2007年06月29日
【ワークショップ】2007年夏のワークショップ
昨年もご紹介しましたが、夏はワークショップの季節です!今年も気になるものをリストアップしてみました。※作り手さん向けです。
詳細は公式サイトでご確認ください。締め切り間際のものもありますので、気になる方は今チェック!
■日本演出者協会・国際演劇交流セミナー2007イスラエル特集「演出家と俳優のためのワークショップ ~台本に隠されたアクションを掘り起こす~」07/13-19ギャラリーX
講師:ルティ・カネル(演出家/テルアビブ大学舞台芸術学部演技科主任教員)
参加費:一般20,000円/協会会員15,000円(レクチャー参加費を含む)
定員:16名
応募締め切り:6/30(土)必着
※応募者多数の場合には、選考の上参加者を決定
■アクターズワークス「俳優のためのアクティングワークショップ」07/19-08/04東京都内
講師:柚木佑美(俳優・Actors Works主宰)
参加費:年会費3,000円 受講料35,000円
※本年分の年会費を既に支払われた方は受講料のみ。
定員:最大12人 最低7人
応募締め切り:7/12
※定員になり次第締め切り。最少人数に満たない場合中止の可能性あり。
→インタビュー記事あり! →制作ブログ
■劇団青年座「フィリップ・ゴーリエ 演劇ワークショップ Vol.6」07/30-08/10森下スタジオ B
講師:フィリップ・ゴーリエ(フィリップ・ゴーリエ国際演劇学校校長)
受講料=65,000円
定員=35名
応募締め切り:7/10(火) ※申し込み多数の場合抽選(7/18結果発表)
主催:(社)日本劇団協議会
■劇団俳小「マールイシアターズ・ワークショップ」08/03-18アトリエ俳小
講師:ウラジーミル・ベイリス(ロシア・マールイ劇場主任演出家)
受講料:6,8000円
定員:各クラス20名
締切日:2007年7月28日(土)
■劇団昴「RADA in 東京2007 俳優コース」08/06-18みらい館大明内 現代演劇協会稽古場
講師 : ニコラス・バーター(RADA校長、演出家)/イラン・レイシェル(RADAムーブメント講師)/バーディ・トーマス(RADAボイストレイニング講師)
受講料:70,000円(経験者クラス・未経験者クラス)
定員:経験者クラス:16名/未経験者クラス:24名
締切:7月25日(水)
※両クラスとも先着順で定員になり次第締切り
主催:(社)日本劇団協議会
■一跡二跳「 『デバイジング』って何? 2007─演劇の集団創作による実践的アプローチ─」08/19-23,08/25-29芸能花伝舎S1-B室
期間:[Aクラス] 8月19日(日)~23日(木)[Bクラス] 8月25日(土)~29日(水)
講師:ドリュー・ポウツ(作家・演出家、照明デザイナー)
受講料:参加者→各クラス15名/デバイジング見学者→各クラス10名
定員 : 参加者25,000円/見学者5,000円
※ともに先着順、定員になり次第、締め切り。
主催:(社)日本劇団協議会
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【情報】大塚製薬『劇団キモチスイッチ「いつもキモチにスイッチを!』ショートムービー
山崎樹範さん、町田マリーさん、池田鉄洋さん、吉本菜穂子さん、中山祐一朗さんらが出演するショートムービー公開中!
→「いつもキモチにスイッチを!」
舞台俳優、注目されています。嬉しい限りです。
第一話には池谷のぶえさんも出演されていますね(笑)。
2007年06月25日
オルテ企画『社長放浪記』06/25-7/22本多劇場
伊東四朗さんの「生誕?!七十周年」を記念した三谷幸喜さんの書き下ろし戯曲の上演です。伊東さんご自身のお声掛けで豪華キャストが集結したとのこと。演出は三宅裕司さん。
満員の客席は爆笑の連続でした。たしかに社長が“放浪”してました(笑)。上演時間は2時間強。当日券は毎日発行されるようです(開演の2時間前より整理券を配布)。詳細はこちら。
⇒CoRich舞台芸術!『社長放浪記』
≪あらすじ≫
ハトポッポ製菓は商品に異物が混入するなどの不祥事続きで、責任者(=社長)の辞任を余儀なくされている状況。専務(三宅裕司)らが社長を説得しようとするが、社長(伊東四朗)は全く辞める気など無い。社長の甥である副社長(東貴博)を次期社長にしようと、専務らが企んだ方法とは・・・。
≪ここまで≫
とりあえず伊東四朗さんが登場するところで拍手が起きます。中村メイコさんが出て来られたときももちろん拍手。新橋演舞場に来たみたいな心地になりました。こんな有名な人たちが本多劇場の舞台に揃うことが、お祭りのようなものなんですね。
舞台は社長室。三谷さんならではのシチュエーション・コメディです。三宅さんの演出は伊東四朗さんの魅力(経歴)を伝えることを重視されたものだったように思います。それをみんなが支えて盛り上がってるって感じですかね。私は皆さんの芸をゆっくり眺めていました。さすが皆さん、笑い待ちがお上手だなーと思いました。そつがないので安心して観ていられます。その分、退屈でもあるんですが。
「あなた一体何頭身!?」とたずねたくなるピーナツ行商人の女の子は、映画「ラブ★コン」主演の藤澤恵麻さんだったんですね。びっくり。どんな足の長さだYO!って突っ込みまくりでした(頭の中で)。初舞台ってことで。ハイ(笑)。
害虫駆除作業員役の伊東孝明さんは伊東さんの次男さんだそうです。
ここからネタバレします。
社長は害虫駆除の作業員の振りをして、大好きなピーナツ売りの女の子に会っていました。それが「社長のそっくりさん」を探していた専務に見つかったことからドタバタの騒動が始まります。とっさに出た苗字がジンバブエっていうのは笑えたな~。あれ、ジンバブエだったよね?!もう忘れちゃった。
あ、一番笑ったのは、山口良一さんが三宅裕司さんの肩の後ろに乗った毛虫(嘘)を食べたところ。
装置が四角いだけの空間だったのはちょっと残念だった。
伊東四朗生誕?!七十周年記念
出演=伊東四朗(社長)/佐藤B作(モノマネ得意な社員)/三宅裕司(専務)/藤澤恵麻(ピーナツ売り)/山口良一(専務の部下)/東貴博(ボンボン副社長)/伊東孝明(害虫駆除作業員)/河本千明(専務とデキてる社長秘書)/中村メイコ(社長夫人)
作=三谷幸喜 演出=三宅裕司 美術=金井勇一郎 照明=塚本悟(ASG) 音響=今村太志(サウンドクラフトライブデザイン社) 衣裳=菊田光次郎(東京衣裳) 音楽=大崎聖ニ(楽踊舎) 舞台監督=津田光正(バックステージ 宣伝美術=坂村健次(C2design) 鈴木健朗(C2design) 宣伝写真=江隅麗志 プロデューサー=小竹隆仁(オルテ企画) 白石千江男(アタリ・パフォーマンス) 山内学(アミューズ) 制作=三田地芙美子 千田由香子 清水達彦 寺地友子 松田美緒 制作協力=コードリー オフィスボードビル 企画制作=オルテ企画・アタリ・パフォーマンス・アミューズ
7,000円
http://www.atari.co.jp/
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2007年06月24日
劇団東京ミルクホール『ビンタン・スラバヤ~それいけ!星の演劇隊』06/20-24シアターVアカサカ
劇団東京ミルクホールは佐野崇匡さんが作・演出される劇団です。旗揚げから4年目の第9回公演。私は初見です。
男の子たちが何度も衣裳を着替えて、元気に踊るレビューがいっぱい。前説で観客を前方の席に移動させたり、上演中に大胆な客いじりがあったり、勇気あるな~と思いました。
2時間30分休憩なしは長すぎます・・・。
⇒CoRich舞台芸術!『ビンタン・スラバヤ』
≪あらすじ≫ CoRich舞台芸術!より
1942年3月、インドネシアのオランダ軍は日本軍に無条件降伏。オランダによる300年に及ぶインドネシア支配はここに終わりを告げた。
インドネシアの人々は日本をオランダからの“解放者”とみなし熱烈に歓迎する。しかし日本もオランダ同様、植民地支配を目論む“征服者”であった。
さぁて、困った! 困った! 支配するにはアメとムチ。強い軍隊みせつけたけど、日本が誇れる【文化】とは?
ワビ? サビ? ギンザ? ナニワブシ? フジヤマ? モンペ? こりゃダメだ。ハリウッド映画で豊かな西洋文明を知っているインドネシア人には通用しない。
どうする! どうする!
それじゃあ、お芝居、演劇だ。歌に踊りにコントまで! 楽しいショーが始まれば、戦意昂揚、ニッポンバンザイ、キモノ、サムライ、隣組、なんでもかんでもゴチャ混ぜだ! その名も劇団「ビンタン・スラバヤ」(スラバヤの星)…それは希望の星…星の演劇隊!!
かつて日本軍政・宣撫工作として、インドネシア人を集め旗揚げされ一世を風靡した劇団が存在した。その足跡を追った作家・猪俣良樹氏のノンフィクション『日本占領下・インドネシア旅芸人の記録』(めこん刊)をもとに描かれた話題作。
2007年最初の劇団東京ミルクホール本公演は、<ゲイリー・キャバレスク・実録青春ロード演劇讃歌宣撫工作・ヒストリア>
乞う御期待!!
≪ここまで≫
猪俣良樹 著「日本占領下・インドネシア旅芸人の記録」を元にしたお話でした。猪俣さんとお話をして上演許可を取ったそうで、本に書かれていたのであろう主張は盛り込まれていたと思います。でも創作部分が大量にありましたので(笑)、果たして本の中身が伝わったかというと疑問です。でもそんなことは重要ではなかったのでしょうね。劇団東京ミルクホールの狙いはあくまでもエンタメですよね。
日本の文化(の素晴らしさ)をインドネシア人に伝えるために、占領軍(日本軍)は現地人を集めて劇団を編成します。その劇団のお話なんですが、とりあえずボケてツッこんで、脱いで着替えて、踊って歌って、盛りだくさん。ストーリーははちゃめちゃで、全体の印象はテレビのバラエティ番組でよく見るオフィスもの、家族ものなどのコントに似た感じでした。私には楽しめませんでした。
作・演出の佐野崇匡さんは長い客いじりも巧くこなして、ツっこみもお上手で、とても愛嬌のある器用な方だと思いました。でも他の出演者の中にはやりこなせていない方もいらっしゃいました。だから佐野さんの脚本は、“佐野さんだったら出来ること”が書かれているのではないかと思いました。
柳生タカシさんの歌は声がとてもきれいでした。本当に女の子みたいな高い声ですね。ギターの弾き語りもされていました。
日本舞踊シーンはちらりと花吹雪もあり、踊りもきれいでした。
装置が貧相でした。例えば豆電球がつながった照明のコードの処理とか、もっと丁寧にしていただきたいですね。
ここからネタバレします。
男闘呼組『DAY BREAK』、『とんちんかんちん一休さん』、『宇宙刑事ギャバン』という選曲は可愛かったですね。でも『一休さん』は振付的にも意味的にもいらなかったような。
男性の生着替えって、私の目には嬉しくないですし笑えません。着替えタイムが必要なのはわかります。できればもっと他の演出で時間を作ってもらいたいですね。
最後は傘の骨に金のモールを巻いたものを小道具に、タキシード姿で擬似カーテンコール。宝塚のパロディ※ですね。これも劇中劇の演出になるという凝った仕掛けでしたが、盛り込みすぎでしょう。そして2時間30分もの時間を拘束しているのに、さらに本物のカーテンコールでは出演者全員の紹介と告知などなどが続きました。
※宝塚のパロディーではなく国際劇場・SKD(Wikipedia)のパロディーだそうです。主催者よりご連絡をいただきました(2007/07/18加筆)。
佐野さんが「旗揚げの時の劇場さんに『君たちは何がやりたいのかわからない』と言われました。今もまだわからない感じだと思います(笑)」というようなことをおっしゃいました。「自分が面白いと信じることを、とにかくやる」という、ただただ真っ直ぐに邁進する時期なのかもしれません。でも、「もしかしたら、これは面白くないのかもしれない」という疑いを持った時に、次のステージが始まるのではないでしょうか。
出演=哀原友則、北村直也、コースケ・ハラスメント、佐野崇匡、J.K.Goodman、浜本ゆたか、ヤギー蟇油、柳生タカシ、吉田十弾(五十音順)
作・演出=佐野崇匡 舞台監督=赤坂有紀子 高橋京子 照明=贅川明洋 音響=眞澤則子(s/SYSTEM) 別所ちふゆ(s/SYSTEM) 日舞振付=橘左梗 洋舞振付=NORIMITSU 殺陣=大山マスカク バリ舞踊振付=8ビート兄弟 ヘアメイク=山本由美子 舞監助手=伊藤智史 スチール=辺見真也 テーマ曲演奏=衛藤幸生 櫛野啓介 オープニング映像=永山始 宣伝美術・劇中画=平凡パイン 前説=本橋内閣 制作=遠藤理子(p/SYSTEM) 東京ミルクホール 題材=猪俣良樹 著「日本占領下・インドネシア旅芸人の記録」(めこん刊)
【発売日】2007/05/01 前売3,000円/当日3,500円(日時指定・全席自由・整理番号付
http://tokyomilkhall.com/
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青年座『悔しい女』06/16-24紀伊國屋ホール
2001年に高畑淳子さん主演で上演された、土田英生さん脚本、宮田慶子さん演出作品の再演です。主役の那須佐代子さんほか、キャストは一新されています。
千秋楽に滑り込みました。初演も面白かったですが、今回の方が「悔しい」意味がよくわかって面白かったです。上演時間は約2時間20分(10分の休憩を含む)。
⇒CoRich舞台芸術!『悔しい女』
≪あらすじ≫ 公式サイトより
日本のどこか…のどかな田舎
あるのは動物園を持つエネルギー研究所(通称エネ研)と
「おやじゼミ」が棲息するという森 そんな地方の町の喫茶店
近所に住む絵本作家高田悟はその店に足繁く通う一人
そんな彼のもとへ、美人で明るい笠原優子が嫁いでくる
「お互いこれで最後にしよう」
高田二度目、優子四度目の結婚生活が始まる
誰にもある普通の生活
夫と妻、店に集う顔見知りの人たちとの他愛の無いおしゃべり、昔ばなしに噂ばなし
しかしそこに見え隠れする虚実のないまぜの会話に、反応し、突き詰めていく優子
不倫の匂い、エネ研、「おやじゼミ」……
ちょっとした言葉の食い違いに、高田と優子の間に小波がたつ
やがてそれは喫茶店に集う人たちをも巻き込んで波紋を拡げていく
≪ここまで≫
笑いがいっぱい生まれて、ほがらかなムードの客席でした。
土田さんのブログにもありますが、まさに「アンサンブルを大事に」された演出だったと思います。特に高田(小林正寛)と優子(那須佐代子)は、役柄の人物として舞台の上でコミュニケーションを取ろうとしていました。だから「ヘンな」セリフを「ヘンだ」とわかって言うような、ネタを披露しあうような演技をするのではなく、その人物が心からそう思って言葉を発している状態を作っていました。これが素晴らしかったと思います。
場面転換の時に流れる音楽が合ってないような気がしました。スピーカーや座席の位置で聞こえ方も違ったのかも知れませが、上から降って来る雰囲気良さげな曲は、舞台でちゃんと心を通じ合わせて自然な演技をしている人たちとは、全く別の世界で鳴っている音のように聞こえました。
ここからネタバレします。
「優子(那須佐代子)は、まさに私自身だよっ」と何度か感じました。だから胸が痛かった・・・(汗)。どうして浮気の心配をするのか、なぜそれを夫本人に確かめようとするのか・・・それはまず、自信の無さが発端になっているのだと思います。自信がない人間は誰かに認められたい、好かれたいという気持ちが強く、何かにつけ滅私奉公してしまうことが多いんですよね。この“滅私”というのが、悪循環の最初のマイナスの一歩のような気がします。
「こんなに尽くしてるんだから、好かれて当然だ」と思っていたのに、実はそれほど役に立っていなかったとわかると、必要以上にがっかりしてしまいます。そのがっかりが失望、絶望、そして嫉妬、うらみなどに進化してしまうからやっかいなのです。次には八つ当たりが始まります。
高田が書いた『寂しいライオン』という絵本にも出てきましたが(あらすじ:森でレストランを開店したライオンは、他の動物達に怖がられないようにキバを抜いたり、爪をはがしたりした。そして自分が何者なのかわからなくなった。)、優子も自分に自信がないから他人に好かれたいという思いが強すぎるんですね。だから誰かのために身を粉にして尽くします(例:町が有名になるように幻のセミを発見しようとする)。それが認められなかったり感謝されなかったりすると、ショックを受けるんですよね。そして自暴自棄な行動に出てしまいます。本人はあくまでも「あなたのために」「みんなのために」と思っているから、ずっとすれ違ってしまいます。
優子が2回ほど「悔しい、悔しいぃ~」と本気で悔しがるシーンがありました。その気持ちがよくわかりました。いつも誰かに求められたいと思っているから、ほんのささいな社交辞令も真に受けて、それを実行し続けてしまうんです(例:毎日パンダのぬいぐるみを幼稚園の先生に見せに行った)。本人にとっては「あなたが言ったとおりに、私は行動しただけなのに、なぜ嫌われるの?悔しい!」と、なります。初演ではなぜ「悔しい女」なのかがわからなかったんですよね。今回はすっきりしました。
幻のセミは発見されるし、互いにモーションかけあってた男女は不倫に走るし、高田は東京の出版社で本を出せるようになるし、実はすべてが優子の言ったとおりになるという、皮肉な結末が用意されていました。さすがは土田さんだな~と思いました。
青年座第189回公演
出演=那須佐代子/小林正寛/五十嵐明/若林久弥/遠藤好/片岡富枝/森脇由紀/田中耕二/川上英四郎
作=土田英生 演出=宮田慶子 装置=島次郎 照明=中川隆一 音響=高橋巖 衣裳=加納豊美 舞台監督=安藤太一 製作=森正敏
【発売日】2007/04/24[全席指定] 一般5,000円 ゴールデンシート(65歳以上)4,000円 ユニバシート(大学・各種学校生)3,500円 チェリーシート(高校生以下)2,500円 ※一般以外は劇団扱いのみ
http://www.seinenza.com/performance/public/189.html
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2007年06月23日
世田谷パブリックシアター『国盗人(くにぬすびと)』06/22-07/14世田谷パブリックシアター
野村萬斎さんが演出・主演される世田谷パブリックシアターの公演。シェイクスピア作品を狂言に翻案するシリーズの3作目だそうです(前2作は『法螺侍』と『まちがいの狂言』)。今回は『リチャード三世』を河合祥一郎さんが翻案されました。演劇情報サイト・ステージウェブに河合さんの動画インタビューあり!
大・中劇場でお馴染みのベテラン役者さんと、小劇場でお馴染みの若手役者さんが同じ舞台に居るのが楽しかったです。通常ならこういう目玉公演の脇は新劇の俳優さんで固めることが多いのではないでしょうか。世田谷パブリックシアターがまた新しいチャレンジをしてくださったんだなと、嬉しく思いました。
上演時間は約3時間(途中20分の休憩を含む)。
⇒CoRich舞台芸術!『国盗人』
レビューをアップしました(2009/11/27加筆)。
ダジャレが楽しかった~(笑)。セリフのやりとりの中に、気持ち良いぐらいダジャレが満載。
メインの女役をすべて白石加代子さんが演じます。これは面白い演出ですね。でも私が伺ったのはプレビュー初日。演技についても演出についても、まだまだ上を目指せる状態だなと思いました。
装置は漆黒の能舞台。ほぼ全面を覆うかと思うほどのブラインドの幕の効果は絶大でした。はねの角度を変えることで奥が透けて見えたり、変える瞬間に光が反射してギラリとします。
衣裳はさすがコシノジュンコさん。ツルツルした素材でメタリック、だけど透けてるので軽い印象。女(白石加代子)が被るウィッグが強烈でした。『サド公爵夫人』でも凄かったですけど、今回の方が軽そうでいいですね。でもマサコ(のろいをかける女)のはちょっと演じにくそうだったな~(笑)。
黒に赤というシンプルさを狙った照明だったのかもしれませんが、赤はちょっと使いすぎのように感じました。
悪三郎(野村萬斎)の影法師をダンサーのじゅんじゅんさん(水と油)が演じられ、軽い足取りが良かったです。
ここからネタバレします。
白いリゾートドレスにアンブレラの白石さんが、「夏草や つわものどもが 夢のあと」とつぶやいて始まり、終わります。プロローグとエピローグで現代を持ってきて、まさに昔の夢のこととパッケージングしたのだと思いますが、それにしては内容が長すぎたように感じました。もうちょっと削れるところがあるんじゃないかな、と。
木ぎょうを叩いて駄々をこねる萬斎さん、王になって喜んでマイク持って歌って踊る萬斎さん・・・遊びも満載(笑)。
朽ちた木の柱だと思っていたものが、建つ角度が変わって十字架になるのがかっこ良かった。
[出演]野村萬斎/白石加代子/石田幸雄/大森博史/今井朋彦/山野史人/月崎晴夫/小美濃利明/じゅんじゅん/すがぽん/坂根泰士/土山紘史/時田光洋/平原テツ/盛隆二/大竹えり/大城ケイ/荻原もみぢ/黒川深雪/福留律子
翻案=河合祥一郎 演出=野村萬斎 作調=田中傳左衛門 衣裳=コシノジュンコ
【発売日】2007/04/22 一般 S席7,000円/A席(3階)5,000円 プレビュー公演 S席6,000円 A席4,000円(割引はありません) TSSS 各一般料金の半額(オンラインのみ取扱い)友の会会員割引 S席 6,500円 ※発売日初日のみお一人様1公演のみ枚数制限なし 世田谷区民割引 S席 6,700円
http://setagaya-pt.jp/theater_info/2007/06/post.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2007年06月22日
【オーディション】チェルフィッチュ新作&『三月の5日間』出演俳優オーディション
チェルフィッチュが新作本公演『フリータイム』(仮)の俳優と、『三月の5日間』のツアーメンバーを募集するそうです。詳細はこちら!
『三月の5日間』は今年12月から来年1月にかけて国内ツアーがあるんですね。新作東京公演は2月24日(月)~3月5日(水)だそうです。両作品とも海外公演があります。ものすごいチャンスですよ!!
※申し込み締切:2007年7月20日(金)郵送必着
下記は公式サイトよりの部分引用です。
●オーディション開催概要
(上記2作品のオーディションを同時開催)
1. オーディション審査内容・日程
第一次審査 書類選考(書類申し込み) 7月20日必着
第二次審査 オーディション(第一次選考通過者対象)
8月2日(木)-4日(土)のいずれか1日
第三次審査 オーディション(第二次選考通過者対象)
8月16日(木)-18日(土)のいずれか1日
※第一次審査および第二次審査はワークショップ形式となります。場所は横浜を予定。
※オーディション参加日にNGがある方は、申込時にお書き添え下さい。
2. 応募資格
稽古に全日参加できる方
国内および海外ツアーへの参加を最優先にできる方
3. 申し込み方法:以下のものを、下記まで郵送願います。
・プロフィール
・写真2 枚(全身・顔)
・お名前、ご住所、お電話番号、携帯電話番号、メールアドレス(PCおよび携帯電話)
・これまで観たチェルフィッチュの作品名および、チェルフィッチュのどこに興味をもっているか。(400字以内)
4. 申し込み締切:2007年7月20日(金)必着
■お申し込み・お問い合わせ先
プリコグ
〒155-0032 東京都世田谷区代沢1-8-9-202
Tel: 03-3410-1816
http://precog-jp.net
info(アットマーク)precog-jp.net
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2007年06月21日
クロカミショウネン18『ノモレスワ。』06/20-24ザ・ポケット
クロカミショウネン18は野坂実さんが作・演出される劇団です。「18」は発音しないようですね。シチュエーション・コメディを作る団体だと耳にしておりまして、私は今回が初見です。
よくもまあ細かく仕込んであるなぁ~と感心しましたが、そこまでやらなくても・・・と思った約2時間強でした。
⇒CoRich舞台芸術!『ノモレスワ。 』
レビューをアップしました(2007/06/24)。
≪あらすじ≫ 冒頭部分が少しネタバレしています。読んでから観に行っても問題ないと思います。
男は、自分の浮気のせいで精神を患った妻を、毎年利用しているリゾート・ホテルに連れてきた。自分のことを思い出してもらおうと必死で語りかけるが、妻は反応しない。絶望した男は5階のベランダから飛び降りた!・・・が、たどり着いたのは5年前の同じ場所、ホテルの501号室だった。
≪ここまで≫
舞台はホテルの一室。エレベーターや廊下のダストシュートなど、部屋の装飾も含めてがんばって作りこまれた美術でした。個人的には天井部分の壁もあったことに好感がもてました。ただ、ドアを挟んでの演技などは、座席によっては見えづらかったのではないでしょうか。私はありがたいことに問題なく拝見することができました。
ネタになるセリフや大げさな演技が敢えて散りばめられており、しっかり計算して書かれていることが、後から後からわかってきます。タイムマシンもののドタバタコメディーとしては、きっとお好きな方がいらっしゃるだろうなと思いました。でも最後までに、恋愛もの、冒険もの、そして深刻な人間ドラマまで入ってきたので、いったい何を伝えたいのかしらと考えちゃいました。
役者さんは・・・おぼつかない感じでしたね。脚本の筋道を伝えるだけの存在になってしまっている人が多かったです(全員ではないです)。
ここからネタバレします。
夫(とその兄)は過去に戻って、自分の犯した過ちをなかったことにしようと試行錯誤します。そのドタバタに笑いがいっぱい仕込まれています。
オープニングでは妻が心の病を持っているように描かれますが、実は夫の方が若年性認知症だったとわかります。その仕組みを示したところで終わっててくれたらな~・・・。CoRichの公演詳細に書かれている“若年性認知症の介護に疲れた夫婦がいた”というのがねっとり描かれてびっくりしました。あれは余計だと思いました。
カーテンコールは、おんおん泣いて“介護に疲れた夫婦”を演じていた2人の役者さんが、涙を拭きつつ挨拶されていました・・・。う~ん、それってどうかしら。2人とも拍手待ちをされたので驚きました。クロカミショウネン18って暖かいお客様が多いんでしょうね。
『ノモレスワ。』って、反対から読んで『忘れ物』だったんですね。
出演=渡辺裕也/吉田亜貴代 /加藤裕/久米靖馬/和田良/青木十三雄(ヒューマンスカイ)/日ヶ久保香/阪上善樹/柴田みゆき/太田鷹史/楢原拓(チャリT企画)/米田弥央(カムカムミニキーナ)/笹野鈴々音(風琴工房)
作・演出:野坂実 舞台美術:袴田長武(鴉屋) 音楽:北原慎治(ダムダム弾団) 照明:菊地謙一 音響:平井隆史(末広寿司) 舞台監督:大友圭一郎 演出助手:北川翔子 宣伝美術:オクマタモツ WEB制作:久保文子 映像撮影:トリックスターフィルム 制作:大谷美有希 プロデューサー:樺澤良 企画製作:クロカミショウネン18/劇団制作社
チケット(全席指定)
前売り:2800円 当日券:3200円 中高校生割引:2000円(※当日受付にて要学生証提示)
http://www.ks-18.com/
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2007年06月20日
新国立劇場演劇『氷屋来たる』06/18-07/08新国立劇場 小劇場
ピューリッツァ賞を4度受賞しているユージン・オニール戯曲の上演です。新国立劇場ならではの超豪華キャスト。
新国立劇場でのオニール戯曲上演は、『夜への長い旅路』『喪服の似合うエレクトラ』(ともに栗山演出)に続いて3度目です。演出の栗山民也さんの、新国立劇場芸術監督としての最後の仕事になったんですね。
上演時間はカーテンコールを含んでおよそ3時間50分(休憩15分を含む)でした。全く緊張の途切れない、希有な長時間観劇となりました。
⇒CoRich舞台芸術!『氷屋来たる』
レビューは後ほどアップ予定。
≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。
1912年夏、ニューヨーク下町の酒場では、行き場のない連中が安酒に酔っては壮大な夢を語り合って自分を慰めている。そこにセールスマンのヒッキー(市村正親)が登場。彼は毎年酒場の主人ハリー・ホープ(中嶋しゅう)の誕生日には訪れて、連中に酒をおごり、実現しないであろう彼らの夢をくすぐり喜ばせていたのだ。しかし、今夜のヒッキーはいつもと様子が違っていた。突然、どうすれば本当の心の平和が得られるのかと、連中を説得してまわる彼の身にいったい何が起こったのか・・・・・・。
≪ここまで≫
出演:市村正親/岡本健一/中嶋しゅう/たかお鷹/花王おさむ/大鷹明良/宮島健/武岡淳一/小田豊/久保酎吉/二瓶鮫一/明星真由美/野々村のん/岡寛恵/伊藤総/粟野史浩/木場勝己
作:ユージン・オニール 翻訳:沼澤洽治 演出:栗山民也 美術:島次郎 照明:勝柴次朗 音響:上田好生 衣裳:前田文子 ヘアメイク:佐藤裕子 歌唱指導:伊藤和 演出助手:豊田めぐみ 舞台監督:加藤高
一般発売日:2007年4月28日(土)10:00~ A席5,250円 B席3,150円 Z席1,500円
http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/10000125.html
ポかリン記憶舎『息・秘そめて』06/19-24こまばアゴラ劇場
明神慈(みょうじん・やす)さんが作・演出されるポかリン記憶舎は大好きな劇団です(過去レビュー⇒1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11)。受付はいつもどおり和服美女が迎えてくれました。初日は超満員。上演時間は約1時間20分。
⇒CoRich舞台芸術!『息・秘そめて』
≪あらすじ≫ 場所がどこなのかがわかるだけで、ちょっとネタバレになります。
ある有名写真家(古屋隆太)による写真教室。1日だけの体験コースのようだ。10人限定の小さな集会に集まった生徒は5人。雨で遅れている人もいるらしい。デジカメやインスタント・カメラでの撮影が始まる。それぞれに写し、写されあう人々。撮り終わった後は写真を現像して鑑賞会が始まった。
≪ここまで≫
こまばアゴラ劇場のエレベーターでの入場になりました。いつもの入り口が美術でふさがれているんですね。『煙の行方』『煙ノ行方』でもそうでしたが、ここがアゴラだってことを忘れてしまうような空間でした。
ポかリン記憶舎に私が期待するのは「死とエロス」だったんだな~と、この作品を観終わった後に思いました。今回は写真と写真を撮ることに焦点が当てられていて、いわば「生」の方がクローズアップされていたように思います。「生」を見ることで「死」が感じ取れるようにもなってはいましたが、ぞくぞくするぐらい恐ろしい心の闇や、見た目には何も起こっていないのに実は恋(嫉妬)の炎が燃え盛っていたりとか、そういう奥の部分を感じ取るのに充分な完成度ではなかったように思います。
何度もレビューに書いていますが、ここ数年で私の好みはとても変わって来ています。最近はストーリーにあまり執着しなくなり、目の前で起こる出来事とそれに反応する人間の姿、そこから生まれる感情などを味わう方が重要になりました。むしろ、それがなければ楽しめないぐらいになっています。
今回の作品では、ポかリン記憶舎の独特のスタイルを見ることはできましたが、役者さんの演技がわざとらしく感じてしまいました。セリフが発せられている時や人が登場する瞬間なども、「○○を感じさせるため」だったり「~~を伝えるため」だったり、何らかの目的のための作業のように見えることが多かったです。
暗転の間際が、やっぱり素晴らしかったです。なぜ、いつも、あの残像が残るのでしょう。『Pictures』のラストシーンを思い出しました。
ここからネタバレします。
生徒さんによる写真の撮影会は演劇のワークショップに似ていました。自己紹介したり、作品を発表しあったり、身体を動かして実践していく作業の中で、何かに気づいていくんですね。
出演=中島美紀 日下部そう 浦壁詔一 古屋隆太(青年団) 福士史麻(青年団) 境宏子(リュカ.) カネダ淳 井上幸太郎 桜井昭子 綾田將一 ※並木大輔が降板し、代役は綾田將一
作・演出=明神慈 音楽=木並和彦 舞台美術=杉山至+鴉屋 舞台監督=寅川英司+鴉屋 照明=木藤歩 音響=尾林真理 写真=松本典子 AD=松本賭至 衣裳=フラボン
【発売日】2007/04/14【前売・予約】一般:3000円 平日マチネ割引:2500円 学生・和服:2500円(予約のみ・こまばアゴラ劇場にて取扱い) 【当日】3500円 平日マチネ割引:3000円
http://www.pocarine.org/
http://www.komaba-agora.com/line_up/2007_06/pocarine.html
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2007年06月19日
【演劇教育】シンポジウム「演劇教育でガッコーを面白く!」の会「演劇人が、ガッコーを変える? 学びの場の最前線」06/17ヨシモト∞ホール
ヨシモト∞ホール入り口
私は「小学校、中学校(できれば高校も)の授業に演劇の時間を作って欲しい」と思っています。だから平田オリザさんと鈴木寛さんがプロデュースする“「演劇教育でガッコーを面白く!」の会”というのは、まさに私の願いにドンピシャな名前でした。
知り合いから情報を得て、その団体のキックオフに当たるイベントに伺うことができました。
図工、音楽などの芸術の授業の中に演劇という科目がないのは、世界的に見れば珍しいことだそうです。国立大学の中に演劇学科が存在しないのって、先進国の中では日本だけなんですよね(伝聞ですが)。
ワークショップは平田さんの指示のもと、20人ぐらいの大人が元気に楽しく参加されていました。見せていただいたのは基本的なもので、私も他のワークショップなどで見たことがあるものでしたが、平田さんがこのワークショップで子供たちが何を学ぶことができるかなど、易しく、詳しく説明してくださったおかげで、改めて演劇教育という視点からのワークショップを知ることができたように思います。
入り口に貼られたパンフレット
シンポジウムでは、フィンランドの国語教育やPISA(国際学力調査:programme for International Student Assesment)のことがほとんど常識のように語られていました。嬉しかったです。
⇒フィンランド国語教科書 ⇒福田誠治 著「競争やめたら学力世界一~フィンランド教育の成功~」
演劇教育、日本でどんどこ動いてるんですね。同じことを望んでいる人がこんなに沢山いるんだと確認できて、すごくホっとしました。微力ながら、「演劇教育でガッコーを面白く!」の会を応援していきたいと思います。
■公開ワークショップとシンポジウム「演劇人が、ガッコーを変える? 学びの場の最前線」
〈出演〉
平田オリザ(劇作家、演出家)
宮台真司(社会学者、首都大学東京教授)
寺脇研(映画評論家、京都造形芸術大学教授)
鈴木寛(参議院議員、社会創造家、日本教育再興連盟代表理事)
日時:6月17日(日)17:00-21:00
開場 16:40
第1部 17:00-18:10 公開ワークショップ
第2部 18:20-19:50 シンポジウム
第3部 20:00-21:00 懇親会
終了 21:00(予定)
料金:無料
会場:ヨシモト∞ホール(東京都渋谷区宇田川 31-2渋谷ビーム内)
主催:「演劇教育でガッコーを面白く!」の会 ( produced by Oryza&Suzukan&D-Crew)
※公式ホームページが出来て欲しいですね。
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2007年06月17日
風琴工房『crossing』06/16-17駒込ラグロット
詩森ろばさんが作・演出される風琴工房。「CoRich舞台芸術まつり!2007春」グランプリ受賞団体です。
前田司郎さん(五反田団)の戯曲「おやすまなさい」、野木萌葱さん(パラドックス定数)の戯曲「5 seconds」の2本立てで、演出は詩森さん。初日前日のリハーサルを2本連続で拝見しました。
劇団員の訓練も兼ねた小空間の企画ですよね。観客の息遣いが聞こえそうなほどの近さで2人芝居を見せるのですから、充実の経験になることと思います。
⇒CoRich舞台芸術!『crossing』
ここからネタバレします。
■Aプロ「おやすまなさい」
五反田団で何度か再演されているようですが、私は全くの初見でした。簡単に言うと眠い人(松岡洋子)と、相手を眠らせないようにする人(宮嶋美子)の2人芝居。
もしかしたら眠い人は死んじゃう/死んじゃってるのかも?と匂わせるのが面白いですね。ただ、作品全体としてはアイデアを形にしてみた段階で止まっているように感じました。
松岡さんが白い悩殺スリップ姿でゴロゴロ寝転がり、「あぁ、ふとももが!胸元がっ!!」とビクビクしていると、さらに宮嶋さんがTシャツを脱いじゃって・・・目のやり場に困る、贅沢な環境でした(笑)。
うさぎの形をした照明が可愛らしかったです。
■Bプロ「5 seconds」
パラドックス定数版で2004年に拝見しました。大好きです、この戯曲。飛行機の墜落事故を起こした機長(浅倉洋介)と彼の弁護人(山ノ井史)との2人芝居。サンモールスタジオの『Nf3 Nf6』でも野木さんの作品を観たばかりで、いろいろ比べながら観られて楽しかったです。
感情をそのままに出していこうとする血の通った演技で、意味も流れもわかりやすく仕上がっていたように思います。機長自ら飛行機を墜落させる方向へ舵を切った理由、そしてそれが彼の精神の病いのためだったことが、ストンと腑に落ちるほど気持ちよく伝わってきました。
弁護人は自分が信じる正義のために、必死で周りの環境や目の前の手ごわい相手(機長)に向かって挑んでいきます。機長は機長でかよわい神経でふらふらしながらも、自分のプライドを守ろうと必死です。そんな男の子同士が強情で負けず嫌いな気持ちをぶつけ合うのは、スリリングでとても面白いです。「んもうっ!可愛いゼ!」って思って、にやにや笑いながら興奮しちゃうところもありました。
Aプロ 「おやすまなさい」作=前田司郎(五反田団) 演出=詩森ろば
出演=松岡洋子・宮嶋美子
Bプロ 「5 seconds」作=野木萌葱(パラドックス定数) 演出=詩森ろば
出演=浅倉洋介・山ノ井史
単独券1800円 共通券3000円(Aプロ・Bプロを1回ずつ)
劇団:http://www.windyharp.org/
会場:http://www.la-grotte.com/
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ルームルーデンス『サロメ オーケストラ版』06/14-17芸能花伝舎 体育館特設会場
ROOM RUDENCE(ルームルーデンス)は1995年から活動開始された、田辺久弥さんが演出される劇団です。
全曲オーケストラでの生演奏というスタイルは昨年から始められたそうです。ホントのホントに、オーケストラが、体育館に、居ました。曲もオリジナルだそうです。一般3500円は安すぎでしょう。
劇団サイトで田辺さんと演劇ライター・徳永京子さんのロング・インタビューが読めます。すごく充実した内容ですので、ぜひぜひお読みくださいませ!高校生のエデュケーション・プログラムに興味が沸きました。
※受付の対応が非常に残念なものでした。誰もチャレンジしないようなことをされていると思いますので、それを箱に入れてリボンをかけて美しいパッケージにしていただければ、もっと多くの観客に届けられると思います。
⇒CoRich舞台芸術!『サロメ オーケストラ版』
体育館の舞台の上にオーケストラ。舞台下にはグランドピアノとティンパニもいました。マジかよ?!って思いましたね、最初(笑)。でも音はスピーカーを通してだったのがちょっと残念。てゆーか私が高望みすぎですよね、オペラじゃないんだから(笑)。
客席後方のイントレに乗って指揮者が指揮をするのは、絵的にもかなり面白いです。しかも場所が元・小学校の体育館ですから、奇妙なミクスチャーです。
体育館のフロアに白い花吹雪のようなものが敷き詰められています。役者さんはその上を歩くので、その吹雪が動いてわだちができます。他にも色んな仕掛けがありましたね~・・・これでもか!って言うほどのサービスだったように思います。「サービス」という言葉は適切でないかもしれませんが。
『サロメ』はルームルーデンスでは何度も再演を繰り返しているレパートリーだそうで、今作ではインタビューにもありますように「視点を父親(ヘロデ王)に合わせた家族劇」でした。『サロメ』は私も大好きな小説で、演劇作品やオペラでも関連するものを何作か拝見しています。今作でのコンセプトについては、私は残念ながら共感できませんでしたね。私がアングラ的なものが苦手だからではなく、『サロメ』という作品の解釈が全然違うんだなと思いました。それもインタビューを読んでよくわかって良かったです。
サロメ(柿澤亜友美)の舞は大迫力でした。その舞の後でサロメの長い独白があるのですが、そこでの演技が素晴らしかったと思います。まず柿澤さんの容姿がとても美しいですし、ヨカナーンを欲する純粋な気持ちが伝わってきました。
ここからネタバレします。
病院のモチーフがよく使われるようですね。患者が着せられる妙なパステルカラーの前空きの服、点滴を吊るすためのキャスター付きのステンレス器具、目の不自由な人のための杖、車イス、包帯など。視覚的にわかりやすいので効果はあると思いますが、もうちょっと洗練されて欲しいなと思いました。
赤と緑、紫などの色合いの照明は好きになれませんでした。
ヨカナーンの首がキャベツだったのは面白かったです。キャベツって形が脳みそに似てますよね?サロメが「お前の口にくちづけするよ」と言ってキャベツをかじりまくるんですから・・・ホラーですよ、ホラー!!さらに、床に散らばっていたのはおそらくシュレッダーにかけられた白い紙だと思うのですが、キャベツの千切りとイメージが重なっちゃいました・・・。千切りの脳みそがよりどりみどり!血みどろの残酷祭りですよ!私の頭の中でだけですけど(笑)!!
究極の不良娘とはいえ、娘を殺してしまった父ヘロデ王(倉知成満)と、心から愛していたわけではないが娘を殺されたヘロデヤ王妃(黒木美奈子)。サロメの死後、ヘロデとヘロデヤのベタなメロドラマが始まってしまったのは意外だったし、残念でした。ホラーですっごく盛り上がってたし(笑)。
最後は大きな白い布に、現代の女学生姿のサロメとごく普通の夫婦姿のヘロデとヘロデアの、3人家族の記念写真が映し出されました。同時にヘロデ王が衣裳を脱いで現代服になり、今まで描かれた『サロメ』の世界が日常とつながるという仕掛けでしたが、私には取って付けたような印象でした。
≪東京、関西、広島≫
出演=倉知成満/黒木美奈子/棟方絵夢/柿澤亜友美/高木菜緒/筆塚健太/中山志織
【オーケストラ】作曲・編曲・指揮=中村康隆 ボーカル=五阿弥瑠奈 (from Ooze)/カマタユキ(広島のみ) ヴァイオリン 小倉勇樹 (コンサートマスター)/石山町子/和泉有音/田川小百合/田原稚子/趙御鈴/樋口秀樹/小山亜紀(関西のみ) ヴィオラ=坂本晴人 ヴァイオリン・チェロ=中山雅俊 コントラバス=生形憲市郎 Eバス=矢野敦 グランドハープ=青砥貢美 ピアノ=伊藤祥子/上野智子 パーカッション=AIKO99/伊藤Dotechin' PA=辻村篤記録(広島のみ) フルート=本田世志子 Kura=藤田紗織(関西のみ) クラリネット=和田貴嗣 ホーン=酒井麗/大宮徳子(関西のみ) トランペット(ラージホーン)=わたのみどり/宮崎愛子(関西のみ) トロンボーン=HTB/前田尚基 A.E.ギター=有田易弘(from Ooze)
原作=オスカー・ワイルド 翻訳=日夏耿之介 演出=田辺久弥 照明=橋本剛 舞台監督=小野八着/小野貴巳(Jet Stream) 写真=植村忠透 稽古場協力=急な坂スタジオ 協力=メーザーミュージックハウス/辻村篤紀/阪口りこ
一般 ¥3500 高校生以下 ¥2500 伊丹市民の皆様 ¥2500
http://roomrudence.com/
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2007年06月15日
東京ノーヴイ・レパートリーシアター『どん底で』06/07東京ノーヴイ・レパートリーシアター
東京ノーヴイ・レパートリーシアターの第3シーズンが終了するとのことで、『ワーニャ伯父さん』『かもめ』続いて『どん底で』を拝見してきました。上演時間3時間50分(休憩15分を含む)っていうのは長すぎましたね(苦笑)。でも初ゴーリキが良い印象になって嬉しかったです。すごい脚本、でした。でもしばらく観たくないな、つらいから(笑)。
⇒CoRich舞台芸術!『どん底で、他』
⇒「マクシム・ゴーリキー『どん底』にみる社会主義体制崩壊の原因と現代日本に蔓延する社会問題の関係性」(“よろず小説取り扱いはっくん堂本舗”より)
≪あらすじ≫ パンフレットより
地下の粗末な木貸宿。泥棒、娼婦、前科者、アル中の役者など、様々な事情を抱えた男女がその日暮らしの生活を送っている。そこへ不思議な老人が舞い込み、彼らの生活が変化し始める。
≪ここまで≫
シーズンを通して基本になる装置は同じです。下手舞台手前から上手舞台奥へと、舞台を斜めに横切るように黒い壁が設置されています。壁といっても下手の方は奥がそのまま見える枠のような状態。上手では壁の前で演技をします。観客には見えない壁の向こう側の出来事を想像させてくれるので、この装置はとても面白いと思います。
『どん底で』はいかにもロシアっぽい、暗い、つらいお話です。前半は役者さんの演技にわざとらしさを感じて入っていけませんでしたが、後半の第3幕の大事件が治まった後の第4幕で、「そうか、そういうことだったのか」と腑に落ちました。なんて凄い脚本なんだ・・・。ゴーリキの作品、もっと観ないとな。
ずーーーーーーーーーと、おしゃべりが続くだけなんです、実は。人々はただ、何もせず、ぐだぐだ、だらだらとしゃべり続けます。第3幕で事件が起こるまでは・・・。事件後の第4幕でもやっぱりおしゃべり。でもそこには確実な変化があり、その変化を味わうことでやっと意味が理解できる、最後まで観てやっとわかる作品なんですね。
「事実、現実、真実なんてものは、必要なの? それこそが人間をダメにしてしまう、殺してしまう原因なのかもしれないよ。でも、それに蓋をして逃げることは決してできない。だったら、真実をパッケージに入れて外側から眺めて、夢や幻、想像の世界と平列に並べればいいんじゃないかしら」こんな風に思いました。
若い泥棒ペーペル役の渡部朋彦さんが登場するとパっと舞台が明るくなりました。3幕では愛嬌たっぷりに演技してくださり、客席に笑いも起きました。4幕のサーチン役の菅沢晃さんの長いセリフが素晴らしかったです。意味も気持ちも、ありのままに受け取ることができました。あんなに長い一人セリフを聞いたのは久しぶりかも、いや、初めてかも。
渡部朋彦さんは『ワーニャ叔父さん』の医者役、菅沢晃さんはワーニャ役でした。レパートリーシアターという名前の通り、この団体は手持ちの数演目を毎日演目を変えて上演しています。それって・・・凄いことですよね。役者さんは常に数役のキャラクターを持っていて、セリフをすべて覚えており、「今日は○○」「明日は△△」という風に上演するんです。この団体の演出家レオニード・アニシモフさんはロシアの方で、ロシアでのやり方をそのまま実践されているのでしょう。ひとつのシーズン中に複数の演目を観たからわかったことでした。
ここからネタバレします。
不思議な老人の思いやり、素直ないたわりの気持ちに触れて、安宿の住人達に変化が生まれます。泥棒が牢屋に入り、足にやけどを負った娘が失踪してしまうという悲しい事件の後、住人達は去ってしまった老人の話をします。そのシーンには、それまでにはなかった静けさがありました。
アル中の役者(安部健)が自分の持ちゼリフを言おうと客席に向かって立ちますが、すっかり忘れていることに気づいて落胆します。無言で客席を向いて立っている時の姿が、すごく光っているように感じました。自然に会話を続けるお芝居なので、あんなに堂々と客席に向かうことが少ないんですよね。正面を向いた時にあれだけの存在感があるのですから、今どきの普通のお芝居にこの団体の役者さんが出演したら、どんなことが起こるんでしょうね。
出演=コストィリョーフ:広中隆 ヴァシリーサ:池之上真理 ナターシャ:中澤佳子 メドヴェージェフ :小倉崇昭 ペーペル:渡部朋彦 クレーシチ:稲田栄二 アンナ:中村恵子 ナースチ:名児耶玲子 クヴァシニャー:浜中昭子 ブブノーフ:上原雄志 サーチン:菅沢晃 役者:安部健 男爵:天満谷龍生 ルカー:佐藤誠司 アリョーシカ: 和田裕貴 クリヴォイ・ゾーブ :後藤博文 ダッタン人:武藤浩助
作=ゴーリキー 演出=レオニード・アニシモフ
前売り3500円 当日3800円 学生2000円 シーズン通し券10,000円
http://www.tokyo-novyi.com/
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2007年06月14日
サンモールスタジオ・プロデュース特別公演『Nf3 Nf6』06/13-17サンモールスタジオ
パラドックス定数(作・演出:野木萌葱さん)の男2人芝居『Nf3 Nf6』を、サンモールスタジオ代表の佐山泰三さんが演出されます。キャストがA(江戸川卍丸/加藤敦)、B(寺十吾/今里真)の2バージョンあり、私は初日にBバージョンを拝見しました。上演時間は約1時間20分。
席によって見えづらさに差が出ます。一番前の席か、もしくは客席後方・ひな壇の上の方の席をお薦めします。私は3列目(はじめての段差がある列)だったんですが、床に座った状態での演技はほとんど見えなかったです・・・。
⇒CoRich舞台芸術!『Nf3 Nf6』
今週はパラドックス定数の作品がもう1本、風琴工房で上演されます。ちょっとしたフェスティバルですね。
⇒CoRich舞台芸術!『crossing』(「おやすまなさい」「5 seconds」2本立て)
当日パンフレットの演出家の文章に、
「時間と場所(1945年2月15日早朝 ドイツ・ザクセンハウゼン強制収容所)だけは頭に入れておいてください。」
とありました。劇場に入ると壁にナチス軍や当時のドイツの街並みなどの白黒映像が流されていましたので、初演のパラドックス定数版よりずっとわかりやすい導入でした。
開演前に演出の佐山さんがタイトルを「ナイト・エフ・さん・ナイト・エフ・ろく」と言ってらっしゃいました。てっきり「ナイト・エフ・スリー・ナイト・エフ・シックス」と読むと思ってたな~(笑)。日本語上演ですものね、日本語でいいんですね。
≪あらすじ≫ パンフレットより。
白のナイトをfの3へ。黒のナイトをfの6へ。
これはもっとも難解な展開となるチェスの初手である。
945年2月15日早朝。ドイツのユダヤ人強制収容所。
看守は将校。囚人は数学者。
チェス盤を間に展開する壮絶な頭脳戦。
さあ、私とチェスをしましょう。
≪ここまで≫
パラドックス定数の野木萌葱さんの戯曲を、野木さん以外の方の演出で観たのは初めてでした。脚本にも変更が加えられているようです。非常に緻密で複雑なお話なので、2回目だけれどもストーリーを初めて追うような気分で楽しめました。
演出と演技についてはちょっと残念な仕上がりでした。役者さんのかつ舌がはっきりしないのでセリフが聞こえづらかったり、床に座った状態での演技が見えなかったり・・・ん~、もったいないですよね。また、「このシーンではこういう感情が出てくるはずじゃないのかな」と、違和感を感じることもありました。
開幕してすぐ、寺十吾さんが床を向いて力なく立っている姿にはゾクっと来ました。
ここからネタバレします。
ユダヤ人強制収容所の看守と囚人という関係から、数学者同士の暗号解読の戦い、そして互いの兄弟殺しにもつながっていきます。スリリングでドラマティック!
野木さんの戯曲を野木さんが演出される作品ばかりを観て来たので、違う方が演出されるのを観て、いろいろ気づくことがありました。野木さんの演出、かなり個性的だったんですね。
2人がチョークで壁に数式を書くところは、昔の友人関係に戻ったような、無邪気で楽しい時間になるはずじゃないのかしら。
最後の銃声は初演ではなかった気がします。オープニングも前日(かな?)のシーンがあって、わかりやすくなっていたような。うろ覚えですが。
【出演】Aバージョン:江戸川卍丸(劇団上田)/加藤敦(ホチキス) Bバージョン:寺十吾(tsumazuki no ishi)/今里真
作=野木萌葱(パラドックス定数) 演出=佐山泰三 照明=長沢宏明 宣伝美術=山本百合美 協力=日本チェス協会 企画・製作=(株)サンモールスタジオ
【発売日】2007/04/21 日時指定/全席自由(前売・当日共)一般/2500円 2バージョンチケット/3000円(前売のみ)※サンモールスタジオにて取扱い
http://www.sun-mallstudio.com/nf3nf6tirashi.html
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2007年06月13日
タテヨコ企画『ムラムラギッチョンチョン』06/06-12駅前劇場
横田修さんが作・演出されるタテヨコ企画。私は初見です。修行僧のお話で、本当に坊主頭になった役者さんが登場するお芝居でした。修行僧モノは3作目なんですね。『ムラムラギッチョンチョン』ってタイトル・・・なぜに?(笑)
奥行きがあって透明感もあるリアルな日本家屋の美術が素晴らしかったです。
⇒CoRich舞台芸術!『ムラムラギッチョンチョン』
レビューは後ほどアップ。
≪あらすじ・作品紹介≫ CoRich公演詳細より
『食って寝て、とにかく坐るだけ。』
失踪から三ヶ月。修行僧の居場所が判明した。
迎えに行く仲間を待つのは、美しい姉妹と別人のような男。
そして人を食ったような村人たち。何かがおかしい。
見知らぬ集落の外れで、彼らは不思議な物語を体験する。
タテヨコ企画が満を持してお送りする修行僧シリーズ第三弾!
≪ここまで≫
≪下北沢、淵野辺≫
出演=舘智子 藤崎成益 好宮温太郎 青木柳葉魚 中尾祥絵 工藤治彦 青木亜希子 市橋朝子 服部健太郎 (以上、劇団員) 太田善也(散歩道楽) 小高仁 佐野陽一(サスペンデッズ) 地獄谷三番地(劇団上田) 代田正彦(北区つかこうへい劇団) ムラコ(サミットクラブ)
作・演出=横田修 舞台監督/田中翼 照明/鈴村淳 舞台美術/濱崎賢二(六尺堂) 宣伝美術/京 チラシイラスト/糠谷貴使 写真撮影/平地みどり 演出助手/藤田貴大 制作/タテヨコ企画制作部+森佑介 製作/タテヨコ企画
【発売日】2007/05/10 前売3,000円(日時指定・全席自由) 当日3,300円 学生割引2,800円(劇団のみ取扱/要予約/当日受付にて学生証をご提示下さい) ビデオ撮影日 前売・当日共 2,000円(劇団のみ取扱) 平日マチネ割引 前売・当日共 2,500円(劇団のみ取扱)
http://tateyoko.com/
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【ワークショップ】芸団協・新国立劇場NNTドラマスタジオ「現役の俳優のためのリフレッシュコースVol.2<俳優の身体を見つめる>」07/09-20芸能花伝舎
今年3月に開催された芸団協と新国立劇場との共催ワークショップの第2回です。
講師は前回とは少し変わるそうですね。ジェレミー・ストックウェルさんには一度お会いしたことがあります。ものっすごく素敵な方です!出会った瞬間に大きな愛情で包まれたような気持ちになりました。私も受けたいな~(笑)。
下記、芸団協サイトより引用。参加資格などの詳細はサイトにてご確認ください。
【期間】2007年7月9日(月)~7月20日(金)
ただし、14日から16日の土曜・日曜、祭日は休み
【参加費】84,000円
【お申し込み】
所定の用紙(PDFダウンロード)に必要事項を記入し、顔写真を添えて、
5月21日(月)から6月18日(月)の間に必着で、下記に送付してください。
書類選考のうえ、6月26日(火)までには参加の諾否をお知らせいたします。
⇒6/26まで追加募集!
応募書類は返却しませんのであらかじめご了承下さい。
【宛先】
〒160-8374 新宿区西新宿6-12-30 芸能花伝舎2F
芸団協 CS担当部リフレッシュコース係 宛
【ワークショップ】アクターズワークス「俳優のためのアクティングワークショップ」07/19-08/04東京都内
柚木佑美さん(中央)
柚木佑美(ゆうき・ひろみ)さん が主宰する“Actors Works(アクターズワークス~俳優の仕事~)”のワークショップが7月に開催されます。⇒昨年のワークショップのレポート
昨年1年間はお休みされていたので久々の開催だそうです。約1年ぶりに柚木さんにお会いしてきました。
写真左から:釈種サヤカ(しゃくしゅ・さやか)さん・柚木さん・沓名紀孔代(くつな・きくよ)さん ※釈種さんと沓名さんはワークショップの生徒さんで、お二人とも劇団朋友に所属されています。
同じく柚木さんの生徒である黒澤世莉さんが主催される時間堂でも、柚木さんのワークショップが開かれますね。こちらはもうすぐ始まります。
⇒時間堂「俳優向けワークショップ」06/26-07/15(全10回・東京都内で開催)
柚木さんがワークショップで教えてくださるのはマイズナー・テクニックです。詳細はActors Worksウェブサイト、および私のレポートを参考になさってください。
※私が見学したのは上級者クラスですので、今回のエクササイズクラスとは具体的な内容は異なります。
柚木さんが心から望んでらっしゃるのは俳優の自立。玉石混交の日本演劇界でいったいどんな芝居を作りたいのか、どんな演技をしたいのかを、自分で考えて生きていける俳優が増えて欲しいと願ってらっしゃいます。
柚木「俳優にプライドを持ってもらいたい。私がそれを演技の面で支えられるなら、役に立ちたいと思っています。」
生徒の沓名さんがおっしゃるには、柚木さんのクラスを受講することで今の自分の位置を知ることができるそうです。
沓名「望まれたことをこなしたり、えらい人の期待に応えることに必死になっている内に、自分が何をやりたいのか、今どういう状態なのかを見失います。だから支えが欲しい。そして自分を磨く場所が必要だと思います。」
マイズナー・テクニックを通じて自分を知ることにつながれば、自分がやりたいのは何か、向いているのは何かがおのずと出てくるそうです。
柚木「人間は誰もひとりひとりが全く違います。本人がやりたいことを見つけて、自立して生きていってもらいたい。そしてさらに個性を伸ばすきっかけになれば。」
柚木さんは特にどんな作品が良いとか悪いとかの考えは持ってらっしゃいません。その視線は俳優に向けられています。
柚木「映画だったり商業演劇だったり、小劇場だったりアングラだったり、活躍の場は人それぞれです。いま、自分がいる場所でもうひとつ上に行けるように。自分を知り、それを表に出すことができるようになれば、舞台で本当に喜んで楽しむことができれば、その時に自分のエネルギーが出てくる。そして観客はそのエネルギーをもらってお金を払うのだと思います。」
ワークショップについてのお話がひととおり終わって、ちょっぴりおしゃべりできました。
柚木「オープンなオーディションがもっともっと増えて欲しいですね。オーディションがないと俳優は勉強しないですし(笑)。」
私も一観客としてオーディションが増えて欲しいと思います。有名な俳優さんも観たいですが、話題の作品の顔ぶれがいつも似かよっているのは退屈なのです。最近、特に大手の公演の時にそう感じます。
■ワークショップ詳細 ※チラシに掲載された情報です。
【コース】エクササイズクラス
※エクササイズクラス終了後、ディープエクササイズクラス、キャラクター&シーンクラスと続きます
【日程】7/19(木)~8/4(土) 全10回 時間はすべてPM6:30~9:30
2007年7/19(木)
7/21(土)
7/22(日)
7/24(火)
7/26(木)
7/28(土)
7/29(日)
7/31(火)
8/ 2(木)
8/ 4(土)
※予備日程:8/5(日)・8/7(火)・8/9(木)
【会場】東京都内
【定員】最大12人 最低7人
【受講資格】18才以上(高校在学中は不可)のプロの俳優、もしくはプロの俳優を目指す方で、心身共に健康な男女。
【申込締切】 2007年7月12日
※定員になり次第締め切り。最少人数に満たない場合中止の可能性あり。
【受講料】年会費3,000円 受講料35,000円
※本年分の年会費を既に支払われた方は受講料のみ。
【申込方法】氏名、住所、電話番号、年齢、プロフィールを記入のうえ、郵送・メール・ファックスにて申し込み。
【連絡先】
〒151-0066東京都渋谷区西原3-17-4第2西原フラット201
アクターズワークス アクティングクラス係
FAX:03-3465-0705
E-mail:actorsworks(アットマーク)yahoo.co.jp
URL:http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Theater/6040/
お問い合わせ:制作 沓名(くつな) 090-1814-8179
【支払方法】上記の受講料・年会費等を申込締切日までに下記へご入金下さい。
振込み先:三菱東京UFJ銀行 代々木上原支店 普通 0705117 アクターズワークス
※お手続き後のキャンセルはご遠慮くださいますようお願い申し上げます。
アクターズワークス:http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Theater/6040/
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2007年06月12日
M&Oplays+ペンギンプルペイルパイルズ プロデュース『ワンマン・ショー』06/07-17シアタートラム
倉持裕さんが岸田國士戯曲賞を受賞された戯曲の再演です。初演の時に評判を聞きながらどうしても観に行けず、苦々しい思いをしました。再演してくださって嬉しいです。上演時間は2時間弱。
⇒CoRich舞台芸術!『ワンマン・ショー』
≪あらすじ≫ チラシより。
懸賞マニアの果て無き応募と、ぐるぐると旅する箱をめぐる、不思議で怖い物語。
≪ここまで≫
※あらすじというより作品のキャッチコピーみたいですが、何の知識もない状態で観るのが楽しいのだろうと思います。
斜めになった四角い枠が数個、入れ子構造になった抽象美術でした。壁が大胆にスライドして場面転換するのが面白いです。色合いもきれい!
音楽(サケロック)が良かったですね~。この作品のために初演の時に作られたそうですので、ばっちり合っているのでしょう。倉持さんの世界、好きだな~。
お話を追っていく分にはまるで推理小説のようですし、会話の言葉もひとつひとつが面白いです。でもちょっと退屈しちゃいました。たぶん役者さんの演技が今の私にはフィットしなかったんじゃないかと思います。ひとりずつが独立していて、あまり関わっていないように見えました。
ここからネタバレします。
「自分が立っている場所には自分しか立てないのだから、そこから眺める風景は自分にしか見えない、独特な、かけがえのないものなんだ。」ということを受け取りました。同時に、「自分が他人と一緒になったり重なり合ったりは決してしない。人間は独立していて孤独な存在だ」という意味も感じました。きっとこの作品も観た観客の人数分の解釈があってしかるべきで、だからこそ面白いんですよね。『ワンマン・ショー』というタイトルは本当にかっこいい。
ただ、懸賞マニア(小林高鹿)のように他人の名前をかたったり、自分のプロフィールを創作していってしまうと、かけがえのない自分を失うことになります。
時系列が逆になっていたり、実在すると思っていた人が実は幽霊だったり(小島聖)。一人っ子の懸賞マニアっていうのもただの妄想かもしれないし、手が取れる(ぼくもとさきこ)のも本当に手が取れたのかどうか・・・。何もかもがはっきりとわかってくるようでいて、実は曖昧になっていくのが楽しかったです。
「私のことを決めつけて」と連呼する女(小島聖)の言葉が面白かったです。
≪東京(三軒茶屋)、大阪、富山、福井、新潟、東京(亀戸)≫
第48回岸田國士戯曲賞受賞作品
出演:小島聖・水野美紀・長谷川朝晴・小林高鹿・ぼくもとさきこ・玉置孝匤・内田慈・近藤智行・吉川純広
作・演出:倉持裕 舞台監督=橋本加奈子 美術=中根聡子 照明=清水利恭 音響=高塩顕 音楽=SAKEROCK 衣裳=松本夏記(ミシンロックス) 演出部=野口毅、金子晴美 演出助手=相田剛志 宣伝美術=坂村健次 宣伝写真=江隈麗志 宣伝ヘアメイク=大和田一美 池上タミ子(アペレア) 宣伝スタイリスト=田中美和子 チラシ衣裳協力=Spick and Span チラシイラスト=今枝大輔 WEB製作=いのくちあきこ ステッカー製作=雨堤千砂子(WAGON) 制作助手=松本恵美子 吉田裕美 制作=大矢亜由美、土井さや佳 企画=ペンギンプルペイルパイルズ 提携=世田谷パブリックシアター 主催・製作=(株)森崎事務所M&O plays
前売り開始:4月8日(日)前売5,500円 / 当日5,800円
http://www.penguinppp.com/
http://www.morisk.com/play/show/index.html
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東京グローブ座/シーエイティプロデュース『ノー・マンズ・ランド』06/01-19東京グローブ座
入り口の大看板
舞台は1993年の旧ユーゴスラビア。ボスニア紛争を描く映画「ノー・マンズ・ランド」(2001年公開)の舞台化です。主演はV6の坂本昌行さん(Wikipedia)。演出は鈴木勝秀さんです。
上演時間は約1時間45分。中盤までで泣けちゃったな。あらすじなどはチケットスペース内のページでどうぞ。充実しています。
⇒CoRich舞台芸術!『ノー・マンズ・ランド』
≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。
1993年、舞台は旧ユーゴスラビア。ボスニア紛争の真っ只中。戦いの疲れを癒すべく、つかの間の休息を取っていたボスニア軍の兵士たちは、いきなりの攻撃で目を覚ます。セルビア軍の陣地に迷い込んでしまっていたのだ。肩に傷を負いながらも何とか逃げ出したボスニア兵・チキ(坂本昌行)は、ノー・マンズ・ランド(中間地帯)にある建物に逃げ込む。
ノー・マンズ・ランド=誰のものでもない土地では、そこにいる全ての者が攻撃対象となってしまう場所である。そのノー・マンズ・ランドに、セルビア兵・ニノ(内田滋)が兵士と共にボスニア兵の生存者の有無を確認しに来る。とっさに身を隠すチキ。生存者がいないことを確認すると、老兵士はボスニア兵(市川しんぺー)の死体の下に地雷を仕掛けた。ボスニア兵が仲間の死体を動かそうとすると爆発する、という仕組みだ。その2人の様子を、息を潜めて見つめていたチキは攻撃に転じ、老兵士を撃ち殺し、ニノにも怪我を負わせる。しかし、チキはとどめを刺すことをやめる。
そこへ、どこからかうめき声が聞こえてきた。死んでいると思っていたボスニア兵・ツェラが
生きていたのだ。しかしツェラは身動きを取ることができない。何故なら彼の下には地雷が仕掛けられているから・・・。この状況から抜け出すため、チキとニノは民族の壁を超え力を合わせる・・・。
そして彼らを見守り国際社会の世論を盾に振舞う国連軍兵士、ジェーン(浅野温子)の存在。彼女は彼らの助けになるのか?
≪ここまで≫
互いに武器を向け合う命がけの緊迫の時間と、ひとまず休戦と決めたのんびり穏やかな時間との対比に泣けます。1993年・・・ほんの少し前のお話です。
「まさか自分の国がこんな風になるとは思わなかった。」
いつか私がそう思わないように。
ここからネタバレします。
敵対する若者同士がともにローリング・ストーンズの歌を歌うシーンはたまりません。泣ける。
浅野温子さんが登場してからはコントみたいだった(笑)。
≪東京、大阪≫
出演:坂本昌行(チキ役) 内田滋(ニノ役) 市川しんぺー(ツェラ役) 浅野温子(ジェーン役)
NO MAN'S LAND 作:ダニス・タノヴィッチ 演出・台本:鈴木勝秀 美術:二村周作 音楽:横川理彦 照明:原田保 音響:井上正弘 衣裳:尾崎由佳子 ヘアメイク:スタジオAD 演出助手=長町多寿子 舞台監督:二瓶剛雄 舞台製作:加賀屋吉之輔 宣伝・票券:インタースペース 制作協力:ビターズ・エンド 企画:シーエイティプロデュース 主催・製作:東京グローブ座/シーエイティプロデュース
全席指定 S¥8,500 A¥7,500 B¥5,500
http://ints.co.jp/no_mans_land/index.htm
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2007年06月10日
JAM SESSION『罪と罰』06/06-10「劇」小劇場
演出家の西沢栄治さんが主宰されるJAM SESSIONを初めて拝見。ハイリンド『牡丹燈籠』での演出が印象に残ったのと、同じく『牡丹燈籠』で美しかった谷村実紀さんが出演されるので伺いました。ドストエフスキーの『罪と罰』(Wikipedia)を約1時間40分で上演。
⇒CoRich舞台芸術!『罪と罰』
長編小説の『罪と罰』を短時間にまとめるので、登場人物やエピソードはかなりカットされているようです。私はちゃんと原作を読んだことがないのでえらそうなことは言えないのですが、最後の最後が腑に落ちなかったので、なぜこの作品を上演したのかな~と不思議に思った、というのが終演後の第一の感想でした。
舞台中央に2畳ぐらいの大きさのひし形の台があり、その一辺に頑丈なドアが固定されています。装置はいわばそれだけのシンプルな空間。音楽と照明、俳優の演技で物語を進めていきます。ひし形の台をぐるぐる回し、ドアを乱暴に開け閉めして場面転換するのは躍動感があります。
役者さんの声がびっくりするほど大きいんですよね~。「劇」小劇場では珍しいタイプのように思います。そして音楽が雄弁・・・過ぎました。言葉をはっきりと話せる役者さんが揃っているのなら、あんなに説明的に音楽を使う必要はないんじゃないかと思いました。
『牡丹燈籠』の時も思いましたけど、西沢さんの演出は大きな劇場でも魅力が発揮できるんじゃないかしら。次は再びハイリンドで安部公房・作『幽霊はここにいる』を演出されます。劇場はTHEATER/TOPSですか、楽しみですね。
役者さんではやはり主役のラスコーリニコフを演じる谷村実紀さんが素敵でした。でも『牡丹燈籠』の時の方が良かったな~。
ここからネタバレします。
ラスコーリニコフは、平たい言葉で言うと「くだらない人間1人を殺して立派な人間1000人が助かるなら、そのくだらない人間を殺した方がいい」という考えを持った貧乏学生です。彼は強欲な金貸しの老婆を殺し、偶然そこに居合わせてしまった善人・リザベータをも道連れに殺してしまったことに、さいなまれ続けます。大事なのは1人の人間の命は1000人の人間の命と同じように大切でかけがえがないものだと、ラスコーリニコフが気づくことだと思います。その気づきをどのきっかけで、どのように得て自首にいたったのかが見えてきませんでした。
この作品では、親友のラズミーヒンや予審判事ポルフィーリの説得(?)でラスコーリニコフは自首しますが、原作ではアル中のダメ親父マルメラードフの娘で、娼婦のソーニャのおかげで改心します。しかもソーニャが殺されたリザベータの友人っていうのもミソなんですよね。そのソーニャが出てこないっていうのは・・・ちょっと難しいんじゃないでしょうか。
老婆とその妹がラスコーリニコフに殺されるのも、金持ちのスビドリガイノフ(京極圭)が恋に破れて自殺するのも、アル中のマルメラードフが馬車に飛び込んで自殺するのも、1人の人間の命が失われる意味では同じことなんだと感じられたら、それで良かったのかもしれませんね。
アル中のマルメラードフと金貸しの老婆を一人の男優さん(亀田真二郎)が、運悪く殺された老婆の妹リザベータとラスコーリニコフを追い詰める予審判事を一人の女優さん(斉藤範子)が演じられていたのは、効果があったように思います。
出演=谷村実紀(スターダス・21)/斉藤範子/岡村まきすけ(THE黒帯)/京極圭(劇団東京ヴォードヴィルショー)/塚本淳也/赤荻純瞬(劇26.25団)/渋谷はるか(文学座)/亀田真二郎(東京パチプロデュース)/中地健太郎(スターダス・21)/山田英真
演出=西沢栄治 原作=ドストエフスキー作品より 照明=大島 早保子 音響=角張正雄(SoundCube) 衣裳=木村江梨子 舞台監督=井関景太、鈴晴香(るうと工房) 宣伝美術 SNEA WEB=SORAism 制作=松谷章代、中村真弓(Theatre劇団子) 企画・製作=JAM SESSION
チケット発売日 4月28日(土) 全席自由/日時指定 前売・当日共3000円 学生2000円(要学生証) 平日マチネ割引 2000円 リピーター割引 1500円(要チケット半券)
http://www.jam-session.info/
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グリング『ヒトガタ』06/06-18THEATER/TOPS
青木豪さんが作・演出されるグリング、今回は2003年初演だった『ヒトガタ』の再演です。私は初見。お通夜のお話でした。上演時間は約1時間40分。
⇒CoRich舞台芸術!『ヒトガタ』
話題に上る亡くなった人の人数は3人ぐらいだったと思うんですが、中盤過ぎるまで、今、亡くなったのが誰なのかがわからなかったんですよね。いったい誰のお通夜なのかを探るために気持ちを集中させる状態でした。自分の読解能力の低さにがっかりしつつ(汗)。
自分の家族のことって、わかっているようで全然わかっていないことが多いですよね。大切に思うがゆえに秘密にしていることがありますから、身近な家族の方が赤の他人よりも遠い存在であることも少なくないでしょう。でも、思いがけない大きな事件(このお話だとお通夜)がきっかけで、その距離を突然縮めてくれることがあります。その時は、一緒に暮らしてきた家族だからこそ深く受け止め合えるのかもしれないと思いました。
お通夜の話なので舞台の時間は夜のはずなんですが、それがよくわかりませんでした。「夜遅いから車で送る」という話題が続くのですが、いったいどれぐらい遅いのか、眠いぐらいなのか、お腹はすいているのか等、肌に届く感覚が得られませんでした。
舞台はある和室(雛人形の頭を作る人形職人の作業場)だったんですが、1階なのか2階なのか、その部屋の奥には何があるのか(ご遺体はどこに安置されているのか)等もわかりにくかったです。色んな人が何度も何度もふすま(障子?)を開けて出入りします。その出入りの必然性が感じられず、わざと特定の2~3人を残すための段取りに見えることもありました。
私は開幕して2ステージ目に伺いましたので、回を増すごとに良くなっていることと思います。
ここからネタバレします。
受験時期のつらさってやっぱり現代日本人の人生において大きなポイントになりますよね。私は高校受験、大学受験をしたことを後悔してはいませんが、できればあんな経験はしない方がいい気がします。やっぱり異常ですよね、“受かるかどうかでその後の人生が決まる”みたいなプレッシャーって。家庭全体に影響を及ぼしますし。本当は何度でもチャレンジしていいはずなのに、日本では未だにレールからはずれない、一度も失敗しないってことが重視されているように思います。はがゆいです。ま、私はすっかりそのレールから外れてますので(笑)気楽ですが、だからこそ今の学生さんにはできるだけつらい思いをして欲しくないなと思います(勝手ですが)。
話がそれました。弟の自殺は父親(辻親八)のせいだ思っていた長男(中野英樹)でしたが、実は弟が父親に家庭内暴力を振るっていたことがわかります。なぜ父親がそれをだまっていたのか?それは、長男が受験中だったから・・・。うーーーーー・・・つらいッス。わかりますよ、その気持ち。言えないですよね、受験生には。
おそらく精神不安定だった弟は、死んだ母の顔に似た人形を壊し続け、父親に暴力を振るっていました。その弟が着ていた黄色いトレーナーが、壊れた人形と一緒にダンボール箱から出てきます。霊感の強い松室(どもりの社長:杉山文雄)が「黄色いものが見える」と言っていたのは、あのトレーナーのことだったのかしら。家族が集まったお通夜に弟と母が一緒に出てきて、父と長男の確執を解き、そして新しく生まれる命(長男の子供)も祝福されるという、しみじみと胸にひびくハッピーエンドでした。
小さい音で鳴っていた音楽が徐々に大きくなるオープニングでした。普通によくある演出ですが、実は耳が遠い大叔母(井出みな子)が誤ってラジカセのリモコンを踏んでしまい、ボリュームが大きくなってしまったというハプニングだったのです。かっちょいーですね~。
出演=中野英樹 弘中麻紀(ラッパ屋) 杉山文雄 萩原利映 高橋理恵子(演劇集団円) 遠藤隆太 石井英明(演劇集団円) 辻親八 井出みな子(演劇集団円) 歌川椎子
作・演出=青木豪 照明:清水利恭 照明オペレーター:葛生英之 美術:田中敏恵 舞台監督:筒井昭善 効果:青木タクヘイ 演出助手:黒川薫 宣伝美術:高橋歩 宣伝写真:中西隆良
記録映像:TRICKSTER FILM 制作:菊池八恵 制作協力:嶌津信勝 企画制作・主催:グリング
特割3,300円(6/6(水)と6/7(木)前売チケットに限り)・前売3,500円・当日3,800円(全席指定/税込)
http://www.gring.info/
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2007年06月09日
阿佐ヶ谷スパイダース『少女とガソリン』06/09-07/14ザ・スズナリ
長塚圭史さんが作・演出される阿佐ヶ谷スパイダースの新作です。『日本の女』『はたらくおとこ』に続く“暴走する男たちシリーズ”の第三弾。立見も出て超満員の初日でした。当日券の販売方法はこちら。平日マチネにシリーズ過去2作品の上映会が開催されます。
ザ・スズナリが装飾されていました。入り口からワクワクです。公演公式ブログに写真が載っていいます。パンフレットは下北沢のムード満載で、帰りの電車で「あぁこれはあの場所の写真だ!」などと探して楽しかった♪(←ヲタク)
⇒CoRich舞台芸術!『少女とガソリン』
レビューをアップしました(2007/06/15)。
≪あらすじ≫ 公式サイトより。
かつては清酒の産地として栄えたとある街。
しかし今はどの工場も閉鎖されてしまった。
再開発の波に抗いながら生きる酒を愛する男たち。
彼らが唯一の救いとして慕うのが、人気アイドルSであった。
そんなある日、街の再開発のイベントにアイドルSがやって来るらしいという情報が舞い込み…。
愛する街と酒のため、アイドルソングに乗せて男たちの暴走がはじまる!
≪ここまで≫
ものすごく洗練された、ザ・スズナリの空間でした。美術、照明、音響に格の違いを感じましたね。特に音響が素晴らしかったです。『日本の女』って2001年だったんですね~(遠い目)。6年も経つと人間は変わりますね。あの頃の阿佐ヶ谷スパイダースを思って自分を省みると・・・うん、がんばろ(汗)。
夜のスズナリ入り口付近
櫛田という町のサビれすぎた居酒屋で、いわば少々偏った考えを持った男達が起こす事件。人種差別、共産主義、テロ、たてこもりなどのテーマが題材になっているようです。アサスパらしいスプラッター・ホラーあり、毒々しくも奇妙な暖かさのある友情関係あり、長塚テイスト盛りだくさんな作品でした。
演劇だとか小劇場だとかのジャンルは重要ではなく、「阿佐ヶ谷スパイダース」というイベントを、観客も確信犯的に楽しむ1ヶ月なのではないでしょうか。面白いとか面白くないとか、そんな基準さえも今やどうでもいいな~と思っている私がいます。彼らと一緒に、おバカだけど熱い衝動を共にした。それだけでイイんだと満足しています。
ここからネタバレします。詳細にわたるネタバレ・レビュー⇒「踊る芝居好きのダメ人間日記 」
誘拐してきたアイドルのリポリン(下宮里穂子)は、丸代(犬山イヌコ)と玉島(中村まこと)の間に生まれた娘でした。でっかいことを言ってクシダァ・ソウル(櫛田を愛する男達の魂)運動のリーダーとなっていた玉島ですが、リポリンが自分の娘だとわかった途端、逃がしてもとに戻そうとします。親心ですよね。
それにしても犬山さんと中村さんの娘が下宮里穂子さん、っていうのは背の高さ的に無理があるような(笑)。
スプラッターな暴力シーンの後におまぬけな笑いが用意されているのが巧妙で独特だなぁと思います。初日は「何をやってもやらなくても笑うんじゃないかしら?」と思うぐらい暖かい客席でしたが、私も思いっきり笑わせていただいたところが2ヵ所あったので満足。
最初は、お買い得焼酎“大五郎”を加工して清酒“真実(まこと)”に似た味に変えるところで爆笑。池鉄さんの度を越したいいかげん具合が素晴らしい。中盤で、伊達さんが池鉄さんにチェーンソーで右腕を切り落とされた直後、松村さんが「(この惨劇を)見ちゃだめだ!」と言って自分の右肩に乗った水子(目には見えない)の目を両手でふさぐのも可笑しかった。
手を切られたばかりの伊達さんが、みんなと一緒に元気かつ朗らかに酒を飲むシーンは長塚さんならではのテイストですよね。あきれながらプっと吹き出しました。
最後はみんなで歌を歌って赤い紙吹雪が客席にも舞いました。入り口の階段やロビーも赤く染められており、劇場全体でこの作品の世界を作り上げていました。贅沢ですよね、こういう体験。普段なら演劇というのはチケットを買って劇場に観に行くだけのことなんですが、それをスペシャルなエンターテインメントにしてくださっていました。
≪東京、大阪、札幌≫
出演=中村まこと/松村武/池田鉄洋/中山祐一朗/伊達暁/長塚圭史/富岡晃一郎/大林勝/下宮里穂子/犬山イヌコ
作・演出=長塚圭史 美術=加藤ちか 照明=佐藤啓 音響=加藤温 音楽=伊藤ヨタロウ 衣裳=伊賀大介 振付=八反田リコ ヘアメイク=河村陽子 映像=上田大樹 演出助手=山田美紀(至福団) 舞台監督=福澤諭志+至福団 制作=伊藤達哉 企画・製作=ゴーチ・ブラザーズ
【前売り発売日】東京:2007年4月21日(土) 指定席6,300円 自由席5,000円(前列ベンチシート・整理番号付)
http://asagayaspiders.net/
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松竹・Bunkamura『コクーン歌舞伎第八弾「三人吉三」』06/07-28シアターコクーン
コクーン歌舞伎『三人吉三(さんにんきちさ)』はメルマガ2007年6月号のおすすめNo.1作品です。2001年の公演では生まれて初めてスタンディング・オベーションをしました(過去レビュー⇒1、2、3、4)。
大詰めでやっぱり震えました~!他では絶対観られないと断言できる舞台ですね(笑)!上演時間は約3時間30分(10分、15分の2回休憩を含む)。
⇒CoRich舞台芸術!『三人吉三』
吉三(きちさ)という同じ名前を持つ悪党3人(和尚吉三:中村勘三郎/お嬢吉三:中村福助/お坊吉三:中村橋之助)がある橋の上で出会い、兄弟の契りを交わします。偶然に出会ったはずなのに、それぞれの人生の因縁が重なり合って・・・。
約6年を経た今回は2度目ということもあって複雑な人間関係がスムーズに理解でき、じっくり見せる・聞かせる演技とセリフを密度濃く味わえたように思います。筋書きは最初から知っておくといいですね。あらすじが載ってるサイト⇒1、2、3
ニューヨーク公演があるんですね。チラシやポスターのビジュアルをコラージュしたデザインの緞帳(っていうのかな)が可愛らしかったです。「sannin-kichiza」って書いてたような。
役者さんが客席に入り込んで演技する演出がいっぱいあります。桟敷席の特権ですよね~。お客様と一緒に遊びながら、しゃんと立って一線を引いているのが歌舞伎役者さんのすごいところですね。
一幕では丸い回り舞台が水の池になっています。青っぽい緑色の水に照明があたって、反射した光が舞台美術の壁に映ります。その色が緑と白がまざったような少々おどろおどろしい色合いで良かったです。
ここからネタバレします。
敵討ち、親類殺し、兄妹の交わり(畜生道)などが複雑に絡み合ったお話です。本物のワンちゃんが出てきて思わず「ワオッ♪」って言っちゃったよ(笑)。「犬の報い」がこの物語の軸になっていることがわかりやすかったです。和尚吉三の父(笹野高史)の過去の犯罪(刀を盗んで犬を殺したこと/その犬はメス犬でお腹に子犬をはらんでいたこと等)が消えずにずーっと大きな影響を及ぼしていることを、胸に留めておくことができました。奥の間で寝ている男女が双子の兄妹だと気づいてしまった時の、父(笹野高史)の演技が渋かったですね。ストーリーがわかりやすかったおかげで(2度目だからでもありますが)、そういう細かいところを楽しむことができました。
十三郎(中村勘太郎)とおとせ(中村七之助)がばったり出会って一目ぼれするシーンの美しいこと!一目ぼれってこういうことだよねって実感しました。心がふるふる震えて身体にジンジン来ましたね。七之助さん、ほんとにきれいだ。勘太郎さんの純朴さがあるからこそ、ですよね。
福助さん演じるお嬢吉三は少女の姿で盗みを働く男です。女と男の声色の演じわけが面白いほど鮮やか。おとせ(中村七之助)の胸元の財布を盗むお嬢吉三の白い右手が恐ろしいほど白くて・・・一体なんだろ、あの手。あの動きとかぐわしさ。未だにアニメーションみたいにパラパラと動きがよみがえります。
福助さんといえば大詰めも凄かったです。やぐらに登って太鼓を叩く姿には、愛しい人に会いたくて放火をした「八百屋のお七」の姿が重なります。白い空間に紙吹雪がドッサドッサ吹き荒れる中、赤い着物も髪も振り乱し、ばっさばっさと大暴れのたち回り。純白の広い空間で鮮やかな赤が目に焼きついて、私はあっけに取られたように口をあんぐり開けながら、涙をこぼしていました。
ラストは3人の吉三がうつぶせに重なり合って舞台中央に倒れているのを、パッ!パッ!と色んな白色に変化する照明で空間ごと照らします。私が感じたのはテクノポップと宇宙のイメージ・・・?なんて刺激的な演出でしょう(笑)。
音楽は女性ボーカルの邦楽が使われていましたね。オープニングなどに流れたエレキギターのノイズ音のようなインストゥルメンタルはかっこいいなと思いました。ささやくような歌声が聞こえるラストの曲は、「おやすみ」という歌詞がシーンの意味に合っていましたが、ちょっとやりすぎなんじゃないかなと思いました。アメリカでは受けるかもしれませんね。
※ラストの曲は椎名林檎さんの書き下ろし曲「玉手箱」だそうです。歌舞伎美人サイトより(2007/06/14加筆)。
気になったのは2幕のお寺のシーンで、舞台中央の照明器具が何度も上がったり下がったりしたこと。どういう効果があったのかな~。下に敷かれた布の色が変わってたのかしら・・・。見た目に美しい演出ではなかったように思います。
出演=中村勘三郎/中村福助/中村橋之助/中村勘太郎/中村七之助/片岡亀蔵/笹野高史/ほか
作:河竹黙阿弥 演出・美術:串田和美 主催:松竹・Bunkamura 製作:松竹
2007/4/22(日)発売 1等平場席 ¥13,000 1等椅子席 ¥13,000 2等席 ¥9,000 3等席 ¥5,000(税込)※4歳以上入場可。
http://www.bunkamura.co.jp/
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2007年06月07日
少年社中リバイバルvol.2『slow』05/30-06/03ザ・ポケット
少年社中は毛利亘宏さんが作・演出される早稲田大学出身の劇団です。SUSPECTバージョン・DRUNKバージョンの2バージョン公演。私はDRUNKバージョンを拝見しました。
切り絵(タンタン)のチラシが美しいですね。殺人事件の真相を究明する推理サスペンスものでした。
⇒CoRich舞台芸術!『slow』
レビューはアップできるかどうか不明。
≪あらすじ≫ 公式サイトより。
場所はとある島のアルコール依存症患者専用の治療院。そこで奇妙な事件がおきた。
始まりは人気作家、折原文博の死。彼は自室にダイイングメッセージを残していた。それはこの病院の患者と医師、計5名の写真に記号や番号が書かれているものであった。
彼の死に疑問を抱いた患者・山本は、研修医と偽ってこの治療院で捜査をしている刑事・綾辻とともに犯人探しを始めることにする。
第一に容疑がかかったのは山本の親友・桐野であった。山本は桐野の疑いを晴らすべく捜査をすすめるが、逆に桐野の意外な過去を知ることになる。
桐野は耳の聞こえない音楽家。彼女は音大時代の友人スミレを殺してしまったかも知れないというのだ。耳が聞こえなくなるというストレスからアルコールに依存するようになった彼女は、次第に誰かに殺されるという幻覚を見るようになった。そんなことが続くようになったある日、事件は起こった。
その日の幻覚は唯一の理解者であり、良きライバルでもあるスミレであった。朝、目が覚めて彼女の目に飛び込んできたもの、それはバスルームの鏡に書かれた血文字「I calld slow」と変わり果てたスミレの姿だった。
「あなたが犯人を探そうとしなければ、第二、第三の殺人は起こらなかったのではないか?」
孤島のアルコール依存症更正施設で起きた事件は更なる悲劇の始まりに過ぎなかった。
複雑に絡まる人々の思惑、そして過去と現在。果たして誰が謎を解く鍵を握っているのか…。
≪ここまで≫
S(SUSPECT)バージョン・D(DRUNK)バージョンの2バージョン公演。
出演=堀池直毅、杉山未央、山川ありそ、宮本行(ブルージェイイースト)、野口雄介(神様プロデュース)、タンタン、金崎敬江(bird's-eyeview)、小垣外翔、八敷勝(InnocentSphere)、本郷小次郎(ヰタ・マキ)、村木宏太郎(猫☆魂)、山本伸一(BAMAP)、武田真由美、金田恵
作・演出◎毛利亘宏 音楽◎YODA Kenichi 舞台監督◎杣谷昌洋 音響◎鏑木知宏 照明◎シバタユキエ 衣装協力◎カオリン スチール◎金丸 圭 公演記録◎カラーズイマジネーション 宣伝美術◎武田和香 cut craft art◎タンタン web◎田中祐子 演出助手◎大谷順香 制作進行◎廿浦裕介 制作協力◎田辺恵瑠 製作◎少年社中the entertainment prison・吉野礼
【前売り】3000円【当日】3200円【セット券】5600円【学生割引】1000円 (高校生以下 要学生証 劇団のみあつかい)
http://www.shachu.com/
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音楽座ミュージカル・Rカンパニー『アイ・ラブ・坊っちゃん』06/01-10東京芸術劇場 中ホール
音楽座ミュージカルにはじめて出会ったのが『アイ・ラブ・坊っちゃん2000(ミレニアム)』でした(過去レビュー⇒1、2、3、4、5、6)。
やっぱり最初っから泣きどおし・・・!どんだけ泣いたら気が済むの?ってぐらい!もー化粧なんて全部取れちゃったね!隣りに座ってたのがたまたま知り合いの人だったんだけど(すごい偶然)、終演後に私を見て笑ってたね!「あらら、いっぱい泣いたのね(笑)」って顔で!
でも中学生の団体客が入っている回に行ったのは失敗でした。ひどかった。
上演時間は約2時間50分(休憩を含む)。
⇒CoRich舞台芸術!『アイ・ラブ・坊っちゃん』
7年前と同様、坊っちゃんの家の女中・清(きよ)役の大方斐紗子さんが登場しただけで涙ボロボロでした・・・(感涙)。
漱石(松橋登)が執筆する「坊っちゃん」(吉田朋弘)に出てくる人物が登場し、漱石の生活と平行して小説の世界が描かれます。例えば山嵐(安中淳也)と呼ばれる教師のモデルは正岡子規なんですね。漱石の私生活が小説に影響を与え、さらにつづられていく小説から漱石自身も気づきを得るという構成で、観ている私も目の前で豊かに繰り広げられる人間の営みに、自分の人生を重ねていけます。
基本が劇中劇ですので、ストーリーに引き込まれながらも常に客観する視点を持ち続けられるのが、このミュージカルの最大の特徴であり、魅力だと思います。例えば、生徒らが坊っちゃんに「先生やめないで!」と懇願するシーンでタイトル曲「アイ・ラブ・坊っちゃん」が歌われます。そこだけ観ていると感動を誘う演出がわざとらしくて少々引いちゃうのですが、原稿を書いている漱石がちゃんと上手の書斎に居るのを見つけると、「あぁ、小説の中の、漱石の頭の中のことなんだな」とわかってスっと受け入れられるようになるのです。
あと、出演者に澄んだ輝きがあるんですよね。これは音楽座ミュージカルを観る時にいつも感じることなんですが、皆さん、作品を信じて、愛しているのだと思います。
終演後に一緒に観ていた方と感想を話し合ったんですが、「心に残るというか、口ずさみたくなる曲が少ないよね」とおっしゃったんです。そういえば私は「聞いたことのあるような音楽が多い気がするな~」と感じていました。音楽座の他のミュージカルも何作が観ていますので、それと重なっているのかもしれません。今後はビビっと響いて耳から離れないような曲が出てくるといいなと思います。
ここからネタバレします。
「坊っちゃん」の世界も描きつつ、漱石の頭の中、つまり他の小説を想起させるようなシーンがしばしば挟まれます。神経質でかんしゃく持ちの漱石が思い悩むところで、小説の中の出来事や実生活で関わる人々など、彼の世界のすべてが混ざってうごめく混沌のシーンになります。そこで歌われるのは「あなたは誰」。複雑な三重奏にぞくぞくします。
ドン・キホーテとサンチョ・パンサが出てきたら、もうダメなんですよぉ、私・・・顔がぐちゃぐちゃになるほど泣けてきちゃうんです~っ。『ラ・マンチャの男』(Wikipedia)の名曲「見果てぬ夢」まで頭に流れてきました。純朴な理想主義者の老人が、非力なくせに世の中の汚れや矛盾に立ち向かっていく姿は、みじめで、弱々しくて、でも悲しくなるほど美しい。それが漱石に重なります。
清が歌う“青い空”とは坊っちゃんのこと。そして清自身のことでもあります。青い空をバックに歌う「カラカラとまわる風車~♪」(タイトル「風を見て」)を聞きながら、人間の澄んだ心を感じました。自分も含め人間って醜いものだと思いますが、きれいなもの、美しいものを信じ、それを愛することを、もっと素直に求めてもいいんだと思わせてくれました。
漱石「今を今のように生きる君(正岡子規)がうらやましかった。」
漱石「なぜ生きるかではない。いかに生きるかだ。」
※セリフは完全に正確ではありません。
★団体客だったのは郁文館中学校。劇中に登場する藤村という中学生(野球少年)の母校だそうで、ゆかりの学校として総合見学に来られたとか。ヘンなタイミングで拍手するし、ピーピー口笛を吹くし、「ヒューー!」とか声を出すし。“拍手ピーピーヒュー!”とセットになって勝手に盛り上がり、うるさくて迷惑でした。行儀の悪い子供の団体客は貸切の日限定にしていただきたいです。
≪東京、名古屋、大阪、静岡、山形、神奈川、茨城、高知、徳島、松山、福島、北海道≫
出演:松橋登/秋本みな子/吉田朋弘/安中淳也/大方斐紗子/小林アトム/新木啓介/佐藤伸行/浜崎真美/野田久美子/藤田将範/五十嵐進/広田勇二/山合大輔/磯貝麗奈/清田和美/堀川亜矢/萩原弘雄/渡辺修也/野口綾乃/大川麻里江/関川慶一/兼崎ひろみ/富永友紀/渡邊りせ/伊沢絵里子(私が観た回のキャストです)
演出:ワームホールプロジェクト 脚本:横山由和・ワームホールプロジェクト エグゼクティブプロデューサー&クリエイティブディレクター:相川レイ子 音楽:船山基紀 振付:畠山龍子 美術:高田一郎 照明:塚本悟 音楽監督:高田浩 歌唱指導:桑原英明 音響:実吉英一 舞台監督:高瀬洋 主催:ヒューマンデザイン TBS 共催:(財)相模原市民文化財団(神奈川公演)
[一般料金] S席 ¥9,870/A席 ¥7,770/B席 ¥5,670 [Web予約料金] S席 ¥9,450/A席 ¥7,350/B席 ¥5,250 [ファンクラブ会員特別料金] S席のみ 電話:¥8,820 Web:¥8,400
http://www.ongakuza-musical.com/
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2007年06月05日
劇団、本谷有希子『ファイナルファンタジックスーパーノーフラット』06/04-24吉祥寺シアター
劇団、本谷有希子はその名のとおり、本谷有希子さんの作品を上演するプロデュース団体です(過去レビュー⇒1、2、3、4)。今作は2001年の『ファイナルファンタジー』のリメイクだそうです。
吉祥寺シアターの空間を使いきれていないように感じましたし、役者さんもまだまだおぼつかない様子でした、が、最後は興奮~~~(笑)! あぁ、やっぱり私は本谷さんのフェティシズム(って言っていいのかわからないけど)が好きですね。
⇒CoRich舞台芸術!『ファイナルファンタジックスーパーノーフラット』
レビューを最後までアップしました(2007/06/10)。
≪あらすじ≫ 少々ネタバレしています。読んでから観に行っても問題ない程度だと思います。
さびれた遊園地。ウサギの耳付きのカチューシャをつけた若い男・トシロー(高橋一生)のもとに女たちが集まっている。彼女らは自殺志願者サイトの掲示板でトシローに出会い、彼の励ましのおかげで自殺を思いとどまったのだ。皆んなトシローを慕っている。遊園地にほぼ軟禁された生活を送りながら、彼女らは従業員・縞子(笠木泉)の指導の下、トシローの昔の恋人ユクになるよう毎日特訓されている。白いシャツに青いスカートを着て、おかっぱの黒髪にして、話し方から動き方までユクそっくりになるように。
小説家の琴音(吉本菜穂子)もトシローのもとに逃げてきた一人だ。琴音の夫・夏超(ノゾエ征爾)と琴音の後輩で同じく小説家の詠子(すほうれいこ)が、琴音を連れ戻すためにやってくるが・・・。
≪ここまで≫
吉祥寺シアターの黒い壁を利用した四角い暗闇。舞台中央奥に観覧車の丸いブースがひとつ。同じく観覧車の一部であろう太くて真っ赤な鉄のパイプが、舞台下手に斜めにそそり立っています。
インターネット、ひきこもり、同人誌、アニメ、「萌え」など、今どきの題材がいっぱいです。露骨に卑猥なセリフが多くてとっつきにくさもありましたが、大人が見る子供っぽい夢が、下世話な現実と隣り合わせになっている感覚に強い親近感を覚えました。
「夢・理想を見る」⇒「それを得るために努力する」⇒「理想が得られない」⇒「辛抱強く求める」⇒「我慢する・耐えることが快感」⇒「その快感を持続させるために現実を見ないようにする」・・・というように、どんどん手段が目的化していき、本来の人生の目的が失われていきます。そんな自分を自覚しながら、その世界でどっぷりと楽しんでしまうから大変(笑)。どれだけ深くハマっていっても終わりがない、底なし沼のような自意識です。
キャラクターの屈折した性格やそれゆえの愛らしさなど、脚本に書かれているはずの人物像を役者さんが表現できていないように思いました。舞台空間もがら~んとした印象がぬぐえず、演劇作品としては決して満足はできない仕上がりでした。
でも、最後はホントにゾクっときて、興奮して、にんまり笑っちゃいましたね~(笑)。『乱暴と待機』の感覚と似てるかも。
一言のセリフでパラパラと表裏が入れ替わっていくのがスリリングです。
ここからネタバレします。
トシローは決して自分を裏切ることのない二次元(漫画、アニメ)の世界を一方的に溺愛し、その中に没頭していたいと思っています。昔の恋人ユクの理想像を汚すことを最も恐れており、いつまでもユクのためだけを想い続ける自分に酔っています。
でも人間は、漫画やアニメと同じく二次元のインターネットの世界で、掲示板の中傷書き込みに胸を痛めたり、見知らぬ誰かのメールで実生活を変化させたり(この作品では自殺をやめたり)しますので、いくら二次元と言っても関われば当然影響を受けるし、自分からも与えちゃうんですよね。トシローはそういう現実をわざと見ないで自分を騙し続けようとするのですが、当然のことながら無理が出てきます。
トシローの理想の恋人ユクとは、トシローにいじめられまくっている冴えない従業員・縞子だったとわかってから面白くなりました。インターネットの自殺志願者掲示板で知り合ったトシローとユク(縞子)は意気投合して恋人同士になりますが、そもそもユクというネット上の架空の人物を演じていた縞子は、トシローに本当の自分を知ってもらいたいと告白します。これにトシローが幻滅し、理想の恋人ユクを汚した縞子を虐待する日々が始まります。倒錯してるな~(笑)。
でも、結局トシローは縞子のことが好きだったんですね。めちゃくちゃいじめてたんだけど、最後は縞子を連れて観覧車に向かいます。ピンクと黄色の照明がスモークに映って、電飾もぴかぴかして2人を無理矢理に照らします。「あぁ、来たよ、来た来たっ!」とわくわくする私を裏切るように、縞子が豹変!「私、トシローちゃんのこといやになるかもしれない。だって、なんか優しすぎて・・・」(言葉は正確ではありません)・・・そっか、縞子はそもそもマゾヒストで、サディスティックに接してくれるトシローだから好きだったのね!?私、また騙された(苦笑)! トシローは「それでもいい!」と叫んで縞子がいる観覧車に乗り込み、向かいの座席に座ってウサギの耳をはずします。もう、耳をはずすところで大興奮っ(笑)!
生身の人間は二次元の少女(同人誌に載っている美少女など)とは違って、心変わりするし自分を裏切ると知っていながら、トシローが耳を取る(自分の夢の世界から出る)ことを選んだことにゾクっと来ました。
スーツにネクタイ姿にウサギ耳を付けて「俺は現実に負けない」などとのたまいながら、ノリノリに歌って踊って接待カラオケしたり、自分からけんか腰になっておきながら、暴力にはめっぽう弱くてすぐにヘタったり・・・トシローはものすごく情けない男の子です。それを観て笑いたかったですね。母性本能をくすぐる可愛さを、高橋一生さんはまだ表現できていなかったように思います。私が拝見したのが2日目だったので、きっと今はもっと良くなっていることと思います。
後輩小説家の詠子(すほうれいこ)は先輩小説家の琴音(吉本菜穂子)の夫である編集者・夏超(ノゾエ征爾)と愛人関係で、彼女も琴音と同様に小説が書けないことを悩んでいましたし、夏超が離婚してくれないことに強い嫉妬心を抱いていました。結局夏超が琴音を選んじゃうので、勝ち組に見えていた詠子が何もかもを失ってしまいます。このあたりのエピソードはまだまだ、という感じでした。
出演=高橋一生/笠木泉/吉本菜穂子/ノゾエ征爾/松浦和香子/高山のえみ/すほうれいこ/斉木茉奈
作・演出=本谷有希子 舞台監督=宇野圭一+至福団 舞台美術=中根聡子 照明=(株)ライトスタッフ・中山仁 音響=秋山多恵子 音響操作=藤森直樹(サウンドバスターズ) 衣裳=鈴木美和子 ヘアメイク指導=二宮美香 ヘアメイクアシスタント=田中講平 演出助手=福本朝子 宣伝美術=佐々木暁 イラスト=okama 宣伝写真=引地信彦 宣伝ヘアメイク=奥野展子 WEB担当=関谷耕一 制作助手=嶋口春香 安元千恵 湯川麦子 制作=寺本真美(ヴィレッヂ) 助成=財団法人セゾン文化財団 企画・製作=劇団、本谷有希子 主催=劇団、本谷有希子/(財)武蔵野文化事業団
【発売日】2007/04/28 前売:4,300円 当日4,500円
http://www.motoyayukiko.com/
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G2プロデュース&三鷹市芸術文化センター presents『ツグノフの森』05/18-06/03三鷹市芸術文化センター星のホール
G2プロデュースと三鷹市芸術文化センターが主催する公演です。いっぱい「三鷹」が出てきたな~(笑)。G2さんが脚本・演出されるお芝居って久しぶりかも。
⇒CoRich舞台芸術!『ツグノフの森』
≪あらすじ≫
土地がすべって移動するという奇想天外な天災が日本を襲い、地方自治体同士の内戦状態となる。なぜか三鷹には木々が集中して巨大な森ができた。その森に、眠り続ける恋人(水野顕子)の目覚めを待ちながら暮らす画家(片桐仁)がいた。何かに導かれたかのようにいろんな人物が、彼の家に集まってくる。
≪ここまで≫
舞台は画家の家。壁がななめだったり不思議なムードがあります。G2作品というとまず笑いとわかりやすさというイメージがあるのですが、幻想的なオープニングだったのでわくわくしました。でも、つじつまを合わせようと理由を説明するシーンが徐々に増えてきて、残念。意味がわからないまま、雰囲気だけ味わう作品になっても良かったのにと思いました。
衣裳が可愛かったです。特にマッシュルーム・カットの弟役・杉浦理史さんのカーディガンとズボン、そして靴の色使いが良かった。
ここからネタバレします。
「ツグノフ」は「償う」から来ているそうです。画家の家にやってきた姉弟(岩橋道子・杉浦理史)は、母の死体を埋めた場所を探しにやってきました。彼らの償いがメインになっていたようです。でも、例えばニセ自衛隊員(久ヶ沢徹)が誤ってヘリコプターを打ち落とし、関係のない人が大勢死んだことについての償う気持ちは感じられませんでした。それってちょっとどうなんだろうと思いました。
福田転球さんがベッドに寝ている時に三角平面の宇宙人(権藤昌弘)がやってくるのですが、そのベッドが縦になっているのが可笑しかった~!でも、あのシーンは1回だけにしてもらいたかったですね。
≪伊丹、福岡、東京≫
出演=片桐仁、坂田聡、福田転球、杉浦理史、権藤昌弘、水野顕子、岩橋道子、久ヶ沢徹
脚本・演出=G2 美術=島次郎 照明=黒尾芳昭 音響=内藤勝博 衣裳=花谷律子 演出助手=西祐子 舞台監督=林和宏 宣伝美術=東學 宣伝写真=谷敦志 Web=川村公一 千葉博実 酒井元舟 企画=G2 制作=尾崎裕子 伊東妙子 森川健太 制作助手=中村真由美 プロデューサー=大西規世子 森元隆樹 主催・製作=G2プロデュース・(財)三鷹市芸術文化振興財団
【発売日】2007/03/16 前売4,500円 当日5,000円
http://www.g2produce.com/other/tgnf/
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劇団劇作家『劇読み!』05/29-06/03新宿Miracle
劇団劇作家は劇作家だけで構成された劇団だそうです。珍しいですね。公式サイトによると世界初だとか。日本劇作家協会の戯曲セミナー卒業生を中心に結成され(2006年5月)、今回が旗揚げ公演です。代表は劇作家の篠原久美子さん。
ポスト・パフォーマンス・トークのゲストが豪華!私は永井愛さんが出演される日のマチネ『在り処』(作:相馬杜宇)に伺いました。
⇒CoRich舞台芸術!『劇読み!』
≪あらすじ≫
一軒家に空き巣(板倉哲)が入る。誰も居ないと思っていたら、こたつの中におばあさん(藤あゆみ)が!
≪ここまで≫
「戯曲を読む」といってもただイスに座って戯曲を読むのではなく、装置もありますし、役者さんはちゃんと動いて演技もされます。リーディング公演は何度か拝見してきましたが、あまり得意じゃないんですよね・・・。本を持って読む状態から、動きながら、演技しながら、時には本も手放して・・・という風に、戯曲を味わうだけでなく突飛な演出と遭遇することにもなるのです。だったら本公演で観たいなって思っちゃうのが私の観客心理(笑)。これは単に好みの問題です。
パンフレットに代表の篠原さんが書かれています。
「『劇作家は書いてるだけじゃダメですか?」というのはチラシのキャッチコピーでしたが、このリーディングに際して、演出助手、制作、舞台製作と奔走し、当たり前ですが「やっぱり書いてるだけじゃダメじゃん…』と笑い合いました。」
公演についてもおっしゃるとおりだと思いますし、戯曲というものはやはり役者さんによって読まれてこそ、その本領を発揮するのでしょうね。
約1週間の公演中に8本の戯曲に出会えます。リーディング好きなお客様はもちろん、作り手の方々がご覧になると良いのではないでしょうか。役者さん、演出家さんや、戯曲を探している劇団の制作さんなどにお得なショウケースだと思います。
ここからネタバレします。
空き巣を息子だと信じてしまうおばあさんと福祉職員(唐沢大介)。印鑑を発見した空き巣は、必死で通帳を探そうとします。おばあさんは息子(空き巣)を引き止めたいがために、通帳をポケットにしまって隠しますが、結局は奪われてしまいます。
普通のドラマだったら、「おばあさんは本当は空き巣だとわかっていて、彼に罪を犯させないように振舞っていた」とか、「空き巣が改心する」とか、そういうハッピーエンドが待っていそうなものなのですが、ちょっとボケが始まったおばあさんはまんまと通帳を盗まれ、そのまま佇みます。このしんみりした感じが良かったです。
≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫
出演:永井愛/相馬杜宇/篠原久美子(司会)
作者の相馬杜宇(あいば・もりたか)さんは若干21歳(もうすぐ22歳、だったかしら)。
司会の篠原さんが「こんなに若い人が書くとは思えない題材で、とても完成度が高いと思う。しかしこういうタイプの戯曲はおそらく戯曲賞などは取れない(奇抜ではないから)。だからといって、若者が自分で劇団を旗揚げして上演しても、達者な役者や演出家がいなければ成立させられない。注目されるまで10年ぐらいかかってしまうだろう。それを克服しようとしたのが劇団劇作家。」という風におっしゃいました。ご指摘のとおりだなと思いました。
ゲストの永井愛さんが“説明ゼリフ”についてお話されたことに、ものすごく納得しました。下記は覚書です。
永井「説明ゼリフが好きではないという若い作家の方が多いですが、実は人間は、いつも情報ばかり話しています。日常では感じたことを話すのではなく、説明することばかりなんです。だから“説明ゼリフ”を毛嫌いするのはおかしいと思います。説明を排除するのではなく、“説明をしていること”を面白く見せればいいと思います。」
永井「この劇団で恋が生まれるといいですね。そうすれば名作が生まれます(笑)。」
『在り処』出演:藤あゆみ/板倉哲/唐沢大介 演出:関根信一
※本公演では、8人の劇作家の戯曲8作品を『劇読み!』。平日の全公演にアフタートークが付くほか、土日公演はフェスティバル形式で、各日4本を連続上演します。
A 『佳子のさくら』作=佐藤喜久子/B 『親シラズ』作=福山啓子/C 『白狐』作=白井美佐子/D 『ドールハウス』作=錦織伊代/E 『在り処』作=相馬杜宇/F 『フォルモサ!』作=石原燃/G 『正しい海賊の作り方』作=坂本鈴/H 『円山町幻花』作=三井快
演出=関根信一(劇団フライングステージ)、山本健翔(演劇集団円) 舞台監督=小野八着 美術=南志保 音響=石井隆 照明=瀬戸あずさ 衣装・小道具=青年劇場 制作=劇団制作社 宣伝デザイン=長谷川智史 企画・製作=劇団劇作家 Webデザイン=市角壮玄
全席自由席2,000円 全日程フリーパス4,000円 【前売り開始】2007年4月1日(日)
http://www.gekisakka.net/
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新国立劇場演劇『夏の夜の夢』05/31-06/17新国立劇場 中劇場
ジョン・ケアードさんが演出されるシェイクスピアの『夏の夜の夢』(過去レビュー⇒1、2、3、4、5)。村井国夫さん、麻実れいさんら豪華キャストです。チョウソンハさんのパック役も楽しみにしていました。
上演時間は約3時間20分(20分の休憩を含む)。ちょっと長かったですが、本当に夢を見せてくださいました♪お子様にもお薦めできるかも。
⇒CoRich舞台芸術『夏の夜の夢』
白(人間世界、女)と黒(妖精の森、男)のコントラストが鮮やかな衣裳・装置でした。生演奏も楽しく、新国立劇場ならではの豪華な舞台です。ダンスも歌も笑いもあって贅沢。満足しましたね。
言葉を大切にされている演出でした。脚本はほぼノーカットだそうです。観たことがないシーンもあって、はじめて『夏の夜の夢』のことをわかったかもしれないと思いました。人間と妖精、男と女、夢と現実など、二項対立が鮮やかな戯曲なんですね。そしてそれらが混ざり合う・・・光と闇とその間(重なり)の甘美な夢を感じることができました。
妖精世界はタキシード風衣裳のオーベロン(村井国夫)組とバレエのチュチュを来たティターニア(麻実れい)組が対立します。麻実さんの脚線美はまたもや悩殺もの!スーツ萌えな私はパック(チョウソンハ)のネクタイ&ジャケットwith羽にも萌えましたね(笑)。
人間カップル(ライサンダー、ハーミア、ディミートリアス、ヘレナ)はヘレナ役の小山萌子さんが良かったです。でも後半は大人しくてちょっと残念。
ボトム(吉村直)をはじめとする道化のおじさま方が可愛らしかった~。ロバのかぶりものは絶品ですね。
パック(チョウソンハ)は期待どおり、はじけてました(笑)。ほんと目が離せない。でもまだまだイケるよねって思いました。
パンフレットの役者紹介欄に「俳優(ダンサー)になろうと思った、あるいは、演じる(踊る)ことに興味をもつようになったのはいつごろ、どうして?」という質問があり、一人一人の答えに感動しました。「あなたはいつ、“夢”を見たの?」ということですよね。その“夢”がかなった舞台で、私たちに“夢”を見せてくれているのです。休憩時間に読んで感涙。
ここからネタバレします。
白と黒に分かれていた世界が、町人たちの御前芝居で混ざり合います。3組の花嫁と客人たちなどキャストほぼ全員が入りみだれて踊るシーンは、元気にどんちゃかわんさか浮かれ騒ぎ、晴れ晴れしたハッピームードに盛り上がます。混沌の中の、生命のパワーを感じました。
装置は巨大なまわり舞台で、真っ白な人間界からまっ暗闇の森へと場面転換して展開します。最後の転換でなんと舞台裏が現れました。正気に戻って役者の顔になった出演者たちがぶら~んと並んで、みんなで客席を見つめています。
そこで「パックは嘘をつきません」というパックのセリフを、チョウソンハさんがとんがり耳の特殊メイクをはぎとりながら語り掛けます。つくりもの(嘘)である舞台裏を公開して、俳優が俳優として登場し、今までその場で生まれ、はじけて、広がっていた劇(夢)世界を、現実世界の視点から俯瞰して観客と共有します。「ほら、夢は目の前にあったでしょ!そして今も、あなたは私たちと一緒に夢を見ているんです!」と言ってくれたように思いました。
出演=坂上真倫、一弾丸、森川次朗、柴一平、西田健二、村井国夫、麻実れい、チョウソンハ、細見大輔、石母田史朗、小山萌子、宮菜穂子、青山達三、大島宇三郎、吉村直、大滝寛、酒向芳、水野栄治、神田沙也加、松田尚子、JuNGLE ※江守徹が降板し、代役に村井国夫
作:ウィリアム・シェイクスピア 翻訳:松岡和子 演出:ジョン・ケアード 美術・衣裳・ヘアメイク:スー・ブレイン 照明:中川隆一 音楽:イロ―ナ・セカッチ 音楽監督:久米大作 音響:黒野尚 振付:広崎うらん 演出助手:大江祥彦 美術助手:ロイ・ベル 衣裳助手:林なつ子 ヘアメイク助手:佐藤裕子 舞台監督:澁谷壽久
【発売日】2005/04/15 S席6,300円 A席5,250円 B席3,150円 Z席1,500円 当日学生券=50%割引
http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/10000124.html
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2007年06月03日
SUPER★GRAPPLER『西遊記~Psych-you-kick~』05/31-06/03新宿シアターモリエール
SUPER★GRAPPLER(スーパー・グラップラー)は園山琴絵さんが作・演出(出演も)される劇団です。アクション・エンタメ系なんですね。新宿シアターモリエールってめちゃくちゃ久しぶりだった!
「CoRich舞台芸術まつり!2007春」審査員として伺いました。レビューはCoRich舞台芸術!に書きます。こちらは記録です。
⇒CoRich舞台芸術!『西遊記~Psych-you-kick~』
開場時間は大きなスクリーンに色んな劇団の宣伝動画が流されています。SUPER★GRAPPLERはもちろん、少年社中とかククルカンとか、基本的にこの公演に客演参加されている役者さんの所属団体のCMなんですね。これ、けっこう話題になっていいんじゃないかしら。
やっぱ少年社中の映像ってすごいな~とか、比べて観られて楽しかったです。
≪あらすじ≫ CoRichより
それはむかーしむかしの中国の物語。
ひろーい荒野の片隅で旅をする一行が。
えらーいお坊さんとそのお供の妖怪たち。
一行はお釈迦様のすごーい教えを国中に伝えて回る。
旅の目的地はとおーいとおい西方の国『天竺』。
東勝神州・西午賀州・南贍部州・北鉅盧州。
世界を又に駆ける艱難辛苦の冒険譚。
お見せしましょう、SUPER★GRAPPLERの『西遊記』。
「さあお前ら、シケた奴には蹴りを入れな!」
≪ここまで≫
出演=渡邉哲、池内直樹、原田明希子、鈴木俊哉、田村淳子、園山ことえ、三井俊明、江実なつこ(桃色バンビ)、島田雅之(ダブルスチール)、白川直子(ククルカン)、平川道子、松崎史也(Afro13/エレキ隊)、山本卓(Afro13/エレキ隊)、長谷川太郎(少年社中)、川崎麻衣(劇団前方公演墳〈前墳バックドロップス〉)、根本貴、川上小百合、橋本浩人
作・演出:園山琴絵 【舞台監督=田中翼 美術=松本わかこ 照明=伊藤孝(A^RT CORE design) 音響=田上篤(atSound) 振付=森川次朗(アウージ・キリアムプロジェクト) 衣装=清水喜代美(Garden) 衣装製作=八重樫伸登(Garden) 映像=築田真由美 イラスト=尾崎まさこ デザイン=武田和香 スチール=横山直記 WEB=岩渕とみえ 制作=畠山昌子 waka 企画製作=SUPER★GRAPPLER
【発売日】2007/04/28 料金(日時指定・全席指定) 前売:3200円 当日:3500円(開演30分前から受付にて販売) 高校生以下:1000円(劇団のみで取扱。要学生証
http://homepage3.nifty.com/supgra/
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2007年06月02日
東京ノーヴイ・レパートリーシアター『かもめ』06/01東京ノーヴイ・レパートリーシアター
東京ノーヴイ・レパートリーシアター、『ワーニャ伯父さん』に続いて『かもめ』を拝見してきました。素晴らしかったっ!!ゲラゲラ笑いながら、ぼっろぼろ涙を流しました。来週の『曽根崎心中』『どん底で』で今シーズンは終了だそうです。『どん底で』を観に行くことにしました。
上演時間は約3時間15分(途中15分の休憩を含む)・・・だったと思います。
⇒CoRich舞台芸術!『かもめ、他』
≪あらすじ≫ パンフレットより
湖のほとりの別荘地に女優が恋人の有名作家を伴い帰って来た。田舎に暮らす息子は作家を志し、彼が恋する少女は女優を夢見ていたが、都会からやってきた大人達の狭間で翻弄され、予期せぬ結末へと突き進む。
≪ここまで≫
チェーホフの『かもめ』・・・めっちゃくちゃ大好きな作品です。もー好きすぎるのであまり観ないようにしているぐらい(笑)。NHK芸術劇場で観たマールイ劇場の『かもめ』(ビデオで鑑賞)が今のところのマイベストです(過去レビュー⇒1、2、3、4、5、6、7)。
ごく自然に役柄として存在する役者さんを、至近距離で覗き続ける時間でした。でも緊張がずっと張り詰めているのではなく、客席とふんわりつながっているので、一緒に呼吸するように笑って、泣いて、笑って、泣いて・・・。
今までとはちょっと違う感覚で演劇を味わったような気がしました。セリフ(ことば)の意味とは違う意味を受け取って、起こっている出来事の裏側(なのか表側なのか)が見えてくるんです。
たとえばトレープレフに報われない恋心を抱くマーシャを観ていてると、笑いがこみ上げてきて仕方なくなるんです。悲しくて苦しくて、ウォッカをがぶ飲みして涙ぐんでいる彼女を見ながら、どうしても吹き出しちゃうんですよね。「悲劇にヒロインのハマってるわ、あの娘ったら!」みたいに。我ながらものすごく残酷な感情だと思うんですが、そうなっちゃうからしょうがないんですよね。悲しいシーンで爆笑して、おどけるシーンで胸が痛くなって涙がこぼれてしまったり・・・。あぁ、これがチェーホフがいう「喜劇」なのかもしれないって思いました。
ここからネタバレします。
オープニング(マーシャとメドベジェンコ)で笑えるとは予想外でした。そして、ソーリンと一緒にニーナを待っているトレープレフのセリフでも笑えました。「えらそうな能書き並べてるけど、マザコンの困ったチャンなんだな~」とか(笑)。
壁とカーテンが良かったですね~。ニーナの一人芝居は幕の向こうに観客がいる状態なので、芝居が始まるまでアルカージナの姿が見えないんですよね。
出演=アルカージナ:天祭揚子 トレープレフ:上世博及 ソーリン:上原雄志 ニーナ:湯本はるな シャムラーエフ:稲田栄二 ポリーナ:山下智寿子 マーシャ:名児耶玲子 トリゴーリン:金沢英俊 ドールン:天満谷龍生 メドヴェージェンコ:八巻圭一朗 ヤーコフ:和田裕貴 小間使い:池之上真理
作・アントン・チェーホフ 演出=レオニード・アニシモフ
前売り3500円 当日3800円 学生2000円 シーズン通し券10,000円
http://www.tokyo-novyi.com/
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【お知らせ】6月2日(土)夜にFM西東京「たけがき2」に出演します
FM西東京の演劇情報番組「たけがき2」に出演いたします。毎月第一土曜日のレギュラーです。
今回はハイバイ『おねがい放課後』(6/3まで!)についてお話し、6月に観られるお薦めお芝居を3本ご紹介します。
西東京市およびその周辺地域でお聴き頂けます。
6月2日(土)21:30~22:00(の内の約10分間)
FM 84.2MHz
⇒PodCastingあり!放送終了後にアップされます(数日後だったりも)。
⇒アップされました(2007/06/05)。
2007年06月01日
メルマガ 2007年06月のお薦め舞台

お薦めお芝居をご紹介しています
2007年6月のお薦め舞台10本+αをご紹介します。
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“しのぶの演劇レビュー” Vol. 37 2007.6.1 1,122部 発行
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今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪
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◎6月は大手および若手の注目公演が満載!
あれも観たい、これも観たい、でも時間とお金が・・・(涙)。
そんな贅沢な悩みを持てることを喜ぶとしましょう!
舞台には、あなたの心を揺さぶり、
人生の輝きを増してくれる奇跡があります。
“今から観られる面白い演劇”をご紹介します。
お友達、ご家族、恋人と一緒に、どうぞ劇場を訪れてください♪
◎メルマガのバックナンバー↓は全て公開しています。
http://blog.mag2.com/m/log/0000134861
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○○ 今回のもくじ
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◆1【今月のお薦め10本+α】
◎No.1→松竹・Bunkamura『コクーン歌舞伎第八弾「三人吉三」』
06/07-28シアターコクーン
http://www.bunkamura.co.jp/
◆2【先月のベスト3】
◎No.1→世田谷パブリックシアター『死のバリエーション』
05/11-27シアタートラム
≪東京、山口、兵庫、高知≫
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/0512023636.html
◆3【永井愛・作『こんにちは、母さん』がTVドラマに!】
◎永井愛さんご自身が脚色され、舞台版キャストも登場!
http://www.nhk.or.jp/dodra/
◆4【編集後記】
◎“CoRich舞台芸術まつり!2007春”グランプリ発表は6/15(金)!
◎ハイバイ『おねがい放課後』の記事をWeeklyぴあに執筆しました。
◎6月2日夜にFM西東京『たけがき2』に出演します。
◆5【このメルマガについての注意事項(毎月同じ内容です)】
◎はじめての方はどうぞお読みくださいね♪
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◆1 【今月のお薦め10本+α】
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▽★印がいちおし公演です(3本)。
▽初日の早い順に並べています。
▽掲載内容:主催/冠名・『題名』・日程・会場・価格・URL・コメント
▽座種の記述がない公演は全席指定。
1.グリング『ヒトガタ』
06/06-18THEATER/TOPS
☆作・演出=青木豪
特割3,300円(6/6(水)と6/7(木)前売チケットに限り)
前売3,500円・当日3,800円
http://www.gring.info/
注目の若手劇作家・演出家の青木豪さんが主宰するグリングの再々演。
2.M&Oplays+ペンギンプルペイルパイルズ プロデュース
『ワンマン・ショー』06/07-17シアタートラム
≪東京(三軒茶屋)、大阪、富山、福井、新潟、東京(亀戸)≫
☆出演:小島聖・水野美紀・長谷川朝晴・小林高鹿・ぼくもとさきこ・
玉置孝匡・内田慈・近藤智行・吉川純広
作・演出:倉持裕
前売5,500円 当日5,800円
http://www.penguinppp.com/
第48回岸田國士戯曲賞受賞作品の再演。多地域ツアーです。
★3.松竹・Bunkamura『コクーン歌舞伎第八弾「三人吉三」』
06/07-28シアターコクーン
☆出演=中村勘三郎/中村福助/中村橋之助/中村勘太郎/中村七之助/
片岡亀蔵/笹野高史/ほか
作:河竹黙阿弥 演出:串田和美
1等平場席 \13,000 1等椅子席 \13,000 2等席 \9,000
3等席 \5,000※4歳以上入場可。
http://www.bunkamura.co.jp/
製作発表記者会見
http://www.bunkamura.co.jp/shokai/cocoon/news/news05.html
Bunkamura PLAZAで動画が見られます(メール会員専用)
http://www.bunkamura.co.jp/plaza/index.php
●お薦めポイント●
豪華絢爛、遊び心満載、驚きの仕掛けがいっぱいのコクーン歌舞伎。
2001年の公演で生まれて初めてスタンディング・オベーションしました。
レビュー↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2001/0621033306.html
4.東宝芸能『宝塚BOYS』
06/12-24ル テアトル銀座
≪東京、仙台、名古屋、富山、兵庫、札幌、新潟、広島、福岡≫
☆出演=葛山信吾/吉野圭吾/柳家花緑/三宅弘城/佐藤重幸/
須賀貴匡/猪野学 初風諄/山路和弘
原案・辻則彦 脚本・中島淳彦 演出・鈴木裕美
S席 8,500円 / A席 6,500円 ※未就学児童入場不可
http://www.takarazuka-boys.jp/
中島淳彦さんの脚本を鈴木裕美さんが演出。
イイ男が揃ったゴージャス公演。多地域ツアーあり。
5.演劇企画集団THE・ガジラ 20周年記念公演第1弾
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・京都 かげろふ人』
06/15-27ベニサン・ピット
☆出演=千葉哲也/若松武史/塩野谷正幸/河野洋一郎/
大久保鷹/西山水木/他
作・演出=鐘下辰男
一般 前売り4500円 当日5000円
シードチケット(学生割引) 前売り・当日共2800円
http://www5d.biglobe.ne.jp/~cottone/index.html
THE・ガジラ初期作品の約10年ぶりの再演。幕末ものです。
6.文学座アトリエの会『別役実のいる宇宙-新旧書下ろし連続上演-』
06/15-07/05文学座アトリエ
☆『犬が西むきゃ尾は東』作=別役実 演出=藤原新平
出演=小林勝也/角野卓造/田村勝彦/沢田冬樹/吉野佳子/倉野章子
『数字で書かれた物語』作=別役実 演出=高瀬久男
出演=中村彰男/横山祥二/浅地直樹/林田一高/太田志津香/
川畑智子/大原康裕
前売・電話予約4000円/当日4300円 ユースチケット2500円
http://www.bungakuza.com/
創立70周年を迎える文学座で別役実さんの新旧作を上演。
小さなアトリエで観られる文学座豪華キャスト公演です。
7.青年座第189回公演『悔しい女』
06/16-24紀伊國屋ホール
☆出演=那須佐代子/小林正寛/五十嵐明/若林久弥/遠藤好/
片岡富枝/森脇由紀/田中耕二/川上英四郎
作=土田英生 演出=宮田慶子
一般5,000円 ゴールデンシート(65歳以上)4,000円
ユニバシート(大学・各種学校生)3,500円
チェリーシート(高校生以下)2,500円
http://www.seinenza.com/
2001年の初演で読売演劇大賞・最優秀演出家賞など多数の賞を受賞。
土田英生さんの脚本を宮田慶子さんが演出。主演は那須佐代子さん。
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2001/1119231349.html
★8.新国立劇場演劇『氷屋来たる』
06/18-07/08新国立劇場 小劇場
☆出演:市村正親/岡本健一/中嶋しゅう/たかお鷹/花王おさむ/
大鷹明良/宮島健/武岡淳一/小田豊/久保酎吉/二瓶鮫一/
明星真由美/野々村のん/岡寛恵/伊藤総/粟野史浩/木場勝己
作:ユージン・オニール 翻訳:沼澤洽治 演出:栗山民也
A席5,250円 B席3,150円 Z席1,500円
http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/10000125.html
超豪華キャスト&スタッフによるユージン・オニール作品の上演。
早々に前売り完売。劇場会員向けウェイティング・サービスも終了。
※追加席を若干枚数発売決定!
http://www.nntt.jac.go.jp/release/updata/20000152.html
発売日時:2007年6月1日(金)10:00~
チケット取り扱い:
新国立劇場ボックスオフィス 03-5352-9999
電子チケットぴあ 0570-02-9999 (Pコード 375-061)
★9.世田谷パブリックシアター『国盗人(くにぬすびと)
~W.シェイクスピア「リチャード三世」より』
06/22-07/14世田谷パブリックシアター
☆出演=野村萬斎/白石加代子/石田幸雄/大森博史/今井朋彦/
山野史人/月崎晴夫/小美濃利明/じゅんじゅん/すがぽん/他
作=河合祥一郎 演出=野村萬斎 作調=田中傳左衛門
一般 S席7,000円/A席(3階)5,000円
プレビュー公演 S席6,000円 A席4,000円
学生:各一般料金の半額(オンラインのみ取扱い)など各種割引あり
http://setagaya-pt.jp/
野村萬斎さんが演出・主演されるシェイクスピア。豪華キャストです
10.オルテ企画『社長放浪記』
06/25-7/22本多劇場
☆出演=伊東四朗/佐藤B作/三宅裕司/藤澤恵麻/山口良一/東貴博/
伊東孝明/河本千明/中村メイコ
作=三谷幸喜 演出=三宅裕司
全席指定7,000円
http://www.atari.co.jp/
伊東四朗さん生誕(?!)七十周年を記念した三谷幸喜さんの新作。
★★★――――――――――――――――――――――――――――――
前売り完売の人気小・中劇場公演を3本ご紹介します。
――――――――――――――――――――――――――――――★★★
【1】劇団、本谷有希子『ファイナルファンタジックスーパーノーフラット』
06/04-24吉祥寺シアター
☆出演=高橋一生/笠木泉/吉本菜穂子/ノゾエ征爾/松浦和香子/
高山のえみ/すほうれいこ
作・演出=本谷有希子
前売4,300円 当日4,500円
http://www.motoyayukiko.com/
当日券は毎ステージ販売予定。
開演時間の1時間前から劇場受付にて先着順販売。
【2】阿佐ヶ谷スパイダース『少女とガソリン』
06/08-07/14ザ・スズナリ
≪東京、大阪、札幌≫
☆出演=中村まこと/松村武/池田鉄洋/中山祐一朗/伊達暁/長塚圭史/
富岡晃一郎/大林勝/下宮里穂子/犬山イヌコ
作・演出=長塚圭史
指定席6,300円 自由席5,000円(前列ベンチシート・整理番号付)
http://asagayaspiders.net/
『日本の女』『はたらくおとこ』SPECIAL SCREENING(上映会)あり。
http://blog.eplus.co.jp/etheatrix01/2007-04-24asasupa
【3】NODA・MAP番外公演『THE BEE』
06/22-07/29シアタートラム
☆日本バージョン6/22-7/9(日本語上演)
出演:野田秀樹/秋山菜津子/近藤良平/浅野和之
ロンドンバージョン7/12-7/29(英語上演・日本語字幕あり)
出演:キャサリン・ハンター/トニー・ベル/グリン・プリチャード/野田秀樹
原作:筒井康隆「毟(むし)りあい」(新潮社)より
脚本:野田秀樹&コリン・ティーバン 演出:野田秀樹
全席指定6500円
http://www.nodamap.com/
当日券は電子チケットぴあ当日券専用ダイヤルにて全ステージ販売。
詳細⇒ http://www.nodamap.com/02thebee2/ticket.htm
ロンドンバージョンはまだ空席あり(2007/6/1時点)。
☆☆☆――――――――――――――――――――――――――――――
前売3000円以下のお薦め作品を6本ご紹介します。
――――――――――――――――――――――――――――――☆☆☆
●野木萌葱さん(パラドックス定数)の戯曲が同時期に2作上演されます。
http://www.paradoxconstant.com/labo/
⇒サンモールスタジオ・プロデュース特別公演『Nf3 Nf6』
06/13-17サンモールスタジオ
☆Aバージョン:江戸川卍丸(劇団上田)/加藤敦(ホチキス)
Bバージョン:寺十吾(tsumazuki no ishi)/今里真
作=野木萌葱(パラドックス定数) 演出=佐山泰三
日時指定/全席自由(前売・当日共)一般/2500円
2バージョンチケット/3000円(前売のみ)
http://www.sun-mallstudio.com/nf3nf6tirashi.html
⇒風琴工房『crossing』
06/16-17駒込ラグロット
☆Aプロ 「おやすまなさい」作=前田司郎 演出=詩森ろば
出演=松岡洋子・宮嶋美子
Bプロ 「5 seconds」作=野木萌葱 演出=詩森ろば
出演=浅倉洋介・山ノ井史
単独券1800円 共通券3000円(Aプロ・Bプロ1回づつ)
http://www.windyharp.org/
○ポかリン記憶舎『息・秘そめて』
06/19-24こまばアゴラ劇場
☆作・演出=明神慈
前売・予約:一般3000円 平日マチネ割引2500円 学生・和服2500円
当日:一般3500円 平日マチネ割引3000円
http://www.pocarine.org/
○さいたまゴールド・シアター『船上のピクニック』
06/22-07/01彩の国さいたま芸術劇場 小ホール
☆出演=さいたまゴールド・シアター
作:岩松了 演出:蜷川幸雄
全席指定 2,500円
http://www.saf.or.jp/gold_theater/
○KAKUTA『神様の夜』ギャラリーSITE
06/23-07/01(プログラムA、B)
07/07-15(プログラムC、D)
☆読本:川上弘美「神様」(中央公論新社) 構成・演出:桑原裕子
日時指定・全席自由 前売2,500円 当日2,700円
通し券:2プロ,800円 3プロ7,000円 全プロ9,000円
http://www.kakuta.tv/kamisama/
○毛皮族『初夏の軽演劇@リトルモア地下』
06/30-07/22リトルモア地下
☆ざぶとん席(整理番号付自由席)前売1800円/当日2000円
椅子席(背もたれなし?各回枚数限定指定席)前売2000円
※7/13(金)は22時開演オールナイト
前売3300円/当日3500円(整理番号付自由席)
http://www.kegawazoku.com/stage/chika2.html
≪ミュージカル≫
○音楽座ミュージカル・Rカンパニー『アイ・ラブ・坊っちゃん』
06/01-10東京芸術劇場 中ホール
☆S席¥9,870 A席¥7,770 B席¥5,670
Web予約料金、ファンクラブ会員特別料金などあり。
http://www.ongakuza-musical.com/
2000年公演のレビュー↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2000/0530222753.html
≪イベント≫
○非戦を選ぶ演劇人の会 ピースリーディングvol.10
『9条は守りたいのに口ベタなあなたへ…』
06/30全労災ホール/スペース・ゼロ
☆作・演出・構成:永井愛
全席指定 一般1500円 中高生1000円 小学生以下500円
http://hisen-engeki.com/
◎しのぶの今月の全予定(31本+α)はSCHEDULEに掲載しています。
http://www.shinobu-review.jp/schedule.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆2 【先月のベスト3】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1.世田谷パブリックシアター『死のバリエーション』
05/11-27シアタートラム
≪東京、山口、兵庫、高知≫
☆目には見えない、形にはならない、“感情”というものに
直に触った気がしました。
美術と照明が素晴らしくて、それだけで身体に震えが来ました。
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/0512023636.html
多地域公演は6/10まで続いています!
2.ハイバイ『おねがい放課後』
05/24-06/03こまばアゴラ劇場
☆観ている方が恥ずかしくて、胸が痛くて、でも思いっきり笑ってしまう、
気まずくて微笑ましい劇世界でした。
むき出しの真実ってそういうことなのかも。
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/0525110659.html
6/3(日)まで上演中!追加公演:6/1(金)15時の回
3.文学座『ぬけがら』
05/08-17紀伊國屋サザンシアター
≪東京、尼崎、藤沢≫
☆色んな世代の観客がともに平成から昭和を旅し、いっぱい笑いました。
文学座という老舗劇団だからこそ実現できる公演だと思います。感謝。
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/0515010047.html
次点.POTALIVE 駒場編vol.1『museum』
05/13, 19井の頭線駒場東大前駅西口改札前待ち合わせ
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/0525230853.html
◎メルマガのバックナンバーはこちら↓で全て公開中!
http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000134861
メルマガ号外は誰が観ても楽しめそうなものを選んで発行しています。
2007年5月(観劇数30作品)は残念ながら発行しませんでした。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆3 【永井愛・作『こんにちは、母さん』がTVドラマに!】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎永井愛さんの傑作戯曲『こんにちは、母さん』がTVドラマになりました。
土曜ドラマ『こんにちは、母さん』NHK総合テレビ
http://www.nhk.or.jp/dodra/
各回1時間ずつで全4回のシリーズです。
5/26(土)21:00より第1回が放送されました。紹介記事↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/0526104029.html
『こんにちは、母さん』は、私のこれまでの観劇人生において
不動のNo.1作品です。再演には大切な人を連れて行きました。
初演レビュー
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2001/0325211804.html
再演レビュー
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2004/0315215806.html
母さん役と息子役は舞台版と同じく加藤治子さんと平田満さん。
有名舞台俳優さんが脇を固め、NHKならではの豪華キャストになっています。
制作統括・安原裕人さんの熱のこもった言葉にその自信が表れています。
http://www.nhk.or.jp/dodra/html_kk_midokoro.html
予告編とインタビュー動画が見られます↓※期間限定
http://www.nhk.or.jp/pr-movie/f_kon.html
第1回を拝見しましたが、映像ならではの演出効果もありながら
原作の世界をきちんと伝えてくれる素晴らしい出来でした。
家族みんなで揃ってテレビを見て、笑って泣ける作品だと思います。
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◆4 【編集後記】
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◎“CoRich舞台芸術まつり!2007春”グランプリ発表は6/15(金)!
http://stage.corich.jp/html/fes_result.html
100万円はどのカンパニーの手に!?
審査員なんだけど、自分がドッキドキ。
◎ハイバイ『おねがい放課後』のインタビュー記事を
Weeklyぴあ(5/24発売号)に執筆しました。
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/0525110659.html
◎5月に新国立劇場演劇研修所の初めての試演会に行きました。
『音楽劇「三文オペラ」』05/06-08新国立劇場 小劇場
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/0507011351.html
日本の演劇の新しい一歩を目撃したように思います。第2回は7月です。
◎6月2日夜にFM西東京『たけがき2』に出演します。
http://takegaki.k-free.net/
※PodCastingが始まっています↓
http://www.voiceblog.jp/takegaki842/
◎地方新聞に掲載される新作邦画DVDの紹介記事を書いています。
2007年5月は下記の4作品を拝見しました。
・「紙屋悦子の青春」←愛する人のために死ぬことの矛盾が胸に刺さる。
http://www.pal-ep.com/kamietsu/
・「パプリカ」←映像がスピーディーでもの凄い。
http://www.blogdeco.jp/paprika/
・「幸福な食卓」←再生は崩壊からやってくる。泣けちゃった。
http://ko-fuku.jp/pc/
・「魂萌え!」←生々しい現実を見せてくれる。きっついけど面白い。
http://www.tamamoe.com/
◎新聞・雑誌などに執筆する仕事をしています↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0331235959.html
お仕事のご依頼はこちらへ↓お気軽にどうぞ♪
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◎「CoRich(こりっち)舞台芸術!」で
いつ、どこで、何が上演されているのかを簡単検索!
感想も書き込めますよ♪
http://stage.corich.jp/
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それが私の望みです。
これからもこつこつ、地道に進んで行きたいと思っております。
皆様、どうぞよろしくお願いいたします♪
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