経った頃でした。※中嶋朋子さんはお休みでした。
演技中の銀粉蝶さんと北村有起哉さん
演出助手の宮越洋子さんの進行でお稽古が始まりました。まず、銀粉蝶さんと北村有起哉さんが1シーンごとに演技をし、演出の栗山民也さんがそれを観ながら気になったことを宮越さんに伝えて、宮越さんはメモを取られます。役者さんがセリフにつまると、プロンプターの山本美也子さんが次のセリフをその場で伝えます。効果音については舞台監督の米倉幸雄さんがオペレートされていました。それらをじっと見守っているのは演出部の川原清徳さん、藤波三幸さん、制作担当の茂木令子さん、制作助手の庭山由佳さん、そして稽古場レポーターの私。2人の出演者と演出家以外にスタッフが計8人いる稽古場でした。
ひとつのシーンが終わったらすぐにフィードバック(ダメ出し)が始まります。栗山さんと宮越さんが舞台に上がり、さっきのシーンでメモしたことを丁寧に役者さんに伝えていきます。
フィードバックが終わったら約10分の休憩。舞台監督の米倉さんと演出部の川原さん、藤波さんが、大道具・小道具などを演技をする前の状態に戻します。役者さんは各自で脚本をチェックして、次のシーンに備えます。
演技が終わるとすぐにフィードバック
午後3時から8時まで、延々とそれが繰り返されました。拝見したのは合計4シーン。1シーンを演じてフィードバックするごとに必ず休憩を取られるので、「けっこう頻繁に休憩するんだなぁ」と最初は思ったのですが、2時間もするとそのハードさがわかってきました。休憩といっても次のシーンの準備をするので、決して休むだけの時間じゃないんですよね。フィードバックの度に新しい情報が増え、それをその場で覚えて次のシーンで演じるのですから、相当な集中力が必要です。しかも一日中が二人だけの集中特訓のようなものですし、お稽古が終わる頃には皆さんぐったりされるのも納得です。
⇒稽古場レポート〔2〕に続く
出演=中嶋朋子/北村有起哉/銀粉蝶
脚本=シャン・カーン 翻訳=小田島恒志 演出=栗山民也 美術=島次郎 照明=勝柴次朗 音響=秦大介 衣裳=宇野善子 ヘアメイク=佐藤裕子 演出助手=宮越洋子 舞台監督=米倉幸雄 照明オペレーション=田中弘子 音響オペレーション=黒野尚 演出部=川原清徳/大野雅代/藤波三幸 プロンプター=山本美也子 美術助手=松村あや 制作助手=庭山由佳 制作担当=茂木令子 広報=高梨木綿子 芸術監督=栗山民也 主催=新国立劇場
【発売日】2007/02/12 A席5,250円 B席3,150円 Z席1,500円
公式サイト=http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/10000121.html
ぴあ=http://info.pia.co.jp/et/play-p/cleanskins/cleanskins.html
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2007年03月25日
tpt『Angels in America【第2部「ぺレストロイカ」】』03/20-04/08ベニサン・ピット
第1部に続いて第2部を拝見し、メルマガ号外を発行しました!
第一部からご覧になることをお勧めします。4/8(日)が千秋楽ですので、ご予約はお早めに♪
⇒WOWOWでTVドラマ再放送!4月16日(月)・23日(月)・30日(月・祝)
⇒CoRich舞台芸術!『Angels in America』
≪あらすじ≫ パンフレットより。★ネタバレしています。(役者名)を追加。
---前進などできない! 不可能である、決して前に進んではならないのである!!
プライアー(斉藤直樹)は天使光臨の夜以来、自分は危機的状況にある社会の預言者だと信じ込んでいる。プライアーのもとを離れたルイス(池下重大)と、ルイスとおなじ裁判所に勤めていたジョー(パク・ソヒ)は急接近し、つき合うようになるが、ルイスは依然プライアーのことが気にかかり、病魔に苦しむプライアーに対してなにもできないでいることを悩ましく思っている。ルイスはベリーズ(矢内文章)にジョーが悪名高き保守主義者ロイ・コーン(山本亨)の部下であることを告げられ、ジョーとの関係を破綻させてしまう。
ロイ・コーンの容態も悪化の一途をたどる。ロイが赤狩り時代に死刑に追いやったはずのエセル・ローゼンバーグ(松浦佐知子)が病床に訪れるようになり、ロイの最期を看取る。ロイの担当看護士であるベリーズはプライアーのために、ロイが権力を使って大量に手に入れた新薬AZTを盗み出す。

舞台写真(C)TPT/撮影◎島田麻未
ジョーに「自分はゲイだ」と告白されたジョーの母親ハンナ(松浦佐知子)は、モルモン教総本山の街ソルトレイクシティからニューヨークへ出てきて、ノイローゼのハーパー(宮光真理子)を世話しながら、モルモン教のビジターセンターで働いている。ある日ジョーの後をつけてセンターを訪れたプライアーが高熱に倒れ、ハンナが病院へ運ぶ。ハンナに付き添われたプライアーの病室にふたたび天使(チョウソンハ)が降り立ち、天国への階段が現れる。プライアーは天国を訪れ、祝福がほしい、もっと命がほしいと訴える。
ルイスはプライアーのもとに戻りたいと言うが、プライアーは愛してはいても、いっしょにに暮らすことはできないと言う。ジョーもハーパーとよりを戻したいと訴えるが、ハーパーはひとり、サンフランシスコへ旅立つ。
---この世界は苦しみに満ちた前進というものがあるの。うしろに置いてきたものを追い求めながら、先に向かって夢を見る……
≪ここまで≫
第2部も第1部と同様に、生(ライブ)の魅力炸裂!客席の私も舞台上の彼らと一緒に病院を、公園を、幻覚の世界を旅しました。後半は独立していたエピソードがどんどんと重なり、交わっていきます。ますます加速して一体になっていく夢と現実、天使と人間、私と彼ら・・・。演劇という嘘がはっきりと示されているのを知りながら、劇世界の中に溶けるように入り込みました。
登場人物とそれを演じる役者さんの両方を同時に見るような状態になり、舞台の転換をするスタッフさんや隣りに座る観客の方々にもはっきりと意識が向くようになります。劇場内に居るみんなが確信犯になって、一緒にこのお芝居を作り上げているような気持ち、というのでしょうか、希有で幸せな体験でした。
開場・休憩時間にはあっけらかんとした80年代のアメリカン・ヒッツが流れます。懐かしさと物悲しさが同居する自分の心の状態を味わい、この20年の自分の過去を振り返りました。もうこの戯曲で描かれた時代から20年経っているんですね。天使が言うように、ますます暗い未来しか見えなくなってきているこの世界で、疑問を持ちながらものうのうと生き続けてしまっている私。どうやったら自分の命に素直に前向きになれるのか、その答えを教えてもらえたように思います。
山本亨さん、めちゃくちゃかっこいいです!あぁ、ロイ・コーン、ロイ・コーン、ロイ・コーーーン!!夢に出て来そうだ(笑)。病院モノが大の苦手の私なのに、ロイが乗ったベッドが出てくる度にうきうきしました。「今度は一体なにをやってくれるんだろう!?」って。そして一度も期待を裏切られませんでした。こういうのを当たり役というのではないでしょうか。
ここからネタバレします。

舞台写真(C)TPT/撮影◎島田麻未
第2部も深貝大輔さんの大迫力の独白から開幕。マチネの第1部から続けてご覧になっている方々と、ソワレから参戦した自分との温度差を感じざるを得ない、熱に満ちた劇場内でした。やっぱり続けて観たかったな~・・・まあ、私は体力的にムリなんですが。
ロイ・コーンに死刑にされたエセル(松浦佐知子)が、死んだ天敵ロイ・コーンのためにユダヤの祈りをとなえ、偉大な赦しが示されます。そんないいシーンでもオチにちゃんと笑いが用意されていて大満足。
イントレに乗って飛翔する天使(チョウソンハ)の人間くさい天使像にクギづけ!
天使「肉体は魂の花園。」
天使が、このまま進めば大災害に見舞われる人間(地球)の未来を予言し、プライアーに「決して前に進んではならない」と助言しますが、プライアーの結論は「人間は前に進まないことなんてできない。これからもどんどん色んな人種と出会って、交わって行く。もっと命を!」でした(そして天使からプライアーに命が与えられます)。※セリフは正確ではありません。
私が受け取ったのは、肉体という喜びを愛すること/自分に起こる出来事を受け入れ、それと共に生きること/明確な意志を持って生を選ぶこと・・・など。
Part 1 ミレニアム・Part 2 ぺレストロイカ
Tony Kushner's A Gay Fantasia on National Themes
出演=山本亨/斉藤直樹/パク・ソヒ/池下重大/チョウソンハ/宮光真理子/松浦佐知子/植野葉子/矢内文章/深貝大輔/小谷真一/アンソン・ラム
脚本=トニー・クシュナー 訳=薛珠麗・TPTworkshop 演出=ロバート・アラン・アッカーマン 演出補/薛珠麗 美術・衣裳=ボビー・ボヤヴォッツキー 照明=沢田祐二 ヘア&メイクアップ=鎌田直樹 音楽=粟屋顯 音響=高橋巌 舞台監督=赤羽宏郎
発売日:2007/02/24 全席指定 一般5,000円 学生3,000円(TPTのみ取扱い) Part1&Part2通し特別観劇料金9000円(同じお日にちの昼夜でご観劇の場合のみ)
公式=http://www.tpt.co.jp/
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メルマガ号外 tpt『Angels in America』
tpt『Angels in America』
03/20-04/08ベニサン・ピット
※公演詳細はこちら。
⇒第1部レビュー
⇒第2部レビュー
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⇒CoRich舞台芸術!『Angels in America』
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“しのぶの演劇レビュー” 号外 Vol.31 2007.03.25 1,099部 発行
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今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪
★★ 号 外 ★★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
tpt『Angels in America』
03/20-04/08ベニサン・ピット
「Part 1 ミレニアム」「Part 2 ぺレストロイカ」連続上演
☆出演=山本亨/斉藤直樹/パク・ソヒ/池下重大/チョウソンハ/他
脚本=トニー・クシュナー 演出=ロバート・アラン・アッカーマン
一般5,000円 学生3,000円
第1部&第2部通し特別観劇料金9000円(同じ日の昼夜観劇のみ)
http://www.tpt.co.jp/
2004年しのぶの観劇ベストテン1位の大作が再びベニサン・ピットに!
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/0111000919.html
◎観劇後のコメント◎
ピューリッツァ賞、トニー賞(第1部&第2部の2年連続)を受賞し、
英国ナショナル・シアターの“20世紀の最も偉大な戯曲20選”にも
選出された戯曲です。2004年の初演では読売演劇大賞3部門で優秀賞、
紀伊国屋演劇賞(団体賞)を受賞。2004年しのぶの観劇ベストテン1位で、
今年のメルマガ3月号のお薦めNo.1でした。
そんな冠がいっぱいついた待望の再演は、初演のキャスト・スタッフを
ほぼそのままに、作品としての深みもライブ感もグレードアップしていました。
舞台は1980年代半ばのアメリカ、エイズが猛威をふるうニューヨークです。
人種差別や宗教、政治などの普遍的な問題、死に至る病い(エイズ)など、
扱われる題材は目を覆いたくなるほど深刻なものばかりですが、
その実体は、知的ユーモアに富んだ極上のファンタジー!
登場人物の一人一人を、そこに生きる生身の人間(天使?)として身近に感じ、
猛スピードで走って舞台転換をするスタッフさんと一緒に、
客席の私も『Angels in America』と深く関わることができたように思います。
決して後戻りはできない時間という制約の中で、私たち人間は
絶望的な破滅に向かって前進をし続けています。
私たちが作り出した地獄のような現実を知り、それを受け入れて
今を生きて、そして明日も生きていく勇気をもらえました。
長時間大作の2本立てですから、続けて観るのはちょっと体力が必要です(笑)。
私は別々の日に拝見しましたが、連続して観る方が楽しめるような気がします。
このお芝居の出演者・スタッフと一緒に旅をすることができるから!
4月8日(日)が千秋楽です。一日通しでご覧にならない方は、
第一部を早めにご覧になっておくことをお勧めします。
初演の時は、公演後半になると満席の日が多くなっていました。
ご予約はお早めに!
※上演時間
第1部 約3時間20分(途中10分&15分の休憩を含む)
第2部 約3時間10分(途中10分&15分の休憩を含む)
【ご覧になった方のレビュー】
藤田一樹の観劇レポート
http://white.ap.teacup.com/kazudon/511.html
see and hear
http://hello.ap.teacup.com/miisblog/514.html
【チケット情報】
全席指定 一般5,000円
学生3,000円(TPTのみ取扱い)
第一部&第ニ部通し特別観劇料金9,000円
(同じお日にちの昼夜でご観劇の場合のみ)
TPTオンラインチケット
(パソコン) http://www.tpt.co.jp/
(携帯電話) http://www.tpt.co.jp/m/
【お問い合わせ】
TPT(ティー・ピー・ティー)
TEL 03-3635-6355
http://www.tpt.co.jp/
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◆ 【編集後記】
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◎第1部、第2部を観終わって、また『Angels in America』の空間に
戻りたい!って思っています。もう1回通しで行けたらな~・・・!
◎2月8日以来のメルマガ号外です。前回はこちら↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/0209095715.html
◎4月7日夜にFM西東京『たけがき2』に出演します。
http://takegaki.k-free.net/
※PodCastingが始まっています↓
http://www.voiceblog.jp/takegaki842/
◎「CoRich(こりっち)舞台芸術!」で
いつ、どこで、何が上演されているのかを簡単検索!
感想も書き込めますよ♪
http://stage.corich.jp/
「CoRich舞台芸術まつり!2007春」の審査員をさせていただいております。
http://stage.corich.jp/html/fes_result.html
◎新聞・雑誌などに執筆する仕事をしています↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0331235959.html
お仕事のご依頼はこちらへ↓お気軽にどうぞ♪
http://www.shinobu-review.jp/contact/
◎「劇場に足を運ぶことが、日本人の習慣になって欲しい」
それが私の望みです。
これからもこつこつ、地道に進んで行きたいと思っております。
皆様、どうぞよろしくお願いいたします♪
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Part 1 ミレニアム・Part 2 ぺレストロイカ
Tony Kushner's A Gay Fantasia on National Themes
出演=山本亨/斉藤直樹/パク・ソヒ/池下重大/チョウソンハ/宮光真理子/松浦佐知子/植野葉子/矢内文章/深貝大輔/小谷真一/アンソン・ラム
脚本=トニー・クシュナー 訳=薛珠麗・TPTworkshop 演出=ロバート・アラン・アッカーマン 演出補/薛珠麗 美術・衣裳=ボビー・ボヤヴォッツキー 照明=沢田祐二 ヘア&メイクアップ=鎌田直樹 音楽=粟屋顯 音響=高橋巌 舞台監督=赤羽宏郎
発売日:2007/02/24 全席指定 一般5,000円 学生3,000円(TPTのみ取扱い) Part1&Part2通し特別観劇料金9000円(同じお日にちの昼夜でご観劇の場合のみ)
公式=http://www.tpt.co.jp/
2007年03月22日
みつわ会『「雪」/「舵」』03/16-22六行会ホール

「雪」の舞台装置
みつわ会は、演劇集団円、文学座、新派などに所属する役者さんたちが、久保田万太郎(関連ページ⇒1、2、3)の作品だけを10年間上演し続けている団体だそうです。私は初見。久保田万太郎作品も初めてでした。
『雪』と『舵』の短編2本立てだったのですが、休憩15分の間に装置が完全に入れ替わったのに驚き。衣裳もヘアメイクもしっかりしていたし、前売り4,000円なのもちょっと納得でした。
⇒CoRich舞台芸術!『「雪」/「舵」』
今の日本では決して耳に入って来ないであろう昔の日本の日常会話が、しっとり、ゆったりと舞台の上で生まれていました。明治から昭和の日本人の庶民の生活を、ありのままに淡々と写し取ったような戯曲なんですね。
最初のうちはその希有な状態を珍しいものを見物するように眺めていたのですが、徐々に集中力が失われていってしまいました。役者さんはちゃんとした美術の中で、それらしい衣裳を着ていらっしゃるのですが、そういう時代の所作や常識などを身体で表現すること(真似ること)で精一杯のように見えたからだと思います。また、どの役者さんも自分のセリフを言うことや、予定通りの動きをすることに集中していて、舞台上の誰かとコミュニケーションをしているようには見えませんでした。最近の私は役者さんの状態が気になると、それだけで観る意欲が減退してしまうのです・・・。

「舵(かじ)」の舞台装置
『雪』(明治45年作)では登場人物がみな着物を着ていて、女性はかつらでした。髪結い屋の女が客の家を訪問して髪を結っているシーンから幕が開き、色んな種類のクシや小さな鏡台などの小道具も気が利いていて見ごたえがありました。
『舵』(昭和29年作)では男性はポロシャツに長ズボン、裕福な女性役は着物でしたが、日常着ではなくよそ行きの晴れ着を着ていました。夏のお祭の時期のお話だったので、玄関に吊るされたちょうちんに火を入れるなど、季節感がよく出ていました。そういえばちょうちんなんて、何年触ってないだろう・・・。
今現在30代の私は、昭和というと高度成長期やバブル経済などをまず連想します。戦後60年という節目ももう過ぎ去って、昭和のことは今や歴史の1ページ・・・。「バブルへGO!!」なんていう映画まで出てきました。
本当に人間は忘れっぽいですね。「喉元過ぎれば熱さを忘れる」とは言いますが、自分のことながらちょっと悲しいし、あきれます。だから今日、私が生まれていなかった昭和(そして明治)を描いた久保田万太郎戯曲の上演を観られてありがたかったです。
今公演は6月にNHKで放送予定があるそうです。舞台写真は公演関係者から頂戴しました。
『雪』出演=本山可久子・名越志保・片岡静香 ・伊和井康介・蔵一彦・山口千春 ・中平良夫・佐堂克美
『舵』出演=大原真理子・紅貴代・菅野菜保之・袴塚真実・吉岡健二・山口眞司
演出=大場正昭 美術=中嶋八郎 照明=古川幸夫 効果=秦和夫 舞台監督=藤森條次 宣伝美術=美香(pri-graphics) 協力=中山信弥・坂入清子・前波英夫・東京演劇音響研究所・村井加壽・柳沢延恵・谷沙保里・山崎由美子・サイスタジオ吉田悦子さん・円企画・文学座・松竹株式会社
日時指定・全席自由 前売り4000円 当日4500円 学生(当日のみ)2500円
CoRich=http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_main_id=804
シアターガイド(2006年)=http://www.theaterguide.co.jp/news/2006/03/14.html
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劇団俳優座LABO vol.21『地獄の神』03/17-24俳優座稽古場
劇団俳優座の役者さんである田中壮太郎さんが翻訳・演出されるサム・シェパードの戯曲です。同じく田中さんが翻訳・演出された『不寝番』が良かったので今回も伺いました。上演時間は約1時間45分。
サム・シェパードといえば映画俳優としても有名ですが、劇作でピューリッツァ賞も受賞しています。メジャーなところだと映画『パリ・テキサス』の脚本家でもあり、最近だと私はパルコ劇場で『フールフォアラブ』を拝見しました。
⇒CoRich舞台芸術!『地獄の神』
≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。
チーズの故郷といわれるアメリカ中西部ウィスコンシン州。酪農農家として繰り返しの毎日を送る夫婦フランク(神山寛)とエマ(高山真樹)の元をある日スーツ姿の一人の男(松島正芳)が訪れる。男はセールスマンさながらエマに愛国心を売りつけ、そして家の地下室に誰かを匿っていないか問いただしてゆく。このとき、夫婦の家の地下室にはフランクの旧友であるヘインズ(蔵本康文)が泊り込んでいた。しかし押し売り男の質問に答える義理はないと感じたエマは地下室には誰もいないと言い張り、スーツの男を追い返す。やがてヘインズが国家機密に関わるプロジェクトに関与していたことを聞く夫婦。そして二人はヘインズの身体に正体不明の青い電流が流れるのを目撃する。
ブッシュ政権を痛烈に皮肉ったサム・シェパードの快作。どうぞご期待ください。
≪ここまで≫
いかにもアメリカの田舎らしい家庭的なリビングが舞台。親しみやすいのどかな会話が続くかと思いきや、唐突に不条理劇へと変わる攻撃的な作品でした。やっぱりサム・シェパードは面白いな~と、じっくり展開を楽しめました。
ただ、殺風景過ぎるリビングや台所など、美術は行き届いていない感がありました。役者さんの演技もまだ戸惑いが見える状態で、演劇作品としては期待どおりのものではなかったです。途中で「もっと照明や音響(音楽)の演出を追加してもいいんじゃないかな」って思っちゃったんですよね。たぶん役者さんの演技に物足りなさを感じたからだと思います。
私の隣りの席に座っていた公演関係者っぽい若い女性が、役者さんがセリフを間違ったり、トラブルがあった時に(クッキーが割れたり)、ここぞとばかりにクスクス笑っていました。その人は役者さん自身を見ていて、登場人物や作品を観ていないんですよね。気が散りましたし良い気分ではありませんでした。
ここからネタバレします。
セールスマンもどきの行動をしながら、実は政府の権力を持つ不気味な若者ウェルチが、ヘインズだけでなくフランクまでも洗脳して、どこかへ連れて行ってしまいます。愛国心や名誉等を売り文句に、政府が市民を戦場へと送り込んでいくことを表しているのかなと思いました。大事にしていた子牛も売り飛ばし、フランクは平凡だけれど幸福だった日常生活を手放してしまいます。一緒に暮らしていた妻のエマは一人取り残されます。ウェルチが「ウィスコンシンで昔ながらの平穏な生活を享受し続けるつもりだったのか?甘えるな。少しぐらい国家に責任を果たせ。」というような意味のセリフを、まことしやかに彼女に浴びせました。詭弁です。でもそれがまかり通っているのが戦争ですよね。
二人の男が汚染されたのは、チラシにも書かれていた「プルトニウム」のせいでしょう。静電気(?)が光る仕掛けはすごいですね。あの火花はどうなってるのかしら?!
ヘインズ「一度プルトニウムが毒物を発しはじめたら、それがどれぐらい続くか知ってますか?50万年です。」※セリフは正確ではありません。
ウェルチはヘインズのペニスに黒いゴムひもをゆわえつけて、そのひもの先につながったスイッチを押して電流を流し、彼を拷問します。ペニスは人間の根源的な欲望や性(生)の象徴だと思われます。それを縛られ攻撃されるので、痛いのはもちろんですがヘインズはすっかりウェルチの言われるがままに動く奴隷になってしまいます。サム・シェパードらしい隠喩だなと思いました。
ヘインズの急所についてウェルチは「ペニス」と言いましたが、エマは「おちんちん」と呼びました。翻訳のこだわりが感じられました。
出演=神山寛・高山真樹・松島正芳・蔵本康文
作:サム・シェパード 訳・演出:田中壮太郎 美術:宮下卓 照明:伴静香 音響:小山田昭 衣裳:石川君子 宣伝美術:キヨエコイ→ヅカ 舞台監督:宮下卓 制作:高橋かずえ・LABO委員会
前売開始 2月13日 一般3500円 学生3000円(税込)
公式=http://www.haiyuza.com/
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2007年03月21日
彩の国シェイクスピア・シリーズ第17弾『恋の骨折り損』03/16-31彩の国さいたま芸術劇場
男ばかりのシェイクスピア、蜷川幸雄さんの演出シリーズです。まあ美男子ばっかりこれだけ揃ってたらね、埼玉まで観に行きますよっ!(笑) チケットも早々に完売でしたよね。
休憩含む3時間20分は・・・私には長すぎましたが、恋にもだえトキメク(笑)紳士たちは素敵でした。なんと祝日マチネはスタンディング・オベーション。
⇒CoRich舞台芸術!『恋の骨折り損』
≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。
愛を得るためにいろいろ努力をしても、結局骨折り損
ナヴァールの若き国王ファーディナンド(北村一輝)は、己が名声と国の発展を手にするため、臣下であり親友でもあるビローン(高橋洋)、デュメーン(窪塚俊介)、ロンガウィル(須賀貴匡)の3人と共に 「3年の間、あらゆる欲望を捨てて学業に専念する」という誓いをたてる。国中に法令として発布されたその中身には、「1週間に1度断食をすること」「睡眠は1日3時間とすること」などと並んで、「女性には近づかず、恋もしない」という条項も含まれていた。
そこへ折悪く、フランスの王女(姜暢雄)が3人の侍女、ロザライン(内田滋)、マライア(月川悠貴)、キャサリン(中村友也)を連れてナヴァールへとやってくる。病床の父王の代理として、両国の間の借金完済に伴う土地返還の交渉にやってきたのだが、件の法令があるために、国賓であるにも関わらず宮廷に入ることができない。そこで王たちは一計を案じ、野外に張ったテントの中で接見するが、なんと彼らは、それぞれが王女や侍女に恋をしてしまう。
宮廷には、風変わりなスペイン人の旅行家アーマード(藤田びん)が出入りしていた。彼もまた法に反してジャケネッタ(沢田冬樹)という村娘に恋をしてしまい、彼女あての恋文を田舎者のコスタード(大石継太)に託す。しかしコスタードは、ビローンからも侍女ロザラインに宛てた手紙を預かっており、取り違いが起きて全ての恋が発覚してしまう。
そもそも法令に無理があるのは明らかであり、そのことに気づいた王は、王女たちのために宴を開く。そしてそこで恋心を打ち明けようとするのだが…
≪ここまで≫
『恋の骨折り損』は一度だけ拝見したことがありまして、個人的にあまり好きなタイプの作品ではないんですよね・・・やっぱり今回もそれほど惹かれず。恋文のやりとりや詩の朗読など、いわゆるイギリス英語のウィットに富んだセリフが満載です。それが本当に味わえるなら良いんですが、私にはそんな教養はないですし、そもそも日本人の日本語なので・・・自ら進んで楽しむパワーがないと難しい気がします。あと、卑猥な言葉やそれを可笑しく表現する演技(動作)も苦手。シェイクスピアですからどうしようもないことなんですが。
ただ、やっぱり「恋」のシーンは素敵♪「女性には近づかない、恋もしない」と誓っても、好きになってしまったら決してその気持ちには抗えません。愛しい女のために恋文をしたためる男4人の陶酔した演技がキュートでした。互いを葉陰から見張っている設定もうまく生きていました。
ここからネタバレします。
巨大な柳(?)の木で覆われた舞台。葉の裏に隠れるのが効果的でした。衣裳も豪華。最後の詩の演出(桜の木とか鳥の衣裳など)は疑問でしたが、全体としてはサービス満点のお芝居だったと思います。
王様役の北村一輝さんは色気のある方でした。ユーモアもあって男らしい方。
褐色の肌の侍女ロザライン(内田滋)がガハガハ笑うキャラで、口先ばかり達者なビローン(高橋洋)との掛け合いが楽しかったです。内田さん、やっぱユーモアのセンスがあって柔軟で素敵。超美形なのにやること三枚目(笑)。高橋さんはいつもながら見ててすごく安心。
≪埼玉、愛知、大阪、福岡≫
出演=北村一輝/姜暢雄/窪塚俊介/高橋洋/内田滋/月川悠貴/中村友也/須賀貴匡/藤田びん/大石継太/清水幹生/戸井田稔/岡田正/大富士/沢田冬樹/西村篤/青井陽治/宮田幸輝/新妻大蔵/今村俊一/三日尻健太郎/本山里夢
ミュージシャン=笠松泰洋(オーボエ等)/寺島基文(トランペット)/三浦肇(パーカッション)/円能寺博行(ユーフォニアム・Wキャスト)/小林敦(ユーフォニアム・Wキャスト)
脚本=ウィリアム・シェイクスピア 演出=蜷川幸雄 翻訳=松岡和子 美術=中越司 照明=原田保 衣裳=宮本宣子 音響=井上正弘 ヘアメイク=佐藤裕子 音楽=笠松泰洋 振付=広崎うらん 演出助手=井上尊晶 舞台監督=明石伸一
11/18発売 S席9,000円 A席7,000 B席5,000円 学生席2,000円
公式=http://www.saf.or.jp/index.html
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tpt『Angels in America【第1部「ミレニアム」】』03/20-04/08ベニサン・ピット
2004年しのぶの観劇ベストテンのダントツNo.1だった作品の再演です。トニー・クシュナーの傑作戯曲『エンジェルス・イン・アメリカ』の第一部、第二部連続上演。各パート3時間以上ある大作を同じキャストで、1日(マチネ&ソワレ)で両方観られるという贅沢!
初日に第一部だけ拝見したのですが、もー・・・素晴らしすぎて嬉し涙!たまたま一緒に観ていたお友達も、最初の途中休憩から驚愕のため息!この至福のプレゼントをどうぞお見逃しなく♪第一部の上演時間は約3時間30分(途中休憩10分&15分を含む)。
⇒CoRich舞台芸術!『Angels in America』
レビューをアップしました(2007/03/25)。
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⇒【第2部「ぺレストロイカ」】レビュー
⇒WOWOWでTVドラマ再放送!4月16日(月)・23日(月)・30日(月・祝)

舞台写真(C)TPT/撮影◎島田麻未
≪あらすじ≫ パンフレットより。★ネタバレしています。(役者名)を追加。
---あんんたたちも、あんたたちの子供たちも、アメリカで生きているのではない。そのような場所は存在しない。
1980年代半ば。ロナルド・レーガンの共和党政権下で社会が急速に右傾化するアメリカ。当時まだ謎の伝染病だったエイズの嵐が吹き荒れていたニューヨーク。
モルモン教徒で共和党支持者、「隠れゲイ」の法務官ジョー(パク・ソヒ)は、法曹界の大者ロイ・コーン(山本亨)からワシントンへの栄転をもちかけられる。ロイ・コーンは1950年代、ジョセフ・マッカーシーの右腕として「赤狩り」の急先鋒に立った超保守派のユダヤ人であり、彼もまた「隠れゲイ」である。ロイは医者(深貝大輔)にエイズの宣告を受ける。
ゲイのユダヤ人で裁判所の雑用係をしているルイス(池下重大)は、恋人のプライアー(斉藤直樹)と同棲している。プライアーはエイズを発病する。ルイスは重い現実に耐えられずプライアーのもとを去ってしまうが、プライアーの親友で黒人、元ドラァグクイーンの看護士ベリーズ(矢内文章)を呼び出し、様子を聞こうとする。「自由の国」アメリカを愛してやまないルイスは、同時にレーガン政権下で大きな権力を握りつつある保守主義アメリカに嫌悪感を抱いている。

舞台写真(C)TPT/撮影◎島田麻未
ジョーの妻ハーパー(宮光真理子)は夫のワシントン行きに反対である。ハーパーは精神安定剤ヴァリアム中毒で、日々さまざまな幻覚を見ている。プライアーも先祖の亡霊(パク・ソヒ&深貝大輔)に出会ったり、奇妙な「お告げ」の声を聞いたりする。また、あるときは、夢のなかのプライアーと幻覚のなかのハーパーが出会ってしまう。プライアーはハーパーに告げる。「あんたのダンナ、ホモよ。」
そしてある晩、プライアーの部屋の天井を突き破り、天使(チョウソンハ)が降り立つ。
---ごあいさつを、預言者を! 大いなる仕事がはじまる! 使いが到着した!
≪ここまで≫
初演と同様、スピーディーかつ自由自在な展開にわくわくしながら、ベニサン・ピットで生き生きとその役を生きる役者さんと一緒に『Angels in America』の世界を共有することができました。

舞台写真(C)TPT/撮影◎島田麻未
この公演に携わる方々は『BENT』、『Angels in America』(第1部、第2部)、『三人姉妹』と、ロバート・アラン・アッカーマンさんとともに製作を続けてきたザ・カンパニー(THE COMPANY)と呼ばれるグループです(※宮光真理子さんは初参加)。一人一人が存分に個性を発揮し、それぞれがかけがえのないパーツとなって作品を構成しています。このメンバーだからこそ、自由奔放で息がぴったり合った、躍動感のある劇世界が生まれたのではないかと思います。
ここからネタバレします。
ハーパー役が中川安奈さんから宮光真理子さんに変わった事で、夫ジョー(パク・ソヒ)のキャラクターに大きな変化がありました。初演時は真面目一徹の青年が姉さん女房の尻に敷かれているように見えていたのですが、今回は同じ宗教を信じ、一緒の未来を夢見て結婚した若くて初々しいカップルに見えました。だから2人がすれ違っていくことがとても切ない・・・。

舞台写真(C)TPT/撮影◎島田麻未
そしてジョーが、エイズを発症した恋人プライアーのことで苦しむルイスに惹かれていくシーンでは、初演の時は恋愛のときめきの方が強く印象に残ったのですが、再演では2人の心の痛みの方が鮮やかに伝わってきました。逃れようのない自己矛盾・自己嫌悪のどん底にいる2人が明日も生きていくためには、他の誰かにただ愛してもらうしかなかったんですね。
ハーバー(宮光真理子)がクスリでぶっトんで、幻覚の世界に行ってしまうシーンの破天荒さにスカっとします。ツアーガイド(矢内文章)との荒唐無稽なやりとりも笑えるんですよね。宮光さんはやっぱり凄い女優さんだと思いました(過去レビュー⇒1、2、3、4)。彼女が話すと、その言葉どおりの感情が彼女の身体を透けて生まれてくるように感じるのです。
ジョー(パク・ソヒ)がソルトレイクの母親(松浦佐知子)に「僕、ホモセクシャルなんです」と電話するシーンはやっぱり超キュート♪胸にグサっと刺さるような爆弾発言や残酷な宣告の後に、ちゃんと笑いが用意されていることが素晴らしいです。

舞台写真(C)TPT/撮影◎島田麻未
Part 1 ミレニアム・Part 2 ぺレストロイカ
Tony Kushner's A Gay Fantasia on National Themes
出演=山本亨/斉藤直樹/パク・ソヒ/池下重大/チョウソンハ/宮光真理子/松浦佐知子/植野葉子/矢内文章/深貝大輔/小谷真一/アンソン・ラム
脚本=トニー・クシュナー 訳=薛珠麗・TPTworkshop 演出=ロバート・アラン・アッカーマン 演出補/薛珠麗 美術・衣裳=ボビー・ボヤヴォッツキー 照明=沢田祐二 ヘア&メイクアップ=鎌田直樹 音楽=粟屋顯 音響=高橋巌 舞台監督=赤羽宏郎
発売日:2007/02/24 全席指定 一般5,000円 学生3,000円(TPTのみ取扱い) Part1&Part2通し特別観劇料金9000円(同じお日にちの昼夜でご観劇の場合のみ)
公式=http://www.tpt.co.jp/
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KUDAN Project『美藝公(びげいこう)』03/16-21ザ・スズナリ
『くだんの件』、『真夜中の弥次さん喜多さん』(百人芝居もありました)に続くKUDAN Projectの二人芝居・最終章(という噂)に、「CoRich舞台芸術まつり!2007春」審査員として伺いました。
『美藝公』は筒井康隆さんの小説ですが、何も知らずに観に行っても大丈夫だと思います(私がそうでした)。上演時間は約1時間40分。
⇒BACK STAGEの稽古場レポート
⇒CoRich舞台芸術!『美藝公』
レビューはCoRich舞台芸術!に書きました。こちらにも転載します。備忘録あり。
■映画の愛と、演劇の愛と
映像と演技の見事なコンビネーション、舞台に張り巡らされた面白い仕掛け、創意工夫を凝らした二人の対話など、KUDAN Projectならではの演劇を楽しませていただきました。最後のシーンでは涙が出そうになりました。ただ、これまでの作品を拝見していて期待が大きかったせいもあり、「ミタコトモナイ≪演劇≫」を堪能するまでに至らなかったのは少し残念でした。
ここからネタバレします。
“美藝公”とは、日本一の映画俳優キタヤマ(小熊ヒデジ)のこと。いっこうに脚本が書けない脚本家ヤジマ(寺十吾)は天野天街さんご自身のことかしらと頭に浮かんで消えませんでした(苦笑)。※役の名前はうろおぼえです。
映画の撮影現場でポカをやらかした(炭鉱でダイナマイトを爆発)キタさんは映画界を追い出され、一緒に仕事をしてきた脚本家ヤジさんも仕事を失い、演劇の世界へと落ちぶれます(笑)。「映画に戻りたい」と嘆きながら演劇の世界を生きる二人。「演劇なんて」とぼやきながら、演劇だからこそできる演出が次々と繰り出されます。まさかタップダンスまで披露していただけるとは驚きました。
演劇の中に映画があって、その中に演劇、その中に映画・・・という入れ子構造から、映画と演劇の両方を心から大切に、愛している気持ちが伝わってきました。小さな障子紙にヤジさんとキタさんの映像が映ったラストシーンで、身体がじーんと温まりました。
ここから備忘録です。
登場するのは脚本家のヤジマ(寺十吾)と日本一の映画俳優“美藝公”キタヤマ(小熊ヒデジ)の二人。やっぱり“ヤジキタ”なんですね(笑)。
真っ暗だ→ここはどこだ?→炭鉱だ→何も見えないよ→本当に?・・・と、暗闇で問答。二人の生声の他に時々マイクを通した録音声も聴こえます。「あぁ、弥次さんだ、喜多さんだ、懐かしい!嬉しい!」と思っている自分がいました。そして何もなかった舞台に現れた装置が『真夜中の弥次さん喜多さん』の時とほぼ同じ和室だった時、がっかりしちゃったんですよね・・・全く予想も付かないような新しい世界を期待してしまっていたんです。ごめんなさい。
ヤジさんが脚本を書くためにこもっている旅館が舞台です。ダイナマイトに火をつけたのはキタさん。もしかすると彼は既に死んでいるのかもしれません。
≪名古屋、東京≫
出演:小熊ヒデジ&寺十吾
原作:筒井康隆 脚本・演出:天野天街
※1月27日(土)発売開始 前売・予約:3,400円 当日:3,800円 高校生以下:2,800円
公式=http://www.officek.jp/kudan/
2007年03月20日
スロウライダー『Adam:ski(アダムスキー)』03/16-25三鷹市芸術文化センター 星のホール
スロウライダーは山中隆次郎さんが作・演出される劇団です(過去レビュー⇒1、2、3、4)。「CoRich舞台芸術まつり!2007春」審査員として初日に伺ってきました。三鷹市芸術文化センター 星のホールを天井高く、狭く建てこんだ舞台と客席でした。私は最後列の高いところから眺める位置での観劇になったのですが、いや~・・・いつもの星のホールの面影ゼロで、面白い体験でしたね。
静かに、じわじわと真相に迫っていく生々しい心理ホラー作品でした。2003年初演作品の再演ですが、脚本は大幅に変更されているそうです。上演時間は2時間弱でした(初日時点)。
千秋楽が3/25ですから、およそ2週間の公演なんですね。三鷹でロングランって凄いなと思います。
⇒CoRich舞台芸術!『Adam:ski』

舞台写真・主催者より提供
≪作品紹介・あらすじ≫ 劇場サイトより。
民俗学、国文学の研究者“故・折口信夫”とその弟子との交流をモデルに、他者の理想と自らの現実の狭間で煩悶する、人間の弱さと脆さを骨太に描き切る!
生前、その民俗学者は「怪物」とさえいわれた。膨大な知識と神懸かり的な直感で、「先生」はこの世界とあの世をつないでみせた…。その奇妙なカリスマに引き寄せられ、周囲にはいつも男たちが集まっていた。「先生」の死後。彼を愛し、集まっていた門弟の男たちは、書きかけの自伝を皆で完成させ、出版する計画を立てる。しかし「先生」についての証言は、彼らの間で大きく食い違い、かつ「先生」の恋人だったと名乗る男の来訪によって、はたして「先生」とは誰だったのか、「先生」にとって自分は誰だったのか?男たちは激しい混乱に陥っていく…。
≪ここまで≫
レビューはCoRich舞台芸術!に書きました。
下記は自分の備忘録のための記録です。ここからネタバレします。
一人の記者(數間優一)がある学者(=先生)のことを調べようと、その学者のかつての弟子・白崎(山中隆次郎)の家を訪れるところから開幕します。白崎が自分と同じく先生の弟子だった男・徳田(夏目慎也)から聞いたことを伝える形で、物語が進みます。

舞台写真・主催者より提供
舞台は先生と弟子たちが暮らしていた大きな洋館の書斎。柱やドアは洋風で床は大理石(っぽい)なのに、書斎スペースだけは畳の間で、畳の上に赤いじゅうたんが敷いてあり、家具は和洋折衷です。全体的に薄暗~くて、鬼のような仮面の民族衣装が柱に吊るされていたり、なんとも不気味な、居心地が良いとは決して言えない部屋。しかも常に何らかのノイズが鳴り続けています。『トカゲを釣る』の効果音ほどではありませんが(苦笑)、決して心地よいとは言えない音でした。ガの羽音だったのかな・・・・。
徳田の夢の中の世界(月の精霊が登場する)が描かれることで、「先生」に対する徳田の執着心の大きさが描かれたのかなと思いました。でも、最後の最後まで私は意味がわかってなかったんだけど。人が死んでいくことに「ええっ!」と驚いたぐらい、ホラーだという認識がなかったので(汗)。怖いというよりは、弟子たちの行動を淡々と追っていくことで、その人たちの心の動きを探るのが楽しかったんですよね。

舞台写真・主催者より提供
役者さんは皆さん、すごく自然で良かったです。キャラクターを際立たせようと大げさに動いたり、何らかの突飛な特徴で目立とうとしたり、そういう小手先のことが全くありませんでした。主人亡き後の洋館に取り残された若者たちを、静かに覗き見するように(笑)、楽しませていただきました。
興奮したところ→春洋(はるみ・日下部そう)が“もどき”だとバレたところ/別府(竹井亮介)の肩を小さく揺らすクセ/着物を着た吉松(金子岳憲)が「先生」になって生萩(はまはぎ・山口奈緒子)をひっぱっていくところ/白崎が「ありがとう、生萩」と妻(渡辺いつか)に向かって言うラストシーン、そしてその暗転
≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫
出演:タニノクロウ(庭劇団ペニノ)/山中隆次郎(スロウライダー)
お二人のトークは、観ているだけで楽しめちゃうような一風変わった時間でした。だって動きと話し方が面白いんだもの、まるでチェルフィッチュ公演みたいに(笑)。
タニノさんはしきりに「いい話だった~」とおっしゃってました。
タニノ「何が怖いって、僕はポスト・パフォーマンス・トーク(の時間が来るの)がめちゃくちゃ怖かった(笑)。」
出演=山中隆次郎、數間優一、日下部そう(ポかリン記憶舎)、夏目慎也(東京デスロック)、渡辺いつか、金子岳憲(ハイバイ)、板倉チヒロ(クロムモリブデン)、村上聡一(中野成樹+フランケンズ)、山口奈緒子(明日図鑑)、竹井亮介(親族代表)
作・演出=山中隆次郎 舞台美術=福田暢秀(F.A.T STUDIO) 照明=伊藤孝(ART CORE design) 照明操作=三浦詩織 音響=中村嘉宏(atSound) 音響操作=井川佳代 舞台監督=西廣奏 舞台監督補佐=シロサキユウジ 宣伝美術=土谷朋子(citron Wroks) 宣伝・記録写真=西田航 記録映像=トリックスターフィルム WEB運営=栗栖義臣 制作補佐=坂本明 制作=三好佐智子 企画・製作=有限会社quinada(キナダ) 主催=(財)三鷹市芸術文化振興財団
発売日2007/02/16 全席指定 一般前売:2,800円 一般当日:3,000円
公式=http://www.slowrider.net
※クレジットはわかる範囲で載せています。必ずしも正確な情報ではありません。
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2007年03月14日
加藤健一事務所vol.65『特急二十世紀-TWENTIETH CENTURY-』03/14-28本多劇場
加藤健一事務所の第65回公演。海外戯曲の新訳での上演です。毎回すごいなと思います。次回の6月公演『モスクワからの退却』の宣伝が開幕前からありました。ポスターもチラシも揃ってて、すごいな~。鵜山仁さん演出でStudio Lifeの山本芳樹さんが出る三人芝居っていうのも、すごい。
装置が豪華で、転換も楽しませてくださいました。上演時間は休憩なしの約2時間5分。でもカーテンコールを合わせたら2時間15分ぐらいだったかも。
⇒CoRich舞台芸術!『特急二十世紀』
≪あらすじ・作品紹介≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。改行を変更。
「何としてもスター女優と契約を!!」
崖っぷちのプロデューサーに演劇の女神は微笑むのか・・・?!
興行が立て続けに失敗――失意を胸にシカゴ発ニューヨーク行きの特急二十世紀号に乗り込んだ有名演劇プロデューサー、オスカー・ジャッフェ(加藤健一)。奇しくも同じ列車に、オスカーに愛想をつかし、ブロードウェイの舞台を捨て、映画界の華となったスター女優、リリー・ガーランド(日下由美)も乗車。降って湧いた偶然に、オスカーは演劇界の頂点へ返り咲くため、リリーと契約を結び、再び自分のステージに立たせることを思いつく。
乗り込んだら最後、特急列車はイチかバチかの運命をかけて一直線!「何としてでもリリーと出演契約を結びたい!」奮闘するオスカーが巻き起こす、抱腹絶倒劇の結末はいかに・・・?!
シカゴ発ニューヨーク行きの豪華なコンパートメントで繰り広げられる傑作フルスピード・コメディー!!
≪ここまで≫
加藤健一事務所公演で加藤健一さんが主役ですから、加藤健一さんのお芝居だと思って観るのが正解ですよね。いつもの元気な加藤さんにお会いできて良かったなと思います。
演劇という魔物に取り付かれた人々のキチガイ沙汰。自分が輝くためなら、自分がやりたいと思う演劇のためなら、どんな嘘もつくし人も裏切ります。血も涙もないプロデューサー(加藤健一)と女優(日下由美)の、戦友のような関係が面白いですね。こういう友人関係、怖いけど実際にあるよねって思いますし、ちょっとうらやましかったりもします(笑)。
海外戯曲ならではの細かい比喩があるセリフが楽しかったです。「まるで~~みたいな顔の」とかの。忘れちゃったけど。有名な作品(ギリシア悲劇とかシェイクスピアとか)の引用もいっぱいで、演劇ファンならより楽しめる戯曲ですね。「ブレヒトに書かせよう、あ、イプセンも、あいつ生きてたっけ?」とか。
“世紀の大女優”役を演じるのって、女優さんにとって結構プレッシャーだと思うんです。その点、日下由美さんはかなり堂々とやり切ってくださって、笑えるところまで見せてくださいました。何しろきれいだわ~。肌白!腰細!足細!そして豊かな胸元が拝める白いドレス姿も素晴らしかった(私、女なんですが、そういうところに弱い・笑)。
私はまぁ、今さら言うまでもありませんが(そうか?)、文学座の浅野雅博さん目当てで初日行脚(笑)。女優の恋人(てゆーかツバメ)役。もー満足です。なんてみずみずしい人なんだ!と、いつも思います。今回は真っ直ぐ破裂するように怒ってて新鮮でした。
ここからネタバレします。
舞台は1933年のアメリカ。20世紀号という名前の高級列車の車内です。豪華コンパートメントとバー・コーナーが広々と作られています。それがなんと左右にスライドするんです。コンパートメントが中央に来たり、バーコーナーが中央に来たり、見えてなかったB客室がドドンと出てきたりですねぇ、そりゃもう嬉しい限り。駅を出るシーンでは、車窓から見える風景もちゃんと奥で演技をして見せてくださいました。
出演:加藤健一 ・日下由美・浅野雅博(文学座)・さとうこうじ・小川輝晃・福島勝美(道学先生)・江間直子(無名塾)・前田こうしん・一柳みる(昴)・新井康弘
原作:ベン・ヘクト・チャールズ・マッカーサー 脚本:ケン・ラドウィッグ 訳:小田島恒志 演出:久世龍之介 美術:大田創 照明:五十嵐正夫 音響:松本昭 衣裳:加藤豊美 ヘアメイク:馮啓孝 舞台監督:鈴木政憲 製作:加藤健一事務所
1月21日(日)前売開始 前売:5,000円/当日5,500円(全席指定) 高校生割引:2,500円(学生証提示・当日のみ)
公式=http://homepage2.nifty.com/katoken/
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あひるなんちゃら『UFOcm(ユーフォーセンチメートル)』02/09-12王子小劇場
破壊力のある劇団名だと思うんですよね、“あひるなんちゃら”って(笑)。もともとは九州で活動されていたそうで、その時から“あひる”が付く名前だったようです(伝聞)。私は初見です。
⇒cinra-magazine『世界の劇団あひるなんちゃら「笑いあり涙なし」』
≪あらすじ≫ 公式サイトより。公演後にまとめられたもののようです。
町にある丘。UFOを呼べると言い張る女がそこに毎日やってきて、UFOを呼び続けていた。町の人々は女に会いにやってきたり、こなかったり、わけのわからないことを言ったりしていた。丘に、割とたくさんの人が集まったある日、UFOはやってきた。本当はやってきたのかどうかわからないけれども、その町はUFOが来る町として発展していったのであった。(中略)
≪ここまで≫
cinra(およびチラシ)に「ダラダラ駄弁芝居1時間10分」とありますが、決してダラダラには見えなかったんですよね~・・・。役者さんは総じて“ダラダラしている演技”をされていました。だから私にはガッチガチに決まった動作の連続に見えて、退屈でした。
例えばボケとツッコミのバランスについても、いわばボケ9割ツッコミ1割みたいな割合に「決められている」ようで、ボケにもツッコミにも見えなかったんだな~。お稽古はきっと大変なんだろうなって思います。呼吸やムードを徹底して作らないとだめなのでしょうし。
会話の行き違いや返答の仕方などの個別のアイデアは面白いと思うんですが、同じ型が繰り返されるので、1時間以上は・・・つらかった。
あと、わざわざ王子小劇場のようなきちんと設備の整った“劇場”でやらなくてもいいんじゃないかとも思いましたね。装置がなくても成立しそうだし。今回は緑の小山をしっかり作ってらっしゃいましたが、別にそこまでしなくても・・・。
オープニングでは劇団のテーマソングが流れていたのかな?ちゃんと作曲・録音されていたのが可笑しかった。あ、そういうところが面白いってことなのかしら?確かにバカバカしいほどくだらないことに一生懸命な人って、笑いを誘います。例えば今回で言うと影絵とかも(装置も)。でもそれって、ただ、それだけなんですよね、私にとっては。お好きな人もいらっしゃると思いますが。
一度観ただけではあひるなんちゃらのこと全てをわかったとは思えないので、今後の発展を期待したいと思います。
出演=黒岩三佳、根津茂尚、伯美乃里、藻田るりこ、日栄洋祐、小野紀亮(MCR)、大室光来(ボーダビッチ)、稲垣俊平(劇団志村)、草野千裕(checarino!/checarina!)、田部寛之
作・演出=関村俊介 舞台美術=コマツバラミワ 制作=中川加奈子
発売日 2007/01/12 前売り・当日\2,000 4名様以上で予約すると、割引があります。
公式=http://www.ahirunanchara.com
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SHOW-GO produce vol.2『12(twelve)~「十二人の怒れる男」より~』01/31-02/04 THEATER/TOPS
SHOW-GO produceは鈴木省吾さんと和田憲明さんのプロデュースユニットです。第1回に続いて第2回目も伺いました。
「十二人の怒れる男」は何度も映画化されている有名な作品です。三谷幸喜さんの『12人の優しい日本人』もありますね。劇団青年座の『評決-昭和三年の陪審裁判』も裁判員制度を描いた作品でした。
客席がステージを2方向から挟んでいました。シアタートップスで舞台側に座ったのは初めて。楽しかった~。
舞台をニューヨークから日本に変え、見事に脚色されていました。結末がほぼわかっていても、手に汗握って緊張して観ていられます。
★「舞台をニューヨークから日本に変え、」というのは間違いです。舞台はアメリカでしたね。なんで勘違いしたのかわからないですが(汗)、失礼いたしました(2007/03/25)。
議論は偉大だなって思えました。人間は正直に心を明かしあうことで、真実に近づくことができるんですね。
一人一人のキャラクターを味わう意味でもストーリーを追う意味でも、前半から中盤にかけてはずっと集中できたのですが、徐々に「怒る人はとにかく怒る」「涙目になる人は涙目になる」という風に演技が固定されているように感じてきて、終盤は少々退屈もしました。
小劇場の自主公演でこれだけの豪華キャストで、しっかりとした脚本&演技のお芝居を観られることってすごく少ないと思うんです。演劇を知らないお友達も安心して誘えます。だからこれからもSHOW-GO produceは追いかけちゃうと思います。
出演=有福正志/瀬戸将哉/高川裕也/俵木藤汰 [ラッパ屋]/鈴木省吾/清水宏/古川悦史 [文学座]/鈴木歩己 [グリング]/月ゴロー/仲坪由紀子/萩原利映 [グリング]/石曽根有也 [らくだ工務店]
原作:レジナルド・ローズ 翻訳:額田やえ子 脚色・演出:和田憲明 舞台美術 : 塚本祐介 舞台監督 : 蓮樹謙 照明 : 佐藤公穂 音響 : 長柄篤弘 衣装協力 : 木村猛志(衣匠也) 宣伝写真 : 福島裕二 浅沼茂樹 宣伝美術 : 石曽根有也(らくだ工務店) 舞台写真 : 笹野忠和 Web制作 : 廣瀬麻衣 制作 : 津田はつ恵 山内三知 菊池摩美 制作協力 : 石井光三オフィス THEATER/TOPS 企画 : 鈴木省吾 和田憲明
前売発売日 12月12日(火) 前売3800円 当日4000円(全席指定)
公式=http://www.show-go.net/
作品公式=http://www.show-go.net/12/
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文化庁主催『メアリー・ステュアート』02/01-04新国立劇場 小劇場
文化庁が主催する、文化庁芸術家在外研修(新進芸術家海外留学制度)の成果を見せる公演です。国のお金で留学してきた芸術家の方々の力が発揮されるわけですから、こりゃ見なきゃな、と。
出演者では平栗あつみさんと小森創介さん、演出の古城十忍さん、美術の伊藤雅子さん、照明の黒尾芳昭さんに注目して観るようにしました。
『メアリー・ステュアート』はパルコで観たことがありましたが、あれは2人芝居で全く別の作品なんですね。脚本家ももちろん違います。
2005年8月にロンドンで初演された戯曲の本邦初演ということで、新翻訳の新作です。演出の古城さんは翻訳にも携わってらっしゃいますね。
≪あらすじ≫ 公式サイトより
新脚本でお届けする、女同士のプライドを賭けた凄まじいバトル。
男で身を滅ぼしたと言われるスコットランド女王「メアリースチュアート」。一生独身を貫くことを宣言し「ヴァージン・クィーン」と呼ばれたイングランド女王「エリザベス1世」。
舞台は16世紀のイギリス。エリザベス1世の暗殺計画に関与した嫌疑で、今やメアリースチュアートは幽閉の身となっている。メアリーの処刑をエリザベスに急き立てる男たちと、メアリーを救出しようと画策する男たち。政治的駆け引きに翻弄されながら展開する、女同士のプライドを賭けた凄まじいバトル。果たして二人の女王の運命は……?
≪ここまで≫
伊藤雅子さんの美術は何度か拝見しまして、かなり好きな美術家さんです。私が観た中で一番好きなのは『ロンサム・ウェスト』。今回は『エンジョイ』と同じく新国立劇場小劇場ですが、全然違った空間でしたね。斜めに並んだ柱が印象的でしたが、あまり衝撃はなかったな・・・。でも照明(黒尾芳昭)との相性がすごく良かったように覚えています(ちょっとうろおぼえ)。
演出についてはスタンダードだなって思いました。色んな劇団から色んな役者さんが集まっているプロデュース公演なので、一跡二跳の公演とは全然違いますよね。そう、そうだ、いかにも“プロデュース公演です!”っていう仕上がりだったんです。
平栗あつみさんは・・少々残念な感じでした。男を次々と虜にしていくメアリーなはずですが、それほどファム・ファタルな魅力が感じられず。つかこうへい劇団に出てらした時と同じようなセリフ運びだったこともあり、う~ん。でも終盤の、死を覚悟したメアリーとしては、清らかで美しかったです。正面から当たる白い照明にも負けてませんでした。
小森創介さん。素晴らしかった・・・!言葉にもしっかり奥行きがあるし、気品がありました。立ってるだけなのに、それも観客に背中を向けてたりするのに、彼にしか目が行かないこともしばしば。『おばけリンゴ』のワルター役からの変貌振りに驚き(笑)。セクシーでした。
SCHILLER'S MARY STUART IN A NEW VERSION
出演=平栗あつみ(演劇集団円/平成16年度派遣)、田島令子、奥村洋治(一跡二跳)、小宮孝泰、鈴木弘秋(文学座)、河内喜一朗(StudioLife)、有希九美、永田耕一(スーパーエキセントリックシアター)、重藤良紹(一跡二跳)、小森創介(演劇集団円/平成16年度派遣)、高久慶太郎(一跡二跳)、溝渕康弘(一跡二跳)
作=フリードリッヒ・シラー 脚色=ピーター・オズワルド 翻訳=阿部のぞみ+古城十忍 演出=古城十忍(平成16年度派遣) 美術=伊藤雅子(平成15年度派遣) 照明=黒尾芳昭(平成17年度派遣) 音響=青木タクヘイ 衣裳=宮本尚子・豊田まゆみ 舞台監督=尾崎 裕 舞台監督助手=端場久美子 演出助手=佐藤万里子 演出部=増田和・村田麗香・吉澤緑 宣伝美術=古川タク[イラスト]西英一[デザイン] 制作=(社)日本劇団協議会 制作担当=岸本匡史(一跡二跳) 主催=文化庁 文化庁芸術家在外研修(新進芸術家海外留学制度)の成果
全席指定/3,500円 学生/2,500円(一跡二跳でのみ取り扱い、要学生証提示)※10歳未満の幼児・児童はご入場いただけません。
公式=http://www.isseki.com/stage/575msrystuart/index.html
※2/2(金)夜の回はStudio Lifeの役者さんが勢ぞろいだったそうです(笑)。
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上智大学・新国立劇場・日露演劇会議「現代演劇と演劇教育(仮)」03/10上智大学四ツ谷キャンパス9号館3階9-349教室
新国立劇場演劇研修所でのシーンスタディのために来日された、ナターリヤ・ズヴェーレヴァ教授の講演にお邪魔しました。
ナターリヤさんはギチス(GITIS・現ロシア舞台芸術アカデミー)で30年以上教鞭を取られている方です。静かにはっきりとお話してくださって、そしてかなり正直で(笑)、キュートな女性でした。
質疑応答形式の約2時間。日露演劇会議・事務局長で演劇評論家の村井健さんの進行がパワフルでした。ロシアの演劇教育はやっぱり凄いですね。国を挙げて演劇に投資しているのですから、日本と比べられるものではないんですが。うらやましかった。
新国立劇場演劇研修所の生徒さんも来られていました。上智大学のロシア語学科の生徒さんも多数いらしてて、皆さん真面目で勉強熱心だなーと思いました。
主催:上智大学・新国立劇場・日露演劇会議共催
日時:07年3月10日(土曜日)午後15~17時
場所:上智大学四ツ谷キャンパス 9号館3階9-349教室
演題:「現代演劇と演劇教育(仮題)」(日露随時通訳付・通訳:上世博及)
参加費:無料
日露演劇会議=http://www012.upp.so-net.ne.jp/freebie/
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東京芸術見本市2007実行委員会『東京芸術見本市2007/インターナショナル・ショーケース2007』03/05-08東京国際フォーラム/丸ビルホール
TPAM看板
東京芸術見本市2007(TPAM)初体験!今回で11回目を迎えるんですね。私は3/7と3/8に伺いました。
3/7はビジュアル(映像)・プレゼンテーションを楽しんで、3/8はこりっち株式会社・松月社長のセミナーを聞きに行きました。
東京国際フォーラムはやっぱキレイ
ビジュアル・プレゼンテーションって、映像プレゼンだったんですね。てっきり出演者アリなのかと勘違いしてた(汗)。 でも面白かったです。 特に庭劇団ペニノには笑わせてもらいました。“タニノクロウのフェティシズム”・・・なるほど、よ~くわかりました(笑)。
一緒に観ていた方々によると、今回の演劇プレゼンの中では「花組芝居が良かったね」とのこと。確かにわかりやすかったし、値段もはっきりしてるし、内容も「商品」としてまとまっているように思いました。
<東京芸術見本市2007>*丸の内元気文化プロジェクト参加事業
主催: 東京芸術見本市2007実行委員会(構成団体:国際交流基金/財団法人地域創造/国際舞台芸術交流センター) 助成:グラシアン基金 後援:外務省/総務省/経済産業省/文化庁/東京都/社団法人全国公立文化施設協会 協力:アサヒビール株式会社/セイコーエプソン株式会社/メルキュールホテル銀座東京/オランダ王国大使館/チェコセンター/フィンランドセンター/リトアニア共和国大使館/財団法人大阪21世紀協会 宣伝協力:株式会社ポスターハリス・カンパニー 併設事業:財団法人地域創造主催セミナー(共催:社団法人全国公立文化施設協会)/国際交流基金グループ招聘事業 提携事業:東京国際芸術祭2007<インターナショナル・ショーケース2007> 主催:文化庁 企画・制作:国際舞台芸術交流センター 特別協力:丸ビル
公式=http://www.tpam.or.jp/
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2007年03月13日
日生劇場/ニッポン放送/梅田芸術劇場/ぴあ/キョードー東京『ロック★オペラTHE WHO'S「TOMMY」』03/12-31日生劇場
劇団☆新感線のいのうえひでのりさんが海外ミュージカルを初演出されます。私はこの作品についての前知識はほぼゼロ。THE WHOというバンドの音楽を使っているんですよね(すみません、その程度の知識です・・・)。
映像がすごい!照明がすごい!装置がすごい!衣裳が豪華!・・・間違いなく、今の日本のミュージカルにおいて、技術面では最先端でしょう。これは見ごたえあり!『メタルマクベス』も凄かったけど、それを上回るサービスな気がします。
⇒CoRich舞台芸術!『the WHO's TOMMY』
≪作品紹介≫ ぴあより部分を引用。
「マイ・ジェネレーション」などで知られるイギリス屈指のライブバンド、ザ・フー。彼らが‘69年に発表したアルバム「TOMMY」は、幼少期のトラウマで“見えない、聞こえない、話せない”という三重苦に陥った少年トミーを描く、ストーリー仕立てのロック・オペラだ。この傑作アルバムをもとに‘75年に映画化、そしてザ・フーのピーター・タウンゼントが自ら演出に加わり、‘92年にはブロードウェイでミュージカル化もされた。2006年2月にブロードウェイ版も来日し、好評を博したこの作品が、演出・いのうえひでのり、主演・中川晃教の強力タッグによる日本版として、2007年3月に日生劇場、4月に梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにお目見えする。(中略)
ドラッグ、自閉症、宗教問題など、現代にも通じる物語性を持つこの作品。ヘビーな内容を扱いながらも、奇跡を信じ、自由を掴み取るために懸命に生きる主人公トミーの姿は、観る者の目にすがすがしく映る。透明感ある歌声で、観客へストレートにメッセージを届けてくれる中川晃教ならば、ブロードウェイ版に負けない素晴らしいトミーを体現してくれることだろう。
≪ここまで≫
照明と動画のコンビネーションが、これでもか!というほどの効果を上げていました。装置、衣裳を目まぐるしく変容させながら、無言劇のように淡々と進むプロローグには興奮したな~。歌詞は感情を伝える言葉で出来ており、「○○が××しました」等と出来事を説明することがなかったのも素晴らしいですね。
前半最後の「ピンボールの魔術師」が、私にとっては盛り上がりの最高潮!ROLLYがちょーかっこいーっ!!!
Acid Queenのシーンのソムン・タクさん、山崎ちかさんが大迫力。挑発的な娼婦ソングも、あそこまで大胆にやってくれるとシビれます。たぶんラストの曲で思いっきりシャウトしているのは山崎さんですよね。ソウルフルな肉体も歌声もかっちょいー!
ここからネタバレします。
中川さんといのうえさんのコンビだし、主人公が教祖のようになっていくストーリーだったため、『SHIROH』と重ねざるを得ませんでした。悪い印象は全くないのですが(『SHIROH』は大好きだったし)、物足りなさはありました。もっとエキサイトしたいし、もっと意外にも思いたかったな~。あと、コメディタッチにされていているとはいえ、性的虐待などが描かれると個人的にどうしても胸が痛くなってしまうのは避けられず・・・これは仕方がないことなんですけどね。
出演:中川晃教/高岡早紀/パク・トンハ/村木よし子(劇団☆新感線)/斉藤レイ/ソムン・タク/青山航士/石橋裕輔/蝦名孝一/奥山寛/佐々木誠/千葉恵佑/HISATO/森内遼/安田栄徳/飯野めぐみ/一実/高塚恵理子/仲里安也美/中村紗耶/樋ノ内乙澄/望月秀美/山崎ちか/若山佐登子/塩野魁土/宮治舞/ROLLY
作:ビート・タウンゼント/デス・マカナフ 音楽:The Who 演出:いのうえひでのり(劇団☆新感線) 訳詞:湯川れい子 訳詞・出演:右近健一(劇団☆新感線) 翻訳:薛珠麗 振付:川崎悦子 大阪公演主催:読売テレビ/梅田芸術劇場/キョードー東京
※未就学児童入場不可 S席12000円 A席9000円
公式ブログ=http://blog.eplus.co.jp/tommy/
ぴあ=http://info.pia.co.jp/et/promo/play/tommy_jp.jsp
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2007年03月12日
メガトン・ロマンチッカー『廃校/366.0【前日譚】』03/09-14千種文化小劇場
「CoRich舞台芸術まつり!2007春」審査対象のNEVER LOSE『廃校/366.0【後日譚】』観劇にあわせて、その前に上演されたメガトン・ロマンチッカーの【前日譚】も拝見いたしました。上演時間は約1時間20分。
⇒CoRich舞台芸術!『廃校/366.0【前日譚】』
千種文化小劇場の外観
それにしても・・・なんてきれいな劇場!ロビーは広いしイスは豪華だし、至れり尽くせりです。その広くて清潔なロビーで充実の物販があり、劇中歌の視聴ができるCDプレイヤーが3台も置かれており、観客のアンケートが貼り出されていて・・・客席に座る前に大きな満足感がありました。制作・運営の方々のきめ細やかなもてなしに、とにかく感動!
名古屋には各地域にこんな劇場が1箇所ずつあるそうです・・・なんて恵まれた環境なんだ!(あくまでも観客視点ですが)東京の小劇場公演もこんなのだったら、気軽にお友達や家族を呼べるのに!うらやましくなりました。
≪あらすじ≫
桜が咲く3月の終業式の日。中学2年生全員が登校拒否をした。正しく言うと14人全員が行方不明なのだ。マスコミに知れたり警察沙汰になることを避けたいがため、教師や保護者らは極秘に子供達の捜索をしている。
2年生の教室には保護者や先生、卒業生などが集まる。と、そこに記憶喪失だと思われる少女も現れた。
≪ここまで≫
枯れ枝で組まれた大きな木の枝が、舞台右奥天井からステージ中央へと伸びるように吊られています。シンプルながら見どころのある美術でした。白いカーテンに当たる風や14個のイスそれぞれに落ちる照明など、背の高い空間を生かした演出が美しかったです。
花も葉も全くついていない、禿げた枯れ木が満開の桜に見えた瞬間がありました。まさに演劇が生むことのできる劇場の奇跡だったと思います。素晴らしかったです。
広くて清潔なロビー
あぁなんて素敵な劇場なんだろう・・・ホラ、こうやって劇場自体を味わう感想になってしまう・・・。それほど感動しました。
ストーリー(というか構成)や役者さんの演技には不満でした。一度しか拝見していませんのでメガトン・ロマンチッカーの作風がいつもはどんななのかはわかりませんが、この作品を観た限りでは、演出の個性よりも基本的な技術の未熟さの方が印象に強く残ってしまいました。
ただ、日本の現代社会についてのある具体的な視点が伝わってきたことは、私にとっては嬉しいコミュニケーションになりました。
前編・後編とセットになっているものは、やっぱり両方観たくなっちゃいますよね。なのに完全に別のお話で、つながりはありませんでした。ちょっとガッカリ。一人ぐらい登場人物が被ったりして欲しかったな~。東京と名古屋という距離(366.0km)がある合同公演ですので、難しい注文なのかもしれませんが。
ここからネタバレします。
全体的には、廃校になる母校に思い入れのある人々がパラパラと訪れて、それぞれの気持ちを語るという構成でした。13年前の事件と今まさに起きている中学生の失踪を重ねていき、事件の真相に迫るかと思いきや、色々ほのめかしただけで解決なしに終わってしまったのは残念。「卒業生による殺人」という具体的テーマが与えられた状態で、この終わり方なのは不完全燃焼でした。
記憶喪失の少女「さくら」を、同じ衣裳を着た5人の役者さんの群読で表現するのは面白いアイデアだと思いました。ただ、その「さくら」が物語の中でも漠然とした夢のような存在になってしまったのは物足りなかったです。もうちょっと具体的に何かと関わって欲しかったですね。
客席が3方向から舞台を囲む劇場です
一つだけすごく私の胸にひびいたことがありました。「中学生と浮浪者の間で何か問題が起きていた」という事実が終盤で明らかになってきます。浮浪者についてはある人物が「あいつらなんてただの迷惑だ。やつらがいなくなってせいせいする」と言ったりします。行方不明になっている桃香の妹(登場しない中学生)も、もしかしたら「私は望まれていないのに生まれてきてしまった」と思っていたかもしれません(桃香が中学生の時に身ごもった子供で、妹として育ててきたから)。
また、「13年前の中学生失踪事件の首謀者のカザマが帰ってきた」という噂も出てきます。カザマは町から追い出された人間でした。過疎で廃校が決まった中学校校舎も「必要ない」から取り壊される存在です。
人間が「いらない」「邪魔だ」と思った瞬間に、もの・こと・ひとが自動的に排除されていくのが、今の日本の現代社会です。登場人物の個人的な悲しみや不安を描くことで、それらが柔らかく表現されていたように感じました。作・演出の刈馬カオスさんが今、感じていることを受け取れたように思いました。
≪名古屋、東京≫
出演=浦麗 大久保明恵 岸良端女 スズキナコ(avecビーズ) 斉藤やよい(劇団B級遊撃隊) 瀬口かしす(煉獄猿) 高野亮(フリー) 山添賀容子(劇団新生) 伊倉雄(劇団バッカスの水族館/西田シャトナー演劇研究所) 一丸博昭(劇団楽猿計画) 平山陽子(劇団バッカスの水族館) 磯谷祐介(フリー) ※来々舞子は降板。
作・演出=刈馬カオス 舞台監督:松下清永+鴉屋 舞台監督助手:柴田頼克/佐藤恵 舞台美術:杉山至+鴉屋 舞台美術助手:濱崎賢二 照明(前日譚):村瀬満佐夫(劇団翔航群) 照明(後日譚):池田圭子 音響:飯塚ひとみ 衣裳(前日譚):河村梓 衣装協力(後日譚):梅谷摩耶/JAM HOME MADE & ready made/MAMORU SHIMIZU anglasad/EMMETT BROWN 楽曲提供(後日譚):POUND ROCK/GOOFY`S HOLIDAY/PATHFINDER 宣伝美術:ル・ゴウ総合美術 WEBデザイン:櫻井晋 舞台映像撮影:A-sec 演出助手(前日譚):境一志(メガトン・ロマンチッカー) 制作:梅村卓哉(メガトン・ロマンチッカー)/松丸琴子(NEVER LOSE)/山本純子(東海シアタープロジェクト) プロデューサー:大橋敦史(東海シアタープロジェクト) [運営協力]岡本理沙/山本理恵/具嶋清美/清水梓 [主催]メガトン・ロマンチッカー NEVER LOSE 東海シアタープロジェクト (財)名古屋市文化振興事業団
日時指定、全自由席、前売・当日券同一料金 一般2500円・学生1500円 セット券(一般3000円・学生2000円) 小学生以下のお子様はご入場いただけません
公式=http://www.haikou.jp/index.php
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NEVER LOSE『廃校/366.0【後日譚】』03/09-14千種文化小劇場
「CoRich舞台芸術まつり!2007春」審査員として名古屋まで観に行きました。千種文化小劇場とそこにいらした劇団員さんや制作さんが暖かく迎えてくださり、楽しい名古屋マチソワの旅になりました♪
NEVER LOSE×メガトン・ロマンチッカ『廃校/366.0』は、東京の劇団NEVER LOSEと名古屋の劇団メガトン・ロマンチッカーの合同公演です。作品概要は超充実の公式サイトでどうぞ。これからご覧になる方は、設定やあらすじなどをよく読んでから行かれる方が楽しめると思います。上演時間は約1時間40分。
CoRich舞台芸術!⇒「廃校/366.0【後日譚 : NEVER LOSE】」
CoRichちらしコーナー
≪あらすじ≫
行方不明になっていたケンジ(谷本進)が突然町に帰ってきた。廃校になった母校に呼び出されたケンジの仲間(長谷川弘樹/山本祥子/舘智子/好宮温太郎/西山竜一)は、ケンジに「いったい何処に行ってたのか」「なぜココに呼び出したのか」と聞くが、ケンジは「わからない」の一点張り。
実は1年と1日前、この学校で殺人事件があったのだ。殺されたのは男子生徒1名(松本信一)、女子生徒1名(フタヲカルリ)、そして女教師1名(川渕優子)。その女教師はケンジの妹だった。夜中の学校で、空白だった1年を埋める対話が始まる。
≪ここまで≫
CoRichちらしと10団体に選抜された告知
まとまったレビューはCoRich舞台芸術!に書いています。
NEVER LOSEの作品は初見でした。2劇団の合同公演で創作前から共通の設定(という制限)があったり、遠征先(いわばアウェイ)だったり、NEVER LOSEにとっては万全の体制でなかったことがよくわかりました。また彼らの得意とする音楽・音響面の効果についても、さまざまな理由で本調子が出せなかったようです。なので、当然のことながらこの作品だけでNEVER LOSEという団体のことがわかるとは言えないでしょう。
レビューには、私が観客として味わった『廃校/366.0【後日譚】』についての感想をそのままに書いています。
劇場が素晴らしかった・・・!
フロアと同じ高さで丸く広がるステージを、客席が三方向から囲みます。私は舞台に向かって右側(上手)ブロックの席に座ったのですが、観づらく感じることが一度もありませんでした。※観劇後に聞いたのですが、下手側の観客には、背を向けている役者さんの声が聴こえなかったそうです。
劇中曲が視聴できました!
「無言の時間が長いなー、“静かな演劇”の影響かなー」と感じたのですが、作・演出の片山雄一さんは元・青年団の役者さんで、主宰で役者さんの谷本進さんは青年団に出演歴がありました。
「音がドカンと鳴って突然シーンとするのって、ペテカンみたい」と思っていたら、片山さんも谷本さんも舞台芸術学院のご出身でした。経験してきたことはそのまま作品に表れるんですね。面白いです。
≪名古屋、東京≫
出演=谷本進/長谷川弘樹/山本祥子/戸枝政志/林ゆう/舘智子(タテヨコ企画)/好宮温太郎(タテヨコ企画)/川渕優子(shelf)/代田正彦(北区つかこうへい劇団)/西山竜一(無機王)
名古屋からの出演者=フタヲカルリ/松本信一/澤井ナラ/石原愛子(劇団[C/E])/山田マキオ(劇団NANジャガー)/砂原かづき/松本梓
作・構成・演出=片山雄一 舞台監督:松下清永+鴉屋 舞台監督助手:柴田頼克/佐藤恵 舞台美術:杉山至+鴉屋 舞台美術助手:濱崎賢二 照明(前日譚):村瀬満佐夫(劇団翔航群) 照明(後日譚):池田圭子 音響:飯塚ひとみ 衣裳(前日譚):河村梓 衣装協力(後日譚):梅谷摩耶/JAM HOME MADE & ready made/MAMORU SHIMIZU anglasad/EMMETT BROWN 楽曲提供(後日譚):POUND ROCK/GOOFY`S HOLIDAY/PATHFINDER 宣伝美術:ル・ゴウ総合美術 WEBデザイン:櫻井晋 舞台映像撮影:A-sec 演出助手(前日譚):境一志(メガトン・ロマンチッカー) 制作:梅村卓哉(メガトン・ロマンチッカー)/松丸琴子(NEVER LOSE)/山本純子(東海シアタープロジェクト) プロデューサー:大橋敦史(東海シアタープロジェクト) [運営協力]岡本理沙/山本理恵/具嶋清美/清水梓 [主催]メガトン・ロマンチッカー NEVER LOSE 東海シアタープロジェクト (財)名古屋市文化振興事業団
日時指定、全自由席、前売・当日券同一料金 一般2500円・学生1500円 セット券(一般3000円・学生2000円) 小学生以下のお子様はご入場いただけません
公式=http://www.haikou.jp/index.php
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2007年03月08日
Bunkamura『橋を渡ったら泣け』03/05-29シアターコクーン
MONOの土田英生さんの戯曲を生瀬勝久さんが演出されます。生瀬さんが演出をされるのは6年ぶりだそうです。⇒MONO公演のレビュー
豪華キャストになって登場人物も増えて、脚本には変更が加えられていました。
⇒CoRich舞台芸術!『橋を渡ったら泣け』
≪あらすじ≫ チラシより。(役者名)を追加。
明日かもしれない近い未来、日本は未曾有の大災害に襲われた。生き残った数少ない人間は、何の情報も救助もないまま、瓦礫の中、自分達の力で生きていくことを迫られた---。
1ヶ月以上が過ぎ、ここ、信州・乗鞍岳では、7人がコミュニティをつくり共同生活を送っている。人々は、つきとめられない原因を考えるより、現状を受け入れ、とにかく生きていくために冷静になることを選んだ。4人の男と3人の女は、未来への緩やかな絶望を身につけながらも、意外とのんびり暮らしている。
そこに、ひとりの男がやってくる。パンダの観光船で流れ着いたというその男(大倉孝二)は、閉塞し始めていた集団に、自分達以外にも生きている人間がいたという希望と新しい風をもたらす。コミュニティは心機一転するかに見えたのだが---。
≪ここまで≫
舞台中央にあるのは白い砂が敷かれた丸いステージ。その真ん中に朽ちかけた階段(橋の一部だった?)がそびえています。舞台奥の壁はステージを丸く囲むようにぐるりと弧を描いており、空と雲の絵が描かれています。壁の手前(壁とステージの間)には崩れたコンクリート片などが転がり、廃墟であることがわかります。
平地が水没して山の部分だけ残ったという設定ですが、演技スペースは白い砂だし周囲が空と雲に囲まれているので、廃墟でありつつも、ちょっとした素敵な砂浜にも見えます。
シアターコクーンで1ヶ月近く上演する公演ですから、色んな角度からその規模や意図に沿うように脚本を変更し、演出もそれらしいものになるのは当然だと思います。そういう意味でこの公演は観客思いだし、さすがはプロだなと素直に思えます。特に脚本は、出演者の個性にしっかりフィットさせたんだな~と思いました。
でも、MONOの作品と比べると・・・かなり物足りなかったですね。シアターコクーンの公演にしては全体的に地味だったとも思います。
ここからネタバレします。
最初は皆いたわりあって平等に仲良くしているのですが、どうしてもコミュニティの中にはヒエラルキー構造が生まれてしまいます。そして頂点に立つ(立とうとする)者のお約束は選民思想。「俺は選ばれた人間だ」とか言い出すんですよね。
土田さんの脚本は素敵だなって思います。例えば→どん底にいてもどん底を強調しない。悪い人間を一方的に悪者にしない。ダメな人間をダメに描くけれど、いとおしいと思わせてくれる。ラストに未来への希望を残してくれる。
あと、アホなギャグで笑わせてくれる。ギャグではないと思いますが、「目が7つある動物がぴょんぴょん飛び跳ねる」のにはお腹から笑わせていただきました。幸せでした。
何か事件があるごとに盛り上がりやすい音楽が流れるのは、まあ仕方ないかなと思いますが、私は好きになれないですね。役者さんの演技はなんだかステレオタイプな感じがして物足りなかったです。大倉孝二さんは素敵だなと思いました。
奥菜恵さんに「私、可愛いでしょ、クラスでもダントツだった。」・・・てなこと言わせるのは、映画「おいしい殺し方」(←超面白いですよ!)の影響かしら(笑)?実際、はじけてて可愛らしかったです。
出演=大倉孝二/奥菜恵/八嶋智人/小松和重/鈴木浩介/岩佐真悠子/六角精児/戸田恵子
作:土田英生 演出:生瀬勝久 美術=島次郎 照明=小川幾雄 音楽=佐野史朗 音響=藤田赤目 衣裳=堀口健一 演出助手=山田美紀 舞台監督=青木義博 宣伝写真=永石勝 宣伝美術=トリプル・オー
一般発売 2007/1/13(土) S¥8,500 A¥7,000 コクーンシート¥4,000
公式=http://www.bunkamura.co.jp/
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2007年03月07日
【セッション】トヨタ・アートマネジメントフォーラム2007「リージョナルシアターが地域を超える日」03/03トヨタ東京本社
トヨタ・アートマネジメントフォーラム2007の分科会Eを拝聴してきました(⇒関連エントリー)。ものすごく充実していて楽しい1時間30分でした。
フォーラムの当日の様子を短くまとめた動画がアップされています。
【セッションE】「リージョナルシアターが地域を超える日-演劇が身近な存在になれば、アートも近くに見えてくる-」
by NPO法人福岡パフォーミングアーツプロジェクト(FPAP)
・パネリスト:斎藤ちず/谷瀬未紀/井神拓也/詩森ろば
・ケーススタディ報告:森忠治
・司会:荻野達也
巡演(多地域をまわる公演)についての具体的な実績や体験例、それが及ぼす社会への影響、効果などをお話してくださいました。下記、メモったことの羅列です。お名前は敬称略。
斎藤「(他の地域からの公演の受け入れは)お金のためにやることじゃない。町にとっての刺激になる。・・・」
詩森「(色んな地域で公演をして)町に落としていったものがつながっていく。小さな人間関係の可能性がある。もっと小さいつながりの可能性が、アートの中にある。」「孤独にあえいでいる時代に、そのつながりは有効だと思う。」
谷瀬「ライブ表現には、人と人とがそこに居なければいけない。個人と個人から始まるコミュニケーション。」
(不明)「一対一から、ミニマムな単位から始められる。効率とかマスとかじゃなくて、ごく身近なところから始まるもの。」
谷瀬「誰か一人が“これ、面白いよ!”と発言することからつながっていく。」
荻野「巡演がもたらす社会への影響は?」
谷瀬「現地との人のつながりを生むこと。」
斎藤「地域を知ること。違う土地と出会うこと。」
井神「創作している側にとっては、表現が固まらない(のが良い)。色んな地域の人に観てもらうことで、公平な評価が得られる。表現が強くなる。」
谷瀬「そもそも演劇は、創作段階から全く未知の人を知っていく作業。それは深いコミュニケーション。」「ライブであるからゆえ、人がそこに居なければいけない。人でなければいけない。一緒にしゃべって知っていくしかない。それがアートの力。」
詩森「コミュニケーションの方法自体を極めていく作業。」「今、失われつつある濃厚なコミュニケーションを、与え合うことができる。」
まとめの総合セッションでは、おえらい現代美術関係の先生方の、歯に衣着せぬおおらかな(笑)トークを堪能しました。いっぱい笑ったな~。
アサヒビールの方のお話も素晴らしかったです。「アートはもともと社会の中にあるものなのだから、“アートが社会につながる”などという言い方がそもそもおかしい」「何かの役に立たなくてもいいじゃないか。」「窮地に陥った時に人ははじめて気づくのですが、アートは必要です。人はアートがなければ生きていけない。」「“~~のための~~”なんていらない。」「アーティストという無謀なやからを支援していくことも重要です。」
最後の交流会ではいろんな方とご挨拶して、ざっくばらんにセッションの感想などもお話できました。まさに「アートの力、ここにあり」ということだと思います。
【セッションE】NPO法人福岡パフォーミングアーツプロジェクト(FPAP) パネリスト:斎藤ちず(NPO法人コンカリーニョ 理事長)/谷瀬未紀(ピカラック)/井神拓也(ヨーロッパ企画制作)/詩森ろば(風琴工房主宰/TOKYOSCAPEフェスティバル ディレクター) ケーススタディ報告:森忠治(tripod) 司会:荻野達也(fringeプロデューサー) PC操作:高崎大志(FPAP)
主催: トヨタ自動車株式会社 協力: 社団法人企業メセナ協議会、SETENV 運営: トヨタ・アートマネジメントフォーラム2007実行委員会、ネットTAM運営事務局
NET TAM:http://www.nettam.jp/forum07/
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ポツドール『激情』03/04-11本多劇場
三浦大輔さんが脚本・演出を手がけるポツドール(過去レビュー⇒1、2、3)。初の本多劇場公演です。
『激情』は2004年初演で私は初見。フジテレビ「劇団演技者。」でドラマにもなりました。上演時間は約2時間15分。・・・疲れました。R指定がありませんが、私だったらR-25ですね。
⇒CoRich舞台芸術!『激情』
≪あらすじ・作品紹介≫ 「劇団演技者。」より。(役者名)を追加。
“裏切り”をテーマに「田舎ならではのやるせなさ、どーしょうもなさ、虚しさ」という【愛憎】を“リアル”に“真摯”に人間関係を追って描いた嘘のない物語
閉ざされた田舎町。
農地拡大に失敗した両親が自殺し、多額の借金を背負うことになった菅原(米村亮太朗)は、気力がうせ、何もかもバカバカしくなり、仕事を辞めてしまう。その上、両親の通夜で知り合った人妻・岩田(安藤玉恵)と関係を持ち、益々“なるようになれ”的なズルズルした毎日を過ごし出す。そんな堕落しきった様子を見兼ねた幼なじみの遠藤(脇坂圭一郎)と先輩・久保(小林康浩)が借金を毎月少しずつ返済してくれているにも関わらず、尚もダラダラと過ごす菅原。そんな菅原の前に久保と遠藤はかつての嫌われ者・杉山(古澤裕介)を連れて来た。事業に成功した杉山が借金の半分を肩代わりしてくれるという――。
≪ここまで≫
リアルに作られた田舎の日本家屋。すごく自然な日常会話を覗き見するような体験です。ポツドールらしく、登場人物は生々しくののしりあいますし、男女は大胆に絡み合います。お好きになれない方もいらっしゃると思います。私は決して好きではありませんが、派手な濡れ場を売りにしているわけではないので、引いたりせずにきちんと観られます。ポツドールの公演に出演される役者さんは相変わらず凄いなと思います。あんなに生々しく、あれだけのことをするんですから。相当腹が据わってないとできないでしょう。
お互いを好意的に意識しはじめた男女は、見つめ合って、静かに近づいて、おそるおそる触れ合って、キスをして、そして抱き合ってセックスに至ります。この作品では、小さなキスがセックスに変化する瞬間、まるで空から地面に急降下するように感じるんです。胸にグサっと来て、背中にゾクっときて、サっと冷静にならざるを得ません。いったいどこまでが恋愛で、どこからが生殖行為なのか。このキワが描かれているような気がしました。
ただ、ストーリーや作品全体の演出については、あまり面白いとは思えませんでした。例えば映像と音楽、音声の使われ方がうまくいっているようには思えず、気が散りました。
ここからネタバレします。
題材は浮気、借金、売春、ヤクザ、差別など、かなりハードです。確かに誰の人生も一寸先は闇だし、死とすぐ隣り合わせです。無自覚にだらだらと呆けて、放置していると、人間はものすごいスピードで簡単に堕ちていけます。その境界線が描かれていたんじゃないかなと思います。そういえばチラシに書かれてますね↓
閉ざされた田舎町の一軒家。そこで人間の醜さが露呈されていく…。いくら信頼関係を築こうとも、人は絶対裏切る。「ま、いっか」という感じで。なし崩し的に。ずるずると…。その「ま、いっか」の中に人間の本質が隠されている。
初演を観た人に聞いたところ、初演との大きな違いはラストシーンだったようです。「○○○セックス」関連のセリフはあのためだったんだなと思うと少々興ざめ。もっと当然のようにやってくれたら、ただの事象としてサラリと受け入れられたと思うのですが、大げさに感じてしまいました。「あそこまでひどい状態を描いて、いったい何を伝えたいのかな」とか考えちゃったんですよね、残念。
出演=米村亮太朗 脇坂圭一郎 小林康浩 古澤裕介 安藤玉恵 町田マリー(毛皮族) 玄覺悠子 井上幸太郎 仗桐安(RONNIEROCKET) 鷲尾英彰 美館智範 河西裕介
脚本・演出=三浦大輔 照明=伊藤孝(ART CORE design) 音響=中村嘉宏(atSound) 舞台監督=清沢伸也 舞台美術=田中敏恵 大道具製=夢工房 映像・宣伝美術=冨田中理(selfimage produkts) 小道具=大橋路代(パワープラトン) 衣装=金子千尋 舞台監督助手=松浦孝行 演出助手=富田恭史(jorro) 写真撮影=曳野若菜 制作=木下京子 広報=石井裕太 当日運営=山田恵理子(Y.e.P) 企画・製作=ポツドール
前売3,900円 当日4,400円
公式=http://www.potudo-ru.com/
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2007年03月06日
文学座『初雷(はつらい)』02/23-03/05紀伊國屋ホール
「すごいよ!」という複数の演劇ファンのクチコミをゲットして、千秋楽にすべりこみました。最近こういうのばっか・・・(笑)。
噂にたがわぬ、素晴らしい脚本でした。主演の倉野章子さんも、見ているだけでその柔らかさ、優しさに涙が出そうになりました。言うまでもありませんが、文学座という老舗劇団だからこそ実現した公演ですね。再演を心待ちにしています。
CoRich舞台芸術!⇒『初雷』
レビューアップは未定。
≪あらすじ・ネタバレ含む≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。改行を一箇所変更。
現代、早春、私鉄沿線のとある町。
仕事第一で日々を過ごしてきた理子(倉野章子)。35歳の時に直面した兄嫁の突然の死で人生は一変。仕事を辞め、残された二人の子供たち(上田桃子・桑原良太)を育てるため兄(清水明彦)と同居する道を選んだ。それから15年、ひたすら家事と子育てに専念してきたが、二人の成人を切欠にふと己を振り返れば、この先の進むべき道が全く見えない。仕事に燃えていたかつての自分を取り戻したいと思うが既に50歳だ。元の職場に戻れるはずもなく、これといった資格も技能もない。思い立って同期の友人(つかもと景子)に相談するが反応は冷ややかだ。その上、理子の存在が兄の再婚の道を閉ざしていると言われて愕然とする。自分の選択が本来あるべき家族の姿を変質させた・・・?自分の選択に自信を持っていたが、改めてこの家は自分のよって立つべき場ではないと思い知らされる。
そして15年ぶりに兄の同級生である山岡(早坂直家)と再会し、彼が取り組む事業への誘いを受けることで理子の心は大きく揺れ動く。忘れかけていた仕事への情熱を取り戻すと共に、理子は自立の道を選び、兄の家を出る決心をする。
≪ここまで≫
出演:八木昌子 倉野章子 つかもと景子 上田桃子 早坂直家 清水明彦 桑原良太
作:川﨑照代 演出:藤原新平 装置:石井強司 照明:古川幸夫 音響効果:斉藤美佐男 衣裳:伊藤早苗 舞台監督:加瀬幸恵 演出補:今村由香 制作:白田聡 票券:最首志麻子
前売・予約開始:2007年1月20日(土) 一般5,500円 ユースチケット(25歳以下)3,800円(取扱い文学座のみ) 中・高校生2,500円(取扱い文学座のみ)
公式=http://www.bungakuza.com/hatsurai07/index.html
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2007年03月05日
青年団リンク・東京デスロック『東京デスロックのアトリエ公演 unlock#1』03/02-11アトリエ春風舎
多田淳之介さんが作・演出される東京デスロックの新作(過去レビュー⇒1、2)。今回から青年団リンクの一員となられました。多田さんの快進撃はすごいです。
“「人生にも演劇にも鍵なんてかかっていない」という劇団名をも揺るがす壮大なプロジェクト”ということで、例えばお稽古を全日公開されていました。残念ながら伺えず…こういう機会逃したくなかったんですけどねぇ(涙)。
劇場に入るなり、役者さんに「いらっしゃいませ~♪」と迎えられてびっくり。なるほど確かに“開錠”されてる感じ。海外のパフォーマンスみたいな雰囲気でした。いっぱい笑いましたね~、東京デスロックの公演とは思えないほど。
⇒CoRich舞台芸術!『unlock#1』
※この公演のチケット代金は、予約すれば2,000円です。昨日観たパラドックス定数『プライベート・ジョークス』が前売り3,000円ですから、激安だと思います。やっぱり凄い、青年団。
長方形のアトリエ春風舎のスペースを横に長く使います。客席は真ん中の広い演技スペースをぐるりと三方から丸く囲む形。私は舞台を正面に見て下手(左)側に座りましたが、正面の席がいいんじゃないかな~。1列しかないし、かなり目立つけど(笑)。
断片がゆるやかにつながっていく構成で、特にルールはなさそうでした。“inspired by 『アルジャーノンに花束を』”ということで、人間の「知」をモチーフにした短編群だったようです。私は『アルジャーノン・・・』は劇団昴のお芝居で観ただけで原作を読んでませんが、問題ありませんでした。
知識量の差、外国語の壁、同音異義語(ISP)の妙、インターネット、テレビゲームなど、私たちが日常から直面している(慣れ親しんでいる)「知」のさまざま形態を、外側から眺めさせてくれます。
次々に起こることがみんな予想外の順番でしたね。「なぜ今それが始まるの!?」ってびっくりすることしきり。途中でもう順番を追うのはやめようって思ったら楽になりました。
一緒にご覧になっていた方が「ルネ・ポレシュに似てる」とおっしゃっていて、私も共感しました(ルネ・ポレシュの演出作品⇒『皆に伝えよ!ソイレント・グリーンは人肉だと』)。なるほど、だから海外みたいだなって思ったのかも。
多田さんのブログによると、多田さんの立ち居地(?)は初日とは変わったようですね。千秋楽まで柔軟に変化していく作品だと思います。
≪ここからネタバレします≫
キャッチボール(知識の差)、パソコンショップ(日本語と英語)、ISP(Internet Service Provider、池袋ショッピングパーク、池袋サファリパーク、いしかわサイエンスパークなど)、池袋周辺の撮影映像&好戦的な(笑)字幕、Wii・・・。
初日は英語のわかる外国人のお客様が数人いらしていて、パソコンショップのコント(って言ってもいいのかな)では爆笑が起こっていました。アレは可笑しい。英語翻訳は出演者の松田弘子さんです。
突然、舞台上で電動のインパクトドライバーなどを使ってベニヤ3枚大のパネルを建てました。これにはビックリ。殺されるかと思った(嘘)。ちょっと唐組みたい!って思った(本当)。そこに映像を映し出したんですが、またその映像がかなり大胆なものでした。今まで上演したものの種明かしだったんですよね(ISPをWikipediaで調べた結果を映したり)。
「いしかわサイエンスパーク」シーンで、「人間はどんどん知識をコンピュータに入れていっている。いずれコンピュータが人間に取って代わることになる云々」としゃべっていました(たどたどしいエセ方言で)。でも映像では、アトリエ春風舎をバックに「ここで創造してるゼ!」という意味の字幕がついていたりしたんです。かっちょえーなーって思いました。意図は全く違うかもしれませんけどね。
Wiiで遊ぶ人って初めて見たんですが、見ててかなり笑えますね。動きも不自然だし(ボクシング・ゲームなのに、ボクシングには似ても似つかない動きをするから)、一生懸命になってるのも可笑しい。それが最後のダンスやシャドウ・ボクシングの動きと混ざっていくのが面白いです。人間ってアホだなー可愛いなーとしみじみしながら、汗だくになってフラフラになっていく役者さんを眺めました。
終演後に関係者からお話を聞いたり、アフタートークに行かれたお客様からの情報を得たりしてわかったことですが、東京デスロックのお芝居の創作過程をそのまま舞台に乗せたらしいです。だから、ほとんど終盤に「WELCOME!」なんていう映像が流れたんですね。それぞれの短編の意味がとてもわかりやすかったのは、今までの東京デスロックだったら舞台に乗せないところが乗ってたからなのでしょう。
inspired by 『アルジャーノンに花束を』 ダニエル・キイス
★初日観劇予定
出演=松田弘子 熊谷祐子 村井まどか 佐藤誠 佐山和泉
作・演出=多田淳之介 舞台美術=鈴木健介 宣伝美術=多田淳之介 翻訳=松田弘子 総合プロデューサー=平田オリザ
3/3土 19:00の回 ゲスト:青年団演出部より〔田野邦彦(RoMT) 工藤千夏(うさぎ庵) 吉田小夏(青☆組) 西村和宏 武藤真弓]
3/7水 19:30の回 ゲスト:関美能留(三条会)
一般予約開始 2007年2月1日 日時指定・整理番号付自由席 予約 2,000円/当日 2,500円
公式=http://specters.net/deathlock/
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パラドックス定数『プライベート・ジョーク』03/01-04サンモールスタジオ
緻密で骨太な脚本とストイックな演出の男芝居で、人気も知名度も上昇中のパラドックス定数の新作(過去レビュー⇒1、2、3、4、5)。千秋楽にやっと伺えました。作・演出は野木萌葱さん。今回は意外に青春群像劇!?でした。
昨年末に上演されたばかりの『Nf3 Nf6』(ナイト・エフ・スリー・ナイト・エフ・シックス)が、サンモールスタジオのプロデュース公演として6月に再演されます。それもダブルキャストで。これは楽しみですね。
CoRich舞台芸術!⇒『プライベート・ジョーク』
≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。改行を変更。
二十世紀初頭の古き佳き時代。自由主義教育を掲げる学生寮で未来の芸術家たちが暮らしていた。ルイス・ブニュエル、映画作家(井内勇希)。ガルシア・ロルカ、詩人(植村宏司)。サルバドール・ダリ、画家(十枝大介)。
湯水の様に消費される食事と時間と芸術論。若さ故に才能を持て余しながらも破天荒な共同生活は続いてゆく。
ある日、学生寮主催の講演会が開かれる。彼等の前に二人の男が現れた。アルバート・アインシュタイン、物理学者(澤村一博)。パブロ・ピカソ、画家(野口雄介)。
五人の男が一堂に介した奇跡の様な瞬間に悪夢の様な物語が幕を開ける。創造は暗黒の地獄。世界は残酷な秩序。芸術と学問に正面から闘いを挑んだ男たちが織りなす見るもおぞましい魂の競餐。
プライベート・ジョーク。身内の戯れ。
≪ここまで≫
美術はきわめてシンプル。フルーツやドリンクが並ぶ木のテーブルと対になったイス、そしてソファが並べてあるだけです。サンモールスタジオってこんな空間だったのか~と改めてじっくり見られました。いい空間ですね。
ブニュエルとロルカとダリが暮らすスペインの男子学生寮に、ピカソとアインシュタインがやってくるという、なんとも豪華な(笑)お話です。もちろん「どう考えてもそれは無理があるゾッ!」と突っ込みだしたらきりがないでしょう。でも、こういう自由奔放なアイデアは面白いですし、何より勇気があると思います。
歴史上の人物であることを忘れ、目の前にいる希望に溢れた若い男の子たち一人一人のキャラクターの愛らしさに目を開いてみれば、強がりながらも必死で愛を求めてあがく彼らを、いとおしむ目で眺めざるを得ないと思います。
ここからネタバレします。
アインシュタインが地球、月、太陽を例に光について説明すると、ダリは画家らしく、ブニュエルは映画監督らしく反応します。そんな対比が面白かったですね。丁々発止のやり取りにもわくわくしました。今回は軽快で笑えるところが多かったように思います。
15歳年上の人妻に惚れたと告白したダリ(十枝大介)の首を、ロルカ(植村宏司)がネクタイで静かに絞めながら詩を朗読するシーン・・・も~~ちょー興奮っ!!ヤバいっ!ここでエロいわ~とか思ってる私って完全に、今で言うところの腐女子!?(笑←自分で笑っておくしかない)
・・・すみません、取り乱しました。
「なぜ絵を描くんだろう?」「なぜ映画を撮るんだろう?」というような、創作自体への悩みってありますよね。そんな等身大で純粋な、真剣な葛藤にグっと感情移入しちゃいました。時が経つにつれて親友達とのつながりに変化が訪れ、歩む道のりも枝分かれしていきます。政治に関わっていくのかどうかの命がけの選択が、その後の人生の明暗を分けるんですね。ラストの「21世紀はどうだ?」とストレートに問いかけるスライド文字に、思わずニヤリとしてしまいました。⇒CoRich舞台芸術!にも書きました。
プロローグ、「1926年、皆既日食の夜」、「1931年、皆既月食の夜」、「1936年、内戦勃発の夜」という構成でしたが、スペインの内戦とドイツ軍の空爆から、アインシュタインの懇願、ピカソの「ゲルニカ」製作へとつながる展開にはさすがについて行けず。私自身がどうしてもうそ臭さから逃れられませんでした。そうなると演技も少し気になっちゃうんですよね。やはり若い方ばかりですから重厚さには欠けるので。
上手奥のドアの向こう側は、通常はそのまま建物の外側になるそうです。大きな声を出したりするので、ドアの外を囲んだ山小屋のような建て込みがあるとか。実は見えないところに装置が組まれていたんですね(笑)。
パラドックス定数第13項・サンモールスタジオ提携公演
出演=植村宏司(ロルカ) 井内勇希(ブニュエル) 澤村一博(アインシュタイン) 野口雄介(ピカソ) 十枝大介(ダリ)
作・演出=野木萌葱 照明=木藤歩 音響=井川佳代 小道具=栗山佳代子 舞台監督=渡辺陽一 写真=渡辺竜太 宣伝美術=山菜春菜 京 WEB製作=手塚俊輔 制作=泉屋晋平 協力=鈴木万裕子 松本寛子 副島千尋 葛西摩利 藤田晶久 企画製作=パラドックス定数研究所
前売3000円 当日3500円 ※日時指定・全席自由
公式=http://www.paradoxconstant.com/labo/
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2007年03月02日
タカハ劇団『モロトフカクテル』02/23-26早稲田大学学生会館B203
CoRich舞台芸術!に演劇フリークからの5つ星クチコミが揃ったので、急いで予定を変更して(笑)千秋楽に伺いました。こういう瞬間を待ってました!これこそクチコミの力!!
そして、とても面白かったんです。学生演劇があまり好きではない私ですが、早稲田大学まで行った甲斐がありました。むしろ大学内で観るからこそ意味のあるお芝居でした。
CoRich舞台芸術!『モロトフカクテル』
大学による部室取り上げに対して反対運動を起こそうとする現代の学生と、60年代の学生運動に実際に関わっていた男が、大学の弱小自治会の部室で出会います。
学生運動をしていた(目撃していた)人たちが、「俺らはこんなに熱かった。今の若者はどうだ?もっと声高に、熱くなれよ!」って言ってくるような、そんな励ましや自慢、お説教の混ざったようなお芝居が最近多くてですね、個人的に疑問がいっぱいだったんです。そんな時に、現役の大学生が大学の中の学生会館で、見事な回答を出してくれました。

立て看板
崇高な目的のために、愛する人のために自分の欲望を抑え、命を懸けて戦い、支え合う日々を送ってきた私たちの親の世代をまぶしく思うことはもちろんあります。でも、そんな華々しい学生運動の慣れの果ての山荘事件、ハイジャック事件を知っている私たちは、どうやったって真似する気にはなれません。
議論やルール、理想のために行動して着実に実績を上げながら、素直な感情に蓋をするようになった大人。ぬくぬくと大切に育てられて、自分の気持ちのままに自然に生きられるようになったけれど、目的達成のためにがつがつと努力・忍耐をしなくなった若者。この対比が見事でした。
役者さんの演技はいかにも学生らしいものでしたが、脚本、演出についてはとても面白いと思いました。新劇の劇団とかで再演してもらいたいぐらい(笑)。
私が学生劇団を特に観に行こうと思わないのは、自分がまさにそうだったからですが(苦笑)、学校という活動場所がめちゃくちゃ恵まれているからです(劇場、稽古場、作業場など)。個人的には早く学外に出て活躍してもらいたいと思います。
ここからネタバレします。
最終的に学生達は部室に篭城しますが、機動隊に囲まれて絶体絶命になります。そこで火炎瓶を持って飛び出したのは団塊の世代の男(モロトフカクテル)でした。若者たちは必死で彼を止めに行きます。大人は理想のために命を捨てられるけれど、今の若者はしないんですよね。どちらが正しいとか間違っているとかはないですが。
灰色だった部室の壁が後ろからの照明で赤く透けて、部屋を出て行ったモロトフカクテルと学生達が見えるようになります。もみあう彼らをバックに、部室に残っていた60年代のカップルが手を取り合って美しい詩を読み合う・・・素晴らしいエンディングでした。
出演=井手豊/浦井大輔(コマツ企画)/西尾友樹/中野嵩大/古木知彦/小崎宗冬/宮原かほる(劇団森)/今井理恵/垣内勇輝(北京蝶々)/斎藤加奈子/浅野真依/高羽彩
脚本・演出=高羽彩 演出助手=田中亮大 舞台監督=土居歩 舞台美術=満木夢奈 照明=吉村愛子(Fantasista?ish.) 音響=角張正雄(SoundCube) 小道具=田畑美穂 衣装=佐藤愛(自由創作師) フライヤーイラスト=手塚真梨子 フライヤー&WEBデザイン=小郷聡太(ジェントル&スイーツ兄弟) 宣伝協力=木下早紀 制作協力=小林由梨亜 吉永紘朗(アイサツ) 協力=棚瀬巧 オフィス☆怪人社 C.Kプロモーション 制作=安田裕美 製作=タカハ劇団
【発売日】2007/01/20 前売り1200円 当日1500円 ペア2000円
公式=http://takaha-gekidan.com/molotov/
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新国立劇場演劇『コペンハーゲン/COPENHAGEN』03/01-18新国立劇場 小劇場
2001年の初演で多数の賞を受賞した傑作3人芝居。劇作は英国人のマイケル・フレインさん(過去レビュー⇒1、2、3)。疲れてしまった初演のリベンジのために、はりきって初日に伺いました。
※初演のレビューに上演時間は「4時間」とか書いてますけど、明らかに勘違いですね。約3時間です。すみません。
やっぱり濃かった・・・。3人の役者さんに心からの拍手を!新国立劇場の初日には珍しく、カーテンコールが3度ありました。
⇒CoRich舞台芸術!『コペンハーゲン/COPENHAGEN』
≪ものがたり≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。
ナチスの恐怖が欧州を覆う1941年のコペンハーゲン。盗聴器が仕掛けられた過酷な状況下で語られたボーア(村井国夫)、ハイゼンベルク(今井朋彦)、マルグレーテ(新井純)の会話の真相とは? 3人は死後の世界からこの「謎の一日」を再現しようとする。原爆製造への関わり、祖国への忠誠心、ヒューマニズム、物理学者のエゴとプライド、家族への思い。数々の記憶が蘇る。しかし相補性原理や不確定性原理といった彼らの理論そのままに、語れば語るほど記憶は曖昧なものになっていく。やがて謎を解く核心に迫るのだが……。
原子力エネルギーの実践に、探究心と倫理観との間で揺れながら、対立と理解を繰り返すボーアとハイゼンベルク。二人を時に優しく時に厳しく見つめるボーアの妻マルグレーテ。
スリリングな展開と知的興奮に満ち、エンターテイメント性にもあふれた『コペンハーゲン』にどうぞご期待ください。
≪ここまで≫
死んでしまった3人が、ある一日のことを回想する形式です。この死者が語るという構成はすばらしいですね。何年後でもずっと上演できる作品だなと思いました。
過剰な装飾はなく、ただ3人が語っていることだけで見せていきます。言葉が、身体や心とぴったり合わさってましたね。難しい学術用語や固有名詞、友人の名前(色んな国籍の名前)もばっちり。まるで私も知っているかのごとく想像できました。
美術もやっぱりよかったな~。照明が映えるんですよね。これも演出力なのでしょうけれど。
で、やっぱり私、体調が万全ではなく・・・(涙)、途中でうとうとしちゃいました・・・・。ほんとにすみません。「CoRich舞台芸術!まつり2007」関係でここのところドタバタだったので・・・無念。仕事でも観劇には支障がないようにしたいですね(あ、反対か)。
私は原子の動きと人間の散歩の動きが重なるのに興奮。これは初演でもそうでした。
言葉を発しあううちに、会話が色んな階層へと飛び回っていくのが刺激的です。スコープが変わるっていうのか、照準が自在に変化するんですよね、人間って。話している最中も目まぐるしく脳は動き続けています。そして互いに影響を与え、変化し続けている・・・。
はっきり言って、話される内容は難しいです。量子力学とか核分裂とか、原子力についての研究用語がたくさん出てきます。そういうのが苦手な方もいらっしゃるかもしれません。現代に必要な倫理とは?、記憶とは?、人間とは?・・・など、人類への根源的な問いかけに満ちた、重厚で上品な作品です。でも、お時間あれば是非。
ここからネタバレします。
登場人物は品の良いスーツを着ていますが、全員の服に薄黒い染みが入れられています。古く汚れていることで、死者であることを表現しているように思いました。きれいでした。
出演=村井国夫/新井純/今井朋彦
脚本=マイケル・フレイン 演出=鵜山仁 美術=島次郎 照明=服部基 音響=高橋巖 衣裳=緒方規矩子 ヘアメイク=佐藤裕子 演出助手=中野史朗 舞台監督=藤崎遊
一般発売日:2007年1月14日(日)10:00~ A席5,250円 B席3,150円 Z席1,500円
公式=http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/10000120.html
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2007年03月01日
メルマガ 2007年03月のお薦め舞台

お薦めお芝居をご紹介しています
2007年3月のお薦め舞台10本+αをご紹介します。
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“しのぶの演劇レビュー” Vol. 34 2007.3.1 1,091部 発行
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今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪
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◎足早に2月が過ぎ去り、もうすっかり春!
3月の東京は驚くほど話題作ぞろいで、紹介本数を多い目にしました。
何を観ようかしら・・・贅沢な悩みは尽きません♪
舞台には、あなたの心を揺さぶり、
人生の輝きを増してくれる奇跡があります。
“今から観られる面白い演劇”をご紹介します。
お友達、ご家族、恋人と一緒に、どうぞ劇場を訪れてください♪
◎メルマガのバックナンバー↓は全て公開しています。
http://blog.mag2.com/m/log/0000134861
○
○○ 今回のもくじ
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◆1【今月のお薦め10本+α】
◎No.1→tpt『Angels in America』第1部&第2部連続上演
03/20-04/08ベニサン・ピット
http://www.tpt.co.jp/
◆2【先月のベスト3】
◎No.1→tpt『薔薇の花束の秘密』
02/17-03/02ベニサン・ピット
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/0218212303.html
◆3【東京国際芸術祭2007、開催中!2/1~3/30】
◎3月は海外からの注目カンパニーがいっぱい!
◆4【“東京芸術見本市”のヴィジュアル・プレゼンテーション】
◎平日のお昼間ですが、お時間のある方はぜひ♪
◆5【“CoRich舞台芸術まつり!2007春”ネット審査通過団体を発表!】
◎審査員をつとめさせていただきました!
◆6【編集後記】
◎ガーディアン・ガーデン演劇フェスティバルが復活!
◎3月3日夜にFM西東京『たけがき2』に出演します。
◆7【このメルマガについての注意事項(毎月同じ内容です)】
◎はじめての方はどうぞお読みくださいね♪
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◆1 【今月のお薦め10本+α】
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▽★印がいちおし公演です(3本)。
▽初日の早い順に並べています。
▽掲載内容:主催/冠名・『題名』・日程・会場・コメント・価格・URL
▽座種の記述がない公演は全席指定。
★1.新国立劇場演劇『コペンハーゲン/COPENHAGEN』
03/01-18新国立劇場 小劇場
☆出演=村井国夫/新井純/今井朋彦
脚本=マイケル・フレイン 演出=鵜山仁
A席5,250円 B席3,150円 Z席1,500円
http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/10000120.html
2001年の初演で賞を多数受賞した濃密な3人会話劇。
体調を整え、腹ごしらえをして挑みましょう!初演のレビュー↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2001/1115235600.html
2.松竹『ミュージカル 阿国』
03/03-29新橋演舞場
≪東京、京都≫
☆出演=木の実ナナ/上條恒彦/上々颱風/池畑慎之介/他
脚本=鈴木聡 演出=栗山民也
1等席12,600円 2等席8,400円 3階A席4,200円
3階B席2,520円 1階桟敷席13,650円
http://www.shochiku.co.jp/play/enbujyo/0703/index.html
何度も再演されているちょっと大人向けの人気ミュージカル。
上々颱風の音楽がサイコーに楽しい!2003年版のレビュー↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2003/0711231032.html
3.Bunkamura『橋を渡ったら泣け』
03/05-29シアターコクーン
☆出演=大倉孝二/奥菜恵/八嶋智人/小松和重/鈴木浩介/
岩佐真悠子/六角精児/戸田恵子
作:土田英生 演出:生瀬勝久
S¥8,500 A¥7,000 コクーンシート¥4,000
http://www.bunkamura.co.jp/
土田英生さんがMONOで上演した戯曲を生瀬勝久さんが演出。豪華キャスト。
4.日生劇場/ニッポン放送/梅田芸術劇場/ぴあ/キョードー東京
『ロック★オペラTHE WHO'S「TOMMY」』03/12-31日生劇場
☆出演:中川晃教/高岡早紀/パク・トンハ/ROLLY/他
音楽:THE WHO 演出:いのうえひでのり(劇団☆新感線)
S席12000円 A席9000円 ※未就学児童入場不可
http://blog.eplus.co.jp/tommy/
中川晃教さんが主演するロック・オペラ。私はROLLYさんが目当て♪
劇団☆新感線のいのうえひでのりさんが演出されます。
★5.花組芝居『かぶき座の怪人』
03/15-25全労済ホール/スペース・ゼロ
≪東京、兵庫≫
☆脚本=福島三郎、加納幸和 演出=加納幸和
S席6,000円 S席学生割引5,000円(平日のみ) Z席3,000円
※未就学児童入場不可
http://www.hanagumi.ne.jp/
花組芝居の代表作のひとつ。2001年の再演↓で超感動しました。
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2001/0213234910.html
6.彩の国シェイクスピア・シリーズ第17弾『恋の骨折り損』
03/16-31彩の国さいたま芸術劇場
≪埼玉、愛知、大阪、福岡≫
☆出演=北村一輝/姜暢雄/窪塚俊介/高橋洋/内田滋/他
脚本=ウィリアム・シェイクスピア 演出=蜷川幸雄
S席9,000円 A席7,000 B席5,000円 学生席2,000円
http://www.saf.or.jp/
美男子ばかりが勢ぞろいの、蜷川幸雄さんが演出されるシェイクスピア。
女役も男優さんが女装して演じられます。きれいですよ~♪
★7.tpt『Angels in America』
03/20-04/08ベニサン・ピット
「Part 1 ミレニアム」「Part 2 ぺレストロイカ」連続上演
☆出演=山本亨/斉藤直樹/パク・ソヒ/池下重大/チョウソンハ/他
脚本=トニー・クシュナー 演出=ロバート・アラン・アッカーマン
一般5,000円 学生3,000円
Part1&Part2通し特別観劇料金9000円(同じ日の昼夜観劇のみ)
http://www.tpt.co.jp/
2004年しのぶの観劇ベストテン1位の大作が再びベニサン・ピットに!
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/0111000919.html
●お薦めポイント●
ピューリッツァ賞、トニー賞(第1部&第2部の2年連続)を受賞し、
ロンドン・ナショナル・シアターの“20世紀の傑作20”にも
選出された戯曲です。第1部と第2部の連続上演も珍しいことです。
続けて鑑賞すると約8時間(休憩含む)!別々に観てももちろんOK。
第1部からご覧になることをお薦めします。待ちきれないよ~!
初演のレビュー↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2004/0217233150.html
8.流山児★事務所『The Return(リターン)』
03/20-31 Space早稲田
☆出演=千葉哲也、大路恵美、阿川竜一、北村魚、塩野谷正幸
脚本=レグ・クリッブ 演出=流山児祥
前売り4000円 当日4500円 学生2500円(全席自由・整理番号付き)
http://www.ryuzanji.com/
流山児★事務所の海外戯曲上演の傑作といえば『ハイ・ライフ』↓
http://www.ryuzanji.com/r-highlife05.html
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2003/1213142401.html
千葉哲也さんと塩野谷正幸さんの、あのヒリヒリした躍動感が再び?
9.ラッパ屋『妻の家族』
03/24-04/01紀伊國屋ホール
≪東京、大阪、北九州≫
☆作・演出=鈴木聡
前売り・当日とも4500円
http://homepage3.nifty.com/rappaya/
鈴木聡さんが作・演出されるラッパ屋の新作。
前回公演『あしたのニュース』ではメルマガ号外を発行しました。
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0117005025.html
10.木山事務所『やってきたゴドー』
03/24-31俳優座劇場
☆出演=山崎清介、内田稔、楠侑子、三谷昇、他
脚本=別役実 演出=末木利文
一般 5,000円 学生3,500円
http://www1.odn.ne.jp/kiyama-co/
“ゴドー”がやってきちゃう!別役実さんの戯曲を豪華キャストで。
★★★――――――――――――――――――――――――――――――
前売3000円以上・4000円未満のお薦め作品を5本ご紹介します。
――――――――――――――――――――――――――――――★★★
【1】パラドックス定数『プライベート・ジョーク』
03/01-04サンモールスタジオ
☆作・演出=野木萌葱
前売3000円 当日3500円 ※日時指定・全席自由
http://www.paradoxconstant.com/labo/
小劇場フリークの間で話題沸騰のパラドックス定数の新作。
【2】ポツドール『激情』
03/04-11本多劇場
☆出演=安藤玉恵/米村亮太朗/町田マリー(毛皮族)/ほか
脚本・演出=三浦大輔
前売3,900円 当日4,400円
http://www.potudo-ru.com/
『愛の渦』で岸田國士戯曲賞を受賞した三浦大介さんが作・演出される
ポツドールが、本多劇場に進出。R-18の可能性高し。
『激情』は劇団青年座でも上演されています。
http://www.seinenza.com/performance/gekidankyo/051214.html
【3】イキウメ『狂想のユニオン』
03/16-21吉祥寺シアター
☆作・演出 前川知大
3000円(前売) 3500円(当日)
http://www10.plala.or.jp/ikiume/index.htm
前川知大さんが作・演出されるイキウメが吉祥寺シアターに進出。
この次には青山円形劇場公演が控えています。
【4】KUDAN Project『美藝公(びげいこう)』
03/16-21ザ・スズナリ
≪名古屋、東京≫
☆出演:小熊ヒデジ&寺十吾
原作:筒井康隆 脚本・演出:天野天街
前売・予約:3,400円 当日:3,800円 高校生以下:2,800円
http://www.officek.jp/kudan/
『真夜中の弥次さん喜多さん』の奇跡ふたたび?!2004年のレビュー↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2004/0125235601.html
【5】椿組『なつのしま、はるのうた』
03/28-04/01「劇」小劇場
☆脚本=鄭義信 演出=松本祐子
前売3500円 当日3800円 中高校生2000円
http://homepage2.nifty.com/tubakigumi/index.htm
鄭義信さんと松本祐子さんのペアというだけで必見。
好評だった作品の改訂版だそうです。
☆☆☆――――――――――――――――――――――――――――――
前売り2000円台以下のお薦め作品を5本ご紹介します。
――――――――――――――――――――――――――――――☆☆☆
〔1〕青年団リンク・東京デスロック
『東京デスロックのアトリエ公演 unlock#1』03/02-11アトリエ春風舎
inspired by 『アルジャーノンに花束を』ダニエル・キイス
☆作・演出=多田淳之介
日時指定・整理番号付自由席 予約2,000円 当日2,500円
http://specters.net/deathlock/
刺激的な演劇体験が保証されています。前回のレビュー↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/1027001220.html
〔2〕劇団八時半『むかしここは沼だった。しろく』
03/07-11こまばアゴラ劇場
≪倉敷、大阪、東京≫
☆作・演出=鈴江俊郎
全席自由席・前売り2,800円・当日3,000円・中高生1,500円
http://hachijihan.hp.infoseek.co.jp/
鈴江俊郎さんが作・演出・出演される劇団八時半の新作。
CoRich舞台芸術!で大阪公演のクチコミが読めます。
http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_main_id=247
〔3〕ハイバイ『「おねがい放課後(プレビュー公演)」&
「ヒッキー・カンクーントルネード(再演)」』
03/14-18アトリエ・ヘリコプター
☆作・演出=岩井秀人
日時指定・全席自由席2000円 ※16日金の昼の回のみ1500円
http://hi-bye.hp.infoseek.co.jp/
プレビューと再演を同時にやっちゃう企画の面白さ。
大真面目にバカをやって、哲学まで感じさせる団体です。
〔4〕五反田団『いやむしろわすれて草』
03/15-25こまばアゴラ劇場
☆作・演出=前田司郎
予約・当日ともに1500円(日時指定・全席ほぼ自由席・整理番号付)
http://www.uranus.dti.ne.jp/~gotannda/
岸田國士戯曲賞の最終候補まで残った作品の再演。
繊細さに泣けます。1500円は破格過ぎ! 初演のレビュー↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2004/1021165309.html
〔5〕スロウライダー『Adam:ski』
03/16-25三鷹市芸術文化センター 星のホール
☆作・演出=山中隆次郎
一般前売:2,800円 一般当日:3,000円 劇場会員割引あり
http://www.slowrider.net
かゆいところに手が届くキャストで、上質の心理ホラーが期待できそう。
≪ダンス・その他≫
○こどもの城劇場事業本部・青山円形劇場オブジェクトシアター
『KOUSKY IV ~夢のかけらたち~』03/01-03青山円形劇場
出演:沢則行&中西俊博
http://www13.ocn.ne.jp/~kousky/kousky.htm
コウスキィとは小作品集のこと。チェコ在住の人形劇作家・沢則行さんと
『ア・ラ・カルト』などでお馴染みの音楽家・中西俊博さんのコラボ。
○Nibroll『no direction』
03/02-04パナソニックセンター東京 有明スタジオ
http://www.nibroll.com/
Nibroll(ニブロール)3年ぶりの東京公演。
○吾妻橋ダンスクロッシング『THE VERY BEST OF AZUMABASHI』
03/09-10アサヒ・アートスクエア
http://azumabashi-dx.net/
過去5回の公演中から厳選された作品が揃う、吾妻橋ベスト。
○BATIK『ペンダントイヴ』
03/29-31世田谷パブリックシアター
http://batik.jp/
黒田育世さん率いるBATIK(バティック)の新作。
◎しのぶの今月の全予定(33本+α)はSCHEDULEに掲載しています。
http://www.shinobu-review.jp/schedule.html
全部は絶対観られないだろうけど・・・(涙)。
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◆2 【先月のベスト3】
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1.tpt『薔薇の花束の秘密』
02/17-03/02ベニサン・ピット
☆終演後、涙が溢れっぱなしでしばらく席を立てず。
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/0218212303.html
CoRich舞台芸術!に感想が寄せられています。
http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_main_id=492
★3/2(日)まで上演中!ぜひ森下までお運び下さい!!
2.こまつ座『私はだれでしょう』
01/26-02/04アトリエ春風舎
☆役者さんの生き生きとした姿が嬉しくて仕方がなかったです。
メルマガ号外を発行しました。
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/0209095715.html
CoRich舞台芸術!に感想が寄せられています。
http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_main_id=492
3.横浜未来演劇人シアター『ぬけがら』
02/08-12相鉄本多劇場
☆佃典彦さんの岸田國士戯曲賞受賞作品を寺十吾さんが演出。
http://mirai-engekijin.com/diarypro/archives/11.html
細かいところまで妥協せずにこだわり、作品を愛して手作り
してくださっているように思いました。ダンスも効果的でした。
CoRich舞台芸術!に感想が寄せられています。
http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=857
◎メルマガのバックナンバーはこちら↓で全て公開中!
http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000134861
メルマガ号外は誰が観ても楽しめそうなものを選んで発行しています。
2007年2月(観劇数は21作品)は『私はだれでしょう』で発行!
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◆3 【東京国際芸術祭2007、開幕中!2/1~3/30】
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◎国内&海外から注目のカンパニーが集まる東京国際芸術祭が開催中。
3月は後半戦です。開催期間:2月1日~3月30日
http://tif.anj.or.jp
2月は2本拝見できました。3月も観たいものばかり!どうしましょう!?
1.イルホム劇場『コーランに倣いて』
03/08-11パークタワーホール
≪東京、長野≫
☆原作:アレクサンドル・プーシキン 演出:マルク・ヴァイル
一般4,000円 学生2,000円
コンサート 一般3,000円 学生2,000円
セット券(公演+コンサート) 一般5,000円 学生3,000円
http://tif.anj.or.jp/program/ilkhom.html
2.国際共同制作
『これがぜんぶエイプリル・フールだったなら、とナンシーは』
3/23-27にしすがも創造舎特設劇場
≪東京、高知≫
☆脚本・演出:ラビア・ムルエ(レバノン)
一般4,000円 学生2,000円 豊島区民割引3,000円
http://tif.anj.or.jp/program/rabia.html
3.スリーポイント・プロデュース『ベケット・ライブvol.8「伴侶」』
03/21-25「劇」小劇場
☆原作:サミュエル・ベケット 演出:三浦基
一般:前売3,200円 当日3,500円
学生:前売2,500円 当日2,800円
http://tif.anj.or.jp/program/3point.html
【リージョナルシアター・シリーズ】
1.リージョナルシアター・シリーズ創作・育成プログラム部門
『浮力』03/09-11にしすがも創造舎特設劇場
☆出演=猪熊恒和/下総源太朗/多門勝(THE SHAMPOO HAT)/他
作・演出=北川徹(札幌在住)
一般3,500円 学生2,000円 豊島区民割引2,500円
http://tif.anj.or.jp/program/furyoku.html
※リージョナルシアターズ企画にはリーディング公演も4演目あります。
http://tif.anj.or.jp/
【ベケット生誕100年記念フェスティバル参加作品】
1.ファミリア・プロダクション『囚われの身体(からだ)たち』
03/15-18にしすがも創造舎特設劇場
☆原作・脚本=ジャリラ・バッカール 演出=ファーデル・ジャイビ
一般:4,000円 学生2,000円 豊島区民割引3,000円
http://tif.anj.or.jp/program/familia.html
2.ドルイド・シアター・カンパニー『西の国のプレイボーイ』
03/22-24パークタワーホール
☆作=ジョン・M・シング 演出=ギャリー・ハインズ
一般4,000円 学生2,000円
http://tif.anj.or.jp/program/druid.html
3.にしすがも創造舎『ベケットラジオ「残り火」「カスカンド」』
03/29-30特設劇場
☆作=サミュエル・ベケット 演出=阿部初美・岡田利規
一般1,000円 学生800円
http://tif.anj.or.jp/program/becket.html
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◆4 【“東京芸術見本市”のヴィジュアル・プレゼンテーション】
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◎今年で11回目を迎える“東京芸術見本市〔TPAM〕”が、
http://www.tpam.or.jp/
3/5~3/8まで東京国際フォーラムと丸ビルホールで開催されます。
ヴィジュアル・プレゼンテーションのラインナップが豪華なんです!
会場:東京国際フォーラム ホールB7-2
期間:6日[火]~8日[木]13:15~16:00
ビジター入場料: 4,000円(4日間通しパス)
※ランチミーティングなどの有料プログラムを除く。
※1日パス(2,000円)は、当日券のみ取り扱いあり。
【ダンス】3/6[火]13:15~16:00
http://www.tpam.or.jp/japanese/visual01.html
・イデビアン・クルー
・川野眞子(ナチュラルダンステアトル)
・ダンスカンパニーノマド~s
・Dance Company BABY-Q
・ニブロール
・マドモアゼル・シネマ
・珍しいキノコ舞踊団
・Monochrome Circus
・レニ・バッソ
・ジャン=バティスト・アンドレ + ポール=アンドレ・フォルティエ
【演劇】3/7[水]13:15~16:00
http://www.tpam.or.jp/japanese/visual02.html
・うずめ劇場
・チェルフィッチュ
・劇団東京乾電池
・トリのマーク(通称)
・蜻蛉玉
・中野成樹+フランケンズ
・庭劇団ぺニノ
・花組芝居
・指輪ホテル
・ヨーロッパ企画
【音楽・複合ジャンル】3/8[木]13:15~16:00
http://www.tpam.or.jp/japanese/visual03.html
・crack head
・コンパーニア・オプラス
・時間旅行楽団
・ZIPANG
・シラード・ソモジャイ
・ストリングラフィ・アンサンブル
・般若帝國
・冨士山アネット
・もび
※充実のセミナーもあります。
http://www.tpam.or.jp/japanese/seminar.html
私はこちら↓を聞きに行きます。
▼「電子媒体による新しい広報・宣伝の提案」
3/8日[木]10:00~12:00@東京国際フォーラム G510
スピーカー:松月虎次郎[こりっち株式会社 代表取締役]
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◆5 【“CoRich舞台芸術まつり!2007春”ネット審査通過団体を発表!】
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◎グランプリ受賞団体に次回公演費用として100万円が支援される
“CoRich舞台芸術まつり!2007春”の審査員になりました。
http://stage.corich.jp/html/fes_result.html
日本全国対象のインターネット上の舞台芸術フェスティバルです。
約3時間におよぶ熱い議論の結果、応募された81団体の中から
10団体を選ばせていただきました! ※下記、団体名あいうおえ順
■快飛行家スミス(埼玉県)
http://stage.corich.jp/festival_entry_detail.php?stage_main_id=682
■KUDAN Project(愛知県)
http://stage.corich.jp/festival_entry_detail.php?stage_main_id=426
■劇団SKグループ(北海道)
http://stage.corich.jp/festival_entry_detail.php?stage_main_id=783
■時間堂(東京都)
http://stage.corich.jp/festival_entry_detail.php?stage_main_id=855
■SUPER★GRAPPLER(東京都)
http://stage.corich.jp/festival_entry_detail.php?stage_main_id=696
■スロウライダー(東京都)
http://stage.corich.jp/festival_entry_detail.php?stage_main_id=699
■ニットキャップシアター(京都府)
http://stage.corich.jp/festival_entry_detail.php?stage_main_id=68
■NEVER LOSE(東京都)
http://stage.corich.jp/festival_entry_detail.php?stage_main_id=701
■ハイバイ(東京都)
http://stage.corich.jp/festival_entry_detail.php?stage_main_id=788
■風琴工房(東京都)
http://stage.corich.jp/festival_entry_detail.php?stage_main_id=398
これから審査員が作品を鑑賞し、6月初旬にグランプリを発表します。
ぜひ皆さんも観に行って、一緒に感想をクチコミしましょう!
CoRich舞台芸術! ⇒ http://stage.corich.jp/
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◆6 【編集後記】
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◎仕事の変化でレビューを書く時間が取れなくなっています。
せめて観たものの情報だけでもアップしたいのに、それさえも・・・。
今月はなんとかしてリズムを取り戻したいと思っています。
でもこの観劇本数じゃ・・・(汗)。面白いのが多すぎ!嬉しいけど!
◎ガーディアン・ガーデン演劇フェスティバルが復活!
http://www.recruit.co.jp/GG/compe/engeki/compe_enfes.html
申込締切は2007年3月28日(水)ですよ~!
◎3月3日夜にFM西東京『たけがき2』に出演します。
http://takegaki.k-free.net/
※PodCastingが始まっています↓
http://www.voiceblog.jp/takegaki842/
◎「CoRich(こりっち)舞台芸術!」で
いつ、どこで、何が上演されているのかを簡単検索!
感想も書き込めますよ♪
http://stage.corich.jp/
メンバー登録はこちら↓
http://www.corich.jp/stage/user_register.php
携帯サイトもあります⇒ http://corich.jp/m/s
◎地方新聞に掲載される新作邦画DVDの紹介記事を書いています。
「これは面白いよ!」というお薦め邦画情報モトム!
お問い合わせフォームから↓お願いいたします。
http://www.shinobu-review.jp/contact/
2007年2月は下記の4作品を拝見しました。
・「UDON」←意外に泣ける映画でした。
http://www.udon.vc/movie/
・「フラガール」←噂ほど感動できず。
http://www.hula-girl.jp/
・「ラフ」←長澤まさみちゃんのビキニが強烈(汗)。
http://www.rough-movie.jp/
・「地下鉄(メトロ)に乗って」
http://www.metro-movie.jp
◎新聞・雑誌などに執筆する仕事をしています↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0331235959.html
お仕事のご依頼はこちらへ↓お気軽にどうぞ♪
http://www.shinobu-review.jp/contact/
◎「劇場に足を運ぶことが、日本人の習慣になって欲しい」
それが私の望みです。
これからもこつこつ、地道に進んで行きたいと思っております。
皆様、どうぞよろしくお願いいたします♪
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◆7 【このメルマガについての注意事項(毎月同じ内容です)】
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沢山の人に演劇に触れてもらいたい! ので、クチコミ・転送 大歓迎です♪
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【お知らせ】3月3日(土)夜にFM西東京「たけがき2」に出演します
FM西東京の演劇情報番組「たけがき2」に出演いたします。毎月第一土曜日のレギュラーです。
今回は3月に観られるお薦めお芝居を、前半・後半に各3本ずつ、合計6本ご紹介します。
西東京市およびその周辺地域でお聴き頂けます。
3月3日(土)21:30~22:00(の内の約10分間)
FM 84.2MHz
⇒PodCastingあり!放送終了後にアップされます(数日後だったりも)。