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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2007年05月30日

双数姉妹『チューブラルーム』05/26-06/03 THEATER/TOPS

 小池竹見さんが作・演出される双数姉妹。劇団員募集オーディションで若い方がいっぱい入団されたんですね。装置が凄いという噂を聞いて伺いました。噂にたがわぬ、すっごーーーーーーーーーーい装置!上演時間は約2時間。

 ⇒CoRich舞台芸術!『チューブラルーム』 

 旅行会社の冴えない社員(五味祐司)とその同僚や上司(小林至)、いわくありげな姉妹(吉田麻起子、浅田依子)とその同居人(今林久弥)などが登場するお話でした。あまり必要だとは思えないシーンや会話などがチラホラとあり、ストーリーについては少々退屈でした。双数姉妹はエチュード(即興劇)から創作する団体ですから、雰囲気や流れを楽しめればいいのかもしれません。

 シアタートップスであの装置が観られてお得でした~(舞台美術=小池竹見・杉山至 装置製作=コイケ左官工房)。チケット代3,500円は安いと思います。小劇場演劇の底力を観た!っというところかしら。装置の特徴を生かした照明も素晴らしかったです。うわ!うわわっ!と、何度もドキっとしたりわくわくしたりしました。 
 タイトルからイメージされる「宙ぶらりん」な雰囲気は、スペシャルな装置と照明、ほんわかした歌などから充分に伝わってきました。

 ここからネタバレします。

 ひとことで言うと筒型の美術でした。巨大な土管が、客席に丸い穴を向けた状態で横たわっています。シアタートップスの舞台がその土管で埋まるぐらいの大きさです。そして、その筒がぐるぐる回るんです!!役者さんは動く床を歩きながら演技します。

 旅行会社のデスクとチェアー、姉妹が暮らす家のちゃぶ台などを出す時は、机の足などを床にグサっと刺して固定します。机やイスが刺さったままぐるぐると回転した時は、会場の空気が一瞬凍りましたね。「お、落ちる!」って思ったから。でも天井まで行って逆さになっても落ちなかったんだな~・・・すごい。どういう仕掛けなのかしら!?

 舞台は横たわった円柱型になっているだけではありません。筒の外側から中を突き通すように1本の鉄の棒が刺さっています。その棒をしっかり握った役者さんが、装置と一緒に一回転したのは鮮やかだった~!
 筒の外側の壁もムード満点でしたね。イスや机が壁に溶け込んでいるかのようにくっつけられていました。ひとつひとつに照明が当たるのもきれいでした。『ピッチフォーク・ディズニー』を思い出しました。

 タイトルの『チューブラルーム』には“宙ぶらりん”だけじゃなく、“筒(チューブ)”状の“部屋(ルーム)”という意味もあるのかも。

出演=今林久弥 小林至 五味祐司 青戸昭憲 鰻家喜平治 熊懐大介 河野直樹 宮田慎一郎 辻沢綾香 浅田依子 井上貴子 吉田麻起子
作・演出=小池竹見 舞台美術=小池竹見・杉山至 音楽=佐藤こうじ(Sugar Sound) 舞台監督=安田美和子 村岡晋 照明=斎藤真一郎(A.P.S.) 音響=島貫聡 衣裳=小原敏博 装置製作=コイケ左官工房 宣伝美術=高橋歩 宣伝写真=引地信彦 演出助手=小林英朗 制作=津田はつ恵 小林エリカ 企画・製作=双数姉妹 劇中歌「チューブラテイル」作詞=小池竹見 作曲=佐藤こうじ
発売:2007年4月14日〈土〉全席指定3,500円(前売、当日ともに) 学生割引2,500円
http://www.duelsisters.com/

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Posted by shinobu at 2007年05月30日 22:52 | TrackBack (0)