蓬莱竜太さんが作・演出される劇団モダンスイマーズの新作です。劇団☆新感線の高田聖子さん、文学座の古川悦史さんを迎えての約2週間の公演。私がこれまでに拝見したモダンスイマーズ、および蓬莱竜太さんの作品(過去レビュー⇒1、2、3、4)の中で一番面白かった、というか、改心の一撃でした。
また残席あるそうです。どうぞお見逃しなく♪
⇒CoRich舞台芸術!『回転する夜』
≪あらすじ≫
海に面した片田舎の街の、山の上の豪邸(だがインテリアは昔風。昭和っぽい)。舞台はノボル(津村知与支)の部屋。体調が良くないので、同居中の義理の姉・千穂(高田聖子)が様子を看に来てくれる。ひとことかふたこと千穂と言葉を交わしてから寝床に入り、ノボルは夢を見る。あの日のあの時、ああしていれば・・・。
≪ここまで≫
蓬莱さんの作品は、観終わった後いつも「巧いな~」という感想が一番に浮かんでいたのですが、今回は「かっこいい!」でした。男の直球勝負を見せてくださったように思います。CoRichにも書きました。
いわばニートのような生活をしている主人公のノボルが、自分の人生を決定付けた日を振り返り、自分の想像(夢)の中で試行錯誤をして、徐々に周りの社会に触れていきます。ワン・シチュエーションで現在と過去を交互に見せていく構成で、全体の印象はシンプルで地味ですが、全くありきたりではないんです。メッセージがこんなに強く、太く伝わってくるなんて、見事な脚本と演出だと思います。込み入り過ぎていると感じたり、暗すぎると思う方はいらっしゃるかもしれませんが。
高田聖子さんが大人のエロスをしっとりと味わわせてくださり、他の役者さんも丁寧な演技で魅せてくださいました。作品に高い志を感じることができて、幸せな観劇になりました。こういう作品を、会社員の友達とかにぜひとも紹介したいですね。上演時間も1時間30分と気持ちがいいし、新宿にある小劇場だし。
ここからネタバレします。
沢田研ニさんの「サムライ」が効果的です。一緒に観ていた方と「ダウンロードしよ!」「ベスト版買お!」とはしゃいじゃいました(笑)。
出演:古山憲太郎、津村知与支、小椋毅、西條義将、高田聖子、古川悦史
作・演出:蓬莱竜太 美術:伊達一成 音響:藤平美保子 照明:松本由美(東京舞台照明) 宣伝美術&衣装:小原敏博(アカエボシ) 制作:神野和美 制作協力:オフィスPSC 重留定治 広川由季 Habanera 松尾由紀 4/23休演
【発売日】2007/03/18 全席指定 前売り3300円 当日3500円/4/18はプレビュー公演:前売り2800円 当日3000円/4/25(水)は平日マチネ割引料金2800円
http://www.modernswimmers.com/
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