野村萬斎さんが演出・主演される世田谷パブリックシアターの公演。シェイクスピア作品を狂言に翻案するシリーズの3作目だそうです(前2作は『法螺侍』と『まちがいの狂言』)。今回は『リチャード三世』を河合祥一郎さんが翻案されました。演劇情報サイト・ステージウェブに河合さんの動画インタビューあり!
大・中劇場でお馴染みのベテラン役者さんと、小劇場でお馴染みの若手役者さんが同じ舞台に居るのが楽しかったです。通常ならこういう目玉公演の脇は新劇の俳優さんで固めることが多いのではないでしょうか。世田谷パブリックシアターがまた新しいチャレンジをしてくださったんだなと、嬉しく思いました。
上演時間は約3時間(途中20分の休憩を含む)。
⇒CoRich舞台芸術!『国盗人』
レビューをアップしました(2009/11/27加筆)。
ダジャレが楽しかった~(笑)。セリフのやりとりの中に、気持ち良いぐらいダジャレが満載。
メインの女役をすべて白石加代子さんが演じます。これは面白い演出ですね。でも私が伺ったのはプレビュー初日。演技についても演出についても、まだまだ上を目指せる状態だなと思いました。
装置は漆黒の能舞台。ほぼ全面を覆うかと思うほどのブラインドの幕の効果は絶大でした。はねの角度を変えることで奥が透けて見えたり、変える瞬間に光が反射してギラリとします。
衣裳はさすがコシノジュンコさん。ツルツルした素材でメタリック、だけど透けてるので軽い印象。女(白石加代子)が被るウィッグが強烈でした。『サド公爵夫人』でも凄かったですけど、今回の方が軽そうでいいですね。でもマサコ(のろいをかける女)のはちょっと演じにくそうだったな~(笑)。
黒に赤というシンプルさを狙った照明だったのかもしれませんが、赤はちょっと使いすぎのように感じました。
悪三郎(野村萬斎)の影法師をダンサーのじゅんじゅんさん(水と油)が演じられ、軽い足取りが良かったです。
ここからネタバレします。
白いリゾートドレスにアンブレラの白石さんが、「夏草や つわものどもが 夢のあと」とつぶやいて始まり、終わります。プロローグとエピローグで現代を持ってきて、まさに昔の夢のこととパッケージングしたのだと思いますが、それにしては内容が長すぎたように感じました。もうちょっと削れるところがあるんじゃないかな、と。
木ぎょうを叩いて駄々をこねる萬斎さん、王になって喜んでマイク持って歌って踊る萬斎さん・・・遊びも満載(笑)。
朽ちた木の柱だと思っていたものが、建つ角度が変わって十字架になるのがかっこ良かった。
[出演]野村萬斎/白石加代子/石田幸雄/大森博史/今井朋彦/山野史人/月崎晴夫/小美濃利明/じゅんじゅん/すがぽん/坂根泰士/土山紘史/時田光洋/平原テツ/盛隆二/大竹えり/大城ケイ/荻原もみぢ/黒川深雪/福留律子
翻案=河合祥一郎 演出=野村萬斎 作調=田中傳左衛門 衣裳=コシノジュンコ
【発売日】2007/04/22 一般 S席7,000円/A席(3階)5,000円 プレビュー公演 S席6,000円 A席4,000円(割引はありません) TSSS 各一般料金の半額(オンラインのみ取扱い)友の会会員割引 S席 6,500円 ※発売日初日のみお一人様1公演のみ枚数制限なし 世田谷区民割引 S席 6,700円
http://setagaya-pt.jp/theater_info/2007/06/post.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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