劇団☆新感線のいのうえひでのりさんが海外ミュージカルを初演出されます。私はこの作品についての前知識はほぼゼロ。THE WHOというバンドの音楽を使っているんですよね(すみません、その程度の知識です・・・)。
映像がすごい!照明がすごい!装置がすごい!衣裳が豪華!・・・間違いなく、今の日本のミュージカルにおいて、技術面では最先端でしょう。これは見ごたえあり!『メタルマクベス』も凄かったけど、それを上回るサービスな気がします。
⇒CoRich舞台芸術!『the WHO's TOMMY』
≪作品紹介≫ ぴあより部分を引用。
「マイ・ジェネレーション」などで知られるイギリス屈指のライブバンド、ザ・フー。彼らが‘69年に発表したアルバム「TOMMY」は、幼少期のトラウマで“見えない、聞こえない、話せない”という三重苦に陥った少年トミーを描く、ストーリー仕立てのロック・オペラだ。この傑作アルバムをもとに‘75年に映画化、そしてザ・フーのピーター・タウンゼントが自ら演出に加わり、‘92年にはブロードウェイでミュージカル化もされた。2006年2月にブロードウェイ版も来日し、好評を博したこの作品が、演出・いのうえひでのり、主演・中川晃教の強力タッグによる日本版として、2007年3月に日生劇場、4月に梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにお目見えする。(中略)
ドラッグ、自閉症、宗教問題など、現代にも通じる物語性を持つこの作品。ヘビーな内容を扱いながらも、奇跡を信じ、自由を掴み取るために懸命に生きる主人公トミーの姿は、観る者の目にすがすがしく映る。透明感ある歌声で、観客へストレートにメッセージを届けてくれる中川晃教ならば、ブロードウェイ版に負けない素晴らしいトミーを体現してくれることだろう。
≪ここまで≫
照明と動画のコンビネーションが、これでもか!というほどの効果を上げていました。装置、衣裳を目まぐるしく変容させながら、無言劇のように淡々と進むプロローグには興奮したな~。歌詞は感情を伝える言葉で出来ており、「○○が××しました」等と出来事を説明することがなかったのも素晴らしいですね。
前半最後の「ピンボールの魔術師」が、私にとっては盛り上がりの最高潮!ROLLYがちょーかっこいーっ!!!
Acid Queenのシーンのソムン・タクさん、山崎ちかさんが大迫力。挑発的な娼婦ソングも、あそこまで大胆にやってくれるとシビれます。たぶんラストの曲で思いっきりシャウトしているのは山崎さんですよね。ソウルフルな肉体も歌声もかっちょいー!
ここからネタバレします。
中川さんといのうえさんのコンビだし、主人公が教祖のようになっていくストーリーだったため、『SHIROH』と重ねざるを得ませんでした。悪い印象は全くないのですが(『SHIROH』は大好きだったし)、物足りなさはありました。もっとエキサイトしたいし、もっと意外にも思いたかったな~。あと、コメディタッチにされていているとはいえ、性的虐待などが描かれると個人的にどうしても胸が痛くなってしまうのは避けられず・・・これは仕方がないことなんですけどね。
出演:中川晃教/高岡早紀/パク・トンハ/村木よし子(劇団☆新感線)/斉藤レイ/ソムン・タク/青山航士/石橋裕輔/蝦名孝一/奥山寛/佐々木誠/千葉恵佑/HISATO/森内遼/安田栄徳/飯野めぐみ/一実/高塚恵理子/仲里安也美/中村紗耶/樋ノ内乙澄/望月秀美/山崎ちか/若山佐登子/塩野魁土/宮治舞/ROLLY
作:ビート・タウンゼント/デス・マカナフ 音楽:The Who 演出:いのうえひでのり(劇団☆新感線) 訳詞:湯川れい子 訳詞・出演:右近健一(劇団☆新感線) 翻訳:薛珠麗 振付:川崎悦子 大阪公演主催:読売テレビ/梅田芸術劇場/キョードー東京
※未就学児童入場不可 S席12000円 A席9000円
公式ブログ=http://blog.eplus.co.jp/tommy/
ぴあ=http://info.pia.co.jp/et/promo/play/tommy_jp.jsp
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
便利な無料メルマガも発行しております。