新国立劇場の2007年4月の新作『CLEANSKINS/きれいな肌』の稽古場にお邪魔させていただくことになりました。「しのぶの演劇レビュー」初の公式稽古場レポートです!
『CLEANSKINS/きれいな肌』は海外の気鋭劇作家に新作の書下ろしを依頼する企画の第三弾(⇒第一弾、第ニ弾)。ロンドン在住のパキスタン系イギリス人シャン・カーンさんの新作を、新国立劇場芸術監督の栗山民也さんが演出されます。中嶋朋子さん、北村有起哉さん、銀粉蝶さんという豪華キャストの三人芝居で、もちろん世界初演!
⇒稽古場レポート〔このページ〕〔2〕〔3〕〔4〕〔5〕〔6〕
⇒公式サイト
⇒CoRich舞台芸術!『CLEANSKINS/きれいな肌』
≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。
英国の小さな町、母ドッティー(銀粉蝶)とその息子サニー(北村有起哉)が二人で暮らす公営住宅の一室。そこへ薬物中毒で行方不明となっていた娘ヘザー(中嶋朋子)が突然、イスラム教徒の姿で帰ってきた!
反イスラムのデモに参加しているサニーは、イスラム教徒となった姉になぜ改宗したのかと激しく詰め寄る。そんな弟を言葉少なに見つめ、静かに語る姉。次第に姉弟の話は自分たちを捨てた父へと及ぶが、母はそんな二人を前にただおろろするばかり。
やがて、父の去った本当の理由が明らかになっていく……。
≪ここまで≫
【お稽古の流れ】
午後3時から新国立劇場の地下の稽古場に伺いました。・・・美し!そして、広っ!!高い天井の四角い空間に原寸大の舞台が組まれていて、家具や小物なども揃っています。お邪魔したのは立ち稽古が始まって約2週間が経った頃でした。※中嶋朋子さんはお休みでした。
演出助手の宮越洋子さんの進行でお稽古が始まりました。まず、銀粉蝶さんと北村有起哉さんが1シーンごとに演技をし、演出の栗山民也さんがそれを観ながら気になったことを宮越さんに伝えて、宮越さんはメモを取られます。役者さんがセリフにつまると、プロンプターの山本美也子さんが次のセリフをその場で伝えます。効果音については舞台監督の米倉幸雄さんがオペレートされていました。それらをじっと見守っているのは演出部の川原清徳さん、藤波三幸さん、制作担当の茂木令子さん、制作助手の庭山由佳さん、そして稽古場レポーターの私。2人の出演者と演出家以外にスタッフが計8人いる稽古場でした。
ひとつのシーンが終わったらすぐにフィードバック(ダメ出し)が始まります。栗山さんと宮越さんが舞台に上がり、さっきのシーンでメモしたことを丁寧に役者さんに伝えていきます。
フィードバックが終わったら約10分の休憩。舞台監督の米倉さんと演出部の川原さん、藤波さんが、大道具・小道具などを演技をする前の状態に戻します。役者さんは各自で脚本をチェックして、次のシーンに備えます。
午後3時から8時まで、延々とそれが繰り返されました。拝見したのは合計4シーン。1シーンを演じてフィードバックするごとに必ず休憩を取られるので、「けっこう頻繁に休憩するんだなぁ」と最初は思ったのですが、2時間もするとそのハードさがわかってきました。休憩といっても次のシーンの準備をするので、決して休むだけの時間じゃないんですよね。フィードバックの度に新しい情報が増え、それをその場で覚えて次のシーンで演じるのですから、相当な集中力が必要です。しかも一日中が二人だけの集中特訓のようなものですし、お稽古が終わる頃には皆さんぐったりされるのも納得です。
⇒稽古場レポート〔2〕に続く
出演=中嶋朋子/北村有起哉/銀粉蝶
脚本=シャン・カーン 翻訳=小田島恒志 演出=栗山民也 美術=島次郎 照明=勝柴次朗 音響=秦大介 衣裳=宇野善子 ヘアメイク=佐藤裕子 演出助手=宮越洋子 舞台監督=米倉幸雄 照明オペレーション=田中弘子 音響オペレーション=黒野尚 演出部=川原清徳/大野雅代/藤波三幸 プロンプター=山本美也子 美術助手=松村あや 制作助手=庭山由佳 制作担当=茂木令子 広報=高梨木綿子 芸術監督=栗山民也 主催=新国立劇場
【発売日】2007/02/12 A席5,250円 B席3,150円 Z席1,500円
公式サイト=http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/10000121.html
ぴあ=http://info.pia.co.jp/et/play-p/cleanskins/cleanskins.html
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